メニュー

論文記事:一人暮らし高齢者に対する介護支援専門員の支援困難感に関連する要因についての探索的研究 202111-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第68巻第13号 2021年11月

一人暮らし高齢者に対する介護支援専門員の支援困難感に
関連する要因についての探索的研究

楊 暁敏(ヨウ ギョウビン) 神部 智司(カンベ サトシ) 岡田 進一(オカダ シンイチ)

目的 本研究では,一人暮らし高齢者に対する介護支援専門員の支援困難感(以下,支援困難感)に関連している要因を探索的に検討することとした。

方法 大阪府下の居宅介護支援事業所と地域包括支援センターから2,500カ所を無作為に抽出した。各施設1人の一人暮らし高齢者を担当した経験がある介護支援専門員2,500人を対象に,自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。調査期間は平成31年1月30日から同年2月25日までであった。本研究では,回答欠損値のない644人(有効回答率:25.8%)を分析対象とした。尺度の信頼性と妥当性が検証された「一人暮らし高齢者に対する介護支援専門員の支援困難感」尺度(24項目)を従属変数,仕事の状況,労働環境に対する評価,スーパービジョンの状況,性別,年齢,介護支援専門員の経験年数,主任介護支援専門員資格の有無を独立変数とする重回帰分析を行った。

結果 分析の結果,「業務量過多によるケアマネジメントの困難感」「サービスの制約によるケアマネジメントの困難感」が正の方向,「一人暮らし高齢者の見守りサービス状況」「(スーパービジョンを)職場外で受けている」「(スーパービジョンを職場内外の)両方で受けている」「介護支援専門員の経験年数」が負の方向で「支援困難感」との有意な関連を示した。

結論 本研究の結果から,一人暮らし高齢者に対する介護支援専門員の支援困難感に対する対応策として,介護支援専門員自身の実践経験の内省的蓄積とともに,事務業務の簡素化などによる業務負担の軽減,地域資源の充実に向けた制度の見直し,事業所内外におけるスーパービジョン体制の整備などが必要とされる。

キーワード 一人暮らし高齢者,介護支援専門員,支援困難感,スーパービジョン,ケアマネジメント

 

論文