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論文記事:大学を拠点とした産後支援プログラムの実践と評価 202106-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第68巻第6号 2021年6月

大学を拠点とした産後支援プログラムの実践と評価

-対象者背景による評価の相違-
小嶋 奈都子(コジマ ナツコ) 朝澤 恭子(アサザワ キョウコ) 
平出 美栄子(ヒラデ ミエコ) 加藤 知子(カトウ トモコ)

目的 育児中の母親に対して産後うつ病を防止する重要性が提唱されており,研究者らは大学を拠点とした継続的産後支援に取り組んでいる。本研究の目的は,乳児を育児中の母親に対する産後支援プログラムの実践を評価し,対象者の属性による評価の相違を明らかにした。

方法 実践内容はベビーマッサージ,母親へのアロマトリートメント,母乳相談,育児相談,座談会であった。対象者は乳児を育児中の母親であり,1回2時間の開催で,これまでの6回の催行において6~12組/回の母子の参加があった。実践後評価のために無記名自記式調査票で回答を得た。調査期間は2019年4月から2020年2月であった。調査内容は属性,参加目的,現在の悩み,実践に対するアウトカム評価およびプロセス評価であった。分析は記述統計量を算出し,属性による群間比較を単変量解析を用いて行った。

結果 育児中の母親63名に配布し,有効回答である58部を評価対象とした(回収率92.0%)。参加者は子どもが1人いる母親が58.6%であり,年齢は30~34歳の37.9%,乳児の月齢は5カ月の22.4%が最多であった。アウトカム評価は,リラックスできた100%,コミュニケーション増加93.1%,疑問解決82.7%,悩み軽減79.3%,育児仲間ができた75.9%であった。参加者の母親への満足度は8項目すべてにおいて高く,とても満足と回答した割合は,ベビーマッサージ96.6%,アロマトリートメント91.4%,交流89.7%であった。初産婦は経産婦に比べて離乳食の悩み,乳児の病気の悩みが多く,紹介による参加が少なかった。年齢の高い母親はコミュニケーション達成度が高く,乳児の月齢が高い母親はプログラムの時間配分に満足していた。

結論 産後支援プログラムは母親にとってリラックス感と満足度が高く,有用な実践であることが明らかになった。今後の課題は,参加者範囲と実践回数を拡大し,継続的な催行でプログラムを積み重ね評価すること,年齢の若い母親たちがコミュニケーションを取りやすいように配慮すること,低月齢の児を持つ母親たちのニーズに合った参加時間の対応をすることである。

キーワード 産後ケア,母親,プログラム開発,ピアサポート,産後支援プログラム

 

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