メニュー

論文記事:第8次医療計画における医師少数スポットに関する研究-第7次計画との比較- 20260404 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

     お問い合わせ

論文

論文

第73巻第4号 2026年4月

第8次医療計画における医師少数スポットに関する研究

-第7次計画との比較-

中村 晃久(ナカムラ アキヒサ) 寺裏 寛之(テラウラ ヒロユキ)
小谷 和彦(コタニ カズヒコ) 小池 創一(コイケ ソウイチ)

目的 医師少数スポットとは,二次医療圏よりも小さい単位の局所的に医師が少ない地域で,医師少数区域と同様に医師確保に対して重点の置かれる地域である。第7次医療計画における医師確保計画(2020-2023年度)から,都道府県は医師少数スポットの設定が可能になった。第7次医療計画から第8次医療計画に移行するにあたり,医師確保計画策定ガイドラインにおいて,医師少数スポットの設定に関し変更点があった。第7次医療計画では,二次医療圏より小さい単位という制約を除けば,その設定は都道府県の裁量に委ねられていた。しかし,第8次医療計画では,その設定は市区町村単位が推奨されるようになった。本研究では,第8次医療計画における医師少数スポットの設定状況について調査し,第7次医療計画時との比較を行った。

方法 各都道府県が公開している第8次医療計画または医師確保計画の文書(2024年4月1日現在)を収集した。これらから医師少数スポットに関する記述が認められた都道府県を抽出し,2群(医師少数スポットを設定した都道府県(設定群)と,医師少数スポットの設定がない都道府県(未設定群))に分け,第7次医療計画と第8次医療計画について,各都道府県の医師少数スポットの設定状況,数, 設定単位に着目して比較した。データの名義変数は比率で表し,χ2検定および残差分析を用いて検討した。

結果 医師少数スポットに関する記述が認められた都道府県数は40(85%)であった。そのうち,設定群の都道府県数は30(75%)で,第7次医療計画と比較して4県増えた。第8次医療計画の医師少数スポットは352地区で,第7次医療計画(313地区)と比較して39地区増えた。第8次(37.5%)および第7次医療計画(34.2%)に共通して,市区町村単位の設定が最も多かったが,その割合に有意な差はみられなかった。第8次医療計画では,第7次医療計画と比較して,町丁字単位で設定された医師少数スポットの割合が有意に高く,公民館地区で設定された医師少数スポットの割合が有意に低かった。

結論 第8次医療計画では,第7次医療計画と比較して,設定された医師少数スポットならびにこれらを設定している都道府県も増加していた。これは,医師少数スポットを医師確保策として活用する動きを表していると推察する。今後,どのような医師少数スポットの設定が医師確保策に有効なのか見守っていく必要がある。

キーワード 医師少数スポット,医療計画,医師確保,医師偏在 

ronbunnetshop