第115回看護師国家試験 午前一般問題
令和8年2月14日(日)に実施された第115回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。
「国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
▼第115回看護師国家試験
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厚生の指標増刊
国民衛生の動向 2025/2026
発売日:2025.8.26
定価:3,740円(税込)
416頁・B5判
雑誌コード:03854-08
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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
午前 一般問題
▶午前26
骨格筋の収縮で正しいのはどれか。
- アクチンがATPを消費する。
- 細胞外カルシウムイオンが必要である。
- 筋収縮の結果、グリコゲンが蓄積される。
- ミオシンフィラメントの長さは変化しない。
④ ミオシンフィラメントの長さは変化しない。
筋収縮は、ミオシンフィラメントとアクチンフィラメント間の滑り運動により起こるもので、それぞれ長さを変えることなく滑り合う。
×① アクチンがATPを消費する。
筋収縮のエネルギー源であるATPは、ミオシン頭部に存在する分解酵素によりADPとリン酸基に分解されてエネルギーが発生する。
×② 細胞外カルシウムイオンが必要である。
神経の刺激により筋細胞内の小胞体からカルシウムイオンが放出されることをきっかけに、筋収縮が起こる。
×③ 筋収縮の結果、グリコゲンが蓄積される。
筋収縮の結果、グリコゲンが分解され、乳酸や無機リン酸が蓄積される。
▶午前27
痛みの伝導で正しいのはどれか。
- 一次ニューロンは運動ニューロンよりも伝導速度が速い。
- 刺激を受けた側と同側の脊髄を上行する。
- 延髄で次の神経細胞とシナプスを作る。
- 視床で次の神経細胞とシナプスを作る。
④ 視床で次の神経細胞とシナプスを作る。
痛みの感覚が伝わる路(伝導路)をみると、まず全身にある侵害受容器(一次ニューロン)が痛みの刺激に反応する。そこから脊髄後角(二次ニューロン)に伝達され、さらに反対側に交叉し上行して、視床(三次ニューロン)に至る。視床はシナプス(神経伝達物質)を介して大脳皮質の神経細胞に情報を伝達することで、痛みが認識される。
▶午前28
膀胱壁の蓄尿反射を引き起こす刺激はどれか。
- 圧迫
- 痛み
- 温度
- 伸展
④ 伸展
膀胱に尿が溜まり、膀胱壁が伸展することで尿意を感じる。ここから、膀胱壁の平滑筋が弛緩することで内外尿道括約筋が収縮して排尿が抑制される蓄尿反射、または、膀胱壁の平滑筋が収縮することで内外尿道括約筋が弛緩して体外に排尿される排尿反射が起きる。
▶午前29
肺血栓塞栓症の確定診断に用いるのはどれか。
- Dダイマー
- ヘモグロビン
- プロトロンビン時間〈PT〉
- 活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉
① Dダイマー
肺血栓塞栓症は、主に下肢の静脈にできた血栓が肺に到達して肺動脈が詰まる疾患をいう。Dダイマーは血栓(フィブリン)が分解されたときに生じる物質であり、その血液中の数値が肺血栓塞栓症の確定診断に用いられる。
▶午前30改題
令和4年(2022年)の日本の医療保険制度で正しいのはどれか。
- 先進医療は保険診療が適用される。
- 自己負担の割合は一律で3割である。
- 国民健康保険加入者は75歳以上である。
- 被用者保険加入者は人口の約6割である。
④ 被用者保険加入者は人口の約6割である。
わが国はすべての国民が、「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかの医療保険制度に加入することとされており(国民皆保険)、令和4年度(2022年度)末現在の適用者は、順に62.8%、21.7%、15.5%となっている。
×① 先進医療は保険診療が適用される。
先進医療は、保険診療(被保険者が医療費の一部を負担して診療サービスを受けられるもの)の対象外である。
×② 自己負担の割合は一律で3割である。
自己負担の割合は、3割負担の者のほか、未就学児は2割、70歳以上75歳未満の者は2割(所得により3割)、後期高齢者医療制度の被保険者(原則75歳以上)は1割(所得により2割または3割)となっている。
×③ 国民健康保険加入者は75歳以上である。
国民健康保険加入者は75歳未満である。75歳以上は後期高齢者医療制度の被保険者となる。
*第4編2章 医療保険制度 p211~222
▶午前31
法律とその内容の組合せで正しいのはどれか。
- 児童福祉法――医療的ケア児が在籍する学校への看護師の配置
- 母子保健法――経済的に困窮した妊産婦の助産施設入所
- アルコール健康障害対策基本法――20歳未満の飲酒の禁止
- 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律〈障害者虐待防止法〉――市町村への通報義務
④ 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律〈障害者虐待防止法〉――市町村への通報義務
障害者虐待防止法では、養護者や障害者福祉施設従事者等による障害者虐待について、発見した者は速やかに市町村に通報しなければならないとされている。
×① 児童福祉法――医療的ケア児が在籍する学校への看護師の配置
「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」に規定されている。
×② 母子保健法――経済的に困窮した妊産婦の助産施設入所
「児童福祉法」に規定されている。
×③ アルコール健康障害対策基本法――20歳未満の飲酒の禁止
