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論文記事:主観的経済状況と幼児の未処置う蝕の関連 202009-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第67巻第11号 2020年9月

主観的経済状況と幼児の未処置う蝕の関連

-仙台市認可保育所における横断研究-
鎌田 由香(カマダ ユカ)

目的 保護者の経済状況と幼児の未処置う蝕の関連とその要因について検討した。

方法 平成27年10月~12月に,仙台市内の保育所に通う4歳児の保護者を対象として,質問紙調査を実施した。経済的なゆとりを「ゆとりあり」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」に分類した。処置をしたう蝕のある者とう蝕のない者を「未処置う蝕なし」,未処置う蝕のある者を「未処置う蝕あり」とした。食物摂取頻度調査から主成分分析を行って,同定された食事パターンを使用した。経済状況を説明変数,未処置う蝕を従属変数とした多変量ロジスティック回帰分析を用い,オッズ比(95%信頼区間)を算出した。

結果 調査対象2,738人のうち解析対象は1,948人であった。経済状況は「ゆとりあり」30.6%,「どちらともいえない」32.1%,「あまりゆとりはない」28.9%,「全くゆとりはない」8.4%であった。「未処置う蝕あり」の幼児は309人で,経済的な「ゆとりあり」23.6%,「どちらともいえない」30.4%,「あまりゆとりはない」31.4%,「全くゆとりはない」14.6%であった(p<0.001)。多変量ロジスティック回帰分析の結果,「ゆとりあり」を基準としたオッズ比は「どちらともいえない」1.37(0.94-1.98),「あまりゆとりはない」1.35(0.92-1.97),「全くゆとりはない」2.17(1.32-3.58)であった(p=0.006)。未処置う蝕に影響を与える因子は,「遅い起床時間・遅い就寝時間」1.52(1.05-2.21),「幼児と保護者朝食欠食あり」1.79(1.22-2.64),「第2食事パターン(甘い食品や飲料,インスタント食品が多い)」1.24(1.10-1.41)であった。

結論 経済状況が厳しい保護者の子どもは,未処置う蝕の有症率が高かった。幼児の起床・就寝時間,朝食欠食やインスタント食品が多い食事などは,経済状況に関わらず未処置う蝕の有症率と関連していた。従って,幼児の未処置う蝕を減らしていくためには,経済状況の改善は重要であるが,それと同時に基本的な生活習慣の形成と,食事全体の質に着目した栄養の教育が重要であると考えられた。

キーワード 主観的経済状況,幼児,未処置う蝕,起床・就寝時間,朝食欠食,食事パターン

 

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