第115回看護師国家試験 午後必修問題
令和8年2月14日(日)に実施された第115回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。
「国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
▼第115回看護師国家試験
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厚生の指標増刊
国民衛生の動向 2025/2026
発売日:2025.8.26
定価:3,740円(税込)
416頁・B5判
雑誌コード:03854-08
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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
午後 必修問題
▶午後1
令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、男性の有訴者の症状で最も多いのはどれか。
- 頻尿
- 腰痛
- 肩こり
- 目のかすみ
② 腰痛
令和4年(2022年)の病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)は、人口千人当たり276.5(男246.7・女304.2)であり、症状別にみると男女ともに腰痛の有訴者率が最も高い。
*第2編4章 1.1〕有訴者の状況 p75
▶午後2
要介護認定を行うのはどれか。
- 市町村
- 診療所
- 都道府県
- 介護保険審査会
① 市町村
介護保険制度に基づき、市町村は被保険者が要介護等の状態にあるか、どの程度であるかを確認するために要介護認定(調査)を行う。なお、その要介護状態の区分の審査・判定は、市町村に設置された介護認定審査会が行う。
*第5編1章 2.保険給付の手続き p224~225
▶午後3
介護保険制度における、最も高い自己負担割合はどれか。
- 1割
- 3割
- 5割
- 7割
② 3割
介護サービスを受けた際の自己負担は原則として1割であるが、所得に応じて2割または3割の負担となる。
*第5編1章 3.介護給付 p225~228
▶午後4
患者が治療について十分な説明を受け、自己決定する権利の行使を支えるのはどれか。
- ラポール
- ケアリング
- コーピング
- インフォームド・コンセント
④ インフォームド・コンセント
インフォームド・コンセントは医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努めることをいい、医療法に規定される。
×① ラポール
ラポールは相互の親密な信頼関係を意味し、患者と医療従事者間の関係で重要となる。
×② ケアリング
ケアリングは、ケア(care)の対象者との信頼関係を重視した概念を指す。
×③ コーピング
コーピング(cope:対処する)は、精神的緊張(ストレッサー)を受けた際の対処法を指す。
▶午後5
看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。
- 訪問看護業務
- 看護師免許証の交付
- 看護師等への無料の職業紹介
- 特定行為に係る看護師の研修
③ 看護師等への無料の職業紹介
看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定される都道府県ナースセンターは、看護師等の就業状況等の調査や無料職業紹介事業、訪問看護等の研修、各種情報提供などを行う。
×① 訪問看護業務
訪問看護業務は、訪問看護ステーション等が担う。(介護保険法等に規定)
×② 看護師免許証の交付
看護師免許証は、厚生労働大臣が交付する。(保健師助産師看護師法に規定)
×④ 特定行為に係る看護師の研修
特定行為に係る看護師の研修は、厚生労働大臣が指定した研修機関が行う。(保健師助産師看護師法に規定)
*第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200
▶午後6
胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
- 右心室と左心室の間
- 右心房と左心房の間
- 肺動脈と大動脈の間
- 臍静脈と下大静脈の間
② 右心房と左心房の間
胎盤が肺の役割を果たしている胎児期には、心臓上部の右心房と左心房の間の壁(心房中隔)に卵円孔があり、右心房に入った血液が右心室を通して肺に向かわずに、そのまま左心房に流れ込む。