「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」に規定されている。
*第3編2章 1.1〕母子保健法に基づく施策 p96~99
*第3編2章 4.6〕(6)依存症対策 p116~117
*第5編2章 3.児童家庭福祉 p238~242
*第5編2章 4.4〕障害者虐待防止対策 p243
▶午前33
禁酒を指導されている患者が「禁酒できたらもっと健康的な生活になるね。自分は我慢強いところがあるからやれると思う」と話し、3週間禁酒を続けている。
患者の行動変容を促したのはどれか。
- 自己洞察
- 自己効力感
- 自己中心性
- 自己同一性
② 自己効力感
自己効力感は、目標を達成し、実現能力を持っていると認識することをいい、自己効力感を高めることで自己管理の継続が図られる。
▶午前34
臥床して右股関節と右膝関節を90度屈曲位にした図をAに示す。

Aの状態から右下肢を矢印の方向に動かしてBの状態になった。
このときの股関節の運動はどれか。
- 外旋
- 外転
- 内旋
- 内転
③ 内旋
股関節の動きとして、股関節を起点に足を前に出す「屈曲」と後ろに下げる「伸展」、足を外側に開く「外転」と内側に閉じる「内転」、外側にひねる「外旋」と内側にひねる「内旋」がある。図は「外旋」と混同しそうだが、股関節から続く太ももに注目して、内側にひねっているため「内旋」と捉える。
▶午前35
Fowler〈ファウラー〉位で膝窩に枕を挿入する理由で正しいのはどれか。
- 頸部の前屈を防ぐ。
- 上半身のずれを防ぐ。
- 脊柱の生理的弯曲を保つ。
- 尖足を防ぐ。
② 上半身のずれを防ぐ。
上半身を45度程度上げる半坐位(ファウラー位)は、誤嚥や胃食道逆流の予防、呼吸を楽にするなどの効果があるが、上体が下にずれやすいというデメリットもあるため、膝窩に枕を挿入することでその防止が図られる。
▶午前36
腹部の打診で観察するのはどれか。
- 鼓音
- 反跳痛
- 筋性防御
- 腫瘤の硬さ
① 鼓音
便秘患者の腸管内に溜まったガスや便の状態をアセスメントするために腹部の打診が行われ、多量のガスが貯留した状態(鼓腸)では鼓を打つような音(鼓音)が確認される。その他は触診で観察される。
▶午前37
尿比重が低くなるのはどれか。
- 糖尿病
- 尿崩症
- 水欠乏性脱水
- ネフローゼ症候群
② 尿崩症
尿崩症は、下垂体後葉から分泌されるバソプレシン(抗利尿ホルモン)の反応性が低下することにより、3リットル以上の多尿、多飲を特徴とし、その結果、尿比重(尿中の成分の濃度)が低下する。
▶午前38
睡眠の特徴で正しいのはどれか。
- 新生児の睡眠は単相性である。
- 乳児の1日の総睡眠量は7時間前後である。
- 成人期では一晩で睡眠周期を10回程度繰り返す。
- 老年期では早朝覚醒が起こりやすい。
④ 老年期では早朝覚醒が起こりやすい。
加齢に伴って深いノンレム睡眠の時間は短く、浅いレム睡眠の時間は長くなるため、老年期には睡眠中の途中覚醒が多くなり、眠りが浅くなる。
×① 新生児の睡眠は単相性である。
単相性の睡眠とは1日1回まとまった睡眠を取ることで、新生児期では覚醒と睡眠を繰り返す多相性の睡眠となる。
×② 乳児の1日の総睡眠量は7時間前後である。
乳児期の睡眠量は、新生児では1日16~20時間で、1歳までの乳児でも12時間以上が目安である。
×③ 成人期では一晩で睡眠周期を10回程度繰り返す。
成人期では、約90分のノンレム睡眠と数分のレム睡眠の睡眠周期を繰り返すので、一晩に4~6回の睡眠周期となる。
▶午前39
歯ブラシを用いたブラッシングで歯周ポケットの清掃に適しているのはどれか。
- バス法
- フォーンズ法
- ローリング法
- スクラビング法
① バス法
バス法は、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境に45度の角度で当てて小刻みに磨く方法で、歯周ポケットの清掃に適している。
×② フォーンズ法
フォーンズ法は、歯ブラシの毛先を歯に対して直角(90度)に当てて円を描くように磨く方法で、細かい歯垢の除去に適している。
×③ ローリング法
ローリング法は、歯ブラシの毛先を歯の根元に垂直に当てて歯の先まで回転させる方法で、歯肉のマッサージに適している。
×④ スクラビング法
スクラブ法(スクラビング法)は、歯ブラシの毛先を歯に対して直角(90度)に当てて横方向に小刻みに磨く方法で、歯垢の除去に適している。
▶午前40
右腕に点滴静脈内注射をしている成人患者の寝衣(パジャマ)の交換について正しいのはどれか。
- 寝衣(パジャマ)は右袖から脱がせる。
- 右袖を脱ぐ際に、点滴ボトルはベッド上に置く。
- 清潔な寝衣(パジャマ)は左袖から着せる。
- 清潔な寝衣(パジャマ)の右袖には、先に点滴ボトルを通してから腕を通す。
④ 清潔な寝衣(パジャマ)の右袖には、先に点滴ボトルを通してから腕を通す。
チューブの引っ掛かり等を防ぐため、着衣時は点滴ボトルを腕よりも先に袖に入れる。
×① 寝衣(パジャマ)は右袖から脱がせる。
×③ 清潔な寝衣(パジャマ)は左袖から着せる。
片腕の持続点滴患者の衣類の着脱(介助)時には脱健着患が原則で、脱ぐときは健側(点滴していない左腕)から、着るときは患側(点滴している右腕)から行う。
×② 右袖を脱ぐ際に、点滴ボトルはベッド上に置く。
着脱時であっても、点滴ボトルは心臓より高い位置に設置しておかなければならない。
▶午前41
頭部の切創からの出血で選択する止血法はどれか。
- 止血帯法
- タンポン法
- 間接圧迫止血法
- 直接圧迫止血法
④ 直接圧迫止血法
失血を防ぐための圧迫止血法には、ガーゼなどで出血部位を強く押さえる直接圧迫止血法と、出血部位に近い中枢側の動脈を圧迫する間接圧迫止血法がある。止血法の第一選択は直接圧迫止血法である。
▶午前42
在宅療養中の高齢者のケアマネジメントで正しいのはどれか。
- サービス提供は専門職の判断を優先する。
- 高齢者本人はサービス担当者会議の構成員である。
- インフォーマルサービスはサービス計画に入らない。
