一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供 - 論文記事:介護支援専門員による主治医や介護サービス担当者との情報共有の実態 20260902

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論文

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第73巻第11号 2026年9月

介護支援専門員による主治医や
介護サービス担当者との情報共有の実態

 

渡辺 忍(ワタナベ シノブ)

目的 本研究の目的は介護支援専門員による主治医と介護サービス担当者との医療情報の共有の現状と介護支援専門員の医療情報理解の自信度の関連を明らかにすることである。

方法 A県内の全居宅介護支援事業所に所属するすべての介護支援専門員を対象に2024年1~2月に自記式質問紙調査を行った。調査では,年齢,性別,基礎資格などの対象者の背景の他,主治医と直接情報共有した程度(5件法),医療情報理解の自信度(5件法),介護サービス担当者と直接情報共有した程度(5件法),情報共有のタイミングや手段,情報共有が困難だと感じる主治医の所属種別等について記入を求めた。分析はすべての項目について単純集計を行い,「医療情報理解の自信度」と「主治医との情報共有の程度」「介護サービス担当者との医療情報の共有の程度」の関連についてSpearmanの順位相関係数を算出した。

結果 866部送付し,回収されたうち476部を分析対象とした(有効回答率55.0%)。主治医との情報共有は「いくつかのケース(全ケースの20%以下)で直接やりとりをしたことがある」が237名(49.8%),介護サービス担当者との医療情報の共有は「ほとんどのケース(全ケースの80%以上)で直接やりとりをしている」が159名(33.4%)で最も多かった。また医療情報理解の自信度で最も多かったのは「どちらともいえない」の223名(46.8%)だった。主治医と情報共有のタイミングで最も多かったのは「困ったことや何か問題が生じた時」の380名(79.8%),主な情報共有手段で最も多かったのは「直接会う」の225名(47.3%),主治医との情報共有が困難だと感じる主治医の所属は「特定機能病院・大学病院」が317名(66.6%)で最も多かった。医療情報理解の自信度と主治医との情報共有の程度(rs=0.297,p<0.001),介護サービス担当者との医療情報の共有の程度(rs=0.271,p<0.001)の間に弱い正の相関がみとめられた。

結論 介護支援専門員の医療情報理解の自信度と,主治医・介護サービス担当者との医療情報の共有の程度に弱い正の相関が認められた。地域包括ケアシステムを推進する今後に向けて,介護支援専門員が医療情報を共有したり理解しやすくなるような,主治医や介護サービス担当者との情報共有システムの構築が必要と考える。

キーワード 介護支援専門員,情報共有,主治医,介護サービス担当

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