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論文記事:施設入居後の高齢女性の主観的幸福感について 201506-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第62巻第6号 2015年6月

施設入居後の高齢女性の主観的幸福感について

-友人関係と高齢期の生き方を中心に-
鈴木 依子(スズキ ヨリコ)

目的 施設入居後の環境適応について,高齢期の望ましい生き方に対する志向の違いによって,友人関係の形成に差があるかどうかを検討した。また,主観的幸福感が,高齢期の望ましい生き方の認識や施設入居後の友人関係形成に関連があるかどうかを検討することを目的とし,今後,高齢期に住み替えを行う場合の基礎資料を得ることとした。

方法 対象者は東京都のケアハウスの居住者で,都内のケアハウスに調査協力を依頼し,生活相談員を通して調査趣旨に賛同の得られた居住者に対して,調査票を配布し無記名での回答を求め,郵送により回収した。有効回収数は428,有効回収割合は71%であった。施設職員による代理回答は求めなかった。このうち配偶者のいない女性278名のデータのみを用いた。調査内容は,基本属性,高齢期の生き方,友人関係,主観的幸福感とした。

結果 「変化・挑戦志向」的生き方をしている者は,主観的幸福感が高かった。提供サポートと受領サポートには主観的幸福感との関連が見られなかった。ただ,生き方が消極的な群で提供サポートに満足している場合に主観的幸福感が高かった。

結論 消極的な生き方の者が主観的幸福感を得ることができるように,彼らが施設内の友人に対して,サポートを提供できるような環境を整えることの重要性が示唆された。

キーワード ケアハウス入居者,高齢期の生き方,友人関係,主観的幸福感

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