- 地域包括支援センターが施設サービス計画を作成する。
② 高齢者本人はサービス担当者会議の構成員である。
ケアマネジメントは、要介護者等に対して適切な介護サービスが提供されるように、介護支援専門員が支援・調整を行うプロセスをいう。サービス担当者会議は、介護サービス計画の内容を検討する会議であり、サービス提供者のほか、本人やその家族も構成員となる。
×① サービス提供は専門職の判断を優先する。
サービス提供に当たり、本人の意向を優先する。
×② インフォーマルサービスはサービス計画に入らない。
介護保険制度に基づくフォーマルサービスのほか、家族・地域の支え合いやボランティアなど制度に捉われないインフォーマルサービスもサービス計画に含む。
×③ 地域包括支援センターが施設サービス計画を作成する。
施設入所に際して作成される施設サービス計画は、その施設の介護支援専門員が作成する。
*第5編1章 8.3〕介護支援専門員〈ケアマネジャー〉 p231~232
▶午前43
訪問看護指示書について正しいのはどれか。
- 訪問看護開始後に発行される。
- 使用中の医療機器が記載される。
- 訪問看護指示期間は最大5か月である。
- 訪問看護ステーションの管理者が交付できる。
② 使用中の医療機器が記載される。
訪問看護サービスは、医師の訪問看護指示書の下に行われる。訪問看護指示書には、患者の状態や投薬中の薬剤、使用中の医療機器などを記載する。
×① 訪問看護開始後に発行される。
訪問看護開始前に発行される。
×③ 訪問看護指示期間は最大5か月である。
訪問看護指示期間は最大6か月である。
×④ 訪問看護ステーションの管理者が交付できる。
主治医が交付する。
*第4編1章 3.2〕訪問看護 p173~174
▶午前44
訪問看護師が利用者の手段的日常生活動作〈IADL〉を確認するための質問で正しいのはどれか。
- 「自分で洗濯ができますか」
- 「着替えは1人でできますか」
- 「ご飯は自分で食べられますか」
- 「1人でお風呂に入ることができますか」
① 「自分で洗濯ができますか」
手段的日常生活動作〈IADL〉は、食事、移動、排泄、入浴、更衣、整容などの基本的日常生活動作〈BADL〉よりも複雑な動作・判断が求められる応用的な動作をいい、買い物、料理、洗濯、電話、服薬管理、金銭管理、乗り物の利用等を評価項目としている。
▶午前45
Aさん(80歳、男性)は人工肛門造設術を受けて自宅に退院した。ストーマ管理のため、訪問看護を週に1回利用している。Aさんは電車で隣県に住んでいる孫に会いに行きたいと希望している。
Aさんの外出に向けた目標で最も適切なのはどれか。
- 食物繊維を避けた食事が摂れる。
- 装具が剝がれた場合に対処できる。
- 起こりやすい皮膚障害が理解できる。
- 装具交換に必要な物品の購入先がわかる。
② 装具が剝がれた場合に対処できる。
人工肛門造設後における外出は、事前のストーマ装具の状態のチェックや、装具が剥がれた場合の替えの装具等の準備、交換ができる場所の確認などを踏まえて行う。
▶午前46
ノーリフトケアに該当するのはどれか。
- 車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。
- 患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。
- スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
- ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。
③ スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
ノーリフトケア(no lift care)は、リフトやスライディングシートを活用し、介助者が患者を抱え上げるといった行為を行わないケアの方法で、介助者の腰痛予防に効果的とされる。
▶午前47
職業に伴う作業や環境と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
- 紫外線の曝露――緑内障
- 情報機器作業――眼疲労
- 工具や機械の振動――手指の熱感
- 重量物の取り扱い――骨粗鬆症
② 情報機器作業――眼疲労
情報機器作業は、眼疲労など視力障害や、同一姿勢による筋骨格系の症状を引き起こす。
×① 紫外線の曝露――緑内障
紫外線の長期間の暴露により、白内障を引き起こす。
×③ 工具や機械の振動――手指の熱感
身体局所への振動を伴う作業により、手指の末梢循環障害による手指の冷感を引き起こす。
×④ 重量物の取り扱い――骨粗鬆症
重量物の取扱いにより、(災害性)腰痛を引き起こす。
*第8編 5.職業性疾病の予防対策 p305~307
▶午前48
意思決定が困難な成人患者の代理意思決定で適切なのはどれか。
- 意思決定者を医療者が指名する。
- 患者の意思を推定して判断する。
- 意思決定した内容は変更できない。
- 意思決定者に親しい友人は含まれない。
② 患者の意思を推定して判断する。
代理意思決定とは、急激な意識レベルの低下などにより意思決定ができなくなった患者に代わって、家族が患者の意思を推定し、治療・生命に関わる選択・決定を行うことをいう。
×① 意思決定者を医療者が指名する。
将来の判断能力の低下に備えて、本人があらかじめ書面等により指名する。
×③ 意思決定した内容は変更できない。
本人の健康状態や意思の変化等に応じて、柔軟に変更できる。
×④ 意思決定者に親しい友人は含まれない。
意思決定者には、親族のほか、親しい友人も含む。
▶午前49
慢性疾患がある成人のアドヒアランスを高める要因はどれか。
- 自覚症状がない。
- 治療費が高額である。
- 療養方法が複雑である。
- 療養方法の利益と害が分かる。
④ 療養方法の利益と害が分かる。
アドヒアランスとは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、患者自身が納得し、決定した上で治療を受けることをいう。療養方法の利益と害を知ることは、アドヒアランスを高める(納得感を高める)要因となる。
