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論文記事:市町村保健師の平時における防災意識 202104-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第68巻第4号 2021年4月

市町村保健師の平時における防災意識

-災害時活動の経験との関連-
川口 桂嗣(カワグチ ケイジ) 伊藤 俊弘(イトウ トシヒロ)

目的 本研究の目的は,人的資源確保の視点から高齢者雇用,腰痛対策,リフトの活用実態を組織特性や利用者像別に明らかにし,人口減少社会における資源運用(高齢者,介護福祉機器等)について提言を行うことである。

方法 高齢者雇用の実態,腰痛の発生状況,リフトの活用状況等を把握するためにWEBアンケート調査を実施した。また,リフトの活用に関する仮説を設定した。WEBアンケート調査のデータを用いて単純集計分析,比較分析,仮説の検証を試みた。比較分析と仮説検証は,介護老人福祉施設の施設特性,利用者像別で行った。仮説の検証方法は,データの確率分布から判断し,Mann-WhitneyのU検定を用いて行った。有意水準は5%とした。

結果 本研究の回答施設の属性は,全国調査と比較しても特異的なものではなかった。高齢者の雇用はほとんどの施設で行われていた。高齢者雇用をされている職員が身体介護(排せつ,入浴,食事介助)業務を担っている割合が62.3%,看護業務が53.2%,運転業務が41.8%であった。業務の実態分析から,若年層の代替資源,補完資源として介護職の不足解消への寄与が期待できる。何らかのリフトを導入している施設は36.6%であった。そのうち固定式(天井走行)リフトは9.9%,可動式(床走行)リフトは8.1%であった。また,何らかのリフトの導入をしている施設のほうがリフトを導入していない施設と比較して,車いす利用者の割合が有意に高かった(p<0.05)。リフトの導入有無別で介護職員の腰痛を有する職員割合に関しては有意な差はみられなかった。腰痛が発生すると考えられている業務はベッドの移乗で9割以上を占めた。しかし,実際のリフトの活用場面では入浴介助時が最も多く8割以上を占めた。ベッド移乗介助時は2割程度であった。腰痛を引き起こす実態と腰痛を緩和,予防するための機器の利用実態に齟齬がみられた。

結論 本研究から次の3点を提言する。第1に,今後の大幅な不足が予想される介護分野の人的資源確保策としての高齢者の積極的な雇用である。第2に,腰痛予防のためのリフトの積極的な活用である。正しい運用により移乗の負担を軽減し,介護本来の時間の確保につなげる必要がある。第3は,介護福祉士等の養成課程における教育プログラムの変革である。今後のさらなる人口減少社会を見据えた資源運用に関する価値観の変革と共有化が望まれる。

キーワード 人的資源,高齢者雇用,腰痛一次予防,リフト,人口減少社会

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