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看護師国家試験に出る国民衛生の動向 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、全問題の正答と解説を示します。

また、「国民衛生の動向2023/2024」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第112回看護師国家試験目次

 

 

第112回看護師国家試験・必修問題(50問)

 

 

▶午前1改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。

 

  1. 19.7歳
  2. 24.7歳
  3. 29.7歳
  4. 34.7歳

 

 


 

▶午前2

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。

 

  1. 頭痛
  2. 肩こり
  3. 体がだるい
  4. 目のかすみ

 

 


 

▶午前3

喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なのはどれか。

 

  1. 喫煙開始年齢
  2. 受動喫煙年数
  3. 家庭内の喫煙者数
  4. 1日の平均喫煙本数

 

 


 

▶午前4

休憩時間を除いた1週間の労働時間で、超えてはならないと労働基準法で定められているのはどれか。

 

  1. 30時間
  2. 35時間
  3. 40時間
  4. 45時間

 

 


 

▶午前5

介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。

 

  1. 4
  2. 5
  3. 6
  4. 7

 

 


 

▶午前6

緩和ケアの目標で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の治癒
  2. 余命の延長
  3. QOLの向上
  4. 在院日数の短縮

 

 


 

▶午前7

運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。

 

  1. 階段を昇る。
  2. ひとりで立つ。
  3. ボールを蹴る。
  4. けんけん〈片足跳び〉をする。

 

 


 

▶午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。

 

  1. 経済的に自立する。
  2. 身体的衰退を自覚する。
  3. 正、不正の区別がつく。
  4. 読み、書き、計算ができる。

 

 


 

▶午前9

令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

 

  1. 事業所
  2. 市町村
  3. 保健所
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 

▶午前10

体性感覚はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 触覚
  3. 聴覚
  4. 平衡覚

 

 


 

▶午前11

健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. リンパ球

 

 


 

▶午前12

体温変化をとらえ、体温調節の指令を出すのはどれか。

 

  1. 小脳
  2. 視床下部
  3. 大脳皮質

 

 


 

▶午前13

下血がみられる疾患はどれか。

 

  1. 肝囊胞
  2. 大腸癌
  3. 子宮体癌
  4. 腎細胞癌

 

 


 

▶午前14

糖尿病の急性合併症はどれか。

 

  1. 足壊疽
  2. 脳血管疾患
  3. 糖尿病網膜症
  4. ケトアシドーシス昏睡

 

 


 

▶午前15

メタボリックシンドロームの診断基準において男性の腹囲〈ウエスト周囲径〉で正しいのはどれか。

 

  1. 80cm以上
  2. 85cm以上
  3. 90cm以上
  4. 95cm以上

 

 


 

▶午前16

炎症マーカーはどれか。

 

  1. CA19-9
  2. 抗核抗体
  3. C反応性蛋白質〈CRP〉
  4. リウマトイド因子〈RF〉

 

 


 

▶午前17

薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。

 

  1. 吸収
  2. 分布
  3. 代謝
  4. 蓄積

 

 


 

▶午前18

胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。

 

  1. 座位
  2. 仰臥位
  3. 右側臥位
  4. 半側臥位

 

 


 

▶午前19

全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜22℃
  2. 30〜32℃
  3. 40〜42℃
  4. 50〜52℃

 

 


 

▶午前20

個人防護具の脱衣手順で最初に外すのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. ガウン
  3. サージカルマスク
  4. フェイスシールド

 

 


 

▶午前21

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 酸化エチレンガス滅菌
  2. 高圧蒸気滅菌
  3. 放射線滅菌
  4. 乾熱滅菌

 

 


 

▶午前22

薬物の吸収速度が最も速いのはどれか。

 

  1. 経口投与
  2. 筋肉内注射
  3. 静脈内注射
  4. 直腸内投与

 

 


 

▶午前23

室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。

 

  1. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr以上
  2. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr未満
  3. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr以上
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr未満

 

 


 

▶午前24

CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 徐脈
  3. 浮腫
  4. 意識障害

 

 


 

▶午前25

母乳栄養の児に不足しやすいのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB
  3. ビタミンC
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 


 

▶午後1改題

令和3年(2021年)の0歳男児の平均余命はどれか。

 

  1. 78.5年
  2. 81.5年
  3. 84.5年
  4. 87.5年

 

 


 

▶午後2

健康日本21(第二次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 6.0g
  2. 8.0g
  3. 10.0g
  4. 12.0g

 

 


 

▶午後3

循環式浴槽の水質汚染で発症するのはどれか。

 

  1. コレラ
  2. A型肝炎
  3. レジオネラ肺炎
  4. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉

 

 


 

▶午後4

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 4割

 

 


 

▶午後5

看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 

▶午後6

大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。

 

  1. 6か月
  2. 1歳6か月
  3. 2歳6か月
  4. 3歳6か月

 

 


 

▶午後7

正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

 

  1. 生後3〜5日
  2. 生後8〜10日
  3. 生後13〜15日
  4. 生後18〜20日

 

 


 

▶午後8

エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。

 

  1. 親密 対 孤立
  2. 自律性 対 恥・疑惑
  3. 勤勉性 対 劣等感
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散

 

 


 

▶午後9

家族成員の最少人数はどれか。

 

  1. 4人
  2. 3人
  3. 2人
  4. 1人

 

 


 

▶午後10

地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 病気の治療
  2. 住民の健康診査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 専門的で広域的な健康課題への対応

 

 


 

▶午後11

副交感神経の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔散大
  2. 気管支拡張
  3. 心拍数の増加
  4. 消化液分泌の促進

 

 


 

▶午後12

心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。

 

  1. 洞房結節
  2. 房室結節
  3. His〈ヒス〉束
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 


 

▶午後13

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 球状の細胞である。
  2. 腎臓で破壊される。
  3. 寿命は約60日である。
  4. 酸素の輸送を担っている。

 

 


 

▶午後14

チアノーゼとは(  )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。
(  )に入るのはどれか。

 

  1. ビリルビン
  2. ヘモグロビン
  3. ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉
  4. 脱酸素化ヘモグロビン〈還元ヘモグロビン〉

 

 


 

▶午後15

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. 破傷風
  3. デング熱
  4. インフルエンザ

 

 


 

▶午後16

モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。

 

  1. 出血
  2. 難聴
  3. 便秘
  4. 骨髄抑制

 

 


 

▶午後17

上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。

 

  1. 成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。
  2. マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。
  3. マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。
  4. マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。

 

 


 

▶午後18

グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20℃
  2. 30℃
  3. 40℃
  4. 50℃

 

 


 

▶午後19

不活動状態が持続することで生じるのはどれか。

 

  1. 廃用症候群
  2. 緊張病症候群
  3. 慢性疲労症候群
  4. シックハウス症候群

 

 


 

▶午後20

入浴の援助で正しいのはどれか。

 

  1. 入浴前後は水分制限をする。
  2. 入浴時の湯温は45℃とする。
  3. 脱衣室と浴室の温度差を小さくする。
  4. 浴室に入り、始めに浴槽に浸かるように促す。

 

 


 

▶午後21

成人の気道の異物除去を目的とするのはどれか。

 

  1. 胸骨圧迫
  2. 人工呼吸
  3. 頭部後屈顎先挙上法
  4. 腹部圧迫法〈Heimlich〈ハイムリック〉法〉

 

 


 

▶午後22

看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきなのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射
  2. 口腔内吸引
  3. ストーマパウチの交換
  4. 尿道カテーテルの挿入

 

 


 

▶午後23

静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

 

  1. 15〜20度
  2. 35〜40度
  3. 55〜60度
  4. 75〜80度

 

 


 

▶午後24

成人の一次救命処置〈BLS〉における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。

 

  1. 40〜60回/分
  2. 70〜90回/分
  3. 100〜120回/分
  4. 130〜150回/分

 

 


 

▶午後25

腹部前面を図に示す。
112pm25
McBurney〈マックバーニー〉圧痛点はどれか。

 

 

 

 

第112回看護師国家試験・一般問題(130問)

 

 

▶午前26

骨格筋の細胞膜には(  )に対する受容体がある。自己抗体がこの受容体の働きを阻害すると骨格筋は収縮できなくなる。
(  )に入る神経伝達物質として正しいのはどれか。

 

  1. アセチルコリン
  2. アドレナリン
  3. ドパミン
  4. ノルアドレナリン

 

 


 

▶午前27

健常な女子(15歳)が野外のコンサートで興奮し、頻呼吸を起こして倒れた。
このときの女子の体内の状態で正しいのはどれか。

 

  1. アルカローシスである。
  2. ヘマトクリットは基準値よりも高い。
  3. 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉は100%を超えている。
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉は基準値よりも高い。

 

 


 

▶午前28

薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。

 

  1. 最高血中濃度
  2. 生物学的半減期
  3. 濃度曲線下面積
  4. 最高血中濃度到達時間

 

 


 

▶午前29

多発性骨髄腫で腫瘍化しているのはどれか。

 

  1. B細胞
  2. T細胞
  3. 形質細胞
  4. 造血幹細胞

 

 


 

▶午前30

くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。

 

  1. 外傷
  2. 脳腫瘍
  3. 脳動脈瘤
  4. 脳動静脈奇形

 

 


 

▶午前31

社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療保険――健康保険法
  2. 介護保険――高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉
  3. 雇用保険――社会福祉法
  4. 年金保険――生活困窮者自立支援法

 

 


 

▶午前32

老人福祉法と介護保険法のいずれにも位置付けられている施設はどれか。

 

  1. 介護医療院
  2. 介護老人保健施設
  3. 老人福祉センター
  4. 老人デイサービスセンター

 

 


 

▶午前33改題

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。

 

  1. 令和3年(2021年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。
  2. 日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。
  3. 早期に発見して治療を開始すれば完治する。
  4. 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。

 

 


 

▶午前34

医療計画について正しいのはどれか。

 

  1. 基準病床数を定める。
  2. 5年ごとに見直しを行う。
  3. 特定機能病院の基準を定める。
  4. 一次、二次および三次医療圏を設定する。

 

 


 

▶午前35

ノロウイルス感染症に罹患した患者の嘔吐物が床に飛び散っている。
この処理に使用する消毒薬で適切なのはどれか。

 

  1. 70%エタノール
  2. ポビドンヨード
  3. 塩化ベンザルコニウム
  4. 次亜塩素酸ナトリウム

 

 


 

▶午前36

臨死期の身体的変化はどれか。

 

  1. 尿量が増加する。
  2. 全身の筋肉が硬直する。
  3. 不規則な呼吸が出現する。
  4. 頸動脈が触れなくなった後、橈骨動脈が触れなくなる。

 

 


 

▶午前37

成人女性に対するベッド上での排泄援助とその目的の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 窓を開ける。――寒冷刺激による排尿促進
  2. 上半身を挙上する。――腹圧のかけやすさによる排泄促進
  3. 外陰部にトイレットペーパーを当てる。――尿臭の防止
  4. 便器の底にトイレットペーパーを敷く。――寝具の汚染防止

 

 


 

▶午前38

成人のノンレム睡眠の特徴はどれか。

 

  1. 体温が上昇する。
  2. 急速な眼球運動がある。
  3. 加齢に伴い時間が長くなる。
  4. 睡眠周期の前半にみられる。

 

 


 

▶午前39

穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 胸腔穿刺――胸骨柄
  2. 骨髄穿刺――第3・4腰椎間
  3. 腹腔穿刺――腹直筋外側の側腹部
  4. 腰椎穿刺――上前腸骨棘

 

 


 

▶午前40

毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。

 

  1. 薬剤師法
  2. 毒物及び劇物取締法
  3. 麻薬及び向精神薬取締法
  4. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

 

 


 

▶午前41

輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 血小板成分製剤――2~6℃
  2. 赤血球成分製剤――2~6℃
  3. 血漿成分製剤――20〜24℃
  4. 全血製剤――20〜24℃

 

 


 

▶午前42

真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。

 

  1. 採血針を皮膚に刺した直後
  2. 真空採血管内への血液の流入が始まったとき
  3. 真空採血管内への血液の流入が終わったとき
  4. ホルダーから真空採血管を抜去した後

 

 


 

▶午前43

MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。

 

  1. 耳栓
  2. 携帯電話
  3. 使い捨てカイロ
  4. キャッシュカード

 

 


 

▶午前44

ムーア, F. D.が提唱した外科的侵襲を受けた患者の生体反応で正しいのはどれか。

 

  1. 傷害期では尿量が増加する。
  2. 転換期では循環血液量が増加する。
  3. 筋力回復期では蛋白の分解が進む。
  4. 脂肪蓄積期では活動性が低下する。

 

 


 

▶午前45

関節拘縮の予防を目的とした関節可動域〈ROM〉訓練で正しいのはどれか。

 

  1. 関節を速く動かす。
  2. 運動麻痺がある場合は患側から行う。
  3. 他動運動は痛みが生じないように行う。
  4. 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。

 

 


 

▶午前46

放射線治療で人体の吸収線量を表す単位はどれか。

 

  1. Bq
  2. eV
  3. Gy
  4. Sv

 

 


 

▶午前47

Aさん(62歳、男性)は呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され、呼吸機能検査を受けた。
換気障害の分類を図に示す。
112am47
Aさんの換気障害の分類で当てはまるのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前48

右肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状はどれか。

 

  1. 散瞳
  2. 構音障害
  3. 閉眼困難
  4. 上肢の疼痛

 

 


 

▶午前49

胃切除術後のダンピング症候群を予防するための食事指導で適切なのはどれか。

 

  1. 15分以内に食べる。
  2. 糖質の多い食事を摂る。
  3. 1回の摂取量を少なくする。
  4. 1日の食事回数を少なくする。

 

 


 

▶午前50

重度の肝硬変で基準値よりも低い値を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 血清アルブミン〈Alb〉
  2. 血清ビリルビン〈Bil〉
  3. 血中アンモニア〈NH3
  4. プロトロンビン時間〈PT〉

 

 


 

▶午前51

成人のばね指で正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 原因は腱の炎症である。
  3. 好発部位は示指である。
  4. 積極的にストレッチを行う。

 

 


 

▶午前52

広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「術後2週から性交は可能です」
  2. 「定期的に排尿を試みてください」
  3. 「調理のときは手袋をしてください」
  4. 「退院当日から浴槽の湯に浸かることができます」

 

 


 

▶午前53

老化に伴う血液・造血器系の変化で適切なのはどれか。

 

  1. エリスロポエチンが増加する。
  2. 黄色骨髄が減少する。
  3. 顆粒球数が増加する。
  4. 赤血球数が減少する。

 

 


 

▶午前54

高齢者の身体拘束に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 身体拘束の実施は担当看護師が決定する。
  2. ミトン型の手袋の使用は身体拘束ではない。
  3. 本人が身体拘束に同意していれば家族への説明は不要である。
  4. 切迫性、非代替性および一時性の全てを満たしている場合に検討される。

 

 


 

▶午前55

65歳以上の高齢者が要介護認定の有無に関わらず利用できるのはどれか。

 

  1. 介護予防教室
  2. 介護老人保健施設
  3. 夜間対応型訪問介護
  4. 通所介護〈デイサービス〉

 

 


 

▶午前56

入院中の高齢者への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 入院当日から複数の看護師が関わる。
  2. 1回の訪室で多くの情報を聴取する。
  3. 1日のスケジュールは口頭で説明する。
  4. 退院後の生活を予測して情報収集する。

 

 


 

▶午前57

1歳6か月の身体発育曲線(体重)を示す。
異常が疑われるのはどれか。

 

112am57 1

112am57 2

 

 


 

▶午前58

幼児期の心理社会的特徴はどれか。

 

  1. 自己中心性
  2. 心理的離乳
  3. ギャングエイジ
  4. ボディイメージの変容

 

 


 

▶午前59

正常な幼児期の基本的生活習慣で、2歳0か月ころまでに習得するのはどれか。

 

  1. 鼻をかむ。
  2. スプーンを使う。
  3. 夜間のおむつがとれる。
  4. 洋服のボタンをとめる。

 

 


 

▶午前60

母子保健法に規定されているのはどれか。

 

  1. 母子健康包括支援センター
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 助産施設
  4. 特定妊婦

 

 


 

▶午前61

排卵のある正常な月経周期で正しいのはどれか。

 

  1. 黄体は形成後1週間で萎縮する。
  2. エストロゲンの作用で子宮内膜が分泌期になる。
  3. 発育した卵胞の顆粒膜細胞からプロゲステロンが分泌される。
  4. エストロゲンのポジティブフィードバックによって黄体形成ホルモンの分泌が増加する。

 

 


 

▶午前62

不妊症について正しいのはどれか。

 

  1. 約6割は原因不明である。
  2. 検査に基礎体温測定がある。
  3. 治療の1つに不妊手術がある。
  4. 女性の年齢は治療効果に影響しない。

 

 


 

▶午前63

正常な分娩経過はどれか。

 

  1. 骨盤入口部に児頭が進入する際、児の頤部が胸壁に近づく。
  2. 骨盤出口部に達した時点で、児頭の矢状縫合は母体の骨盤の横径に一致する。
  3. 児頭娩出後、胎児は肩の長軸が骨盤出口部の横径に一致するよう回旋する。
  4. 児頭が発露したころに胎盤が剝離する。

 

 


 

▶午前64

新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 呼吸数が減少する。
  2. 過期産児に発症しやすい。
  3. 生後24時間ころから発症する。
  4. 肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。

 

 


 

▶午前65

小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うのはどれか。

 

  1. Down〈ダウン〉症候群
  2. Tourette〈トゥレット〉障害
  3. 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉
  4. Lennox-Gastaut〈レノックス・ガストー〉症候群

 

 


 

▶午前66

患者の権利や力を尊重し、自己制御している感覚を持たせ、患者が社会生活に必要な技能や能力を獲得する支援を意味するのはどれか。

 

  1. リカバリ
  2. ストレングス
  3. レジリエンス
  4. エンパワメント

 

 


 

▶午前67

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 障害基礎年金
  2. 一定割合の雇用義務
  3. 精神障害者保健福祉手帳
  4. 自立支援医療〈精神通院医療〉

 

 


 

▶午前68

Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。

 

  1. 成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明する。
  2. 地域の民生委員にAさんの経済状況を知らせる。
  3. Aさんの訪問記録を電子メールに添付して援助者間で共有する。
  4. 新たなサービスの利用を検討する他の利用者にAさんのケアプランを見せる。

 

 


 

▶午前69

Aさん(80歳、女性)は1人暮らしで、在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。訪問看護師はAさんに停電時を想定した避難行動の指導を行うことにした。
Aさんの停電時の避難行動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 電気のブレーカーを落とす。
  2. 玄関の扉を開けて出口を確保する。
  3. 訪問看護ステーションに連絡をする。
  4. 酸素濃縮器から酸素ボンベに切り替える。

 

 


 

▶午前70

介護保険制度における都道府県が指定・監督を行う居宅サービスはどれか。

 

  1. 福祉用具貸与
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  4. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 


 

▶午前71

Aさん(70歳、男性、要介護1)は脳梗塞の後遺症で左不全麻痺がある。家屋内は杖を使用して移動が可能である。Aさんから「入浴が不安なので安全な方法を教えてほしい」と訪問看護師に相談があった。
Aさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 手すりは左手で持つ。
  2. 左足から浴槽に入る。
  3. 浴室内を杖で移動する。
  4. 浴槽から出るときは入浴台〈バスボード〉を使う。

 

 


 

▶午前72

看護マネジメントのプロセスの「統制」はどれか。

 

  1. 看護職員の仕事への動機付けを行う。
  2. 病棟の目標をもとに看護活動の年間計画を立案する。
  3. 褥瘡ケアの改善に取り組むための担当チームを構成する。
  4. 病棟の1年間の業務評価に基づき看護活動の計画を修正する。

 

 


 

▶午前73

職員数が300人の病院の看護師の働き方に関するマネジメントで、労働安全衛生法に基づいて規定されているのはどれか。

 

  1. 1年以内ごとに1回、定期に心理的な負担の程度を把握するための検査を行う。
  2. 8時間を超える夜勤の時は1時間以上の休憩時間を確保する。
  3. 生理日に就業が著しく困難な場合は休暇の請求ができる。
  4. 妊娠中は請求すれば時間外労働が免除される。

 

 


 

▶午前74

国際協力として5歳未満児死亡率の高い地域に1年間派遣されることになった看護師が、派遣される地域の住民に対して行う活動でプライマリヘルスケアの原則に基づいた活動はどれか。

 

  1. 高度な治療を目的とした活動
  2. 医学的研究の遂行を優先した活動
  3. 派遣先で入手できる資源を利用した活動
  4. 派遣される専門家チームを中心とする活動

 

 


 

▶午前75

音を感知するラセン器〈Corti〈コルチ〉器〉があるのはどれか。

 

  1. 蝸牛管
  2. 半規管
  3. 鼓室
  4. 鼓膜
  5. 前庭

 

 


 

▶午前76

正常な糸球体で濾過される物質はどれか。

 

  1. フィブリノゲン
  2. ミオグロビン
  3. アルブミン
  4. 血小板
  5. 赤血球

 

 


 

▶午前77

冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。

 

  1. 対流による体熱の放散
  2. 放射による体熱の放散
  3. 熱伝導による体熱の放散
  4. 代謝による熱エネルギー産生の低下
  5. 骨格筋における熱エネルギー産生の低下

 

 


 

▶午前78

インスリンを過剰に投与したときに現れる症候で正しいのはどれか。

 

  1. 発熱
  2. 浮腫
  3. 口渇感
  4. 顔面紅潮
  5. 手足のふるえ

 

 


 

▶午前79

僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。

 

  1. 弁口面積が拡大する。
  2. 左心房内圧が上昇する。
  3. 狭心痛を合併することが多い。
  4. 弁尖の先天的な3尖化が原因となる。
  5. 胸骨右縁第2肋間で心雑音を聴取する。

 

 


 

▶午前80

検査の画像を別に示す。
112am80 1
112am80 2
狭心症の手術に最も重要な検査はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前81

変形性膝関節症について正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 第一選択は手術療法である。
  3. 変形性関節症の中で2番目に多い。
  4. 二次性のものが一次性のものより多い。
  5. 経時的に進行して10年で半数が悪化する。

 

 


 

▶午前82

学校保健安全法で出席停止となる学校感染症のうち、第二種に分類されているのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性赤痢
  3. ジフテリア
  4. 腸チフス
  5. 流行性角結膜炎

 

 


 

▶午前83

成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。

 

  1. 脈拍 70/分
  2. 体温 34.4℃
  3. 呼吸数 14/分
  4. 血圧 130/80mmHg
  5. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉15点

 

 


 

▶午前84

老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。

 

  1. 排尿回数の減少
  2. 膀胱容量の増加
  3. 夜間尿量の減少
  4. 残尿量の増加
  5. 尿比重の上昇

 

 


 

▶午前85

定期予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
  2. ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
  3. ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
  4. 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
  5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。

 

 


 

▶午前86

緑内障について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 眼球が突出する。
  2. 視神経が萎縮する。
  3. 硝子体が混濁する。
  4. 眼底に出血がみられる。
  5. 眼圧の上昇が原因となる。

 

 


 

▶午前87

高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨量の減少
  2. 筋肉量の減少
  3. 細胞内液量の減少
  4. 渇中枢の感受性の亢進
  5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

 

 


 

▶午前88

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 応急入院は72時間以内に限られている。
  2. 緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
  3. 措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
  4. 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
  5. 医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。

 

 


 

▶午前89

クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 在宅療養には適用できない。
  2. 医療者と患者が治療計画を共有できる。
  3. バリアンス発生の判断は退院日に行う。
  4. 多職種間のコミュニケーションが不要になる。
  5. 一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。

 

 


 

▶午前90

看護のアウトカムを評価するために収集する情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 褥瘡発生率
  2. 患者の満足度
  3. 研修会の開催回数
  4. 新人看護師の離職率
  5. 退院指導の実施回数

 

 


 

▶午後26

心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
このときの心臓で正しいのはどれか。

 

  1. 僧房弁は開いている。
  2. 大動脈弁は開いている。
  3. 左心室の容積は最小である。
  4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。

 

 


 

▶午後27

リンパの流れで正しいのはどれか。

 

  1. 成人の胸管を流れる量は1日約10Lである。
  2. 右上半身のリンパは胸管に流入する。
  3. 中枢から末梢への一方向に流れる。
  4. 筋運動を行うと流量は増加する。

 

 


 

▶午後28

肥大型心筋症について正しいのはどれか。

 

  1. ウイルス感染が主な病因である。
  2. 拡張障害が問題となる。
  3. 左室内腔は拡大する。
  4. 弁膜に肥厚を認める。

 

 


 

▶午後29

歯周病について正しいのはどれか。

 

  1. 原因はウイルス感染が多い。
  2. 発症の直接因子として飲酒がある。
  3. 真性ポケットが形成される歯周炎を含む。
  4. 破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎である。

 

 


 

▶午後30

帯状疱疹について正しいのはどれか。

 

  1. 運動神経麻痺は生じない。
  2. 感染の既往として水痘がある。
  3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。
  4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

 

 


 

▶午後31改題

令和4年度(2022年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
  2. 労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
  3. 人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
  4. 雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が17.13%である。

 

 


 

▶午後32

生活保護法の扶助の種類とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――医療にかかる費用
  2. 教育扶助――高等学校以上の教育にかかる費用
  3. 住宅扶助――住宅の購入にかかる費用
  4. 出産扶助――新生児の育児用品にかかる費用

 

 


 

▶午後33

健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。
  2. 推計患者数には助産所を利用した者を含む。
  3. 受療率は人口10万人に対する推計患者数である。
  4. 平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。

 

 


 

▶午後34

介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に実施できる医行為はどれか。

 

  1. 摘便
  2. 喀痰吸引
  3. 血糖測定
  4. インスリン注射

 

 


 

▶午後36

針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 採血時に手袋を着用する。
  2. 採血部位をアルコールで消毒する。
  3. 抜針した採血針はキャップをして破棄する。
  4. 針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する。

 

 


 

▶午後37

安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. Sims〈シムス〉位――腰背部
  2. 側臥位――胸腹部
  3. 半座位――前胸部
  4. 腹臥位――膝窩部

 

 


 

▶午後38

便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 灰白色便――Crohn〈クローン〉病
  2. 鮮紅色便――鉄剤の内服
  3. タール便――上部消化管出血
  4. 米のとぎ汁様便――急性膵炎

 

 


 

▶午後39

患者の足底と杖をつく位置を図に示す。
112pm39
両上肢の動きに制限がなく、右下肢に軽度の筋力低下がある患者の三点歩行で、歩き始めの杖の位置が適切なのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後40

創傷治癒の成熟期の状態はどれか。

 

  1. マクロファージが創内を清浄化する。
  2. 基底細胞が創面を覆う。
  3. 肉芽組織を形成する。
  4. 瘢痕を形成する。

 

 


 

▶午後41

成人への与薬方法で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射は大殿筋に行う。
  2. 坐薬は肛門から1cm挿入する。
  3. バッカル錠は、かんでから飲み込む。
  4. 点眼薬は下眼瞼結膜の中央に滴下する。

 

 


 

▶午後42

成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。

 

  1. 胸部が濡れている場合は電極パッドを貼る前に拭き取る。
  2. 電極パッドは左前胸部に並べて貼る。
  3. 心電図の解析中にも胸骨圧迫を継続する。
  4. 心拍が再開されたら電極パッドを直ちにはがす。

 

 


 

▶午後43

経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定値に影響を及ぼすのはどれか。

 

  1. 頻脈
  2. 高血圧
  3. 高体温
  4. 末梢循環不全

 

 


 

▶午後44

仰臥位で手術を受けた患者が術後に上肢の薬指と小指のしびれを訴えた。
しびれの原因として考えられるのはどれか。

 

  1. 頸部の伸展
  2. 前腕の回内
  3. 肩関節の内旋
  4. 肘関節の伸展

 

 


 

▶午後45

Aさん(58歳)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で在宅療養をしている。嚥下機能の低下が進行したため入院し、胃瘻の造設が検討されているが、経口摂取の継続を希望している。
看護師が連携する職種で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 言語聴覚士
  2. 作業療法士
  3. 理学療法士
  4. 介護支援専門員

 

 


 

▶午後46

臨死期にある患者の家族から「のどがゴロゴロと鳴っていて苦しんでいます。この苦痛をとってあげたい」と相談された。看護師が、呼吸音を聴取すると咽頭に雑音を認めた。
患者の苦痛を緩和するための対応で適切なのはどれか。

 

  1. 顔を横に向ける。
  2. 気管支拡張薬を用いる。
  3. 口腔内をガーゼで拭く。
  4. 雑音が消失するまで吸引する。

 

 


 

▶午後47

成人の気管支喘息に対する副腎皮質ステロイド薬の吸入で正しいのはどれか。

 

  1. 糖尿病の患者への投与は禁忌である。
  2. 副作用〈有害事象〉に不整脈がある。
  3. 重積発作の際に使用する。
  4. 吸入後は含嗽を促す。

 

 


 

▶午後48

Aさん(43歳、男性)は胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため血液検査を行い、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療を行うことになった。
血液検査の項目でAさんに生じた合併症を判断できるのはどれか。

 

  1. アミラーゼ〈AMY〉
  2. アルブミン〈Alb〉
  3. カリウム〈K〉
  4. クレアチンキナーゼ〈CK〉

 

 


 

▶午後49

パッチテストで皮膚反応を観察するタイミングはどれか。

 

  1. 12時間後
  2. 24時間後
  3. 36時間後
  4. 48時間後

 

 


 

▶午後50

シクロホスファミドを投与している患者で注意が必要なのはどれか。

 

  1. 緑内障
  2. 間質性肺炎
  3. 歯肉の肥厚
  4. 出血性膀胱炎

 

 


 

▶午後51

ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」
  2. 「HPVワクチンを接種した人が対象です」
  3. 「陽性であれば子宮頸癌と診断されます」
  4. 「HPV抗原検査も同時に行います」

 

 


 

▶午後52

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。

 

  1. 75歳以上の通院率は約9割である。
  2. 65歳以上の半数以上が有訴者である。
  3. 65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
  4. 65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。

 

 


 

▶午後53

平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 単身世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 単身の子どもと同居世帯

 

 


 

▶午後54

Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「介護は楽しいですよ」
  2. 「介護にはすぐに慣れますよ」
  3. 「家族で介護できるよう頑張りましょう」
  4. 「介護についてどのような思いがありますか」

 

 


 

▶午後55

子どもの発達で正しいのはどれか。

 

  1. 発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
  2. 原始反射は生後6〜12か月にみられる。
  3. 基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
  4. 新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。

 

 


 

▶午後56

乳歯について正しいのはどれか。

 

  1. 永久歯より石灰化度が高い。
  2. 生後8か月に生えそろう。
  3. 胎児期に石灰化が始まる。
  4. 本数は永久歯と同じである。

 

 


 

▶午後57

子どもの平行遊びで正しいのはどれか。

 

  1. 3歳ころまでの主要な遊びである。
  2. 他の子どもが遊ぶ様子を見て楽しむ。
  3. リーダーの存在や役割の分担がある。
  4. 他の子どもとおもちゃの貸し借りを行う。

 

 


 

▶午後58

母体保護法に規定されているのはどれか。

 

  1. 産後の休業
  2. 妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限
  3. 妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止
  4. 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶

 

 


 

▶午後59

閉経について正しいのはどれか。

 

  1. 閉経すると腟の自浄作用が低下する。
  2. 閉経後はエストロゲン分泌が増加する。
  3. 日本人の閉経の平均年齢は55歳である。
  4. 10か月の連続した無月経の確認で診断される。

 

 


 

▶午後60

妊娠に伴う母体の生理的変化とその時期の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 体温が低下する。――妊娠5週ころ
  2. 乳房が緊満する。――妊娠15週ころ
  3. つわりが軽減する。――妊娠11週ころ
  4. 循環血液量が最大になる。――妊娠32週ころ

 

 


 

▶午後61

産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。

 

  1. 児が乳頭を吸啜することによってオキシトシンが分泌される。
  2. 子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。
  3. 分娩後は一時的に尿量が減少する。
  4. プロゲステロンが増加する。

 

 


 

▶午後62

大規模災害が発生し、被災した住民は自治体が設置した避難所に集まり避難生活を始めた。発災3日、自治体から派遣された看護師は避難所の片隅で涙ぐんでいるAさんへの関わりを始めた。Aさんは「悲しい気持ちが止まりません」と話している。
このときのAさんへの看護師の発言で適切なのはどれか。

 

  1. 「災害以外のことを何か考えましょう」
  2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」
  3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」
  4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

 

 


 

▶午後63

精神病床に入院し、身体的拘束が必要となる攻撃性の高い精神疾患患者のケアで正しいのはどれか。

 

  1. 心的外傷〈トラウマ〉体験を想定して支援を行う。
  2. 患者が暴力行為に及んだ場合は積極的に反省を促す。
  3. 患者の攻撃性が収まるまで疾患や治療の教育を行うことは避ける。
  4. 患者の身体的拘束が解除されてから病棟のスケジュールの説明を行う。

 

 


 

▶午後64

一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 自立生活援助
  3. ピアサポート
  4. 就労継続支援A型

 

 


 

▶午後65

Aさん(70歳、男性)は神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入し在宅療養を開始することになった。
Aさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。

 

  1. 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
  2. カテーテルは大腿の内側に固定する。
  3. 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
  4. カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。

 

 


 

▶午後66

Aさん(88歳、女性、要介護1)は長女(58歳、会社員)と2人暮らしで、胃瘻を造設し訪問看護を利用している。看護師の訪問時、Aさんは頭痛、嘔気を訴え、ベッドに横になっていた。バイタルサインは、体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整、血圧102/76mmHg、口唇が乾燥している。室温は30℃である。長女に連絡し、かかりつけ医に往診を依頼することにした。
医師が到着するまでの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 頭を高くする。
  2. 腋窩を冷やす。
  3. 水を飲ませる。
  4. 中枢から末梢に下肢をマッサージする。

 

 


 

▶午後67

指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。

 

  1. 看護職員以外は配置できない。
  2. 緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。
  3. 訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
  4. 従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。

 

 


 

▶午後68

Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。
このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 救急車を要請するよう提案する。
  2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。
  3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。
  4. 一度に倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

 

 


 

▶午後69

A病院の組織図を示す。
112pm69
医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。

 

 

 


 

▶午後70

医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。

 

  1. 医療安全支援センターを設置する。
  2. 医療安全管理者養成研修を実施する。
  3. 医療の安全を確保するための指針を策定する。
  4. 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。

 

 


 

▶午後71

災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。

 

  1. 地域災害拠点病院は市町村が指定する。
  2. 災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
  3. トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
  4. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。

 

 


 

▶午後72

Aさん(58歳、男性)は外国籍の妻(40歳)と10年前に結婚し、2人で暮らしている。虚血性心疾患と診断され、外来看護師による生活指導を妻と一緒に受けることになった。初回の面談で、A さんは「10年間で体重が10kg増えました。妻の母国の習慣で味が濃いおかずや揚げ物とご飯を1日に何度も食べています。最近、2人とも運動をしなくなりました」と話した。
このときの外来看護師のAさんと妻への最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣の改善についてAさんと妻に考えを聞く。
  2. 食事は1日3回までにするよう指導する。
  3. 毎日1時間のウォーキングを提案する。
  4. 料理教室に通うことを勧める。

 

 


 

▶午後73

上肢の運動を図に示す。
112pm73
肩関節の屈曲の可動域測定で正しいのはどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

 

 


 

▶午後74

細菌が体内に初めて侵入したときに最初に産生される免疫グロブリンはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgG
  5. IgM

 

 


 

▶午後75

膀胱の蓄尿と排尿反射で正しいのはどれか。

 

  1. 排尿中枢はホルモンによって制御される。
  2. 排尿反射は交感神経を介して起こる。
  3. 蓄尿時に内尿道括約筋は収縮する。
  4. 排尿時に外尿道括約筋は収縮する。
  5. 蓄尿時に排尿筋は収縮する。

 

 


 

▶午後76

全身性エリテマトーデス〈SLE〉でプレドニゾロンを長期間服用している成人女性の患者で、血中濃度が顕著に低下しているのはどれか。

 

  1. インスリン
  2. 甲状腺ホルモン
  3. エストラジオール
  4. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 

▶午後77

心電図検査の胸部誘導で電極を第4肋間胸骨右縁に装着するのはどれか。

 

  1. V1
  2. V2
  3. V4
  4. aVR

 

 


 

▶午後78

プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。

 

  1. 下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。
  2. 男性ホルモンによって腎排泄が増加する。
  3. 激しい運動で産生が減少する。
  4. 利尿薬によって排泄される。
  5. 肝臓で分解される。

 

 


 

▶午後79

血液透析について正しいのはどれか。

 

  1. 合併症は腹膜炎が多い。
  2. 食事はカルシウムを制限する。
  3. 導入初期には不均衡症候群が起こる。
  4. 導入の原因疾患はIgA腎症が最も多い。
  5. 透析に用いる半透膜はタンパク質が通過する。

 

 


 

▶午後80

成人に経鼻経管栄養の胃管を挿入する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 挿入時、患者の体位は仰臥位にする。
  3. 胃管が咽頭に達するまで頸部を前屈してもらう。
  4. 胃管が咽頭に達したら嚥下を促す。
  5. 水を注入して胃管の先端が胃内に到達したことを確認する。

 

 


 

▶午後81

介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

 

  1. 簡易浴槽
  2. 特殊寝台
  3. 体位変換器
  4. 移動用リフト
  5. 取り付け工事を伴わないスロープ

 

 


 

▶午後82

標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になるのはどれか。

 

  1. 生後6か月
  2. 生後12か月
  3. 2歳
  4. 4歳
  5. 6歳

 

 


 

▶午後83

女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. オキシトシン
  3. 成長ホルモン
  4. 甲状腺ホルモン
  5. テストステロン

 

 


 

▶午後84

Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。
Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 排泄
  2. 個人衛生
  3. 安全を保つ能力
  4. 活動と休息のバランス
  5. 孤独と付き合いのバランス

 

 


 

▶午後85

薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉の実施が必要な薬物はどれか。2つ選べ。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. ジギタリス
  4. 炭酸リチウム
  5. ニトログリセリン

 

 


 

▶午後86

高齢者の睡眠で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単相性の睡眠になる。
  2. 浅い眠りが少なくなる。
  3. 総睡眠時間が延長する。
  4. 中途覚醒の回数が増加する。
  5. 入眠するまでに時間がかかる。

 

 


 

▶午後87

高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血小板数
  2. 尿素窒素
  3. 白血球数
  4. 食後血糖値
  5. AST〈GOT〉

 

 


 

▶午後88

精神保健における三次予防はどれか。2つ選べ。

 

  1. うつ病患者のリワーク支援を行う。
  2. 災害時の精神的支援を行うボランティアを育成する。
  3. 自殺企図をして未遂だった人の希死念慮を確認する。
  4. 精神障害者の長期入院による自発性の低下を予防する。
  5. 統合失調症のアンチ・スティグマ・キャンペーンを行う。

 

 


 

▶午後89

Aちゃん(小学4年生、女児)は父親(40歳、会社員)、母親(40歳、会社員)、弟(小学2年生)と4人で暮らしている。交通事故で頸髄損傷となり、訪問看護を利用して在宅療養を開始した。Aちゃんはこれまで通っていた小学校に継続して通学することを希望している。
Aちゃんの家族への看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 特別支援学校に転校するよう勧める。
  2. 弟の退行現象に注意するよう説明する。
  3. Aちゃんが利用できる社会資源を紹介する。
  4. Aちゃんのケアは主に母親が行うよう助言する。
  5. 事故については家族の間で話題にしないよう指導する。

 

 


 

▶午後90

500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。
使用可能な時間は何分か。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② ③ 分

 

 

 

第112回看護師国家試験・状況設定問題(60問)

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(47歳、男性、会社員)は妻と2人暮らしで、自宅の室内で犬を飼っている。15年前に慢性糸球体腎炎と診断され、徐々に腎機能低下が認められたので、2年前から慢性腎不全のため血液透析療法を週3回受けている。今回、弟から腎臓の提供の申し出があり、生体腎移植の目的で入院した。入院3日、Aさんの生体腎移植手術は予定通り終了した。

 

▶午前91

Aさんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 尿量
  2. 血糖値
  3. 白血球数
  4. シャント音

 

 


 

▶午前92

Aさんは術前からタクロリムスなど複数の免疫抑制薬を服用している。Aさんは「移植したら免疫抑制薬を飲む必要があることは分かっているのですが、退院後は何に気を付ければよいですか」と看護師に質問した。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「犬は今まで通り室内で飼育できます」
  2. 「グレープフルーツは摂取しないでください」
  3. 「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」
  4. 「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」

 

 


 

▶午前93

Aさんは順調に回復し、移植後の拒絶反応もなく退院することになった。Aさんは「腎臓が悪くなってから気を付けないといけないことが多かったのですが、移植してこれまでの制約がなくなりますね」と話した。
Aさんの退院後の生活で継続が必要なのはどれか。

 

  1. 蛋白質の摂取制限
  2. 週3回の通院
  3. 水分の制限
  4. 体重の管理

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性、美容師)はゴルフが趣味である。同居しているパートナーと1週前にゴルフに行った後から、顔面の紅斑、微熱、全身倦怠感および手指の関節痛が現れた。病院を受診したところ、全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され入院した。Aさんは看護師に「これまで病気をしたことがなかったので、驚いています」と話した。

バイタルサイン:体温37.4℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整、血圧110/60mmHg。
血液所見:赤血球260万/μL、Hb9.0g/dL、白血球7,600/μL、血小板18万/μL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、CRP0.7mg/dL、直接Coombs〈クームス〉試験陽性。
尿所見:尿蛋白(-)、尿潜血(-)。
神経学的検査:異常所見なし。
12誘導心電図:異常所見なし。
胸部エックス線写真:異常所見なし。

 

▶午前94

Aさんに生じている可能性が高いのはどれか。

 

  1. 心膜炎
  2. 溶血性貧血
  3. ループス腎炎
  4. 中枢神経ループス

 

 


 

▶午前95

Aさんはステロイドパルス療法の後、副腎皮質ステロイド薬の内服治療が開始された。入院3週ころから満月様顔貌がみられたため、外見の変化に気持ちが落ち込むようになった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 気にする必要はないと励ます。
  2. パートナーの面会を制限する。
  3. 外見よりも病気の治療を優先すると説明する。
  4. 薬の量が減れば満月様顔貌は軽減すると説明する。

 

 


 

▶午前96

Aさんは外来で副腎皮質ステロイド薬の内服治療を継続することになった。Aさんは「病気を悪化させないために退院後はどのような生活がよいでしょうか」と看護師に質問した。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「すぐに復職できます」
  2. 「避妊は必要ありません」
  3. 「身体を冷やさないでください」
  4. 「くもりなら屋外でゴルフができます」

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)は夫(86歳)と2人で暮らしている。高血圧症で内服治療をしているが、血圧のコントロールはできている。両眼に老人性白内障があり、老人性難聴のために補聴器を使用している。認知機能は問題なく、日常生活動作〈ADL〉はほぼ自立している。1年前から両眼の羞明、霧視が強くなり、視力が低下して趣味の編み物ができなくなってきた。また、家の中を移動するときに小さな段差につまずいたりドアにぶつかるなど、歩行時の転倒の危険性が増えた。Aさんは自宅での生活を安全に送りたい、趣味を続けたいという希望があり、10日間程度の入院で両眼の超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行うことになった。

 

▶午前97

入院当日、病棟の看護師がAさんに対してパンフレットを用いて手術前オリエンテーションを行うことになった。
Aさんへのオリエンテーションの方法で適切なのはどれか。

 

  1. 耳元で大きな声で説明する。
  2. Aさんの身体に触れてから話しかける。
  3. 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。
  4. 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。

 

 


 

▶午前98

Aさんの手術は局所麻酔下で行われ、10分程度で終了した。手術中および手術直後のバイタルサインに問題はなく、病室に戻ってきた。Aさんは眼痛や頭痛、気分不快などの症状はなく、「無事に終わって良かった」と話している。
手術後のAさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 手術直後から点眼する。
  2. 洗顔は手術の翌日から行う。
  3. 手術後24時間はベッド上で安静にする。
  4. 医師の許可があるまでは頭を振る動作をしない。

 

 


 

▶午前99

手術後2日、Aさんは日中はベッドに横になって過ごしている時間が多い。夜間にAさんから看護師に「手術後はゆっくり眠れていません。どうしたらよいでしょうか」という訴えがあった。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 寝る前に温かい緑茶を飲むことを勧める。
  2. 日中はベッドから離れて過ごすことを促す。
  3. 眠れなくてもベッドに横になっていることを勧める。
  4. 夜はよく眠っているので様子をみましょうと伝える。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(75歳、男性)は妻(75歳)と2人暮らしで、15年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。7年前よりレボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn&Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅣで、要介護2である。妻は腰痛のため毎日リハビリテーション目的で通院中である。妻の介護負担を軽減するため、Aさんは毎月10日間、介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。今回は妻の腰痛が増強したため、Aさんは予定を早めて入所した。Aさんは握力が低下しているが、スプーンを使用し自力で食事を摂取している。食事中に姿勢が崩れることが多く、むせや食べこぼしがある。

 

▶午前100

看護師のAさんへの食事援助で正しいのはどれか。

 

  1. 頸部を後屈した体位にする。
  2. 座位時の体幹を安定させる。
  3. 食後に嚥下体操を実施する。
  4. こぼさずに摂取できるよう全介助する。

 

 


 

▶午前101

Aさんは社交的で短期入所中はいつも介護老人保健施設の利用者や職員と笑顔で会話していたが、今回は、会話中に急に表情がなくなり声が聞きとれないほど小さくなったり、手足の震えが出現することがあった。食後に薬を内服すると症状は改善するが、内服して2時間後には同じような症状が現れることがあった。
Aさんの症状はどれか。

 

  1. オンオフ現象
  2. ジスキネジア
  3. アナフィラキシー反応
  4. ウェアリングオフ現象

 

 


 

▶午前102

妻の腰痛が改善したため、Aさんは自宅に戻ることになった。Aさんは「妻に負担をかけないように自分で動けるようになりたい。自宅でできる運動や注意することを教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「毎日30分間の階段昇降を行いましょう」
  2. 「歩行時に腕を大きく振りましょう」
  3. 「小刻みに歩くようにしましょう」
  4. 「毎日1km歩きましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(2歳、男児)は両親、兄(5歳)の4人家族である。3日前から発熱が続くため、母親と一緒に外来を受診した。診察の結果、川崎病と診断され、個室に入院となり左手背に点滴静脈内留置針が挿入された。入院中は母親が希望し、Aちゃんに付き添っている。Aちゃんにγ-グロブリン療法とアスピリンの内服が開始されることになった。看護師がγ-グロブリン療法の開始のために訪室すると、Aちゃんは不機嫌にぐずって泣いている。

 

▶午前103

γ-グロブリン療法の開始に伴う看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. γ-グロブリン製剤の投与中もAちゃんと売店に行けると母親に伝える。
  2. 留置針の自己抜去防止のために右肘関節に抑制帯を使用する。
  3. 心負荷の軽減のためにAちゃんの経口水分摂取を制限する。
  4. 心電図モニターの装着を確認する。
  5. 留置針の刺入部を観察する。

 

 


 

▶午前104

Aちゃんの入院中、母親は一度も自宅に帰らずに付き添いを続けている。入院3日の朝に看護師が訪室したところ、母親が「夫から電話があって、Aの入院後、兄がほとんど寝ずに大泣きしているらしく、私は心配です」と話している。
母親への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。
  2. Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。
  3. 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。
  4. 退院の可否を医師と相談すると伝える。

 

 


 

▶午前105

入院4日、Aちゃんは解熱し活気が出てきた。翌日、看護師がAちゃんを観察すると、手指の先端から皮膚が膜のように薄くむけていた。
この所見に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. γ-グロブリン療法の副作用〈有害事象〉である。
  2. 皮膚のツルゴールが低下している。
  3. 川崎病の回復期の症状である。
  4. 皮膚科の受診が必要である。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(33歳、初産婦、会社員)は夫と2人で暮らしている。妊娠28週5日、夕方から下腹部に生理痛のような痛みを感じ、少量の性器出血があったため来院した。来院時、子宮口2cm開大、未破水、8分おきに20秒持続する子宮収縮があり、切迫早産と診断された。子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩)の点滴静脈内注射と安静による治療が開始された。

 

▶午前106

点滴を開始して30分後に看護師が訪室すると、AさんはFowler〈ファウラー〉位で休んでいた。
このときのAさんの状態で看護師が注意して観察すべき項目はどれか。

 

  1. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2
  2. 血圧
  3. 呼吸数
  4. 脈拍

 

 


 

▶午前107

切迫早産の症状がなくなり、Aさんは妊娠35週0日で退院した。妊娠36週0日に妊婦健康診査のために来院した。ノンストレステスト〈NST〉を実施中に、「気分が悪い」とナースコールがあり看護師が訪れると、Aさんは仰臥位になっていた。
Aさんへの対応で看護師が最初に行うのはどれか。

 

  1. 医師に報告する。
  2. 血圧測定を行う。
  3. 左側臥位にする。
  4. 酸素吸入を行う。

 

 


 

▶午前108

Aさんは妊娠36週5日、8時に分娩が開始した。16時30分に子宮口全開大、16時35分に自然破水、18時30分に男児を出産した。分娩時出血量は350mL、児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。
Aさんの分娩のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 早期産である。
  2. 異常出血である。
  3. 前期破水である。
  4. 新生児仮死である。

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(34歳、初産婦)は妊娠39週6日に3,000gの女児を出産した。分娩後の母児の経過は順調である。
出生後12時間、看護師がAさんの児の観察を行った。児は活気がありバイタルサインは安定しており、排便が認められた。直接授乳を開始している。出生後の排尿回数は4回、排便回数は3回である。

 

▶午前109

便の写真を別に示す。
112am109
このときのAさんの児の便はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前110

日齢2。Aさんの児の胎外生活への適応は順調に経過している。哺乳回数は1日8回。Aさんは母乳育児を希望しているが、児に乳頭を吸われると痛いと話しており、左右の乳頭に軽度の発赤が認められる。
このとき看護師が観察する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 児の体重減少率
  2. 乳汁の分泌状態
  3. 乳房の緊満状態
  4. ラッチオンの状態

 

 


 

▶午前111

日齢4。看護師がAさんの児を観察したところ、バイタルサインは、体温(直腸温)37.3℃、呼吸数55/分、心拍数134/分。経皮ビリルビン20.0mg/dLであった。
Aさんの児の状態で医師に報告が必要なのはどれか。

 

  1. 経皮ビリルビン値
  2. 呼吸数
  3. 心拍数
  4. 体温

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(20歳、女性)は境界性人格〈パーソナリティ〉障害の診断を受け、精神科外来に通院中である。ある日、人間関係のトラブルから処方されていた睡眠薬を過量服薬して自殺企図をしたところを家族に発見され、救命救急センターに搬送された。

 

▶午前112

Aさんは救急外来で治療を受け会話ができるまでに回復した。
Aさんへの看護師の最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 過量服薬した場面の振り返りを促す。
  2. 現在の希死念慮の有無について確認する。
  3. 大量の睡眠薬を飲まずに残していた理由を追及する。
  4. Aさんと看護師の間で二度と過量服薬しないと約束する。

 

 


 

▶午前113

Aさんは身体的な治療を受けた後、精神科病棟に入院することになった。入院3日の22時、Aさんがハサミを貸してほしいとナースステーションに来た。日勤の看護師がいる時間帯のみ付き添いでハサミの貸出が可能という主治医からの指示を伝えると「看護師Bは貸してくれたのに。こんなひどい対応をする看護師はあなただけだ」と話し、その場を動かない。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. ハサミの使用目的を聞く。
  2. 看護師付き添いのもとハサミを貸し出す。
  3. 看護師Bが誤った対応をしたと説明する。
  4. Aさんの行動が心配なので貸し出せないと伝える。

 

 


 

▶午前114

入院1週、Aさんは看護師ごとに言動や態度を変えることが多く、病棟ではAさんに対して共感を示す看護師と、拒否的な態度を示す看護師に分かれてしまった。そのため、病棟の看護師はチームでの対応についてカンファレンスを行った。
Aさんへの看護師のチームとしての対応で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんと看護師が関わる頻度を減らす。
  2. Aさんに共感を示す看護師に担当を固定する。
  3. Aさんに対する感情を看護師同士で表出しないように統一する。
  4. Aさんの行動が患者―看護師関係にもたらす影響について評価する。

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aちゃん(6歳、男児)は父親(50歳、会社員)、母親(48歳)、姉(11歳)と4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。喀痰吸引、胃瘻による経管栄養が必要で、訪問看護を週に2回利用している。まばたきの回数で「はい」と「いいえ」の意思表示はできるが、視線や上肢の動きには誤動作もあり、構音障害もあるため家族以外では意思の判断が難しい。また、手指での細かい操作はできない。Aちゃんは次年度から姉と同じ小学校の特別支援学級に通い、通常の学級の児童と交流の予定がある。

 

▶午前115

入学時に担任がAちゃんの意思を確認する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 五十音の文字盤を用いてAちゃんが指でさした文字を文字ずつ読み取る。
  2. 視線で入力できる意思伝達装置を用いてAちゃんに文字を入力してもらう。
  3. 閉じた質問〈closed question〉をしてAちゃんのまばたきの回数を確認する。
  4. 感情を絵で表現したカードを見せてAちゃんが指でさしたカードを確認する。

 

 


 

▶午前116

Aちゃんが小学校に入学して6か月が経過した。小学校への送迎は母親が行っており、学内での喀痰吸引や経管栄養の注入は小学校に配置されている看護師が行っている。Aちゃんは体調も安定しており、小学校での生活にも慣れてきた。Aちゃんの母親は「夫は朝早く出勤し、長女もまだ小さく、Aを小学校に連れて行くまで忙しくて大変です」と訪問看護師に話した。訪問看護師は保健所の保健師に相談し、Aちゃん宅で家族も含めてAちゃんが利用できる支援サービスを検討することにした。
Aちゃんと家族に利用を勧める支援サービスで適切なのはどれか。

 

  1. 児童発達支援
  2. 重度訪問介護
  3. 放課後等デイサービス
  4. 短期入所〈ショートステイ〉

 

 


 

▶午前117

Aちゃんは入学して1度も入院することなく2年生になった。Aちゃんの母親はケアに必要な物品を学校の看護師に渡す際に「Aは学校に通うようになり、お友達が増えて本当によかったと思います。それに比べて私は仕事をしていないし、Aに友達ができた喜びや日々の苦労を理解してもらえる友達がいません。Aの同級生の親には年齢が近くて話しやすい人がいません」と話した。
Aちゃんの母親への提案で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「学校の行事に参加してみませんか」
  2. 「短時間でも仕事を始めてはいかがですか」
  3. 「お姉ちゃんのお友達の親に話しかけてみませんか」
  4. 「障害のある子どもを持つ家族の会に参加してみませんか」

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(57歳、男性、無職)は妻(55歳、会社員)と2人で暮らしている。Aさんは、飲酒が原因で仕事での遅刻や無断欠勤が続いたため1年前に職場を解雇された。その後も朝から自宅で飲酒する生活が続き、体調が悪化したため受診し、アルコール性肝硬変とアルコール依存症と診断された。医師から断酒を指導されていたが実行できず通院していなかった。
Aさんは最近、倦怠感が強く食欲がなく、1週前から飲酒もできなくなった。妻に付き添われて受診した際、外来のトイレで吐血し倒れ食道静脈瘤破裂と診断され入院した。

身体所見:呼びかけに応じるが反応が遅い。腹水や浮腫はない。手指の振戦はない。体温37.0℃、呼吸数22/分、脈拍98/分、整、血圧92/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。

 

▶午前118

入院時、Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 上半身を挙上する。
  2. 身体を側臥位にする。
  3. 頭部の冷罨法を行う。
  4. 酸素療法の準備をする。

 

 


 

▶午前119

入院当日、Aさんは緊急に内視鏡的治療を受けた。入院7日、Aさんは食道静脈瘤の治療のため、食道静脈瘤硬化療法を受けることになった。治療前のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数16/分、脈拍72/分、整、血圧126/70mmHgである。検査所見は、血小板15万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉10秒85%である。入院後は吐血していない。
Aさんが食道静脈瘤硬化療法を受けた直後に注意すべき症状はどれか。

 

  1. 下血
  2. 胸部痛
  3. 皮下出血
  4. 手指の振戦

 