▶午前50
廃用症候群の説明で適切なのはどれか。
- がん患者ではみられない。
- 尿管結石を発症しやすい。
- 加齢とともに進行は遅くなる。
- 二次的に高血圧を発症しやすい。
② 尿管結石を発症しやすい。
廃用症候群とは、活動性の低下により二次的に身体機能が低下するものである。症状の一つとして骨吸収(破骨細胞による古い骨の分解、破壊)があり、その亢進により血中カルシウム濃度が上昇し、尿管結石が生成されやすくなる。
×① がん患者ではみられない。
がん患者等でも長期入院に伴う活動性の低下により、廃用症候群が起こりうる。
×③ 加齢とともに進行は遅くなる。
廃用症候群は高齢者で多くみられ、症状の進行も早い。
×④ 二次的に高血圧を発症しやすい。
自律神経機能の低下に伴う循環器不全が引き起こす起立性低血圧はその症状の一つである。
▶午前51
細菌性の肺炎と診断された慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉患者の酸素療法で正しいのはどれか。
- 酸素中毒を避けるために高流量にする。
- 鼻カニューレでの最大投与量は8L/分である。
- CO2ナルコーシス予防のために酸素濃度を高くする。
- 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が投与量の指標となる。
④ 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が投与量の指標となる。
慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉患者では、高濃度の酸素吸入による呼吸抑制(CO2ナルコーシス)を予防するため、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉を指標(88~92%程度)としつつ、鼻カニューレであれば少量の投与(1~3L/分)を行っていく。
▶午前52
患者にペースメーカー植込みの有無を事前に確認すべき検査はどれか。
- エックス線撮影
- 磁気共鳴画像〈MRI〉
- 超音波検査
- 脳波検査
② 磁気共鳴画像〈MRI〉
MRI検査は強力な磁場を発生させて身体の断面を撮影する精密検査であり、ペースメーカーの誤作動等を起こすため原則として禁忌とされている。
▶午前53
電解質異常と症候の組合せで正しいのはどれか。
- 高カリウム血症――心室細動
- 低カリウム血症――QT時間の短縮
- 高ナトリウム血症――水中毒
- 低ナトリウム血症――口渇
① 高カリウム血症――心室細動
高カリウム血症は、心室細動や心室頻脈など、致死性不整脈を引き起こす危険がある。
×② 低カリウム血症――QT時間の短縮
QT時間の短縮は、高カリウム血症や高カルシウム血症の症候である。
×③ 高ナトリウム血症――水中毒
水中毒は、低ナトリウム血症の症候である。
×④ 低ナトリウム血症――口渇
口渇は、高ナトリウム血症の症候である。
▶午前54
腓骨神経麻痺のアセスメントで観察するのはどれか。
- 膝関節の屈曲
- 足関節の背屈
- 膝窩の知覚鈍麻
- 足底の知覚鈍麻
② 足関節の背屈
腓骨神経麻痺では、足関節の背屈ができなくなる症状(下垂足)を来しやすく、アセスメントで観察する。
▶午前55
骨折時の直達牽引の説明で正しいのはどれか。
- 開放損傷には適さない。
- 介達牽引に比べ牽引力が弱い。
- 骨に鋼線を刺入して牽引する。
- 弾性包帯を巻き直す必要がある。
③ 骨に鋼線を刺入して牽引する。
骨折の治療法として、直達牽引と介達牽引がある。直達牽引は骨に銅線を刺入して牽引する方法で、骨に直接牽引力を加えない介達牽引に比べて牽引力が強く、開放損傷にも適している。
▶午前56
高齢の親の介護が必要となった家族の発達課題で正しいのはどれか。
- 社会性の縮小
- 家族役割の維持
- 家族関係の再構築
- 子離れ・親離れの確立
③ 家族関係の再構築
家族関係は、結婚、出産、子の成長・独立、死別といった各発達段階で常に更新されていく。高齢の親の介護が必要になった場合においても、家族関係の再構築によって発達段階の移行を行うことが、家族の危機を乗り越える重要な課題として挙げられる。
▶午前57
介護保険制度の説明で正しいのはどれか。
- 措置制度である。
- 共助を実現する仕組みである。
- 介護保険料は65歳から徴収される。
- 地域密着型サービスの指定・監督は都道府県が行う。
② 共助を実現する仕組みである。
介護保険制度は、被保険者が負担と受給を行う社会保険方式であり、費用負担が制度的に裏付けされている「共助」にあたる。
×① 措置制度である。
措置制度とは、行政等が利用サービス等を直接決定することをいう。介護保険制度は、利用者の選択によって、多様な事業主体から適切な保健医療サービス及び福祉サービスが受けられる制度であり、措置制度とは異なる。
×③ 介護保険料は65歳から徴収される。
介護保険制度の被保険者は、第1号被保険者(65歳以上の者)と第2号被保険者(40~64歳の医療保険加入者)であり、40歳以上から介護保険料が徴収される。
×④ 地域密着型サービスの指定・監督は都道府県が行う。
介護保険法のサービス類型のうち、居宅サービスと施設サービスは都道府県が、地域密着型サービスは市町村が指定・監督を行う。
*第5編1章 介護保険 p223~236
▶午前58
Aさん(70歳)は脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、要支援2と認定された。杖で歩行しており、尿意はある。リハビリテーション病院から介護施設に入所することになった。
Aさんの排泄に関する支援で適切なのはどれか。
- 一定の時間間隔で排尿誘導を行う。
- ベッドサイドにポータブルトイレを設置する。
- トイレの場所がわかりやすいように目印をつける。
- トイレ移動時は滑り止めのついた靴を履くように指導する。