▶午後7
日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわる月齢基準はどれか。
- 1か月
- 4か月
- 7か月
- 10か月
② 4か月
デンバー発達判定法が示す乳児の粗大運動の発達目安では、3~4か月に首のすわり、5~6か月に寝返り、7~8か月にお座り、9~10か月につかまり立ちとされる。
▶午後8
壮年期の身体的変化はどれか。
- 残気量の減少
- 柔軟性の向上
- 基礎代謝の低下
- 視機能の調節力の向上
③ 基礎代謝の低下
基礎代謝量は、青年期(13歳から18歳ころ)に最も高くなり、それ以降の成人期、壮年期、老年期は、加齢に伴って低下していく。
×① 残気量の減少
20歳ころから加齢に伴い、吐ききった後に残る空気量(残気量)が増加する。
×② 柔軟性の向上
加齢に伴い、筋肉量の減少や関節の硬化に伴い、柔軟性が低下する。
×④ 視機能の調節力の向上
ピント調節機能を持つ水晶体の弾力性の低下により、壮年期で視機能の調節力は低下する(老眼)。
▶午後9
結晶性知能はどれか。
- 外国語の単語を暗記する。
- 制限時間内に暗算をする。
- 新しいパソコンの使い方を覚える。
- よく利用する病院から自宅への近道を考える。
④ よく利用する病院から自宅への近道を考える。
結晶性知能は長年の経験や教育、学習から獲得する知能で、高齢になっても維持・安定している。一方、その他は、新しい情報や体験を覚えてすばやく処理、保持する流動性知能であり、加齢とともに低下を続ける。
▶午後10
チーム医療で適切なのはどれか。
- 目標は医師の方針が優先される。
- チームメンバー間で目標を共有する。
- チームリーダーは看護師に固定する。
- 経験年数が同等の者でチームを構成する。
② チームメンバー間で目標を共有する。
チーム医療は、多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供するものである。
*第4編1章 4.6〕近年の医療関係者の業務の動向 p201~202
▶午後11
摂食中枢が存在する部位はどれか。
- 延髄
- 小脳
- 下垂体
- 視床下部
④ 視床下部
視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節や摂食・飲水行動の調節のはたらきなどを持つ。
▶午後12
脊髄神経で頸神経の対の数はどれか。
- 1対
- 5対
- 8対
- 12対
③ 8対
脊髄は脳とつながる中枢神経であり、脊髄からは31対の脊髄神経が分岐している。このうち頸神経は、第1頸神経(C1)から第8頸神経(C8)の8対から成り、頸部や頭部、腕の感覚・運動機能を制御する。
▶午後13
感覚性言語中枢はどれか。
- 視覚野
- 体性感覚野
- Broca〈ブローカ〉野
- Wernicke〈ウェルニッケ〉野
④ Wernicke〈ウェルニッケ〉野
Wernicke〈ウェルニッケ〉野は側頭葉にある感覚性言語中枢であり、その損傷により錯語など感覚性失語が生じる。なお、③Broca〈ブローカ〉野は前頭葉にある運動性言語中枢である。
▶午後14
心房細動について正しいのはどれか。
- 心電図でP波を認める。
- 心房の興奮は規則的である。
- 心房内に血栓を形成しやすい。
- 房室結節の興奮伝導障害である。
③ 心房内に血栓を形成しやすい。
心房細動は心房内の不整脈で、心房内で血栓ができやすく、大動脈を通じて脳などの血管を詰まらせる原因となる(心原性脳塞栓症)。
×① 心電図でP波を認める。
P波(心房の興奮)が認められる場合、ペースメーカーである洞房結節が正常に機能していると考えられる。P波の消失で心房細動が疑われる。
×② 心房の興奮は規則的である。
心房の興奮は不規則となる。
×④ 房室結節の興奮伝導障害である。
心房から心室への伝導が途絶する房室ブロックの説明である。
▶午後15
成人の乏尿の説明で正しいのはどれか。
- 尿線が途切れる。
- 尿の勢いが弱い。
- 1日の尿量が400mL以下である。
- 1日の排尿回数が4回以下である。
③ 1日の尿量が400mL以下である。
成人の1日平均尿量は1,000mL~1,500mLで、400mL以下を乏尿、100mL以下を無尿という。なお、1日の尿の回数でみた異常として、回数の少ない希尿、回数の多い頻尿がある。
▶午後16
糸球体濾過機能を評価する項目はどれか。
- アミラーゼ
- トロポニン
- γ-GTP〈γ-GT〉
