第115回看護師国家試験 午前必修問題
令和8年2月14日(日)に実施された第115回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。
「国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
▼第115回看護師国家試験
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厚生の指標増刊
国民衛生の動向 2025/2026
発売日:2025.8.26
定価:3,740円(税込)
416頁・B5判
雑誌コード:03854-08
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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
午前 必修問題
▶午前1
令和5年(2023年)推計による日本の将来推計人口で、令和42年(2060年)の将来推計人口に最も近いのはどれか。
- 6,600万人
- 9,600万人
- 1億600万人
- 1億2,600万人
② 9,600万人
令和6年(2024年)の総人口は1億2,380万人で減少傾向が続いており、将来推計人口(令和5年推計)によると、令和42年(2060年)には9,615万人と1億人を切り、令和52年(2070年)には8,700万人となる。
*第2編1章 1.4〕将来推計人口 p42~43
▶午前2改題
警察庁の「令和6年中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。
- 家庭問題
- 勤務問題
- 健康問題
- 経済・生活問題
③ 健康問題
令和6年(2024年)の自殺者は2.0万人で、そのうち原因・動機特定者の原因・動機(複数回答)をみると、健康問題が65.6%と最も多く、次いで経済・生活問題が27.8%、家庭問題が23.4%となっている。
*第2編2章 3.7〕(2)自殺 p61~63
▶午前3
レム睡眠の特徴はどれか。
- 骨格筋が緊張する。
- 急速な眼球運動を伴う。
- 体熱の放散が増加する。
- 大脳皮質の活動が低下する。
② 急速な眼球運動を伴う。
ヒトの睡眠サイクルは浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠からなり、レム睡眠は急速眼球運動と骨格筋活動の低下(弛緩)を特徴とする。
▶午前4
土壌中に分布し感染を引き起こすのはどれか。
- 結核菌
- コレラ菌
- 破傷風菌
- カンピロバクター
③ 破傷風菌
破傷風菌は土壌中に分布し、傷口から体内に破傷風菌が侵入することによる経皮感染を起こす。
*第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p129~142
▶午前5
居宅サービス計画〈ケアプラン〉の作成を業務とするのはどれか。
- 看護師
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 精神保健福祉士
③ 介護支援専門員
介護支援専門員は、要介護者等を支援する上で解決すべき課題を把握(アセスメント)し、課題を解決するための居宅サービス計画〈ケアプラン〉を作成する。なお、サービス利用者自ら作成することも可能である。
*第5編1章 8.3〕介護支援専門員〈ケアマネジャー〉 p231~232
▶午前6
マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。
- 安全の欲求
- 承認の欲求
- 自己実現の欲求
- 所属と愛の欲求
④ 所属と愛の欲求
マズローの欲求階層説では、低階層から、「生理的(食事、排泄、睡眠等)欲求」「安全(危険回避)の欲求」「社会的(所属・愛情)欲求」「自尊(承認)の欲求」「自己実現の欲求」となっており、人間は低階層の欲求が満たされると高階層の欲求に移っていくことをあらわす。
▶午前7
Down〈ダウン〉症候群の原因となるのはどれか。
- 5番染色体
- 13番染色体
- 18番染色体
- 21番染色体
④ 21番染色体