④ トイレ移動時は滑り止めのついた靴を履くように指導する。
要支援2の片麻痺患者への排泄に関する支援として、歩行中の転倒リスクへの対処が重要であり、滑り止めのついた靴の着用は適切である。
▶午前59
Aさん(89歳、女性)は災害によって自宅が損壊し、避難所で生活を始めた。看護師が面談を行うと「食欲がない。横になっても眠れず、すぐに目が覚めてしまう」と話し、元気がない様子である。避難所ではトイレと食事以外はほとんど動かずに過ごしている。Aさんには被災前の通院歴はなく、日常生活動作〈ADL〉は自立している。
看護師の対応で優先度が高いのはどれか。
- 頑張るように言葉をかける。
- 直ちに入院できる病院を探す。
- 軽い運動ができるように環境を整える。
- 睡眠薬の処方について医師と相談する。
③ 軽い運動ができるように環境を整える。
通院歴はなく、日常生活動作〈ADL〉は自立しているが、避難所生活の中で活動性が低下した結果、二次的に不眠や食欲不振を来している。軽い運動を行えるように支援することが優先される。
▶午前60
正期産で出生した健康な乳児で正しいのはどれか。
- 出生36時間後に初めて胎便が排泄される。
- 学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。
- 母乳栄養児では生後3か月以降も生理的な黄疸が遷延する。
- 経腟分娩で出生した児の腸内細菌叢はDöderlein〈デーデルライン〉桿菌が優勢である。
② 学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。
下部食道括約筋の未発達により、ほぼすべての乳児で胃食道逆流がみられる。
×① 出生36時間後に初めて胎便が排泄される。
出生後24時間以内に、粘稠性のある黒緑色の胎便が排泄される。その後、2~4日目の移行便(泥状の緑色)、3~5日目の普通便(黄色)と変化していく。
×③ 母乳栄養児では生後3か月以降も生理的な黄疸が遷延する。
新生児に多くみられる生理的黄疸は、生後2日ころからはじまり、生後4~5日でピークを迎え、生後1〜2週間で消失する。
×④ 経腟分娩で出生した児の腸内細菌叢はDöderlein〈デーデルライン〉桿菌が優勢である。
デーデルライン桿菌は、女性の膣内に存在し、膣内を酸性に保つ働きを持つ。経腟分娩で一時的に児に付着するが、腸内細菌叢としてはビフィズス菌が優勢である。
▶午前61
標準的な幼児の基本的生活習慣についての組合せで正しいのはどれか。
- 2歳――1人で洗顔ができる。
- 3歳――排便後の後始末ができる。
- 4歳――昼寝を1日2回する。
- 5歳――1人で衣類を着ることができる。
④ 5歳――1人で衣類を着ることができる。
×① 2歳――1人で洗顔ができる。
4歳ころが目安である。
×② 3歳――排便後の後始末ができる。
5歳ころが目安である。
×③ 4歳――昼寝を1日2回する。
1歳ころが目安である。
▶午前62
ホルモンとその働きの組合せで正しいのはどれか。
- エストロゲン――骨端軟骨板閉鎖
- 成長ホルモン――子宮の増大
- テストステロン――乳房の発育
- プロゲステロン――排卵
① エストロゲン――骨端軟骨板閉鎖
骨端線とは細胞の活発化により成長する軟骨で、身長の伸びに関わっており、思春期頃にこれが閉鎖することで身長の伸びが止まる。この閉鎖にかかわるのが、骨成熟を促すエストロゲンである。
×② 成長ホルモン――子宮の増大
×③ テストステロン――乳房の発育
子宮や乳房の発達には、女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンが関与する。
×④ プロゲステロン――排卵
エストロゲンの増加により排卵が起きる。プロゲステロンは排卵後の分泌期に増加し、排卵された卵子が着床しやすくなるよう、子宮内膜の安定など妊娠の準備を行う。
▶午前63
生後6か月の男児。保護者が児の尿の色が濃いことを心配して来院し、尿検査のため採尿することになった。採尿に使用する用具を別に示す。


この男児の採尿に使用する用具として適切なのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
④ ④
排泄が自立していない児(3歳ころまで)の採尿には、④の採尿バックを用いる。男児では採尿口の下縁を陰茎の根元(女児では会陰部)に密着させるように貼付する。
▶午前64
日本の人口動態統計における死亡率と計算式の組合せで正しいのはどれか。
- 周産期死亡率――(妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
- 新生児死亡率――新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
- 乳児死亡率――乳児死亡数÷出生数×1,000
- 妊産婦死亡率――妊産婦死亡数÷出生数×100,000
③ 乳児死亡率――乳児死亡数÷出生数×1,000
乳児死亡は生後1年未満の死亡をいう。乳児死亡率の計算には分母に出生数を用いる。
×① 周産期死亡率――(妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
周産期死亡とは、妊娠満22週以後の死産と生後1週未満の早期新生児死亡を合わせたものをいう。周産期死亡率の計算には、分母に「出生数+妊娠満22週以後の死産数」を用いる。
×② 新生児死亡率――新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
新生児死亡は生後4週未満の死亡をいう。新生児死亡率の計算には、分母に出生数を用いる。
×③ 妊産婦死亡率――妊産婦死亡数÷出生数×100,000
妊産婦死亡は妊娠中又は妊娠終了後満42日未満の女性の死亡をいう。妊産婦死亡率の計算には、分母に「出生数+死産数」を用いる。
*第2編2章 4.妊産婦死亡 p64
*第2編2章 6.周産期死亡 p66
*第2編2章 7.乳児死亡 p66~67