 


 

▶午前120

Aさんは食道静脈瘤硬化療法を終えて、アルコール依存症の治療を受けるために精神科病院に転院した。
転院して2か月、病棟ではAさんの退院に向けた話し合いが進められている。Aさんは「退院した後にお酒をやめられるか自信がない。体力が落ちており、何もしていないとお酒を飲んでしまいそうです」と悩みを打ち明けた。
Aさんへの看護師の声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「断酒をする意思を強く持ちましょう」
  2. 「肝硬変があるので、今は安静が必要です」
  3. 「入院中も飲酒をやめられているので大丈夫です」
  4. 「アルコールの問題で悩んでいる人たちとの話し合いに参加してみましょう」

 

 


 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(61歳、男性、会社員)はデスクワーク中心の仕事をしている。今朝、職場へ出勤したが、自分の机の位置や同僚の名前が分からない等の見当識障害があり、同僚に付き添われ救急外来を受診した。頭痛、嘔吐、めまいはない。

現病歴:4年前に2型糖尿病と診断され、経口糖尿病薬が開始された。1年前から受診を自己判断で中断している。
身体所見:身長170cm、体重100kg。体温38.6℃、呼吸数22/分、脈拍112/分、整、血圧108/64mmHg。対光反射(+)、瞳孔不同(-)。歩行可能。右第1趾に発赤、腫脹、異臭がある。
検査所見:白血球19,200/μL、血糖904mg/dL、Na131mEq/L、K3.4mEq/L、ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉9.2%、アンモニア49μg/dL、CRP22mg/dL。
動脈血液ガス分析pH7.32。血漿浸透圧394mOsm/L。尿ケトン体(±)。

 

▶午後91

Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 肝性脳症
  2. 小脳出血
  3. ケトアシドーシス〈DKA〉
  4. 高浸透圧高血糖状態〈HHS〉

 

 


 

▶午後92

Aさんはインスリン療法、糖尿病足病変に対する抗菌薬治療で全身状態は改善した。退院へ向けて、看護師はAさんに食事指導をすることにした。
Aさんに勧める1日の摂取カロリーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 1,400kcal
  2. 1,800kcal
  3. 2,200kcal
  4. 2,600kcal
  5. 3,000kcal

 

 


 

▶午後93

Aさんの糖尿病足病変の悪化を防ぐ目的で看護師が行う指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「靴下を履きましょう」
  2. 「月に1回、足を観察してください」
  3. 「暖房器具に足を近づけないでください」
  4. 「足の傷は痛みが出てから受診してください」
  5. 「鶏眼〈うおのめ〉が出来た場合は自分で削ってください」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(53歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。

 

▶午後94

グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉によるAさんの意識レベルの評価はどれか。

 

  1. E1V1M2
  2. E1V2M4
  3. E2V2M2
  4. E4V5M5

 

 


 

▶午後95

Aさんは右側の急性硬膜外血腫と診断され、緊急開頭手術を受けることになった。術前のバイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数14/分、脈拍74/分、整。血圧は、搬送時の134/84mmHgから174/66mmHgに上昇し、痛み刺激に対する反応が消失している。
このときのAさんの瞳孔の状態はどれか。

 

※設問不明確により省略。

 


 

▶午後96

開頭手術後2日、Aさんの全身状態は良好で、硬膜外ドレーンの排液も異常所見はなく経過している。看護師が訪室するとAさんは仰臥位で開眼し、「目が覚めたら病院にいて手術も終えていたので驚きました。今は気分もよいが、寝てばかりで背中が痛くなってきたので体勢を変えたい」と話す。
看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 仰臥位を保持する。
  2. 頭側を30度挙上する。
  3. 頭側を60度挙上する。
  4. 頭側を90度挙上する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(75歳、男性)は1人暮らしで、妻とは5年前に死別し、子どもはいない。57歳のときに慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉と診断された。他に既往はない。20歳から喫煙していたが、今は禁煙している。エレベーターのないアパートの4階に住んでおり、家事動作時に息苦しさが出現することもあったが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。妻が亡くなってからは食事が不規則になり、インスタント食品ばかり食べていた。入浴はせず、週に1回シャワーを浴びていた。
1週前から日常生活動作〈ADL〉でも息苦しさが増強し、食欲がなく、ほとんど食事をしていなかったが、ジュースを500mL/日は飲んでいた。昨日の夕方に37.8℃の発熱があったため、本日かかりつけの病院を受診した。

受診時の身体所見:体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍94/分、整、血圧138/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉82%(room air)。動脈血液ガス分析(room air):動脈血酸素分圧〈PaO2〉45Torr、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉58Torr。
検査所見:赤血球420万/μL、Hb10.3g/dL、白血球9,500/μL、総蛋白5.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、空腹時血糖98mg/dL、CRP10.1mg/dL。

医師の診察の結果、Aさんは慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の急性増悪と診断された。

 

▶午後97

このときのAさんの状態はどれか。

 

  1. うつ熱
  2. 高血圧
  3. 呼気の延長
  4. 皮膚の搔痒感

 

 


 

▶午後98

Aさんは入院し、抗菌薬の点滴静脈内注射と酸素投与が開始された。病棟内の歩行の許可が出て、食事も全粥食を半分程度は食べることができた。
Aさんに起こりうる症状で最も注意が必要なのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 便秘
  3. 高血糖
  4. CO2ナルコーシス

 

 


 

▶午後99

Aさんは順調に回復したため、退院が決まった。退院後の慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の治療は、在宅酸素療法〈HOT〉は導入せずに薬物療法を継続することになった。Aさんは、看護師に「退院後も自宅で生活したい」と話している。近隣に家事を手伝ってくれる親戚や友人はいない。
Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肺炎球菌ワクチンの接種を勧める。
  2. 水分を制限するよう指導する。
  3. 糖分を制限するよう指導する。
  4. 配食サービスの利用を勧める。
  5. 毎日の散歩を勧める。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

A君(5歳)は父親(40歳)、母親(38歳)と兄(10歳)の4人家族である。A君は生後6か月のときに白血病と診断され化学療法で寛解し、退院後は幼稚園に登園していた。4歳になって再発し、兄を骨髄ドナーとした造血幹細胞移植を受けた。

 

▶午後100

A君が利用できる制度はどれか。

 

  1. 自立支援医療
  2. 指定難病の医療費助成
  3. 未熟児養育医療の給付
  4. 小児慢性特定疾病医療費助成

 

 


 

▶午後101

A君の造血幹細胞移植は無事に終了したが、終了後6か月で2度目の再発をし、化学療法が行われたが寛解しなかった。医師から両親にA君が終末期にあること、余命2か月程度であることが伝えられた。両親は「2度目の再発と聞いて覚悟をしていた。延命するための治療はしなくてよいと考えています。在宅療養に切り替えてAと家で過ごしたいが、できることと、できないことを教えてほしいです」と話した。
両親への看護師の返答で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「遊園地には行けません」
  2. 「幼稚園に登園できます」
  3. 「食べ物の制限はありません」
  4. 「痛みが出た場合、自宅では痛みを和らげる治療はできません」
  5. 「感染対策のため、お兄ちゃんとの接触をできるだけ制限してください」

 

 


 

▶午後102

数日後、両親から「Aが亡くなることをAの兄にどのように説明したらよいでしょうか。私たちでは、うまく説明できません」と相談があった。
看護師の両親への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「お兄ちゃんが病状を尋ねてくるのを待ちましょう」
  2. 「頑張っているA君のために、お兄ちゃんには治ると説明しましょう」
  3. 「看護師も同席してお兄ちゃんに説明する機会を設けることができます」
  4. 「ドナーになったお兄ちゃんががっかりするので説明しないでおきましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

A君(11歳)は両親と3人で暮らしている。5歳で気管支喘息と診断され、現在は抗アレルギー薬とステロイドの吸入薬が処方されている。本日、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親と救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。受診時のバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)であった。

 

▶午後103

A君の気管支喘息の発作強度はどれか。

 

  1. 小発作
  2. 中発作
  3. 大発作
  4. 呼吸不全

 

 


 

▶午後104

救急外来で、吸入と点滴静脈内注射が行われA君の症状は軽快した。A君は、医師や看護師による問診には素直に答えているが、心配する母親には「病院に来るほどじゃないんだよ。入院はしないからな」と発言し、反抗的な態度をとっている。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. A君に発言の理由を尋ねる。
  2. A君ではなく母親から病状を聴取する。
  3. 母親への態度は問題行動であるとA君に忠告する。
  4. 親子関係に問題があるのではないかと母親に伝える。

 

 


 

▶午後105

A君は1年前から気管支喘息の急性増悪〈発作〉を起こして救急外来の受診を繰り返していることが分かった。看護師がA君に今の症状に対する認識を確認すると「喘息発作が起きていて、家で吸入をしても治まらなかった」と答えた。学校生活や服薬については「学校は好きだけど、体育は嫌だな。吸入が面倒くさい。吸入しなくても発作が起きなければいいんでしょ」と話した。看護師は、急性増悪〈発作〉を繰り返しているA君のセルフケアへの支援をする必要があると考えた。
A君への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 毎日運動するよう勧める。
  2. お薬手帳を持ち歩くよう伝える。
  3. A君と服薬管理について話し合う。
  4. 喘息発作があったことを母親から担任の先生に伝えるよう提案する。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週1日、順調な経過で経腟分娩した。産後は夫が育児休業を取得し、自宅で夫と2人で子育てをする予定である。
産褥1日、バイタルサインは、体温36.7℃、脈拍70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb12.0g/dL。子宮底は臍下2横指のところに硬く触れている。悪露は赤色で中等量、凝血の混入はない。Aさんは授乳時に後陣痛を訴えている。会陰縫合部に腫脹や発赤はなく、痛みは自制内である。尿意の自覚があり、残尿感や排尿困難感はない。

 

▶午後106

Aさんの産褥1日のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 貧血がある。
  2. 感染徴候がある。
  3. 正常な経過である。
  4. 子宮復古不全である。

 

 


 

▶午後107

産褥3日、Aさんの夫から「退院後は私が子どもの沐浴をします。子どもの身体の洗い方は動画で学んだのですが、沐浴のときに注意することはありますか。寒い時期なので心配です」と看護師に質問があった。
Aさんの夫への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「着替え用の衣類が冷たくないか、沐浴前に確認しておきましょう」
  2. 「10分程度お湯に浸けて赤ちゃんを温めましょう」
  3. 「ベビーバスには50℃のお湯を準備しましょう」
  4. 「沐浴する場所の室温は30℃に設定しましょう」

 

 


 

▶午後108

産褥5日、子宮収縮は臍恥中央、褐色悪露が少量、歩行時に会陰部痛がある。授乳は母乳のみで行っている。Aさんは「この子の世話が大変で、次の妊娠はしばらく考えられません。結婚前は経口避妊薬を服用していましたが、産後の避妊はどうしたらよいか教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「基礎体温法が適しています」
  2. 「経口避妊薬は産後1か月から服用できます」
  3. 「性交再開時からコンドームを使用しましょう」
  4. 「母乳を与えている間は妊娠の心配はありません」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきっかけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。

 

▶午後109

このときの訪問看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 父親に薬の管理を依頼する。
  2. 薬を飲み忘れない方法を話し合う。
  3. 外来受診時に薬局の薬剤師に服薬指導を依頼する。
  4. デイケアの再開を主治医と相談するように提案する。

 

 


 

▶午後110

初回訪問から1か月、訪問看護師はAさんが適切に服薬できていることを確認した。Aさんは「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話した。
このときの訪問看護師のAさんへの声かけで最も適切なのはどれか。

 

  1. 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」
  2. 「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」
  3. 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」
  4. 「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」

 

 


 

▶午後111

初回訪問から6か月、Aさんの状態は安定し、デイケアへ週3回程度は通所できるようになった。一方で、父親は「Aは食事も作れないし、家のことができないので、自分が死んだ後のことを考えると1人で生きていけるのかが心配だ。どうしたらよいか」と訪問看護師に相談した。それを聞いたAさんも「父が死んだ後の生活が心配だ」と話した。
現時点でAさんと父親へ提案する社会資源で適切なのはどれか。

 

  1. 生活保護
  2. 地域移行支援
  3. グループホーム
  4. 障害者権利擁護センター

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(80歳、女性)は発熱があり、呼吸状態が悪いため、外来を受診し肺炎と診断され緊急入院となった。
入院時、病室でAさんは「ここはどこ」と話し混乱した様子であった。湿性の咳嗽があり、口唇の乾燥が著明である。同居の夫からの情報では、1週前から食事は摂れていたが、水分摂取量が減っていた。3日前から寝て過ごしていたが、トイレには自分で行くことができていた。身の回りのことは自立している。入院後に点滴静脈内注射1,500mL/日の指示があり、抗菌薬が開始された。

身体所見:身長152cm、体重45kg、体温38.0℃、呼吸数32/分、脈拍120/分、整、血圧107/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(room air)。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2。
検査所見:赤血球447万/μL、Hb12.5g/dL、白血球16,600/μL、総蛋白6.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、血糖98mg/dL、Na151mEq/L、K4.0mEq/L、Cl97mEq/L、Ca8.7mg/dL、CRP23.0mg/dL。

 

▶午後112

Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 脱水
  2. 貧血
  3. 低栄養
  4. 視空間失認
  5. 電解質異常

 

 


 

▶午後113

入院当日、Aさんは日中は会話ができていたが、夕方からそわそわしながら落ち着かない様子であった。また、話のつじつまが合わず、朝と夕方を間違え急に大きな声を出し、夜中に起きだして自分の荷物を触っていることがあった。翌日、日中は眠気を訴えながらも眠ることなく静かに過ごし、夜間は焦燥があり眠れていない。
Aさんの状態はどれか。

 

  1. せん妄
  2. 睡眠時遊行症
  3. レム睡眠行動障害
  4. 睡眠時無呼吸症候群

 

 


 

▶午後114

入院2日、病棟の看護師でAさんへの援助の方針について話し合った。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 日中の離床を促すために歩行に付き添う。
  2. 夜間はベッドからの転落防止のために身体的拘束を行う。
  3. 睡眠時間の確保のために夕方に3時間の睡眠をとるように勧める。
  4. 症状緩和のためにベンゾジアゼピン系睡眠薬の処方を医師に依頼する。

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性、自営業)は妻(48歳)、長男(23歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。

 

▶午後115

Aさんから保健師に伝える内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 長男の仕事内容
  2. Aさんの経済状況
  3. 母親の病状の経過
  4. 妹の遺伝子診断の予定

 

 


 

▶午後116

1か月後の定期受診のときに、Aさんは「長男に私の病名と遺伝性の疾患であることを伝えました。長男には何も症状はありませんが、発症前診断を受けて欲しいと思っています」と外来の看護師に話した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 長男が脊髄小脳変性症についてどの程度知っているか確認することを勧める。
  2. 長男には症状がないので発症前診断では発症の予測はできないと説明する。
  3. 両親の同意があれば長男が発症前診断を受けることができると説明する。
  4. 長男が頭部CT検査を受けることを勧める。

 

 


 

▶午後117

Aさんは仕事を辞め、妻が自営業を続け1年が経過した。Aさんは歩行器で室内を移動し、日中は1人で過ごしていた。転倒したことをきっかけに、訪問看護を週1回利用することになった。初回の訪問時に、Aさんは「妻が仕事を続けてくれて感謝しています。妻に迷惑はかけられない。妻が食卓に準備してくれた昼食を食べようと起き上がって歩行器に移ろうとしたら、立ちくらみを起こして転んでしまった」と訪問看護師に話した。
訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. ベッド上で食事を摂るよう説明する。
  2. 移乗の介助を妻に依頼するよう勧める。
  3. 立位でのリハビリテーションを指導する。
  4. 室内の移動を車椅子に変更することを提案する。

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

午前10時、A県内で大規模災害が発生した。A県内の救命救急センターに、家屋等の倒壊現場から救助された傷病者の受け入れ要請があり病院に搬送された。直ちにトリアージが行われた。搬送されてきたBさん(45歳、男性)には頻呼吸が認められ、胸部と背部の痛みを訴え、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆している。

 

▶午後118

Bさんに考えられる状態はどれか。

 

  1. 過換気症候群
  2. 虚血性心疾患
  3. 腰椎圧迫骨折
  4. フレイルチェスト〈胸壁動揺〉

 

 


 

▶午後119

発災6時間、Cさん(60歳、男性)は、職場のがれきの下から救助され、搬送されてきた。Cさんの意識は清明、バイタルサインは、体温35.8℃、脈拍110/分、不整、血圧90/68mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(room air)である。がれきに挟まれていた両下肢は、皮膚の創傷、腫脹および皮下出血が認められた。両下肢の感覚は鈍く、麻痺がみられる。足背動脈は触知できる。尿の色は赤褐色である。血液検査の結果、尿素窒素20mg/dL、クレアチニンキナーゼ〈CK〉3万IU/L、血糖値110mg/dL、Na140mEq/L、K8.2mEq/Lであった。圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉が疑われ、救出後から輸液療法が開始されている。
このときの看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 除細動器の準備
  2. 既往歴の聴取
  3. 全身の保温
  4. 創傷の洗浄

 

 


 

▶午後120

Cさんは直ちに入院となり、緊急で血液透析が開始されることになった。集中治療室のベッドサイドで血液透析が開始され、Cさんのバイタルサインは安定した。下肢の腫脹、感覚障害は持続している。Cさんは「家族は無事なのか」「また地震がきて病院が停電になったら、透析の器械は止まらないのか」と不安な表情で担当看護師に訴えた。Cさんの家族は避難所にいると連絡があったことを伝えると、Cさんは少し落ち着いた表情となった。担当看護師は、次々と搬送される傷病者の受け入れ準備をするよう、リーダー看護師に声をかけられた。
この時点でのCさんへの対応で担当看護師が優先して連携するのはどれか。

 

  1. 管理栄養士
  2. 社会福祉士
  3. 理学療法士
  4. 臨床工学技士

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

介護保険制度は、少子高齢化の進む中で、社会全体で高齢者介護を支えるため、平成12年度(2000年度)の介護保険法の施行に伴い開始し、20年以上が経過しました。

 

制度開始当初の平成12年度(2000年度)と令和元年度(2019年度)を比べると、サービス受給者数は184万人から567万人、給付費は3.2兆円から10.0兆円と3倍近く伸びており(介護保険事業状況報告)、広く国民に身近な制度となっています。

 

介護保険制度は医療との連携の観点からも重要で、看護師国家試験において頻出テーマの一つとなっており、制度の概要や法改正に伴うサービスの追加・変更、介護者の現状など、幅広い最新の知識をしっかりと押さえておく必要があります。

 

このページでは、第112回から第102回までの過去11年の看護師国家試験問題の中から介護保険制度に関する問題をピックアップし、解説とともに示します。これまでの介護制度問題の出題傾向を把握し、最新の制度や詳細な統計を「国民衛生の動向」第5編で確認することで、介護制度に関する理解を一層深めていただければ幸いです。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

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定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

介護保険制度問題目次 

介護保険制度の対象・手続き

介護サービスの種類

  • 居宅サービス
  • 施設サービス
  • 地域密着型サービス

地域包括ケアシステム

  • 地域支援事業
  • 地域包括支援センター

介護者

  • 介護人材
  • 介護者の支援

訪問看護

 

 

介護保険制度の対象・手続き

保険者

介護保険制度の保険者(実施主体)は、国民に最も身近な行政単位である市町村(特別区含む)である。

 

▶108回午前4

介護保険制度における保険者はどれか。

 

  1. 市町村及び特別区
  2. 都道府県
  3. 保健所

 

 

被保険者

介護保険の被保険者(給付を受けられる者)は、65歳以上の第1号被保険者と、40~64歳の医療保険加入者である第2号被保険者である。

 

▶106回午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 

▶109回午前3

介護保険の第2号被保険者は、( )歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 30
  2. 40
  3. 50
  4. 60

 

 

特定疾病

第2号被保険者は、脳血管疾患などの老化に起因する特定疾病に罹患して要介護等の認定をされた場合に、介護保険からの給付が受けられる。

 

▶102回午後55

介護保険法施行令において特定疾病に指定されているのはどれか。

 

  1. 脊髄損傷
  2. Crohn〈クローン〉病
  3. 脳血管疾患
  4. 大腿骨頸部骨折

 

 

介護保険料・利用者負担

市町村ごとに介護サービス量や所得などに応じた定額保険料が設定され、サービス利用者は原則1割を費用負担して介護サービスを受ける。

 

▶102回午後3

介護保険制度における施設サービス費の原則的な利用者負担の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 5割

 

 


 

▶108回午後29

介護保険の第1号被保険者で正しいのはどれか。

 

  1. 介護保険料は全国同額である。
  2. 介護保険被保険者証が交付される。
  3. 40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
  4. 介護保険給付の利用者負担は一律3割である。

 

 

要介護認定

  • 市町村は、被保険者からの要介護認定の申請を受けて調査を行う。
  • 市町村に設置された介護認定審査会は、被保険者の程度に応じて要介護状態の区分(要支援1・2、要介護1~5の7区分)の審査・判定を行う。

 

▶110回午前4・103回午後3類問

要介護認定の申請先はどれか。

 

  1. 市町村
  2. 診療所
  3. 都道府県
  4. 介護保険審査会

 

 


 

▶104回午後4

要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。

 

  1. 介護認定審査会
  2. 介護保険審査会
  3. 社会福祉協議会
  4. 社会保障審議会

 

 


 

▶112回午前5

介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。

 

  1. 4
  2. 5
  3. 6
  4. 7

 

 

介護給付・予防給付

  • 要介護状態の者には介護給付が支給され、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスを内容とする。
  • 要支援状態の者には予防給付が支給され、介護予防サービスや地域密着型介護予防サービスを内容とする。

 

▶105回午前4

介護保険の給付はどれか。

 

  1. 年金給付
  2. 予防給付
  3. 求職者給付
  4. 教育訓練給付

 

 


 

▶111回午後4

介護保険における被保険者の要支援状態に関する保険給付はどれか。

 

  1. 医療給付
  2. 介護給付
  3. 年金給付
  4. 予防給付

 

 


 

▶103回午前35

介護保険の第1号被保険者について正しいのはどれか。

 

  1. 予防給付対象者は要介護1である。
  2. 保険料は所得段階別の定額である。
  3. 医療保険者が保険料を徴収する。
  4. 対象は60歳以上である。

 

 

 

居宅サービス

訪問入浴介護

  • 訪問入浴介護は、自宅の浴槽での入浴が困難な要介護者に対して、浴槽を居宅に持ち込み、入浴の介護を行う居宅サービスである。
  • ほぼ寝たきりの状態にある要介護5の利用者の割合が46.9%(令和3年)と半分近くを占めている。

 

▶109回午前72改題

令和3年(2021年)の介護サービス施設・事業所調査における要介護度別利用者数の構成割合で、要介護5の利用者が最も多いのはどれか。

 

  1. 訪問介護
  2. 訪問看護ステーション
  3. 居宅介護支援
  4. 訪問入浴介護

 

 

福祉用具貸与

  • 福祉用具貸与は介護保険制度における居宅サービスであり、利用者負担の上で福祉用具の貸与を受ける。
  • 要支援及び要介護1の者は、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引するもの)のみ貸与を受けられる。

 

▶108回午前58

Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。
Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。

 

  1. 車椅子
  2. 歩行器
  3. 電動ベッド
  4. 入浴用椅子

 

 

特定福祉用具販売

福祉用具のうち貸与になじまない性質を持つ入浴または排泄の用に供するもの等は販売を行い、購入費を保険給付の対象としている。

 

▶112回午後81

介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

 

  1. 簡易浴槽
  2. 特殊寝台
  3. 体位変換器
  4. 移動用リフト
  5. 取り付け工事を伴わないスロープ

 

 

 

施設サービス

施設サービスの類型

介護保険制度の施設サービスとして、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が規定されている。

 

▶106回午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 


 

▶111回午前53

介護保険制度における施設サービスはどれか。

 

  1. 介護医療院サービス
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. サービス付き高齢者向け住宅
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉

 

 

介護老人福祉施設

介護老人福祉施設では、原則要介護3以上の要介護者に対し、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行う。

 

▶106回午前59

介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 介護老人福祉施設
  3. 介護療養型医療施設
  4. 介護療養型老人保健施設

 

 

介護老人保健施設

介護老人保健施設では、症状が安定期にある要介護者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。

 

▶108回午後10・104回午前8類問

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 短期入所生活介護
  3. 保健センター
  4. 有料老人ホーム

 

 

 

地域密着型サービス

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、介護保険制度における地域密着型サービスで、居宅または通所、短期間宿泊(ショートステイ)で受ける日常生活上の世話および機能訓練をいう。

 

▶110回午後68

介護保険制度における地域密着型サービスはどれか。

 

  1. 重度訪問介護
  2. 地域活動支援事業
  3. 小規模多機能型居宅介護
  4. 特定施設入居者生活介護

 

 


 

▶103回午後58

小規模多機能型居宅介護で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県が事業者を指定する。
  2. 介護給付の施設サービスの1つである。
  3. 1日あたりの利用定員は19人以下である。
  4. 要介護者の状態に応じて短期間の宿泊が可能である。

 

 

認知症対応型共同生活介護

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は介護保険制度の地域密着型サービスであり、比較的安定した状態にある認知症の要介護者等が、共同生活(1ユニット5~9人)を営む住居で日常生活上の世話や機能訓練を受けるものである。居住者は訪問看護を受けることもできる。

 

▶108回午後51

介護保険制度における地域密着型サービスはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 介護老人福祉施設
  3. 通所リハビリテーション
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉

 

 


 

▶105回午前74

認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で正しいのはどれか。

 

  1. 光熱費は自己負担である。
  2. 12人を1つのユニットとしている。
  3. 看護師の配置が義務付けられている。
  4. 介護保険制度の施設サービスである。
  5. 臨死期は提携している病院に入院する。

 

 


 

▶102回午前67

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)について正しいのはどれか。

 

  1. 20人の生活単位を基本とする。
  2. 看護職員の配置が義務づけられている。
  3. 介護保険制度における地域密着型サービスである。
  4. 連続して利用できる期間は原則3か月以内である。

 

 


 

▶102回午前89改題

入所者または居住者が公的保険による訪問看護サービスを受けることができるのはどれか。
2つ選べ。

 

  1. 乳児院
  2. 介護老人保健施設
  3. サービス付き高齢者向け住宅
  4. 介護医療院
  5. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 


 

▶102回午後63

介護保険サービスについて正しいのはどれか。

 

  1. 福祉用具の貸与は無償で受けられる。
  2. 要支援の高齢者は介護老人保健施設に入所できる。
  3. 小規模多機能型居宅介護では泊まり(ショートステイ)は提供しない。
  4. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)ではユニットケアを実施している。

 

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は介護保険制度における地域密着型サービスで、日中・夜間を通じて24時間、定期的な巡回訪問または通報を受け、日常生活上の世話や療養上の世話を行う。

 

▶105回午後89

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護予防サービスである。
  2. 24時間を通じて行われる。
  3. 地域密着型サービスである。
  4. 重症心身障害児を対象とする。
  5. 施設サービス計画の作成を行う。

 

 

サービスの指定・監督

介護保険法のサービス類型のうち、居宅サービスと施設サービスは都道府県が、地域密着型サービスは市町村が指定・監督を行う。

 

▶112回午前70

介護保険制度における都道府県が指定・監督を行う居宅サービスはどれか。

 

  1. 福祉用具貸与
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  4. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 

 

地域支援事業

概要

要支援・要介護状態になる前からの介護予防を推進するため市町村は地域支援事業を実施しており、その事業の一つとして65歳以上のすべての高齢者を対象とする一般介護予防事業(介護予防教室など)を行っている。

 

▶112回午前55

65歳以上の高齢者が要介護認定の有無に関わらず利用できるのはどれか。

 

  1. 介護予防教室
  2. 介護老人保健施設
  3. 夜間対応型訪問介護
  4. 通所介護〈デイサービス〉

 

 

 

地域包括ケアシステム

地域包括支援センター

介護保険法に定められる地域包括支援センターは、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村が設置する。

 

▶111回午後86

地域包括支援センターの目的を定める法律はどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康増進法
  3. 社会福祉法
  4. 地域保健法
  5. 老人福祉法

 

 


 

▶108回午前11・107回午前4類問

平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 市町村保健センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 

▶103回午後7

地域包括支援センターを設置できるのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

地域包括支援センターの業務

地域包括支援センターが行う地域支援事業として以下の業務を実施する。

 

  • 介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)
  • 総合相談支援業務
  • 権利擁護業務(虐待の防止、早期発見)
  • 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

 

▶108回午後68

家族からネグレクトを受けている高齢者について、地域包括支援センターに通報があった。
この通報を受けた地域包括支援センターが行う業務はどれか。

 

  1. 権利擁護
  2. 総合相談支援
  3. 介護予防ケアマネジメント
  4. 包括的・継続的ケアマネジメント支援

 

 

地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステムは、医療・介護・予防・福祉などの様々な生活援助サービスを、日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域の体制で、市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて構築することとされる。市町村に設置される地域包括支援センターは、その実現に向けた中核的な機関である。

 

▶106回午後58

地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県を単位として構築することが想定されている。
  2. 75歳以上の人口が急増する地域に重点が置かれている。
  3. 本人・家族の在宅生活の選択と心構えが前提条件とされている。
  4. 地域特性にかかわらず同じサービスが受けられることを目指している。

 

 

地域包括ケアシステムにおける支援のあり方

地域包括ケアシステムにおける支援は、以下のとおり分類される。

 

  • 生活保護など税による公の負担により支える公助
  • 介護保険など負担と受給による支え合い(社会保険方式)である共助
  • 費用負担が制度的に裏付けされていないボランティアなどの助け合いである互助(インフォーマルサポート)
  • 自発的な体重測定など自ら行う自助

 

▶108回午前74

地域包括ケアシステムにおける支援のあり方で、「互助」を示すのはどれか。

 

  1. 高齢者が生活保護を受けること
  2. 住民が定期的に体重測定すること
  3. 要介護者が介護保険サービスを利用すること
  4. 住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すこと

 

 


 

▶107回午後31

インフォーマルサポートはどれか。

 

  1. 介護支援専門員による居宅サービス計画の作成
  2. 医師による居宅療養管理指導
  3. 近隣住民による家事援助
  4. 民生委員による相談支援

 

 

 

介護人材

介護支援専門員(ケアマネジメント)

  • 介護支援専門員等によるケアマネジメントでは、利用者の身体状態や家族の介護能力などを踏まえた解決すべき課題を把握(アセスメント)し、解決のための介護サービス計画を作成する。
  • 介護サービス計画に基づき実施されたサービスについては、要介護者等の心身や生活の状況の変化を継続的に把握・評価(モニタリング)し、それに応じて介護サービス計画の修正を行う。
  • 介護サービス計画は利用者自ら作成し、居宅サービスを受けることも可能である。

 

▶105回午後9・103回午後38類問

介護支援専門員が行うのはどれか。

 

  1. 通所介護の提供
  2. 福祉用具の貸与
  3. 短期入所生活介護の提供
  4. 居宅サービス計画の立案

 

 


 

▶110回午前67

介護保険制度におけるケアマネジメントで適切なのはどれか。

 

  1. 家族の介護能力はアセスメントに含めない。
  2. 介護支援専門員が要介護状態区分を判定する。
  3. 利用者が介護サービス計画を作成することはできない。
  4. モニタリングの結果に基づき介護サービス計画の修正を行う。

 

 


 

▶104回午前82

介護保険制度におけるケアマネジメントで適切なのはどれか。

 

  1. スクリーニングで介護保険の対象の可否を判断する。
  2. アセスメントで利用者の疾患を診断する。
  3. 利用者は居宅介護サービス計画書を作成できない。
  4. ケアサービスの提供と同時にモニタリングを行う。
  5. ケアマネジメントの終了は介護支援専門員が決定する。

 

 

介護福祉士

介護福祉士は、専門的知識と技術をもって、身体上または精神上の障害により日常生活を営むのに支障がある者に、心身の状況に応じた介護(医師の指示の下に行われる喀痰吸引等含む)を行うほか、その者とその介護者に対して介護に関する指導を行う。

 

▶107回午後81・112回午後34類問

社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に行うことができる医療行為はどれか。

 

  1. 摘便
  2. 創処置
  3. 血糖測定
  4. 喀痰吸引
  5. インスリン注射

 

 

 

介護者の支援

レスパイトケア

介護者の負担軽減のため、訪問介護などを利用したレスパイトケア(介護者の一時的な休息支援)の拡充が図られている。

 

▶109回午前8

レスパイトケアの目的はどれか。

 

  1. 介護者の休息
  2. 介護者同士の交流
  3. 介護者への療養指導
  4. 療養者の自己決定支援

 

 


 

▶105回午後62

レスパイトケアの主な目的について適切なのはどれか。

 

  1. 高度な治療を集中的に行う。
  2. 家族へ介護方法の指導を行う。
  3. 居宅サービス料金を補助する。
  4. 介護を行う家族のリフレッシュを図る。

 

 


 

▶111回午前68・106回午後45類問

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」
  2. 「Aさんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」
  3. 「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」
  4. 「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」

 

 

育児・介護休業法における介護関連規定

  • 育児・介護休業法における介護休業では、要介護状態にある対象家族1人につき3回まで、連続したひとまとまりの期間の休業(合計93日まで)を取得できる。
  • 対象家族は配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫が該当する。

 

▶111回午前30

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉における介護休業の取得で正しいのはどれか。

 

  1. 介護休業は分割して取得することはできない。
  2. 介護の対象者1人につき半年を限度に取得できる。
  3. 要介護状態にある配偶者を介護するために取得できる。
  4. 介護老人福祉施設に入所している家族の面会のために取得できる。

 

 

 

訪問看護

訪問看護を行う職種

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種として、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が認められている。

 

▶104回午後9

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 薬剤師
  3. 理学療法士
  4. 介護福祉士

 

 

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、訪問看護サービスを提供する事業所として都道府県知事から指定を受けて開設されるもので、以下の人員基準等が定められている。

 

  • 看護職員(保健師、看護師、准看護師)を常勤換算で2.5人以上(うち1名は常勤)と、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を適当数置くこと。
  • 管理者は専従かつ常勤の保健師または看護師とすること。
  • 事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室を設置すること。

 

▶111回午後10

指定訪問看護ステーションには常勤換算で( )人以上の看護職員を配置することが定められている。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 1.0
  2. 1.5
  3. 2.0
  4. 2.5

 

 


 

▶107回午後9

訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 看護師
  3. 介護福祉士
  4. 理学療法士

 

 


 

▶109回午後71

訪問看護事業所で正しいのはどれか。

 

  1. 24時間対応が義務付けられている。
  2. 自宅以外への訪問看護は認められない。
  3. 特定非営利活動法人〈NPO〉は事業所を開設できる。
  4. 従事する看護師は臨床経験3年以上と定められている。

 

 


 

▶105回午前63

訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。

 

  1. 事務所を設置する必要はない。
  2. 訪問看護の利用回数の調整は市町村が行う。
  3. 利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。
  4. 利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。

 

 


 

▶103回午前73

訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。

 

  1. 平成12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。
  2. サービスを開始するときに書面による契約は不要である。
  3. 訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。
  4. 介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。

 

 


 

▶112回午後67

指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。

 

  1. 看護職員以外は配置できない。
  2. 緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。
  3. 訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
  4. 従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。

 

 

訪問看護の対象者

要介護者等には介護保険から、それ以外の者には医療保険から訪問看護の給付が行われる。ただし、要介護者等であっても、以下に該当する者は医療保険の給付による。

 

  • 末期の悪性新生物や人工呼吸器を使用している状態など厚生労働大臣が定める疾病等の利用者
  • 主治医による特別訪問看護指示書(14日間有効、一部2回交付可)の交付を受けた者
  • 認知症以外の精神障害を有する者

 

また、これらに該当する者は、週3日を超えてのサービス提供が可能となっている。

 

▶102回午前59

要介護認定者が訪問看護を受ける際、医療保険から給付される疾病または状態はどれか。

 

  1. 関節リウマチ
  2. 在宅酸素療法を受けている状態
  3. 人工呼吸器を使用している状態
  4. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉

 

 


 

▶105回午前62

介護保険被保険者で介護保険による訪問看護が提供されるのはどれか。

 

  1. 脳血管疾患
  2. 末期の結腸癌
  3. 脊髄小脳変性症
  4. 進行性筋ジストロフィー

 

 


 

▶109回午前69

Aさん(68歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため在宅療養中で、気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護5の認定を受けている。
Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。

 

  1. 医療保険から給付される。
  2. 特別訪問看護指示書を受けて実施される。
  3. 複数の訪問看護事業所の利用はできない。
  4. 理学療法士による訪問は給付が認められない。

 

 


 

▶103回午後72改題

健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。

 

  1. サービス対象は65歳以上である。
  2. 介護支援専門員がケアプランを作成する。
  3. 末期の悪性腫瘍の療養者への訪問回数に制限はない。
  4. 特定医療費(指定難病)受給者証を持っている者は自己負担額1割である。

 

 


 

▶107回午後62

健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。

 

  1. サービス対象は75歳以上である。
  2. 訪問看護師が訪問看護計画を立案する。
  3. 要介護状態区分に応じて区分支給限度基準額が定められている。
  4. 利用者の居宅までの訪問看護師の交通費は、診療報酬に含まれる。

 

 


 

▶105回午後63

訪問看護サービスの提供の仕組みで正しいのはどれか。

 

  1. 主治医の意見書が必要である。
  2. 計画外の緊急訪問の費用は徴収できない。
  3. サービスの導入の決定は訪問看護師が行う。
  4. 主治医の特別指示書による訪問看護は医療保険サービスとして提供する。

 

 


 

▶107回午前62

特別訪問看護指示書による訪問看護について正しいのはどれか。

 

  1. 提供できる頻度は週に3回までである。
  2. 提供できる期間は最大6か月である。
  3. 対象に指定難病は含まない。
  4. 医療保険が適用される。

 

 


 

▶108回午後65

訪問看護制度で正しいのはどれか。

 

  1. 管理栄養士による訪問は保険請求できる。
  2. 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
  3. 医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
  4. 訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。

 

 

訪問看護の利用者の状況

  • 介護保険法の利用者が53.7万人、健康保険法等の利用者が31.2万人となっている。(令和2年)
  • 年齢階級別にみると、80~89歳が29.1万人と最も多い。(令和元年)
  • 要介護度別にみると、要介護2が14.1万人と最も多く、それを境に要介護(要支援)度が上がる・下がるにつれて減少する。(令和2年)
  • 傷病分類別にみると、循環器系の疾患が21.0万人(うち、脳血管疾患10.9万人)と最も多い。(令和元年)

 

▶102回午前57

訪問看護の利用者の特徴として正しいのはどれか。

 

  1. 年齢は65〜69歳が最も多い。
  2. 要介護度は要支援2が最も多い。
  3. 脳血管疾患を含む循環器系疾患が最も多い。
  4. 介護保険よりも医療保険によるサービス受給者が多い。

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

看護師国家試験の必修問題の詳細については、看護師国家試験必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】をご確認下さい。

 

当ページでは、保健師助産師看護師国家試験出題基準の必修問題の大項目として示される「看護における基本技術」「日常生活援助技術」「患者の安全・安楽を守る看護技術」「診療に伴う看護技術」を中心に、第112回から第102回看護師国家試験までの必修問題の中からピックアップし、解説とともに掲載します。

 

必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】必修問題まとめ(2)【看護の倫理・対象】必修問題まとめ(3)【人体の構造と機能・健康障害・薬物】と合わせて、11年分のほぼすべての必修問題を網羅していますので、学習や確認にご活用下さい。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

必修問題目次

 

 

看護における基本技術

患者とのコミュニケーション

患者とのコミュニケーションにおいては、患者からの言語的・非言語的な情報を、否定的感情を含めて積極的に受け取ること(傾聴・観察)が重要である。

 

▶109回午後19

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 否定的感情の表出を受けとめる。
  2. 沈黙が生じた直後に会話を終える。
  3. 看護師が伝えたいことに重点をおく。
  4. 患者の表情よりも言語による表現を重視する。

 

 


 
▶104回午後18

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 専門用語を用いて説明する。
  2. 視線を合わせずに会話をする。
  3. 沈黙が生じたら会話を終える。
  4. 患者の非言語的な表現を活用する。

 

 

Open-ended question〈開かれた質問〉

Open-ended question〈開かれた質問〉は、質問者があらかじめ知っている情報を確認する質問や、暗に方向付けることを避け、相手自身の言葉で語ってもらう質問の進め方をいう。

 

▶111回午前16・107回午前18類問

Open-ended question〈開かれた質問〉はどれか。

 

  1. 「頭は痛みませんか」
  2. 「昨夜は眠れましたか」
  3. 「気分は悪くありませんか」
  4. 「自宅ではどのように過ごしていましたか」

 

 

看護過程

  • 看護過程は、①アセスメント(情報収集等)、②看護診断、③計画立案、④実施、⑤評価の5段階からなり、効率的に看護目標を達成するためのプロセスである。
  • 根拠に基づいた問題解決思考は、看護過程の展開を行う上で重要となる能力である。

 

▶108回午後17

看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。

 

  1. 問題解決思考である。
  2. 医師の指示の下で計画を立てる。
  3. 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
  4. アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。

 

 

フィジカルアセスメント

フィジカルアセスメントには、問診、視診、触診、打診、聴診などがあり、触診では皮下に存在するリンパ節の腫脹の有無を体表から確認することができる。

 

▶110回午後19

フィジカルアセスメントにおいて触診で有無を判断するのはどれか。

 

  1. 腱反射
  2. 瞳孔反射
  3. 腸蠕動運動
  4. リンパ節の腫脹

 

 

心音の聴取

  • 心音は胸壁の上から聴取する心臓の収縮・拡張音であり、低く長いⅠ音と高く短いⅡ音が聴取される。
  • 第5肋間左鎖骨中線上心尖部では、僧帽弁が発するⅠ音を聴取しやすい。

 

▶108回午前17

心音の聴取でⅠ音がⅡ音より大きく聴取されるのはどれか。
ただし、●は聴取部位を示す。

 

108am17

 

 

異常呼吸音

異常呼吸音(副雑音)は、断続性副雑音(細かい捻髪音と粗い水泡音)、連続性副雑音(低調性のいびき音と高調性の笛音)、胸膜摩擦音に分類される。

 

▶107回午前19

異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。

 

  1. 笛のような音〈笛音〉
  2. いびきのような音〈類鼾音〉
  3. 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
  4. ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉

 

 

圧痛点

  • 圧痛点は、指などで圧迫した際に強い痛みを感じる部分をいい、疾患によって特定の圧痛点があり、診断に用いられる。
  • 右下腹部にあるマックバーネー点急性虫垂炎の圧痛点である。

 

▶112回午後25

腹部前面を図に示す。
112pm25
McBurney〈マックバーニー〉圧痛点はどれか。

 

 

 


 
▶102回午後22

McBurney〈マックバーネー〉点の圧痛を特徴とする疾患はどれか。

 

  1. 胃潰瘍
  2. 急性膵炎
  3. 尿管結石症
  4. 急性虫垂炎
  5. 子宮内膜症

 

 

脈拍の測定方法

橈骨動脈が通り、拍動が測りやすい部分(母指側)に、示指、中指、薬指の指先を添えて脈拍の回数を数える。

 

▶109回午前15

成人の橈骨動脈における脈拍の測定方法で正しいのはどれか。

 

109am15

 

 

脈拍数の基準値

脈拍数の基準値(目安)は、新生児期で120~140/分、乳児期で110~130/分、幼児期で90~110/分、学童期で80~100/分、成人期で60~100/分とされ、加齢とともに低くなる。

 

▶111回午前8・105回午後6類問

学童期の脈拍数の基準値はどれか。

 

  1. 50〜70/分
  2. 80〜100/分
  3. 110〜130/分
  4. 140〜160/分

 

 


 
▶104回午後19

成人の安静時における所見で異常なのはどれか。

 

  1. 体温36.2℃
  2. 呼吸数12/分
  3. 脈拍116/分
  4. 血圧128/84mmHg

 

 

徐脈性不整脈

成人の標準的な脈拍は1分間に約60~100回であるが、これが60回未満になる徐脈性不整脈では、めまいや失神、眼前暗黒感の症状が現れることがある。

 

▶105回午前14

徐脈性の不整脈で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 失語
  2. 失行
  3. 失神
  4. 失明

 

 

血圧測定

血圧測定の際には腕にマンシェットを巻くが、以下のような点に留意する。

 

  • 血圧の変動を避けるために心臓と同じ高さに巻く。
  • 指が1、2本入る程度の強さで巻く。
  • マンシェットの幅は14cm程度とする。
  • マンシェットの下端は肘関節よりも2~3cm上方になるように巻く。

 

▶112回午後17

上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。

 

  1. 成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。
  2. マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。
  3. マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。
  4. マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。

 

 

赤血球数の基準値

赤血球数の基準値は検査施設等により異なるが、男性450~550万/μL、女性350~500万/μL程度とされる。

 

▶111回午前15

成人女性の赤血球数の基準値はどれか。

 

  1. 150〜250万/μL
  2. 350〜450万/μL
  3. 550〜650万/μL
  4. 750〜850万/μL

 

 

意識レベルの評価スケール

意識レベルを評価するスケールとしては、グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉が用いられる。

 

▶109回午後16

意識レベルを評価するスケールはどれか。

 

  1. Borg〈ボルグ〉スケール
  2. フェイススケール
  3. ブリストルスケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉

 

 

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉

意識レベルを評価するジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉では、覚醒の程度に応じて、意識清明の0、刺激しなくても覚醒している状態であるⅠ桁(1・2・3)、刺激すると覚醒する状態であるⅡ桁(10・20・30)、刺激しても覚醒しない状態であるⅢ桁(100・200・300)に分類している。

 

▶108回午後12

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉のⅢ(3桁)で表現される意識レベルはどれか。

 

  1. 意識清明の状態
  2. 刺激すると覚醒する状態
  3. 刺激しても覚醒しない状態
  4. 刺激しなくても覚醒している状態

 

 


 
▶106回午後18

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-20
  3. Ⅲ-100
  4. Ⅲ-300

 

 


 
▶103回午前11

普通の呼びかけで容易に開眼する場合、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉による評価はどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-10
  3. Ⅱ-30
  4. Ⅲ-100

 

 

徒手筋力テスト

徒手筋力テスト(MMT)は、検査者が手を使って患者の筋力を判定する方法で、筋収縮が全くない0から、強い抵抗を加えても完全に可動域全体を動かせる5までの、6段階で評価される。

 

▶103回午前25

徒手筋力テストの判定基準は[ ]段階である。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 2
  2. 3
  3. 4
  4. 5
  5. 6

 

 

 

日常生活援助技術

食事介助

食事介助時には食物が気管に入る誤嚥に細心の注意を払う必要があり、以下のような点に留意する。

 

  • 顎を上げる頸部後屈では咽頭と気管が直線的になり誤嚥が生じやすいため、頸部前屈の体位で行う。
  • 嚥下しやすいように適度な水分摂取は必要であるが、誤嚥しやすいためとろみをつける。

 

▶110回午後18・106回午前18類問

自力での摂取が困難な成人患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分の少ない食べ物を準備する。
  2. 時間をかけずに次々と食物を口に入れる。
  3. 患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
  4. 患者の下顎が上がるよう高い位置からスプーンを操作する。

 

 


 
▶109回午前16・107回午後17類問

誤嚥しやすい患者の食事の援助で適切なのはどれか。

 

  1. 食材は細かく刻む。
  2. 水分の摂取を促す。
  3. 粘りの強い食品を選ぶ。
  4. 頸部を前屈した体位をとる。

 

 


 
▶102回午後15

嚥下障害のある患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分はとろみをつける。
  2. 頸部を伸展する。
  3. 一口量を多くする。
  4. むせたときには水を飲ませる。

 

 

胃食道逆流

胃食道逆流は胃酸が食道へ逆流することをいい、加齢等による下部食道括約筋の弛緩によって生じる。食後に起こりやすく、食後は上半身を起こした坐位や半坐位(ファウラー位)をとることが望ましい。

 

▶108回午前18・112回午前18類問

成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。

 

  1. 左側臥位
  2. 半側臥位
  3. 仰臥位
  4. 坐位

 

 

排泄の援助

差し込み便器は床上で行う排泄の援助時に用いるもので、女性患者には高まっている幅の広い側を殿部にし、肛門が中央に位置するように差し込む。

 

▶104回午前19

女性患者の床上排泄で洋式便器をあてる位置を図に示す。
適切なのはどれか。

 

104am19

 

 

導尿

  • 導尿は、導尿カテーテルを尿道に挿入し、膀胱内の尿を排出させることである。
  • 男性の導尿では尿道が屈曲しているため、陰茎を腹膜に対し約90度引き上げて開始し、約18~20cmを挿入する。
  • 女性の導尿では約4~7cmを挿入する。

 

▶107回午後18

男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 30〜40度
  2. 80〜90度
  3. 120〜130度
  4. 160〜170度

 

 


 
▶104回午後20

成人男性の間欠的導尿においてカテーテルを挿入する長さで適切なのはどれか。

 

  1. 6〜8cm
  2. 12〜14cm
  3. 18〜20cm
  4. 24〜26cm

 

 


 
▶102回午前16

成人女性に一時的な導尿を行う際に、カテーテルを挿入する長さはどれか。

 

  1. 1〜3cm
  2. 5〜7cm
  3. 9〜11cm
  4. 18〜20cm

 

 

グリセリン浣腸

  • グリセリン浣腸は腸管の蠕動を促し、排泄を促進させる目的で使用する。
  • 直腸穿孔のおそれがあるため立位による浣腸は危険であり、左側臥位による5~6cm程度のチューブ挿入を実施する。
  • 浣腸液の温度は直腸温(深部体温)よりもやや高い約40℃とする。

 

▶107回午前16

排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。

 

  1. バリウム
  2. ヒマシ油
  3. グリセリン
  4. エタノール

 

 


 
▶106回午後19・102回午後16類問

グリセリン浣腸を実施する際、腸管孔の危険性が最も高い体位はどれか。

 

  1. 立位
  2. 仰臥位
  3. 腹臥位
  4. 左側臥位

 

 


 
▶108回午後18

成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。

 

  1. 2cm
  2. 5cm
  3. 12cm
  4. 15cm

 

 


 
▶103回午前16・112回午後18類問

注入時の浣腸液の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 32~33℃
  2. 36~37℃
  3. 40~41℃
  4. 44~45℃

 

 

ファウラー位(半坐位)

ファウラー位(半坐位)は上半身を45度程度上げる体位で、肺の圧迫を軽減するため呼吸が楽になるほか、経鼻経管栄養法による栄養剤の逆流や、食事中・食後の胃食道逆流を防ぐ際にも適している。

 

▶102回午前24

体位の写真を別に示す。
102am24
Fowler〈ファウラー〉位はどれか。

 

 

 

シムス位

Sims〈シムス〉位は、特に妊娠中の安楽体位として用いられる。

 

▶106回午後20

体位を図に示す。
Sims〈シムス〉位はどれか。

 

106pm20

 

 

患者の水平移動時の移送

  • ストレッチャー等で水平の移動をする際には、患者の足側の方向に進む。
  • 先行する看護者は進行方向の安全や進路を確認するため前を向き、後行する看護者は患者の状態を観察しながら移送する。

 

▶103回午前17

水平移動時の移送方法の写真を別に示す。
103am17
適切なのはどれか。

 

 

 

片麻痺

片麻痺とは、脳梗塞などにより左右どちらかの半身に麻痺の症状がみられるものをいう。

 

▶110回午後14

四肢のうち麻痺している部位を斜線で図に示す。
片麻痺はどれか。

 

110pm14

 

 

脱健着患

片麻痺等のある者や片腕の持続点滴患者の衣類の着脱(介助)時には脱健着患が原則で、脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。

 

▶111回午後20・103回午後18類問

左片麻痺患者の上衣の交換で適切なのはどれか。

 

  1. 左腕から脱がせ、左腕から着せる。
  2. 左腕から脱がせ、右腕から着せる。
  3. 右腕から脱がせ、左腕から着せる。
  4. 右腕から脱がせ、右腕から着せる。

 

 


 
▶108回午後19

右前腕に持続点滴をしている患者の寝衣交換で適切なのはどれか。

 

  1. 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
  2. 左袖から脱ぎ、左袖から着る。
  3. 右袖から脱ぎ、左袖から着る。
  4. 右袖から脱ぎ、右袖から着る。

 

 

片麻痺のある患者の車椅子への移乗介助

左片麻痺のある患者の車椅子への移乗時は、麻痺のない右側に車椅子を約15~30度の角度で近づけ、車椅子の外側の肘掛け部分に右手を置いて立ち上がり、右足を軸に体を回転して腰を下ろす(右片麻痺患者では左右反対)。

 

▶107回午前20

患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。
左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

 

107am20

 

 

ボディメカニクス

体重等を支える床面積を支持基底面といい、両足を広げて支持基底面を広げるほど、膝を曲げて支持基底面に重心を近づけるほど動作は安定する。

 

▶108回午前19

動作を安定させるために行うのはどれか。

 

  1. 重心位置を低くする。
  2. 足を閉じた姿勢にする。
  3. 底が滑らかな素材の靴を履く。
  4. 重心線を支持基底面の中心より遠くする。

 

 


 
▶104回午前20

シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。

 

  1. 両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
  2. 両足を前後に開き、両膝を曲げる。
  3. 両足をそろえ、両膝を伸ばす。
  4. 両足をそろえ、両膝を曲げる。

 

 

入浴の効果

入浴による温熱作用により、手足の末梢血管が拡張することで、血行が促進(循環血液量の増加)される。また、筋肉の緊張が緩むことで、リラックス効果、疼痛の緩和、睡眠促進される。

 

▶109回午後20

入浴の温熱作用はどれか。

 

  1. 筋緊張が増す。
  2. 末梢血管が拡張する。
  3. 慢性疼痛が増強する。
  4. 循環血液量が減少する。

 

 

入浴の援助

  • 入浴の援助として、入浴前には温度の急激な変化による血圧の大幅な変動を避けるために浴室と脱衣所の温度差を小さくし、脱水を避けるために十分な水分を摂取する。
  • 入浴時には徐々に湯温に慣れるため、始めにシャワーで全身を洗ってから、38~40℃程度の湯に5分程度浸かる。

 

▶112回午後20

入浴の援助で正しいのはどれか。

 

  1. 入浴前後は水分制限をする。
  2. 入浴時の湯温は45℃とする。
  3. 脱衣室と浴室の温度差を小さくする。
  4. 浴室に入り、始めに浴槽に浸かるように促す。

 

 

全身清拭

  • 全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度は40℃程度が適している。
  • 一方、洗面器に準備する湯の温度は、準備時間やタオルで湯を絞る際に温度が下がるため50〜55℃とされる。

 

▶112回午前19

全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜22℃
  2. 30〜32℃
  3. 40〜42℃
  4. 50〜52℃

 

 


 
▶105回午後19

全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜25℃
  2. 30〜35℃
  3. 40〜45℃
  4. 50〜55℃

 

 

口腔ケア

  • 口腔ケアは、歯肉出血がある場合でも、含嗽ができない場合でも、経口摂取をしていない場合でも実施する(できる)。
  • 義歯の下の歯茎や粘膜の衛生を保つため、口腔ケア時や就寝時には義歯を外すことが望ましい。

 

▶105回午前19

口腔ケアで適切なのはどれか。

 

  1. 歯肉出血がある場合は実施しない。
  2. 含嗽ができない患者には禁忌である。
  3. 経口摂取の有無に関係なく実施する。
  4. 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。

 

 


 
▶111回午前19

高齢者の義歯の取り扱い方法で正しいのはどれか。

 

  1. 就寝時に外す。
  2. 熱湯で洗浄する。
  3. 保管時は乾燥させる。
  4. 総義歯は奥歯を起点に外す。

 

 

洗髪の介助

洗髪の介助では、40℃前後のお湯で、頭をあまり揺らさず、地肌を傷つけないように指の腹で揉むように洗う。

 

▶110回午後20・105回午後18類問

患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。

 

  1. 30℃の湯をかける。
  2. 脱脂綿で耳栓をする。
  3. 指の腹を使って洗う。
  4. 強い振動を加えて洗う。

 

 

足浴

  • 足浴は全身浴と比べて心臓への負担が少なく、血行や睡眠の促進効果が認められる。
  • 湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。

 

▶106回午前19

足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

 

