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第73巻第8号 2026年8月 ヤングケアラーがいる保護者における
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目的 家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っているヤングケアラーは,日々の生活や精神的な負担だけでなく長期的な健康への負の影響が懸念される。ヤングケアラーの負担軽減のためには,ヤングケアラーに頼らざるを得ない家庭が,子育て支援制度などの地域社会資源を十分に活用することが求められるが実態は不明である。そこで本研究は,ヤングケアラーがいる人といない人を比較して,地域社会資源の利用状況との関連について検討することを目的とした。
方法 本研究の対象者は,2022年「生活と支え合いに関する調査」に参加し,有効回答が得られた子どもがいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満)の世帯員とした(n=2,541)。地域社会資源は,子育て支援制度利用状況,こども食堂の認知と活用状況とした。こころの健康状態(K6)や生活困難さ(相対的貧困,物質的はく奪,孤独感,介護や看病について頼れる人の有無),基本属性(年齢,性別,最終学歴,配偶関係,世帯構造,仕事の有無,18歳未満の子どもの人数)を調整した上で,多変量解析を行った。
結果 ヤングケアラーがいる人の割合は17.2%(436名)であった。ヤングケアラーがいる人は,ヤングケアラーがいない人に比べて,子育て支援制度を活用していない可能性が示唆された(調整オッズ比:0.63,95%信頼区間:0.47-0.85,p<0.01)。またヤングケアラーがいる人は,こども食堂の認知度が高かった(調整オッズ比:1.78,95%信頼区間:1.29-2.46,p<0.01)。
結論 本研究により,ヤングケアラーがいる人は,子育て支援制度を活用していない傾向がみられた一方で,こども食堂の認知度が高い可能性が示唆された。今後は,こども食堂などの地域の取り組みをきっかけに支援につながる仕組みの構築や,行政・学校・地域が連携した情報提供や相談体制の拡充が求められる。地域資源の認知と利用の双方を高める環境整備は,ヤングケアラーが生まれにくい家庭環境の形成にも寄与すると考えられる。
キーワード ヤングケアラー,子育て支援制度,こども食堂,相対的貧困,物質的はく奪,生活と支え合いに関する調査