▶午前65
Aさん(25歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6分、発作20秒で産痛を訴えている。入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4cm開大している。
Aさんへの援助で適切なのはどれか。
- 足浴を勧める。
- 安静に過ごすよう促す。
- 飲食は控えるように説明する。
- 陣痛にあわせて努責を開始させる。
① 足浴を勧める。
現在、Aさんは陣痛開始から子宮口全開大までの分娩第1期である。まだ破水はしておらず、足浴やシャワー浴で産痛を和らげる援助が適切である。
▶午前66
母乳栄養を希望している母親への説明で適切なのはどれか。
- 「お母さんは飲酒しても大丈夫です」
- 「赤ちゃんは日焼けした方が良いです」
- 「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」
- 「お母さんはコーヒーを1日6杯以上飲んでも大丈夫です」
③ 「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」
母乳中には血液凝固作用を持つビタミンKが少なく、ビタミンKを多く含む納豆の摂取により補うことができる。
▶午前67
仕事上のストレスに対して、ラザルスが提唱した情動焦点型のストレスコーピングはどれか。
- 好きな漫画を読む。
- 仕事に役立つ本で学習する。
- 休日も出勤して仕事を終わらせる。
- 同僚とプレゼンテーションの練習をする。
① 好きな漫画を読む。
情動焦点型のストレスコーピングとは、ストレスの原因(ストレッサー)そのものではなく、ストレスに対する考え方や感じ方に焦点を当てて、対応する方法である。②~④は、ストレスの原因そのものに直接アプローチする問題焦点型のストレスコーピングに当たる。
▶午前68
Aさんは大地震で被災し、負傷者や亡くなった人を多く目撃した。1か月後、避難所を巡回していた看護師に、自分だけが生き残って申し訳ないと感じていると話した。
Aさんへの声かけで適切なのはどれか。
- 「生き残ったAさんは幸せですよ」
- 「そう感じるのは正常な反応ですよ」
- 「嫌なことは早く忘れたほうがいいですよ」
- 「頑張ってこれを乗り越えないといけません」
② 「そう感じるのは正常な反応ですよ」
中長期的な避難所生活の中で、罪悪感など精神の不調を抱いている者に対して、楽観的、逃避的な言葉ではなく、共感的、肯定的に住民の気持ちを理解し、悲しみを徐々に受容できるようサポートすることが重要である。
▶午前69
ヤーロムの集団精神療法の治療的因子のうち、普遍性に関する説明はどれか。
- これまで知らなかった情報や助言を得ることができる。
- 人間の生や死、生きる意味について考えることができる。
- 他の人の回復と成長が、自分の回復と成長への希望となる。
- 自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。
④ 自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。
集団精神療法は、治療者と患者グループにおいて対人関係の相互作用を用いた精神療法で、ヤーロムの提唱した11の治療的因子のうち「普遍性(Universality)」とは、対人関係の中で「自分だけが抱えている問題ではない」と気づき、安心感を得ることである。
×① これまで知らなかった情報や助言を得ることができる。
「情報の伝達」に当たる。
×② 人間の生や死、生きる意味について考えることができる。
「実存的要因」に当たる。
×③ 他の人の回復と成長が、自分の回復と成長への希望となる。
「希望をもたらすこと」に当たる。
▶午前70
4人の小児の入院患者を受け持っている日勤の看護師が、患者に付き添っている母親から立て続けにナースコールを受けた。
訪室の優先順位が高いのはどれか。
- 胃腸炎の3歳児、母親が抱っこ中に嘔吐した。
- 化学療法中の7歳児、点滴静脈内注射の刺入部が腫れた。
- 急性肺炎の2歳児、抗菌薬の点滴静脈内注射が終了した。
- 鼠径ヘルニア手術後の1歳児、ヘパリンロック中の静脈内留置針が抜けたが、出血はない。
② 化学療法中の7歳児、点滴静脈内注射の刺入部が腫れた。
刺入部位の腫脹は、血管外漏出の初期症状であり、周辺組織の炎症や壊死につながり、重症化するおそれもある。直ちに注入を中止する必要があり、優先順位が最も高い。
▶午前71
看護職員の交代勤務で正しいのはどれか。
- サーカディアンリズムは保たれる。
- メンタルヘルスへの影響は少ない。
- 2交代制より3交代制を採用する施設が多い。
- 2交代制における夜勤中の仮眠が推奨されている。
④ 2交代制における夜勤中の仮眠が推奨されている。
2交代制(日勤・夜勤)では、夜勤の拘束時間が12時間を超えることがほとんどであり、夜勤時には2時間以上の仮眠をとることが望ましいとされる。
×① サーカディアンリズムは保たれる。
×② メンタルヘルスへの影響は少ない。
サーカディアンリズムは、昼夜変化に同調して体内環境を調整するものであるが、夜勤を含む交代勤務により、サーカディアンリズムが乱れ、身体・精神に不調をきたしやすくなる。
×③ 2交代制より3交代制を採用する施設が多い。
3交代制より2交代制を採用する施設が多い(日本看護協会調査)。
▶午前72
災害救助法について正しいのはどれか。
- 災害障害見舞金の支給がある。
- 救助の種類に助産は含まれない。
- 救助に要する費用は国が全額負担する。
- 目的は災害を受け又は受ける恐れのある者の保護と社会の秩序の保全である。
④ 目的は災害を受け又は受ける恐れのある者の保護と社会の秩序の保全である。
災害救助法は、災害発生後、被災地域に適用され、上記目的のため、応急的に必要な救助が行われる。
×① 災害障害見舞金の支給がある。
復旧・復興にかかる救済援助措置として、激甚災害法や災害弔慰金の支給等に関する法律などで定められている。