  1. 食欲増進
  2. 睡眠の促進
  3. 筋緊張の亢進
  4. 皮膚温の低下

 

 


 
▶110回午前20

足浴に使用する湯の温度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 26〜28℃
  2. 32〜34℃
  3. 38〜40℃
  4. 44〜46℃

 

 

陰部洗浄

陰部洗浄に用いる湯は、湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。

 

▶109回午前17

陰部洗浄に使用する湯の温度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 30〜31℃
  2. 34〜35℃
  3. 38〜39℃
  4. 42〜43℃

 

 

爪の切り方

爪の割れや剥がれを防止し、接触する人や物を傷つけることのないように、爪の長さは指の先端と同じにし、角に丸みを出す。

 

▶102回午前17

爪の切り方の模式図を示す。
爪のケアとして適切な切り方はどれか。

 

102am17

 

 

 

患者の安全・安楽を守る看護技術

転倒・転落の防止

重大な転倒・転落事故を避けるために、その危険性が高い患者については以下のような点に留意する。

 

  • ベッドを端座位時に膝関節が90度で足底全体が床につく高さとする。
  • 転倒・転落防止のため、離床を検知・通知する離床センターを使用する。
  • 床との摩擦が低下するスリッパを使用しない。

 

▶108回午後20

転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。

 

  1. 夜間はおむつを使用する。
  2. 履物はスリッパを使用する。
  3. 離床センサーの使用は控える。
  4. 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。

 

 

転倒・転落リスクを高める薬

降圧薬による血圧の低下により、起立性低血圧などめまいやふらつき、意識障害が起こり、転倒・転落を起こすリスクが高まる。

 

▶111回午後21・103回午後19類問

転倒・転落を起こすリスクを高める薬はどれか。

 

  1. 降圧薬
  2. 抗凝固薬
  3. 気管支拡張薬
  4. 副腎皮質ステロイド薬

 

 

転倒による骨折部位

  • 大腿骨頸部は、大腿骨の骨頭を支える部分であり、骨盤と関節を作っている。
  • 加齢や運動低下に伴う骨密度の減少した高齢者の転倒により、骨折が多くみられる(大腿骨頸部骨折)部位である。

 

▶111回午前11

右大腿骨前面を図に示す。
111am11
大腿骨頸部はどれか。

 

 

 


 
▶103回午前23

高齢者の転倒による骨折が最も多い部位はどれか。

 

  1. 頭蓋骨
  2. 肩甲骨
  3. 肋骨
  4. 尾骨
  5. 大腿骨

 

 

与薬時の誤認防止

患者の誤認を防止するため、名前(フルネーム)の聞き取りや、入院時から付ける患者識別バンド(ネームバンド)により、本人の確認・照合を行う。

 

▶106回午後7

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

 

  1. 診察券
  2. お薬手帳
  3. 健康保険証
  4. ネームバンド

 

 

滅菌物の取扱い

手術や検査等の医療行為時には、滅菌された器具の無菌状態を保ちながら操作する必要がある(無菌操作)。

 

  • 外装である滅菌パックは、開封面を上向きに、ハサミを用いずに外側にめくるように手で開く。
  • 器具を個包装した滅菌包みは、清潔な内側には触れず、外側の端を手でつまんで開く。
  • 鑷子(ピンセット)を滅菌包みから取り出す際は先端を下向きに、外部環境に触れないように閉じた状態で取り出す。

 

▶109回午前18

滅菌物の取り扱いで正しいのはどれか。

 

  1. 鉗子の先端は水平より高く保つ。
  2. 鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
  3. 滅菌パックはハサミを用いて開封する。
  4. 滅菌包みは布の内側の端を手でつまんで開く。

 

 

オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)

オートクレーブを用いた滅菌を高圧蒸気滅菌といい、乾熱滅菌等に比べて低温・短時間での滅菌ができる。

 

▶106回午前21・112回午前21類問

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 乾熱滅菌
  2. プラズマ滅菌
  3. 高圧蒸気滅菌
  4. 酸化エチレンガス滅菌

 

 

 

診療に伴う看護技術

経腸栄養法

  • 経腸栄養法は、口からの食事が十分でない者に対して消化管機能を活用するもので、投与のルートやチューブの留置箇所により経鼻経管栄養法や胃瘻などがある。
  • 不適切な経腸栄養剤の浸透圧、投与量・速度、または栄養剤の細菌感染等により、下痢症状が生じることがある。

 

▶107回午前21

経腸栄養剤の副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 脱毛
  3. 下痢
  4. 血尿

 

 

経鼻経管栄養法

  • 経鼻胃管による栄養注入などを実施する際、先端が胃内にない場合、誤嚥等の事故につながるおそれがあるため、注入前に胃内容物を吸引し、胃液等を確認することで、胃内に胃管の先端が留置されていることを確認する必要がある。
  • 注入時に栄養剤の逆流を防ぐため、上半身を45度程度上げる半坐位(ファウラー位)が適している。

 

▶110回午前22

経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれか。

 

  1. 腹部を打診する。
  2. 肺音の聴取を行う。
  3. 胃管に水を注入する。
  4. 胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。

 

 


 
▶109回午前20・105回午後21類問

経鼻経管栄養法を受ける成人患者の体位で適切なのはどれか。

 

  1. 砕石位
  2. 半坐位
  3. 腹臥位
  4. Sims〈シムス〉位

 

 

鼻孔から噴門の長さ

鼻孔から噴門(胃の入り口)は、個人差もあるが45〜55cmとされる。経鼻経管栄養法では、チューブの先端を留置する長さを決める際に目安となる。

 

▶104回午後22

成人の鼻孔から噴門までの長さで適切なのはどれか。

 

  1. 5〜15cm
  2. 25〜35cm
  3. 45〜55cm
  4. 65〜75cm

 

 

点滴静脈内注射

持続点滴静脈内注射は、主に肘や手首から離れた前腕内側の末梢静脈が選択される。

 

▶110回午後23

成人の持続点滴静脈内注射のために選択される部位で最も適切なのはどれか。

 

  1. 足背
  2. 鼠径
  3. 前腕内側
  4. 肘関節付近

 

 

点滴静脈内注射時の血管外漏出

点滴静脈内注射の際に、刺入部位の腫脹や疼痛、発赤などが生じた場合、血管外漏出の初期症状である。周辺組織の炎症や壊死につながり、重症化するおそれもあるため、直ちに注入を中止する必要がある。

 

▶103回午後21

点滴静脈内注射の血管外漏出で注意すべき初期症状はどれか。

 

  1. 疼痛
  2. 水疱
  3. 潰瘍
  4. 皮膚壊死

 

 


 
▶106回午前22

点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。

 

  1. 体位を変える。
  2. 注入を中止する。
  3. 刺入部位を挙上する。
  4. 周囲のマッサージを行う。

 

 

輸液ポンプ

点滴静脈内注射で使用する輸液ポンプは、輸液の流量と予定量を設定し、一定の速度・正確な量で投与するための医療機器である。

 

▶110回午前23

輸液ポンプを使用する目的はどれか。

 

  1. 感染の防止
  2. 薬液の温度管理
  3. 薬物の効果判定
  4. 薬液の注入速度の調整

 

 


 
▶111回午後23・104回午後23類問

点滴静脈内注射で輸液ポンプを使用する際に設定する項目はどれか。

 

  1. 薬剤名
  2. 終了時間
  3. 投与月日
  4. 1時間あたりの流量

 

 

成人用輸液セット1mL当たり滴下数

成人用輸液セット1mL当たりの滴下数は20滴である。

 

▶105回午後22

成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。

 

  1. 20滴
  2. 40滴
  3. 60滴
  4. 80滴

 

 

1分間の輸液セット滴下数の計算

1分あたりの輸液セット滴下数は、(総輸液量×1mLあたりの滴下数)÷時間(分)で計算する。

 

▶102回午後18

点滴静脈内注射1,800ml/日を行う。
一般用輸液セット(20滴≒1ml)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。

 

  1. 19滴
  2. 25滴
  3. 50滴
  4. 75滴

 

 

血中濃度の上昇が最も速い与薬方法

静脈内注射は、直接薬剤を血管内に投与し、全身に循環されるため、薬剤の吸収速度、血中濃度の上昇は最も速い。

 

▶105回午前22・112回午前22類問

薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。

 

  1. 坐薬
  2. 経口薬
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 

等張液

5%ブドウ糖液生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)は、血漿と浸透圧がほぼ等しい等張液である。

 

▶106回午後17

血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。

 

  1. 5%
  2. 10%
  3. 20%
  4. 50%

 

 


 
▶104回午前21

生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。

 

  1. 0.9%
  2. 5%
  3. 9%
  4. 15%

 

 

高張液の希釈

15%塩化カリウム(高張液)の原液投与は、高カリウム血症による不整脈や心停止を起こす危険があり、必ず5%ブドウ糖液や0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水)などの等張液で希釈して用いる。

 

▶107回午前22

静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

 

  1. 5%ブドウ糖
  2. 15%塩化カリウム
  3. 0.9%塩化ナトリウム
  4. 7%炭酸水素ナトリウム

 

 

中心静脈からの投与

高カロリー輸液は、浸透圧が高い高張液のため、末梢静脈からの投与では静脈炎等を引き起こすおそれがあり、中心静脈から投与される(中心静脈栄養法)。

 

▶108回午後21

中心静脈から投与しなければならないのはどれか。

 

  1. 脂肪乳剤
  2. 生理食塩液
  3. 5%ブドウ糖液
  4. 高カロリー輸液

 

 

気胸

気胸は、外傷等により胸膜が損傷し、胸腔内に空気が漏れ出て肺が縮むことをいう。中心静脈カテーテルを用いて高カロリー輸液などを投与する際、中心静脈のそばにある肺を誤って穿刺することでも、気胸が生じるおそれがある。

 

▶103回午後20

鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 気胸
  3. 嗄声
  4. 無気肺

 

 

採血検査の注射部位

成人の採血においては前腕の静脈が多く用いられ、橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈などが選択される。

 

▶108回午前22・103回午前20類問

成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。

 

  1. 外頸静脈
  2. 大腿静脈
  3. 大伏在静脈
  4. 肘正中皮静脈

 

 

静脈血採血の手順

静脈血採血を行う際は、駆血帯を採血部位の5~10cm上部(中枢側)に巻き、21~23Gの太さの注射針で、血管の走行に合わせ10~30度の角度で刺入する。採血後はアルコール消毒綿を軽く当ててまっすぐ抜針し、刺入部位を5分程度圧迫止血する。

 

▶109回午後25

成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。

 

  1. 14G
  2. 18G
  3. 22G
  4. 26G

 

 


 
▶104回午前23・112回午後23類問

静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

 

  1. 10〜30度
  2. 35〜40度
  3. 55〜60度
  4. 75〜80度

 

 


 
▶102回午前25

肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真を別に示す。
102am25
正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。

 

 

 


 
▶111回午前21

成人の静脈血採血で適切なのはどれか。

 

  1. 採血部位から2、3cm中枢側に駆血帯を巻く。
  2. 血管の走行に合わせ60度の角度で刺入する。
  3. 採血後は刺入部位を圧迫しながら抜針する。
  4. 刺入部位は5分以上圧迫し、止血する。

 

 

筋肉内注射の角度

筋肉内注射は、皮下組織の奥にある筋肉内に直接注射するため、確実に届くように45~90度の角度で刺入する。

 

▶111回午後22・105回午前21類問

注射針の刺入角度が45〜90度の注射法はどれか。

 

  1. 皮下注射
  2. 皮内注射
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 

皮下注射の手順

皮下注射では、23~25Gの注射針を使用し、皮下脂肪が5mm以上の部位の皮膚をつまみ上げ10~30度の角度で刺入する。

 

▶109回午前23

皮下注射で適切なのはどれか。

 

  1. 注射部位を伸展する。
  2. 注射針は18〜20Gを使用する。
  3. 針の刺入角度は45〜90度にする。
  4. 皮下脂肪が5mm以上の部位を選択する。

 

 

酸素ボンベ等の取り扱い

酸素は燃焼を助ける性質が強いガスであり、酸素ボンベ等の使用時、保管時は火気厳禁である。

 

▶107回午前23

充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

 

  1. 横に倒して保管する。
  2. 保管場所は火気厳禁とする。
  3. バルブを開放して保管する。
  4. 日当たりの良い場所で保管する。

 

 


 
▶103回午前21

酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。

 

  1. 携帯電話
  2. ライター
  3. 電動歯ブラシ
  4. 磁気ネックレス

 

 


 
▶104回午後24

医療用酸素ボンベと酸素流量計とを図に示す。
104pm24
酸素の流量を調節するのはどれか。

 

 

 

ベンチュリーマスク

ベンチュリーマスクは酸素療法で用いる酸素投与器具で、色別されたダイリューターで24~50%の酸素濃度を調節し、酸素流量を設定することで、患者の1回換気量に左右されず安定した投与ができる。

 

▶105回午前24

ベンチュリーマスクの写真を別に示す。
105am24
酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。

 

 

 

鼻腔内吸引

  • 鼻腔内吸引は、吸引カテーテルを用いて鼻腔内の喀痰を体外に吸い出すものである。
  • カテーテルは、鼻孔粘膜を傷つけないように陰圧(吸引圧)をかけずに深部まで挿入し、陰圧をかけて回転させながら引き抜きつつ吸引する。
  • 1回の吸引時間は10~15秒を目安し、できるだけ短時間とする(低酸素血症の防止)。

 

▶105回午後24

鼻腔内の吸引で正しいのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
  3. 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
  4. 吸引チューブを回転させながら吸引する。

 

 


 
▶110回午前24

1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。

 

  1. 10〜15秒
  2. 20〜25秒
  3. 30〜35秒
  4. 40〜45秒

 

 

気管内吸引

  • 気管内吸引では、挿入開始から終了までの時間は15秒以内にすることが推奨され、30秒以上実施した場合、動脈血酸素飽和度〈SaO2〉が低下し、低酸素血症をきたすことがある。
  • 気管の粘膜を傷つけないために吸引圧は-100〜-150mmHgに調整する。

 

▶111回午前22

1回の気管内吸引を30秒以上実施した場合に生じるのはどれか。

 

  1. 嘔吐
  2. 感染
  3. 低酸素血症
  4. 気道粘膜の損傷

 

 


 
▶103回午後23

気管内吸引の時間が長いと低下しやすいのはどれか。

 

  1. 血圧
  2. 体温
  3. 血糖
  4. 動脈血酸素飽和度〈SaO2

 

 


 
▶106回午前23

成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。

 

  1. -100〜-150mmHg
  2. -200〜-250mmHg
  3. -300〜-350mmHg
  4. -400〜-450mmHg

 

 

無菌操作

  • 無菌操作は、外科処置による感染リスクを抑えるため、滅菌された防護具、滅菌器具を用いて、無菌状態を保持しながら取り扱うことをいう。
  • 原則無菌状態である下気道に挿管する気管内吸引や、尿路感染のリスクが高い尿道カテーテル挿入時には無菌操作を行う。

 

▶102回午前19

無菌操作を必要とするのはどれか。

 

  1. 鼻腔吸引
  2. 気管内吸引
  3. 口腔内吸引
  4. 胃内容物の吸引

 

 


 
▶112回午前22

看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきなのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射
  2. 口腔内吸引
  3. ストーマパウチの交換
  4. 尿道カテーテルの挿入

 

 

体位ドレナージ

体位ドレナージは、痰が貯留した肺の部位を上にした体位をとり、重力により気道分泌物の排出(排痰)を促すことをいう。

 

▶104回午前24

体位ドレナージの直接の目的はどれか。

 

  1. 痛みの軽減
  2. 睡眠の導入
  3. 排痰の促進
  4. 廃用症候群の予防

 

 

一次救命処置(BLS)の手順

  • 傷病者の反応がない場合、応援を呼ぶ・通報する・自動体外式除細動器〈AED〉を要請する。
  • 呼吸がない場合または死戦期呼吸の場合、胸骨圧迫30回(約5cmの強さ、100~120回/分の速さ)と人工呼吸2回の組み合わせによる処置を行う。
  • 正常な呼吸がある場合は、回復体位(横向きに寝た姿勢)にして気道を確保する。

 

▶111回午前24

成人に対する一次救命処置(BLS)において、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は( ):2である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 5
  2. 10
  3. 30
  4. 50

 

 


 
▶110回午前25・106回午後24類問

成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安はどれか。

 

  1. 2cm
  2. 5cm
  3. 8cm
  4. 11cm

 

 


 
▶112回午後24

成人の一次救命処置〈BLS〉における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。

 

  1. 40~60回/分
  2. 70~90回/分
  3. 100~120回/分
  4. 130~150回/分

 

 


 
▶107回午後23

呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。

 

  1. 下肢を挙上する。
  2. 胸骨圧迫を行う。
  3. 回復体位をとる。
  4. 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。

 

 

自動体外式除細動器〈AED〉

  • 自動体外式除細動器〈AED〉は、緊急性の高い致死性不整脈である心室細動を電気ショックによって取り除く(除細動)装置であり、医師以外の一般人にも使用が認められている。
  • 電極パッドは心臓を挟む形で右前胸部と左側胸部の位置に貼り付けて使用する。

 

▶108回午後13・104回午前12類問

最も緊急性の高い不整脈はどれか。

 

  1. 心房細動
  2. 心室細動
  3. 心房性期外収縮
  4. Ⅰ度房室ブロック

 

 


 
▶110回午後24・102回午後20類問

自動体外式除細動器〈AED〉の電極パッドの貼付位置を図に示す。
適切なのはどれか。

 

110am24

 

 

直流除細動器〈DC〉

直流除細動器は、電気ショックにより不整脈を治療する装置で、AEDとは異なり医療機関内で医師等が用いる。

 

▶104回午後25

直流除細動器の使用目的はどれか。

 

  1. 呼吸の促進
  2. 血圧の降下
  3. 不整脈の治療
  4. 意識レベルの評価

 

 


 
▶109回午前19

直流除細動器の使用目的はどれか。

 

  1. 血圧の上昇
  2. 呼吸の促進
  3. 洞調律の回復
  4. 意識レベルの回復

 

 

トリアージタグ

トリアージ(災害時等の治療優先度の決定)の際にはトリアージタグ(識別票)を利用し、傷病者の緊急度に応じて、優先順に(Ⅰ:最優先治療群・重症群)、(Ⅱ:非緊急治療群・中等症群)、(Ⅲ:軽処置群・軽症群)、(0:不処置群・死亡群)と分類する。

 

▶108回午後22・102回午後21類問

赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。

 

  1. 死亡群
  2. 保留群
  3. 最優先治療群
  4. 待機的治療群

 

 


 
▶106回午後25

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

 

  1. 脱臼
  2. 気道熱傷
  3. 足関節捻挫
  4. 過換気症候群

 

 

けいれん発作・意識障害がある患者への救命救急処置

全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。

 

▶111回午後17

全身性けいれん発作を起こしている患者に最も優先して行うのはどれか。

 

  1. 気道確保
  2. 周囲の環境整備
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 心電図モニターの装着

 

 


 
▶104回午後12

意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 保温
  2. 輸液
  3. 酸素吸入
  4. 気道確保

 

 

腹部圧迫法〈ハイムリック法〉

腹部圧迫法〈ハイムリック法〉は、異物が喉に詰まって、反応はあるが窒息が認められる傷病者に対し、上腹部を斜め上方に突き上げて気道異物を除去する方法である。

 

▶112回午後21

成人の気道の異物除去を目的とするのはどれか。

 

  1. 胸骨圧迫
  2. 人工呼吸
  3. 頭部後屈顎先挙上法
  4. 腹部圧迫法〈Heimlich〈ハイムリック〉法〉

 

 

圧迫止血法

失血を防ぐための圧迫止血法には、ガーゼなどで出血部位を強く押さえる直接圧迫止血法と、出血部位に近い中枢側(心臓側)の動脈を手や指で圧迫する(用手)間接圧迫止血法がある。

 

▶111回午前23

上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。

 

  1. 腋窩動脈
  2. 尺骨動脈
  3. 大腿動脈
  4. 橈骨動脈

 

 

包帯法の原則

  • 包帯法では、使用部位や創部の程度、用途に応じて、伸縮包帯や弾性包帯などを使い分ける。
  • 包帯を巻く際は、静脈の環流を妨げないよう末梢から中枢に向かって、強い圧迫を加えずに巻く。

 

▶106回午前24

包帯法の原則として適切なのはどれか。

 

  1. 患部を強く圧迫する。
  2. 屈伸可能な関節は固定する。
  3. 中枢から末梢に向けて巻く。
  4. 使用部位によって包帯を使い分ける。

 

 

環行帯

環行帯は、包帯法の巻き始めと巻き終わりに用いる巻き方で、同じ箇所に重ねて巻くものをいう。

 

▶109回午前22

包帯の巻き方を別に示す。
109回午前22
環行帯の巻き方で正しいのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

創傷の治癒

感染を伴わない創傷の治療において、現在は湿潤療法が基本で、消毒液ではなく水で洗浄し、乾燥しないようにガーゼではなく創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する。

 

▶108回午前23・103回午前22類問

感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

 

  1. 乾燥
  2. 消毒
  3. 洗浄
  4. ガーゼ保護

 

 

褥瘡発生の予測スケール

Braden〈ブレーデン〉スケールは褥瘡発生の予測(リスクアセスメント)に用いるもので、①知覚の認知、②湿潤、③活動性、④可動性、⑤栄養状態、⑥摩擦とずれの6項目で評価される。

 

▶107回午前24

褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

 

  1. ブリストルスケール
  2. Borg〈ボルグ〉スケール
  3. Braden〈ブレーデン〉スケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール

 

 

褥瘡のステージ分類

褥瘡の重症度は深達度によって分類され、ステージⅠは消退しない発赤、ステージⅡは部分欠損(水疱形成の場合がある)、ステージⅢは全層皮膚欠損、ステージⅣは全層組織欠損とされる。

 

▶111回午後24

褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。

 

 

 

仰臥位における褥瘡の好発部位

仰臥位は仰向けに横たわる体位をいい、仰臥位で圧力が集中する後頭部、肩甲骨部、肘部、仙骨部踵骨部は褥瘡の好発部位である。

 

▶109回午後24

仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。

 

  1. 踵骨部
  2. 内顆部
  3. 膝関節部
  4. 大転子部

 

 


 
▶102回午前20

仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。

 

  1. 仙骨部
  2. 内顆部
  3. 腸骨稜部
  4. 大転子部

 

 

温罨法

温罨法は、湯たんぽなどにより身体の一部に温熱刺激を与える方法である。効果としては、血管の拡張、血流の増加、新陳代謝の促進、平滑筋の弛緩、感覚・痛覚神経の興奮の鎮静(疼痛緩和)などが認められる。

 

▶108回午後23・102回午後19類問

温罨法の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 平滑筋が緊張する。
  2. 局所の血管が収縮する。
  3. 還流血流量が減少する。
  4. 痛覚神経の興奮を鎮静する。

 

 

ゴム製湯たんぽ

温罨法で用いられるゴム製湯たんぽは、60℃程度のお湯を約3分の2程度入れて、空気を抜いて使用する。

 

▶105回午後23

ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 40℃程度
  2. 60℃程度
  3. 80℃程度
  4. 100℃程度

 

 

冷罨法

冷罨法は、冷却による局所の炎症の抑制や解熱などの効果がある。冷罨法で用いられる氷枕の作成にあたっては、氷は半分程度にする、乾いたタオルで巻く、内部の空気は抜く、水漏れがないことを確認する。

 

▶106回午後23

氷枕の作り方で適切なのはどれか。

 

  1. 氷を隙間なく入れる。
  2. 濡れたタオルで覆う。
  3. 内部の空気は残しておく。
  4. 水漏れがないことを確認する。

 

 

乾性罨法・湿性罨法

温罨法と冷罨法には、乾いた状態で器具を用いる乾性罨法、湿った状態で器具を用いる湿性罨法があり、上記湯たんぽや氷枕は乾いた状態で用いるため乾性罨法、湿布の一つである冷パップは湿性罨法である。

 

▶103回午後22

湿性罨法はどれか。

 

  1. 氷枕
  2. 冷パップ
  3. 湯たんぽ
  4. 電気あんか

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

看護師国家試験の必修問題の詳細については、看護師国家試験必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】をご確認下さい。

 

当ページでは、保健師助産師看護師国家試験出題基準の必修問題の大項目として示される「人体の構造と機能」「徴候と疾患」「薬物の作用とその管理」を中心に、第112回から第102回看護師国家試験までの必修問題の中からピックアップし、解説とともに掲載します。

 

必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】必修問題まとめ(2)【看護の倫理・対象】必修問題まとめ(4)【看護技術】と合わせて、11年分のほぼすべての必修問題を網羅していますので、学習や確認にご活用下さい。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

必修問題目次

 

 

神経系

視覚野

視覚野は大脳皮質の後頭葉にあり、視覚に直接関係する領域である。

 

▶110回午前11

後頭葉にあるのはどれか。

 

  1. 嗅覚野
  2. 視覚野
  3. 聴覚野
  4. 体性感覚野

 

 

言語野

言語野として、ブローカ野(運動性言語中枢)は前頭葉に、ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)は側頭葉に、視覚性言語中枢は後頭葉にある。

 

 

▶108回午後11

運動性言語中枢はどれか。

 

  1. 中心後回
  2. 大脳基底核
  3. Broca〈ブローカ〉野
  4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野

 

 

小脳

小脳は姿勢や運動の制御など、運動調節機能をつかさどっている。そのため、小脳の機能障害である小脳失調では、姿勢保持の困難(体幹バランスの崩れ)や運動失調がみられる。

 

▶106回午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 

三叉神経

三叉神経は、顔面の感覚と咀嚼筋群をつかさどる末梢神経である。

 

▶109回午後12

三叉神経の機能はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 眼球の運動
  3. 顔面の知覚
  4. 表情筋の運動

 

 

迷走神経

迷走神経は咽頭や食道の運動など、嚥下(反射)に関わるものである。

 

▶107回午前10

嚥下に関わる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 外転神経
  3. 滑車神経
  4. 迷走神経

 

 

末梢神経

末梢神経系が外部から物理的に圧迫されると、関節や神経叢の周辺に限局して麻痺等の感覚障害が生じる(橈骨神経麻痺・腓骨神経麻痺等)。

 

▶107回午前13

関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

 

  1. 脊髄障害
  2. 物理的圧迫
  3. 脳血管障害
  4. 糖尿病の合併症

 

 

副交感神経

自律神経のうち副交感神経が優位になることで、消化液の分泌量の増加や腸の蠕動運動亢進、瞳孔収縮、気管支収縮、心拍数低下などの作用が起こる。一方、それらの反対の作用は交感神経が優位になることで生じる。

 

▶112回午後11

副交感神経の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔散大
  2. 気管支拡張
  3. 心拍数の増加
  4. 消化液分泌の促進

 

 

神経伝達物質

  • 神経伝達物質は、シナプスを介在し、神経細胞間の情報伝達を行う化学物質である。
  • 副交感神経や運動神経に働く神経伝達物質にアセチルコリンがある。

 

▶106回午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 

サーカディアンリズム(概日リズム)

  • 生物は地球の自転による昼夜変化に同調して、約24時間周期のサーカディアンリズム(概日リズム)に則り、体内環境を変化させる。
  • サーカディアンリズムは光の明暗による刺激により調整され、特に朝の決まった時間に起床して太陽の刺激を浴びることなどにより整えることができる。

 

▶102回午前13

サーカディアンリズムの周期はどれか。

 

  1. 約8時間
  2. 約12時間
  3. 約24時間
  4. 約48時間

 

 

 

心臓(循環器系)

左心室の働き

  • 左心室は大動脈を通じて全身に血液を送り、大静脈を通じて右心房に至る(体循環)。右心房から右心室に送り出された血液は、肺動脈を通じて肺に送られ、肺静脈を通じて左心房に至る(肺循環)。
  • 左心室の強力な収縮を支えるため、左心室の心臓壁は右心室や左心房、右心房よりも厚くなっている。

 

▶111回午後11・106回午前11類問・103回午前24類問

左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。

 

  1. 大静脈
  2. 大動脈
  3. 肺静脈
  4. 肺動脈

 

 


 
▶110回午後11

健常な成人で心臓壁が最も厚いのはどれか。

 

  1. 右心室
  2. 右心房
  3. 左心室
  4. 左心房

 

 

心臓の刺激伝導系

刺激伝導系は心臓を一定間隔で拍動させるための興奮刺激の流れをいい、右心房の洞房結節から房室結節に集まり、ヒス束、プルキンエ線維、心室固有筋へと伝わっていく。

 

▶112回午後12

心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。

 

  1. 洞房結節
  2. 房室結節
  3. His〈ヒス〉束
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 

左心不全

  • 左心不全により左心室のポンプ機能が低下することで、肺静脈系のうっ血が生じ、呼吸困難や咳嗽(せき)などの症状が現れる。
  • 左心不全患者には、呼吸困難を軽減するため、起坐位による起坐呼吸が多くみられる。

 

▶111回午後18・103回午後12類問

左心不全でみられる症状はどれか。

 

  1. 肝腫大
  2. 下腿浮腫
  3. 起坐呼吸
  4. 頸静脈怒張

 

 


 
▶105回午後13

咳嗽が起こりやすいのはどれか。

 

  1. 右心不全
  2. 左心不全
  3. 心筋梗塞
  4. 肺梗塞

 

 

狭心症

  • 狭心症は、生活習慣の悪化を一因とする動脈硬化等により心臓に血液を送る冠動脈が狭まり、血流が悪くなった状態(虚血)をいう。
  • 歩行動作時などに胸が圧迫される痛み(労作性狭心症)が生じるほか、心臓から離れた上半身の左側に多く起きる放散痛の症状が現れることがある。

 

▶111回午前14

左前胸部から頸部や左上肢への放散痛が生じる疾患はどれか。

 

  1. 胃潰瘍
  2. 狭心症
  3. 胆石症
  4. 尿管結石症

 

 

ニトログリセリン

ニトログリセリンは狭心症に対する速効性の硝酸薬で、発作時に舌の下に入れて口内の粘膜で吸収し(舌下投与)、血管が拡張することで症状を緩和する。

 

▶108回午後15

狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. ジゴキシン
  3. アドレナリン
  4. ニトログリセリン

 

 

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞は急激に冠動脈が完全に詰まることで血流が阻害されるもので、主な症状としては突然の強い胸痛が挙げられる。

 

▶106回午前13

胸痛を訴えるのはどれか。

 

  1. 髄膜炎
  2. 腎結石
  3. 急性心筋梗塞
  4. Ménière〈メニエール〉病

 

 

心原性ショック

  • 心原性ショックは、不整脈や急性心筋梗塞等により心臓のポンプ機能が低下することで急性の循環不全等が起こる状態をいう。
  • 1回の心拍で送り出される血液量が減少することで血圧は低下し、脈拍は弱く速くなる(頻脈性不整脈)。

 

▶103回午後11

心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか。

 

  1. 血圧の上昇
  2. 体温の上昇
  3. 尿量の増加
  4. 脈拍数の増加

 

 

心房細動

心房細動は心房内の不整脈で、致死性不整脈である心室細動よりも緊急性は低いが、心房内で血栓ができやすく、大動脈を通じて脳などの血管を詰まらせる原因となる(心原性脳塞栓症)。

 

▶109回午前12

脳塞栓症を生じやすい不整脈はどれか。

 

  1. 心室頻拍
  2. 心房細動
  3. 心房性期外収縮
  4. 完全房室ブロック

 

 

 

呼吸器系

呼吸中枢

呼吸中枢は、脳幹の橋から延髄にかけての部分にあり、呼気と吸気を調整し、呼吸リズムを形成している。

 

▶111回午後13

呼吸中枢があるのはどれか。

 

  1. 間脳
  2. 小脳
  3. 大脳
  4. 脳幹

 

 

呼吸困難

  • 主観的情報は患者の話や訴えから得られた情報で、観察や測定で得られる客観的情報と区別して、患者の状態を把握する。
  • 呼吸困難は、息苦しさなど患者が感じる主観的情報で評価される。

 

▶110回午前18・103回午後17類問

患者の主観的情報はどれか。

 

  1. 苦悶様の顔貌
  2. 息苦しさの訴え
  3. 飲水量
  4. 脈拍数

 

 


 
▶104回午前14

呼吸困難とはどれか。

 

  1. 脈拍数の増加
  2. 息苦しさの自覚
  3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下

 

 

酸素療法の適応

一般的な在宅酸素療法の適応基準は、動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60mmHg(Torr)未満とされる。

 

▶112回午前23

室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。

 

  1. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr以上
  2. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr未満
  3. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr以上
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr未満

 

 

CO2ナルコーシス

CO2ナルコーシスは、呼吸不全患者のうち動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が45mmHgを超えるⅡ型呼吸不全患者に起こりやすい合併症で、著明な二酸化炭素〈CO2〉の蓄積により呼吸性アシドーシスとなり、意識障害などの中枢神経症状を引き起こす。

 

▶112回午前24

CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 徐脈
  3. 浮腫
  4. 意識障害

 

 

チェーン-ストークス呼吸

チェーン-ストークス呼吸は、中枢性睡眠時無呼吸症候群でみられる特徴であり、小さな呼吸から大きな呼吸、小さな呼吸、呼吸の停止(10~20秒程度の無呼吸)の周期を繰り返す。

 

▶111回午前18

呼吸パターンを図に示す。
111am18
Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸はどれか。

 

 

 

喀血

  • 喀血は咳とともに血液が吐き出されるもので、主に気道や肺胞などの呼吸器の出血による。
  • 泡沫状の喀痰や鮮紅色の血液は喀血の特徴である。

 

▶106回午前12

喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 頭蓋内
  2. 気道
  3. 食道
  4. 胆道

 

 


 
▶110回午前15

喀血の特徴はどれか。

 

  1. 酸性である。
  2. 泡沫状である。
  3. 食物残渣を含む。
  4. コーヒー残渣様である。

 

 

 

ガストリン

ガストリンは、主にの幽門部の粘膜で産出されるホルモンで、胃酸の分泌を促す。

 

▶110回午前12

胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. セクレチン
  3. 胃抑制ペプチド
  4. コレシストキニン

 

 

頻回の嘔吐による症状

頻回の嘔吐により大量の胃液(pH1~2の強酸性の胃酸)や水分が失われると、血液のアルカリ性度が上昇する代謝性アルカローシス脱水が生じやすい。

 

▶103回午後9

正常な胃液のpHはどれか。

 

  1. pH1~2
  2. pH4~5
  3. pH7~8
  4. pH10~11

 

 


 
▶107回午前12

頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

 

  1. 血尿
  2. 低体温
  3. 体重増加
  4. アルカローシス

 

 


 
▶103回午前13

頻回の嘔吐で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 脱水
  2. 貧血
  3. 発熱
  4. 血尿

 

 

 

肝臓

肝臓の主な機能

肝臓の主な機能として、蛋白質の合成、有害物質(アンモニア等)の分解・解毒、栄養の貯蔵、胆汁の合成・分泌などがある。

 

▶111回午前12

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 膵臓
  3. 大腸

 

 

初回通過効果

初回通過効果とは、内服薬が全身循環血に移行する前に、肝臓内の酵素によって代謝されることをいい、薬物の投与時には初回通過効果を考慮した上で投与方法、量を定める必要がある。

 

▶110回午後17

経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 小腸
  3. 腎臓

 

 


 
▶112回午前17

薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。

 

  1. 吸収
  2. 分布
  3. 代謝
  4. 蓄積

 

 

胆汁の作用

肝臓で作られる胆汁は、胆嚢で濃縮・貯留され、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化することで、膵臓内のリパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを助ける。

 

▶108回午前12

胆汁の作用はどれか。

 

  1. 殺菌
  2. 脂肪の乳化
  3. 蛋白質の分解
  4. 炭水化物の分解

 

 


 
▶109回午後13

脂肪分解酵素はどれか。

 

  1. ペプシン
  2. リパーゼ
  3. マルターゼ
  4. ラクターゼ

 

 

肝機能の血液検査項目

肝機能の働きを調べる血液検査では、ALT〈GPT〉AST〈GOT〉が主な項目として挙げられる。

 

▶107回午前15

肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

 

  1. CRP
  2. 尿素窒素
  3. アミラーゼ
  4. ALT〈GPT〉

 

 

肝性脳症

肝性脳症は、重度の肝疾患によりアンモニア等の有害物質の解毒・分解機能が低下し、血液中に蓄積された有害物質が脳に達して起こる脳機能の低下をいう。

 

▶110回午前14

肝性脳症の直接的原因はどれか。

 

  1. 尿酸
  2. アンモニア
  3. グルコース
  4. ビリルビン

 

 

アルコールによる肝機能障害

アルコールは様々な健康障害との関連が指摘されており、特に発症頻度の高い臓器障害としてアルコール性肝疾患があり、過剰飲酒の継続等によりアルコール性肝硬変や肝細胞がんへ進行する。

 

▶102回午前2

飲酒に起因する健康障害はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 膠原病
  3. Ménie`re〈メニエール〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病

 

 

 

大腸・直腸

大腸の働き

大腸は、小腸から送られた内容物から水分等を吸収し、ふん便を作る働きをもつ。

 

▶109回午後11

大腸で吸収されるのはどれか。

 

  1. 脂質
  2. 水分
  3. 糖質
  4. 蛋白質

 

 

器質性便秘

器質性便秘は、大腸癌や腸管の炎症、癒着などにより通過障害が起きる便秘である。

 

▶111回午後19

大腸の狭窄による便秘はどれか。

 

  1. 器質性便秘
  2. 痙攣型便秘
  3. 弛緩型便秘
  4. 直腸性便秘

 

 

低カリウム血症

低カリウム血症は、激しい下痢や利尿薬の長期使用などにより、カリウムの排泄量が増大することで起こる電解質異常である。

 

▶109回午後15

下痢によって生じやすい電解質異常はどれか。

 

  1. 低カリウム血症
  2. 高カルシウム血症
  3. 高ナトリウム血症
  4. 低マグネシウム血症

 

 

下血

  • 下血は肛門から血液成分が排泄されることをいい、出血した臓器により血液の色や粘度が変わる。
  • 肛門に近い直腸等の出血では鮮紅色で、肛門から遠い胃や食道、十二指腸からの出血では血液中の鉄分が酸化した黒色便(タール便)となる。

 

▶108回午前14

鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 食道
  2. 直腸
  3. 十二指腸

 

 

大腸癌

大腸癌では癌の進行に伴い、下血や血便などの症状がみられ、大腸癌検診(便潜血検査等)により早期発見が図られている。

 

▶106回午後13・112回午前13類問

下血がみられる疾患はどれか。

 

  1. 肝囊胞
  2. 大腸癌
  3. 卵巣癌
  4. 腎盂腎炎

 

 

 

泌尿器系

後腹膜器官

後腹膜器官は、胃や肝臓、小腸、大腸など腹部の臓器を包み込んでいる腹膜よりも背中側にある臓器をいい、腎臓や膀胱などの泌尿器はこれに当たる。

 

▶110回午後12

後腹膜器官はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 空腸
  3. 腎臓

 

 

成人の膀胱の平均容量

成人の膀胱容量は、個人差もあるが500mL程度である。

 

▶105回午後10

成人の膀胱の平均容量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,000mL
  4. 1,500mL

 

 

成人の1日平均尿量

  • 成人の1日平均尿量は1,000mL~1,500mLであり、100mL未満は無尿、400mL未満は乏尿とされる。
  • 1日の尿の回数でみた異常では、回数が多い頻尿、回数が少ない希尿がある。

 

▶110回午前19・103回午前10類問

健康な成人における1日の平均尿量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,500mL
  4. 2,500mL

 

 


 
▶109回午後23・106回午後14類問

成人で1日の尿量が100mL以下の状態を示すのはどれか。

 

  1. 希尿
  2. 頻尿
  3. 乏尿
  4. 無尿

 

 


 
▶103回午後13

尿の回数が異常に多い状態を表すのはどれか。

 

  1. 頻尿
  2. 乏尿
  3. 尿閉
  4. 尿失禁

 

 

腎機能の血液検査項目

腎機能の働きを調べる血液検査では、血清クレアチニン血中尿素窒素が主な項目として挙げられる。

 

▶108回午後25

腎機能を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 中性脂肪
  2. ビリルビン
  3. AST〈GOT〉
  4. クレアチニン
  5. LDLコレステロール

 

 

腹圧性尿失禁

  • 腹圧性尿失禁は、重い物を持ち上げたときや運動時、せき・くしゃみをしたときなど、腹部に力を加えたときに起こる不随意の尿漏れである。
  • 骨盤底筋の衰えにより尿道がコントロールできないことが原因であるため、行動療法として骨盤底筋訓練が効果的である。

 

▶102回午後25

努責やくしゃみをしたときに生じる尿失禁はどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 機能性尿失禁
  3. 切迫性尿失禁
  4. 反射性尿失禁
  5. 腹圧性尿失禁

 

 


 
▶105回午前18

骨盤底筋訓練が最も有効なのはどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 切迫性尿失禁
  3. 反射性尿失禁
  4. 腹圧性尿失禁

 

 

痛風

痛風は血液中の尿酸値の上昇(高尿酸血症)を原因として、関節などに尿酸結晶がたまり、免疫機能が働くことで急性関節炎などの痛みを伴う痛風発作が生じるものである。

 

▶110回午後15

痛風の患者の血液検査データで高値を示すのはどれか。

 

  1. 尿酸
  2. 尿素窒素
  3. アルブミン
  4. トリグリセリド

 

 

ループ利尿薬

  • ループ利尿薬は、浮腫(むくみ)や高血圧を改善するために尿による水分排泄を促進するものであり、即効性が高い
  • 利尿薬の副作用〈有害事象〉としては、カリウムの排泄量が増大することで起こる低カリウム血症(電解質異常)が挙げられる。

 

▶110回午後16

ループ利尿薬について正しいのはどれか。

 

  1. 作用発現が速い。
  2. 眠前の服用が望ましい。
  3. 抗不整脈薬として用いられる。
  4. 副作用〈有害事象〉に高カリウム血症がある。

 

 

 

妊娠・分娩

受精・着床

射精された精子と排卵された卵子は、卵管膨大部で融合して受精卵となる(受精)。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮に移動(受精後4~5日)した後、子宮内膜に着床を開始受精後6〜7日)する。

 

▶104回午前5

受精から着床開始までの期間はどれか。

 

  1. 1〜2日
  2. 6〜7日
  3. 13〜14日
  4. 20〜21日

 

 

妊娠期間

  • 最終月経の初日を0日とした順調な分娩予定日は40週0日(280日)である。
  • 妊娠期間別にみると、妊娠満22週0日(154日)~36週6日(258日)の出産は早期産、妊娠満37週0日(259日)~41週6日(293日)の出産は正期産、妊娠満42週0日(294日)以上の出産は過期産である。

 

▶105回午前6

正期産の定義はどれか。

 

  1. 妊娠36週0日から40週6日
  2. 妊娠37週0日から41週6日
  3. 妊娠38週0日から42週6日
  4. 妊娠39週0日から43週6日

 

 


 
▶104回午前11

月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。

 

  1. 240日目
  2. 280日目
  3. 320日目
  4. 360日目

 

 

分娩の経過

分娩は第1期から第4期の経過に分かれ、第1期は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期子宮口全開大から胎児娩出まで(発露、排臨含む)、第3期は胎児の娩出から胎盤の娩出まで、第4期は分娩後2時間をいう。

 

▶106回午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 
▶102回午前11

分娩第2期はどれか。

 

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
  2. 排臨から発露まで
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで

 

 

 

胎児の発達

胎児循環

  • 胎児の血液は、臍帯内の2本の臍動脈により胎盤に入り、1本の臍静脈を通って胎児へと運ばれる。
  • 胎盤は肺の役割を果たし、胎児へ運ばれる臍静脈内の血液には酸素が多く含まれている。

 

▶111回午前7

胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。

 

  1. 総頸動脈
  2. 肺動脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 


 
▶108回午前7

胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。

 

  1. 肺動脈
  2. 肺静脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 

胎児の肺機能の成熟

在胎26週ころに肺胞などの肺構造が完成し、在胎34週ころに肺表面活性物質(肺サーファクタント)が十分に分泌されることで、胎児の肺機能が成熟する。

 

▶106回午後6

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

 

  1. 在胎10週ころ
  2. 在胎18週ころ
  3. 在胎26週ころ
  4. 在胎34週ころ

 

 

 

産褥・母乳

オキシトシン

授乳時に児の吸啜刺激でオキシトシンの分泌が促進され、母乳の放出や産褥期の子宮復古を促す。

 

▶109回午前6

児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

 

  1. オキシトシン
  2. プロラクチン
  3. テストステロン
  4. プロゲステロン

 

 

母乳中の免疫グロブリン

母乳には免疫グロブリンのうちIgAが豊富に含まれ、特に初乳に多い。なお、胎児期には胎盤を通じてIgGを母胎から受け取る。

 

▶108回午前8

母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgE
  3. IgG
  4. IgM

 

 

母乳の不足栄養

母乳中には血液凝固作用を持つビタミンKが少なく、新生児のビタミンK欠乏性出血症を予防するため、出生後にビタミンKの内服が行われている。

 

▶105回午後25・112回午前25類問

母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB
  3. ビタミンC
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 

 

体温

視床下部

視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節のはたらきを持つ。

 

▶108回午後24・104回午後11類問・112回午前12類問

体温調節中枢があるのはどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 大脳皮質
  4. 視床下部

 

 

深部体温(直腸温)

  • 深部体温は、視床下部によりコントロールされる脳や臓器などの内部温度であり、皮膚温よりも高く37℃前後を維持している。
  • 正確な深部体温を図る上で、身体の中心に近く、外部環境に影響されにくい直腸温の測定が推奨されている。

 

▶111回午前17

深部体温に最も近いのはどれか。

 

  1. 腋窩温
  2. 口腔温
  3. 鼓膜温
  4. 直腸温

 

 

低体温

  • 甲状腺は、代謝を促進する甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官である。
  • 甲状腺機能低下症などにより甲状腺ホルモンの分泌が低下し、直腸温が35℃を下回った場合に低体温と診断される。
  • 体温の低下に対しては、熱産生を誘導するためにふるえなどの生体反応が起きる。

 

▶111回午後12・105回午前11類問

内分泌器官はどれか。

 

  1. 乳腺
  2. 涙腺
  3. 甲状腺
  4. 唾液腺

 

 


 
▶104回午後13

低体温が起こるのはどれか。

 

  1. 尿崩症
  2. 褐色細胞腫
  3. 甲状腺機能低下症
  4. Cushing〈クッシング〉症候群

 

 


 
▶110回午後13

体温低下を引き起こすのはどれか。

 

  1. カテコラミンの分泌亢進
  2. 甲状腺ホルモンの分泌低下
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉の分泌低下
  4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉の分泌亢進

 

 


 
▶111回午後15

低体温から回復するための生体の反応はどれか。

 

  1. 発汗
  2. ふるえ
  3. 乳酸の蓄積
  4. 体表面への血流増加

 

 

 

貧血

貧血の定義

貧血は、血液中のヘモグロビン濃度が減少している状態と定義される。

 

▶111回午後16・109回午前13類問・105回午後15類問・104回午後15類問・102回午後12類問

貧血の定義で正しいのはどれか。

 

  1. 血圧が低下すること
  2. 脈拍が速くなること
  3. 立ち上がると失神を起こすこと
  4. ヘモグロビン濃度が減少していること

 

 

巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により骨髄に巨赤芽球が出現する貧血である。

 

▶110回午後25

巨赤芽球性貧血の原因はどれか。

 

  1. ビタミンA欠乏
  2. ビタミンB12欠乏
  3. ビタミンC欠乏
  4. ビタミンE欠乏
  5. ビタミンK欠乏

 

 

 

薬物

副腎皮質ステロイド

  • 副腎皮質ステロイドは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンから生成された薬(プレドニゾロン等)で、炎症や免疫の抑制など幅広い疾患で用いられている。
  • 副作用〈有害事象〉として、高血糖や高血圧、易感染性、骨粗鬆症、食欲増進による体重増加、満月様顔貌〈ムーンフェイス〉など多くあり、注意を要する。

 

▶108回午前25

副腎皮質ステロイドの作用はどれか。

 

  1. 体重の減少
  2. 血糖の低下
  3. 血圧の低下
  4. 免疫の促進
  5. 炎症の抑制

 

 


 
▶105回午前17

ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。

 

  1. 便秘
  2. 口内炎
  3. 低血圧
  4. 骨粗鬆症

 

 


 
▶102回午後24

長期間の使用によって満月様顔貌〈ムーンフェイス〉になるのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. テオフィリン
  4. プレドニゾロン
  5. インドメタシン

 

 

インドメタシン

インドメタシンなどの非ステロイド抗炎症薬は、解熱、鎮痛、抗炎症作用を発揮するが、消化器への作用により胃粘膜防御能が低下し、消化性潰瘍が悪化するおそれがあるため消化性潰瘍の者には禁忌である。

 

▶107回午後16

インドメタシン内服薬の禁忌はどれか。

 

  1. 痛風
  2. 膀胱炎
  3. 消化性潰瘍
  4. 関節リウマチ

 

 

アスピリン

非ステロイド抗炎症薬であるアスピリンは、解熱や鎮痛、抗炎症作用のほか、低用量であれば、血小板の機能を抑制し、血栓の生成を防止する抗血小板作用を発揮する。

 

▶103回午前15

抗血小板作用と抗炎症作用があるのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. アルブミン
  3. アスピリン
  4. ワルファリン

 

 

カルシウム拮抗薬

  • カルシウム拮抗薬は血管を拡張し、血圧を下げる降圧薬である。
  • グレープフルーツに含まれる成分はカルシウム拮抗薬を代謝する酵素の働きを弱めるため、薬物服用時の摂取により血中濃度が高まり、血圧の異常な低下などの相互作用が起きることがある。

 

▶110回午前17・105回午後17類問

カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。

 

  1. 牛乳
  2. 納豆
  3. ブロッコリー
  4. グレープフルーツ

 

 

ワルファリン

  • ワルファリンは血液を固まりにくくし、血栓や塞栓を防ぐ抗凝固剤であるが、出血を起こしたり、止まらなくなることがあり、手術前には投与の中止を含めて検討する。
  • ビタミンKにはワルファリンの働きを阻害する拮抗作用があり、ワルファリン使用時にはビタミンKを多く含む納豆などの食品の摂取は控える。

 

▶107回午後15

出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。

 

  1. アドレナリン
  2. テオフィリン
  3. ワルファリン
  4. バンコマイシン

 

 


 
▶102回午前23

ワルファリンと拮抗作用があるのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンD
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 

ジギタリス(ジゴキシン)

ジギタリス(ジゴキシン)は、心筋細胞内のカルシウム濃度を高め、心筋の収縮力を増強する強心薬として、心不全の治療などに用いられる。副作用としては、悪心や不整脈などがある。

 

▶107回午後21

ジギタリスの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 難聴
  2. 悪心
  3. 易感染
  4. 低血糖

 

 


 
▶103回午後14

ジゴキシンの主な有害な作用はどれか。

 

  1. 振戦
  2. 不整脈
  3. 聴覚障害
  4. 満月様顔貌〈ムーンフェイス〉

 

 

テオフィリン

テオフィリンは気管支喘息の治療に用いられる治療薬で、気管支拡張作用や抗炎症作用を持つ。ただし、患者の年齢や併用薬物等により血中濃度が不安定となり、悪心や嘔吐などの副作用が生じることがあるため、テオフィリンの投与中は血中濃度の確認が必要である。

 

▶104回午前22

血中濃度を確認する必要性が最も高い医薬品はどれか。

 

  1. アスピリン
  2. フロセミド
  3. テオフィリン
  4. インドメタシン

 

 

バンコマイシン

薬剤耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉は、抵抗力の弱まった宿主(易感染者)に対して病原性を発揮する日和見感染症を起こす。その治療に当たっては、抗菌薬としてバンコマイシンが用いられる。

 

▶102回午前15

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉に有効な薬はどれか。

 

  1. バンコマイシン塩酸塩
  2. セファゾリンナトリウム
  3. ストレプトマイシン硫酸塩
  4. ベンジルペニシリンカリウム

 

 

 

医薬品等の取り扱い

毒薬

医薬品医療機器等法で定める毒薬は、容器または被包に、黒地・白枠・白字で「毒」の文字を記載しなければならない。

 

▶109回午前14

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉による毒薬の表示を別に示す。
dokuyaku
正しいのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

劇薬

医薬品医療機器等法で定める劇薬は、容器または被包に、白地・赤枠・赤字で「劇」の文字を記載しなければならない。

 

▶106回午前17

医薬品表示を別に示す。
gekiyaku
劇薬の表示で正しいのはどれか。

 

 

 

医療用麻薬の取り扱い

  • アンプルの麻薬注射液は、管理面、衛生面に問題がある場合、同一患者や複数の患者に分割して施用することは控える。
  • 施用後のアンプルは、残液がある場合および空であっても麻薬管理者に返納する。

 

▶103回午後16

医療機関における麻薬の取り扱いについて正しいのはどれか。

 

  1. 麻薬と毒薬は一緒に保管する。
  2. 麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
  3. 使用して残った麻薬注射液は病棟で廃棄する。
  4. 麻薬注射液の使用後のアンプルは麻薬管理責任者に返却する。

 

 

フェンタニル

麻酔や疼痛緩和に、注射剤、貼付剤として用いられるフェンタニルは、麻薬及び向精神薬取締法により麻薬として規定され、麻薬診療施設内に設けた鍵をかけた堅固な設備内に保管しなければならない。

 

▶107回午前17

他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. フェンタニル

 

 


 
▶104回午後17

貼付剤として用いられる薬剤はどれか。

 

  1. フェンタニル
  2. リン酸コデイン
  3. モルヒネ塩酸塩
  4. オキシコドン塩酸塩

 

 

輸血用血液製剤の保存温度

輸血用血液製剤の保存温度は、赤血球製剤や全血製剤は2~6℃、血漿製剤は-20℃以下、血小板製剤は20~24℃(保存中は凝集の予防のため振とうが必要)である。

 

▶109回午後22

赤血球製剤の保存温度で適切なのはどれか。

 

  1. -6~-2℃
  2. 2~6℃
  3. 12~16℃
  4. 22~26℃

 

 

医薬品の禁忌表示

医薬品医療機器等法の規定に基づく医療用医薬品に添付する文書の作成に当たっては、厚生労働省通知の項目が参照され、禁忌や組成・形状、効能又は効果、用法及び用量などが含まれる。

 

▶104回午前17

医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか。

 

  1. 処方箋
  2. 診断書
  3. 看護記録
  4. 添付文書

 

 

 

筋肉・関節・皮膚

不随意筋

  • 不随意筋は自分の意思で動かすことのできない筋肉で、横紋筋のうち心臓にある心筋や、平滑筋のうち心臓を除く内臓や血管にある筋肉がこれに当たる。
  • 随意筋は自分の意思で動かすことができる筋肉で、横紋筋のうち骨格筋などがこれに当たる。

 

▶105回午後11

不随意筋はどれか。

 

  1. 心筋
  2. 僧帽筋
  3. 大殿筋
  4. ヒラメ筋

 

 

球関節

球関節は、片方の関節の接合部分が球状をした可動域の広い(多軸性)関節で、肩関節や股関節が該当する。

 

▶109回午前10

球関節はどれか。

 

  1. 肩関節
  2. 膝関節
  3. 下橈尺関節
  4. 手根中手関節

 

 

股関節の運動

  • 股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、肩関節と同様に可動域が広い(多軸性)球関節である。
  • 股関節の動きとして、股関節を起点に足を前に出す屈曲と後ろに下げる伸展、足を外側に開く外転と内側に閉じる内転、外側にひねる外旋と内側にひねる内旋がある。

 

▶107回午後10

股関節の運動を図に示す。
内転はどれか。

 

107pm10

 

 

関節可動域〈ROM〉

関節可動域〈ROM〉は関節の生理的な運動範囲で、測定に当たっては可動域角度(単位:度)が用いられる。

 

▶104回午前18

関節可動域〈ROM〉の単位はどれか。

 

  1. kg
  2. Cm

 

 

体性感覚

体性感覚は、触覚・温度感覚・痛覚の表在感覚(皮膚感覚)と、体の内部の筋や腱、関節などに起こる深部感覚をさす。

 

▶102回午後13

表在感覚の受容器が存在する部位はどれか。

 

  1. 筋肉
  2. 皮膚
  3. 関節

 

