論文
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第73巻第7号 2026年7月 介護職員における仕事と家族介護の
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目的 特別養護老人ホームの介護職員を対象としたアンケート調査を通し,仕事と家族介護の両立の実態と特性を明らかにした上で,組織レベルの支援策を検討することを目的とした。
方法 A市老人福祉施設連盟,15法人28施設の特別養護老人ホームで勤務する常勤介護職員529人を対象に無記名自記式アンケート調査を実施し,372人から回答を得た(回収率70.3%)。主な調査項目は,対象者の属性,家族介護の全体的状況,被介護者の状況,仕事と家族介護の両立の実態,仕事と家族介護が相互に与える影響,両立支援制度利用の有無と職場に求める支援である。これらの項目について記述統計を行った。家族介護の全体的状況を踏まえ「現在,仕事と家族介護を両立している」(以下,現両立群)と「以前,仕事と家族介護を両立していた」(以下,以前両立群)等に分類し,集計した。
結果 現両立群が10.5%,以前両立群は7.8%であり,約2割の介護職員が仕事と家族介護の両立の経験を有していた。「ここ数年のうちに家族介護をする可能性がある」は22.6%であった。介護職員の自分が家族介護を担うべきという認識は両群ともに約4割にとどまる一方,他の家族から家族介護を担うことを求められると約6割が回答した。家族介護を担って以降「介護保険サービス利用に抵抗がある」が約8~9割を占めた。家族介護への不安は強く,施設入所の希望も約5~6割みられた。介護の仕事が家族介護に与える影響よりも,家族介護が介護の仕事に与える影響が相対的に大きかった。両立支援制度は,仕事と家族介護を両立している介護職員の約1~2割しか利用していなかった。
考察 「ここ数年のうちに家族介護をする可能性がある」を含めると介護職員の約4割が家族介護の当事者となる可能性があることから,介護職員の不安を軽減し,就業継続に向けた支援の必要性が示唆された。仕事と家族介護を両立している介護職員の特性は,①自己認識と周囲からの役割期待の乖離,②介護保険サービス利用への強い抵抗感,③介護職員であっても感じる家族介護の不安と限界,④仕事での介護は家族介護に生かしにくいものの,家族介護は仕事での介護に生かされていることであった。組織レベルの支援には,両立支援制度の利用と同時に,介護保険サービスの紹介や自法人の介護保険サービスの利用を提案する等が求められる。
キーワード 介護職員,家族介護,仕事と介護の両立,就業継続,特別養護老人ホーム,組織レベルの支援