×② 救助の種類に助産は含まれない。
災害救助法に基づき、避難所や応急仮設住宅の設置、衣食や医療・助産の提供などが行われる。
×③ 救助に要する費用は国が全額負担する。
災害救助の実施主体は都道府県で、救助に要した費用の少なくとも50%が国庫負担となる。
*第5編2章 6.2〕災害時の支援体制 p247
▶午前73
4人部屋に入院中のAさん(外国籍)は3日後に手術予定である。Aさんは1日3回、決まった時間に毎日病室でお祈りをしている。看護師が訪室したところ、同室のBさんから「お祈りの声が気になってゆっくり休めない」と相談された。
看護師の対応で適切なのはどれか。
- Bさんに有料個室への転室を勧める。
- Aさんにお祈りは手術当日に行うよう説明する。
- 同室者全員に病室の環境のアンケート調査を行う。
- Aさんに病室とは別にお祈りのための場所を準備する。
④ Aさんに病室とは別にお祈りのための場所を準備する。
外国籍の者の文化・信仰を一定程度尊重しつつも、同室の者の療養環境にも配慮を要するため、病室とは別に祈りのための場所を確保するなどの対応は適切である。
▶午前74
細胞内に受容体があるホルモンはどれか。
- インスリン
- アドレナリン
- オキシトシン
- プロラクチン
- テストステロン
⑤ テストステロン
ホルモンは、細胞の表面に受容体がある水溶性ホルモンと、細胞内に受容体がある脂溶性ホルモンに大別される。ステロイドホルモンであるテストステロンは脂溶性ホルモンであり、その他は水溶性ホルモンである。
▶午前75
体液について正しいのはどれか。
- 血漿は細胞内液である。
- 間質液は細胞外液である。
- リンパは細胞内液である。
- 体液は体重の30%である。
- 細胞外液の方が細胞内液より多い。
② 間質液は細胞外液である。
成人の体重に占める水分量は約60%であり、そのうち細胞内液は約40%、細胞外液は約20%(血漿約5%・間質液(リンパ液含む)約15%)となっている。
▶午前76
バソプレシンが作用する腎臓の部位はどれか。
- 糸球体
- 集合管
- 遠位尿細管
- 近位尿細管
- Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉
② 集合管
バソプレシンは抗利尿作用をもつホルモンであり、一次脱水時に分泌が促進され、腎臓の集合管に作用して、水再吸収を促す働きを持つ。
▶午前77
腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行が改善する腰部の動きはどれか。
- 後屈
- 前屈
- 左回旋
- 左側屈
- 右側屈
② 前屈
腰部脊柱管狭窄症とは、加齢を原因として椎間板(軟骨)や骨が変形し、脊柱管が狭くなることで神経が圧迫される病気である。間欠性跛行(歩行時の足の痛み)はその症状であり、前屈すると脊柱管が広くなるため、症状の改善が図られる。
▶午前78
子宮頸癌で異常に増殖するのはどれか。
- 子宮筋細胞
- 神経芽細胞
- 線維芽細胞
- 平滑筋細胞
- 扁平上皮細胞
⑤ 扁平上皮細胞
子宮頸癌は、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉の持続感染を原因として、子宮頸部(子宮の入り口)を覆う扁平上皮細胞のがん化により多く起こる。その過程で、扁平上皮細胞の異常な増殖・変形(異形成)が起こる。
▶午前79改題
市町村保健センターについて正しいのはどれか。
- 市町村に設置義務がある。
- センター長は原則として医師である。
- 栄養士、歯科衛生士の配置が必須である。
- 令和7年(2025年)の全国の設置数は462か所である。
- 健康相談、保健指導、健康診査など住民に対するサービスを行う。
⑤ 健康相談、保健指導、健康診査など住民に対するサービスを行う。
市町村保健センターは、健康相談・保健指導・健康診査など地域保健に関し必要な事業を行う。
×① 市町村に設置義務がある。
市町村保健センターは、地域保健法に基づき市町村が設置することができる。設置は任意であり、義務ではない。
×② センター長は原則として医師である。
保健所では、保健所長は原則として医師であるが、市町村保健センターのセンター長には定めはない。
×③ 栄養士、歯科衛生士の配置が必須である。
当規定はない。なお、保健所には栄養士や歯科医衛生士のほか、保健所の業務を行うために必要な者のうち、地方公共団体の長が必要と認める職員を置くものとしている。
×④ 令和7年(2025年)の全国の設置数は462か所である。
令和7年4月1日現在、市町村保健センターは2,391か所設置されている。なお、保健所の設置数は462か所である。
*第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24
▶午前81
Aちゃん(6歳、女児)は食物アレルギーがある食品を誤食し、5分後に全身の蕁麻疹と嘔気が出現した。その後2回嘔吐し、喘鳴を伴う咳嗽が出現した。
最初に行う処置で適切なのはどれか。
- 胃洗浄
- 静脈路の確保
- 抗ヒスタミン薬の内服
- アドレナリンの筋肉内注射
- 副腎皮質ステロイドの吸入
④ アドレナリンの筋肉内注射
食物アレルギーがある食品の誤食により、急性の過敏反応であるアナフィラキシーショックの症状を呈している。血圧の上昇や気道の拡張のため、アドレナリンの筋肉内注射が最初に行う処置として適切である。
▶午前82
キューブラー・ロス,E.による死にゆく人の心理過程のなかで、肺癌と診断された人が、喫煙をやめることで病気をなかったことにできるのではないかと考える段階はどれか。
- 怒り
- 受容
- 取引
- 否認
- 抑うつ
③ 取引
キューブラー・ロスは、死にゆく人の心理の変化を、「否認と孤立」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5段階で捉え、自己防衛的態度から死の受容までのモデルを示している。「取引」の段階では、否定や怒りが通じないと分かった上で、なんとか死を先延ばしにしようと、条件を付けて神や運命と取引することをいう。