 


 
▶112回午前10

体性感覚はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 触覚
  3. 聴覚
  4. 平衡覚

 

 

 

がん

悪性腫瘍の特徴

  • 悪性腫瘍は良性腫瘍と比べて、増殖が速く、周囲の組織にしみ出すように広がり(浸潤)、最初に発生した臓器(原発部位)から血液やリンパを通じて離れた場所にも転移する特徴がある。
  • 転移の例として、胃がんなどが左鎖骨上窩リンパ節に転移するウィルヒョウ転移がある。

 

▶107回午前14

良性腫瘍と比較して悪性腫瘍でみられる特徴はどれか。

 

  1. 被膜がある。
  2. 遠隔転移する。
  3. 周囲組織に浸潤しない。
  4. 増殖速度が緩やかである。

 

 


 
▶109回午前21

胃がんのVirchow〈ウィルヒョウ〉転移が生じる部位はどれか。

 

  1. 腋窩
  2. 鼠径部
  3. 右季肋部
  4. 左鎖骨上窩

 

 

腫瘍マーカー

  • 腫瘍マーカーは癌の種類により特徴的に作られる物質で、血液や尿の成分を測定する腫瘍マーカー検査が行われている。
  • そのうちPSA検査では、前立腺癌に特異的な血清PSA値の上昇を調べることで、前立腺癌を早期に発見することができる。

 

▶102回午前14

前立腺癌に特徴的な腫瘍マーカーはどれか。

 

  1. AFP
  2. CA19-9
  3. CEA
  4. PSA

 

 

骨髄抑制

骨髄抑制は、がん治療において抗癌薬などの薬物療法や放射線治療により、骨髄の造血機能が低下した状態をいい、白血球の減少では感染症、赤血球の減少では貧血、血小板の減少では出血などのリスクが高まる。

 

▶108回午前16

骨髄抑制が出現するのはどれか。

 

  1. 麻薬
  2. 利尿薬
  3. 抗癌薬
  4. 強心薬

 

 


 
▶104回午後16

抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。

 

  1. 嘔吐
  2. 下痢
  3. 神経障害
  4. 白血球減少

 

 

モルヒネ

モルヒネは、がんの痛みの緩和などに用いられる麻薬性鎮痛薬(強オピオイド鎮痛薬)である。消化器系の副作用として便秘が認められ、下剤の投与などの処置がとられる。

 

▶107回午後20・112回午後16類問

モルヒネの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 出血
  2. 便秘
  3. 高血圧
  4. 粘膜障害

 

 

 

血糖・糖尿病

低血糖

  • 低血糖は血糖値が正常範囲よりも低下した状態で、冷や汗(発汗)や動悸、けいれんなどの症状がみられる。
  • 糖尿病患者等が血糖コントロールとしてインスリンを用いる際に、食事の量や時間、運動量などにより過剰に血糖値が低下することでも生じる。

 

▶102回午前22

低血糖の症状または所見はどれか。

 

  1. 口渇
  2. 徐脈
  3. 多尿
  4. 発汗
  5. 発熱

 

 


 
▶104回午前16

副作用(有害事象)として低血糖症状を起こす可能性があるのはどれか。

 

  1. ジゴキシン
  2. インスリン
  3. フェニトイン
  4. ワルファリン

 

 

血糖値の検査値

グリコヘモグロビン(HbA1C)は、赤血球中のヘモグロビンにグルコース(ブドウ糖)が非酵素的に結合した糖化蛋白質で、糖尿病の評価を行う上でその割合が血糖コントロールの指標として重要となる。

 

▶105回午前15

糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。

 

  1. 総ビリルビン
  2. 総コレステロール
  3. グリコヘモグロビン
  4. クレアチニンクリアランス

 

 

血糖コントロール

血糖は、簡易血糖測定器を用いて自己採血し、測定することができる。血糖値を適切な範囲で維持する(血糖コントロール)ため、糖尿病患者等のセルフケアとして活用される。

 

▶105回午前23

患者が自己で簡単に測定できるのはどれか。

 

  1. 血糖
  2. カリウム
  3. カルシウム
  4. アルブミン

 

 

尿ケトン体

  • ケトン体は、肝臓が脂肪を分解することで生成される酸性の物質である。糖尿病でインスリン作用が不足するとエネルギー源となるグルコース(ブドウ糖)が利用できず、多く脂肪を分解してエネルギーを作るため、尿中のケトン体(尿ケトン体)が陽性となり、血液が酸性に傾く。
  • この糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病の急性合併症であり、血糖値の急上昇に伴い昏睡や意識不明の症状を呈する。

 

▶109回午後14

尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 糖尿病
  3. 尿路感染症
  4. ネフローゼ症候群

 

 


 
▶112回午前14

糖尿病の急性合併症はどれか。

 

  1. 足壊疽
  2. 脳血管疾患
  3. 糖尿病網膜症
  4. ケトアシドーシス昏睡

 

 

2型糖尿病患者の1日のエネルギー摂取量

2型糖尿病患者の1日の(理想)エネルギー摂取量は、BMIから算出された標準体重(目標体重)と、身体活動に応じたエネルギー係数を乗じることで求められる。

 

▶103回午前14

2型糖尿病の食事療法における1日のエネルギー摂取量の算出に必要なのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 腹囲
  3. 標準体重
  4. 体表面積

 

 

 

血液

白血球の機能

  • 白血球は体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除する免疫機能を持つ。
  • 白血球の約半数を占める好中球は、細菌感染や真菌感染から体を守る主要な生体防御機構で、急性炎症では好中球の浸潤がいち早く行われる。

 

▶104回午前10

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶112回午前11

健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. リンパ球

 

 


 
▶109回午前24

細菌感染による急性炎症で最初に反応する白血球はどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. 好塩基球
  5. リンパ球

 

 

敗血症ショック

  • 敗血症は、感染症の原因となる細菌等に起因して重度の臓器障害等を起こしている病態をいい、白血球(好中球)数が低い場合に生じやすい。
  • 蘇生処置にも関わらず低血圧が持続し、ショック状態に陥った状態を敗血症ショックといい、死亡リスクが非常に高い。

 

▶111回午後14

細菌感染で起こるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 敗血症性ショック
  3. アナフィラキシーショック
  4. 循環血液量減少性ショック

 

 

赤血球の機能

赤血球内のヘモグロビンは肺で酸素を取り込み、全身に輸送する働きを担っており、酸素と結合しやすい中央がくぼんだ円盤状となっている。

 

▶112回午後13

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 球状の細胞である。
  2. 腎臓で破壊される。
  3. 寿命は約60日である。
  4. 酸素の輸送を担っている。

 

 

 

緑内障

緑内障の症状

  • 緑内障は眼圧の上昇などを原因として、視神経が萎縮し、不可逆的に視野が狭まり失明に至る疾病である。
  • 一般的に自覚症状がなく徐々に進行するが、眼圧が急上昇し、急性の頭痛といった症状を引き起こす場合、急速に重度の視力障害が進行する急性緑内障発作の可能性がある。

 

▶104回午前13

急性の頭痛を起こす可能性が最も高いのはどれか。

 

  1. 複視
  2. 外斜視
  3. 緑内障
  4. 眼瞼下垂

 

 

緑内障患者への禁忌

アトロピンは副交感神経に作用する鎮痙薬で、眼科においては瞳孔を広げる散眼薬としても用いられる。ただし眼圧を上昇させるため、眼圧の上昇が原因である緑内障患者の症状を悪化させることがあり、禁忌とされる。

 

▶108回午後16

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。

 

  1. コデイン
  2. アスピリン
  3. アトロピン
  4. フェニトイン

 

 

 

精神疾患

うつ病

うつ病は気分障害の一つで、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失といった精神症状と、不眠、食欲不振、疲労感といった身体症状があらわれる。

 

▶107回午後13

典型的なうつ病の症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 感情失禁
  3. 理由のない爽快感
  4. 興味と喜びの喪失

 

 

抗うつ薬

うつ病に対する抗うつ薬は、効果が発現したと評価されるまでに、薬の種類、個人差はあるものの数週間の長期間を要する。また、うつ病の改善後も再発を防ぐために投薬を継続する必要がある。

 

▶106回午前16

目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

 

  1. 睡眠薬
  2. 鎮痛薬
  3. 抗うつ薬
  4. 抗血栓薬

 

 

神経性食欲不振症(神経性無食欲症)

  • 神経性食欲不振症(神経性無食欲症)は摂食障害の一つで、青年期の女性におおくみられ、極端な食事制限と過度なやせを示す。
  • 栄養不足に起因する症状として、無月経や低血圧、徐脈、低体温、浮腫などがみられる。

 

▶102回午後23

神経性食欲不振症の症状または所見はどれか。

 

  1. 発熱
  2. 咳嗽
  3. 徐脈
  4. 高血圧
  5. 過多月経

 

 

 

その他症状・疾病

黄疸

  • 黄疸は、赤血球が壊れる際にヘモグロビンが分解され、生成されたビリルビンにより皮膚や白眼(眼球結膜)が黄色くなる状態をいう。
  • 成人では全身のかゆみ(搔痒感)が生じることがある。

 

▶102回午後11

血中濃度が上昇すると黄疸となるのはどれか。

 

  1. グルコース
  2. ビリルビン
  3. クレアチニン
  4. 総コレステロール

 

 


 
▶103回午前12

黄疸で黄染を確認しやすい部位はどれか。

 

  1. 毛髪
  2. 爪床
  3. 眼球結膜

 

 


 
▶111回午前13

黄疸のある成人患者にみられる随伴症状はどれか。

 

  1. 動悸
  2. 難聴
  3. 関節痛
  4. 搔痒感

 

 

浮腫

浮腫(むくみ)は、細胞間の水分がたまり、排泄されない状態をいう。甲状腺機能低下症低栄養による低アルブミン血症で症状としてあらわれるほか、リンパ環流の不全やうっ血性心不全などによってもみられる。

 

▶105回午後14

浮腫が生じやすいのはどれか。

 

  1. 甲状腺機能亢進症
  2. 過剰な運動
  3. 低栄養
  4. 熱中症

 

 


 
▶108回午後14

浮腫の原因となるのはどれか。

 

  1. 膠質浸透圧の上昇
  2. リンパ還流の不全
  3. 毛細血管内圧の低下
  4. 毛細血管透過性の低下

 

 

チアノーゼ

チアノーゼは、血中の酸素不足により皮膚や粘膜が青紫色に変色することをいい、毛細血管中の血中還元ヘモグロビンが5g/dL以上に増加した際に出現する。

 

▶112回午後14・108回午前13類問・104回午後14類問

チアノーゼとは(  )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。
(  )に入るのはどれか。

 

  1. ビリルビン
  2. ヘモグロビン
  3. ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉
  4. 脱酸素化ヘモグロビン〈還元ヘモグロビン〉

 

 


 
▶102回午前12

チアノーゼの際の皮膚の色に最も近いのはどれか。

 

 

 

炎症

C反応性蛋白質〈CRP〉は炎症疾患の指標である蛋白質で、関節リウマチなどの炎症疾患で炎症マーカーとして用いられる。

 

▶112回午前16

炎症マーカーはどれか。

 

  1. CA19-9
  2. 抗核抗体
  3. C反応性蛋白質〈CRP〉
  4. リウマトイド因子〈RF〉

 

 

廃用症候群

長期臥床などの活動性の低下により、筋萎縮や骨萎縮、起立性低血圧、食欲低下など、二次的に身体機能が低下する廃用症候群が生じやすくなる。

 

▶112回午後19

不活動状態が持続することで生じるのはどれか。

 

  1. 廃用症候群
  2. 緊張病症候群
  3. 慢性疲労症候群
  4. シックハウス症候群

 

 


 
▶102回午後17

長期臥床によって生じるのはどれか。

 

  1. 高血糖
  2. 筋萎縮
  3. 食欲増進
  4. 心拍出量の増加

 

 

ダウン症候群

ダウン症候群は、21番染色体の先天性異常(21トリソミー)により生じ、知的障害、先天性白内障、特徴的顔貌、低身長、筋緊張低下などがみられる。

 

▶102回午前6

Down〈ダウン〉症候群を生じるのはどれか。

 

  1. 13トリソミー
  2. 18トリソミー
  3. 21トリソミー
  4. 性染色体異常

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

看護師国家試験の必修問題の詳細については、看護師国家試験必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】をご確認下さい。

 

当ページでは、保健師助産師看護師国家試験出題基準の必修問題の大項目として示される「看護における倫理」「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」「看護の対象としての患者と家族」を中心に、第112回から第102回看護師国家試験までの必修問題の中からピックアップし、解説とともに掲載します。

 

必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】必修問題まとめ(3)【人体の構造と機能・健康障害・薬物】必修問題まとめ(4)【看護技術】と合わせて、11年分のほぼすべての必修問題を網羅していますので、学習や確認にご活用下さい。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

必修問題目次

看護における倫理

人間の特性

人間のライフサイクル各期の特徴と生活

  • 新生児・乳幼児期
  • 学童期
  • 思春期・青年期
  • 成人期
  • 更年期
  • 老年期

看護の対象としての患者と家族

 

 

看護における倫理

倫理原則

  • 看護実践における倫理原則として、「自律尊重」「無危害」「善行」「公正と正義」「誠実と忠誠」の5原則がある。
  • 善行の原則は、患者のために最善を尽くすことをいう(患者の症状、感情に合わせた最良の医療・看護提供など)。

  

▶102回午後4

倫理原則の「善行」はどれか。

 

  1. 患者に身体的損傷を与えない。
  2. 患者に利益をもたらす医療を提供する。
  3. すべての人々に平等に医療を提供する。
  4. 患者が自己決定し選択した内容を尊重する。

 

 

看護師の倫理綱領

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領では、看護師の基本的な看護の責任として、「健康の増進」「疾病の予防」「健康の回復」「苦痛の緩和と尊厳ある死の推奨」を挙げている。

  

▶106回午後5

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

 

  1. 疾病の回復
  2. 医師の補助
  3. 苦痛の緩和
  4. 薬剤の投与

 

 

 

人間の特性

QOL(生活の質)

QOL(Quality of Life)は生活の質と訳され、本人の満足感が重要な尺度である。

  

▶107回午前5

QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 高度医療の受療
  2. 本人の満足感
  3. 乳児死亡率
  4. 生存期間

 

 

マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説では、低階層から、「生理的(食事、排泄、睡眠等)欲求」「安全(危険回避)の欲求」「社会的(所属・愛情)欲求」「自尊(承認)の欲求」「自己実現の欲求」となっており、人間は低階層の欲求が満たされると高階層の欲求に移っていくことをあらわす。

  

▶102回午後5

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最も低次の欲求はどれか。

 

  1. 自己実現の欲求
  2. 所属と愛の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 安全の欲求

 

 


 
▶108回午後6

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 自己実現の欲求
  3. 承認の欲求
  4. 生理的欲求

 

 


 
▶111回午前6改題・104回午後5類問

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で社会的欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 帰属の欲求
  3. 自己実現の欲求
  4. 睡眠の欲求

 

 


 
▶109回午後17

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

 

  1. 尊重されたい。
  2. 休息をとりたい。
  3. 他人と関わりたい。
  4. 自分の能力を発揮したい。

 

 


 
▶107回午後25

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 承認の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 自己実現の欲求
  5. 所属と愛の欲求

 

 

フィンクの危機モデル

臨床場面等で、危機的状況に対する過程を模式的に表した危機モデルを用いた対応がなされる。そのうち、フィンクは、①衝撃、②防御的退行、③承認、④適応の4段階を示し、感情的・防御的な対応から問題解決型の対応になっていく過程を表している。

  

▶111回午後6

フィンク, S. L.の危機モデルで第2段階はどれか。

 

  1. 衝撃
  2. 承認
  3. 適応
  4. 防御的退行

 

 

キューブラー・ロスの死にゆく人の心理変化

キューブラー・ロスは、死にゆく人の心理の変化を、①否認と孤立、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容の5段階で捉え、自己防衛的態度から死の受容までのモデルを示した。

  

▶106回午後12

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

 

  1. 死ぬことへの諦め
  2. 延命のための取り引き
  3. 死を認めようとしない否認
  4. 死ななければならないことへの怒り

 

 


 
▶110回午前13

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第5段階はどれか。

 

  1. 怒り
  2. 否認
  3. 死の受容
  4. 取り引き

 

 

セリエのストレス反応

セリエは、精神的緊張(ストレッサー)を受けたときに生体に起きる一定の反応(ストレス反応)を提唱した。

  

▶108回午前3

セリエ, H.が提唱した理論はどれか。

 

  1. 危機モデル
  2. ケアリング
  3. セルフケア
  4. ストレス反応

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:新生児・乳幼児期

原始反射

生後すぐの新生児からみられる原始反射として、手に刺激を与えた際に握ろうとする手掌把握反射、外部からの刺激に対して両手を広げて抱きつくようなモロー反射があり、これらは生後3~4か月で消失する。

  

▶110回午前6・107回午前6類問

出生時からみられ、生後4か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 手掌把握反射
  2. 足底把握反射
  3. パラシュート反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 


 
▶103回午前6

出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 足踏み反射
  2. パラシュート反射
  3. Moro〈モロー〉反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 

乳児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す乳児の粗大運動の発達目安では、3~4か月に首のすわり、5~6か月に寝返り、7~8か月にお座り、9~10か月につかまり立ちとされる。

  

▶108回午後7

生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

 

  1. 寝返り
  2. お座り
  3. 首のすわり
  4. つかまり立ち

 

 

幼児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す幼児の粗大運動の発達目安では、けんけん〈片足跳び〉は運動バランスの発達する3歳半~4歳とされる。

  

▶112回午前7

運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。

 

  1. 階段を昇る。
  2. ひとりで立つ。
  3. ボールを蹴る。
  4. けんけん〈片足跳び〉をする。

 

 

乳児期の分離不安・人見知り

生後6〜8か月ころの乳児期には身近な家族等の顔を見分け、応答的な愛着関係がみられるようになり、親から離されることへの分離不安や、知らない相手には人見知りがはじまる。

  

▶102回午後8

乳児期の特徴はどれか。

 

  1. 分離不安
  2. 第一次反抗期
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性の確立

 

 


 
▶104回午後6

乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。

 

  1. 生後1〜2か月
  2. 生後6〜8か月
  3. 生後18〜24か月
  4. 生後36〜42か月

 

 

乳児期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、乳児期は母親に対する基本的信頼感を得るため、基本的信頼感対不信感の葛藤が生じる。

  

▶108回午後8

エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。

 

  1. 親密
  2. 同一性
  3. 自主性
  4. 基本的信頼

 

 

乳児期の呼吸の型

  • 新生児期や乳児期では、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸が中心である。
  • 7~8歳ころの学童期以降は胸式呼吸が優位となり、その間の幼児期後期ころは両者を組み合わせた胸腹式呼吸がみられる。

  

▶109回午後7

乳児期における呼吸の型はどれか。

 

  1. 肩呼吸
  2. 胸式呼吸
  3. 腹式呼吸
  4. 胸腹式呼吸

 

 

新生児の生理的体重減少

出生後すぐの新生児は、母乳を飲む量が少ない一方で呼気や皮膚から水分が喪失(不感蒸泄)するため、生後3日ころには一時的に体重が減少する生理的体重減少が起こる。

  

▶112回午後7

正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

 

  1. 生後3〜5日
  2. 生後8〜10日
  3. 生後13〜15日
  4. 生後18〜20日

 

 

乳幼児の身体の発達

出生時の平均体重は約3kgで、3か月ごろには約2倍、1年ごろには約3倍となる。また、出生時の平均身長は約50cmで、1年ごろには約1.5倍、4年ごろには約2倍となる。

  

▶106回午前6・102回午後6類問

標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。

 

  1. 生後3か月
  2. 生後6か月
  3. 生後9か月
  4. 生後12か月

 

 

乳歯

乳歯は、生後6~8か月ころから生え始め、2~3歳ころには上下各10本、計20本生えそろう。

  

▶110回午後7

乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。

 

  1. 0〜1歳
  2. 2〜3歳
  3. 4〜5歳
  4. 6〜7歳

 

 


 
▶102回午前7

乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。

 

  1. 16本
  2. 20本
  3. 24本
  4. 28本

 

 

大泉門の閉鎖

大泉門は頭頂骨と前頭骨に囲まれたくぼみであり、成長とともに縮んで1歳6か月ころに閉鎖する。

  

▶112回午後6

大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。

 

  1. 6か月
  2. 1歳6か月
  3. 2歳6か月
  4. 3歳6か月

 

 

乳幼児の脳重量の発達

脳重量は出生時には成人の4分の1程度であるが、乳幼児期に急速に発達し、乳児期には50%、幼児後期の5〜6歳ころには成人の90%に達する。

  

▶102回午後7

標準的な発育をしている児において脳重量が成人の約90%に達する年齢はどれか。

 

  1. 5〜6歳
  2. 8〜9歳
  3. 11〜12歳
  4. 15〜16歳

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:学童期

学童期の特徴

エリクソンが示す発達課題では、学童期(5歳から13歳ころ)には様々な課題の達成に挑戦して他者と比べた有能感を獲得する過程で、勤勉性対劣等感の葛藤が生じる。

  

▶112回午後8

エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。

 

  1. 親密 対 孤立
  2. 自律性 対 恥・疑惑
  3. 勤勉性 対 劣等感
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:思春期・青年期

思春期の特徴

思春期には、依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情を持ちながらも、自我同一性の確立の過程で、親からの心理的離乳、年長者の価値観への拒絶、同世代の仲間との価値観の共有がみられる(第2反抗期)。

  

▶107回午前7

思春期にみられる感情の特徴はどれか。

 

  1. 情緒的に安定し穏やかになる。
  2. 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
  3. 親に対して強い愛情表現を示す。
  4. 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。

 

 


 
▶103回午後24

思春期に特徴的にみられるのはどれか。

 

  1. 愛着行動
  2. 分離不安
  3. 自己同一性の確立
  4. 基本的信頼関係の確立

 

 


 
▶104回午前6

思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 親からの干渉を嫌うようになる。
  2. 親と離れると不安な様子になる。
  3. 親に秘密を打ち明けるようになる。
  4. 親からの助言を素直に聞けるようになる。

 

 


 
▶108回午前9

思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。

 

  1. 教師
  2. 祖父母
  3. 友人
  4. 両親

 

 

男子の第二次性徴(精通)

思春期に起こる第二次性徴では、男子で精通(初めての射精)がみられ、中学3年生ころには半数以上が経験するとされる。

  

▶110回午後8・106回午前7類問

男子の第二次性徴による変化はどれか。

 

  1. 精通
  2. 骨盤の拡大
  3. 皮下脂肪の増加
  4. 第1大臼歯の萌出

 

 

第二次性徴の発現に関与するホルモン

思春期に下垂体から黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンが分泌されることで、男子ではアンドロゲン(テストステロン)が、女子では卵胞ホルモン(エストロゲン)がつくられ、第二次性徴が発現・成熟する。

  

▶109回午前5

第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。

 

  1. 抗利尿ホルモン〈ADH〉
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  4. 甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉

 

 


 
▶103回午後5

思春期に分泌が増加するホルモンはどれか。

 

  1. グルカゴン
  2. オキシトシン
  3. カルシトニン
  4. アンドロゲン

 

 

青年期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、青年期(13歳から20歳ころ)は、自分は何者であるかという自己同一性(アイデンティティ)の確立を達成するため、同一性対同一性の混乱の葛藤が生じる。

  

▶109回午後6

エリクソン, E. H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。

 

  1. 生殖性 対 停滞
  2. 勤勉性 対 劣等感
  3. 自主性 対 罪悪感
  4. 同一性 対 同一性混乱

 

 

成人の基礎代謝量

日本人の食事摂取基準(2020年版)で推定された基礎代謝量は、男性は15~17歳(1,610kcal/日)、女性は12~14歳(1,410 kcal/日)で最も高く、青年期以降は加齢に伴って低下していく。

  

▶111回午後8・106回午後8類問・102回午前9類問

次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年期
  3. 向老期
  4. 老年期

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:成人期

成人期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題として、成人期(壮年期・中年期)では職業生活の開始と地位の確保、経済的な自立、配偶者の選択などの課題が挙げられる。

  

▶112回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。

 

  1. 経済的に自立する。
  2. 身体的衰退を自覚する。
  3. 正、不正の区別がつく。
  4. 読み、書き、計算ができる。

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:更年期

平均閉経年齢

日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされる。

  

▶111回午前9・105回午前7類問

日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

 

  1. 30歳
  2. 40歳
  3. 50歳
  4. 60歳

 

 

更年期ころの女性

閉経前後に当たる更年期の女性は、卵巣機能の低下により卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少する一方で、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン)は分泌を増やすため、ホルモンバランスが乱れ、ほてりや発汗、抑うつなどがみられる。

  

▶103回午前7

閉経前と比べ閉経後に低下するホルモンはどれか。

 

  1. 卵胞ホルモン
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 
▶107回午後7

更年期の女性で増加するのはどれか。

 

  1. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  2. テストステロン
  3. プロラクチン
  4. エストロゲン

 

 

 

人間のライフサイクル各期の特徴と生活:老年期

老年期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題では、老年期は体力と健康の衰退・退職と収入の減少・配偶者の死などに適応する時期である。

  

▶110回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する老年期の発達課題はどれか。

 

  1. 子どもを育てる。
  2. 退職と収入の減少に適応する。
  3. 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。
  4. 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。

 

 

老年期の身体的変化

加齢により、以下のような多くの身体的変化がみられる。

 

  • 大動脈の硬化による血管抵抗の増大(収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の低下)
  • 高音域が聞こえづらくなる(加齢性難聴)
  • 嗅覚機能の低下(反応下限値(閾値)の上昇)
  • 外来抗原に対する抗体の産生能の低下
  • インスリン分泌量の低下による空腹時血糖の上昇
  • 最大換気量の大幅な低下
  • 総水分量が成人期(約60%)から減少(約50~55%)
  • 自律性体温調節反応の低下により熱中症を引き起こしやすくなる
  • 代謝・排出機能の低下等により薬物の副作用〈有害事象〉が生じやすい

  

▶109回午後8

老年期にみられる身体的な変化はどれか。

 

  1. 血管抵抗の増大
  2. 消化管の運動の亢進
  3. 水晶体の弾性の増大
  4. メラトニン分泌量の増加

 

 


 
▶107回午前8

老年期の身体的な特徴はどれか。

 

  1. 総水分量が増加する。
  2. 胸腺の重量が増加する。
  3. 嗅覚の閾値が低下する。
  4. 高音域における聴力が低下する。

 

 


 
▶105回午後7

加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。

 

  1. 腎血流量
  2. 最大換気量
  3. 空腹時血糖
  4. 神経伝導速度

 

 


 
▶106回午前8

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 尿量の増加
  2. 味覚の感度の向上
  3. 体温調節能の低下
  4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進

 

 

加齢に伴う知能の変化

  • 加齢とともに、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、処理・操作していく知能である流動性知能(記銘力等)は低下を続ける。
  • 一方、長年の経験や教育、学習から獲得する知能である結晶性知能(洞察力、判断力、統合力等)は、20歳以降も上昇し、高齢になっても維持・安定している。

  

▶104回午前7

加齢によって衰えやすい機能はどれか。

 

  1. 記銘力
  2. 洞察力
  3. 判断力
  4. 統合力

 

 

成人(高齢者)の水分量

成人の体重に占める水分量は約60%高齢者は50~55%)であり、このうち細胞内液が約40%を占め、残る細胞外液のうち、間質液(リンパ液含む)は約15%、血漿は約5%とされる。

  

▶102回午後10

健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 


 
▶105回午前13

高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 45%
  2. 55%
  3. 65%
  4. 75%

 

 


 
▶108回午後9

成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。

 

  1. 血漿
  2. 間質液
  3. 細胞内液
  4. リンパ液

 

 

 

看護の対象としての患者と家族

家族成員

家族は、配偶関係や血縁関係、親族関係などを基礎にした2人以上の小規模な共同体を表す。

  

▶112回午後9

家族成員の最少人数はどれか。

 

  1. 4人
  2. 3人
  3. 2人
  4. 1人

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

看護師国家試験の問題は、大きく必修問題一般問題・状況設定問題の二つに分けられます。

 

合格のためには、①必修問題(1問1点)で50点中40点以上(80%以上)、②一般問題(1問1点)・状況設定問題(1問2点)で250点中約160点(毎年変動)以上の二つの基準を満たす必要があります。つまり、一般問題・状況設定問題で合格基準を突破しても、必修問題で39問以下の正解しかできなければ不合格となります(不適切問題として除外等されない場合)。

 

問題数に対して必修問題の合格ラインが高く、看護師試験の学習としては、まず基礎的な土台を固めて必修問題を落とさないことが最重要であり、その後、より応用的な知識を身に付けて一般問題・状況設定問題で点数を積み上げていく方針が定番となっています。

 

必修問題は重要な基本的事項を問うものとされ、問題内容から午前と午後のそれぞれ最初の25問、合計50問が該当すると一般的に考えられます(必修問題の箇所は公表されていないので不確定)。その範囲・難易度は看護師国家試験出題基準に沿って限られ、過去の問題と同内容・傾向の問題がたびたび出題されるため、過去問の対策がとくに重要です。

 

例えば、第111回(令和4年)看護師国家試験の必修問題が、110回から101回までの10年間の必修問題部分で何問出題されたかをみると、必修問題として不適当とされた2問を除いた48問のうち、10年間の必修問題で類似内容の問題は28問(58.3%)出題されています。

 

つまり、111回試験では、過去10年間の必修問題を解き、周辺知識を含めてしっかりと理解すれば、必修問題の半分以上が確実に正答できたということであり、過去問対策の重要性がわかります。なお、過去5年間に限るとカバー率は13問(27.1%)と下がるため、より以前の過去問題から触れることをおすすめします。

 

当ページでは、112回から102回試験までの必修問題の中から、「国民衛生の動向」が対応する問題を網羅し、本誌の内容に沿ってテーマごとに並び替え、ポイントを絞った解説を掲載します。

 

必修問題まとめ②【看護の倫理・対象】必修問題まとめ③【人体の構造と機能・健康障害・薬物】必修問題まとめ④【看護技術】と合わせて、11年分のほぼすべての必修問題を網羅していますので、学習や確認にご活用下さい。

 

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必修問題目次

衛生行政活動

衛生の主要指標

  • 人口・世帯
  • 出生・死亡・婚姻
  • 平均寿命・健康寿命
  • 有訴者・通院者・受療率

健康増進対策

  • 生活習慣病対策
  • 運動・肥満・喫煙

保健・疾病対策

  • 精神保健
  • 感染症
  • 疾病対策

医療提供体制

  • 医療法
  • 患者の権利
  • 医療安全管理体制
  • 訪問看護
  • 看護師の各種規定
  • 医療関係者
  • 医療施設

医療保険・国民医療費

介護保険・社会福祉

薬事・生活・労働・環境・学校

 

 

衛生行政活動

保健所

保健所は地域保健法に基づき、地域における公衆衛生の向上と増進を図るため一般的に都道府県が設置する。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶110回午前10

地域保健法に基づき設置されているのはどれか。

 

  1. 診療所
  2. 保健所
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶105回午前9

保健所の設置主体で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 社会福祉法人
  3. 独立行政法人

 

 

市町村保健センター

市町村保健センターは地域保健法に基づき、住民を対象とした健康相談・保健指導・健康診査など地域保健に関し必要な事業を行うため、市町村が設置することができる。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶112回午後10

地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 病気の治療
  2. 住民の健康診査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 専門的で広域的な健康課題への対応

 

 


 
▶103回午前8

市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 廃棄物の処理
  2. 人口動態統計調査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 地域住民の健康づくり

 

 

世界保健機関〈WHO〉憲章

WHO憲章では、健康を単に疾病等がないことではなく、完全な肉体的、精神的、社会的福祉の状態と定義し、様々な差別なく、すべての人が有する権利として、個人と国家の協力の下に達成するために、WHOの目的としてすべての人が最高の健康水準に到達することをうたっている。

第1編2章 12.世界保健機関〈WHO〉 p36~39

 

▶107回午後1

世界保健機関〈WHO〉が定義する健康について正しいのはどれか。

 

  1. 単に病気や虚弱のない状態である。
  2. 国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
  3. 肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
  4. 経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。

 

 

 

人口

総人口

令和4年(2022年)の総人口は1億2495万人で、平成22年(2010年)頃から減少傾向にある。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶110回午前1改題・102回午前1類問

令和4年(2022年)の日本の総人口に最も近いのはどれか。

 

  1. 1億人
  2. 1億500万人
  3. 1億2,500万人
  4. 1億4,500万人

 

  

年齢3区分別人口

令和4年(2022年)10月1日現在の年齢3区分別人口構成割合は、

 

  • 年少人口(0~14歳):11.6%
  • 生産年齢人口(15~64歳):59.4%
  • 老年人口(65歳以上):29.0%

 

で、少子高齢化により年少人口と生産年齢人口は減少傾向、老年人口は増加傾向にある。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶104回午後7

人口年齢区分における15歳から64歳までの年齢区分はどれか。

 

  1. 従属人口
  2. 年少人口
  3. 老年人口
  4. 生産年齢人口

 

 


 
▶105回午前1改題

日本の令和4年(2022年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 49%
  2. 59%
  3. 69%
  4. 79%

 

 


 
▶108回午後1改題

日本における令和4年(2022年)の総人口に占める老年人口の割合で最も近いのはどれか。

 

  1. 19%
  2. 29%
  3. 39%
  4. 49%

 

 


 
▶109回午後9改題

令和4年(2022年)の日本の人口推計で10年前より増加しているのはどれか。

 

  1. 総人口
  2. 年少人口
  3. 老年人口
  4. 生産年齢人口

 

 

将来推計人口

将来推計人口(平成29年推計)によると、総人口は令和47年(2065年)に8808万人と1億人を切るとされ、そのうち老年人口(65歳以上人口)は38.4%と推計されている。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶111回午後1

平成29年(2017年)推計による日本の将来推計人口で令和47年(2065年)の将来推計人口に最も近いのはどれか。

 

  1. 6,800万人
  2. 8,800万人
  3. 1億800万人
  4. 1億2,800万人

 

 


 
▶104回午前1改題

日本の将来推計人口で2065年の65歳以上人口が総人口に占める割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 23%
  2. 38%
  3. 53%
  4. 68%

 

 

 

世帯

全世帯の世帯構造別割合

令和3年(2021年)の世帯構造別にみた世帯割合は多い順に、

 

単独世帯:29.5%

②夫婦と未婚の子のみの世帯:27.5%

③夫婦のみの世帯:24.5%

④ひとり親と未婚の子のみの世帯:7.1%

三世代世帯:4.9%

 

となっている。なお、②~④を合わせた核家族世帯は59.1%となっている。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶103回午後6改題

令和3年(2021年)の国民生活基礎調査で、単独世帯の占める割合はどれか。

 

  1. 9.5%
  2. 29.5%
  3. 49.5%
  4. 69.5%

 

 


 
▶111回午前10改題・105回午前8類問

令和3年(2021年)の国民生活基礎調査で次の世帯構造のうち最も少ないのはどれか。

 

  1. 単独世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 夫婦と未婚の子のみの世帯

 

 


 
▶104回午後8改題

令和3年(2021年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 30%
  2. 45%
  3. 60%
  4. 75%

 

 

平均世帯人員

令和3年(2021年)の平均世帯人員は2.37人で減少傾向が続いている。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶109回午前7改題

令和3年(2021年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数はどれか。

 

  1. 1.37
  2. 2.37
  3. 3.37
  4. 4.37

 

 

65歳以上の者のいる世帯の割合

令和3年(2021年)の65歳以上の者のいる世帯の割合は49.7%で、総世帯数の半数近くを占めている。

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

 

▶110回午前9改題・102回午後9類問

令和3年(2021年)の国民生活基礎調査で65歳以上の者のいる世帯の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 10%
  2. 30%
  3. 50%
  4. 70%

 

 

 

出生

出生数

令和4年(2022年)の出生数は77.1万人(過去最低)で、減少傾向にある。

第2編2章 2.出生 p49~53

 

▶110回午後1改題・103回午前1類問

令和4年(2022年)の日本の出生数に最も近いのはどれか。

 

  1. 50万人
  2. 80万人
  3. 110万人
  4. 140万人

 

 

合計特殊出生率

合計特殊出生率は、15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものをいい、令和4年(2022年)は1.26となっている。

第2編2章 2.出生 p49~53

 

▶104回午後1改題

日本の令和4年(2022年)における合計特殊出生率はどれか。

 

  1. 0.76
  2. 1.26
  3. 1.76
  4. 2.26

 

 

母の年齢階級別出生率

令和4年(2022年)の母の年齢階級別出生率をみると、30~34歳が0.4706と最も高く、次いで25~29歳(0.3483)となっている。

第2編2章 2.出生 p49~53

 

▶102回午前21改題

日本の令和4年(2022年)における母の年齢階級別出生率が最も高いのはどれか。

 

  1. 20~24歳
  2. 25~29歳
  3. 30~34歳
  4. 35~39歳
  5. 40~44歳

 

 

 

死亡

死亡数

令和4年(2022年)の死亡数は156.9万人で、増加傾向にある。

第2編2章 3.死亡 p53~62

 

▶111回午前2改題・106回午後1類題

日本の令和4年(2022年)の死亡数に近いのはどれか。

 

  1. 117万人
  2. 137万人
  3. 157万人
  4. 177万人

 

 

死因順位

令和4年(2022年)の主要死因別にみた死亡順位は以下のとおりである。

 

第1位:悪性新生物〈腫瘍〉

第2位:心疾患

第3位:老衰

第4位:脳血管疾患

第5位:肺炎

第2編2章 3.死亡 p53~62

 

▶103回午後1改題

日本の令和4年(2022年)における主要死因別にみた死亡率が最も高いのはどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 心疾患
  3. 悪性新生物〈腫瘍〉
  4. 脳血管疾患

 

 


 
▶109回午前1改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における主要死因別の死亡率で心疾患の順位はどれか。

 

  1. 1位
  2. 2位
  3. 3位
  4. 4位

 

 

小児の死因順位

令和4年(2022年)の年齢階級別にみた小児の死因の第1位は以下のとおりである。

 

0歳:先天奇形、変形及び染色体異常

1~4歳:先天奇形、変形及び染色体異常

5~9歳:悪性新生物〈腫瘍〉

10~14歳:自殺

第2編2章 3.死亡 p53~62

 

▶102回午前8改題

日本における令和4年(2022年)の5~9歳の子どもの死因で最も多いのはどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 心疾患
  3. 不慮の事故
  4. 悪性新生物〈腫瘍〉

 

 

悪性新生物〈腫瘍〉

令和4年(2022年)の悪性新生物〈腫瘍〉による死亡数は38.6万(男性22.3万人・女性16.3万人)で、部位別にみると、男性では「気管、気管支及び肺」が、女性では「大腸」(結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸)が最も多い。

第2編2章 3.死亡 p53~62

 

▶108回午前2改題

日本における令和4年(2022年)の部位別にみた悪性新生物〈腫瘍〉の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。

 

  1. 肝及び肝内胆管
  2. 気管、気管支及び肺
  3. 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸

 

 

自殺の動機

令和4年(2022年)の自殺者の原因・動機をみると、健康問題が46.8%と最も高い。

第2編2章 3.死亡 p53~62

 

▶104回午後2改題

警察庁の「令和4年(2022年)中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

 

  1. 学校問題
  2. 家庭問題
  3. 勤務問題
  4. 健康問題

 

 

 

婚姻

平均初婚年齢

令和4年(2022年)の平均初婚年齢は、夫が31.1歳、妻が29.7歳である。

第2編2章 8.婚姻 p67~68

 

▶112回午前1改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。

 

  1. 19.7歳
  2. 24.7歳
  3. 29.7歳
  4. 34.7歳

 

 

 

平均寿命・健康寿命

平均寿命

平均寿命とは0歳の平均余命をいい、令和3年(2021年)の簡易生命表では、男性が81.47年、女性が87.57年となっている。

第2編3章 生命表 p71~74

 

▶107回午前1・103回午前2類問

平均寿命で正しいのはどれか。

 

  1. 0歳の平均余命である。
  2. 20歳の平均余命である。
  3. 60歳の平均余命である。
  4. 死亡者の平均年齢である。

 

 


 
▶109回午後1改題・102回午後1類問

令和3年(2021年)の日本における簡易生命表で女性の平均寿命に最も近いのはどれか。

 

  1. 78年
  2. 83年
  3. 88年
  4. 93年

 

 


 
▶105回午後1改題・112回午後1類問

日本の令和3年(2021年)における男性の平均寿命はどれか。

 

  1. 71.47年
  2. 76.47年
  3. 81.47年
  4. 86.47年

 

 

健康寿命

健康寿命とは日常生活に制限のない期間であり、令和元年(2019年)は男性72.68年・女性75.38年と男女ともに延伸している。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶111回午後9

世界保健機関〈WHO〉が平成12年(2000年)に提唱した「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」はどれか。

 

  1. 健康寿命
  2. 健康余命
  3. 平均寿命
  4. 平均余命

 

 

 

有訴者・通院者・受療率

有訴者

令和元年(2019年)の病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)は、人口千人当たり302.5(男性270.8・女性332.1)であり、症状別にみると男性は腰痛、女性は肩こりが最も高い。(なお、令和4年調査では女性も腰痛が最も高い)

第2編4章 1.健康状態 p75~77

 

▶106回午前1改題

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。

 

  1. 2.5
  2. 102.5
  3. 302.5
  4. 502.5

 

 


 
▶109回午前25改題

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で、男性の有訴者の症状が最も多いのはどれか。

 

  1. 腰痛
  2. もの忘れ
  3. 体がだるい
  4. 目のかすみ
  5. 手足の関節が痛む

 

 


 
▶112回午前2

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。

 

  1. 頭痛
  2. 肩こり
  3. 体がだるい
  4. 目のかすみ

 

 

通院者

令和元年(2019年)の傷病で通院している者(通院者)は、人口千人当たり404.0(男性388.1・女性418.8)であり、傷病別にみると、男女ともに高血圧症が最も高い(男性129.7・女性122.7)。

第2編4章 1.健康状態 p75~77

 

▶108回午後2改題・104回午前2類問

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。

 

  1. 糖尿病
  2. 腰痛症
  3. 高血圧症
  4. 眼の病気

 

 

受療率

受療率とは、人口10万人に対する推計患者数をいい、令和2年(2020年)の患者調査によると、入院受療率は精神及び行動の障害(188)が、外来受療率は消化器系の疾患(1007)が最も多い。

第2編4章 2.受療状況 p77~80

 

▶110回午前2改題

令和2年(2020年)の患者調査における外来受療率(人口10万対)で最も多い傷病はどれか。

 

  1. 新生物〈腫瘍〉
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 消化器系の疾患
  4. 内分泌、栄養及び代謝疾患

 

 

 

生活習慣病対策

一次予防・二次予防・三次予防

疾病の予防対策には、生活習慣の改善や予防接種等により発症そのものを予防する一次予防、検診等により発症の早期発見・早期治療により重症化を予防する二次予防、リハビリテーション等により疾病の進行後の社会復帰を図る三次予防がある。

第3編1章 1.生活習慣病 p81~86

 

▶104回午前15

生活習慣病の一次予防はどれか。

 

  1. 早期治療
  2. 検診の受診
  3. 適切な食生活
  4. 社会復帰を目指したリハビリテーション

 

 


 
▶108回午前1

疾病や障害に対する二次予防はどれか。

 

  1. 早期治療
  2. 予防接種
  3. 生活習慣の改善
  4. リハビリテーション

 

 


 
▶111回午後2

生活習慣病の三次予防はどれか。

 

  1. 健康診断
  2. 早期治療
  3. 体力づくり
  4. 社会復帰のためのリハビリテーション

 

 

健康日本21(第二次)

健康日本21(第二次)では、食塩摂取量を1日当たり8gに減少させることを目標の一つとして掲げている。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶112回午後2・107回午後2類問

健康日本21(第二次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 6.0g
  2. 8.0g
  3. 10.0g
  4. 12.0g

 

 

 

運動・肥満・喫煙

運動習慣の効果

適切な身体活動・運動は、生活習慣病の予防やメンタルヘルス、生活の質の改善に有効である。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶109回午前2

運動習慣が身体機能にもたらす効果はどれか。

 

  1. 肺活量の減少
  2. 耐糖能の低下
  3. 免疫力の向上
  4. 中性脂肪の増加

 

 


 
▶105回午前2

運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉量の減少
  2. 体脂肪率の増加
  3. 最大換気量の減少
  4. 基礎代謝量の増加

 

 

運動習慣のある者の割合

令和元年(2019年)の運動習慣のある割合は男女ともに70歳以上が最も多い(男性42.7%・女性35.9%)。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶110回午後2改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査において、男性で運動習慣のある割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶107回午前25改題・103回午後25類問

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

 

  1. 30~39歳
  2. 40~49歳
  3. 50~59歳
  4. 60~69歳
  5. 70歳以上

 

 

肥満

令和元年(2019年)の男性の肥満者(BMI≧25.0)の割合は、40歳代39.7%)が最も多く、次いで50歳代(39.2%)となっている。

第3編1章 1.生活習慣病 p81~86

 

▶108回午前10改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。

 

  1. 15~19歳
  2. 30~39歳
  3. 40~49歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶106回午後2改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 

肥満度の評価指数

肥満度を評価する指数として、主に乳幼児に用いるカウプ指数「体重(g)÷身長(cm)2×10」、学童期に用いるローレル指数「体重(g)÷身長(cm)3×104」、成人に用いるBMI「体重(kg)÷身長(m)2」がある。

第3編1章 1.生活習慣病 p81~86

 

▶106回午後21

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

  1. 体重(g)÷身長(cm)2×10
  2. 体重(g)÷身長(cm)3×104
  3. 体重(kg)÷身長(m)2
  4. (実測体重(kg)-標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100

 

 

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準として必須項目である腹囲〈ウエスト周囲径〉は、男性で85cm以上、女性で90cm以上とされている。

第3編1章 1.生活習慣病 p81~86

 

▶112回午前15

メタボリックシンドロームの診断基準において男性の腹囲〈ウエスト周囲径〉で正しいのはどれか。

 

  1. 80cm以上
  2. 85cm以上
  3. 90cm以上
  4. 95cm以上

 

 

喫煙率

令和元年(2019年)の喫煙率は男性が27.1%、女性が7.6%となっている。男女ともに喫煙率は低下傾向にある。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶109回午後2改題・105回午後2類問

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 7%
  2. 17%
  3. 27%
  4. 47%

 

 

ブリンクマン指数

喫煙指数(ブリンクマン指数)は喫煙による疾患のリスクを数字で表すもので、1日の喫煙本数×喫煙年数で求められる。

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

 

▶112回午前3

喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なのはどれか。

 

  1. 喫煙開始年齢
  2. 受動喫煙年数
  3. 家庭内の喫煙者数
  4. 1日の平均喫煙本数

 

 

 

精神保健

認知症

認知症の症状は、記憶障害や見当識障害(自分がどこにいるかわからなくなる等の症状)、理解力・判断力の低下などの中核症状と、行動・心理症状(BPSD)に大別される。

第3編2章 2.老人保健 p105~108

 

▶105回午前16

認知症の中核症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 抑うつ
  3. 希死念慮
  4. 見当識障害

 

 

災害による精神疾患

発災後数日から数週間の急性期には急性ストレス障害が生じやすい。なお、発災後1か月以降の中長期以降には、慢性疾患の悪化や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が生じやすい。

第3編2章 4.精神保健 p113~119

 

▶105回午前25

災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。

 

  1. 発災後3~7日
  2. 発災後2週~1か月
  3. 発災後半年~3年
  4. 発災後4年目以降

 

 

 

感染症

結核

  • 結核は感染症法上の二類感染症に分類され、空気感染を起こす。
  • 結核菌に感染した場合、必ずしもすぐに発症するわけではなく、長期にわたり体内に潜伏したのち再び活動を開始し、発症することがある。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶111回午前25

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、結核が分類されるのはどれか。

 

  1. 一類
  2. 二類
  3. 三類
  4. 四類
  5. 五類

 

 


 
▶108回午前15

感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 結核
  3. ノロウイルス性胃腸炎
  4. 流行性耳下腺炎

 

 

B型肝炎

B型肝炎ウイルスの感染経路としては血液感染、母子感染(垂直感染)、性行為感染があり、血液感染として医療現場での針刺し事故の可能性も残される。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶106回午後22

針刺し事故によって感染するのはどれか。

 

  1. RSウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. ヘルペスウイルス
  4. サイトメガロウイルス

 

 

C型肝炎

B型肝炎、C型肝炎の治療にはインターフェロン療法が用いられる。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶105回午後16

C型慢性肝炎に使用するのはどれか。

 

  1. ドパミン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. インターフェロン

 

 

風疹

  • 風疹は感染症法上の五類感染症に分類され、主に飛沫感染が感染経路である。
  • 妊婦が妊娠20週ごろまでに風疹に感染すると、白内障や先天性心疾患、難聴などを特徴とする先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶110回午後6

妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。

 

  1. 水痘
  2. 風疹
  3. 麻疹
  4. 流行性耳下腺炎

 

 

麻疹

  • 麻疹は感染症法上の五類感染症に分類され、主に空気感染が感染経路である。
  • 高熱や発症初期に頬粘膜に生じる白色のコプリック斑、その後の耳後部から始まり体の下方へと広がる赤い発疹を特徴とする全身性ウイルス感染疾患である。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶102回午後14

Koplik〈コプリック〉斑がみられる疾患はどれか。

 

  1. 麻疹
  2. 手足口病
  3. 帯状疱疹
  4. ヘルパンギーナ

 

 

性感染症

性感染症の内訳をみると、令和3年(2021年)では、性器クラミジア感染症が30,003人と最も多い。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶106回午前2改題

令和3年(2021年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈STD〉報告数で最も多いのはどれか。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 性器ヘルペス
  4. 淋菌感染症

 

 

インフルエンザ

インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染である。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶112回午後15・106回午後15類問

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. 破傷風
  3. デング熱
  4. インフルエンザ

 

 

水痘

水痘は水痘帯状疱疹ウイルスにより引き起こされる感染症で、典型的な症例では、皮膚の表面が赤くなる発疹(紅斑)から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮(かさぶた)化して治癒する。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶106回午後16

水痘の症状はどれか。

 

  1. 耳下腺の腫脹
  2. 両頰部のびまん性紅斑
  3. 水疱へと進行する紅斑
  4. 解熱前後の斑状丘疹性発疹

 

 

母子感染(垂直感染)

母子感染(垂直感染)は妊娠中の胎内感染、出産時の産道感染、出生後の経母乳感染などがあり、HIV/エイズやB型肝炎、HTLV-1関連疾患などの感染経路の一つでもある。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶107回午後14

母体から胎児への感染はどれか。

 

  1. 水平感染
  2. 垂直感染
  3. 接触感染
  4. 飛沫感染

 

 

レジオネラ肺炎

  • レジオネラ属菌は自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している細菌で、レジオネラ肺炎を引き起こす。
  • 浴槽の湯を濾過器を通して循環させる循環式浴槽では、換水や消毒、清掃を怠ることでレジオネラ属菌が繁殖する危険性が高まる。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p131~144

 

▶103回午後2・112回午後3類問

循環式浴槽の水質汚染によって発生するのはどれか。

 

  1. B型肝炎
  2. マラリア
  3. レジオネラ肺炎
  4. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉

 

 

ヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉

成人T細胞白血病〈ATL〉は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉の感染により発症する可能性があり、発症には主に母乳を介した母子感染が関与している。

第3編3章 3.主な感染症等の動向 p131~144

 

▶103回午後15

ウイルスが原因で発症するのはどれか。

 

  1. 血友病
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 再生不良性貧血
  4. 成人T細胞白血病〈ATL〉

 

 

 

疾病対策

緩和ケア

  • 緩和ケアでは、患者とその家族に対して、終末期だけでなくがんと診断された時から、がん治療と同時に、多職種が連携して身体的症状の緩和や精神心理的な問題を含めた総合的なケアを行うことで、QOL(生活の質)の改善・向上を目指す。
  • 人生の意味や、死生観、宗教観などの観念的な問題であるスピリチュアルな苦痛(スピリチュアルペイン)も対象である。

第3編4章 1.がん対策 p152~155

 

▶110回午前16

緩和ケアの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 入院が原則である。
  2. 家族もケアの対象である。
  3. 創の治癒を目的としている。
  4. 患者の意識が混濁した時点から開始する。

 

 


 
▶112回午前6

緩和ケアの目標で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の治癒
  2. 余命の延長
  3. QOLの向上
  4. 在院日数の短縮

 

 


 
▶107回午後6

スピリチュアルな苦痛はどれか。

 

  1. 手術後の創部痛がある。
  2. 社会的役割を遂行できない。
  3. 治療の副作用に心配がある。
  4. 人生の価値を見失い苦悩する。

 

 

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックはⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)に分類され、体内に入った特定の原因物質(抗原)に対するIgE抗体の反応による、急性の過敏反応をいう。

第3編4章 4.リウマチ・アレルギー疾患対策 p161~162

 

▶105回午後12

特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 出血性ショック
  3. 神経原性ショック
  4. アナフィラキシーショック

 

 

薬物の有害作用の予測

アナフィラキシーショックの予防等を含め、医薬品等により引き起こされる有害作用を予測するため、アレルギー反応(過敏反応)やアレルギー性疾患(過敏症)の既往についての情報を収集することが適切である。

第3編4章 4.リウマチ・アレルギー疾患対策 p161~162

 

▶110回午後22・103回午前19類問

薬物の有害な作用を予測するために収集する情報はどれか。

 

  1. 居住地
  2. 家族構成
  3. 運動障害の有無
  4. アレルギーの既往

 

 

死の三徴候

死の三徴候は、①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失である。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p163~165

 

▶109回午前9

死の三徴候に含まれるのはどれか。

 

  1. 筋の弛緩
  2. 角膜の混濁
  3. 呼吸の停止
  4. 呼名反応の消失

 

 


 
▶107回午後11・103回午後10類問

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。

 

  1. 腹壁反射
  2. 輻輳反射
  3. 対光反射
  4. 深部腱反射

 

 

脳死判定

脳死は脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、脳死判定では、①深い昏睡、②瞳孔の散大と固定、③脳幹反射の消失、④平坦な脳波、⑤自発呼吸の停止の5項目を基準とする。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p163~165

 

▶108回午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 


 
▶105回午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 

 

医療法・患者の権利

インフォームド・コンセント

  • 医療法には、医療提供の際に医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努める旨(インフォームド・コンセント)が規定されている。
  • 1964年のヘルシンキ宣言においてインフォームド・コンセントが提唱された。

第4編1章 1.医療法 p169~170

 

▶104回午前4

医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。

 

  1. エンパワメント
  2. コンプライアンス
  3. リスクマネジメント
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶111回午前5

患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。

 

  1. 父権主義
  2. 医師の裁量権
  3. コンプライアンス
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶102回午前4

ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。

 

  1. リビングウィル
  2. ヘルスプロモーション
  3. ノーマライゼーション
  4. インフォームド・コンセント

 

 

セカンドオピニオン

患者は医療機関等の選択の自由を権利として有し、主治医以外の医師による助言(セカンドオピニオン)を受けることができる。

第4編1章 1.医療法 p169~170

 

▶110回午後4

患者の権利について適切なのはどれか。

 

  1. 患者は入院中に無断で外泊できる。
  2. 患者は治療後に治療費の金額を決定できる。
  3. 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
  4. 患者は自分と同じ疾患の患者の連絡先を入手できる。

 

 

リビングウィル

リビングウィル(Living Will)は、終末期における医療・ケアの方法や方針などを、患者本人があらかじめ書面で意思表示することをいい、本人の意思を直接確認できない状態になった場合に書面に従って治療方針を決定する。

第4編1章 1.医療法 p169~170

 

▶105回午後4

終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。

 

  1. アドヒアランス
  2. リビングウィル
  3. セカンドオピニオン
  4. インフォームド・コンセント

 

 

 

医療安全管理体制

インシデントレポート

インシデントレポートは、医療事故につながりかねないインシデント(ヒヤリ・ハット)が発生した場合、再発防止のために状況把握、要因分析、対策、情報共有を行うものである。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶103回午前9

インシデントレポートの目的はどれか。

 

  1. 責任の追及
  2. 再発の防止
  3. 懲罰の決定
  4. 相手への謝罪

 

 

標準的な感染予防策(スタンダードプリコーション)