ダウン症候群は、21番染色体の先天性異常(21トリソミー)により生じ、知的障害、先天性白内障、特徴的顔貌、低身長、筋緊張低下などがみられる。
▶午前8
乳幼児期の手先の運動で最も早くできるようになるのはどれか。
- はさみを使う。
- 丸(円)を描く。
- ガラガラを握る。
- 積み木で塔を作る。
③ ガラガラを握る。
手先の運動のうち、ガラガラを握ることは生後4か月ころまでの早い段階でできる。その他は生後12月以降に可能となっていく。
▶午前9
乳児期と比べて学童期にみられる身体生理機能の変化はどれか。
- 血圧の上昇
- 胃容量の減少
- 膀胱容量の減少
- 腹式呼吸への移行
① 血圧の上昇
学童期は乳児期と比べて、体格や生活習慣(塩分摂取量等)の変化に伴い、血圧が上昇する。
×② 胃容量の減少
胃容量は成長に伴い増加し、1回の食事量が増えていく。
×③ 膀胱容量の減少
膀胱容量は成長に伴い増加し、尿を多く貯められるようになり、排尿間隔が延びていく。
×④ 腹式呼吸への移行
乳児期では、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸が中心であるが、学童期以降は胸式呼吸が優位となる。
▶午前10改題
令和5年(2023年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。
- 35%
- 45%
- 55%
- 65%
③ 55%
核家族世帯は、「夫婦と未婚の子のみの世帯」「夫婦のみの世帯」「ひとり親と未婚の子のみの世帯」を合わせたものをいい、令和5年(2023年)の核家族世帯の割合は56.3%となっている。
*第2編1章 2.世帯の動向 p44~47
▶午前11
止血機構を有するのはどれか。
- 血漿
- 細胞内液
- 脳脊髄液
- リンパ液
① 血漿
血漿とは、血液のうち血球(赤血球、白血球、血小板等)以外の成分で、血液の約55%を占めている。止血機構において、一次止血(血小板血栓の形成)、二次止血(フィブリン形成による血栓強化)、血栓の溶解それぞれにおいて、血漿中の成分が関与する。
▶午前12
胃潰瘍による少量の吐血の特徴はどれか。
- 泡沫状
- アセトン臭
- アンモニア臭
- コーヒー残渣様
④ コーヒー残渣様
胃潰瘍は、主にピロリ菌を原因として、胃酸により胃粘膜が損傷した状態をいう。胃潰瘍による吐血では、胃酸の影響で血液中のヘモグロビンが変化し、黒褐色のコーヒー残渣様となる。
▶午前13
腹部の図を示す。

胆囊炎でみられる腹痛の典型的な部位はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
① ①
胆嚢は肝臓で作られる胆汁を濃縮・貯留するが、胆石を原因として炎症が起こった状態を胆嚢炎といい、右肋骨下部(右季肋部)の腹痛はその典型的な症状である。
▶午前14
深部静脈血栓症〈DVT〉の危険因子はどれか。
- 若年
- 水分過多
- 長期臥床
- るいそう
③ 長期臥床
深部静脈血栓症は、長時間の同一姿勢を原因として主に下肢の静脈に血栓ができるものである。
▶午前15
肝性脳症の原因物質はどれか。
- プリン体
- アンモニア
- グルコース
- トリグリセライド
② アンモニア
肝性脳症は、重度の肝疾患により肝臓の有害物質(アンモニア等)の解毒・分解機能が低下し、血液中に蓄積された有害物質が脳に達して起こる脳機能の低下をいう。
▶午前16
腰椎穿刺の体位を図に示す。

適切な体位はどれか。
②
腰椎穿刺では、第3・4腰椎間または第4・5腰椎間を安全、確実に穿刺するため、側臥位の状態から背中を丸めた体位で行う。
▶午前17
免疫抑制作用があるのはどれか。
- 抗ヒスタミン薬
- インターフェロン
- ヒト免疫グロブリン
- 副腎皮質ステロイド
④ 副腎皮質ステロイド
副腎皮質ステロイドは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンから生成された薬で、炎症の抑制や免疫の抑制など幅広い疾患で用いられている。
▶午前18
誤嚥のリスクがある患者の食事援助で適切なのはどれか。
- きざみ食を選ぶ。
- 粘り気の強い食品を選ぶ。
- 食事中は頸部前屈位をとる。
