メニュー

論文記事:地域生活基盤の主観的アクセシビリティと将来生活不安の関連-北海道における非空間的視点からの検討- 20260401 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

     お問い合わせ

論文

論文

第73巻第4号 2026年4月

地域生活基盤の主観的アクセシビリティと将来生活不安の関連

-北海道における非空間的視点からの検討-

櫻井 秀彦(サクライ ヒデヒコ) 伊藤 敦(イトウ アツシ) 谷川 琢海(タニカワ タクミ)
岸本 桂子(キシモト ケイコ) 奥村 貴史(オクムラ タカシ)

目的 北海道は課題先進地域とされ,生活基盤の地域偏在や非都市部の過疎化と高齢化が指摘されている。本研究では,生活必需品や医療,介護など生活基盤へのアクセシビリティについて,空間的アプローチでなく生活上の弊害や主観的アクセシビリティといった非空間的要素に着目したインターネット調査を行い,その認識水準と将来生活不安との関連性を探った。

方法 まず,医療資源の充足/非充足と高齢者/非高齢者の群別で,生活上の弊害や主観的アクセシビリティの尺度得点の相違について比較検定を行った。次に,これらと将来生活不安との関連性を重回帰分析で検証した。

結果 比較検定では,個人属性は高齢者か否かでの相違がみられたが,弊害や主観的アクセシビリティは充足地域か否かでの相違が認められた。特に,医療や介護のアクセシビリティと社会資源量に困難さが認識されていた。群間比較では,社会資源量と医療アクセシビリティで,有意かつ効果量で実質的に意味のある差が認められた。ただし,非充足地域の住民でもそれほど強く困難さを認識してはいないことが示された。また,将来生活不安に関連する主な要因は食料や必需品のアクセシビリティ,次いで医療のアクセシビリティであり,尺度得点の序列と異なった。他に地域や年齢層などわずかに個別の関連性を示した。

結論 課題先進地域とされる北海道の住民を対象とした本研究の結果は,少子高齢化と人口減少がさらに進むわが国の今後の政策課題を検討していくうえでの一助となると考えられる。

キーワード 将来生活不安,主観的アクセシビリティ,生活上の弊害,北海道住民

ronbunnetshop