感染源の有無にかかわらず、血液・体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚・粘膜(湿性生体物質汗は除く)を介する微生物の伝播リスクを減らすために、すべての患者に対して標準的な感染予防策(スタンダードプリコーション)を行う。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶109回午後21・107回午後19類問・105回午後20類問

標準予防策〈スタンダードプリコーション〉で感染源として取り扱うのはどれか。

 

  1. 唾液
  2. 頭髪

 

 

手洗い(手指衛生)

標準的な感染予防策のうち、手洗い(手指衛生)は普通石けん(非抗菌性)と流水による物理的な手洗いによる。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶110回午前21

感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

 

  1. 石けんは十分に泡立てる。
  2. 洗面器に溜めた水で洗う。
  3. 水分を拭きとるタオルを共用にする。
  4. 塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

 

 

個人防護具

標準的な感染予防策として用いられる個人防護具の着脱において、汚染の程度が高い手袋は最初に外す(着ける際は最後)。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶112回午前20

個人防護具の脱衣手順で最初に外すのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. ガウン
  3. サージカルマスク
  4. フェイスシールド

 

 

感染経路別予防策

感染経路別予防策として、結核や麻疹など空気感染のおそれのある患者については病室を陰圧室とし、入室するときはN95マスクを装着する。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶110回午後21・102回午前18類問

空気感染を予防するための医療者の個人防護具で適切なのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. N95マスク
  3. シューズカバー
  4. フェイスシールド

 

 

感染性廃棄物

感染性廃棄物を収納した容器にはバイオハザードマークを付けることが推奨され、マークの色は、「液状又は泥状のもの」(血液等)は赤色、「固形状のもの」(血液等が付着したガーゼ等)は橙色、「鋭利なもの」(注射針等)は黄色と分けることが望ましい。

第9編4章 4.特別管理廃棄物 p356

 

▶103回午前18

感染性廃棄物の廃棄容器に表示するのはどれか。

 

biohazardmark

 

 


 
▶111回午前20・108回午前21類問

使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。

 

 

 

感染制御チーム

医療機関は平時から感染制御の組織化を行うこととされ、300床以上の病床を有する医療機関では医師、看護師、薬剤師、検査技師からなる感染制御チームを設置し、定期的な病棟ラウンドを行うことが望ましいとされる。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶106回午後10

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

 

  1. 医師で構成される。
  2. 各病棟に配置される。
  3. アウトブレイク時に結成される。
  4. 感染症に関するサーベイランスを行う。

 

 

 

訪問看護

訪問看護を行う職種

訪問看護を行うことができる職種として、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が認められている。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶104回午後9

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 薬剤師
  3. 理学療法士
  4. 介護福祉士

 

 

訪問看護ステーション

  • 指定訪問看護ステーションには、看護職員(保健師、看護師、准看護師)を常勤換算で2.5人以上(うち1名は常勤)と、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を実情に応じた適当数置く。
  • 訪問看護ステーションの管理者は、専従かつ常勤の保健師または看護師とされる。

第4編1章 3.各医療対策の動向 p174~193

 

▶111回午後10

指定訪問看護ステーションには常勤換算で( )人以上の看護職員を配置することが定められている。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 1.0
  2. 1.5
  3. 2.0
  4. 2.5

 

 


 
▶107回午後9

訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 看護師
  3. 介護福祉士
  4. 理学療法士

 

 

 

看護師の各種規定

看護師免許の付与

保健師助産師看護師法に基づき、看護師になろうとする者は看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶111回午後5

看護師免許を付与するのはどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 文部科学大臣

 

 

看護師免許付与における相対的欠格事由

保健師助産師看護師法に基づき、看護師免許付与における相対的欠格事由として以下を定め、いずれかに該当した場合は免許を与えないことがあり、看護師が該当した場合は厚生労働大臣が免許の取消し等の処分をすることができる。

 

  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 医事に関し犯罪または不正の行為のあった者
  • 心身の障害により看護師の業務を適正に行うことができない者
  • 麻薬、大麻またはあへんの中毒者

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶108回午後5

看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶110回午前5

看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。

 

  1. 20歳未満の者
  2. 海外に居住している者
  3. 罰金以上の刑に処せられた者
  4. 伝染性の疾病にかかっている者

 

 

看護師の届出

保健師助産師看護師法に基づき、業務に従事する看護師は、2年ごとに就業地の都道府県知事に氏名や住所などを届け出なければならない。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶108回午前6・106回午前5類問

業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4

 

 

看護師の守秘義務

保健師助産師看護師法に基づき、看護師は正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶109回午後5・103回午後8類問

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

 

  1. 研究をする。
  2. 看護記録を保存する。
  3. 看護師自身の健康の保持増進を図る。
  4. 業務上知り得た人の秘密を漏らさない。

 

 


 
▶112回午後5

看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 

診療の補助

  • 看護師は傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする(保健師助産師看護師法)。
  • 診療の補助の範囲は厚生労働省通知により解釈がなされ、静脈内注射などは医師の指示の下に行うことができる。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶103回午後4

医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。

 

  1. 薬剤の処方
  2. 死亡の判定
  3. 静脈内注射
  4. 診断書の交付

 

 


 
▶105回午後5

医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。

 

  1. 静脈内注射
  2. 診断書の交付
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 人工呼吸器の設定の変更

 

 

看護師等の人材確保の促進に関する法律

看護師等の人材確保の促進に関する法律により、病院等の開設者等には看護師に対する処遇改善や臨床研修等の実施などの責務を定めている。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶102回午前5

新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

 

 

都道府県ナースセンター

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定される都道府県ナースセンターは、看護師等の就業状況等の調査や無料職業紹介事業、訪問看護等の研修、各種情報提供などを行う。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶110回午後5

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。

 

  1. 訪問看護業務
  2. 看護師免許証の交付
  3. 訪問入浴サービスの提供
  4. 看護師等への無料の職業紹介

 

 

 

医療関係者

看護師の就業場所

令和2年(2020年)末の就業看護師数は約128万人で、就業先別では病院が69.0%と最も多く、次いで診療所が13.2%、介護保険施設等が7.9%、訪問看護ステーションが4.9%などとなっている。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶112回午前9

令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

 

  1. 事業所
  2. 市町村
  3. 保健所
  4. 訪問看護ステーション

 

 

言語聴覚士

言語聴覚士は、音声機能、言語機能、聴覚に障害のある者に対して、言語訓練や摂食・嚥下訓練、これに必要な検査、助言、指導などの援助を行うことを業とする者である。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶104回午後10

嚥下困難のある患者への嚥下訓練において連携する職種で最も適切なのはどれか。

 

  1. 歯科技工士
  2. 言語聴覚士
  3. 義肢装具士
  4. 臨床工学技士

 

 

チーム医療

チーム医療は、多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供するものである。

第4編1章 4.医療関係者 p193~209

 

▶110回午後10・105回午前10類問

チーム医療で適切なのはどれか。

 

  1. 他施設との間で行うことはできない。
  2. チームメンバー間で目標を共有する。
  3. チームリーダーは看護師に固定する。
  4. 経験年数が同等の者でチームを構成する。

 

 

 

医療施設

病院・診療所

  • 病院は20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  • 診療所は患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

第4編1章 5.医療施設 p209~213

 

▶109回午後10・105回午後8類問

医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 9
  2. 19
  3. 29
  4. 39

 

 


 
▶102回午前10

医療法において、病院とは[ ]人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 10
  2. 20
  3. 50
  4. 100

 

 

特定機能病院・地域医療支援病院・臨床研究中核病院

  • 特定機能病院は、高度の医療の提供や研修を実施する能力を有する病院として、厚生労働大臣が個別に承認する。
  • 地域医療支援病院は、地域医療の確保を図る病院としての構造設備を有する病院として、都道府県知事が個別に承認する。
  • 臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を推進・支援するための能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。

第4編1章 5.医療施設 p209~213

 

▶110回午後9

医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。

 

  1. 診療所
  2. 特定機能病院
  3. 地域医療支援病院
  4. 臨床研究中核病院

 

 


 
▶106回午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 

保健医療施設の照度

保健医療施設の照度は日本産業標準調査会のJIS規格により定められており、手術室は全般1,000ルクスで手術野は10,000~100,000ルクスと高く設定されている。

第4編1章 5.医療施設 p209~213

 

▶111回午後25・104回午後21類問

最も高い照度を必要とするのはどれか。

 

  1. 病室
  2. 手術野
  3. トイレ
  4. 病棟の廊下

 

 

病室の湿度

一般的な病室における湿度として、夏季は50~60%、冬季は40~50%が適切とされる。

第4編1章 5.医療施設 p209~213

 

▶108回午前20

一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。

 

  1. 約10%
  2. 約30%
  3. 約50%
  4. 約70%

 

 

 

医療保険・国民医療費

国民皆保険

わが国はすべての国民が、「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかの医療保険に加入することとされている(国民皆保険制度)。

第4編2章 1.医療保険制度 p218~219

 

▶109回午後4・102回午前3類問

日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

 

 

療養の給付

医療給付内容には、診察、処置・手術、薬剤・治療材料、食事療養、入院・看護、在宅療養・看護、訪問看護がある。健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用は含まない。

第4編2章 3.医療保険各制度の概要と現状 p219~224

 

▶109回午前4

健康保険法による療養の給付の対象はどれか。

 

  1. 手術
  2. 健康診査
  3. 予防接種
  4. 人間ドック

 

 

国民健康保険

国民健康保険の保険者は、都道府県・市町村・国民健康保険組合である。

第4編2章 1.医療保険制度 p218~219

 

▶104回午前3改題

国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき平成20年度に開始した。被保険者は原則75歳以上の後期高齢者である。

第4編2章 3.医療保険各制度の概要と現状 p219~224

 

▶106回午後4

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 高齢社会対策基本法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律

 

 


 
▶111回午前4

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する( )歳以上の者、および65歳以上( )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 70
  2. 75
  3. 80
  4. 85

 

 

医療費の自己負担

医療費の一部負担金割合は、後期高齢者医療制度が原則1割(所得により2割または3割)、被用者保険や国民健康保険が原則3割(未就学児や現役並み所得のない70歳以上の者は2割)となっている。

第4編2章 1.医療保険制度 p218~219

 

▶112回午後4

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 4割

 

 

国民医療費

  • 国民医療費とは、年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである。
  • 対象は傷病の治療費に限られ、正常な妊娠や分娩などに要する費用、健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用、固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢などの費用、介護給付費は含まない。

第4編2章 6.国民医療費 p227~230

 

▶103回午前4

国民医療費に含まれる費用はどれか。

 

  1. 予防接種
  2. 正常な分娩
  3. 人間ドック
  4. 入院時の食事

 

 

令和2年(2020年)国民医療費

令和2年(2020年)の国民医療費は42兆9665億円で、人口1人当たり34.1万円である。

第4編2章 6.国民医療費 p227~230

 

▶106回午前3改題

令和2年(2020年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約400億円
  2. 約4,000億円
  3. 約4兆円
  4. 約40兆円

 

 


 
▶110回午後3改題

令和2年(2020年)の人口1人当たりの国民医療費で最も近いのはどれか。

 

  1. 14万円
  2. 24万円
  3. 34万円
  4. 44万円

 

 

 

介護保険

介護保険の保険者

介護保険制度の保険者(実施主体)は、国民に最も身近な行政単位である市町村(特別区含む)である。

第5編1章 1.介護保険制度の趣旨 p231

 

▶108回午前4

介護保険制度における保険者はどれか。

 

  1. 市町村及び特別区
  2. 都道府県
  3. 保健所

 

 

介護保険の被保険者

介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40~64歳の者である。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶106回午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 
▶109回午前3

介護保険の第2号被保険者は、( )歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 30
  2. 40
  3. 50
  4. 60

 

 

要介護認定の手続き

市町村は被保険者からの申請を受けて調査を行い、市町村に設置された介護認定審査会が要介護状態の区分(要介護1~5、要支援1・2の7段階)の審査・判定を行う。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶110回午前4・103回午後3類問

要介護認定の申請先はどれか。

 

  1. 市町村
  2. 診療所
  3. 都道府県
  4. 介護保険審査会

 

 


 
▶104回午後4

要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。

 

  1. 介護認定審査会
  2. 介護保険審査会
  3. 社会福祉協議会
  4. 社会保障審議会

 

 


 
▶112回午前5

介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。

 

  1. 4
  2. 5
  3. 6
  4. 7

 

 

介護給付・予防給付

要介護状態の者には介護給付、要支援状態の者には予防給付が支給される。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶111回午後4・105回午前4類問

介護保険における被保険者の要支援状態に関する保険給付はどれか。

 

  1. 医療給付
  2. 介護給付
  3. 年金給付
  4. 予防給付

 

 

介護保険サービスの利用者負担

介護保険制度のサービスを利用する者は、原則費用の1割を負担して各種サービスを受ける。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶102回午後3

介護保険制度における施設サービス費の原則的な利用者負担の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 5割

 

 

介護保険法の施設サービス

  • 介護老人福祉施設は、原則要介護3以上の要介護者に対し、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行う。
  • 介護老人保健施設は、症状が安定期にある要介護者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。
  • 介護医療院は、長期にわたり療養が必要である要介護状態の者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶108回午後10・104回午前8類問

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 短期入所生活介護
  3. 保健センター
  4. 有料老人ホーム

 

 


 
▶106回午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 

介護支援専門員

介護支援専門員は、要介護者等を支援する上で解決すべき課題を把握(アセスメント)し、課題を解決するための居宅・施設の介護サービス計画を作成する(利用者本人による作成も可能)。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶105回午後9

介護支援専門員が行うのはどれか。

 

  1. 通所介護の提供
  2. 福祉用具の貸与
  3. 短期入所生活介護の提供
  4. 居宅サービス計画の立案

 

 

主な介護者の続柄別割合

令和元年(2019年)の主な介護者は要介護者等と同居が54.4%で、そのうち配偶者が23.8%で最も多い。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶107回午後8改題

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 同居の父母
  2. 別居の家族
  3. 同居の配偶者
  4. 同居の子の配偶者

 

 

レスパイトケア

介護者の負担軽減のため、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを利用したレスパイトケア(介護者の一時的な休息支援)の拡充が図られている。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶109回午前8

レスパイトケアの目的はどれか。

 

  1. 介護者の休息
  2. 介護者同士の交流
  3. 介護者への療養指導
  4. 療養者の自己決定支援

 

 

地域包括支援センター

介護保険法に定められる地域包括支援センターは、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村に設置される。

第5編1章 2.介護保険制度の概要 p231~240

 

▶108回午前11・107回午前4類問

平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 市町村保健センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶103回午後7

地域包括支援センターを設置できるのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

 

社会福祉

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションは、障害者等が障害を持たない者と同等に生活・活動する社会を目指す理念で、障害者基本法ではこの理念の下に公共的施設のバリアフリー化などを幅広く規定している。

第5編2章 5.障害者福祉等 p250~252

 

▶103回午前5

全ての人が差別されることなく同じように生活できるという考え方を示しているのはどれか。

 

  1. ヘルスプロモーション
  2. ノーマライゼーション
  3. プライマリヘルスケア
  4. エンパワメント

 

 

アドボカシー(権利擁護)

アドボカシーは、権利擁護、代弁などの意で、患者や認知症高齢者など本人の意思や自己決定を尊重し、本人の保護を図ることが求められる。

第5編2章 7.権利擁護〈アドボカシー〉 p255

 

▶108回午後4

看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 多職種と情報を共有する。
  2. 患者の意見を代弁する。
  3. 患者に害を与えない。
  4. 医師に指示を聞く。

 

 

 

薬事

倫理委員会

  • 人間を対象とする医学研究の倫理的原則を掲げたヘルシンキ宣言等を踏まえ、わが国は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を制定している。
  • 倫理指針に基づき、倫理(審査)委員会は、臨床研究が倫理的配慮、科学的妥当性、研究機関・研究者等の利益相反に関する透明性が確保されているかどうかなどを審査する。

第6編1章 10.臨床研究 p266~267

 

▶105回午前5

臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。

 

  1. 教育委員会
  2. 倫理委員会
  3. 医療事故調査委員会
  4. 院内感染対策委員会

 

 

 

生活環境

サルモネラ属菌

サルモネラ属菌は、鶏や豚、牛などの動物の腸管や、河川、湖、下水道などに広く生息し、食品等を通してヒトに胃腸炎症状などの食中毒を引き起こす。

第7編2章 10.食中毒対策 p297~300

 

▶104回午後3

食中毒の原因となるのはどれか。

 

  1. セラチア
  2. カンジダ
  3. サルモネラ
  4. クラミジア

 

 

シックハウス(室内空気汚染)症候群

シックハウス(室内空気汚染)症候群とは、建材や調度品から発生する化学物質などによる室内空気汚染やその健康影響をいい、ホルムアルデヒドなど13物質について室内濃度指針値を設定している。

第7編3章 7.室内空気汚染対策 p308

 

▶111回午前3・107回午前3類問

シックハウス症候群に関係する物質はどれか。

 

  1. アスベスト
  2. ダイオキシン類
  3. 放射性セシウム
  4. ホルムアルデヒド

 

 

 

労働衛生

労働安全衛生法

労働安全衛生法では、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の労働衛生の3管理を整備しており、健康管理については健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導を規定している。

第8編 3.労働衛生管理の基本 p314~315

 

▶108回午後3

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業手当の給付
  2. 労働者に対する健康診断の実施
  3. 労働者に対する労働条件の明示
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

 

労働基準法

労働基準法では、労働時間について、休憩時間を除き1日に8時間、1週間に40時間を超えないように定めている。

第8編 9.その他の労働衛生対策等 p323~325

 

▶103回午前3・112回午前4類問

労働基準法で原則として定められている休憩時間を除く1週間の労働時間はどれか。

 

  1. 30時間を超えない。
  2. 40時間を超えない。
  3. 50時間を超えない。
  4. 60時間を超えない。

 

 

じん肺

  • じん肺は、主に粉じん(石綿〈アスベスト〉含む)の発生する環境で仕事をしている労働者が、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。
  • 石炭の採掘、岩石坑道の掘進作業などにより、炭坑従事者はじん肺を発症しやすい。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p316~317

 

▶109回午後3

じん肺に関係する物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. アスベスト
  3. ダイオキシン類
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶102回午後2

炭坑従事者に起こりやすい職業性疾患はどれか。

 

  1. 潜函病
  2. じん肺
  3. 中皮腫
  4. 白ろう病

 

 

振動による職業性疾病

チェーンソーの使用など身体局所への振動に伴う職業性疾病として、振動障害、レイノー(蒼白発作)現象(白ろう病)など手指や前腕の末梢循環障害、末梢神経障害、運動器障害が生じる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p316~317

 

▶104回午前25

振動が原因となる職業性疾病はどれか。

 

  1. 中皮腫
  2. 熱中症
  3. 高山病
  4. 白ろう病

 

 

情報機器作業〈VDT作業〉による職業性疾病

情報機器作業〈VDT作業〉を行う労働者の職業性疾病として、視力障害、筋骨格系の症状、ストレス等による症状が挙げられる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p316~317

 

▶111回午後3

職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。

 

  1. じん肺
  2. 視力障害
  3. 振動障害
  4. 皮膚障害

 

 

業務上疾病発生割合

  • 令和3年(2021年)の業務上疾病発生割合は、病原体による疾病が69.4%で最も多く、そのうち新型コロナウイルスり患によるものが68.9%を占める。
  • なお、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合は、過去と同様に負傷に起因する疾病(そのうち災害性腰痛)が最も多い。

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p321~322

 

▶105回午前3改題

日本の令和3年(2021年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。

 

  1. 振動障害
  2. 騒音による耳の疾患
  3. 負傷に起因する疾病
  4. じん肺症及びじん肺合併症

 

 

 

環境保健

微小粒子状物質(PM2.5

微小粒子状物質(PM2.5)は、浮遊粒子状物質(SPM)の中でも特に粒径が小さい有害大気汚染物質で、呼吸器や循環器への影響が懸念され、環境基本法に基づく大気汚染に係る環境基準が設定されている。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p335~340

 

▶110回午前3

大気汚染物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. カドミウム
  3. メチル水銀
  4. 微小粒子状物質(PM2.5

 

 

光化学オキシダント

光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)とが太陽光の作用により反応(光化学反応)して二次的に生成されるオゾンなどの強い酸化力を持った物質で、光化学スモッグの原因となり、粘膜への刺激や呼吸器への悪影響など人間の健康に悪影響を及ぼす。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p335~340

 

▶106回午後3

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

 

  1. ヒ素
  2. フロン
  3. 窒素酸化物
  4. ホルムアルデヒド

 

 

騒音についての環境基準

環境基本法に基づき、地域の類型、時間の区分ごとに騒音についての環境基準が定められており、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域では、昼間が50db以下、夜間が40db以下と設定されている。

第9編2章 3.騒音・振動・悪臭対策の動向 p343~345

 

▶106回午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 

温室効果ガス

二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスの排出により、大気中の温室効果ガスの濃度が上昇して温室効果が強まり、地球温暖化が進行している。

第9編1章 4.地球環境の保全 p331~334

 

▶105回午後3

地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。

 

  1. 酸素
  2. 水素
  3. 窒素
  4. 二酸化炭素

 

 

酸性雨

酸性雨は、二酸化硫黄〈SO2などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象である。

第9編1章 4.地球環境の保全 p331~334

 

▶107回午後3

大気汚染物質の二酸化硫黄〈SO2〉について正しいのはどれか。

 

  1. 発がん性がある。
  2. じん肺を引き起こす。
  3. 酸性雨の原因物質である。
  4. 不完全燃焼によって発生する。

 

 

 

学校保健

学童期の異常被患率

令和3年(2021年)の小学校での異常被患率はむし歯(う歯)(39.0%)が最も高く、次いで裸眼視力1.0未満の者(36.9%)となっている。(なお、令和4年調査では裸眼視力1.0未満の者が最も高い)

第10編1章 4.学齢期の健康状況 p366~368

 

▶110回午前7改題

令和3年(2021年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。

 

  1. 高血圧
  2. 摂食障害
  3. 心電図異常
  4. むし歯(う歯)

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は、昭和24年の創刊以来、時代の変化に合わせて、わが国の衛生を取り巻く最新の状況を網羅する本として幅広く利用されています。

 

かつては、結核をはじめとした感染症対策がその記述の中心でしたが、近年では感染症を軸とした対策から、生活習慣の改善による発症予防(一次予防)を推進する生活習慣病対策に重点が置かれてきていました。


しかし、2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、医療機関や保健所だけでなく、介護施設や飲食店、学校、家庭などでも感染症対策の重要性が再認識されたところです。こうした中で、看護師国家試験では、これまで同様、もしくはこれまで以上に感染症を問う問題が出題されると考えられます。

 

当ページでは、112回から102回の11年分の試験問題の中から感染症に関わる問題をピックアップし、簡易的な説明とともに示します。問題を解きながら、「国民衛生の動向」第3編3章の感染症対策の記述を参考に、感染症法の規定、各感染症の特徴、医療機関における予防策など、総合的に把握することが大切です。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

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定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

感染症問題目次 

感染症法

主な感染症

  • 結核
  • ウイルス性肝炎
  • マラリア
  • エイズ/HIV
  • 風疹・麻疹
  • 性感染症
  • その他の感染症

予防接種

その他感染症対策

  • 院内感染対策
  • 身体の免疫機能
  • 世界保健機関(WHO)
  • 学校における感染症予防

 

 

感染症法

感染症法による分類

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉では、対象とする感染症の感染力や罹患した場合の症状の重篤性などに基づいて以下のように分類している。

 

【対象感染症の一例】

  • 1類感染症:エボラ出血熱、ペスト
  • 2類感染症:結核、重症急性呼吸器症候群〈SARS〉
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症
  • 4類感染症:A型肝炎、E型肝炎、マラリア
  • 5類感染症:後天性免疫不全症候群〈AIDS〉、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、麻疹、風疹、細菌性髄膜炎、水痘

 

▶111回午前25

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、結核が分類されるのはどれか。

 

  1. 一類
  2. 二類
  3. 三類
  4. 四類
  5. 五類

 

 


 
▶110回午前39

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、重症急性呼吸器症候群〈SARS〉の分類はどれか。

 

  1. 一類感染症
  2. 二類感染症
  3. 三類感染症
  4. 四類感染症

 

 


 
▶108回午後86

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく五類感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
  2. 腸管出血性大腸菌感染症
  3. つつが虫病
  4. 日本脳炎
  5. 梅毒

 

 

感染症法に基づく届出基準

  • 1~4類感染症と、5類感染症の一部(侵襲性髄膜炎菌感染症、風疹および麻疹)、新型インフルエンザ等感染症を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
  • 5類感染症のうち麻疹等を除く全数把握対象疾患については7日以内に届け出なければならない。

 

▶107回午後76

感染症と保健所への届出期間の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 結核――診断後7日以内
  2. 梅毒――診断後直ちに
  3. E型肝炎――診断後直ちに
  4. 腸管出血性大腸菌感染症――診断後7日以内
  5. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉――診断後直ちに

 

 

 

結核

結核

  • 結核(2類感染症)は、結核菌によって空気感染するわが国の主要な感染症の一つで、咳、痰、呼吸困難などの症状を呈する。
  • 感染後、長期にわたり体内に潜伏したのち再び活動を開始し、発症することがある。
  • 結核菌の消毒にはエタノールが有効である。

 

▶108回午前15

感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 結核
  3. ノロウイルス性胃腸炎
  4. 流行性耳下腺炎

 

 


 
▶102回午後34

結核菌の消毒に効果があるのはどれか。

 

  1. エタノール
  2. アクリノール
  3. ベンザルコニウム
  4. クロルヘキシジン

 

 

結核患者・死亡数の推移

新登録結核患者数(菌喀痰塗抹陽性肺結核含む)、結核による死亡数ともに減少傾向にある。

 

▶108回午前33改題

令和3年(2021年)の日本の結核対策で増加が問題とされているのはどれか。

 

  1. 新登録結核患者数
  2. 菌喀痰塗抹陽性の肺結核患者数
  3. 外国生まれの新登録結核患者の割合
  4. 結核による死亡数

 

 

BCGワクチン

  • BCGは結核を予防するワクチンで、予防接種法に基づき生後1歳に至るまで(標準的な接種は生後5~8か月)の間に定期接種を行う。
  • 接種後5~6週間頃に針の痕に一致して発赤や膿がみられることがあるが、正常な反応とされる。ただし、接種から約10日以内にこうした反応が生じた場合は、すでに結核菌に感染しているおそれもあり、速やかに医療機関に相談・受診する必要がある。

 

▶111回午前57

発育と発達に遅れのない生後6か月の男児。BCG接種の翌日に接種部位が赤く腫れ次第に増悪して膿がみられたため、母親は接種後4日目に医療機関に電話で相談し、看護師が対応した。児に発熱はなく、哺乳や機嫌は良好である。
このときの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「通常の反応です」
  2. 「速やかに来院してください」
  3. 「1週間後にまた電話をください」
  4. 「患部をアルコール消毒してください」

 

 

 

ウイルス性肝炎

A型肝炎

  • A型肝炎(4類感染症)は、A型肝炎ウイルス(HAV)の感染による肝疾患で、主な感染経路は汚染された食品や水などを介した経口感染である。
  • 感染後まれに劇症化することがあり、B型肝炎やC型肝炎とは異なり慢性化することはない。

 

▶106回午前51

Aさん(42歳、女性)は、3日前から微熱と強い全身倦怠感を自覚したため病院を受診したところ、肝機能障害が認められ、急性肝炎の診断で入院した。1か月前に生の牡蠣を摂取している。Aさんはこれまで肝臓に異常を指摘されたことはなく、家族で肝臓疾患を罹患した者はいない。
Aさんが罹患した肝炎について正しいのはどれか。

 

  1. 細菌感染である。
  2. 劇症化する危険性がある。
  3. 慢性肝炎に移行しやすい。
  4. インターフェロン療法を行う。

 

 

B型肝炎

  • B型肝炎(5類感染症)は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染による肝疾患である。HBVはDNAウイルスで、RNAウイルスである他の肝炎ウイルスとは異なる。
  • 主な感染経路として血液感染(医療現場での針刺し事故等)、母子感染(垂直感染)、性行為感染がある。
  • B型肝炎に対するワクチンがあり、定期予防接種の対象となっている。

 

▶110回午前27

ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。

 

  1. A型肝炎ウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. C型肝炎ウイルス
  4. E型肝炎ウイルス

 

 


 
▶106回午後22

針刺し事故によって感染するのはどれか。

 

  1. RSウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. ヘルペスウイルス
  4. サイトメガロウイルス

 

 

C型肝炎

  • C型肝炎(5類感染症)は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染による肝疾患で、主な感染経路は血液感染である。
  • 感染後、多くは自覚症状が現れず慢性化し、肝硬変や肝がんに進行する場合がある。
  • 治療としては主にインターフェロン治療がとられる。

 

▶105回午後16

C型慢性肝炎に使用するのはどれか。

 

  1. ドパミン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. インターフェロン

 

 


 
▶103回午後50

B型肝炎と比べたC型肝炎の特徴について正しいのはどれか。

 

  1. 劇症化しやすい。
  2. 性行為による感染が多い。
  3. 無症状のまま慢性化しやすい。
  4. ワクチン接種による感染予防対策がある。

 

 

 

マラリア

マラリア

  • マラリア(4類感染症)は熱帯・亜熱帯地域に広く分布する感染症で、ハマダラカ(蚊)によって媒介される。最も多い症状は発熱と悪寒で、熱発は間隔をあけて発熱期と無熱期を繰り返す
  • その感染力や対策費用の負担の大きさから、「HIV/エイズ」「結核」と並び三大感染症ともいわれる。

 

▶111回午後76

平成27年(2015年)時点での世界の三大感染症に入るのはどれか。

 

  1. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  2. マラリア
  3. 天然痘
  4. 麻疹

 

 


 
▶109回午後77

Aさん(28歳、男性)。海外出張で訪れたアフリカ地域から帰国後1週に39℃の発熱と解熱を繰り返すため外来を受診した。腹部症状は特にない。
予測される感染症はどれか。

 

  1. マラリア
  2. コレラ
  3. 赤痢
  4. 破傷風

 

 

 

エイズ/HIV

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉

HIVは、免疫システムである白血球中のヘルパー〈CD4陽性〉Tリンパ球に感染し、増殖、破壊することで、免疫不全状態を引き起こす。

 

▶102回午後77

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉が感染する細胞はどれか。

 

  1. 好中球
  2. 形質細胞
  3. Bリンパ球
  4. ヘルパー〈CD4陽性〉Tリンパ球
  5. 細胞傷害性〈CD8陽性〉Tリンパ球

 

 

エイズ

HIV感染後、多くは無症候性キャリアの状態で10年程度経過した後に症状が現れ、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)などの指標疾患を発症するとエイズ(5類感染症)と診断される。

 

▶109回午前45

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に感染している患者で、後天性免疫不全症候群〈AIDS〉の状態にあると判断できる疾患はどれか。

 

  1. 季節性インフルエンザ
  2. ニューモシスチス肺炎
  3. ノロウイルス性腸炎
  4. 単純性膀胱炎

 

 

HIVの感染経路

  • HIVの主な感染経路は、①HIV感染者との性行為、②血液または血液製剤の輸注、③母子感染(垂直感染)の3つである。
  • 性行為による感染対策としてはコンドームの使用、母子感染対策としては妊婦の感染の早期発見と抗HIV薬等による適切な対策が効果的である。

 

▶105回午前82

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉の感染経路で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 感染者の嘔吐物との接触
  2. 感染者の咳による曝露
  3. 感染者の糞便との接触
  4. 感染者からの輸血
  5. 感染者との性行為

 

 


 
▶107回午後14

母体から胎児への感染はどれか。

 

  1. 水平感染
  2. 垂直感染
  3. 接触感染
  4. 飛沫感染

 

 


 
▶111回午後46・104回午後31類問

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症で正しいのはどれか。

 

  1. 空気感染する。
  2. 無症候期がある。
  3. DNAウイルスによる。
  4. 血液中のBリンパ球に感染する。

 

 

HIVの感染者への指導

HIV感染者への指導に当たっては、性行為感染が多数を占めることから、人権・プライバシーに配慮した個別指導が望ましい。

 

▶107回午後35

学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。

 

  1. 小学生へのインフルエンザ予防の指導
  2. 塩分摂取量が多い地域住民への食事指導
  3. ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染者への生活指導
  4. 3〜4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導

 

 

HIV感染者の動向

令和3年(2021年)のHIV感染者報告数は742件であり、平成23年(2011年)の1056件と比べても低く減少傾向にある。742件を感染経路別にみると同性間の性的接触が531件と70%以上を占めている。

 

▶107回午前87

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 本人より先に家族に病名を告知する。
  2. 国内では異性間性的接触による感染が最も多い。
  3. 適切な対応によって母子感染率を下げることができる。
  4. 性行為の際には必ずコンドームを使用するよう指導する。
  5. HIVに感染していれば後天性免疫不全症候群〈AIDS〉と診断できる。

 

 


 
▶112回午前33改題

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。

 

  1. 令和3年(2021年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。
  2. 日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。
  3. 早期に発見して治療を開始すれば完治する。
  4. 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。

 

 

世界の地域別HIV感染者数

2021年末現在の世界のHIV感染者は3840万人と推定されており、東部・南部アフリカが2060万人と半分以上を占めている。

 

▶104回午前76改題

令和3年(2021年)の国連エイズ合同計画〈UNAIDS〉の報告において、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉陽性者が最も多い地域はどれか。

 

  1. 東欧・中央アジア
  2. 西欧・中欧・北アメリカ
  3. アジア太平洋
  4. 東部・南部アフリカ

 

 

 

風疹・麻疹

風疹

  • 風疹(5類感染症)は、発熱や発疹、リンパ節腫脹を特徴とする感染性疾患で、風疹ウイルスの飛沫感染により生じる。
  • 妊婦が妊娠20週ごろまでに感染すると、白内障や先天性心疾患、難聴などを特徴とする先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。

 

▶108回午後33

風疹の疑いがある入院患者の隔離予防策で適切なのはどれか。

 

  1. 標準予防策
  2. 標準予防策と接触感染予防策
  3. 標準予防策と飛沫感染予防策
  4. 標準予防策と空気感染予防策

 

 


 
▶110回午後6

妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。

 

  1. 水痘
  2. 風疹
  3. 麻疹
  4. 流行性耳下腺炎

 

 


 
▶104回午前63

妊娠中の母体の要因が胎児に及ぼす影響について正しいのはどれか。

 

  1. 飲酒の習慣による巨大児
  2. 喫煙による神経管形成障害
  3. 妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患
  4. ビタミンAの過剰摂取による低出生体重児

 

 


 
▶106回午前63

妊婦の感染症と児への影響の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 風疹――白内障
  2. 性器ヘルペス――聴力障害
  3. トキソプラズマ症――先天性心疾患
  4. 性器クラミジア感染症――小頭症

 

 

麻疹

  • 麻疹(5類感染症)は高熱や頬粘膜に生じるコプリック斑、下半身に広がる赤い発疹を特徴とする感染性疾患で、麻疹ウイルスの空気感染により生じる。
  • 一次予防として、麻疹ワクチンの定期予防接種(二期)が行われている。ただし、麻疹に対しては特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法が行われる。

 

▶110回午後30

感染症と感染経路の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 結核――接触感染
  2. 麻疹――空気感染
  3. マラリア――飛沫感染
  4. インフルエンザ――経口感染

 

 


 
▶107回午後55

入院中に陰圧室に隔離すべき感染症はどれか。

 

  1. 麻疹
  2. 風疹
  3. 手足口病
  4. 流行性耳下腺炎

 

 


 
▶102回午後14

Koplik〈コプリック〉斑がみられる疾患はどれか。

 

  1. 麻疹
  2. 手足口病
  3. 帯状疱疹
  4. ヘルパンギーナ

 

 


 
▶106回午前86

麻疹に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 合併症として脳炎がある。
  2. 感染力は発疹期が最も強い。
  3. 効果的な抗ウイルス薬がある。
  4. 2回のワクチン定期接種が行われている。
  5. エンテロウイルスの感染によって発症する。

 

 

 

性感染症

性感染症報告数と予防

  • 性感染症とは、性行為によって伝播する5疾患(梅毒・性器クラミジア感染症・性器ヘルペスウイルス感染症・淋菌感染症・尖圭コンジローマ)で、令和3年(2021年)の報告数では、性器クラミジア感染症が30,003人と最も多い。
  • 性感染症の予防にはコンドームの使用が効果的で、感染、または感染疑いのある場合、本人だけでなくパートナー等も含めた検査・治療を行うことが重要である。

 

▶106回午前2改題

令和3年(2021年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈STD〉報告数で最も多いのはどれか。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 性器ヘルペス
  4. 淋菌感染症

 

 


 
▶102回午前69

性感染症〈STD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 経口避妊薬の内服が予防に有効である。
  2. 患者のパートナーは治療の対象ではない。
  3. 10代では性器ヘルペスの罹患が最も多い。
  4. 性器クラミジア感染症の罹患は不妊症の危険因子である。

 

 

梅毒

  • 梅毒は性行為による接触で伝播する性感染症で、梅毒トレポネーマ(細菌)の感染によって生じる。
  • 早期の抗菌薬による薬物治療で完治が可能だが、検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがある。

 

▶107回午後48

梅毒について正しいのはどれか。

 

  1. ウイルス感染症である。
  2. 感染経路は空気感染である。
  3. 治療の第一選択薬はステロイド外用薬である。
  4. 梅毒血清反応における生物学的偽陽性の要因に妊娠がある。

 

 

 

その他の感染症

細菌性髄膜炎

細菌性髄膜炎(5類感染症)の主な症状は、項部硬直、高熱、羞明(光過敏)、錯乱、頭痛、嘔吐などがある。

 

▶109回午前46

細菌性髄膜炎の症状はどれか。

 

  1. 羞明
  2. 羽ばたき振戦
  3. Raynaud(レイノー)現象
  4. Blumberg(ブルンベルグ)徴候

 

 

水痘

  • 水痘(5類感染症)は水痘帯状疱疹ウイルスにより引き起こされる感染症で、典型的な症例では、皮膚の表面が赤くなる紅斑から発疹が始まり、水疱、膿疱を経て痂皮(かさぶた)化して治癒する。
  • 定期予防接種として、生後12月から生後36月までの幼児(2回接種)を対象としている。

 

▶106回午後16

水痘の症状はどれか。

 

  1. 耳下腺の腫脹
  2. 両頰部のびまん性紅斑
  3. 水疱へと進行する紅斑
  4. 解熱前後の斑状丘疹性発疹

 

 


 
▶102回午前75

体幹部の写真を別に示す。
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最も疑われるウイルス感染症はどれか。

 

  1. 伝染性軟属腫
  2. 伝染性紅斑
  3. 水痘
  4. 風疹

 

 


 
▶109回午前56

幼児を対象とする定期予防接種はどれか。

 

  1. DTワクチン(二種混合)
  2. ロタウイルスワクチン
  3. BCGワクチン
  4. 水痘ワクチン

 

 

流行性角結膜炎

流行性角結膜炎(5類感染症)は、アデノウイルスによる眼感染症であり、主に手を介した接触により感染する。

 

▶105回午後70

流行性角結膜炎の原因はどれか。

 

  1. 淋菌
  2. 緑膿菌
  3. クラミジア
  4. アデノウイルス
  5. ヘルペスウイルス

 

 

レジオネラ症

  • レジオネラ症(4類感染症)は自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息しているレジオネラ属菌の感染により発症し、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎がある。
  • 浴槽の湯を濾過器を通して循環させる循環式浴槽では、換水や消毒、清掃を怠ることでレジオネラ属菌が繁殖する危険性が高まる。

 

▶103回午後2・112回午後3類問

循環式浴槽の水質汚染によって発生するのはどれか。

 

  1. B型肝炎
  2. マラリア
  3. レジオネラ肺炎
  4. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉

 

 

インフルエンザ(季節性)

季節性インフルエンザ(5類感染症)の主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染である。

 

▶106回午後15・112回午後15類問

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. コレラ
  3. A型肝炎
  4. インフルエンザ

 

 

ノロウイルス感染症

  • ノロウイルスは冬季に多く発生する食中毒で、物品や居室の消毒には次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
  • 乾燥すると空中に漂いやすく、これが口に入って感染することがあるため、嘔吐物は乾燥する前に速やかに処理する必要がある。

 

▶102回午前65・112回午前35類問

介護保険施設においてノロウイルス感染症が発生した。
感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。

 

  1. 感染者の居室はアルコールで拭く。
  2. 感染者の吐物は乾燥してから処理する。
  3. 感染者が使用したリネンは60℃の加熱処理を行う。
  4. 感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。

 

 

成人T細胞白血病〈ATL〉

成人T細胞白血病〈ATL〉は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉の感染により発症する可能性があり、発症には主に母乳を介した母子感染が関与している。

 

▶103回午後15

ウイルスが原因で発症するのはどれか。

 

  1. 血友病
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 再生不良性貧血
  4. 成人T細胞白血病〈ATL〉

 

 


 
▶102回午前30

母乳が主な感染経路となるのはどれか。

 

  1. 成人T細胞白血病〈ATL〉ウイルス
  2. 単純ヘルペスウイルス〈HSV〉
  3. サイトメガロウイルス
  4. 風疹ウイルス

 

 

人類共通感染症

人獣共通感染症は、動物由来感染症のうち、同一の病原体によりヒトとヒト以外の脊椎動物の双方が罹患する感染症である。そのうち黄熱は蚊によって媒介され、サルやヒトを宿主とする。

 

▶106回午前76

人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

 

  1. Q熱
  2. 黄熱
  3. 狂犬病
  4. オウム病
  5. 重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉

 

 

 

予防接種

予防接種の役割

感染症に対する免疫力の低下した感受性宿主などが予防接種により免疫の効果を得ることで、これまで多くの疾病の流行防止に大きな成果をあげ、感染症による患者の発生や死亡者の大幅な減少をもたらすなど、感染症対策上、極めて重要な役割を果たしてきた。

 

▶107回午後36

感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。

 

  1. 病原体
  2. 感染源
  3. 感染経路
  4. 宿主の感受性

 

 

定期予防接種の対象(令和3年4月現在)

  • 定期予防接種のうち、毒性を弱めた生ワクチンが使用される対象は、結核(BCG)、麻疹、風疹、水痘、ロタウイルスなどとなっている。
  • 定期予防接種のうち、感染力を失わせた不活化ワクチン・トキソイドが使用される対象は、ポリオ、百日せき、ジフテリア、破傷風、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(Hib)、ヒトパピローマウイルス(HPV)などとなっている。

 

▶103回午前85改題

予防接種法において定期予防接種の対象となっていない疾患はどれか。

 

  1. 結核
  2. 水痘
  3. 風しん
  4. B型肝炎
  5. 流行性耳下腺炎

 

 


 

 ▶105回午後77

乳児の髄膜炎などを抑制するため、平成25年(2013年)に定期接種に導入されたのはどれか。

 

  1. 日本脳炎ワクチン
  2. ロタウイルスワクチン
  3. インフルエンザワクチン
  4. 麻しん風しん混合ワクチン
  5. Hibワクチン

 

 


 
▶111回午後88

予防接種に生ワクチンが使用される疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. ジフテリア
  2. 日本脳炎
  3. 破傷風
  4. 結核
  5. 麻疹

 

 


 
▶112回午前85

定期予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
  2. ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
  3. ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
  4. 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
  5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。

 

 

 

院内感染対策

標準予防策(スタンダードプリコーション)

感染源の有無にかかわらず、血液・体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚・粘膜(湿性生体物質)を介する微生物の伝播リスクを減らすために、すべての患者に対して標準的な感染予防策(スタンダードプリコーション)を行う。なお、は湿性生体物質であるが標準予防策からは除かれる。

 

▶109回午前21・105回午後20類問

標準予防策(スタンダードプリコーション)で感染源として取り扱うのはどれか。

 

  1. 唾液
  2. 頭髪

 

 


 
▶107回午後19

標準予防策(スタンダードプリコーション)において、創傷や感染のない患者への援助で使い捨て手袋が必要なのはどれか。

 

  1. 手浴
  2. 洗髪
  3. 口腔ケア
  4. 寝衣交換

 

 

手指衛生(手洗い)

手洗いは、普通石けん(非抗菌性)と流水による物理的な手洗いによる。

 

▶110回午前21

感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

 

  1. 石けんは十分に泡立てる。
  2. 洗面器に溜めた水で洗う。
  3. 水分を拭きとるタオルを共用にする。
  4. 塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

 

 

感染経路別予防策(空気感染)

結核や麻疹など空気感染のおそれのある患者については病室を陰圧室とし、入室するときはN95マスクを装着する。

 

▶110回午後21・102回午前18類問

空気感染を予防するための医療者の個人防護具で適切なのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. N95マスク
  3. シューズカバー
  4. フェイスシールド

 

 

感染性廃棄物

感染性廃棄物とは、医療機関等から生じた廃棄物のうち、感染性の病原体が含有・付着した(またはそのおそれのある)廃棄物であり、感染性一般廃棄物(紙くず、包帯、脱脂綿等)と感染性産業廃棄物(血液、注射針、メス、レントゲン定着液等)に分類される。

 

▶109回午前30

廃棄する物とその区分との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 滅菌パックの袋――産業廃棄物
  2. エックス線フィルム――一般廃棄物
  3. 血液の付着したメスの刃――感染性産業廃棄物
  4. pH12.5以上のアルカリ性の廃液――感染性一般廃棄物

 

 


 
▶103回午後37

外来で患者の血液が付着したガーゼを処理する取り扱いで正しいのはどれか。

 

  1. 産業廃棄物
  2. 一般廃棄物
  3. 感染性産業廃棄物
  4. 感染性一般廃棄物

 

 

バイオハザードマーク

感染性廃棄物を収納した容器には、関係者が識別できるように下記のバイオハザードマークを付けることが推奨されている。

biohazardm

廃棄物の種類が識別できるように、性状に応じてマークの色を、①液状又は泥状のもの(血液等)は赤色、②固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等)は橙色、③鋭利なもの(注射針等)は黄色と分けることが望ましい。

 

▶111回午前20・108回午前21類問・104回午前39類問

使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。

 

 

 

消毒・滅菌

オートクレーブを用いた滅菌を高圧蒸気滅菌といい、乾熱滅菌等に比べて低温・短時間での滅菌ができる。ただし、高温・高圧に耐えない軟性内視鏡には用いず、高水準消毒薬(グルタラール等)を用いる。

 

▶106回午前21

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 乾熱滅菌
  2. プラズマ滅菌
  3. 高圧蒸気滅菌
  4. 酸化エチレンガス滅菌

 

 


 
▶103回午前41

無菌室で使用する物品とその滅菌方法の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. ビニール袋に入った菓子――酸化エチレンガス滅菌
  2. ステンレス製のスプーン――高圧蒸気滅菌
  3. プラスチック製の箸――乾熱滅菌
  4. 紙製の絵本――低温プラズマ滅菌

 

 


 
▶111回午後37

医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手術用持針器――第4級アンモニウム塩
  2. ステンレス製便器――熱水消毒
  3. 軟性内視鏡――高圧蒸気滅菌
  4. ベッド柵――グルタラール

 

 

感染制御チーム

医療機関は平時から感染制御の組織化を行うこととされ、300床以上の病床を有する医療機関では医師、看護師、薬剤師、検査技師など多職種からなる感染制御チームを設置し、定期的な病棟ラウンドや感染症サーベイランス(発生動向調査)を行うことが望ましいとされる。

 

▶106回午後10

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

 

  1. 医師で構成される。
  2. 各病棟に配置される。
  3. アウトブレイク時に結成される。
  4. 感染症に関するサーベイランスを行う。

 

 

薬剤耐性菌対策

薬剤耐性を持つ多剤耐性緑膿菌〈MDRP〉やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉は、抵抗力の弱まった宿主(易感染者)に対して病原性を発揮する日和見感染症を起こすおそれがあり、医療施設内の拡散を防ぐため、院内感染対策サーベイランス事業などが実施されている。

 

▶107回午後73

院内感染の観点から、多剤耐性に注意すべきなのはどれか。

 

  1. ジフテリア菌
  2. 破傷風菌
  3. 百日咳菌
  4. コレラ菌
  5. 緑膿菌

 

 


 
▶103回午前84

日和見感染症の起炎菌はどれか。2つ選べ。

 

  1. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉
  2. インフルエンザ菌
  3. A群溶連菌
  4. 髄膜炎菌
  5. 緑膿菌

 

 

 

身体の免疫機能

白血球(好中球)

  • 白血球は体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除する免疫機能を持つ。
  • 白血球の多くを占める好中球は、細菌感染から体を守る主要な生体防御機構(免疫)である。

 

▶104回午前10

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶109回午前24

細菌感染による急性炎症で最初に反応する白血球はどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. 好塩基球
  5. リンパ球

 

 

敗血症性ショック

敗血症は、感染症の原因となる細菌等に起因して重度の臓器障害等を起こしている病態をいう。蘇生処置にも関わらず低血圧が持続し、ショック状態に陥った状態を敗血症性ショックといい、死亡リスクが非常に高い。

 

▶111回午後14

細菌感染で起こるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 敗血症性ショック
  3. アナフィラキシーショック
  4. 循環血液量減少性ショック

 

 

 

世界保健機関(WHO)

WHOの役割

世界保健機関(WHO)は感染症対策や衛生統計の実施、国際疾病分類(ICD)等の基準づくり、保健分野における技術協力・研究開発など広範な活動を実施している。

 

▶105回午前67

国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 国連難民高等弁務官事務所〈UNHCR〉――有償資金協力
  2. 国連教育科学文化機関〈UNESCO〉――児童の健康改善
  3. 世界保健機関〈WHO〉――感染症対策
  4. 国際労働機関〈ILO〉――平和維持活動

 

 

 

学校における感染症予防

学校において予防すべき感染症

  • 学校保健安全法では、学校において予防すべき感染症として、感染力に応じて第一種から第三種に分類され、出席停止の期間の基準が定められている。
  • 分類の考え方として、感染症法の1類感染症と2類感染症(結核除く)は第一種、それ以外の空気感染または飛沫感染により流行を広げる可能性が高い感染症は第二種、そのほかの感染症は第三種とされる。

 

▶112回午前82

学校保健安全法で出席停止となる学校感染症のうち、第二種に分類されているのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性赤痢
  3. ジフテリア
  4. 腸チフス
  5. 流行性角結膜炎

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は、医療や公衆衛生、福祉など厚生行政の全体像を1冊に集約し、法律や制度の概要、歴史、改正内容などを網羅しています。

 

看護師国家試験では、保健、福祉、衛生、社会保障など、幅広い法律・制度の知識が毎年問われています。専門的な内容も多く、受験者の苦手とする分野でもありますが、覚えれば必ず解答できる部分でもあり、重要な得点源になります。

 

このページでは、看護師試験に頻出する法律ごとに、「国民衛生の動向」の記述を基に要点を簡潔にまとめ、112回から102回までの11年の試験の中から対応する法律問題をピックアップしています。

 

出題傾向を把握し、より詳細な制度内容や関連規定、歴史的背景や改正点などを「国民衛生の動向」内で確認し、法律に対する理解を深めていただければ幸いです。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

法律別問題目次 

第1編:衛生行政活動

  • 地域保健法
  • 災害対策基本法

第3編:保健対策・疾病対策

  • 健康増進法
  • 母子保健法
  • 母体保護法
  • 障害者総合支援法
  • 精神保健福祉法
  • 発達障害者支援法
  • 自殺対策基本法
  • がん対策基本法
  • 難病法
  • 臓器移植法

第4編:医療提供体制・医療保険制度

  • 医療法
  • 保健師助産師看護師法
  • 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  • 医療保険各法

第5編:社会保険・社会福祉

  • 国民年金法等
  • 生活保護法
  • 社会福祉法
  • 児童福祉法
  • DV防止法
  • 男女雇用機会均等法
  • 労働基準法
  • 育児・介護休業法
  • 障害者基本法
  • 老人福祉法
  • 高齢者虐待防止法
  • 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

第6編:薬事

  • 医薬品医療機器等法
  • 麻薬及び向精神薬取締法

第7編~10編:食品・労働・環境・学校

  • 食品衛生法・食品安全基本法
  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法
  • 雇用保険法
  • 環境基本法
  • 学校保健安全法

複合法律問題

 

 

地域保健法

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

保健所

保健所は、地域における公衆衛生の向上と増進を図るために、一般的に都道府県が設置する。

 

▶110回午前10

地域保健法に基づき設置されているのはどれか。

 

  1. 診療所
  2. 保健所
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶105回午前9

保健所の設置主体で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 社会福祉法人
  3. 独立行政法人

 

 

市町村保健センター

市町村保健センターは、住民を対象とした健康相談・保健指導・健康診査など、地域保健に関し必要な事業を行うため、市町村が設置することができる。

 

▶112回午後10

地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 病気の治療
  2. 住民の健康診査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 専門的で広域的な健康課題への対応

 

 


 
▶103回午前8

市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 廃棄物の処理
  2. 人口動態統計調査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 地域住民の健康づくり

 

 

 

災害対策基本法

第1編2章 8.健康危機管理体制 p29~31

主な規定

災害対策基本法は災害対策の最も基本となる法律で、以下のような防災体制の整備が規定されている。

 

  • 地域防災計画(都道府県・市町村)の作成
  • 物資の備蓄
  • 防災訓練義務

 

▶109回午前74

災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。

 

  1. 物資の備蓄
  2. 避難所の設置
  3. 災害障害見舞金の支給
  4. 救護班による医療の提供

 

 

 

健康増進法

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

主な規定

健康増進法は以下の事項などを規定している。

 

  • 国民健康・栄養調査
  • 保健指導等
  • 特定給食施設
  • 受動喫煙防止

 

▶109回午後37

健康増進法に基づき実施されるのはどれか。

 

  1. 受療行動調査
  2. 特定保健指導
  3. アレルギー疾患対策
  4. 受動喫煙の防止対策

 

 

 

母子保健法

第3編2章 1.2〕母子保健法に基づく施策 p98~101

主な規定

母子保健法では以下の事項などを規定している。

 

  • 妊産婦・乳幼児の健康診査
  • 市町村への妊娠の届出
  • 母子健康手帳の交付
  • 未熟児に対する養育医療の給付
  • 母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)の設置

 

▶110回午前52

養育医療が定められている法律はどれか。

 

  1. 児童福祉法
  2. 母子保健法
  3. 発達障害者支援法
  4. 児童虐待の防止等に関する法律

 

 


 
▶110回午後78

母子保健法に基づく届出はどれか。

 

  1. 婚姻届
  2. 死産届
  3. 死亡届
  4. 出生届
  5. 妊娠届

 

 


 
▶108回午前59・102回午後64類問

乳幼児健康診査を規定しているのはどれか。

 

  1. 母子保健法
  2. 児童福祉法
  3. 次世代育成支援対策推進法
  4. 児童虐待の防止等に関する法律

 

 


 
▶107回午前56

産科外来を初めて受診した妊婦。夫婦ともに外国籍で、日本の在留資格を取得している。
この妊婦への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「母子健康手帳は有料で入手できます」
  2. 「妊婦健康診査は公費の助成を受けられます」
  3. 「出生届は外務省に提出します」
  4. 「生まれた子どもは出生時に日本国籍を取得できます」

 

 


 
▶112回午前60

母子保健法に規定されているのはどれか。

 

  1. 母子健康包括支援センター
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 助産施設
  4. 特定妊婦

 

 

 

母体保護法

第3編2章 1.4〕(7)家族計画 p104

主な規定

母体保護法は、母性の生命健康を保護することを目的に以下の事項を規定している。

 

  • 不妊手術
  • 人工妊娠中絶
  • 受胎調節の実地指導

 

▶110回午後58

母体保護法で規定されているのはどれか。

 

  1. 育児時間
  2. 生理休暇
  3. 受胎調節の実地指導
  4. 育児中の深夜業の制限

 

 

人工妊娠中絶

母体保護法では、以下の者について人工妊娠中絶の実施が可能であるとしている。

 

  • 妊娠の継続または分娩が妊婦の身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある者
  • 暴行もしくは脅迫によってまたは抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した者
 
▶112回午後58

母体保護法で規定されているのはどれか。

 

  1. 産後の休業
  2. 妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限
  3. 妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止
  4. 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶

 

 


 
▶104回午前62

出生前診断について正しいのはどれか。

 