- 食後は速やかに仰臥位をとる。
③ 食事中は頸部前屈位をとる。
食事の際に顎を上げる(頸部後屈)と、咽頭と気管が直線的になり、食事が気管に入る誤嚥が生じやすい。その防止のため、頸部前屈の体位で食事の援助を行うことが望ましい。
×① きざみ食を選ぶ。
きざみ食は口腔や咽頭に残りやすいため、均一性のある適度な大きさに切られた食事が望ましい。
×② 粘り気の強い食品を選ぶ。
咀嚼時に食塊を形成するために適度な粘り気は必要であるが、強すぎると口腔や咽喉の粘膜に付着しやすいため避ける。
×④ 食後は速やかに仰臥位をとる。
食後は胃食道逆流が起こりやすいため、上半身を起こした坐位や半坐位(ファウラー位)をとることが望ましい。
▶午前19
医療者間のコミュニケーションのエラーを防ぐために適切なのはどれか。
- 薬剤の単位は省略する。
- 与薬の指示は口頭で行う。
- 伝えられた情報の内容を復唱し確認し合う。
- 伝えられた情報の不明点に関する質問は控える。
③ 伝えられた情報の内容を復唱し確認し合う。
医療事故の多くは、情報の伝達ミスや思い込みなど、医療者間のコミュニケーションのエラーで起こる。伝えられた情報を復唱することで、伝達側と受け手側の認識のずれを予防することができる。
×① 薬剤の単位は省略する。
単位の認識のずれによる薬剤の投与量の誤りを避けるため、省略しない。
×② 与薬の指示は口頭で行う。
口頭では言い間違い、聞き間違いが多く発生するため、指示書による指示出しが望ましい。
×④ 伝えられた情報の不明点に関する質問は控える。
不明点については積極的に質問をし、思い込みによる判断を避ける。
▶午前20
接触感染予防策として使用するのはどれか。
- 陰圧室
- ガウン
- ゴーグル
- N95マスク
② ガウン
ガウンは、血液・体液、分泌物、排泄物からの接触感染を予防するための個人防護具(PPE)である。
×① 陰圧室
陰圧室は、汚染された空気が外に漏れださないように気圧を低くした部屋をいい。空気感染の予防に用いる。
×③ ゴーグル
ゴーグルは、主に血液や体液の飛散から眼粘膜を防御するために用いる。
×④ N95マスク
N95マスクは医療現場等で用いられる高性能なマスクで、空気感染対策として用いられる。
▶午前21
静脈血採血で針を刺入した直後に、患者にしびれがないかを確認する目的はどれか。
- 感染症の予防
- 神経損傷の予防
- 皮下血腫の予防
- 血管迷走神経反応の予防
② 神経損傷の予防
針の刺入直後にしびれや痛みを確認することで、針の刺入による前腕皮神経や正中神経の損傷を予防する。
▶午前22
酸素投与器具を図に示す。

最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。
④ リザーバー付きマスク
リザーバー付き酸素マスクは、呼気に含まれる酸素をバッグに溜めるため、60%以上の高濃度の酸素吸入ができる。
▶午前23
包帯法で前腕部を固定した場合の観察項目で適切なのはどれか。
- 悪寒の有無
- 末梢冷感の有無
- 全身倦怠感の有無
- 上腕動脈の触知の有無
② 末梢冷感の有無
前腕部の包帯法では、過度な圧迫による血流の循環障害を避けるため、末梢の冷感や色(チアノーゼ)の観察が適切である。
▶午前24
がん性疼痛に使用する強オピオイド鎮痛薬はどれか。
- コデイン
- モルヒネ
- カルバマゼピン
- ロキソプロフェン
- アセトアミノフェン
② モルヒネ
モルヒネは、がんの痛みの緩和などに用いられる麻薬性鎮痛薬(強オピオイド鎮痛薬)である。
▶午前25
対光反射に関与するのはどれか。
- 動眼神経
- 滑車神経
- 三叉神経
- 外転神経
- 顔面神経
① 動眼神経
対光反射は、網膜が光刺激を受けると瞳孔(黒目)が収縮する反応をいい、瞳孔調整機能には動眼神経が関与している。
資料 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験、第115回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
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