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論文記事:中高生版ライフキャリア・レジリエンス尺度の開発 20251203 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第72巻第14号 2025年12月

中高生版ライフキャリア・レジリエンス尺度の開発

-信頼性・妥当性の検討と双生児研究法による介入可能性の探索-

高橋 美保(タカハシ ミホ) 石津 和子(イシヅ カズコ) 森田 慎一郎(モリタ シンイチロウ)

目的 本研究は,改善の余地が残されていた中高生版「ライフキャリア・レジリエンス尺度」(高橋,2015)について,その課題を克服するために,新たに質問紙調査を行って中高生のデータを取得し信頼性と妥当性を検討した。また,教育・支援に生かすためには後天的な可変性を確認することが有効と考えられたことから,遺伝と環境との関連についても探索的に検討を行った。

方法 質問紙調査は,2023年1月から3月にかけて,首都圏の中高一貫校の生徒(1~6年生)を対象に2回調査を実施した。第1回調査は623名,第2回調査は458名の回答が得られた。調査内容は中高生版ライフキャリア・レジリエンス尺度と5つの妥当性尺度(精神的回復力尺度,心理的well-being尺度の「環境制御力」因子,キャリア適応の「柔軟性」因子,積極的困難受容尺度,諦めることに対する認知尺度の「有意味性認知」)であった。遺伝と環境に関しては,双生児双方の回答が得られたデータ(一卵性58名29組,二卵性18名9組)を分析対象として,第1回調査で得られたデータから卵性診断を行うとともに遺伝性係数を算出した。

結果 第1回調査のデータを用いた探索的因子分析の結果,高橋(2015)と同じ因子構造(長期的展望,多面的生活,継続的対処,楽観的思考,現実受容)から構成されることが確認された。これについて確認的因子分析を行った結果,因子的妥当性が確認された。また,各因子と妥当性尺度の因子との関係から併存的妥当性も確認された。信頼性については内的安定性と時間的な安定性があることが示された。また,双生児法により卵性別の級内相関係数と遺伝性係数を算出した結果,「現実受容」において二卵性で有意な相関が示された。

結論 本研究の結果,中高生版「ライフキャリア・レジリエンス尺度」の信頼性と妥当性が確認された。また,双生児法により,因子の中でも,現実受容は環境の影響を受ける可能性が示唆されたが,丁寧な検討が必要である。今後は,本尺度が教育現場等で有効に活用されることが期待される。

キーワード 中高生,ライフキャリア,レジリエンス,尺度,双生児研究法

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