  1. 遺伝相談は勧めない。
  2. 胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。
  3. 治療不可能な疾患に関する診断結果は伝えない。
  4. 胎児の超音波検査は出生前診断の方法に含まれない。

 

 

 

障害者総合支援法

第3編2章 3.障害児・者施策 p108~113

地域移行支援

障害者総合支援法に定める地域移行支援は、障害者支援施設や精神科病院に入院している精神障害者等が、住居の確保や地域における生活に移行するための活動等を支援する制度である。

 

▶110回午前61

Aさん(57歳、女性)は1人暮らし。統合失調症で精神科病院への入退院を繰り返しており、今回は入院してから1年が経過している。日常生活動作〈ADL〉はほぼ自立し、服薬の自己管理ができるようになってきた。
Aさんが退院に向けて利用するサービスとして適切なのはどれか。

 

  1. 療養介護
  2. 施設入所支援
  3. 地域移行支援
  4. 自立訓練としての機能訓練

 

 

就労移行支援

  • 障害者総合支援法では就労移行支援事業が設けられ、就労を希望し、一般雇用が可能な障害者に対して、一定期間就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練を行っている。
  • 一般雇用が困難である者には、雇用契約に基づく就労継続支援A型、雇用契約に基づかない就労継続支援B型による支援が行われている。

 

▶112回午後64

一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 自立生活援助
  3. ピアサポート
  4. 就労継続支援A型

 

 


 
▶105回午後59

Aさん(40歳、男性)は、5年前に勤めていた会社が倒産し再就職ができず、うつ病になった。その後、治療を受けて回復してきたため、一般企業への再就職を希望している。
Aさんが就労を目指して利用できる社会資源はどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 就労継続支援A型
  3. 就労継続支援B型
  4. 自立訓練〈生活訓練〉

 

 

共同生活援助〈グループホーム〉

共同生活援助〈グループホーム〉は障害者総合支援法に定める障害福祉サービス(訓練等給付)の一つで、障害者に対して主に夜間において、共同生活を営むべき住居において必要な日常生活上の援助を行う。

 

▶106回午後59

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

 

  1. 育成医療
  2. 居宅療養管理指導
  3. 共同生活援助〈グループホーム〉
  4. 介護予防通所リハビリテーション

 

 

自立支援医療

  • 障害者総合支援法に基づく自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度である。
  • 身体障害者には更生医療、身体障害児には育成医療、精神障害者には精神通院医療がなされている。

 

▶112回午前67

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 障害基礎年金
  2. 一定割合の雇用義務
  3. 精神障害者保健福祉手帳
  4. 自立支援医療〈精神通院医療〉

 

 

 

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)

第3編2章 4.精神保健 p113~119

精神保健指定医

精神保健福祉法に規定される精神保健指定医は、厚生労働大臣が指定し、非自発的な入院の要否や入院患者の行動制限の要否を判定する。

 

▶105回午後60

精神保健指定医を指定するのはどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 都道府県知事
  3. 厚生労働大臣
  4. 精神保健福祉センター長

 

 


 
▶110回午前63

精神保健指定医について正しいのはどれか。

 

  1. 医療法で規定されている。
  2. 都道府県知事が指定する。
  3. 障害年金の支給判定を行う。
  4. 精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う。

 

 

精神障害者の入院形態

  • 任意入院は精神障害者自身の同意に基づく入院制度である。
  • 任意入院が行われる状態にない者については、その家族等の同意がある場合に、精神保健指定医1名の診察を要件に医療保護入院が行える。また、急速を要し、家族等の同意が得られない場合には、72時間以内の応急入院を行うことができる。
  • 2人以上の指定医の診察を要件に、入院させなければ自傷他害のおそれがある精神障害者については措置入院を行うことができる。また、急速な入院の必要性があることを条件に、指定医の診察は1名で足りるが72時間以内の緊急措置入院を行うことができる。

 

▶110回午後81・106回午後56類問

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に規定された入院形態で、精神保健指定医2名以上により、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると診察の結果が一致した場合に適用されるのはどれか。

 

  1. 応急入院
  2. 措置入院
  3. 任意入院
  4. 医療保護入院
  5. 緊急措置入院

 

 


 
▶109回午後69

医療保護入院で正しいのはどれか。

 

  1. 入院の期間は72時間に限られる。
  2. 患者の家族等の同意で入院させることができる。
  3. 2人以上の精神保健指定医による診察の結果で入院となる。
  4. 精神障害のために他人に害を及ぼすおそれが明らかな者が対象である。

 

 


 
▶103回午前37

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく入院形態でないのはどれか。

 

  1. 任意入院
  2. 応急入院
  3. 勧告入院
  4. 医療保護入院

 

 


 
▶112回午前88

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 応急入院は72時間以内に限られている。
  2. 緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
  3. 措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
  4. 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
  5. 医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。

 

 

精神医療審査会

精神医療審査会は、措置入院と医療保護入院の要否や、入院患者からの退院請求や処遇改善請求の審査を行う。

 

▶108回午前68

精神医療審査会で審査を行うのはどれか。

 

  1. 精神保健指定医の認定
  2. 入院患者からの退院請求
  3. 退院後生活環境相談員の選任
  4. 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇の要否

 

 


 
▶104回午前68

精神科病院に医療保護入院をしている患者から退院請求があった。入院継続の適否について判定するのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 地方裁判所
  3. 精神医療審査会
  4. 地方精神保健福祉審議会

 

 

精神科入院患者の制限事項

精神科入院患者で隔離や身体的拘束などの行動制限がある場合でも、以下の事項については制限できない

 

  • 信書(手紙)の発受
  • 行政機関の職員や代理人である弁護士との電話・面会
  • 退院請求、処遇改善請求

 

▶111回午後68

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉において、精神科病院で隔離中の患者に対し、治療上で必要な場合に制限できるのはどれか。

 

  1. 家族との面会
  2. 患者からの信書の発信
  3. 患者からの退院の請求
  4. 人権擁護に関する行政機関の職員との電話

 

 


 
▶102回午後52

精神科病院に入院中の患者の法的処遇について正しいのはどれか。

 

  1. 患者は退院を請求できる。
  2. 看護師は面会を制限できる。
  3. 保護者は外出の可否を判断できる。
  4. 精神保健指定医は手紙の発信を制限できる。

 

 

信書の発受に関する例外

信書の発受は原則として制限できないが、異物が入っていると疑われる場合、病院職員立ち会いの下、本人が開封し、異物を取り除くことがある。

 

▶103回午後89

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、病院の管理者が精神科病院に入院中の者に対して制限できるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 手紙の発信
  2. 弁護士との面会
  3. 任意入院患者の開放処遇
  4. 信書の中の異物の受け渡し
  5. 人権擁護に関する行政機関の職員との電話

 

 


 
▶106回午前81

精神科病院の閉鎖病棟に入院中の患者宛てに厚みのある封筒が届いた。差出人は記載されていなかった。
当日の看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 患者に渡さず破棄する。
  2. 患者による開封に立ち会う。
  3. 開封せず患者の家族に転送する。
  4. 看護師が開封して内容を確認してから患者に渡す。
  5. 退院まで開封せずにナースステーションで保管する。

 

 

隔離時の遵守事項

精神保健指定医が必要と判断した12時間以上の患者の隔離を行うに当たっては以下のような遵守事項が定められている。

 

  • 隔離室には患者一人のみ入室させること。
  • 隔離を行う際には患者に理由を知らせ、その理由、開始・解除日時を診療録に記載すること。
  • 隔離期間中は注意深い臨床的観察や適切な治療を確保し、部屋の衛生の確保に配慮すること。
  • 医師は原則として少なくとも毎日一回診察を行うこと。

 

▶109回午前67

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に定められている隔離について正しいのはどれか。

 

  1. 隔離の理由は解除する時に患者に説明する。
  2. 開始した日時とその理由を診療録に記載する。
  3. 隔離室には同時に2人の患者まで入室可能である。
  4. 行動制限最小化委員会で開始の必要性を判断する。

 

 


 
▶107回午前89

精神科病院で行動制限を受ける患者への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 行動制限の理由を患者に説明する。
  2. 原則として2名以上のスタッフで対応する。
  3. 信書の発受の対象は患者の家族に限定する。
  4. 精神保健指定医による診察は週1回とする。
  5. 12時間を超えない隔離は看護師の判断で実施する。

 

 

身体拘束時の遵守事項

  • 身体的拘束は制限の程度が強く、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならない。
  • 実施する際は、患者に身体的拘束を行う理由を知らせるよう努めること、身体的拘束が漫然と行われることがないよう医師は頻回に診察を行うことなどに特に留意する。
 
▶104回午後88

精神科病棟における身体拘束時の看護で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 1時間ごとに訪室する。
  2. 拘束の理由を説明する。
  3. 水分摂取は最小限にする。
  4. 患者の手紙の受け取りを制限する。
  5. 早期の解除を目指すための看護計画を立てる。

 

 

精神障害者保健福祉手帳

  • 精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者が長期にわたり日常生活や社会生活に相当の制限を受けるなど、一定の精神障害の状態にあることを認定して交付される。
  • 手帳の交付により所得税・住民税の控除など各種税制の優遇措置や公共交通機関の運賃割引などが受けられる。

 

▶110回午後63

精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。

 

  1. 知的障害も交付対象である。
  2. 取得すると住民税の控除対象となる。
  3. 交付によって生活保護費の支給が開始される。
  4. 疾病によって障害が永続する人が対象である。

 

 

精神保健福祉センター

  • 精神保健福祉センターは、地域精神保健業務を技術面から指導・援助する機関で、都道府県・指定都市に設置される。
  • 同センターには精神保健福祉相談員を配置することとされ、精神障害者やその家族の相談に応じ、必要な指導・援助を行っている。

 

▶110回午前60

都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。

 

  1. ゲートキーパー
  2. ピアサポーター
  3. 精神保健福祉相談員
  4. 退院後生活環境相談員

 

 


 
▶108回午後63

現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。

 

  1. 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
  2. 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
  3. 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
  4. 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国の中では最も多い。

 

 

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰に向けた自助努力を支援するため、精神障害者が日常生活を営んでいく上での様々な相談や助言、指導を行う。

 

▶108回午後64・111回午後110類問

Aさん(60歳、女性)は、統合失調症で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。
退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 薬剤師
  2. 精神保健福祉士
  3. ピアサポーター
  4. 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)

 

 

精神保健福祉法改正の主な経緯・内容

近年の精神保健福祉法の改正内容は以下のとおりである。

 

●平成7年(1995年)

精神保健法から名称変更精神障害者保健福祉手帳の創設。

 

●平成17年(2005年)

通院医療公費負担制度(1965年導入)を障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の成立に伴い新設された自立支援医療に一元化。

 

●平成25年(2013年)

障害者に医療を受けさせるなどの義務を家族等に負わせていた保護者制度の廃止。

 

▶108回午前69

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、平成25年(2013年)に改正された内容はどれか。

 

  1. 保護者制度の廃止 
  2. 自立支援医療の新設
  3. 精神保健指定医制度の導入
  4. 精神分裂病から統合失調症への呼称変更

 

 


 
▶105回午前61

精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。

 

  1. 私宅監置の廃止
  2. 任意入院の新設
  3. 通院医療公費負担制度の導入
  4. 精神障害者保健福祉手帳制度の創設

 

 

 

発達障害者支援法

第3編2章 4.6〕(4)発達障害者支援 p117~118

発達障害の定義

発達障害者支援法では、発達障害を広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、通常低年齢で発症する脳機能の障害と定義している。

 

▶108回午後30

発達障害者支援法で発達障害と定義されているのはどれか。

 

  1. 学習障害
  2. 記憶障害
  3. 適応障害
  4. 摂食障害

 

 

 

自殺対策基本法

第3編2章 6.自殺対策 p123~124

責務

自殺対策基本法に基づき、政府には自殺総合対策大綱の策定を、都道府県や市町村には自殺対策計画の策定を義務づけている。

 

▶108回午後31

自殺対策基本法で都道府県に義務付けられているのはどれか。

 

  1. 自殺総合対策推進センターの設置
  2. 自殺総合対策大綱の策定
  3. ゲートキーパーの養成
  4. 自殺対策計画の策定

 

 

 

がん対策基本法

第3編4章 1.がん対策 p152~155

責務

がん対策基本法により、国はがん対策推進基本計画の策定、都道府県は都道府県がん対策推進計画の策定が定められている。

 

▶105回午後34

がん対策基本法で定められているのはどれか。

 

  1. 受動喫煙のない職場を実現する。
  2. がんによる死亡者の減少を目標とする。
  3. 都道府県がん対策推進計画を策定する。
  4. がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。

 

 

 

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

第3編4章 2.難病対策 p155~160

難病にかかる医療費の助成

難病とは、発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいい、難病法では医療費助成の対象となる指定難病として338疾病が認定されている。

 

▶107回午前43

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく医療費助成の対象となる疾患はどれか。

 

  1. 中皮腫
  2. C型肝炎
  3. 慢性腎不全
  4. 再生不良性貧血

 

 

責務

難病法では、の責務として基本方針の策定、難病の医療に関する調査・研究の推進などを、都道府県の責務として申請に基づく医療費の支給、難病にかかる診断を行う医師や医療機関の指定などを行うこととしている。

 

▶107回午後84

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉において国が行うとされているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 申請に基づく特定医療費の支給
  2. 難病の治療方法に関する調査及び研究の推進
  3. 指定難病に係る医療を実施する医療機関の指定
  4. 支給認定の申請に添付する診断書を作成する医師の指定
  5. 難病に関する施策の総合的な推進のための基本的な方針の策定

 

 

 

臓器の移植に関する法律

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p163~165

脳死判定

脳死とは脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、以下の5項目で判定される。

 

①深い昏睡

②瞳孔の散大と固定

③脳幹反射の消失

④平坦な脳波

⑤自発呼吸の停止

 

▶105回午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 


 
▶108回午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 

脳死臓器提供可能年齢

平成22年の改正臓器移植法施行により、本人の意思が不明な場合(拒否の意思がない場合)でも、家族(遺族)の書面による承諾により脳死判定および臓器摘出が可能となったことにより、15歳未満であっても脳死下の臓器提供が認められることとなった。

 

▶105回午後76

臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。

 

  1. 1歳
  2. 6歳
  3. 15歳
  4. 20歳
  5. 年齢制限なし

 

 

 

医療法

第4編1章 1.医療法 2.医療計画 p169~174

概要

医療法はわが国の医療提供体制の基本となる法律として以下の事項を定めている。

 

  • 医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項
  • 医療の安全を確保するために必要な事項
  • 病院・診療所・助産所の開設と管理に関し必要な事項
  • これらの施設の整備と医療提供施設相互間の機能の分担・業務の連携を推進するために必要な事項

 

▶108回午前75

医療提供の理念、病院・診療所等の医療を提供する場所、その管理のあり方を定めたのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 医師法
  3. 健康保険法
  4. 保健師助産師看護師法

 

 

医療に関する選択の支援等

医療法では、医療提供の際に医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努める旨(インフォームド・コンセント)が規定されている。

 

▶110回午前29

医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないことを定めているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 個人情報の保護に関する法律

 

 

医療の安全の確保

病院等の管理者は医療に係る安全管理のため、以下の体制整備を実施する。

 

  • 医療安全管理者や医薬品安全管理責任者の配置
  • 指針の整備
  • 医療安全委員会の設置
  • 職員研修(年2回程度)の実施

 

▶108回午後71・103回午後75類問

医療法における病院の医療安全管理体制で正しいのはどれか。

 

  1. 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回行わなければならない。
  2. 医療安全管理のための指針を整備しなければならない。
  3. 特定機能病院の医療安全管理者は兼任でよい。
  4. 医薬品安全管理責任者の配置は義務ではない。

 

 

医療安全支援センター/医療事故調査・支援センター

  • 医療安全支援センターは、医療の安全の確保のために都道府県・保健所設置市・特別区が設置するもので、医療に関する苦情や相談への対応、情報の提供、医療関係者への研修などを実施する。
  • 医療事故調査・支援センターは、医療事故調査の支援、整理分析、普及啓発、研修事業などを実施するもので、医療事故等が発生した場合、病院等の管理者は遅滞なく同センターに報告することとなっている。

 

▶112回午後70

医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。

 

  1. 医療安全支援センターを設置する。
  2. 医療安全管理者養成研修を実施する。
  3. 医療の安全を確保するための指針を策定する。
  4. 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。

 

 


 
▶104回午前74

医療法で医療機関に義務付けられているのはどれか。

 

  1. 医療安全管理者の配置
  2. 厚生労働省へのインシデント報告
  3. 患者・家族への医療安全指導の実施
  4. 医療安全支援センターへの医療事故報告

 

 

病院

病院20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

 

▶102回午前10

医療法において、病院とは[ ]人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 10
  2. 20
  3. 50
  4. 100

 

 

診療所

診療所は患者を入院させるための施設を有しないもの(無床診療所)、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの(有床診療所)をいう。

 

▶109回午後10・105回午後8類問

医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 9
  2. 19
  3. 29
  4. 39

 

 

特定機能病院・地域医療支援病院・臨床研究中核病院

  • 特定機能病院は、高度の医療の提供や研修を実施する能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。
  • 地域医療支援病院は、地域医療の確保を図る病院としての構造設備を有する病院として、都道府県知事が承認する。
  • 臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を推進・支援するための能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。

 

▶110回午後9

医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。

 

  1. 診療所
  2. 特定機能病院
  3. 地域医療支援病院
  4. 臨床研究中核病院

 

 


 
▶106回午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 


 
▶109回午前88

医療法で規定されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健所
  2. 特定機能病院
  3. 地方衛生研究所
  4. 市町村保健センター
  5. 医療安全支援センター

 

 

病床種別

医療法に基づき病床が区分され、「一般病床」「療養病床」「精神病床」「感染症病床」「結核病床」の5種類が定められている。

 

▶111回午後33

医療法に基づく記述で正しいのはどれか。

 

  1. 病床の区分は療養病床と一般病床の2種類である。
  2. 地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要である。
  3. 無床診療所の開設には厚生労働大臣への届出が必要である。
  4. 有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。

 

 

病床種別ごとの基準

病床種別ごとに人員配置基準構造設備基準(必置施設、患者1人につき病床面積、廊下幅)が定められており、たとえば一般病床における看護師・准看護師の人員配置基準は3:1(入院患者3人に対して看護師・准看護師1人)となっている。

 

▶104回午後48

看護師の人員配置基準について定めた法律はどれか。

 

  1. 医療法
  2. 労働基準法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶107回午前9

一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【 】人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定められている。
【 】に入るのはどれか。

 

  1. 2
  2. 3
  3. 4
  4. 6

 

 


 
▶102回午前38

医療法施行規則で規定されているのはどれか。

 

  1. 病室の室温
  2. 病室の照度
  3. ベッドの高さ
  4. 1床あたりの床面積

 

 

5疾病5事業

医療法に定める医療計画には、医療提供体制の整備に重要な5疾病5事業が掲げられている。

 

●5疾病

「がん」「脳卒中」「心血管疾患」「糖尿病」「精神疾患」

 

●5事業

「救急医療」「災害医療」「へき地医療」「周産期医療」「小児医療」

 

なお、令和6年度(2024年度)の医療計画からは、5事業に「新興感染症等の感染拡大時における医療」が6事業目として追加される。

 

▶107回午後77

平成24年(2012年)の医療法の改正によって、医療計画には①疾病・②事業及び在宅医療の医療体制に関する事項を定めることとされている。
①と②に入る数字の組合せで正しいのはどれか。

 

  ①――②

  1. 4――4
  2. 4――5
  3. 5――4
  4. 5――5
  5. 6――6

 

 


 
▶107回午前67

災害医療について正しいのはどれか。

 

  1. 災害拠点病院は市町村が指定する。
  2. 医療計画の中に災害医療が含まれる。
  3. 防災訓練は災害救助法に規定されている。
  4. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。

 

 

医療計画

  • 医療計画は、各都道府県が地域の実情に応じて主体的に策定するもので、計画期間である6年ごとに達成状況の調査・分析・評価・公表を行う。
  • 記載事項として、5疾病5事業のほか、在宅医療、地域医療構想に基づく病床の整備基準病床数)、二次医療圏・三次医療圏の設定事項などが含まれる。

 

▶109回午前73

医療法における医療計画で正しいのはどれか。

 

  1. 国が策定する。
  2. 在宅医療が含まれる。
  3. 3年ごとに見直される。
  4. 病床の整備は含まれない。

 

 


 
▶112回午前34

医療計画について正しいのはどれか。

 

  1. 基準病床数を定める。
  2. 5年ごとに見直しを行う。
  3. 特定機能病院の基準を定める。
  4. 一次、二次および三次医療圏を設定する。

 

 

地域医療構想

医療介護総合確保推進法では、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(地域包括ケアシステムの構築)のため、都道府県は医療計画の一部として地域医療構想を策定することとし、構想区域ごと、病床機能ごとに、令和7年(2025年)の医療需要、病床の必要量などを推計している。

 

▶109回午前86

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で推進するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子育て世代包括支援センター
  2. 地域包括ケアシステム
  3. 子どもの医療費の助成
  4. 地域生活支援事業
  5. 地域医療構想

 

 

 

保健師助産師看護師法

第4編1章 4.4〕看護職員等 p202~206

看護師免許の付与

保健師助産師看護師法に基づき、看護師になろうとする者は、看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

 

▶111回午後5

看護師免許を付与するのはどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 文部科学大臣

 

 

業務に従事する看護師の届出

保健師助産師看護師法に基づき、業務に従事する看護師は、2年ごとに氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項を就業地の都道府県知事に届け出なければならない。

 

▶108回午前6・106回午前5類問

業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4

 

 

看護師免許付与における相対的欠格事由

保健師助産師看護師法に基づき、看護師免許付与における相対的欠格事由として以下を定め、いずれかに該当した場合は免許を与えないことがあり、看護師が該当した場合は厚生労働大臣が免許の取消し等の処分をすることができる。

 

  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 医事に関し犯罪または不正の行為のあった者
  • 心身の障害により看護師の業務を適正に行うことができない者
  • 麻薬、大麻またはあへんの中毒者

 

▶108回午後5

看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶110回午前5・106回午前45類問

看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。

 

  1. 20歳未満の者
  2. 海外に居住している者
  3. 罰金以上の刑に処せられた者
  4. 伝染性の疾病にかかっている者

 

 


 
▶106回午後32

保健師助産師看護師法に定められているのはどれか。

 

  1. 免許取得後の臨床研修が義務付けられている。
  2. 心身の障害は免許付与の相対的欠格事由である。
  3. 看護師籍の登録事項に変更があった場合は2か月以内に申請する。
  4. 都道府県知事は都道府県ナースセンターを指定することができる。

 

 

看護師の守秘義務

保健師助産師看護師法に基づき、看護師は正当な理由なく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない

 

▶109回午後5・103回午後8類問

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

 

  1. 研究をする。
  2. 看護記録を保存する。
  3. 看護師自身の健康の保持増進を図る。
  4. 業務上知り得た人の秘密を漏らさない。

 

 


 
▶112回午後5

看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 

看護師の業務

  • 看護師は傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする(保健師助産師看護師法5条)。
  • 診療の補助の範囲は厚生労働省通知により解釈がなされ、静脈内注射などは医師の指示の下に行うことができる。

 

▶104回午後39

看護師の業務で正しいのはどれか。

 

  1. グリセリン浣腸液の処方
  2. 褥婦への療養上の世話
  3. 酸素吸入の流量の決定
  4. 血液検査の実施の決定

 

 


 
▶103回午後4

医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。

 

  1. 薬剤の処方
  2. 死亡の判定
  3. 静脈内注射
  4. 診断書の交付

 

 


 
▶105回午後5

医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。

 

  1. 静脈内注射
  2. 診断書の交付
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 人工呼吸器の設定の変更

 

 

看護師の特定行為

  • 保健師助産師看護師法に定める特定行為は、看護師が医師または歯科医師の作成する手順書により行う診療の補助で、38行為が規定されている。
  • 平成27年(2015年)から特定行為に係る看護師の研修制度が開始し、厚生労働大臣が特定行為研修を行う研修機関を指定している。

 

▶109回午後78

看護師の特定行為で正しいのはどれか。

 

  1. 診療の補助である。
  2. 医師法に基づいている。
  3. 手順書は看護師が作成する。
  4. 特定行為を指示する者に歯科医師は含まれない。

 

 


 
▶106回午前70

特定行為に係る看護師の研修制度に関して正しいのはどれか。

 

  1. 特定行為は診療の補助行為である。
  2. 研修は都道府県知事が指定する研修機関で実施する。
  3. 研修を受けるには10年以上の実務経験が必要である。
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律に定められている。

 

 

 

看護師等の人材確保の促進に関する法律

第4編1章 4.4〕看護職員等 p202~206

看護師等の確保のための関係者の責務

看護師等の人材確保の促進に関する法律により、国・地方公共団体には財政・金融上の措置、病院等の開設者等には処遇改善・臨床研修等の実施、看護師等には能力の開発・向上、国民には関心・理解などの責務を定めている。

 

▶107回午前66

看護師が自ら進んで能力を開発することの努力義務を定めているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 労働契約法
  3. 教育基本法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶102回午前5

新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

 

 

都道府県ナースセンターの実施事業

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定される都道府県ナースセンターは、看護師等の就業状況等の調査や無料職業紹介事業、訪問看護等の研修、各種情報提供などを行う。

 

▶110回午後5

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。

 

  1. 訪問看護業務
  2. 看護師免許証の交付
  3. 訪問入浴サービスの提供
  4. 看護師等への無料の職業紹介

 

 

看護師の復職支援

看護師等は、病院等を離職した場合、該当の業に従事しなくなった場合、免許を受けた後すぐに従事する見込みがない場合、都道府県ナースセンターに住所、氏名、連絡先等を届け出るよう努めなければならないとし、この届出制度を活用し、都道府県ナースセンターにおいて潜在看護師等の復職支援の強化を図っている。

 

▶111回午前74

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている、離職した看護師の復職の支援に関連する制度はどれか。

 

  1. 看護師等免許保持者の届出
  2. 特定行為に係る研修
  3. 教育訓練給付金
  4. 業務従事者届

 

 


 
▶108回午後72

看護師等の人材確保の促進に関する法律における離職等の届出で適切なのはどれか。

 

  1. 届出は義務である。
  2. 届出先は保健所である。
  3. 離職を予定する場合に事前に届け出なければならない。
  4. 免許取得後すぐに就職しない場合は届け出るよう努める。

 

 

 

医療保険各法

第4編2章 1.医療保険制度 p218~219

国民皆保険

わが国はすべての国民が、①被用者保険、②国民健康保険、③後期高齢者医療制度のいずれかの医療保険に加入することとしている(国民皆保険制度)。

 

▶109回午後4・102回午前3類問

日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

 

 

医療給付内容

医療給付内容には、診察、処置・手術、薬剤・治療材料、食事療養、入院・看護、在宅療養・看護、訪問看護がある。健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用は含まない。
 
▶109回午前4

健康保険法による療養の給付の対象はどれか。

 

  1. 手術
  2. 健康診査
  3. 予防接種
  4. 人間ドック

 

 

被用者保険(職域保険)

  • 被用者保険の被保険者は、会社員や公務員など事業者に使用される75歳未満の者である。
  • 保険者により全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)や組合管掌健康保険(組合健保)、船員保険、共済組合(国家公務員・地方公務員・私立学校教職員)がある。

 

▶108回午前87

日本の公的医療保険制度に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 年金保険
  2. 雇用保険
  3. 船員保険
  4. 組合管掌健康保険
  5. 労働者災害補償保険

 

 

国民健康保険

  • 国民健康保険の被保険者は被用者保険の加入者(被保険者とその家族)でも後期高齢者医療の被保険者(原則75歳以上の者)でもない者である。
  • 保険者は都道府県・市町村・国民健康保険組合である。

 

▶104回午前3改題

国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 


 
▶109回午後34

国民健康保険で正しいのはどれか。

 

  1. 被用者保険である。
  2. 保険者は国である。
  3. 高額療養費制度がある。
  4. 保険料は加入者の年齢で算出する。

 

 

後期高齢者医療制度

  • 後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき平成20年度(2008年度)に開始した。
  • 被保険者は原則75歳以上の後期高齢者である。

 

▶110回午後48・106回午後4類問

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 老人福祉法
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律
  4. 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉

 

 


 
▶111回午前4

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する( )歳以上の者、および65歳以上( )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 70
  2. 75
  3. 80
  4. 85

 

 

医療費の自己負担

医療費の一部負担金割合は、後期高齢者医療制度が原則1割(所得により2割または3割)、被用者保険や国民健康保険が原則3割(未就学児や現役並み所得のない70歳以上の者は2割)となっている。

 

▶112回午後4

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 4割

 

 


 
▶105回午前32

医療保険について正しいのはどれか。

 

  1. 医療給付には一部負担がある。
  2. 高額療養費の受給には年齢制限がある。
  3. 市町村国民健康保険は職域保険の1つである。
  4. 後期高齢者医療における公費負担は8割である。

 

 


 
▶107回午前64改題

日本の医療保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 健康診断は医療保険が適用される。
  2. 75歳以上の者は医療費の自己負担はない。
  3. 医療保険適用者の約4分の1が国民健康保険に加入している。
  4. 健康保険の種類によって1つのサービスに対する診療報酬の点数が異なる。

 

 

 

国民年金法・厚生年金保険法

第5編2章 1.公的年金 p245~246

公的年金の特徴

わが国の公的年金の特徴として、以下のような特徴が挙げられる。

 

  • 加入者が保険料を拠出し、年金給付を受ける社会保険方式
  • 20歳以上60歳未満の国民すべてが国民年金に加入する国民皆年金
  • 現在の現役世代が負担した保険料を原資に、現在の高齢世代が年金給付を受ける賦課方式

 

▶106回午後66

公的年金制度について正しいのはどれか。

 

  1. 学生は申請によって納付が免除される。
  2. 生活保護を受けると支給が停止される。
  3. 保険料が主要財源である。
  4. 任意加入である。
  5. 積立方式である。

 

 

 

生活保護法

第5編2章 2.生活保護等 p246

生活保護法による8扶助

生活保護制度では、要保護者の生活需要の性質等に応じて、①生活、②教育、③住宅、④医療、⑤介護、⑥出産、⑦生業、⑧葬祭の8種類の扶助が設けられている。

 

▶110回午前79

生活保護法で実施される扶助は、生活扶助、介護扶助、住宅扶助、出産扶助を含めて( )種類である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 5
  2. 6
  3. 7
  4. 8
  5. 9

 

 


 
▶102回午後78

生活保護法で扶助として定められていないのはどれか。

 

  1. 教育
  2. 医療
  3. 授産
  4. 住宅
  5. 葬祭

 

 


 
▶112回午後32

生活保護法の扶助の種類とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――医療にかかる費用
  2. 教育扶助――高等学校以上の教育にかかる費用
  3. 住宅扶助――住宅の購入にかかる費用
  4. 出産扶助――新生児の育児用品にかかる費用

 

 

生活保護の決定

生活保護の決定と実施に関する権限は、都道府県知事と市長、福祉事務所を設置する町村の長が有し、多くの場合、その設置する福祉事務所の長に権限が委任されている。

 

▶104回午前32

生活保護法に基づき保護を決定するのはどれか。

 

  1. 保健センター
  2. 福祉事務所
  3. 保健所
  4. 病院

 

 

 

社会福祉法

第5編2章 3.地域福祉 p246~247

社会福祉協議会

社会福祉協議会は、社会福祉法に基づく地域福祉の推進を図ることを目的とする民間組織で、地域の実情に応じボランティア活動支援、見守りネットワークづくり、生活福祉資金の貸し付け、日常生活自立支援事業などを実施している。

 

▶111回午前31・104回午後36類問

社会福祉法に基づき社会福祉協議会が推進するのはどれか。

 

  1. がん対策
  2. 男女共同参画
  3. 就労の支援活動
  4. ボランティア活動

 

 

 

児童福祉法

第5編2章 4.児童家庭福祉 p247~250

児童相談所

  • 児童相談所は各都道府県・指定都市に設置が義務づけられており、児童福祉司などの専門職員を配置し、子どもに関する各種の相談に応じ、専門的な角度から調査・診断・判定を行う。
  • 調査等に基づいて、児童相談所長または都道府県知事の決定に基づく児童の一時保護などの措置を行っている。

 

▶108回午前81

ネグレクトを受けている児の一時保護を決定するのはどれか。

 

  1. 家庭裁判所長
  2. 児童相談所長
  3. 保健所長
  4. 警察署長
  5. 市町村長

 

 


 
▶106回午前83

児童相談所について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国が設置する。
  2. 児童福祉司が配置されている。
  3. 母親を一時保護する機能を持つ。
  4. 知的障害に関する相談を受ける。
  5. 児童の保健について正しい衛生知識の普及を図る。

 

 


 
▶105回午後83

児童相談所の業務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 児童の一時保護
  2. 自立支援給付の決定
  3. 不登校に関する相談
  4. 身体障害者手帳の交付
  5. 放課後児童健全育成事業の実施

 

 

小児慢性特定疾病医療費の支給

児童福祉法の規定により、小児慢性特定疾病(令和3年11月1日現在、16疾患群788疾病)にかかっている18歳未満の児童等を対象に、都道府県、指定都市、中核市が実施主体となって医療費の自己負担分の一部を助成している。(公費医療

 

▶108回午後53

小児慢性特定疾病対策における医療費助成で正しいのはどれか。

 

  1. 対象は5疾患群である。
  2. 対象年齢は20歳未満である。
  3. 医療費の自己負担分の一部を助成する。
  4. 難病の患者に対する医療等に関する法律に定められている。

 

 


 
▶103回午後81

市町村の業務でないのはどれか。

 

  1. 妊娠届の受理
  2. 母子健康手帳の交付
  3. 乳児家庭全戸訪問事業
  4. 3歳児健康診査
  5. 小児慢性特定疾患公費負担医療給付

 

 

養育支援訪問事業

養育支援訪問事業は、出産後の子どもの養育について出産前に支援を行うことが特に必要と認められる妊婦(特定妊婦)を対象に、保健師や助産師、保育士などが訪問し、指導・助言を行う。

 

▶107回午後58

母子保健施策とその対象の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 育成医療――結核児童
  2. 養育医療――学齢児童
  3. 健全母性育成事業――高齢妊婦
  4. 養育支援訪問事業――特定妊婦

 

 

 

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)

第5編2章 4.5〕配偶者からの暴力の防止対策 p249

配偶者暴力相談支援センターと裁判所の役割

  • DV防止法に基づき、配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するよう努めなければならない。
  • 通報を受けた配偶者暴力相談支援センターは、婦人相談員による相談や自立支援、一時保護などを行う。加害者に対する被害者への接近禁止命令や退去命令などの保護命令は裁判所が行う。

 

▶106回午後30

配偶者暴力相談支援センターの機能はどれか。

 

  1. 一時保護
  2. 就労の仲介
  3. 外傷の治療
  4. 生活資金の給付

 

 


 
▶104回午後66

Aさん(38歳、女性、パート勤務)は、腹痛のため、姉に付き添われて救急外来を受診した。診察時、身体には殴られてできたとみられる複数の打撲痕が確認された。腹痛の原因は夫から蹴られたことであった。Aさんは「家に帰るのが怖い。姉には夫の暴力について話したくない」と泣いている。
外来での看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 打撲痕を姉に見てもらう。
  2. 配偶者暴力相談支援センターに通報する。
  3. 暴力を受けたときの状況を具体的に話すことを求める。
  4. Aさんが日頃から夫を怒らせるようなことがなかったか聞く。

 

 


 
▶105回午前84

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 離婚調停の支援
  2. 成年後見制度の利用
  3. 保健所による自立支援
  4. 婦人相談員による相談
  5. 裁判所による接近禁止命令

 

 

配偶者・暴力の定義

  • DV防止法に規定する配偶者には、男性・女性の別を問わず、婚姻の届出をしていない事実婚、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含む)、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力も含む。
  • 暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。

 

▶111回午後63

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 配偶者暴力相談支援センターは被害者の保護命令を出すことができる。
  2. 配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。
  3. 配偶者からの暴力を発見したときは、保健所へ通報する。
  4. 加害者の矯正が法の目的に含まれる。

 

 


 
▶106回午前62

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉で正しいのはどれか。

 

  1. 婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。
  2. 暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。
  3. 暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。
  4. 母子健康センターは被害者の保護をする。

 

 

 

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉

第5編2章 4.6〕妊産婦等の就業 p250

妊婦健康診査を受診する時間の確保

  • 男女雇用機会均等法により、妊婦が事業主に妊婦健康診査(母子保健法)を受診する時間の確保を請求できることが規定されている。
  • その時期としては、妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24~35週までは2週間に1回、妊娠36週以後出産までは1週間に1回が推奨される。

 

▶110回午後61

妊婦健康診査を受診する時間を確保するために妊婦が事業主に請求できることを規定している法律はどれか。

 

  1. 母子保健法
  2. 労働基準法
  3. 育児介護休業法
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉

 

 


 
▶109回午前63

正常に経過している妊娠36週の妊婦が、次に妊婦健康診査を受診する時期として推奨されるのはどれか。

 

  1. 4週後
  2. 3週後
  3. 2週後
  4. 1週後

 

 

 

労働基準法

第5編2章 4.6〕妊産婦等の就業 p250

妊産婦等の就業に関する規定

  • 労働基準法の規定により、使用者は産前6週間で休業を請求した女性、産後8週間(産後6週間経過後の女性の請求による就業は可)を経過しない女性を就業させてはならない(産前産後休業)。
  • 妊産婦等の危険有害業務の就業禁止のほか、女性の請求による妊産婦等の軽易業務転換、時間外労働・休日労働・深夜業の制限、育児時間なども規定している。

 

▶107回午前86

労働基準法で定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 妊娠の届出
  2. 妊婦の保健指導
  3. 産前産後の休業
  4. 配偶者の育児休業
  5. 妊産婦の時間外労働の制限

 

 


 
▶102回午後30

労働基準法において、就業中の妊産婦から請求がなくても使用者が処遇すべきなのはどれか。

 

  1. 産前6週間の就業禁止
  2. 産後6週間の就業禁止
  3. 深夜業の就業禁止
  4. 育児時間の確保

 

 


 
▶105回午前55

就労している妊婦に適用される措置と根拠法令との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 時差出勤――母子保健法
  2. 産前産後の休業――児童福祉法
  3. 軽易業務への転換――母体保護法
  4. 危険有害業務の制限――労働基準法

 

 

 

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉

第5編2章 4.6〕妊産婦等の就業 p250

育児に関する規定

育児・介護休業法には育児に関して以下のような規定がある。

 

  • 子どもが1歳になるまでの育児休業
  • 3歳までの子を養育する労働者の請求による所定外労働の制限や所定労働時間の短縮
  • 小学校就学前までの子を養育する労働者の請求による看護休暇の取得や時間外労働の制限

 

▶107回午前79

Aさん(28歳、女性)は、2歳の子どもを養育しながら働いている。
Aさんが所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けているのはどれか。

 

  1. 児童福祉法
  2. 労働基準法
  3. 男女共同参画社会基本法
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉
  5. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉

 

 


 
▶104回午前35

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉で定められているのはどれか。

 

  1. 妊産婦が請求した場合の深夜業の禁止
  2. 産後8週間を経過しない女性の就業禁止
  3. 生後満1年に達しない生児を育てる女性の育児時間中のその女性の使用禁止
  4. 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合の時間外労働の制限

 

 

 

障害者基本法

第5編2章 5.障害者福祉等 p250~252

概要

  • 障害者基本法は、障害者の自立や社会参加の支援のための施策を総合的・計画的に推進することを目的とする。
  • 対象は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)その他の心身の機能の障害がある者。
  • 障害者等が障害を持たない者と同等に生活・活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下に、公共的施設のバリアフリー化障害者週間(12月3~9日)の設定などを規定している。

 

▶103回午後36

障害者基本法で正しいのはどれか。

 

  1. 目的は障害者の保護である。
  2. 障害者の日が規定されている。
  3. 身体障害と知的障害の2つが対象である。
  4. 公共的施設のバリアフリー化の計画的推進を図ることとされている。

 

 

 

老人福祉法

第5編2章 6.高齢者福祉等 p252~254

老人福祉計画

老人福祉法に基づき、全市町村・都道府県は老人保健福祉計画の策定が義務づけられている。

 

▶110回午後87

老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村
  2. 都道府県
  3. 福祉事務所
  4. 後期高齢者医療広域連合

 

 

老人デイサービスセンター

介護保険法の通所介護や地域密着型通所介護では、老人福祉法に規定する老人デイサービスセンターに通って、日常生活上の世話および機能訓練を行うものと定めている。

 

▶112回午前32

老人福祉法と介護保険法のいずれにも位置付けられている施設はどれか。

 

  1. 介護医療院
  2. 介護老人保健施設
  3. 老人福祉センター
  4. 老人デイサービスセンター

 

 

 

高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉

第5編2章 6.2〕高齢者虐待防止対策 p253

概要

  • 高齢者虐待に関する防止、保護、支援については、市町村(特別区を含む)が第一義的に責任を持つ。
  • 高齢者を保護・分離する手段として、居宅サービスの措置、養護老人ホームへの措置、特別養護老人ホームへのやむを得ない事由による措置などを講じることが規定されている。

 

▶107回午前60

養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者が、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉に基づき通報する先として正しいのはどれか。

 

  1. 市町村
  2. 警察署
  3. 消防署
  4. 訪問看護事業所

 

 


 
▶109回午後35

高齢者の虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉で、措置された高齢者が入所する社会福祉施設はどれか。

 

  1. 有料老人ホーム
  2. 特別養護老人ホーム
  3. 高齢者生活福祉センター
  4. サービス付き高齢者向け住宅

 

 

 

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

第5編2章 6.4〕高齢者の就労支援 p253~254

シルバー人材センター事業

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に定めるシルバー人材センター事業として、おおむね60歳以上の健康で就業意欲がある高年齢者を対象に、地域の日常生活に密着した仕事(清掃、除草、植栽のせん定など)を提供している。

 

▶111回午後55

退職した高齢者に就労機会を提供するのはどれか。

 

  1. シルバー人材センター
  2. 老人福祉センター
  3. 老人クラブ
  4. 自治会

 

 

 

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

第6編1章 4.医薬品等の承認・許可制度 p259~261

毒薬・劇薬

医薬品医療機器等法では、医薬品のうち毒性・劇性が強いものを毒薬・劇薬として厚生労働大臣が指定し、取り扱いを定めており、貯蔵または陳列する場合は施錠しなければならない。

 

▶112回午前40

毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。

 

  1. 薬剤師法
  2. 毒物及び劇物取締法
  3. 麻薬及び向精神薬取締法
  4. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

 

 

毒薬の表示

毒薬は容器または被包に、黒地・白枠・白字で「毒」の文字を記載しなければならない。

 

▶109回午前14

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉による毒薬の表示を別に示す。
dokuyaku
正しいのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

劇薬の表示

劇薬は容器または被包に、白地・赤枠・赤字で「劇」の文字を記載しなければならない。

 

▶106回午前17

医薬品表示を別に示す。
gekiyaku
劇薬の表示で正しいのはどれか。

 

 

 

 

麻薬及び向精神薬取締法

第6編3章 2.麻薬・覚醒剤等 p280~282

麻薬の保管等の規定

麻薬及び向精神薬取締法では、麻薬事故や廃棄についての都道府県知事への届け出、麻薬の譲り渡しや譲り受けに関する規制、厳格な保管・記録、麻薬中毒者に対する必要な医療を行う等の措置を規定している。

 

▶107回午前17

他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. フェンタニル

 

 

麻薬を扱う者

業務上麻薬を扱う者として、麻薬施用者(医師、歯科医師、獣医師に限る)と麻薬管理者(医師、歯科医師、獣医師、薬剤師に限る)を規定している。

 

▶107回午後40

麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。

 

  1. 看護師は麻薬施用者免許を取得できる。
  2. 麻薬を廃棄したときは市町村長に届け出る。
  3. アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
  4. 麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。

 

 

 

食品衛生法・食品安全基本法

第7編2章 1.食品安全行政の概要 p289~290

概要

  • 食品衛生法は、食品等の事業者の責務や規格・基準、監視指導などを規定している。
  • 食品安全基本法は、リスク分析(評価・管理・コミュニケーション)により食品安全の確保を図るもので、リスク評価は内閣府に設置された食品安全委員会が担当する。

 

▶105回午後33

食品衛生法に定められていないのはどれか。

 

  1. 残留農薬の規制
  2. 食品添加物の規制
  3. 食品安全委員会の設置
  4. ポジティブリスト制度の導入

 

 

 

労働基準法

第8編 9.1〕過重労働による健康障害防止対策 p323

労働時間

労働基準法では、労働時間について、休憩時間を除き1日に8時間、1週間に40時間を超えないように定めている。

 

▶112回午前4・103回午前3類問

休憩時間を除いた1週間の労働時間で、超えてはならないと労働基準法で定められているのはどれか。

 

  1. 30時間
  2. 35時間
  3. 40時間
  4. 45時間

 

 

 

労働安全衛生法

第8編 3.労働衛生管理の基本 p314~315

労働衛生の3管理

  • 労働安全衛生法では、①作業環境管理、②作業管理、③健康管理の労働衛生の3管理を整備している。
  • 健康管理については健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導を規定している。

 

▶106回午後37

職業病や労働災害の防止、より健康的な労働環境の確保および労働者の健康の向上を目的としている法律はどれか。

 

  1. 労働組合法
  2. 労働基準法
  3. 労働安全衛生法
  4. 労働関係調整法

 

 


 
▶111回午前33

労働衛生の「3管理」とは、作業環境管理と作業管理と( )である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 健康管理
  2. 総括管理
  3. 労務管理
  4. 出退勤管理

 

 


 
▶108回午後3

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業手当の給付
  2. 労働者に対する健康診断の実施
  3. 労働者に対する労働条件の明示
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

 

ストレスチェック制度

労働安全衛生法に基づき、労働者50人以上の事業所では、労働者に対して1年以内ごとに1回、産業医等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施が義務づけられている。

 

▶112回午前73

職員数が300人の病院の看護師の働き方に関するマネジメントで、労働安全衛生法に基づいて規定されているのはどれか。

 

  1. 1年以内ごとに1回、定期に心理的な負担の程度を把握するための検査を行う。
  2. 8時間を超える夜勤の時は1時間以上の休憩時間を確保する。
  3. 生理日に就業が著しく困難な場合は休暇の請求ができる。
  4. 妊娠中は請求すれば時間外労働が免除される。

 

 

 

労働者災害補償保険法

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p321~322

概要

労災保険制度は、労働者災害補償保険法に基づき、業務上の事由や通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡などに対して保険給付を行うものである。

 

▶110回午前87・106回午前35類問

労働者災害補償保険法に規定されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 通勤災害時の療養給付
  2. 失業時の教育訓練給付金
  3. 災害発生時の超過勤務手当
  4. 有害業務従事者の健康診断
  5. 業務上の事故による介護補償給付

 

 

 

雇用保険法

第8編 9.9〕雇用保険制度 p325

雇用保険制度

  • 雇用保険制度は政府が管掌する労働保険で、失業等給付や育児休業給付の支給などを行う。
  • 労働者を雇用する事業は原則として強制的に適用され、保険料は労働者と事業主双方が負担する。

 

▶110回午後32

雇用保険法について正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業給付がある。
  2. 雇用保険は任意加入である。
  3. 雇用保険の保険者は市町村である。
  4. 雇用保険料は全額を労働者が負担する。

 

 

 

環境基本法

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p335~340

第9編2章 3.騒音・振動・悪臭対策の動向 p343~345

大気汚染に係る環境基準

  • 環境基本法に基づき、大気汚染物質に対して大気汚染に係る環境基準が設定されている。
  • そのうち、微小粒子状物質(PM2.5は、浮遊粒子状物質(SPM)の中でも特に粒径が小さい有害大気汚染物質で、呼吸器や循環器への影響が懸念される。

 

▶110回午前3・104回午前34類問

大気汚染物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. カドミウム
  3. メチル水銀
  4. 微小粒子状物質(PM2.5

 

 

騒音についての環境基準

環境基本法に基づき、地域の類型、時間の区分ごとに騒音についての環境基準が定められており、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域では、昼間が50db以下、夜間が40db以下と設定されている。

 

▶106回午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 

 

学校保健安全法

第10編1章 学校保健行政の動向 p358~368

主な規定

  • 設置が義務づけられている学校医は、健康相談や保健指導、健康診断、疾病・感染症・食中毒予防処置などに従事する。
  • 就学時の健康診断は、学齢簿が作成された後、翌学年の初めから4カ月前(就学に関する手続きの実施に支障がない場合は3カ月前)までの間に行う。
  • 校長は感染症にかかっている者、その疑いのある者およびかかるおそれのある者の出席を停止させることができる。

 

▶105回午前35

学校保健について正しいのはどれか。

 

  1. 学校医は健康相談を実施する。
  2. 校長は学校医を置くことができる。
  3. 教育委員会は小学校入学1年前の児童に対して健康診断を実施する。
  4. 学校医は感染症に罹患した児童生徒の出席を停止させることができる。

 

 

 

複合法律問題

 

▶109回午前29

公費医療と法の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 未熟児の養育医療――医療法
  2. 結核児童の療養給付――児童福祉法
  3. 麻薬中毒者の措置入院――精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
  4. 定期予防接種による健康被害の救済措置――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

 

 


 
▶107回午前30

法律とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 児童福祉法――受胎調節の実地指導
  2. 地域保健法――市町村保健センターの設置
  3. 健康増進法――医療安全支援センターの設置
  4. 学校保健安全法――特定給食施設における栄養管理

 

 


 
▶106回午前60

出産や育児に関する社会資源と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 入院助産――児童福祉法
  2. 出産扶助――母体保護法
  3. 出産手当金――母子保健法
  4. 養育医療――児童手当法

 

 


 
▶106回午前89

精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。
  2. 障害者基本法の対象は身体障害と精神障害の2障害と規定されている。
  3. 発達障害者支援法における発達障害の定義には統合失調症が含まれる。
  4. 精神通院医療の公費負担は精神保健福祉法による自立支援医療で規定されている。
  5. 犯罪被害者等基本法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。

 

 


 
▶106回午後67

健康に影響を及ぼす生活環境とそれを規定している法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 上水道水質――汚濁防止法
  2. 飲食店――食品衛生法
  3. 家庭ごみ――悪臭防止法
  4. 学校環境――教育基本法
  5. 住宅用の建築材料――環境基本法

 

 


 
▶102回午前33・112回午前31類問

社会保険と根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療保険――健康保険法
  2. 年金保険――老人福祉法
  3. 雇用保険――雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
  4. 労働者災害補償保険――労働基準法

 

 


 
▶111回午後31

次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。

 

  1. 未成年者喫煙禁止法
  2. 麻薬及び向精神薬取締法
  3. アルコール健康障害対策基本法
  4. ギャンブル等依存症対策基本法

 

 


 
▶106回午後31改題

施行日が最も新しい法律はどれか。

 

  1. 高齢社会対策基本法
  2. 高齢者の医療の確保に関する法律
  3. 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
  4. 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉

 

 


 
▶107回午後51

子どもの権利について述べている事項で最も古いのはどれか。

 

  1. 児童憲章の宣言
  2. 児童福祉法の公布
  3. 母子保健法の公布
  4. 児童の権利に関する条約の日本の批准

 

 

 

近年成立の法律・制度

 

法律や制度は社会情勢の変化に合わせて成立、改正、廃止が行われるため、看護師国家試験においては、過去問題だけを解いていても対応できない新規の内容の問題が出てくることは頻繁にあります。

 

「国民衛生の動向」では毎年、最新の制度改正を反映した情報に更新しているため、法律・制度の総チェックが可能です。
以下に看護師国家試験で頻出テーマであり、近年法改正等がなされた事項について列記します。詳しくは「国民衛生の動向」を確認しながら、過去問題と合わせて予想問題対策としてお使いください。

 

令和6年(2024年)

4月

  • 「21世紀における第三次国民健康づくり運動」〈健康日本21(第三次)〉が開始(令和17年度まで)。「健康寿命の延伸・健康格差の縮小」「個人の行動と健康状態の改善」「社会環境の質の向上」「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」の4つを基本的方向として掲げる。
  • 医療計画の5疾病5事業に6事業目として「新興感染症等の感染拡大時における医療」を追加。
  • 医療法等の改正による医師の働き方改革の適用開始。時間外労働の上限規制を定め、医師の健康確保措置(面接指導、連続勤務時間制限等)や医師の労働時間短縮計画の作成などの措置を講じる。また、業務の移管や共同化(タスク・シフティング/タスク・シェアリング)を推進する。

 

令和5年(2023年)

5月

  • 新型コロナウイルス感染症を感染症法の5類感染症に位置づけ変更。また、学校において予防すべき感染症として第二種に位置づけ。

 

4月

  • 9価HPVワクチンによる定期接種の開始。

 

令和4年(2022年)

12月

  • 地域保健法改正により地方衛生研究所等の体制整備が法定化された。地方衛生研究所は、公衆衛生の向上と増進を図るための科学的・技術的中核として都道府県・指定都市が設置するもので、これまで地方衛生研究所設置要綱等に基づいて設置されている。
  • 障害者総合支援法の一部改正。①就労アセスメントの手法を活用した「就労選択支援」の創設、②基幹相談支援センターおよび地域生活支援拠点等の整備を市町村に努力義務化など。
  • 精神保健福祉法改正。①医療保護入院の見直し(家族等の同意・不同意の意思表示を行わない場合にも市町村長の同意により行うことを可能とすること、入院期間を設定して一定期間ごとに入院の要否を確認すること)、②入院者訪問支援事業の創設(入院訪問支援者が患者本人の希望により精神科病院を訪問してサポートを行うもの)など。
  • 難病法改正。難病患者に対する医療費助成の開始時期を、申請日から重症化したと診断された日に前倒しするなど。

 

11月

  • 健康日本21(第二次)最終評価報告書公表。目標値に達した項目は健康寿命や血糖コントロール不良者の減少など、悪化していると評価された項目はメタボリックシンドローム該当者・予備軍の数や適正体重の子どもの増加など。

 

10月

  • 自殺総合対策大綱の閣議決定。「子ども・若者の自殺対策の更なる推進・強化」「女性に対する支援の強化」「地域自殺対策の取組強化」「新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた対策の推進など」を追加。
  • 後期高齢者医療制度における窓口負担割合について、原則1割、現役並み所得者3割に加えて、一定以上の所得がある者を2割とする。
  • 産後パパ育休」の創設、育児休業の分割取得。

 

4月

  • 不妊治療の保険適用化。一般不妊治療における「人工授精」、生殖補助医療における「体外受精」「顕微授精」など保険適用。

 

令和3年(2021年)

6月

  • 「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」成立。医療的ケア児とは日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為)を受けることが不可欠である児童をいう。

 

4月

  • 改正母子保健法の施行により、市町村に産後ケアを必要とする出産後1年を経過しない女子と乳児に対する産後ケア事業の実施を努力義務化。
  • 65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置(定年引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、創業支援等措置の導入のいずれか)を講ずることが事業主の努力義務となる。

 

2月

  • 新型インフルエンザ等対策特別措置法改正。「まん延防止等重点措置」が創設され、従来の「緊急事態宣言」と合わせ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い順次適用された。

 

令和2年(2020年)

10月

  • ロタウイルス感染症の予防接種の定期接種化。

 

4月

  • 改正健康増進法の全面施行により、飲食店、オフィス・事業所等の様々な施設で原則屋内禁煙。
  • 日本人の食事摂取基準(2020年版)」使用開始。成人のナトリウム(食塩相当量)の目標量引き下げ(男7.5g/日未満・女6.5g/日未満)など。

 

令和元年(2019年)

12月

  • 「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(循環器病対策基本法)施行。政府は循環器病対策基本計画を策定し、循環器病対策を推進する。
  • 「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(成育基本法)施行。政府は基本的な方針を策定し、関連施策を推進する。

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は公衆衛生の状況に関わる統計を網羅し、毎年直近の数値に更新した最新版を刊行しています。保健師国家試験では様々な統計調査を基にした、最新の数値を問う問題が毎年必ず出題されるので、「国民衛生の動向」などで最新の統計をまとめて押さえることが必須となります。

 

このページでは、第109回(2023年)から第99回(2013年)までの11年間の保健師国家試験に出題された統計問題をピックアップし、最新の数値とともに「国民衛生の動向」の参照箇所を示します。これまで出題された統計問題の傾向を把握し、「国民衛生の動向」を参照して、より詳細なデータや推移、その対策や制度などを関連付けて確認することで、様々な問題に対応できる力を身に付けていただければ幸いです。