▶午前83
エネルギー代謝を示す反応はどれか。2つ選べ。
- 異化
- 角化
- 石灰化
- 同化
- 瘢痕化
① 異化
④ 同化
エネルギー代謝とは、生体と外界とのエネルギーの出入りに注目して生命活動をみたもので、エネルギーを産出する過程である異化と、エネルギーを使用(吸収)して物質を合成する同化に分けられる。
▶午前84
発症にダニが関与するのはどれか。2つ選べ。
- 疥癬
- オウム病
- 腸チフス
- ツツガムシ病
- 肺アスペルギルス症
① 疥癬
④ ツツガムシ病
疥癬はヒゼンダニ、ツツガムシ病はツツガムシ(ダニの一種)が発症に関与する。
×② オウム病
オウム病は、発症に鳥類が関与する。
×③ 腸チフス
腸チフスは、発症にチフス菌(細菌)が関与する。
×⑤ 肺アスペルギルス症
肺アスペルギルス症は、発症にアスペルギルス(真菌:カビ)が関与する。
▶午前85
薬剤の形状として貼付剤があるのはどれか。2つ選べ。
- インスリン
- アドレナリン
- フェンタニル
- ニトログリセリン
- アセトアミノフェン
③ フェンタニル
④ ニトログリセリン
③ フェンタニルは、がん患者等の疼痛緩和などに用いられる医療用麻薬で、経皮吸収型の貼付剤がある。
④ ニトログリセリンは狭心症に対する薬剤で、発作を予防するため皮膚に貼る貼付剤や、発作時に舌の下に入れて口内の粘膜で吸収する舌下錠がある。
▶午前86
特定健康診査・特定保健指導について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 医療保険者が実施主体である。
- がんのスクリーニングを目的とする。
- 特定健康診査の受診者全員に特定保健指導を実施する。
- 対象は、75歳以上の医療保険被保険者・被扶養者である。
- 根拠法令は、高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉である。
① 医療保険者が実施主体である。
⑤ 根拠法令は、高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉である。
特定健康診査・特定保健指導は、高齢者医療確保法に基づき、市町村を含む医療保険者が実施する。
×② がんのスクリーニングを目的とする。
特定健康診査・特定保健指導は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)など生活習慣病の予防に着目して実施される。
×③ 特定健康診査の受診者全員に特定保健指導を実施する。
特定健康診査の結果から、生活習慣の改善が特に必要なものを抽出し、リスクの程度に応じた特定保健指導を実施する。
×④ 対象は、75歳以上の医療保険被保険者・被扶養者である。
40~74歳の被保険者・被扶養者を対象に行う。
*第3編1章 1.3〕(1)特定健康診査・特定保健指導 p84
▶午前87
チーム医療におけるタイムアウトの説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 処置の終了時に実施する。
- 侵襲性の高い処置の際に実施する。
- チームの全員が作業の手を止めて集合する。
- チームメンバー間で作業を分担して実施する。
- 患者とコミュニケーションを取りながら実施する。
② 侵襲性の高い処置の際に実施する。
③ チームの全員が作業の手を止めて集合する。
タイムアウトは、特に侵襲性の高い手術前の休止をいい、手術に関わる全メンバーが患者の確認、手術部位、手術内容等を口頭で確認し、患者の誤認や手術部位の誤りを防止する医療安全管理対策の一つである。
▶午前88
老視の原因はどれか。2つ選べ。
- 房水の循環障害
- 毛様体筋の萎縮
- 虹彩の弾力性の低下
- 網膜神経細胞の減少
- 水晶体の弾力性の低下
② 毛様体筋の萎縮
⑤ 水晶体の弾力性の低下
毛様体筋は、遠くを見るときは弛緩して水晶体を薄く、近くを見るときは収縮して水晶体を厚くすることでピント調整を行っているが、生理的加齢に伴い毛様体筋の萎縮、水晶体の弾力性の低下が起こり、ピント調整機能が低下する(老視)。
▶午前89
常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。2つ選べ。
- 経産婦
- 妊娠糖尿病
- 帝王切開術の既往
- 妊娠高血圧症候群
- 常位胎盤早期剝離の既往
④ 妊娠高血圧症候群
⑤ 常位胎盤早期剝離の既往
常位胎盤早期剥離とは、主に妊娠後期に胎盤が子宮壁から剥がれることをいい、その出血に伴い母子ともに生命の危険がある。妊娠高血圧症候群や、常位胎盤早期剝離の既往はリスク因子とされる。
▶午前90
1,500mLの輸液を朝6時から18時にかけて点滴静脈内注射で実施する。20滴で1mLの輸液セットを用いた場合の1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②滴/分
① 4
② 2
1分あたりの滴下数は、(総輸液量×1mLあたりの滴下数)÷時間(分)で計算する。時間は12時間なので720分。(1500×20)÷720≒41.6で、小数点第一位を四捨五入し42となる。
資料 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験、第115回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
▼第115回看護師国家試験
▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向
▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向
▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向
▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向