メニュー

論文記事:日本における主として麻酔科以外の診療科に従事している麻酔科標榜医の配置状況 202111-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第68巻第13号 2021年11月

日本における主として麻酔科以外の診療科に従事している
麻酔科標榜医の配置状況

-2016年医師調査個票データによる分析-
石川 雅俊(イシカワ マサトシ)

目的 麻酔科については,厚生労働大臣の許可を得た麻酔科標榜医のみ標榜できる。麻酔科標榜医の実態についての先行研究はなく,2016年の医師・歯科医師・薬剤師調査において初めて麻酔科標榜医の数が明らかになった。外科などを専門とする主として麻酔科以外の診療科に従事している麻酔科標榜医(以下,非麻酔科の麻酔科標榜医)が麻酔科医の不足の緩和に貢献していると推察されるが,その実態は不明である。そこで本研究は,非麻酔科の麻酔科標榜医の配置状況について分析し,医療政策への示唆を検討することを目的とした。

方法 2016年末に実施された医師・歯科医師・薬剤師調査の個票データを,厚生労働省の許可を得て入手し,2016年時点の麻酔科標榜医の状況について記述した。次に,主として非麻酔科の麻酔科標榜医の特徴を明らかにするため,非麻酔科の麻酔科標榜医の有無を被説明変数,性,年齢,施設,地域分類,主として従事する診療科を説明変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った。

結果 麻酔科標榜医の4割は,非麻酔科の麻酔科標榜医であった。非麻酔科の麻酔科標榜医の特性として,男性,40歳以上,過疎地域,診療所勤務のオッズ比が有意に高いという特徴がみられた。

結論 非麻酔科の麻酔科標榜医は,過疎地域の麻酔科業務の充実に貢献するなど,麻酔科の充実に貢献している可能性が示された一方で,麻酔科専門医と異なり更新がないことから,教育制度の整備について検討が必要である。

キーワード 麻酔科標榜医,医師・歯科医師・薬剤師調査,医師偏在,更新制

 

論文