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論文記事:レセプトデータからみた睡眠時無呼吸の新規受診率と検査入院率の推定と動向 20260203 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第73巻第2号 2026年2月

レセプトデータからみた睡眠時無呼吸の
新規受診率と検査入院率の推定と動向

 

丸尾 伸司(マルオ シンジ)

目的 2003年2月26日に山陽新幹線で起きた居眠り運転を契機に,潜在的な睡眠時無呼吸症候群(以下,SAS)運転従事者の早期発見と適切な治療の実施継続が求められている。よって今回レセプトデータを用いて睡眠時無呼吸での新規受診率とその動向,加えて終夜睡眠ポリグラフィー(以下,PSG)での入院率と動向も求めた。

方法 日本生命保険相互会社が健康保険組合などに提供している健康増進コンサルティングサービスで承諾を得て入手している匿名化され個人で連結されたレセプトデータを用いた。睡眠時無呼吸は外来または入院レセプト傷病名がG47.3(睡眠時無呼吸)と記載されているものとした。新規受診率を推測するため,レセプトがデータベースに搭載されてから1年間はG47.3が発生していない場合のみを分析対象とした。PSGは入院レセプトの医科診療行為にD237(終夜睡眠ポリグラフィー)またはA400(短期滞在手術等基本料)のうち終夜睡眠ポリグラフィーに対し医科診療報酬が算定されたものとした。

結果 睡眠時無呼吸による新規受診率とPSGによる入院発生率は男女とも時代とともに増加や減少など一定の傾向はみられなかった。年代別睡眠時無呼吸の新規受診率は男女とも50歳代が最大であり,10歳代に向け減少していたが10歳未満で再び増加していた。PSG入院率は男性では睡眠時無呼吸の新規受診率とほぼ同様の傾向であったが,睡眠時無呼吸とは異なり10歳未満の上昇はみられなかった。

結論 今回の分析に用いたG47.3(睡眠時無呼吸)には,閉塞性睡眠時無呼吸症候群以外の病態が混入している可能性はあるが,その割合は低いと想定される。よって少なくとも今回の分析結果からは,SAS診断の前提となる睡眠時無呼吸(疑いを含む)で新規に受診する人や持続陽圧呼吸療法(CPAP)治療の前提となるPSG検査を入院で実施する人は増加傾向とはいえなかった。

キーワード 睡眠時無呼吸,レセプト,終夜睡眠ポリグラフィー,受診率

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