- クレアチニンクリアランス
④ クレアチニンクリアランス
糸球体濾過機能(腎機能)を評価する項目として、蓄尿検査によるクレアチニンクリアランス(CCr)、血清クレアチニン値を用いて推定される糸球体濾過量(GFR)がある。
▶午後17
痛風の診断に用いる血液検査データはどれか。
- 尿酸
- 尿素窒素
- 血清ビリルビン
- グリコヘモグロビン
① 尿酸
痛風は血液中の尿酸値の上昇を原因として関節などに尿酸結晶がたまり、免疫機能が働くことで痛みを伴う痛風発作が生じるものである。
▶午後18
患者との面接技法で閉じた質問〈closed question〉はどれか。
- 「気分はいかがですか」
- 「背中の痛みはないですか」
- 「どのようなことが不安ですか」
- 「ご家族は何と言っていましたか」
② 「背中の痛みはないですか」
「はい」「いいえ」で答えられる質問をclosed question〈閉じた質問〉という。その他の選択肢は、相手自身の言葉で語ってもらうopen-ended question〈開かれた質問〉である。
▶午後19
看護過程における情報の分析はどれか。
- 易感染状態
- 痛みの程度
- 呼吸困難感
- 白血球の値
① 易感染状態
看護過程は、「アセスメント(情報収集等)」「看護診断」「計画立案」「実施」「評価」の5段階からなり、効率的に看護目標を達成するためのプロセスである。②~④は情報の収集であり、それらの客観的・主観的情報に基づいて、①易感染状態などの症状を分析する。
▶午後20
呼吸のパターンを図に示す。

Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
③ ③
チェーン-ストークス呼吸は、小さな呼吸から大きな呼吸、小さな呼吸、呼吸の停止(10~20秒程度の無呼吸)の周期を繰り返すもので、臨死期の身体的徴候である。
×①
呼吸回数が低下しており徐呼吸に当たる。
×②
呼吸リズムや1回換気量が不規則なビオー呼吸に当たる。
×④
規則的に速く深い呼吸が続くクスマウル呼吸に当たる。
▶午後21
筋肉内注射を行う部位で適切なのはどれか。
- 三角筋
- 大殿筋
- 上腕二頭筋
- 大腿二頭筋
① 三角筋
筋肉内注射は三角筋や中殿筋に行い、皮下組織の奥にある筋肉内に直接注射するため、確実に届くように45~90度の角度で刺入する。
▶午後22
成人の口腔内吸引で正しいのはどれか。
- 吸引は無菌操作で行う。
- 吸引時間は25秒以上で行う。
- 挿入時は吸引圧をかけない。
- 吸引圧は100kPaを目安とする。
③ 挿入時は吸引圧をかけない。
口腔内粘膜を傷つけないよう、陰圧(吸引圧)をかけずに挿入する。
×① 吸引は無菌操作で行う。
無菌状態ではない口腔内に対して無菌操作は不要である。
×② 吸引時間は25秒以上で行う。
挿入開始から終了までは、低酸素血症、動脈血酸素飽和度〈SaO2〉の低下をきたさないために15秒以内に行う。
×④ 吸引圧は100kPaを目安とする。
吸引圧は20kPaを目安とする。
▶午後23
舌根の沈下を防止する体位はどれか。
- 仰臥位
- 膝胸位
- 側臥位
- 骨盤高位
③ 側臥位
舌根沈下は、主に睡眠時に、舌の根元が重力により喉の奥に落ち込み、気道を塞いでいる状態で、睡眠時無呼吸症候群などの原因となる。体位を側臥位にすることによって、舌の落ち込みを予防することができる。
▶午後24
徒手筋力テスト〈MMT〉において筋力が一番強い段階はどれか。
- 1
- 4
- 5
- 6
- 10
③ 5
徒手筋力テスト〈MMT〉は、検査者が手を使って患者の筋力を判定する方法で、筋収縮が全くない0から、強い抵抗を加えても完全に可動域全体を動かせる5までの、6段階で評価される。
▶午後25
全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。
- 気道確保
- 周囲の環境整備
- 末梢静脈路の確保
- 心電図モニターの装着
- 舌や口唇の咬傷の予防
① 気道確保
全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。
資料 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験、第115回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
▼第115回看護師国家試験
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