論文
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第73巻第7号 2026年7月 介護対応力評価尺度における
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目的 本研究の目的は,認知症の人の家族介護者(主たる介護者)の介護への対応力を測定する自記評価式尺度である介護対応力評価尺度(Caregiving Competence Scale for Dementia:以下,CCSD)について,抑うつとの関連を分析し,介護対応力低下を判断するカットオフ値を検証することである。
方法 調査対象者は,軽度認知障害および軽度から重度の認知症の人を1日当たり25分以上介護している主たる家族介護者とした。「公益社団法人認知症の人と家族の会」(以下,家族の会)に調査の協力を依頼し,質問紙を配布した。質問紙の内容は家族介護者と被介護者の年齢,性別および介護期間や状況などの基本情報の他,CCSD,うつ病の自記式評価尺度であるThe Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)等である。回収は郵送法とした。回収された質問紙から,CES-Dの16点を基準に抑うつ群,非抑うつ群に分けた。この2群間比較にて,抑うつとCCSDの関連を確認した後,抑うつの有無を状態変数としてReceiver Operating Characteristic(以下,ROC)分析を行った。
結果 家族の会各支部への総配布数は259部であり,156部(回収率60.2%)の回収であった。回収した156部のうち6部が欠損値や除外基準を理由に除外となり,150名(有効回収率57.9%)が分析対象となった。CES-Dのカットオフ値で群分けした結果,抑うつ群は96名(64%),非抑うつ群は54名(36%)であった。抑うつ群のほうが,CCSDの得点が有意に低く(p<0.001),抑うつと介護対応力の関連が認められた。CCSDのカットオフについては,Youden Indexより,CCSDのカットオフ値は77/78と定め,感度88.1%,特異度42.5%であった。陽性的中率は91.6%,陰性的中率は45.0%,AUCは0.72(95%信頼区間:0.63-0.79)であった。
結論 本研究においてCCSDのカットオフ値の検証を行った結果,77/78がカットオフ値として設定された。その感度は高く,介護上の問題を早期に発見し,適切な支援につなげるうえで有用であると判断した。一方,特異度は低かったが,他評価と合わせて運用と解釈を進めることで,家族介護者への適切な支援につなげていくことが可能と考える。
キーワード 認知症の人,家族主介護者,介護対応力,カットオフ値