 

なお、問題と回答については、最新の統計の数値に合わせて改題を行っています。数値は「国民衛生の動向2022/2023」内に掲載している年次のものになります。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

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電子書籍

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

統計別問題目次

第1編:わが国の社会保障の動向と衛生行政の体系

  • 社会保障費用統計
  • 地域保健・健康増進事業報告
  • 保健師活動領域調査

第2編:衛生の主要指標

  • 国勢調査・人口推計
  • 国民生活基礎調査
  • 将来推計人口
  • 労働力人口
  • 人口動態統計
  • 患者調査
  • 生命表

第3編:保健と医療の動向

  • 国民健康・栄養調査
  • 歯科疾患実態調査

第4編:医療提供体制と医療保険

  • 医療従事者・医療施設数
  • 国民医療費

第5編:保健医療を取り巻く社会保障

  • 福祉行政報告例(児童虐待)
  • 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査

第7~10編:生活環境・労働衛生・学校保健

  • 食中毒統計調査
  • 労働災害・業務上疾病
  • 労働安全衛生調査(実態調査)
  • 学校保健統計調査
  • 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

 

 

社会保障費用統計

第1編1章 1.5〕社会保障の状況 p16~17

社会保障給付費〈令和2年度〉

  • 令和2年度(2020年度)の社会保障給付費は132.2兆円毎年増加を続けており、国民1人当たりでみると104.8万円となっている。
  • 社会保障給付費を部門別にみると、年金が55.6兆円(42.1%)と最も多く、次いで医療が42.7兆円(32.3%)、福祉その他が33.9兆円(25.6%)となっている。

 

▶106回午後34改題

令和2年度(2020年度)の社会保障給付費で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療給付費が最も多くを占める。
  2. 雇用保険の失業給付が含まれる。
  3. 給付総額は年間300兆円を超える。
  4. 給付総額は前年度よりも減少している。
  5. 国民1人あたりの給付費は約100万円である。

 

 


 

▶100回午前27改題

日本の令和2年(2020年)における社会保障給付費の割合の内訳について多い順に並んでいるのはどれか。

 

  1. 医療>介護>年金
  2. 医療>年金>介護
  3. 年金>医療>介護
  4. 年金>介護>医療

 

 

 

地域保健・健康増進事業報告

第1編2章 3.一般衛生行政の活動 p24~25

調査項目

【地域保健事業】

①母子保健、②健康増進、③歯科保健、④精神保健福祉、⑤エイズ、⑥予防接種、⑦職員の配置状況

 

【健康増進事業】

①健康診査、②歯周疾患検診・骨粗鬆症検診、③健康教育、④健康相談、⑤訪問指導、⑥がん検診、⑦肝炎ウイルス検診

 

▶105回午前39

地域保健・健康増進事業報告で把握されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 糖尿病の総患者数
  2. エイズに関する相談件数
  3. 退院患者の平均在院日数
  4. 乳児の健康診査の受診率
  5. 脳血管疾患の年齢調整死亡率

 

 

 

保健師活動領域調査

第1編2章 3.一般衛生行政の活動 5.保健師の活動 p24~26

保健師の活動状況

令和4年(2022年)の常勤保健師を就業場所別にみると以下のとおりである。

 

  • 都道府県:5,675人(14.9%)
  • 保健所設置市:9,808人(25.8%)
  • 特別区:1,563人(4.1%)
  • 市町村:20,957人(55.1%

 

また、活動項目別に保健師一人当たりの平均活動時間数の割合をみると、都道府県では「健康危機管理」が最も高く、保健所設置市・特別区、市町村では「直接対人支援」が最も高い。

 

▶108回午前2改題

令和4年度(2022年度)の保健師活動領域調査で正しいのはどれか。

 

  1. 保健師の就業場所で最も多いのは市町村である。
  2. 保健所設置市で働く常勤保健師は地方自治体における保健師全体の3割を超えている。
  3. 都道府県保健所に所属する保健師の活動項目別の活動時間割合は「直接対人支援」が最も多い。
  4. 市町村保健師の活動項目別の保健師1人当たりの平均時間数は「施策管理・業務及び組織マネジメント」が最も長い。

 

 

 

国勢調査・人口推計

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

総人口・年齢3区分別人口〈令和4年〉

  • 総人口は1億2495万人(男6076万人・女6419万人)で、2010年ころから減少傾向にある。
  • 年齢3区分別に人口構成割合をみると、年少人口(0~14歳)割合が11.6%、生産年齢人口(15~64歳)割合が59.4%、老年人口(65歳以上)割合が29.0%となっている。少子高齢化により、年少人口割合と生産年齢人口割合は減少傾向、老年人口割合は増加傾向にある。

 

▶101回午後2改題

日本の令和4年(2022年)の人口について正しいのはどれか。

 

  1. 総人口は前年より増加している。
  2. 出生数は70万人を超えている。
  3. 年少人口の割合は10%以下である。
  4. 世界で人口の多い国上位5位以内である。

 

 

人口指数〈令和4年〉

年少人口指数=19.5(低下傾向)

:年少人口÷生産年齢人口×100

 

老年人口指数=48.8(上昇傾向)

:老年人口÷生産年齢人口×100

 

従属人口指数=68.4(上昇傾向)

:(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100

 

老年化指数=249.9(上昇傾向)

:老年人口÷年少人口×100

 

▶107回午後28

従属人口指数はどれか。

 

  1. 老年人口÷総人口×100
  2. 老年人口÷生産年齢人口×100
  3. (年少人口+老年人口)÷総人口×100
  4. (年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100
  5. 老年人口÷(年少人口+生産年齢人口)×100

 

 


 

▶102回午前19

老年化指数はどれか。

 

  1. (老年人口÷総人口)×100
  2. (老年人口÷年少人口)×100
  3. (老年人口÷生産年齢人口)×100
  4. {(老年人口÷年少人口)÷生産年齢人口}×100

 

 


 

▶105回午前38

日本の人口に関する指標のうち、平成23年(2011年)以降、増加傾向にあるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総人口
  2. 老年化指数
  3. 従属人口指数
  4. 年少人口割合
  5. 生産年齢人口割合

 

 

 

国民生活基礎調査

第2編1章 1.6〕全国の世帯数 p43~45

調査の概要

国民生活基礎調査は、国民の保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的な事項を世帯面から総合的に把握する調査として、全国から無作為抽出された世帯及び世帯員を対象に実施されている。

 

▶106回午前30

全国から無作為抽出された世帯及び世帯員を対象として行われる調査はどれか。

 

  1. 患者調査
  2. 人口動態調査
  3. 食中毒統計調査
  4. 学校保健統計調査
  5. 国民生活基礎調査

 

 

世帯の状況

令和3年(2021年)の世帯構造別にみた世帯割合は多い順に以下のとおりである。

 

①単独世帯:29.5%

②夫婦と未婚の子のみの世帯:27.5%

③夫婦のみの世帯:24.5%

④ひとり親と未婚の子のみの世帯:7.1%

⑤三世代世帯:4.9%

 

▶107回午後1改題

A市の世帯構造別にみた世帯の割合を図に示す。
107pm1
令和3年(2021年)の国民生活基礎調査に基づく全国の割合と比較して、A市が高いのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単独世帯
  2. 夫婦のみの世帯
  3. 夫婦と未婚の子のみの世帯
  4. ひとり親と未婚の子のみの世帯
  5. 三世代世帯

 

 

世帯数の推移

  • 近年の世帯割合の推移をみると、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」が増加傾向、「夫婦と未婚の子のみの世帯」と「三世代世帯」が減少傾向にある。
  • こうした世帯構造の変化を受けて、令和3年(2021年)の平均世帯人員は2.37人と減少が続いている。
 

▶104回午後28改題

平成22年(2010年)から令和3年(2021年)における日本の社会情勢の変化で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 完全失業率の増加
  2. 老年化指数の低下
  3. 平均世帯人員の減少
  4. 社会保障給付費の減少
  5. 65歳以上の雇用者数の増加

 

 

 

将来推計人口

第2編1章 1.全国人口の動向 p40~45

人口・世帯の将来推計

  • 日本の将来推計人口(平成29年推計)によると、総人口は令和35年(2053年)には1億人を割り、令和47年(2065年)には8808万人になると推計されている。
  • 65歳以上の老年人口割合の推計では、令和7年(2025年)には30.0%を超え、令和22年(2040年)には35.3%になると推計されている。

 

▶102回午前30改題

日本の令和22年(2040年)の推計について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総人口が1億人を下回る。
  2. 75歳以上の高齢者が2,000万人を超える。
  3. 総人口のおよそ3人に1人が65歳以上になる。
  4. 世帯主が65歳以上の世帯における単独世帯の割合が50%を超える。

 

 

 

労働力調査

第2編1章 1.3〕労働力人口 p41

労働力人口(令和4年)

  • 労働力人口とは15歳以上人口のうち就業者と完全失業者の合計で、令和4年(2022年)平均で6,902万人である。性別にみると、男性は3,805万人(55.1%)、女性は3,096万人(44.9%)で、男性は前年から減少したが、女性は増加が続いている。
  • 女性の年齢階級別労働力率をみると、その特徴として子育て期に当たる30歳代に労働力率が低下し、20歳代と40歳代をピークとするM字カーブが挙げられる(近年は緩和傾向)。

 

▶104回午前4改題

令和4年(2022年)の労働力調査について正しいのはどれか。

 

  1. 女性の労働力人口は前年に比べ減少した。
  2. 女性の雇用形態は正規の雇用が約6割である。
  3. 労働力人口の総数に占める女性の割合は約45%である。
  4. 女性雇用者数に占める割合で最も多い産業は製造業である。

 

 


 

▶109回午前3改題

令和4年(2022年)の労働力調査における日本の女性の労働で正しいのはどれか。

 

  1. 就業者は前年に比べ減少している。
  2. 労働力人口の総数の約6割を占めている。
  3. 年齢階級別労働力率では40~44歳が最も高い。
  4. 非正規の雇用形態はパート・アルバイトが最も多い。

 

 


 

▶105回午前11改題

令和4年(2022年)の女性の労働に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業取得率は90%を超えている。
  2. 労働力人口比率は60%を超えている。
  3. 30歳代の就業率は40歳代よりも低い。
  4. 平均勤続年数は20年前よりも短くなっている。

 

 

その他雇用の状況

  • 完全失業者・完全失業率は、平成22年(2010年)の334万人・5.1%から低下傾向にあり、令和4年(2022年)は179万人・2.6%となっている。
  • 雇用者に占める非正規職員・従業員の割合は、平成2年(1990年)には19.1%であったが上昇を続け、令和4年(2022年)には36.9%となっている。

 

▶103回午前3改題

日本の社会格差を示す指標の過去20年間の推移について正しいのはどれか。

 

  1. 雇用者に占める非正規職員・従業員の割合は減少している。
  2. 相対的貧困率は低下している。
  3. 完全失業率は低下している。
  4. ジニ係数は低下している。

 

 

 

人口動態統計

第2編2章 人口動態 p49~69

調査の概要

人口動態統計は、①出生、②死亡、③死産、④婚姻、⑤離婚を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的として毎年実施している。

 

▶102回午後34

人口動態統計に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生
  2. 婚姻
  3. 妊娠
  4. 転出
  5. 入院

 

 


 

▶105回午後32・99回午後24類問

人口動態統計の情報を用いて算出を行う指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 受療率
  2. 婚姻率
  3. 生活影響率
  4. 年少人口指数
  5. 合計特殊出生率

 

 

出生に関する統計

  • 令和4年(2022年)の出生数は77.1万人、人口千対の出生率は6.3と減少が続いている。
  • 15~49歳の女性の年齢別出生率を合計した合計特殊出生率は1.26で、過去最低であった平成17年(2005年)と並んでいる。
  • 母の年齢階級別に出生率をみると30~34歳が最も高い。
  • 母の年齢別出生率を女児だけについて合計した総再生産率は0.64、さらに女児の死亡を見込んだ純再生産率は0.63となっている(令和3年)。

 

▶106回午前29

人口動態統計で、人口1,000対で表すのはどれか。

 

  1. 出生率
  2. 純再生産率
  3. 総再生産率
  4. 周産期死亡率
  5. 合計特殊出生率

 

 


 

▶107回午前33改題

令和4年(2022年)の日本における出生の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生順位別構成割合は第1子が50%を上回っている。
  2. 母の年齢別にみた出生率は30~34歳が最も高い。
  3. 都道府県別合計特殊出生率は沖縄県が最も低い。
  4. 出生率は8.0(人口千対)を下回っている。
  5. 純再生産率は1を超えている。

 

 

死因統計の分類

  • 人口動態調査における死因統計の分類は、世界保健機関(WHO)が作成する国際疾病分類(ICD)に基づいている。
  • ICDは医学の進歩等に応えて一定期間を置いて修正が行われ、近年では平成7年(1995年)からICD-9に代わりICD-10が、平成18年(2006年)からICD-10(2003年版)が、平成28年(2016年)からICD-10(2013年版)準拠が適用されている。

 

▶105回午後21

国際疾病分類〈ICD〉に基づいた統計が含まれるのはどれか。

 

  1. 国勢調査
  2. 人口動態調査
  3. 医療施設動態調査
  4. 国民生活基礎調査
  5. 国民健康・栄養調査

 

 


 

▶102回午後22・107回午前17類問

国際疾病分類〈ICD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 日本の死因統計では平成7年(1995年)にICD-10が採用された。
  2. 患者調査での疾病分類には用いられない。
  3. 各種疾病の治療指針が示されている。
  4. 国際疫学会が改訂を行っている。

 

 

主な死因別の死亡率(令和4年)

主な死因別の死亡率(人口10万対)をみると、悪性新生物〈腫瘍〉が昭和56年以降、死因の第1位であり一貫して増加傾向にある。第2位の心疾患も増加傾向にあり、第3位の老衰は近年急増している。かつて死因の第1位であった脳血管疾患は減少傾向で第4位、肺炎が第5位となっている。

 

▶108回午前29改題・101回午後26類問

日本の主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移を図に示す。
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心疾患はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶102回午後20改題

脳血管疾患について正しいのはどれか。

 

  1. 年齢調整死亡率は増加している。
  2. 脳出血の最大の危険因子は糖尿病である。
  3. 脳梗塞よりくも膜下出血による死亡数が多い。
  4. 令和4年(2022年)の死因順位は第4位である。

 

 


 

▶104回午前32改題

日本の死因別死亡率の年次推移を図に示す。
104am32
説明として正しいのはどれか。

 

  1. 縦軸の死亡率は年齢を調整した値である。
  2. 死因Aが上昇傾向にある主な理由は野菜摂取量の減少である。
  3. 死因Bの平成7年の急激な低下は国際生活機能分類(ICF)改訂の影響である。
  4. 死因Cが低下傾向にある主な理由は血圧の管理である。
  5. 死因Dが低下傾向にある主な理由は食生活の見直しである。

 

 

年齢階級別にみた死因第1位(令和4年)

年齢階級別に死因の第1位をみると、乳児(0歳)と1~4歳では「先天奇形、変形及び染色体異常」、5~9歳では「悪性新生物〈腫瘍〉」、10~39歳の各階級では「自殺」、40~89歳の各階級では「悪性新生物〈腫瘍〉」、90歳以上の各階級では「老衰」となっている。

 

▶109回午前4改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における年齢階級とその死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 1~4歳――インフルエンザ
  2. 5~9歳――悪性新生物〈腫瘍〉
  3. 10~14歳――不慮の事故
  4. 15~19歳――心疾患

 

 


 

▶103回午後25改題

令和4年(2022年)の日本における各年代と年代別死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 20歳代―自殺
  2. 30歳代―悪性新生物〈腫瘍〉
  3. 40歳代―心疾患
  4. 50歳代―脳血管疾患
  5. 60歳代―肺炎

 

 


 

▶107回午前30改題

令和4年(2022年)の人口動態統計月報年計における性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合を示す。
107am30h
自殺はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶109回午後27改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における20歳以上の年齢別死亡原因を以下に示す。
109pm27h
不慮の事故はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 

悪性新生物〈腫瘍〉による死亡(性・部位別)〈令和4年〉

  • 令和4年(2022年)の悪性新生物〈腫瘍〉による死亡数は38.6万(男22.3万人・女16.3万人)である。
  • 部位別にみると、総数および男では気管、気管支及び肺が、女では大腸(結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸)が最も多い。

 

▶107回午前24

成人男性の部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の推移のグラフを示す。
107am24
Aの一次予防として正しいのはどれか。

 

  1. 肥満予防
  2. 減塩の推奨
  3. 野菜の摂取
  4. 受動喫煙防止
  5. 節度ある飲酒

 

 

自殺の状況(令和4年)

  • 自殺による死亡数は2.1万人(男1.4万人・女0.7万人)で、上記のとおり10~39歳の各階級で死因の第1位となっている。自殺対策基本法などの取り組みにより、平成22年以降は自殺者数・率ともに減少傾向を示している。
  • 性・年齢階級別に自殺死亡数をみると、男女ともに5歳階級別では「50~54歳」、10歳階級別では「50~59歳」が最も多い。
  • 自殺者の特定された原因・動機をみると(複数回答)、健康問題が12,774人と最も多く、家庭問題(4,775人)、経済・生活問題(4,697人)と続く(警察庁)。

 

▶106回午後29改題

令和4年(2022年)の日本の人口動態統計における自殺死亡で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 男性の死亡率は女性よりも高い。
  2. 20〜24歳の死因の第1位である。
  3. 死因順位別死亡数は第5位である。
  4. 自殺死亡率は10年前よりも増加している。
  5. 男性の死亡率が最も高い年齢階級は40〜44歳である。

 

 


 

▶100回午前37改題・99回午前20類問

令和4年(2022年)の厚生労働省「人口動態統計」と警察庁「令和4年中における自殺の概要」における自殺による死亡で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 死亡総数は4万人を超えている。
  2. 男性の死亡数は女性の約2倍である。
  3. 35歳から39歳に死亡率のピークがある。
  4. 原因・動機は経済・生活問題が最も多い。
  5. 10歳から39歳における死因の第1位である。

 

 

 

患者調査

第2編4章 2.受療状況 p77~80

調査の概要

  • 患者調査は、全国の医療施設(病院、一般診療所、歯科診療所)を利用する患者の傷病などの状況を把握するため、3年に1度実施されている。
  • 把握する内容は、調査日に全国の医療施設で受療した推計患者数や、人口10万人に対する推計患者数である受療率退院患者の平均在院日数、継続的に医療を受けている患者を含めた傷病別の総患者数などである。

 

▶103回午後26

患者調査で把握できるのはどれか。

 

  1. 有訴者率
  2. 死亡率
  3. 致命率
  4. 有病率
  5. 受療率

 

 


 

▶107回午前16

患者調査で正しいのはどれか。

 

  1. 5年に1回実施される。
  2. 推計患者数には調査日に受療した患者数が含まれる。
  3. 調査日に入院している患者の平均在院日数が把握される。
  4. 総患者数には医療を受けたことのない有病者数も含まれる。

 

 

推計患者数・受療率(令和2年)

  • 推計患者数は、入院では121.1万人、外来では713.8万人となっている。それぞれ65歳以上の高齢者が占める割合をみると、65歳以上の入院患者は74.7%、外来患者は50.7%と多くを占めている。
  • 受療率は、入院では960、外来では5,658となっている。それぞれ年齢階級別にみると、入院患者では男女とも90歳以上が最も高く、外来患者では男80~84歳、女75~79歳が最も高い。

 

▶105回午前22改題

令和2年(2020年)に実施された患者調査のうち高齢者の調査結果で正しいのはどれか。

 

  1. 入院患者では65歳以上が約7割を占めている。
  2. 外来患者では65歳以上が約8割を占めている。
  3. 年齢階級別外来受療率(人口10万対)では90歳以上が最も高い。
  4. 年齢階級別入院受療率(人口10万対)では75~79歳が最も高い。

 

 

傷病分類別受療率(令和2年)

傷病分類別に受療率をみると、入院では「精神および行動の障害」(188)が最も高く、外来では「消化器系の疾患」(1007)が最も高い。

 

▶108回午後28改題

令和2年(2020年)患者調査の疾病分類別の結果を表に示す。
108pm28
Cに当てはまる疾患はどれか。

 

  1. 結核
  2. 消化器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 悪性新生物〈腫瘍〉
  5. 精神および行動の障害

 

 

精神及び行動の障害の状況(令和2年)

  • 上記のとおり、精神及び行動の障害の外来受療率は211、入院受療率は188、退院患者の平均在院日数は294.2日となっている。また、総患者数は502.5万人で増加傾向にあり、傷病分類別にみると「気分[感情]障害(躁うつ病含む)」が172.1万人で最も多い。(患者調査)
  • 病院の平均在院日数をみると、精神病床は277.0日と諸外国と比べて非常に高くなっている。また、精神病床に入院している患者27.4万人を傷病分類別にみると、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が14.1万人と半分以上を占めている。(病院報告)

 

▶102回午前10改題

令和2年(2020年)の患者調査における精神及び行動の障害に関する動向について正しいのはどれか。

 

  1. 外来受療率は入院受療率より高い。
  2. 精神病床の平均在院日数は約100日である。
  3. 年齢階級別外来受療率は年齢とともに上昇する。
  4. 血管性及び詳細不明の認知症の総患者数は減少している。

 

 


 

▶109回午後30改題

平成23年(2011年)から令和2年(2020年)までの日本の精神疾患患者の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総患者数は減少傾向にある。
  2. 気分障害の患者数が最も多い。
  3. 入院患者数は増加傾向に転じている。
  4. 外来患者数では75歳以上の患者が減少傾向にある。
  5. Alzheimer〈アルツハイマー〉病の患者数は増加傾向である。

 

 

入院形態別精神疾患患者の状況(精神保健福祉資料)

  • 任意入院は精神障害者自身の同意に基づく入院制度である。
  • 任意入院が行われる状態にないと判定された者については、医療および保護のために入院の必要があり、その家族等の同意がある場合に医療保護入院が行える。
  • 2人以上の精神保健指定医の診察を要件に、精神障害者で入院させなければ自傷他害のおそれがある場合には措置入院を行うことができる。
  • 令和3年(2021年)の入院形態別入院患者割合は、医療保護入院が49.8%と最も高く、任意入院が49.1%、措置入院が0.6%となっている。

 

▶104回午後24改題

令和3年(2021年)6月末における精神疾患を有する者の入院者数が最も多い入院形態はどれか。

 

  1. 措置入院
  2. 任意入院
  3. 医療保護入院
  4. 緊急措置入院

 

 


 

▶107回午後34改題

令和2年(2020年)における精神疾患の患者に関する動向について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 入院患者は外来患者より少ない。
  2. 措置入院患者は、入院患者の0.6%である。
  3. 精神病床における平均在院日数は300日以上である。
  4. 平成23年(2011年)と比較して患者数は減少している。
  5. 入院患者の5割以上がAlzheimer〈アルツハイマー〉病である。

 

 

 

生命表

第2編3章 生命表 p71~74

平均寿命と健康寿命(令和元年)

  • 平均寿命とは0歳の平均余命をいい、男性が81.56年、女性が87.71年と延びている。
  • 健康寿命とは日常生活に制限のない期間の平均であり、男性が72.68年、女性が75.38年と延びている。
  • 平均寿命と健康寿命の差は日常生活に制限のある期間ということになり、上記の差をみると、男性が8.73年、女性が12.07年となる。個人の生活の質の向上、社会保障負担の軽減のため、この差を短縮することも重要となる。

 

▶104回午前33改題

健康日本21(第二次)における健康寿命について正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査の結果を計算に用いる。
  2. 年齢別死亡率は計算に不要である。
  3. 日常生活に制限のない者の平均年齢である。
  4. 健康寿命の増加分を上回る平均寿命の増加を目標とする。
  5. 令和元年(2019年)の健康寿命と平均寿命の差は男性より女性が大きい。

 

 


 

▶100回午後27改題

日本の令和元年(2019年)の健康寿命について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 女性より男性の方が長い。
  2. 男女ともに70歳を超える。
  3. 都道府県間の差は5年を超える。
  4. 平均寿命との差は5年未満である。
  5. 平均寿命との差は男性より女性の方が長い。

 

 

死因別死亡確率

ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したものが死因別死亡確率である。例えば65歳の者についてみると、男性では確率が高い順に悪性新生物〈腫瘍〉、心疾患、肺炎、脳血管疾患となっており、女性では悪性新生物〈腫瘍〉、心疾患、脳血管疾患、肺炎となっている。

 

▶100回午後17改題

65歳男性の生命表に基づく死因別死亡確率(%)の表を示す。
100pm17
ただし、A~Dは悪性新生物〈腫瘍〉、脳血管疾患、心疾患または肺炎のいずれかを示す。
脳血管疾患はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

 

国民健康・栄養調査

第3編1章 2.健康増進対策 p86~95

主な調査項目

  • 肥満・やせ(BMI、腹囲等)、糖尿病、血圧、血中コレステロール
  • 食塩・野菜摂取量
  • 運動習慣者、歩数、睡眠の状況
  • 飲酒・喫煙

 

▶103回午後32

国民健康・栄養調査で把握できるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康寿命
  2. BMIの平均値
  3. 蛋白質の必要量
  4. 喫煙習慣者の割合
  5. 支出に占める食料費の割合

 

 


 

▶107回午後20

国民健康・栄養調査について正しいのはどれか。

 

  1. 血圧値は調査項目である。
  2. 3日間の食事調査が行われる。
  3. 調査日の食費は調査項目である。
  4. 栄養素等摂取量が市区町村別に比較される。

 

 

糖尿病の状況(令和元年)

  • 糖尿病が強く疑われる者は1000万人、糖尿病の可能性を否定できない者も1000万人となっている。(平成28年)
  • 男女ともに年齢が高くなるほど糖尿病が強く疑われる者の割合が増え、70歳以上では男が26.4%、女が19.6%となっている。
  • 糖尿病が強く疑われる者の割合を男女別にみると、40~49歳、50~59歳、60~69歳、70歳以上のいずれの階級でも、女性より男性が高い
  • 糖尿病が強く疑われる者のうち、糖尿病治療を受けている者74.8%と多くを占めている。

 

▶106回午後17改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査の糖尿病に関する統計で正しいのはどれか。

 

  1. 平成28年(2016年)の糖尿病が強く疑われる者は約1,000万人である。
  2. 40歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、男性よりも女性が高い。
  3. 糖尿病が強く疑われる者のうち、糖尿病治療を受けている者の割合は40%以下である。
  4. 30歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、女性では年齢に関係なく一定である。

 

 

肥満者/やせの者の割合(令和元年)

  • 成人の肥満度を求める指標としてBMI(体格指数)が用いられる。計算式は、体重(kg)÷(身長(m))2で、BMIが25以上で肥満、18.5未満でやせと判定される。
  • 肥満者の割合は男性33.0%・女性22.3%、やせの者の割合は男性3.9%・女性11.5%となっている。

 

▶109回午前1

令和元年(2019年)の生活習慣病の動向で正しいのはどれか。

 

  1. 肥満者の割合は男性より女性の方が多い。
  2. 脳血管疾患の死亡率は脳内出血より脳梗塞が高い。
  3. 悪性新生物の年齢調整死亡率で男性の部位別の第1位は大腸である。
  4. 糖尿病を強く疑われる者のうち現在治療を受けている者の割合は、男女ともに50%以下である。

 

 

運動習慣者、歩数の状況(令和元年)

  • 20歳以上の運動習慣のある者の割合は男性33.4%・女性25.1%で、男女ともに70歳以上が最も高く(男性42.7%・女性35.9%)、次いで60~69歳となっている。
  • 20歳以上の1日当たりの歩数の平均値は6,278歩で、男性6,793歩・女性5,832歩となっている。

 

▶109回午後19

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査における身体活動・運動で正しいのはどれか。

 

  1. 20~49歳で運動習慣のある者の割合が最も高い。
  2. 20歳以上の歩数の平均値は1日8,000歩を下回る。
  3. 男性より女性の方が運動習慣のある者の割合が高い。
  4. 歩数の平均値は平成22年(2010年)の約2倍である。

 

 

喫煙習慣者の割合(令和元年)

喫煙率は男性が27.1%、女性が7.6%となっており、男女ともに喫煙率は低下傾向にある。

 

▶108回午後25改題

令和元年(2019年)国民健康・栄養調査における20歳以上の男女別の「現在習慣的に喫煙している者の割合」で正しいのはどれか。

 

  1. 男性37.1% 女性27.6%
  2. 男性37.1% 女性17.6%
  3. 男性27.1% 女性17.6%
  4. 男性27.1% 女性7.6%
  5. 男性17.1% 女性7.6%

 

 

 

歯科疾患実態調査

第3編2章 5.歯科保健医療 p120~123

8020運動

歯科保健対策として、80歳になっても20本以上の歯を保つことを目的とした8020運動が推進されている。平成28年(2016年)の歯科疾患実態調査では80歳における目標達成者が初めて50%を超え、令和4年(2022年)は51.6%(推計)となっている。

 

▶107回午後24改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査の結果をグラフに示す。
107pm24
このグラフが表しているのはどれか。

 

  1. う歯を持つ者の割合
  2. 顎関節の異常がある者の割合
  3. 20歯以上の歯を有する者の割合
  4. 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合

 

 


 

▶105回午後17改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査において80歳で20本以上の自分の歯を有する者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 30%
  3. 40%
  4. 50%

 

 


 

▶100回午前15改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査結果で正しいのはどれか。

 

  1. 歯みがきの回数は1日3回以上が最も多い。
  2. う蝕を持つ者の割合は65~74歳が最も多い。
  3. 歯肉に所見のある者の割合は55~59歳が最も多い。
  4. 80歳では20歯以上自分の歯を有する者の割合が5割を超える。

 

 

 

医療従事者・医療施設数

第4編1章 4.医療関係者 5.医療施設 p193~213

医療従事者の就業者数・就業先(令和2年末)

  • 就業している看護職員の総数は166.0万人で、保健師が5.6万人、助産師が3.8万人、看護師が128.1万人、准看護師が28.5万人となっている。
  • 保健師の就業先をみると、市区町村が54.8%と最も多く、次いで保健所が15.3%、事業所が6.8%、病院が6.4%などとなっている。

 

▶101回午後1改題

令和2年(2020年)の衛生行政報告例における保健師の就業場所の構成割合で、市区町村、保健所の次に多いのはどれか。

 

  1. 病院
  2. 事業所
  3. 社会福祉施設
  4. 訪問看護ステーション

 

 

医療施設数(令和2年10月1日)

  • 病院数は平成2年(1990年)ころをピークに減少傾向で、令和2年(2020年)は8,238施設となっている。
  • 診療所は長期的に増加傾向で、令和2年(2020年)の一般診療所は102,612施設、歯科診療所は67,874施設となっている。

 

▶108回午前35改題

令和2年(2020年)の日本の医療施設数または医療従事者数で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 病院数は約6千施設である。
  2. 一般診療所数は約5万施設である。
  3. 就業保健師数は約5万6千人である。
  4. 歯科診療所数は約6万8千施設である。
  5. 就業看護師数は約100万5千人である。

 

 

 

国民医療費

第4編2章 6.国民医療費 p227~230

国民医療費の概要・状況

  • 国民医療費は、医療機関などにおける傷病の治療に要する費用を推計したものである。正常な妊娠や分娩などに要する費用、健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用、固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢などの費用、平成12年度から開始した介護保険制度の給付費は含まない。
  • 令和2年(2020年)度の国民医療費は43.0兆円(国民総生産に対する比率は8.02%)で、人口1人当たり34.1万円である。人口1人当たりの国民医療費を年齢階級別にみると、65歳未満が18.4万円に対し、65歳以上は73.4万円(約4倍)、75歳以上は90.2万円(約5倍)となっている。

 

▶108回午後27改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

 

  1. 介護保険給付費を含む。
  2. 総額は40兆円を超える。
  3. 正常な妊娠・分娩の費用を含む。
  4. 国民総生産に対する比率は20%を超える。
  5. 健康の維持・増進を目的とした健康診断の費用を含む。

 

 

制度区分別・診療区分別国民医療費、傷病分類別医科診療医療費(令和2年度)

  • 制度区分別に国民医療費をみると、医療保険等給付分が45.1%で最も多く、次いで後期高齢者医療給付分が35.6%、患者等負担分が12.1%、公費負担医療給付分が7.3%などとなっている。
  • 診療区分別に国民医療費をみると、医科診療が71.6%で最も多く、次いで薬局調剤17.8%、歯科診療7.0%、入院時食事・生活1.7%、訪問看護0.8%などとなっている。
  • 傷病分類別医科診療医療費をみると、循環器系の疾患が6.0兆円(19.5%)で最も多く、次いで新生物〈腫瘍〉が4.7兆円(15.2%)となっている。

 

▶108回午後21改題・107回午前31類問

令和2年度(2020年度)の傷病分類別医科診療医療費で、医療費が最も多いのはどれか。

 

  1. 精神および行動の障害
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 消化器系の疾患
  5. 新生物〈腫瘍〉

 

 


 

▶103回午前18改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

 

  1. 制度区分別国民医療費では公費負担医療給付分が最も多くを占める。
  2. 傷病分類別の医科診療医療費では悪性新生物〈腫瘍〉が最も多くを占める。
  3. 65歳以上の人口一人当たり国民医療費は65歳未満の約4倍である。
  4. 訪問看護医療費は全体の5%を上回る。

 

 

 

福祉行政報告例(児童虐待)

第5編2章 4.4〕児童虐待防止対策 p248~249

児童虐待対応件数等〈令和3年度〉

  • 児童虐待対応件数(20.7万件)のうち、虐待の種別にみると、心理的虐待が60.1%で最も多く、次いで身体的虐待が23.7%、ネグレクトが15.1%、性的虐待が1.1%となっている。虐待対応件数は、総数・種別ともに増加傾向にある。
  • 主たる虐待者をみると、実母9.9万件(47.5%)で最も多く、次いで実父が8.6万件(41.5%)となっているが、実父の構成割合は年々上昇している。

 

▶102回午前14改題

令和3年度(2021年度)の福祉行政報告例における児童虐待相談対応件数について正しいのはどれか。

 

  1. 児童相談所の対応件数は前年度に比べ横ばいである。
  2. 実父による虐待は前年度に比べ増加傾向である。
  3. 実母による虐待は全体の4割以下である。
  4. 身体的虐待は心理的虐待より多い。

 

 

 

高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査

第5編2章 6. 2〕高齢者虐待防止対策 p253

養護者による高齢者虐待と認められた件数等〈令和3年度〉

  • 養護者による高齢者虐待のうち、虐待を行った養護者の続柄は、息子が38.9%で最も多く、次いで夫が22.8%となっている。
  • 被虐待高齢者の性別は女性が75.6%と最も多く、年齢階級別にみると80~84歳が24.6%で最も高い。
  • 高齢者虐待の種別にみると、身体的虐待が67.3%で最も多く、次いで心理的虐待が39.5%などとなっている。また、虐待の種別・要介護度別にみると、身体的虐待や心理的虐待は要介護度が重い方の割合が低く、介護等放棄では逆の傾向がみられる。

 

▶99回午後6

日本の在宅生活をしている高齢者の虐待の傾向はどれか。

 

  1. 虐待者は被虐待者の娘が最も多い。
  2. 被虐待者は女性より男性が多い。
  3. 被虐待者は要介護認定を受けている人が半数を超えている。
  4. 被虐待者は要介護認定者のうち認知症高齢者の日常生活自立度Ⅰが最も多い。

 

 


 

▶103回午前21改題

令和3年度(2021年度)の「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」における養護者による高齢者虐待に関する説明として適切なのはどれか。

 

  1. 経済的虐待が全体の6割を占めている。
  2. 虐待者の続柄は息子の割合が最も高い。
  3. 虐待の種別にかかわらず、要介護度が高いほど虐待の発生割合が高い。
  4. 被虐待者の9割が認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクⅡ以上である。

 

 

 

食中毒統計調査

第7編2章 10.食中毒対策 p297~300

食中毒の発生状況(令和4年)

  • 令和4年(2022年)の食中毒の事件数は962件、患者数は6,856人、死者は5人となっている。
  • 特定された原因食品をみると、件数では魚介類に起因するものが53.7%と最も多い。
  • 判明した病因物質をみると、患者数ではノロウイルスが32.2%と最も多く、件数ではアニサキスが59.4%と最も多い。

 

▶101回午前39改題

令和4年(2022年)の厚生労働省による食中毒統計調査について正しいのはどれか。

 

  1. 患者数は年間100万人以上である。
  2. 死亡者数は年間1,000人以上である。
  3. ノロウイルスによる患者が最も多い。
  4. 原因食品で最も多いのは肉類およびその加工品である。

 

 

 

労働災害・業務上疾病

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p321~322

労働災害・業務上疾病の発生状況(令和3年)

  • 労働災害の発生状況をみると、死亡者数は774人減少傾向、休業4日以上の死傷者数は13.2万人増加傾向にある。
  • 過労死等に関連する労災認定数をみると、脳・心臓疾患は172人で減少傾向、精神障害等は629人で増加傾向にある。
  • 業務上疾病発生数は近年横ばいから増加傾向にあり、内訳をみると「病原体による疾病」が69.4%(うち新型コロナウイルスり患によるものが全体の68.9%)、「負傷に起因する疾病」が24.0%(うち災害性腰痛が全体の20.8%)を占める。

 

▶108回午後33改題・101回午後13類問

令和3年(2021年)の労働災害と業務上疾病の発生状況について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 労働災害による死亡者数は2,000人以上である。
  2. 労働災害による死亡者数は平成27年(2015年)に比べ減少している。
  3. 労働災害の認定数は脳・心臓疾患よりも精神障害によるものが多い。
  4. 業務上疾病(休業4日以上)発生数は平成27年(2015年)に比べ減少している。
  5. 業務上疾病(休業4日以上)発生数の内訳では「作業様態に起因する疾病」が最も多い。

 

 

石綿による肺がん・中皮腫の労災保険支給決定件数

石綿による肺がんと中皮腫の労災保険支給決定件数は、平成18年度(2006年度)をピークに減少し、近年は増減を繰り返しながら推移している。令和3年度(2021年度)は肺がんが418件、中皮腫が596件である。

 

▶104回午前19改題

石綿による疾病に関する労災保険給付の支給決定件数で正しいのはどれか。

 

  1. 平成18年度(2006年度)がピークである。
  2. 平成22年度(2010年度)から令和3年度(2021年度)まで連続して増加している。
  3. 令和3年度(2021年度)では中皮腫より肺がんの方が多い。
  4. 令和3年度(2021年度)の肺がんに対する支給は1,000件を超えている。

 

 

 

労働安全衛生調査(実態調査)

 

仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項(令和3年)

現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は53.3%を占め、その内容をみると「仕事の量」が43.2%と最も高い。

 

▶108回午前26改題

令和3年(2021年)の労働安全衛生調査(実態調査)で、労働者の仕事や職業生活における強い不安、悩み、ストレスの内容に関して最も割合が高いのはどれか。

 

  1. 仕事の質
  2. 対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)
  3. 仕事の失敗、責任の発生等
  4. 会社の将来性
  5. 仕事の量

 

 

 

学校保健統計調査

第10編1章 4.学齢期の健康状況 p366~368

学校保健統計調査の概要

学校保健統計調査は学校における定期健康診断結果の抽出調査で、児童等の体重・身長疾病・異常被患率などの健康状態を調査する。

 

▶102回午前24

学校保健統計調査から得られるのはどれか。

 

  1. ぜん息の被患率
  2. 自殺した児童生徒数
  3. 救急車による搬送件数
  4. 不登校の状態にある児童生徒数
  5. 学校の管理下における突然死の件数

 

 


 

▶109回午前11

文部科学省が実施する学校保健統計調査で正しいのはどれか。

 

  1. 悉皆調査である。
  2. 毎年10月に行われる。
  3. 学校で実施する健康診断の結果に基づいている。
  4. 学校管理下で死亡した児童生徒数が集計されている。

 

 

児童・生徒の異常被患率(令和3年)

【幼稚園】

①むし歯(う歯)26.5%

②裸眼視力1.0未満の者24.8%

 

【小学校】

①むし歯(う歯)39.0%

②裸眼視力1.0未満の者36.9%

 

【中学校】

①裸眼視力1.0未満の者60.7%

②むし歯(う歯)30.4%

 

【高等学校】

①裸眼視力1.0未満の者70.8%

②むし歯(う歯)39.8%

 

  • むし歯(う歯)の者の割合は全学校段階で減少傾向にあるが、裸眼視力1.0未満の者の割合は増加傾向にある。

 

▶108回午後29改題

令和3年度(2021年度)の学校保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 幼稚園児のむし歯(う歯)の保有率は15%程度である。
  2. 裸眼視力1.0未満の小学生は37%程度である。
  3. むし歯(う歯)を保有する小学生は前年度に比べて減少している。
  4. 中学生のむし歯(う歯)の保有率は45%程度である。
  5. 裸眼視力1.0未満の高校生は50%程度である。

 

 


 

▶105回午後31改題

令和3年度(2021年度)学校保健統計調査における主な疾病・異常等で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肥満傾向児の出現率は、平成23年度(2011年度)以降男女ともに増加を続けている。
  2. 小学校における疾病・異常の被患率は、裸眼視力1.0未満の者が最も高い。
  3. むし歯(う歯)の者の割合は、全ての学校段階で前年度より減少している。
  4. ぜん息の者の年齢別の割合は、小学校で高い傾向がみられる。
  5. 心電図異常の割合は、高等学校より小学校の方が多い。

 

 

 

児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

 

小学校・中学校におけるいじめ・不登校の状況(令和3年)

  • いじめの認知件数をみると、小学校で50.1万件、中学校で9.8万件となっている。いじめの発見のきっかけは、小・中学校ともに「アンケート調査など学校の取組により発見」が最も高く、それぞれ57.8%、36.4%となっている。その内容は、小・中学校ともに「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最も高く、それぞれ57.0%、62.2%となっている。
  • 小・中学校の長期欠席のうち不登校の児童生徒数をみると、小学校で8.1万人(1.3%)、中学校で16.3万人(5.0%)となっている。不登校の主たる要因は、小・中学校ともに「無気力・不安」が最も高く、いずれも49.7%となっている。

 

▶108回午前16改題

令和3年度(2021年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 小学校における不登校児童数は約10万人である。
  2. いじめの発見のきっかけの第1位は「本人からの訴え」である。
  3. 中学校における不登校の主たる要因の第1位は「無気力・不安」である。
  4. 小学校におけるいじめの内容の第1位は「仲間はずれ、集団による無視をされる」である。

 

 

 

特別支援教育の状況

第10編2章 障害児のための教育 p369~371

特別支援教育の状況(令和3年)

特別支援教育の対象となる児童生徒数は少子化の中でも増加傾向にあり、義務教育段階の児童生徒のうち特別支援学校に在籍している割合は0.83%、特別支援学級に在籍している割合は3.40%、通級による指導を受けている割合は1.69%となっている。

 

▶108回午前14改題

令和3年(2021年)の特別支援教育の状況で正しいのはどれか。

 

  1. 訪問教育を受けている児童生徒は小学生が最も多い。
  2. 特別支援学級の児童生徒の障害は知的障害が最も多い。
  3. 義務教育段階の児童生徒のうち特別支援学校に在籍している割合は全児童生徒の3%である。
  4. 特別支援教育が開始された平成19年(2007年)に比べて対象となる児童生徒数は減少している。

 

 

 

保健統計調査(複合問題)

 

▶104回午後34

保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査から死因別死亡率が得られる。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査は2年に1度実施される。
  5. 国民健康・栄養調査の調査項目に腹囲がある。

 

 


 

▶99回午後34

保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査は2年に1度実施される。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査から罹患率が得られる。
  5. 医療施設調査には静態調査と動態調査とがある。

 

 


 

▶109回午前38

調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者調査は毎年実施される。
  2. 国勢調査で出生率が把握される。
  3. 社会生活基本調査は総務省が実施する。
  4. 人口動態調査は無作為抽出による標本調査である。
  5. 国民健康・栄養調査は健康増進法に基づいて実施される。

 

 


 

▶100回午前24

統計調査と調査内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 国勢調査―健康保険の種別
  2. 人口動態統計―転出入
  3. 社会生活基本調査―生活時間の配分
  4. 国民生活基礎調査―栄養摂取状況

 

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成25年2月17日(日)に実施された第102回看護師国家試験について、全問題の正答と解説を示します。

また、「国民衛生の動向2023/2024」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第102回看護師国家試験目次

 

 

第102回看護師国家試験・必修問題(50問)

 

 

▶午前1改題

日本の令和4年(2022年)における総人口に最も近いのはどれか。

 

  1. 1億人
  2. 1億2,500万人
  3. 1億5,500万人
  4. 1億8,500万人

 

 


 
▶午前2

飲酒に起因する健康障害はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 膠原病
  3. Ménie`re〈メニエール〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病

 

 


 
▶午前3

日本において国民皆保険制度が適用されているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 火災保険
  4. 生命保険

 

 


 
▶午前4

ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。

 

  1. リビングウィル
  2. ヘルスプロモーション
  3. ノーマライゼーション
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶午前5

新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

 

 


 
▶午前6

Down〈ダウン〉症候群を生じるのはどれか。

 

  1. 13トリソミー
  2. 18トリソミー
  3. 21トリソミー
  4. 性染色体異常

 

 


 
▶午前7

乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。

 

  1. 16本
  2. 20本
  3. 24本
  4. 28本

 

 


 
▶午前8改題

日本における令和4年(2022年)の5~9歳の子どもの死因で最も多いのはどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 心疾患
  3. 不慮の事故
  4. 悪性新生物〈腫瘍〉

 

 


 
▶午前9

成人期において基礎代謝量が最も多い時期はどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年前期
  3. 壮年後期
  4. 向老期

 

 


 
▶午前10

医療法において、病院とは[ ]人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 10
  2. 20
  3. 50
  4. 100

 

 


 
▶午前11

分娩第2期はどれか。

 

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
  2. 排臨から発露まで
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで

 

 


 
▶午前12

チアノーゼの際の皮膚の色に最も近いのはどれか。

 

 

 


 
▶午前13

サーカディアンリズムの周期はどれか。

 

  1. 約8時間
  2. 約12時間
  3. 約24時間
  4. 約48時間

 

 


 
▶午前14

前立腺癌に特徴的な腫瘍マーカーはどれか。

 

  1. AFP
  2. CA19-9
  3. CEA
  4. PSA

 

 


 
▶午前15

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉に有効な薬はどれか。

 

  1. バンコマイシン塩酸塩
  2. セファゾリンナトリウム
  3. ストレプトマイシン硫酸塩
  4. ベンジルペニシリンカリウム

 

 


 
▶午前16

成人女性に一時的な導尿を行う際に、カテーテルを挿入する長さはどれか。

 

  1. 1〜3cm
  2. 5〜7cm
  3. 9〜11cm
  4. 18〜20cm

 

 


 
▶午前17

爪の切り方の模式図を示す。
爪のケアとして適切な切り方はどれか。

 

102am17

 

 


 
▶午前18

空気感染を防止するための防護用具はどれか。

 

  1. ガウン
  2. ゴーグル
  3. N95マスク
  4. 外科用マスク

 

 


 
▶午前19

無菌操作を必要とするのはどれか。

 

  1. 鼻腔吸引
  2. 気管内吸引
  3. 口腔内吸引
  4. 胃内容物の吸引

 

 


 
▶午前20

仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。

 

  1. 仙骨部
  2. 内顆部
  3. 腸骨稜部
  4. 大転子部

 

 


 
▶午前21改題

日本の令和4年(2022年)における母の年齢階級別出生率が最も高いのはどれか。

 

  1. 20~24歳
  2. 25~29歳
  3. 30~34歳
  4. 35~39歳
  5. 40~44歳

 

 


 
▶午前22

低血糖の症状または所見はどれか。

 

  1. 口渇
  2. 徐脈
  3. 多尿
  4. 発汗
  5. 発熱

 

 


 
▶午前23

ワルファリンと拮抗作用があるのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンD
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 


 
▶午前24

体位の写真を別に示す。
102am24
Fowler〈ファウラー〉位はどれか。

 

 

 


 
▶午前25

肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真を別に示す。
102am25
正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。

 

 

 


 
▶午後1改題

日本の令和3年(2021年)における女性の平均寿命はどれか。

 

  1. 77.57年
  2. 81.42年
  3. 87.57年
  4. 91.42年

 

 


 
▶午後2

炭坑従事者に起こりやすい職業性疾患はどれか。

 

  1. 潜函病
  2. じん肺
  3. 中皮腫
  4. 白ろう病

 

 


 
▶午後3

介護保険制度における施設サービス費の原則的な利用者負担の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 5割

 

 


 
▶午後4

倫理原則の「善行」はどれか。

 

  1. 患者に身体的損傷を与えない。
  2. 患者に利益をもたらす医療を提供する。
  3. すべての人々に平等に医療を提供する。
  4. 患者が自己決定し選択した内容を尊重する。

 

 


 
▶午後5

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最も低次の欲求はどれか。

 

  1. 自己実現の欲求
  2. 所属と愛の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 安全の欲求

 

 


 
▶午後6

標準的な発育をしている児において体重が出生時の約2倍になる月齢はどれか。

 

  1. 1か月
  2. 3か月
  3. 6か月
  4. 9か月

 

 


 
▶午後7

標準的な発育をしている児において脳重量が成人の約90%に達する年齢はどれか。

 

  1. 5〜6歳
  2. 8〜9歳
  3. 11〜12歳
  4. 15〜16歳

 

 


 
▶午後8

乳児期の特徴はどれか。

 

  1. 分離不安
  2. 第一次反抗期
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性の確立

 

 


 
▶午後9改題

令和3年(2021年)国民生活基礎調査で、65歳以上の者のいる世帯の全世帯に占める割合はどれか。

 

  1. 29.7%
  2. 39.7%
  3. 49.7%
  4. 59.7%

 

 


 
▶午後10

健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 


 
▶午後11

血中濃度が上昇すると黄疸となるのはどれか。

 

  1. グルコース
  2. ビリルビン
  3. クレアチニン
  4. 総コレステロール

 

 


 
▶午後12

末梢血液中の( )が低下した状態を貧血という。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 血漿量
  2. 血小板数
  3. アルブミン濃度
  4. ヘモグロビン濃度

 

 


 
▶午後13

表在感覚の受容器が存在する部位はどれか。

 

  1. 筋肉
  2. 皮膚
  3. 関節

 

 


 
▶午後14

Koplik〈コプリック〉斑がみられる疾患はどれか。

 

  1. 麻疹
  2. 手足口病
  3. 帯状疱疹
  4. ヘルパンギーナ

 

 


 
▶午後15

嚥下障害のある患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分はとろみをつける。
  2. 頸部を伸展する。
  3. 一口量を多くする。
  4. むせたときには水を飲ませる。

 

 


 
▶午後16

グリセリン浣腸を実施する際、腸管孔の危険性が最も高い体位はどれか。

 

  1. 立位
  2. 側臥位
  3. 仰臥位
  4. シムス位

 

 


 
▶午後17

長期臥床によって生じるのはどれか。

 

  1. 高血糖
  2. 筋萎縮
  3. 食欲増進
  4. 心拍出量の増加

 

 


 
▶午後18

点滴静脈内注射1,800mL/日を行う。
一般用輸液セット(20滴≒1mL)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。

 

  1. 19滴
  2. 25滴
  3. 50滴
  4. 75滴

 

 


 
▶午後19

温罨法の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 平滑筋が緊張する。
  2. 局所の血管が収縮する。
  3. 知覚神経の興奮を鎮静する。
  4. 細胞の新陳代謝を抑制する。

 

 


 
▶午後20

AEDの使用方法で正しいのはどれか。

 

  1. 電極パッドは水で濡らしてから貼る。
  2. 電極パッドは心臓をはさむ位置に貼る。
  3. 通電時は四肢を押さえる。
  4. 通電直後は患者に触れない。

 

 


 
▶午後21

災害時のトリアージで最優先治療群のトリアージタッグはどれか。

 

 

 


 
▶午後22

McBurney〈マックバーネー〉点の圧痛を特徴とする疾患はどれか。

 

  1. 胃潰瘍
  2. 急性膵炎
  3. 尿管結石症
  4. 急性虫垂炎
  5. 子宮内膜症

 

 


 
▶午後23

神経性食欲不振症の症状または所見はどれか。

 

  1. 発熱
  2. 咳嗽
  3. 徐脈
  4. 高血圧
  5. 過多月経

 

 


 
▶午後24

長期間の使用によって満月様顔貌〈ムーンフェイス〉になるのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. テオフィリン
  4. プレドニゾロン
  5. インドメタシン

 

 


 
▶午後25

努責やくしゃみをしたときに生じる尿失禁はどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 機能性尿失禁
  3. 切迫性尿失禁
  4. 反射性尿失禁
  5. 腹圧性尿失禁

 

 

 

第102回看護師国家試験・一般問題(130問)

 

 

▶午前26

中耳にあるのはどれか。

 

  1. 前庭
  2. 蝸牛
  3. 半規管
  4. 耳小骨

 

 


 

▶午前27

脂肪を乳化するのはどれか。

 

  1. 胆汁酸塩
  2. トリプシン
  3. ビリルビン
  4. リパーゼ

 

 


 

▶午前28

高血圧性脳出血で最も頻度の高い出血部位はどれか。

 

  1. 被殻
  2. 視床
  3. 小脳

 

 


 

▶午前29

酸塩基平衡の異常と原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 代謝性アルカローシス――下痢
  2. 代謝性アシドーシス――嘔吐
  3. 代謝性アシドーシス――慢性腎不全
  4. 呼吸性アシドーシス――過換気症候群

 

 


 
▶午前30

母乳が主な感染経路となるのはどれか。

 

  1. 成人T細胞白血病〈ATL〉ウイルス
  2. 単純ヘルペスウイルス〈HSV〉
  3. サイトメガロウイルス
  4. 風疹ウイルス

 

 


 
▶午前31改題

日本の令和4年(2022年)における人口の動向について正しいのはどれか。

 

  1. 年少人口の構成割合は20%台である。
  2. 老年人口の構成割合は20%台である。
  3. 従属人口指数は90台である。
  4. 老年化指数は260台である。

 

 


 
▶午前32

同じ問題や悩みを抱えた人々が助け合う活動はどれか。

 

  1. ケースワーク
  2. ピアサポート
  3. コミュニティワーク
  4. コンサルテーション

 

 


 
▶午前33

社会保険と根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療保険――健康保険法
  2. 年金保険――老人福祉法
  3. 雇用保険――雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
  4. 労働者災害補償保険――労働基準法

 

 


 
▶午前35改変

健康日本21(第二次)で喫煙対策として取り組んでいる目標はどれか。

 

  1. 禁煙支援プログラムの普及
  2. 公共の場での分煙の徹底
  3. 育児中の母親の喫煙の減少
  4. 未成年者の喫煙をなくす

 

 


 

▶午前36

看護計画における看護上の問題について適切なのはどれか。

 

  1. 医師と共有しない。
  2. 原因は1つに絞る。
  3. 退院するまで変更しない。
  4. 原因が不明な事象も問題とする。

 

 


 

▶午前37

看護記録の内容で適切でないのはどれか。

 

  1. 患者の訴えたこと
  2. 実施したケアの内容
  3. ケア後の患者の変化
  4. ケア後の看護師の感想

 

 


 
▶午前38

医療法施行規則で規定されているのはどれか。

 

  1. 病室の室温
  2. 病室の照度
  3. ベッドの高さ
  4. 1床あたりの床面積

 

 


 

▶午前39

Aさん(50歳、男性)は、心筋梗塞で病院に緊急搬送されたが、2時間後に死亡した。Aさんの家族は突然の出来事で混乱している。
Aさんの家族への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 死後の処置への家族の同席を断る。
  2. Aさんと家族だけの時間をつくる。
  3. Aさんの死についての話題は避ける。
  4. 心筋梗塞による死亡は多いと慰める。

 

 


 

▶午前40

入院中の患者における中心静脈栄養法〈IVH〉の管理で適切なのはどれか。

 

  1. 刺入部は毎日消毒する。
  2. 定期的に血糖値を確認する。
  3. カテーテルの刺入部は見えないように覆う。
  4. 輸液セットはカテーテルを抜去するまで交換しない。

 

 


 

