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論文記事:愛媛県南宇和郡愛南町における地域医療の現状と課題 202112-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第68巻第15号 2021年12月

愛媛県南宇和郡愛南町における地域医療の現状と課題

-地域住民ならびに医師へのアンケート調査から-
山下 薫(ヤマシタ カオル) 石川 真由(イシカワ マユ) 鄭 思青(テイ シセイ)
佐藤 准子(サトウ セツコ) 友岡 清秀(トモオカ キヨヒデ) 谷川 武(タニガワ タケシ)

目的 高齢化が進むわが国において,地域医療の需要は各地域により多様であり,その実態に合わせて政策を進める必要がある。そこで本研究では,愛媛県南宇和郡愛南町の地域住民ならびに医師を対象に,地域医療ならびに在宅医療の現状と課題を明らかにすることを目的にアンケート調査を実施した。

方法 愛媛県南宇和郡愛南町(以下,愛南町)の地域住民(497人)ならびに医師(22人)を対象に,2019年7月に無記名自記式アンケート調査を実施した。主な内容として,地域医療の課題や今後必要とされる施策,在宅医療の需要,利用実態とその理由,そして終末期医療の需要について調査した。

結果 地域医療について,53.3%の地域住民が総合的な診療を望んでおり,59.1%の医師が総合診療科の充足を求めていた。在宅医療については,地域住民の67.0%,医師の72.7%が在宅医療のニーズがあると感じていた。53.5%の地域住民が在宅医療を希望する一方で実際に受けている人は1.6%であった。看取りの場所について,43.3%の地域住民が自宅を希望している一方で,実際に自宅で看取ることが多いと答えた医師は18.2%であった。

結論 愛南町の地域医療において,地域住民,医師双方から総合的な診療が求められていることが明らかとなった。また,在宅医療の需要が高い一方で,実際に利用する地域住民や取り組む医師の割合が少ないことが明らかとなった。

キーワード 地域医療,在宅医療,総合診療,高齢化,愛南町

 

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