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論文記事:健康診断の受診行動を妨げる要因の検討 20260204 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第73巻第2号 2026年2月

健康診断の受診行動を妨げる要因の検討

 

花岡 晋平(ハナオカ シンペイ) 藤田 茂(フジタ シゲル) 北澤 健文(キタザワ タケフミ)
瀬戸 加奈子(セト カナコ) 松本 邦愛(マツモト クニチカ) 長谷川 友紀(ハセガワ トモノリ)

目的 本研究の目的は,健康診断(健診)受診行動に影響を及ぼす社会経済的要因を明らかにし,健診未受診者に対する効果的な支援策の検討に資することである。

方法 厚生労働省「国民生活基礎調査匿名データ(2016年)」を用いた横断研究で,20歳以上の8,097名(男性3,985名,女性4,112名)を対象に分析を行った。健診受診の有無を目的変数とし,年齢,性別,学歴,世帯所得,世帯構成,就業状況,喫煙,飲酒習慣,健康意識,精神的ストレス(K6)の10項目を説明変数とした。χ2検定およびロジスティック回帰分析を実施した。本研究は,全国代表性を有する大規模データを用い,多要因同時調整によって健診受診行動の社会経済的決定因子を実証的に構造化した点で新規性を有する。

結果 未受診のリスクが高かったのは,20歳代,女性,中卒,所得下位,子と同居する世帯(親子,ひとり親,三世代など),喫煙者であった。飲酒習慣のある者では,受診率が比較的高い傾向がみられた。健康意識および精神的ストレス(K6)との関連は統計的に有意ではなかった。

結論 健診受診行動は,社会経済的要因から多面的な影響を受けていることが示された。特に,子と同居する世帯において未受診の傾向が強いことは,家庭環境や生活役割が受診機会に影響している可能性を示唆する。また,飲酒習慣と受診行動との関連については,生活背景や就業状況を考慮する必要がある。これらの知見は,健診未受診層に対する支援策を立案するうえで,個々の属性や生活状況に応じた柔軟な介入の必要性を示すものである。

キーワード 健康診断(健診),受診行動,社会経済的要因,精神的ストレス(K6),国民生活基礎調査

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