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論文記事:梅毒患者数の増加に関連する要因解析 201905-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第66巻第5号 2019年5月

梅毒患者数の増加に関連する要因解析

井上 英耶(イノウエ ヒデヤ) 鈴木 智之(スズキ トモユキ)
小嶋 美穂子(コジマ ミホコ) 田村 和也(タムラ カズヤ) 井下 英二(イノシタ エイジ)

目的 近年,梅毒患者が増加している一方,増加要因については不明なところが多いため,都道府県別のデータを用いて背景因子を探索した。

方法 都道府県別の2014年から3年間の急性梅毒の1期,2期の平均患者数を人口で除したものを罹患率とし,2015年の個室付き浴場数,2015年の無店舗型性風俗特殊営業1号店舗数,2015年外国人訪問率を使用した。まず,男女間の罹患率の相関および男女別の患者数と上述の要因との相関を求めた。次に,罹患率を目的変数とし,個室付き浴場数,無店舗型性風俗特殊営業1号店舗数,外国人訪問率を説明変数として,罹患率に関連する要因を探るために,Williamsの重み付き二項ロジスティック回帰分析で検討した。

結果 梅毒の男女間の罹患率について有意な正の相関が認められた(p<0.01)。また,男女とも梅毒の患者数と個室付き浴場数,無店舗型性風俗特殊営業1号店舗数,外国人訪問率について,有意な正の相関が認められた(p<0.05)。一方,Williamsの重み付き二項ロジスティック回帰分析の結果として,無店舗型性風俗特殊営業1号店舗数が罹患率に最も大きな影響を持つことが判明した。

結論 梅毒患者数増加の背景として,無店舗型性風俗特殊営業という性風俗産業の業態が重要であることが示唆された。

キーワード 梅毒,性風俗産業,外国人訪問率,感染拡大要因,Williamsの重み付き二項ロジスティック回帰分析

 

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