論文
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第73巻第11号 2026年9月 高齢期の就労と長寿社会への希望や
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目的 本研究では,ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査の分析を通して,高齢期の就労の有無と長寿社会に対する希望や不安との関連を探索することを目的とする。
方法 「ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査,2020」(生命保険文化センター)の個票データの提供を受け,二次分析を行った。研究対象者は全回答者のうち65歳以上の者とし,分析使用項目は出生年月,性別,退職・引退(予定)年齢,配偶者の有無,同居家族の有無,主観的健康,客観的健康,1日の歩行時間,長寿社会への希望や不安,何歳まで生きたいか,長寿社会最大の不安,世帯保有金融資産額,家賃・住宅ローンの有無であった。分析①として就労の有無を独立変数,長寿社会への希望や不安を従属変数,分析②として就労の有無を独立変数,何歳まで生きたいか,長寿社会最大の不安を従属変数とし,年齢,客観的健康,配偶者の有無,主観的健康,家賃・住宅ローンの有無,同居家族の有無,1日の歩行時間,世帯保有金融資産額を調整変数として男女別にロジスティック回帰分析を行った。
結果 対象者1,471人の平均年齢(標準偏差)は74.7(6.7)歳,男性762人(51.8%),女性709人(48.2%)であった。働いている人は28.0%,働いていない人は72.0%であった。就労の有無と長寿社会への希望や不安との間には,男女ともに統計的に有意な関連は認められなかった。就労の有無と何歳まで生きたいかについては,男女ともに有意な関連は認められなかった。就労の有無と「長寿社会最大の不安が経済面であること」の間には,男性(オッズ比[以下,OR]=1.85,95%信頼区間[以下,95%CI]:=1.10-3.09,p=0.02)において有意な正の関連が認められた。就労の有無と「長寿社会最大の不安が身体面であること」の間には,男性(OR=0.55,95%CI=0.37-0.82,p<0.01)において有意な負の関連が認められた。就労の有無と「長寿社会最大の不安が認知面であること」「長寿社会最大の不安が生きがいであること」の間に,男女とも有意な関連は認められなかった。
結論 就労可能な健康状態を維持している高齢男性は,経済不安により就労している可能性が示唆された。一方,高齢女性においては就労と長寿社会における不安との間に関連が認められず,就労による生活の変化が少ない可能性が示唆された。
キーワード 高齢労働者,就労,長寿社会の希望や不安,何歳まで生きたいか,長寿社会の不安






