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論文記事:福岡県の後期高齢者医療における総医療費に影響を与える要因の検討 20251204 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第72巻第14号 2025年12月

福岡県の後期高齢者医療における
総医療費に影響を与える要因の検討

-国保データベース(KDB)を用いた分析から-

畑 香理(ハタ カオリ) 河野 高志(コウノ タカシ) 本郷 秀和(ホンゴウ ヒデカズ)

目的 本研究では,国保データベース(以下,KDB)システムを用いて福岡県の後期高齢者医療における総医療費の増減に関わる要因を明らかにすることを目的とした。

方法 KDBに集積されているデータのうち,後期高齢者医療における令和5年度の「地域の全体像の把握」を用いて,福岡県内70の保険者(市区町村)のデータから総医療費を増加もしくは減少させる要因を分析した。データ分析にはIBM SPSS Amos 29を用い,共分散構造分析によって総医療費を増加させる要因モデルと減少させる要因モデルの検討を行った。

結果 総医療費を増加させる要因モデルでは,「総医療費」に対する標準化総合効果が「有病状況(脂質異常症)」β=0.392,「有病状況(がん)」β=0.257,「外来受診率」β=0.480,「総診療日数(外来)」β=0.968,「総診療日数(入院)」β=0.516となった。総医療費を減少させる要因モデルでは,「家族や友人と付き合いがある」(β=0.74,p<0.001),「1日3食きちんと食べる」(β=0.81,p<0.001),「身近に相談できる人がいる」(β=0.69,p<0.001),「平均自立期間(要支援・要介護)(女性)」(β=0.55,p<0.001)からなる潜在変数「健康的な生活」が「総医療費」に対して有意な負の影響(β=-0.38,p<0.01)を与えることが明らかになった。

結論 本研究の結果,福岡県の後期高齢者医療における総医療費は,有病状況(脂質異常症・がん)と外来受診率を背景とした総診療日数の上昇によって増加し得ること,健診有所見の高齢者が食生活や社会関係などの維持による健康的な生活を送ることで減少し得ることが示唆された。

キーワード KDB,後期高齢者医療,総医療費,外来受診率,総診療日数,健康的な生活

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