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論文記事:婚姻状況と健診受診との関連 201902-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第66巻第2号 2019年2月

婚姻状況と健診受診との関連

-平成22年国民生活基礎調査より-
川田 裕美(カワタ ユミ) 前田 光哉(マエダ ミツヤ) 佐藤 智代(サトウ トモヨ)
丸山 広達(マルヤマ コウタツ) 和田 裕雄(ワダ ヒロオ)
池田 愛(イケダ アイ) 谷川 武(タニガワ タケシ)

目的 健診を受診していない者は,喫煙習慣,運動習慣,血圧値等の健康状態や健康行動に課題が多いことが示されている。また,健診受診行動は社会経済要因によって異なることが報告されているが,婚姻関係に着目した研究はない。そこで,わが国の大規模かつ代表的な調査である国民生活基礎調査データを用いて,婚姻状況と健診受診との関連について分析した。

方法 平成22年国民生活基礎調査票の質問に回答した40~74歳の男性17,520人,女性18,577人を分析対象とした。婚姻状況は,「配偶者あり」「未婚」「死別・離別」の3群に分け,過去1年間に健診等(健康診断,健康診査および人間ドック)を受けたと回答した者を「健診受診者」と定義した。分析は男女別に年齢,就業状況,最終学歴,医療保険の加入状況,喫煙状況を調整した多変量調整ポワソン回帰分析を用いた。

結果 健診受診者の割合は,男性で75.6%(13,248/17,520),女性で67.5%(12,541/18,577)であった。男女ともに「配偶者あり」群を対照群とし,健診受診の多変量調整Prevalence ratio(PR)(95%信頼区間)を算出した結果,男性では「未婚」「死別・離別」群で有意に低く,それぞれ,0.90(0.88-0.93),0.95(0.93-0.99)であったが,女性においては有意な関連は認めなかった。さらに,国民健康保険,被用者保険の医療保険別2群に分けた結果,男性では国民健康保険加入者群,被用者保険加入者群ともに,「未婚」群でPRが有意に低い値を示したが,女性では,国民健康保険加入者群において,「未婚」「死別・離別」群のPRが有意に低い値を示し(未婚0.84:0.77-0.92,死別・離別0.94:0.90-0.98),一方,被用者保険加入者群では「未婚」「死別・離別」群のPRが有意に高い値(未婚1.10:1.06-1.14,死別・離別1.05:1.01-1.09)を示した。

結論 男性では「配偶者あり」群に比べて,「未婚」「死別・離別」群では健診受診率が有意に低く,女性では,国民健康保険加入者群において「未婚」「死別・離別」群では,健診受診率が有意に低かった。受診率の格差をなくすためには,男性の未婚者,死別・離別者,女性の自営業者や非正規雇用者における未婚者,死別・離別者や専業主婦に向けた健診受診の普及啓発が望まれる。

キーワード 健診,婚姻状況,国民生活基礎調査