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論文記事:女性が認識する就労時のマタニティハラスメントの実態と対処行動 202201-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第69巻第1号 2022年1月

女性が認識する就労時の
マタニティハラスメントの実態と対処行動

古屋 恭彩(フルヤ ヨシミ) 浦中 桂一(ウラナカ ケイイチ) 朝澤 恭子(アサザワ キョウコ)

目的 就労女性が,より少ないストレスで妊娠・出産・育児を継続できる示唆を得るために,就労妊産褥婦が受けたマタニティハラスメントの実態と対処行動を明らかにすることである。

方法 量的横断研究デザインにより,属性,妊娠中・産後の職場の状況とマタニティハラスメントの実態について無記名の自己記入式調査票を用いて,2019年11月から2020年5月に調査した。研究対象は,0~6歳の子どもをもつ就労経験のある女性796名であった。分析はハラスメント経験の有無と属性の2群でχ2検定を実施し,自由記載内容をカテゴライズした。

結果 調査票を796名に配布し,有効回答388部(有効回答率48.7%)を用いてデータ分析を行った。ハラスメントあり群165名(42.5%),なし群223名(57.4%)で,ハラスメントあり群は,なし群より妊娠合併症,産後1年以内の就労復帰者,子どもの通園施設保育園が有意に多かった。妊娠・出産による退職経験者は,42.8%であった。産前のハラスメント経験の内容は,肩身の狭さ52.7%,居心地の悪さ32.7%,心無い言葉26.7%であり,産後は肩身の狭さ51.5%,居心地の悪さ30.3%,冷遇23.0%であった。ハラスメントへの対処行動は,対処できなかった46.7%,家族に相談33.9%,上司・先輩・同僚に相談24.2%であった。ハラスメント経験時の情報提供ニーズは,特になし48%,妊娠・出産・育児に関する制度18%,ハラスメントを受けたときの相談場所14%であった。ハラスメント回避の対策として,周囲に感謝,謙虚な態度,異動,制度の利用が抽出された。

結論 子どもを育児中で就労経験がある女性の42.5%が,マタニティハラスメント経験者であった。ハラスメント経験の内容は肩身の狭さ,居心地の悪さ,心無い言葉,冷遇,誹謗中傷,退職催促であった。ハラスメントへの対処行動は,対処できなかった,家族に相談,上司・先輩・同僚に相談であり,ハラスメント回避の対策は,周囲に感謝,謙虚な態度,異動,制度の利用であった。

キーワード ハラスメント,妊娠期,産褥,実態調査,就労女性

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