論文
|
第73巻第4号 2026年4月 地域包括支援センターで働く看護職が感じる
|
目的 地域包括ケアシステムの構築において中核的役割を担う地域包括支援センター(以下,包括センター)の看護職者を対象に,認知症関連業務の困難と負担感の実態を把握すること,さらにそれらの業務困難・負担感と認知症に対する知識・信念である認知症リテラシーとの関連を検証することを目的とした。
方法 全国のブランチ,サブセンターを除いた包括センターから,610のセンターを無作為に抽出し構造化質問紙を配布した。回答のあった131名を分析対象とした。8つの認知症関連業務について,困難または時間的・心理的負担の有無を5件法により回答を得た。得点化したものをアウトカムとし,包括センターならびに対象者の属性,認知症リテラシー尺度20項目との関連について,線形回帰モデルを用いて分析を行った。
結果 認知症関連業務の困難・負担感について,半数以上の対象者が「とてもそう思う/そう思う」と回答した内容は,「若年性認知症に関する支援」「地域住民に認知症の理解を得ること」であった。線形回帰分析の結果,年齢が若い,認知症リテラシーが低い看護職者ほど,認知症関連業務の困難・負担を感じる傾向が高いことが示された。
結論 医療の専門職者が認知症の人に対し肯定的な理解を持つことで,認知症関連業務に対する困難や負担感を低減する可能性が示唆された。専門職者を対象とした認知症リテラシーに関する研修・教育の介入が求められる。認知症の人も住みやすい地域づくりに向けて,地域住民や関係機関が包括センターの業務を理解し,主体的に認知症の人の支援に参加していくことが重要である。
キーワード 地域包括支援センター,認知症リテラシー,業務困難,業務負担






