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論文記事:性別登録年コーホート別登録後年数別の医師届出票の届出率推計 202408-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第71巻第8号 2024年8月

性別登録年コーホート別登録後年数別の
医師届出票の届出率推計

 

本田 衞子(ホンダ エイコ)

目的 日本国内に居住する医師には偶数の西暦年12月31日現在の状況を医師届出票によって届け出る義務がある。女性医師の届出率は男性医師よりも低いのではないかとの予想の下,届出率の分析を行う。

方法 1976年から2016年までの偶数年の医師届出票と1977年から2016年までの各年の簡易生命表とを用いる。複数の調査年の届出者を同一の届出者ごとに整理した後の人数は登録者数に近づくのではないかと仮定してパネルデータを作成,パネルを構成する医師数をもって登録者数とみなす。1977年から2000年までの各年の登録者数につき,先行研究と本研究で用いる登録者数との比較を行う。生存率を考慮して生存医師数を推計し,さらに性別・登録年コーホート別・登録後年数別の届出率を推計する。推計された届出率につき登録後年数の経過に伴う変化を確認し,男女間の比較を行う。登録年コーホートを前半世代と後半世代とに分けて,前半と後半とで届出率を比較する。

結果 1977年から2000年までの登録年ごとの先行研究の登録者数に対する分析用登録者数の比率は,1984年を除き0.986から0.998の範囲にある。登録年コーホート別・登録後年数別の400組の届出率を男女間で比較してみると,女性が男性を上回ったのは11カ所であった。男性は350カ所,女性は33カ所で届出率が90.0%以上になっている。男性は1978年登録者の初回調査年で78.2%となっている以外に80%未満はないが,女性は147カ所で80%未満が記録されている。男女とも登録後年数の経過に伴い届出率は低下してから上昇する傾向にあるが,上昇傾向は異なる。登録直後から5回までの届出率では,男女とも後半世代のほうが届出率は高く,女性のほうが届出率改善の程度が大きい傾向にある。

結論 一部疑問を残しているが,パネルデータを構成する医師数をもって登録者数とする方法は様々な分析が行えるので活用度が高い。今後は,女性の届出率が低くなる,あるいは特定の登録後年数で届出率が低下する原因について分析する必要がある。

キーワード 医師届出票,届出率,性別,医籍登録年コーホート,登録後年数

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