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論文記事:農林業への関わりと高齢者の健康との関連性についての分析 201912-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第66巻第15号 2019年12月

農林業への関わりと高齢者の健康との関連性についての分析

廣松 正也(ヒロマツ マサヤ) 和田 有理(ワダ ユリ)
服部 真治(ハットリ シンジ) 市田 行信(イチダ ユキノブ)

目的 介護予防の観点から,農林業への関わりと高齢者の主観的健康感との関連性を調べることを目的とした。

方法 鳥取県智頭町において2017年7月に行われた介護予防・日常生活圏域ニーズ調査をもとに,要介護状態でない高齢者2,452人に対し自記式調査票を用いて郵送調査を行った。年齢と性別に欠損値の無い有効回答は1,358票(55.4%)で,このうち,目的変数である主観的健康観の欠損が無い1,307票(53.3%)を対象として分析を行った。目的変数は主観的健康感とし,説明変数は,「何らかの作物を育てているか」「山仕事をしているか」「農林業をいつからしているか」「農林業の頻度はどのくらいか」の4つの指標をそれぞれ用いた。統計的分析には,年齢,性別,経済状況を調整因子として多重ロジスティック回帰モデルを用いた。

結果 年齢,性別,経済状況について調整した上で主観的健康感と農林業への関わりの関連性を見たところ,農林業に関わりがある人ほど主観的健康感が良い傾向にあることがわかった。また,何らかの農林業を行っている人と行っていない人との間で,要介護リスクのうち,「運動機能低下者割合」「1年間の転倒あり割合」「閉じこもり者割合」「うつ割合」の計4指標について比較を行ったところ,農林業に関わっている人の方が関わっていない人よりも該当者が少ないという傾向がみられた。

結論 本研究で,農林業に関わることは,主観的健康感の良さに関連することを明らかにした。

キーワード 主観的健康感,農業,林業,要介護リスク,高齢者

 

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