▶午前41

水封式持続吸引法による胸腔ドレナージについて正しいのはどれか。

 

  1. ドレーンの回路は開放式である。
  2. 水封室の水面は呼吸に伴って上下に動く。
  3. 吸引圧は-50〜-100cmH2Oに調整する。
  4. ドレーンバッグは挿入部よりも高く設置する。

 

 


 

▶午前42

7時から翌朝7時までの24時間尿を採取する方法として正しいのはどれか。

 

  1. 7時に排尿した尿から蓄尿を始める。
  2. 排便時に出た尿は蓄尿しない。
  3. 翌朝7時に出た尿は蓄尿しない。
  4. 24時間の全尿の一部を採取する。

 

 


 

▶午前43

健常な人の瞳孔を図に示す。
102am43 1
右眼に光を当てたときの正常な対光反射はどれか。

 

102am43 2

 

 


 

▶午前44

成人の学習の特徴として正しいのはどれか。

 

  1. 学習者のこれまでの経験が資源となる。
  2. 外的動機づけによって学習が促進される。
  3. 自己評価よりも他者による評価が重要である。
  4. 課題中心の学習よりも講義形式による学習の方が効果が高い。

 

 


 

▶午前45

術前の検査値で創傷治癒の遅延因子となるのはどれか。

 

  1. 血清アルブミン低値
  2. 血清総ビリルビン低値
  3. 糸球体濾過値〈GFR〉高値
  4. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉高値

 

 


 

▶午前46

乳癌に対する乳房温存手術後の放射線治療を受ける患者への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 放射線肺炎のリスクがある。
  2. 対側の乳癌の予防が目的である。
  3. 治療期間中はブラジャーの使用を避ける。
  4. 治療期間中はマーキングした部位を洗わない。

 

 


 
▶午前47

緩和ケアについて正しいのはどれか。

 

  1. 患者の家族は対象に含まない。
  2. ケア計画は多職種が話し合って立案する。
  3. 疼痛コントロールの第一選択はモルヒネである。
  4. 根治的な治療法がないと医師が説明したときから始める。

 

 


 

▶午前48

気管支喘息に対する副腎皮質ステロイドの吸入療法について正しいのはどれか。

 

  1. 副作用は内服より少ない。
  2. 吸入後に含嗽はしない。
  3. 食後の吸入が食前より効果的である。
  4. 吸い込むタイミングで効果に差はない。

 

 


 

▶午前49

甲状腺癌のために甲状腺全摘術と頸部リンパ節郭清術とを受けた患者の術後管理で正しいのはどれか。

 

  1. 甲状腺クリーゼの観察をする。
  2. 嗄声のある間は経口摂取を禁止する。
  3. ドレーンからの乳び漏の有無を観察する。
  4. テタニーが生じた場合は副甲状腺ホルモンを補充する。

 

 


 

▶午前50

肝硬変で皮下出血、腹水貯留および手指の振戦がある患者に対する食事で適切なのはどれか。

 

  1. 高蛋白食
  2. 高脂肪食
  3. 低残渣食
  4. 塩分制限食

 

 


 

▶午前51

右乳癌のために胸筋温存乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術とを受けた患者。呼吸循環機能は安定しており、右腋窩部と乳房皮下とにドレーンが挿入されている。
術後1日の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 右側臥位を勧める。
  2. 右肘関節の回内・回外運動を勧める。
  3. 右上肢の中枢から末梢に向かってマッサージをする。
  4. 右上肢の前方挙上は術後10日間行わないよう指導する。

 

 


 

▶午前52

Aさんは、特定の相手に対して「とても尊敬しています」と過度に好意を示すこともあれば「あなたは最低だ。嫌い」と嫌悪感を同時に訴えることもある。
Aさんに現れている現象はどれか。

 

  1. 否認
  2. 逆転移
  3. アンビバレンス〈両価性〉
  4. エディプスコンプレックス

 

 


 

▶午前53

Asperger〈アスペルガー〉症候群について正しいのはどれか。

 

  1. 女性に多い。
  2. 出生時に診断される。
  3. 自我障害が特徴である。
  4. 知的能力の発達は保たれる。

 

 


 

▶午前54

精神疾患の患者に対する心理教育について正しいのはどれか。

 

  1. 精神分析を実施する。
  2. 家族関係が疾患の原因であることを説明する。
  3. 症状が悪化するときのサインに気づけるよう指導する。
  4. 状態に合わせて服薬量を自分で増減する方法を説明する。

 

 


 

▶午前55

電気けいれん療法の適応となるのはどれか。

 

  1. 失見当識
  2. 重症うつ病
  3. 悪性症候群
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病

 

 


 

▶午前56

Aさん(42歳、男性、会社員)。うつ病で自殺企図のために入院した。外傷はない。入院時に看護師が「大変でしたね」と声をかけたが、Aさんは一言も話そうとせず、硬い表情をしている。
この時点でのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「気分転換にお散歩に行きませんか」
  2. 「今夜は多床室で休んでいただきます」
  3. 「仕事が合わないのではありませんか」
  4. 「持ち物を一緒に確認させていただけますか」

 

 


 
▶午前57

訪問看護の利用者の特徴として正しいのはどれか。

 

  1. 年齢は65〜69歳が最も多い。
  2. 要介護度は要支援2が最も多い。
  3. 脳血管疾患を含む循環器系疾患が最も多い。
  4. 介護保険よりも医療保険によるサービス受給者が多い。

 

 


 

▶午前58

退院調整部署と連携しながら、ある患者の退院支援を進めることになった。
病棟看護師が行う支援として最も適切なのはどれか。

 

  1. 経済問題への対応
  2. 患者の希望の聴取
  3. 介護保険制度の説明
  4. 在宅のケアプラン立案

 

 


 
▶午前59

要介護認定者が訪問看護を受ける際、医療保険から給付される疾病または状態はどれか。

 

  1. 関節リウマチ
  2. 在宅酸素療法を受けている状態
  3. 人工呼吸器を使用している状態
  4. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉

 

 


 

▶午前60

Aさんは在宅療養をしており、皮下埋め込み式ポートから高カロリー輸液を間欠的に注入している。
訪問看護師がAさんに行う日常生活の指導内容として適切なのはどれか。

 

  1. 穿刺針の固定は不要である。
  2. 抜針した当日の入浴はできない。
  3. 穿刺針は一般廃棄物として処理する。
  4. 刺入部の発赤を認めた場合は訪問看護師に連絡する。

 

 


 

▶午前61

ハヴィガースト, R. J.の老年期における発達課題として正しいのはどれか。

 

  1. 子どもを独立させる。
  2. 満足できる収入を得る。
  3. 配偶者の死に適応する。
  4. 異世代の人と親密な関係を結ぶ。

 

 


 

▶午前62

加齢に伴う呼吸循環機能の変化について正しいのはどれか。

 

  1. 残気量は変化しない。
  2. 肺の弾性は低下する。
  3. 左心室壁は薄くなる。
  4. 安静時の心拍出量は増加する。

 

 


 
▶午前63

96歳の女性。要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を利用している。
援助として適切なのはどれか。

 

  1. 入浴は特殊浴槽を使用する。
  2. 排泄時には援助者が下着を脱がせる。
  3. 椅子に座るときには安全ベルトを使用する。
  4. 運動を取り入れたレクリエーションへの参加を促す。

 

 


 

▶午前64

高齢者に多い弛緩性便秘の原因で正しいのはどれか。

 

  1. 長期臥床
  2. 便意の我慢
  3. 腸管内の炎症
  4. 下行結腸の蠕動亢進

 

 


 
▶午前65

介護保険施設においてノロウイルス感染症が発生した。
感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。

 

  1. 感染者の居室はアルコールで拭く。
  2. 感染者の吐物は乾燥してから処理する。
  3. 感染者が使用したリネンは60℃の加熱処理を行う。
  4. 感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。

 

 


 

▶午前66

大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術の術後1週以内における看護で適切なのはどれか。

 

  1. 手術当日に全身清拭は行わない。
  2. 術後初めての食事は全介助で行う。
  3. 患肢の他動運動は術後3日から行う。
  4. 臥床時は患肢を外転中間位に保持する。

 

 


 
▶午前67

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)について正しいのはどれか。

 

  1. 20人の生活単位を基本とする。
  2. 看護職員の配置が義務づけられている。
  3. 介護保険制度における地域密着型サービスである。
  4. 連続して利用できる期間は原則3か月以内である。

 

 


 

▶午前68

出生前診断のための羊水検査について適切なのはどれか。

 

  1. 検査がもたらす母児への影響を事前に説明する。
  2. 胎児に染色体異常が発見された場合は結果を知らせない。
  3. 夫婦の意見が対立した場合は夫の意見を優先する。
  4. 妊婦の母親から問い合わせがあった場合は検査結果を伝える。

 

 


 
▶午前69

性感染症〈STD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 経口避妊薬の内服が予防に有効である。
  2. 患者のパートナーは治療の対象ではない。
  3. 10代では性器ヘルペスの罹患が最も多い。
  4. 性器クラミジア感染症の罹患は不妊症の危険因子である。

 

 


 
▶午前70

正常新生児に対して出生後2時間以内に実施するのはどれか。

 

  1. 聴力検査
  2. 抗菌薬の点眼
  3. 心拍モニタリング
  4. 先天性代謝異常検査

 

 


 

▶午前71

Aさん(30歳、初産婦)は、妊娠39週2日で前期破水と診断され入院した。胎児は頭位で臍帯下垂はみられず、胎児心拍数は正常である。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 入浴を勧める。
  2. 歩行を禁止する。
  3. 3〜4時間ごとに導尿をする。
  4. 3〜4時間ごとに外陰部のパッドを交換する。

 

 


 

▶午前72

A君(10歳、男児)は、既往歴はなく健康である。A君の弟のB君(5歳)は、白血病のため入院しており、治療の一環として骨髄移植を必要としている。A君がドナー候補に挙がっており、両親はA君をドナーとした骨髄移植を希望している。
骨髄移植に関するA君への看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 骨髄採取後は腰の痛みを伴う。
  2. A君は何も心配しなくてよい。
  3. A君が頑張ればお母さんが喜ぶ。
  4. B君の病気を治すためにはA君がドナーになるしかない。

 

 


 

▶午前73

子どもの遊びについて正しいのはどれか。

 

  1. 象徴遊びは3〜4歳で最も盛んになる。
  2. 感覚運動遊びは5歳ころまでみられる。
  3. 並行遊びは6歳以降に増える。
  4. 構成遊びは8歳ころに現れる。

 

 


 

▶午前74

離乳食の進め方で正しいのはどれか。

 

  1. 開始前からスプーンに慣れさせる。
  2. 開始時は炭水化物より蛋白質の割合を多くする。
  3. 開始時から人工乳はフォローアップミルクにする。
  4. 開始から2か月ころは舌でつぶせる固さの食物にする。

 

 


 
▶午前75

体幹部の写真を別に示す。
suitou
最も疑われるウイルス感染症はどれか。

 

  1. 伝染性軟属腫
  2. 伝染性紅斑
  3. 水痘
  4. 風疹

 

 


 

▶午前76

細胞内におけるエネルギー産生や呼吸に関与する細胞内小器官はどれか。

 

  1. ミトコンドリア
  2. リボソーム
  3. ゴルジ体
  4. 小胞体

 

 


 

▶午前77

ナトリウムイオンが再吸収される主な部位はどれか。

 

  1. 近位尿細管
  2. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉下行脚
  3. Henle〈ヘンレ〉のループ〈係蹄〉上行脚
  4. 遠位尿細管
  5. 集合管

 

 


 

▶午前78

人体の右側のみにあるのはどれか。

 

  1. 総頸動脈
  2. 腕頭動脈
  3. 腋窩動脈
  4. 内頸動脈
  5. 鎖骨下動脈

 

 


 

▶午前79

ペニシリン投与によって呼吸困難となった患者への第一選択薬はどれか。

 

  1. ジギタリス
  2. テオフィリン
  3. アドレナリン
  4. 抗ヒスタミン薬
  5. 副腎皮質ステロイド

 

 


 

▶午前80

下肢の閉塞性動脈硬化症〈ASO〉の症状はどれか。

 

  1. 間欠性跛行
  2. 線維束性収縮
  3. 近位筋優位の萎縮
  4. 足背動脈の拍動の亢進
  5. 登攀性起立(Gowers〈ガワーズ〉徴候)

 

 


 
▶午前81

透析導入患者の原疾患として最も多いのはどれか。

 

  1. 慢性糸球体腎炎
  2. 多発性囊胞腎
  3. ループス腎炎
  4. 糖尿病腎症
  5. 腎硬化症

 

 


 

▶午前82

心音の聴取部位を図に示す。
肺動脈弁領域の聴診部位はどれか。
ただし、点線は心臓を示す。

 

102am82

 

 


 

▶午前83

収縮期血圧の上昇をきたす要因はどれか。

 

  1. 副交感神経の興奮
  2. 循環血液量の減少
  3. 末梢血管抵抗の増大
  4. 血液の粘稠度の低下
  5. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇

 

 


 

▶午前84

所見と病態の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. Raynaud〈レイノー〉現象――四肢末端の虚血
  2. 頸静脈の怒張――左心系の循環障害
  3. 全身性浮腫――リンパ管の還流障害
  4. チアノーゼ――還元ヘモグロビンの減少
  5. 上室性期外収縮――心室から発生する異所性興奮

 

 


 

▶午前85

生後4日の新生児の状態で正常を逸脱しているのはどれか。

 

  1. 臍帯が乾燥している。
  2. 体重減少が7%である。
  3. 黒緑色の便が排泄されている。
  4. 排気とともに少量の母乳を吐く。
  5. 皮膚が乾燥し一部がはがれている。

 

 


 

▶午前86

疾病とその特徴的な所見の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 急性虫垂炎――血便
  2. ネフローゼ症候群――高血圧
  3. 重症筋無力症――けいれん
  4. クループ症候群――吸気性喘鳴
  5. Cushing〈クッシング〉症候群――頸部リンパ節腫脹

 

 


 

▶午前87

アポクリン汗腺が多く分布する部位はどれか。2つ選べ。

 

  1. 顔面
  2. 腋窩
  3. 手掌
  4. 足底
  5. 外陰部

 

 


 

▶午前88

原発緑内障について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 眼球が突出する。
  2. 眼圧が上昇する。
  3. 瞳孔が縮小する。
  4. 視神経が萎縮する。
  5. 眼底に出血がみられる。

 

 


 
▶午前89改題

入所者または居住者が公的保険による訪問看護サービスを受けることができるのはどれか。
2つ選べ。

 

  1. 乳児院
  2. 介護老人保健施設
  3. サービス付き高齢者向け住宅
  4. 介護医療院
  5. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 


 

▶午後26

血中カルシウム濃度を上昇させるホルモンを分泌する器官はどれか。

 

  1. 副甲状腺
  2. 甲状腺
  3. 下垂体
  4. 副腎

 

 


 

▶午後27

ヒトの精子細胞における染色体の数はどれか。

 

  1. 22本
  2. 23本
  3. 44本
  4. 46本

 

 


 
▶午後28

低値によって脂質異常症と診断される検査項目はどれか。

 

  1. トリグリセリド
  2. 総コレステロール
  3. 低比重リポ蛋白コレステロール〈LDL-C〉
  4. 高比重リポ蛋白コレステロール〈HDL-C〉

 

 


 

▶午後29

麻痺すると猿手を生じるのはどれか。

 

  1. 総腓骨神経
  2. 橈骨神経
  3. 尺骨神経
  4. 正中神経

 

 


 
▶午後30

労働基準法において、就業中の妊産婦から請求がなくても使用者が処遇すべきなのはどれか。

 

  1. 産前6週間の就業禁止
  2. 産後6週間の就業禁止
  3. 深夜業の就業禁止
  4. 育児時間の確保

 

 


 
▶午後31

ノーマライゼーションに基づくのはどれか。

 

  1. 救急搬送体制を整備すること
  2. 医療機関にいつでも受診ができること
  3. 公共交通機関をバリアフリー化すること
  4. 障害者に介護施設への入所を勧めること

 

 


 
▶午後32改題

日本の令和4年(2022年)の人口動態統計における悪性新生物〈腫瘍〉に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 死因別順位は第2位である。
  2. 年間死亡者数は約80万人である。
  3. 部位別にみた年齢調整死亡率は、男性では胃が最も高い。
  4. 部位別にみた死亡者数は、気管、気管支及び肺が最も多い。

 

 


 

▶午後33

聴覚障害のある患者とのコミュニケーションで正しいのはどれか。

 

  1. 補聴器の使用中は低音で話す。
  2. 手話のときは口元を動かさない。
  3. 音の反響が強い場所を選択する。
  4. 感音性難聴の場合は大きな声で話す。

 

 


 
▶午後34

結核菌の消毒に効果があるのはどれか。

 

  1. エタノール
  2. アクリノール
  3. ベンザルコニウム
  4. クロルヘキシジン

 

 


 

▶午後35

四肢に障害がない患者を仰臥位から側臥位に体位変換するときの姿勢を図に示す。
適切なのはどれか。

 

102pm35

 

 


 
▶午後36

インシデントレポートについて正しいのはどれか。

 

  1. 警察への届出義務がある。
  2. 法令で書式が統一されている
  3. 事故が発生するまで報告しない。
  4. 異なる職種間で内容を共有する。

 

 


 

▶午後37

口腔ケアの効果として正しいのはどれか。

 

  1. プラークの形成
  2. 唾液分泌の促進
  3. 口腔内のpHの酸性化
  4. バイオフィルムの形成

 

 


 

▶午後38

薬とその副作用の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 抗ヒスタミン薬――難聴
  2. スルホニル尿素薬――咳嗽
  3. 中枢性麻薬性鎮咳薬――便秘
  4. アミノグリコシド系薬――骨粗鬆症

 

 


 

▶午後39

成人の腸骨の骨髄穿刺で適切なのはどれか。

 

  1. 穿刺前6時間は絶食とする。
  2. 穿刺は仰臥位で行う。
  3. 穿刺時は深呼吸を促す。
  4. 穿刺後、穿刺部位は圧迫止血する。

 

 


 
▶午後40

食の支援に関わる職種とその役割の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 歯科衛生士――義歯の作成
  2. 管理栄養士――経腸栄養の処方
  3. 言語聴覚士――嚥下機能の評価
  4. 薬剤師――摂食行動の評価

 

 


 

▶午後41

人工呼吸器による陽圧換気によって生じるのはどれか。

 

  1. 肺水腫
  2. 脳内出血
  3. 胃液分泌の低下
  4. 心拍出量の低下

 

 


 

▶午後42

手術中に下肢に弾性ストッキングを着用する主な目的はどれか。

 

  1. 浮腫の軽減
  2. 筋力の維持
  3. 体温低下の予防
  4. 深部静脈血栓形成の予防

 

 


 

▶午後43

外傷性脳損傷によって軽度記憶障害のある患者への認知リハビリテーションで適切なのはどれか。

 

  1. 簡単な計算を取り入れる。
  2. 毎日新しい行動を試みる。
  3. 暗記の練習のときはメモを取る。
  4. 視覚的なイメージより言葉のほうが記憶しやすい。

 

 


 

▶午後44

腰椎転移のある食道癌の患者。癌性疼痛にフェンタニル貼付剤を使用しているが、右下肢に神経因性疼痛が頻発している。1日に4〜6回レスキューとしてのモルヒネ注射薬を使用しており、入眠すると15秒程度の無呼吸がみられる。
緩和ケアチームで検討すべき対応はどれか。

 

  1. 酸素吸入
  2. 鎮痛補助薬の使用
  3. モルヒネ注射薬の増量
  4. フェンタニル貼付剤の増量

 

 


 

▶午後45

慢性腎不全で透析導入を判断するときの指標となる検査はどれか。

 

  1. 尿酸〈UA〉値
  2. 糸球体濾過値〈GFR〉
  3. 点滴静注腎盂造影〈DIP〉
  4. PSP〈フェノールスルホンフタレイン〉15分値

 

 


 

▶午後46

1年前にハチに刺された人が再びハチに刺された。
起こる可能性のあるアレルギー反応はどれか。

 

  1. Ⅰ型アレルギー
  2. Ⅱ型アレルギー
  3. Ⅲ型アレルギー
  4. Ⅳ型アレルギー

 

 


 

▶午後47

電動のこぎりの操作ミスで、左第2指と3指とも近位指節間〈PIP〉関節と遠位指節間〈DIP〉関節の間で切断した患者が、手指の再接着術を受けた。他に外傷はない。
術後1日の観察で適切なのはどれか。

 

  1. Volkmann〈フォルクマン〉拘縮の有無
  2. 中手指節〈MP〉関節の関節可動域
  3. 遠位部の血液循環の状態
  4. 接着部の瘢痕化

 

 


 

▶午後48

スパイロメトリーの結果による換気機能診断図を示す。
102pm48
閉塞性換気障害と診断される分類はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後49

精神看護に関連する理論と理論家の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 現存在分析――フロイト, S.
  2. ストレス理論――シュナイダー, K.
  3. 精神発達理論――オレム, D.
  4. 患者-看護師関係――ペプロウ, E.

 

 


 

▶午後50

選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉について正しいのはどれか。

 

  1. パニック障害に対する効果はない。
  2. 抗コリン作用は三環系抗うつ薬よりも弱い。
  3. うつ状態が改善したら直ちに使用を中止する。
  4. 抗うつ効果の評価は投与開始後3日以内に行う。

 

 


 

▶午後51

リエゾン精神看護に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 直接ケアは含まれない。
  2. 精神疾患の既往のある患者は対象とならない。
  3. 看護師は必要に応じて精神病床への移動を指示できる。
  4. 身体疾患と精神的問題とを併せ持つ患者を対象とする。

 

 


 
▶午後52改題

精神科病院に入院中の患者の法的処遇について正しいのはどれか。

 

  1. 患者は退院を請求できる。
  2. 看護師は面会を制限できる。
  3. 家族等は外出の可否を判断できる。
  4. 精神保健指定医は手紙の発信を制限できる。

 

 


 

▶午後53

Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害で入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口調で抵抗した。この日、主治医は不在であった。
Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「先生はそのようなことは言わないと思います」
  2. 「先生は不在なので、私の指示に従ってください」
  3. 「病棟の安全が守れないので退院していただきます」
  4. 「先生に確認がとれるまで、こちらでお預かりします」

 

 


 

▶午後54

Aさん(78歳)は、妻(76歳)と2人で暮らしている。糖尿病と診断されている。認知症ではない。主治医の指示で、インスリン自己注射を指導するために訪問看護が導入された。Aさんは「針が怖いから、看護師さんが注射をしてください」と言う。
Aさんへの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「針は細いので怖くないです」
  2. 「一緒に少しずつやっていきましょう」
  3. 「注射ができないと家での療養は難しくなります」
  4. 「そうですね。Aさんも奥さんもしなくていいです」

 

 


 
▶午後55

介護保険法施行令において特定疾病に指定されているのはどれか。

 

  1. 脊髄損傷
  2. Crohn〈クローン〉病
  3. 脳血管疾患
  4. 大腿骨頸部骨折

 

 


 

▶午後56

Aさん(68歳)は要介護1で、1人で暮らしている。間質性肺炎のために在宅酸素療法が開始された。
Aさんのサービス担当者会議で訪問看護師が行う提案で適切なのはどれか。

 

  1. 炊事の禁止
  2. 毎日の体温測定
  3. 1人での外出禁止
  4. 訪問入浴サービスの導入

 

 


 

▶午後57

Aさんは、要介護2で在宅療養をしている。仙骨部に2cm×3cmの水疱を形成した。この1週間、臥床していることが多くなり、食事摂取量も減ってきている。
訪問看護師がAさんの家族に行う提案として適切なのはどれか。

 

  1. 体圧分散マットの使用
  2. 膀胱留置カテーテルの留置
  3. 夜間の時間ごとの体位変換
  4. 訪問介護への褥瘡処置の依頼

 

 


 

▶午後58

高齢者から生活史を聴取する方法として適切なのはどれか。

 

  1. 家族の承諾を必須とする。
  2. 認知機能の評価尺度を用いる。
  3. 事実とは異なる部分を修正する。
  4. 高齢者自身の生きてきた時代背景を聴く。

 

 


 
▶午後59

平成3年(1991年)に国際連合総会〈国連総会〉で決議された「高齢者のための国連原則」でないのはどれか。

 

  1. 公平の原則
  2. 参加の原則
  3. 尊厳の原則
  4. 自己実現の原則

 

 


 

▶午後60

介護老人福祉施設に入居中の高齢者。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅳ、四肢の麻痺はない。
衣類の選択について最も適切なのはどれか。

 

  1. 材質選びは本人に任せる。
  2. ボタンでとめる上着を選ぶ。
  3. 夜間就寝時には寝衣に着替える。
  4. 皮膚の瘙痒感があれば、つなぎ服を着用させる。

 

 


 

▶午後61

Aさん(80歳、女性)は、脳血管性認知症、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点で施設に入所している。看護師が「お風呂に入りますよ」と声をかけると、Aさんは「男の人は入っていないか」と尋ねる。看護師が「男の人はいませんよ」と説明するが、Aさんは「本当にいないのか」と繰り返し、なかなか納得しない。
Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「男の人はいないから行きましょう」
  2. 「お風呂に入ったら気持ちよくなりますよ」
  3. 「遅くなるとお風呂に入れなくなりますよ」
  4. 「男の人がいないことを一緒に確認してみましょうか」

 

 


 

▶午後62

加齢による身体生理機能の変化とそれによって影響を受ける薬物動態の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 体内水分量の減少――代謝
  2. 体内脂肪量の増加――排泄
  3. 血清アルブミンの減少――分布
  4. 糸球体濾過値〈GFR〉の低下――吸収

 

 


 
▶午後63

介護保険サービスについて正しいのはどれか。

 

  1. 福祉用具の貸与は無償で受けられる。
  2. 要支援の高齢者は介護老人保健施設に入所できる。
  3. 小規模多機能型居宅介護では泊まり(ショートステイ)は提供しない。
  4. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)ではユニットケアを実施している。

 

 


 
▶午後64

乳児健康診査を規定している法律はどれか。

 

  1. 母体保護法
  2. 母子保健法
  3. 児童福祉法
  4. 児童虐待の防止等に関する法律

 

 


 

▶午後65

正常に経過している分娩第1期の産婦への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「食事は摂らないようにしてください」
  2. 「ベッド上で安静にしていてください」
  3. 「2、3時間に1回は排尿をしてください」
  4. 「眠気を感じても眠らないようにしてください」

 

 


 

▶午後67

Aさんは妊娠37週0日に骨盤位のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。
Aさんへの看護として適切なのはどれか。

 

  1. 手術室で出生児と対面する。
  2. 産褥2日に初回歩行をする。
  3. 産褥3日に初回授乳をする。
  4. 産褥4日以降に弾性ストッキングを履く。

 

 


 

▶午後68

子どもの運動機能の発達について正しいのはどれか。

 

  1. 身体の下部から頭部の方向に進む。
  2. 全身的な動きから細かな動きへ進む。
  3. 新生児期には遺伝より環境の影響を受ける。
  4. 反射運動は乳児期後期から幼児期にかけて活発になる。

 

 


 

▶午後69

乳児の事故防止として正しいのはどれか。

 

  1. 直径25mmの玩具で遊ばせる。
  2. ベッドにいるときはベッド柵を上げる。
  3. うつ伏せで遊ばせるときは柔らかい布団を敷く。
  4. 屋外で遊ばせるときはフード付きの衣服を着用させる。

 

 


 

▶午後70

A君(14歳、男子)は、心室中隔欠損症のために通院している。母親とともに外来を受診しているが、母親がトイレに行った際に、A君は「自分の心臓のことはよく理解しているし、もう1人で受診したいけど、母さんが心配だから一緒に行くってうるさくて」と看護師に話した。
看護師の最初の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 母親にA君への関わりが過保護だと伝える。
  2. 母親の心配を理解してあげなさいとA君に話す。
  3. 次回からは1人で受診してもよいとA君に話す。
  4. 母親がいない場でA君の気持ちを聴く機会をもつ。

 

 


 

▶午後71

A君(11歳、男児)。喘息発作のため救急外来に来院した。喘鳴が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%(room air)、ピークフロー値45%である。
まず行うべきA君への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 起坐位を保つ。
  2. 水分摂取を促す。
  3. 胸式呼吸を促す。
  4. 発作の状況を尋ねる。

 

 


 
▶午後72

水溶性ビタミンはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンD
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 


 

▶午後73

血清に含まれないのはどれか。

 

  1. インスリン
  2. アルブミン
  3. γ-グロブリン
  4. β-グロブリン
  5. フィブリノゲン

 

 


 

▶午後74

出血が止まりにくくなる服用薬はどれか。

 

  1. β遮断薬
  2. ジギタリス
  3. ワルファリン
  4. ループ利尿薬
  5. サイアザイド系利尿薬

 

 


 

▶午後75

老視の原因はどれか。

 

  1. 瞳孔括約筋の筋力低下
  2. 水晶体の弾力低下
  3. 網膜の色素変性
  4. 硝子体の混濁
  5. 水晶体の混濁

 

 


 

▶午後76

脳塞栓症を生じやすい不整脈はどれか。

 

  1. 心房細動
  2. WPW症候群
  3. 心房性期外収縮
  4. 心室性期外収縮
  5. 完全房室ブロック

 

 


 
▶午後77

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉が感染する細胞はどれか。

 

  1. 好中球
  2. 形質細胞
  3. Bリンパ球
  4. ヘルパー〈CD4陽性〉Tリンパ球
  5. 細胞傷害性〈CD8陽性〉Tリンパ球

 

 


 
▶午後78

生活保護法で扶助として定められていないのはどれか。

 

  1. 教育
  2. 医療
  3. 授産
  4. 住宅
  5. 葬祭

 

 


 

▶午後79

内服薬の初回通過効果が主に起こる部位はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 胆囊
  3. 膵臓
  4. 腎臓

 

 


 
▶午後80

放射線被ばく後、新たな発症について長期の観察が必要な障害はどれか。

 

  1. 胃炎
  2. 食道炎
  3. 甲状腺癌
  4. 高尿酸血症
  5. 皮膚のびらん

 

 


 

▶午後81

副交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 

  1. 瞳孔の散大
  2. 発汗の促進
  3. 心拍数の低下
  4. 気管支の拡張
  5. 消化液の分泌亢進

 

 


 

▶午後82

小腸からそのまま吸収されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. グルコース
  2. スクロース
  3. マルトース
  4. ラクトース
  5. フルクトース

 

 


 

▶午後83

鉄欠乏性貧血の症状または所見として考えられるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 動悸
  2. 匙状爪
  3. ほてり感
  4. 運動失調
  5. 皮膚の紅潮

 

 


 

▶午後84

大腸内視鏡検査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査前日の朝から絶食とする。
  2. 腸管洗浄液は6時間かけて内服する。
  3. 迷走神経反射によって血圧が低下する可能性がある。
  4. 検査後に嚥下障害を生じる可能性がある。
  5. 検査後に下血の有無を観察する。

 

 


 

▶午後85

意識障害はどれか。2つ選べ。

 

  1. 昏睡
  2. 制止
  3. せん妄
  4. 途絶
  5. フラッシュバック

 

 


 

▶午後86

加齢によって高齢者に脱水が起こりやすくなる理由はどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨量の減少
  2. 筋肉量の減少
  3. 末梢血管抵抗の増強
  4. 渇中枢の感受性の低下
  5. 腎臓のナトリウム保持機能の亢進

 

 


 

▶午後87

妊娠の成立について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. プロラクチンの急増によって排卵が促される。
  2. 排卵後、卵子が受精能を有するのは通常24時間である。
  3. 射精後、精子が受精能を有するのは通常80時間である。
  4. 着床は受精後7日前後である。
  5. 受精後、プロゲステロンの分泌がなくなる。

 

 


 

▶午後88

乳児の心拍測定について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 心拍数110/分は正常である。
  2. 聴診ではⅠ音とⅡ音で心拍となる。
  3. バスタオルで体幹および四肢を固定して測定する。
  4. 呼吸周期に関連した心拍リズムの不整は異常である。
  5. 聴診器が接触した際の冷感による心拍数の変動に気をつける。

 

 


 
▶午後89

身長160cm、体重64kgである成人のBMIを求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:① ②

 

 


 

▶午後90

酸素を3L/分で吸入している患者。移送時に使用する500L酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧計は4.4MPaを示している。
使用可能時間(分)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②分

 

 

 

第102回看護師国家試験・状況設定問題(60問)

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性)、建築作業員。趣味はジョギングで毎日5kmを走っている。55歳のときに肺気腫を指摘されている。1か月前から咳嗽が続いて止まらないため、自宅近くの病院を受診した。胸部エックス線撮影で異常陰影が認められ、精密検査の結果、右下葉に肺癌が見つかり、標準開胸右下葉切除術が予定された。20歳から喫煙歴があり、肺気腫を指摘されるまで1日40本程度吸っていた。

 

▶午前91

手術は無事終了し、胸腔ドレーンが挿入されたが、水封ドレナージのみで持続吸引は行われていない。術直後、胸腔ドレーンの先端から呼気時にエアリークが認められた。ドレーン挿入部と接続部とを確認したが異常はなかった。医師は、「再手術は経過を見て判断する」と言っている。
看護師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 水平仰臥位にする。
  2. 肩関節の運動を促す。
  3. ドレーンをクランプする。
  4. 皮下気腫の出現に注意する。

 

 


 

▶午前92

術後2日。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは咳嗽時や体動時に苦痛表情をしている。
看護師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 体動を少なくするように指導する。
  2. 創部のガーゼの上から温罨法を行う。
  3. 鎮痛薬の追加使用について医師と検討する。
  4. 胸腔ドレーンの吸引圧について医師と検討する。

 

 


 

▶午前93

エアリークは自然に消失し、経過は良好であるため退院予定となった。体動時の痛みは持続しているが、ADLに支障はない。
Aさんへの退院時の生活指導として適切なのはどれか。

 

  1. 「傷の痛みはすぐによくなりますので心配ありません」
  2. 「リハビリテーションはジョギングから始めましょう」
  3. 「外出時はマスクを使用してください」
  4. 「退院後2、3日から入院前と同じ仕事をしても大丈夫です」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(40歳、男性)。入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は450mLで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8g/dL。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3L/分)。尿量50mL/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。

 

▶午前94

術後1日のAさんのアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 体温の上昇は感染による。
  2. 脈拍の増加は貧血による。
  3. 血圧の上昇は麻酔の影響による。
  4. 酸素飽和度の低下は創痛による。
  5. 尿量の減少は循環血液量の減少による。

 

 


 

▶午前95

術後1週から食事が開始されたが、毎食後に下腹部痛を伴う下痢があり、Aさんは「食事をするのが怖い」と訴えた。
看護師が確認する必要があるのはどれか。

 

  1. 食後の体位
  2. 1日の歩行量
  3. 術前の食事の嗜好
  4. 食事摂取の所要時間

 

 


 

▶午前96

下痢の回数は減り、摂食も良好で、術後3週で退院が決定した。
Aさんへの退院指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 炭水化物を中心にした食事を勧める。
  2. 下痢は1か月程度でおさまると説明する。
  3. 食事は分割して少量ずつ摂取するよう勧める。
  4. 食後に冷汗が出たら水分を摂るよう説明する。
  5. ビタミンB12が吸収されにくくなると説明する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(52歳、男性)、自営業。既往歴に特記すべきことはない。屋根を補修するためにはしごを登っていたところ、足を滑らせて転落し、頭部を打撲した。救急車で病院に搬送され、頭部CTで、右前頭葉と側頭葉の脳挫傷と右側頭葉の脳内血腫を認めた。

 

▶午前97

入院時、Aさんは痛み刺激に対しても開眼することはなく、払いのけるような動作をするのみで、左上下肢の動きが右上下肢に比べて弱かった。
ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉による評価はどれか。

 

  1. Ⅱ-20
  2. Ⅱ-30
  3. Ⅲ-100
  4. Ⅲ-200
  5. Ⅲ-300

 

 


 

▶午前98

緊急で開頭血腫除去術が行われ、硬膜外にドレーンが挿入された。術後はICUに入室した。ICU入室6時間後のAさんの状態は、血圧138/76mmHg、脈拍82/分、体温37.4℃。呼びかけに対して容易に開眼し、簡単な指示に応じることができるようになった。しかし、その後時間で意識レベルが術前のレベルまで進行性に低下した。血圧156/68mmHg、脈拍67/分、体温37.8℃、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(酸素吸入3L/分)。
この状況から考えられるAさんの病態として適切なのはどれか。

 

  1. 術後感染
  2. 脳血管攣縮
  3. 低酸素血症
  4. 術後頭蓋内出血

 

 


 

▶午前99

このときのAさんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 後頭部を氷枕で冷やす。
  2. 上半身を30度程度挙上する。
  3. 左上下肢の関節屈曲運動を行う。
  4. 右上肢を抑制して硬膜外ドレーン抜去を予防する。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性)は、双極性障害で、これまでにうつ状態と躁状態で入院歴がある。会社員の兄と2人で暮らしている。3か月前から服薬を中断するようになり、気分が沈みはじめ、1週前から朝起きられなくなった。2日前から1日中ベッドの中にいるようになったため、兄に付き添われて入院した。入院時は亜昏迷状態で、発語はほとんどなく、自力での歩行が困難なほど脱力が強かった。入院後、三環系抗うつ薬が開始された。

 

▶午前100

入院当日の看護として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発語を促す。
  2. 入浴を促す。
  3. 食物形態を工夫する。
  4. 個室への入室を勧める。
  5. レクリエーションへの参加を勧める。

 

 


 

▶午前101

Aさんの排泄に関する看護として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 便秘を予防する。
  2. 水分摂取を制限する。
  3. 排尿の有無を観察する。
  4. 排泄回数を記載するよう説明する。
  5. 自分でポータブルトイレを使用するよう説明する。

 

 


 

▶午前102

Aさんの精神状態の経過観察において最も注意すべき症状はどれか。

 

  1. 錯乱
  2. 強迫行為
  3. 失見当識
  4. 気分高揚

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aさん(40歳、女性)は統合失調症で入院歴があり、退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた。1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり、夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため、職員に付き添われて精神科病院を受診した。診察時は、Aさんは意味不明の言葉を発し、時々興奮したように大声で叫んだ。また、診察室から飛び出したり、衣服を脱いだりする行為も観察された。

 

▶午前103改題

入院を開始するために必要な情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 家族等の有無
  2. 前回の入院形態
  3. 自立支援給付の受給状況
  4. 精神障害者保健福祉手帳の取得状況

 

 


 

▶午前104

診察の結果、Aさんは入院することになり、外来看護師に付き添われて閉鎖病棟に来た。
病棟の入り口でドアを開けた看護師が優先的に行うのはどれか。

 

  1. 持参した薬を確認する。
  2. 病棟のホールに誘導する。
  3. 他の病棟スタッフに協力を要請する。
  4. 入院のオリエンテーションを実施する。

 

 


 

▶午前105

入院後2週、症状が安定して、意思の疎通も良好となり、興奮もみられなくなった。入院後1か月にはADLもほぼ自立していた。
入院後1か月のAさんへの看護で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 長期間の入院が必要であると説明する。
  2. 退院して家族と同居することを検討する。
  3. 入居していたグループホームと連絡を取る。
  4. 警察にAさんの退院予定日を知らせておく。
  5. 服薬の自己管理を開始するためのアセスメントを行う。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(48歳、女性)は、重症筋無力症を5年前に発症し、初期から副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、眼瞼下垂、複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは訪問看護のみを利用している。

 

▶午前106

Aさんは「最近、口の中が痛いし、食事もおいしくない」と言う。口角に発赤があり、舌、上口蓋および頰粘膜に白色のものが付着して、その一部に出血がみられる。
Aさんの症状の原因として最も可能性が高いのはどれか。

 

  1. う蝕
  2. 歯周病
  3. 口腔乾燥症
  4. 鵞口瘡〈口腔〉カンジダ症

 

 


 

▶午前107

Aさんがセルフケア能力を維持して、口腔内の清潔を保つための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 歯磨きの自助具を紹介する。
  2. 含嗽はしないよう指導する。
  3. 筋力低下の日内差について尋ねる。
  4. 長女が口腔ケアを行うよう助言する。
  5. 歯磨きは食事の前後に行うよう指導する。

 

 


 

▶午前108

Aさんは「娘との生活を続けるために私も頑張らなくてはいけないと思っている」と言う。
訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの頑張り次第です」
  2. 「将来は娘さんに介護してもらいましょう」
  3. 「将来は施設に入所することを考えましょう」
  4. 「ホームヘルパーの支援を受けることも考えましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(87歳、女性)は、6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。

 

▶午前109

看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 大きな声で尿意を尋ねる。
  2. 就寝中も起こしてトイレに誘導する。
  3. 施設で決められた時刻にトイレに誘導する。
  4. 声をかけても応じない場合は様子を見て再度トイレに誘導する。

 

 


 

▶午前110

入所後2週。Aさんの表情は穏やかになり行動も落ち着くようになった。自発的に車椅子に乗り廊下を移動している。尿意はあるが、尿失禁が続いている。
尿失禁の状態を把握するために行う看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 排泄動作を全介助する。
  2. 夜間は下着をオムツに変更する。
  3. 尿失禁の不快感について質問する。
  4. 廊下を移動中、トイレに行きたいのかを確認する。

 

 


 

▶午前111

入所後3週。排尿行動の自立を目標とする看護計画を立案した。
看護計画として最も適切なのはどれか。

 

  1. 昼夜ともにオムツは使用しない。
  2. トイレの標示を目立つよう工夫する。
  3. 尿で汚染した着衣を自分で片づけるよう指導する。
  4. 尿意を感じた際にはナースコールで呼ぶよう説明する。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(24歳、初産婦)、事務職。妊娠8週である。現在、両親と妹との4人で暮らしている。パートナーは24歳の大学院2年生で就職が内定しており、Aさんと結婚する予定である。

 

▶午前112

Aさんは「気持ちが悪いのであまり食べられません。ご飯が炊き上がるにおいだけで吐き気がします」と話している。妊娠経過は順調である。
Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 水分は糖分を含んだ飲料にする。
  2. 栄養のバランスを崩さずに摂取する。
  3. 1回量を少なくして食べる回数を増やす。
  4. 積極的にカロリーの高い食物を摂取する。

 

 


 

▶午前113

Aさんは「妊娠することは考えていなかったので、自分の体にどんなことが起こるのか想像もつきません」と話した。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。
Aさんに説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 便秘
  2. 静脈瘤
  3. 帯下の増加
  4. 皮膚の瘙痒感

 

 


 

▶午前114

妊娠16週の妊婦健康診査で、Aさんは「母親になる実感はまだありません。妊娠するといろいろなことが起こって驚くばかりです」と話した。妊娠経過は順調である。既にパートナーと結婚し、新居に引っ越している。
Aさんへの指導で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所の選択
  2. 育児用品の準備
  3. バースプランの立案
  4. 出産準備教室への参加

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

A君(8歳、男児)。公園から自転車で帰宅途中に転倒し、利き腕である右肘を強打した。疼痛と腫脹とがあり受診した。単純エックス線撮影の結果、右上腕骨顆上骨折と診断され、治療のために入院した。

 

▶午前115

A君の上腕から手関節までシーネ固定を行った。
患肢の観察項目で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 知覚
  2. かゆみ
  3. 出血量
  4. 関節拘縮

 

 


 

▶午前116

入院後2日。全身麻酔下で骨接合術が施行され、再び上腕から手関節までシーネ固定を行った。術後の全身状態は安定しており、夕食から食事が開始された。
このときのA君の食事摂取の方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 側臥位で摂取する。
  2. 流動食を摂取する。
  3. 左手を使って摂取する。
  4. 右手を使って摂取する。

 

 


 

▶午前117

術後8日、上腕から手関節までギプス固定を行った。術後10日に退院し、5週後に外来で抜釘術を行う予定である。
退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 外での遊びに制限はない。
  2. ギプスがとれるまで入浴しない。
  3. 患肢に痛みがあるときは受診する。
  4. 患側の指先に冷感があるときは温める。

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aちゃん(2歳0か月、女児)。昨日から下痢と嘔吐とを繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。1週前の保育所の身体計測では身長89cm、体重12.0kgであった。個室隔離とし、点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。

 

▶午前118

Aちゃんの体重を測定したところ11.6kgであった。皮膚の状態は前腕をつまむとすぐもどる。尿検査のため採尿パックを貼ると黄色の尿が10mL採取された。Aちゃんは、診察と処置が行われている間、ずっと母親に抱かれて泣いており、涙で頰を濡らしていた。
Aちゃんのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 脱水症状はない。
  2. 軽度脱水である。
  3. 中等度脱水である。
  4. 重度脱水である。

 

 


 

▶午前119

入院翌日。Aちゃんは活気がなく臥床している。下痢症状は改善し嘔吐もみられなくなったが、時々顔をしかめており、母親は「まだおなかが痛いみたいです」と看護師に話す。
Aちゃんの痛みへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 食事摂取を促す。
  2. 日中も部屋を暗くする。
  3. 1人で過ごすようにする。
  4. Aちゃんが好きな絵本を読み聞かせる。

 

 


 

▶午前120

Aちゃんは、排泄が自立していないため紙オムツを使用している。看護師が殿部を観察すると発赤とびらんとがみられた。
Aちゃんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 布オムツを使用する。
  2. 38〜39℃の湯で殿部浴を行う。
  3. オムツを外し、殿部を開放しておく。
  4. アルコール入りのおしり拭きで殿部の清拭を行う。

 

 


 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(64歳、男性)は、人工心肺装置を使用した冠動脈バイパス術〈CABG〉を受け、ICUに入室した。手術時間10時間、手術中の輸液量6,200mL、出血量480mL、尿量980mLであった。

 

▶午後91

手術直後の血圧72/34mmHg、心拍数110/分、心係数2.0L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgであったため、大腿動脈からカテーテルが挿入されて大動脈内バルーンパンピング〈IABP〉が行われている。
Aさんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 四肢に抑制帯を使用する。
  2. 背部の清拭を禁忌とする。
  3. 両足背動脈の拍動を確認する。
  4. Trendelenburg〈トレンデレンブルグ〉体位にする。

 

 


 

▶午後92

術後1日。経口気管チューブが挿入され、人工呼吸器による補助換気が行われている。吸入酸素濃度40%、動脈血酸素分圧〈PaO2〉96Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉35Torr。断続性副雑音が聴取され、気道から泡沫状の分泌物が吸引された。胸部エックス線写真で両肺全体に透過性の低下を認める。胸水を認めない。
Aさんに起こっていると考えられる合併症はどれか。

 

  1. 無気肺
  2. 肺水腫
  3. 肺血栓塞栓症
  4. 人工呼吸器関連肺炎

 

 


 

▶午後93

術後4日。人工呼吸器を離脱し、意識は清明である。経鼻酸素によって酸素飽和度は正常範囲を維持している。左前腕の点滴チューブからカテコラミンが少量投与され、循環機能は安定している。この日の夜、急にAさんの独り言が多くなり、「天井に虫がいる」、「怖いから家に帰る」と繰り返し、点滴チューブを引っ張る動作が見られ、翌朝までほとんど眠っていなかった。
術後5日の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 家族の面会を制限する。
  2. 天井の虫は幻覚であると説明する。
  3. モーニングケア後に睡眠薬を与薬する。
  4. 点滴チューブを病衣の袖に通して見えないようにする。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dL、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。

 

▶午後94

入院初日。Aさんは看護師に「10年間頑張っていたつもりだったけど、やっぱり食べ過ぎていたのね」と話す。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「もう少し頑張れるとよかったですね」
  2. 「食品交換表の使い方を勉強しましょう」
  3. 「食べ過ぎていたかどうか一緒に確かめてみませんか」
  4. 「退院後はインスリンを使わなくてすむよう頑張りましょう」

 

 


 

▶午後95

入院後5日。超速効型インスリンの自己注射が開始された。開始7日、Aさんがインスリン注射を忘れて、昼食を食べ始めていたところを看護師が発見した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事を中断して血糖値を測定する。
  2. 食事を中断してインスリン注射をする。
  3. インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。
  4. 今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。

 

 


 

▶午後96

入院後2週、Aさんは血糖コントロールが改善してきたため、退院予定となった。退院後も毎食前に超速効型インスリンを使用する予定である。Aさんが「家で低血糖にならないか心配」と話したので、退院前に外泊を行って血糖値の変化を確認することにした。
外泊中の家での生活、血糖値および摂取エネルギーを表に示す。
102pm96
Aさんの低血糖予防として適切なのはどれか。

 

  1. 朝食前に飴をなめる。
  2. 掃除を2日に1回とする。
  3. 午前11時ころに補食を摂る。
  4. 夕食前の買い物は自転車で行く。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)は、大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。母親は、Aさんについて「中学時代までは成績優秀で、手のかからない、おとなしい子どもだった」と言っている。両親と妹との4人で暮らしている。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮がむけてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、強迫性障害と診断された。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、本人の同意を得て、その日のうちに任意入院となった。

 

▶午後97

入院後、Aさんとの話し合いで1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けており、看護師が確認するといつも洗面所にいる。
Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 決めた手洗い回数を増やす。
  2. 回数制限を守れない理由を問う。
  3. 洗面所から離れるように誘導する。
  4. 病棟は清潔であることを説明する。

 

 


 

▶午後98

Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。妹が大学受験を控えていることもあり、母親は毎日面会に来ることはできない。母親が来ない日には、Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が看護師に相談してきた。
母親への対応として適切なのはどれか。

 

  1. 毎日の面会を勧める。
  2. Aさんの苦悩を代弁する。
  3. Aさんからの自宅への電話を制限することを約束する。
  4. 看護師が同席してAさんと母親とが話し合うことを提案する。

 

 


 

▶午後99

入院後1か月が経過した。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、薬物療法や認知行動療法による効果が認められ、手洗い行為はほとんどみられなくなった。主治医、Aさん及び家族で話し合った結果、1か月後の退院を目指すことになった。
退院するまでの期間に参加を勧めるプログラムとして適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 回想法
  2. 森田療法
  3. 就労移行支援
  4. 家族心理教育
  5. 生活技能訓練〈SST〉

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(55歳、女性)は、昨年10月に腹痛と腹部膨満のため受診し、膵癌、腹膜播種と診断された。手術の適応はなく、化学療法を受けていた。今回、腹水貯留があり経口摂取量も減少したため入院した。排泄は自立しているが、臥床していることが多い。事務職員をしていたが、現在は休職中である。夫とは離婚し25歳の長女と2人で暮らしている。23歳の長男は結婚し、遠方で暮らしている。今回の入院時から積極的治療が困難であることは、Aさんと長女へ医師から説明され、Aさんは自宅での療養を希望している。長女は就労しているため、あまり来院していない。

 

▶午後100

退院調整看護師から、訪問看護ステーションにAさんの情報提供と訪問看護の依頼が入った。訪問看護師は、在宅療養ができるかを確認するため来院した。
訪問看護師が、Aさんと会う前に退院調整看護師に確認すべき情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 自宅環境
  2. 治療経過
  3. 食事の摂取状況
  4. 長女の在宅療養への意向

 

 


 

▶午後101

退院後、介護支援専門員、訪問看護師、在宅療養の主治医および訪問介護事業所管理者がAさんの自宅に集まり、Aさんと長女が同席し、サービス担当者会議を開催した。Aさんは「おなかが張ってあまり食べられないけれど、家で過ごせるようになってうれしいです」と話した。
訪問看護師が、会議で発言する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 処方内容
  2. 腹部膨満へのケアの必要性
  3. ヘルパーによる支援方法の提案
  4. 予後を踏まえた療養期間の予測

 

 


 

▶午後102

在宅療養が開始されてから1か月が経過した。Aさんの病状は進行し、主治医は、長女と帰省した長男に対して、死が近づいていることを説明した。衰弱している母親を見た長男は「病院へ入院させたほうがいいのではないか」と言い、長女は、訪問看護師にどうしたらいいかと相談した。
長女への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの意思を弟さん(長男)と一緒に聞いてみましょう」
  2. 「医師に決めてもらう方が弟さん(長男)も納得するでしょう」
  3. 「Aさんが1人のときに亡くなることもあるので入院も考えましょう」
  4. 「Aさんは最期まで家にいたいと希望していたから、このままでいいです」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aさん(68歳、女性)は、70歳の夫と2人で暮らしている。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。現在、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。ヤールの重症度分類ステージⅢで、要介護1である。夫が付き添い、神経難病専門クリニックに杖を使って通院している。特定疾患医療受給者証を持っているが、在宅におけるサービスは利用していない。

 

▶午後103

Aさんは足がすくんで転びやすくなったため受診したところ、レボドパ〈L-dopa〉の処方が増量になった。Aさんは「主治医から薬を1日4回飲むことになると説明を受けました。今までは何もなかったけど、薬の副作用にはどんなものがありますか」と外来看護師に相談した。
副作用の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「難聴になることがあります」
  2. 「体が勝手に動くことがあります」
  3. 「低血糖を起こすことがあります」
  4. 「呼吸が苦しくなることがあります」

 

 


 

▶午後104

3か月後。Aさんは入浴中に夫が見ている前で転倒したが、外傷はなかった。その話を聞いた主治医から、安全な入浴ができるように、訪問看護師に依頼があった。
訪問看護師が、訪問時にアセスメントする項目で最も優先するのはどれか。

 

  1. 浴室の室温
  2. ADLの日内変動
  3. 夫の入浴介助の様子
  4. 居室から浴室までの距離

 

 


 

▶午後105

Aさんは「家事は夫がしてくれて感謝しています。介護支援専門員とも相談しながら、自宅で暮らしていきたいと思っています」と訪問看護師に話した。
Aさんへの提案で最も適切なのはどれか。

 

  1. 訪問介護の利用
  2. 短期入所の利用
  3. 車椅子での室内移動
  4. 訪問リハビリテーションの利用

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮らしていたが、自宅で意識を消失して緊急入院した。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。

 

▶午後106

発症後8日。Aさんは「ご飯が食べたい」と話した。左口角から流涎があるが、唾液は飲み込めている。日中、うとうとしていることもある。
Aさんへの嚥下機能の間接訓練で適切なのはどれか。

 

  1. 義歯を外して行う。
  2. ROM訓練の後に行う。
  3. 疲労状態を確認しながら行う。
  4. 覚醒が悪い日は訓練を中止する。

 

 


 

▶午後107

発症後3週。意識は明瞭となり、五分粥と軟菜の経口摂取もできるようになった。食事中、うまく飲み込めずに時々むせることがあり、食事摂取に40〜50分かかっている。
Aさんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 水分摂取には吸い飲みを使う。
  2. 五分粥を摂取するときは大きいスプーンを使う。
  3. 嚥下するときは顔を右側に向ける。
  4. 食後は30分程度Fowler〈ファウラー〉位にする。

 

 


 

▶午後108

発症後4週。Aさんは順調に回復し、退院に向けての準備が進められた。妻から「この状態で家に帰ってきて大丈夫かしら」と看護師に相談があった。
妻への看護師の対応で優先するのはどれか。

 

  1. 介護に対する不安について詳しく聴く。
  2. 特別養護老人ホームへの入所を勧める。
  3. 要介護認定の申請手続きについて説明する。
  4. 退院後に予測される問題について説明する。

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。

 

▶午後109

Aさんの褥瘡の深達度はどれか。

 

  1. ステージⅠ
  2. ステージⅡ
  3. ステージⅢ
  4. ステージⅣ

 

 


 

▶午後110

2週後、Aさんの褥瘡は創面に肉芽組織と軟らかい壊死組織があり、周囲に新しい直径5mmの水疱ができていた。
このときのケア方法として適切なのはどれか。

 

  1. 水疱はつぶす。
  2. 壊死組織は取り除かない。
  3. 微温湯で創面を洗浄する。
  4. 洗浄後は創面を乾燥させる。

 

 


 

▶午後111

肛門周囲の皮膚は湿潤しており暗赤色であった。
看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 殿部をアルカリ性石鹸で洗浄する。
  2. 肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。
  3. 肛門周囲の皮膚をマッサージする。
  4. ベッドにウレタンマットレスを敷く。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週2日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。

 

▶午後112

産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。
Aさんの状態として考えられるのはどれか。

 

  1. 産褥熱
  2. 高血圧症
  3. 産後うつ病
  4. マタニティブルーズ

 

 


 

▶午後113

看護師はベッドサイドの椅子に座り、Aさんから育児について分からないことが多いという話を聞いた。話し終えたAさんは「少しすっきりしたような気がします」と言った。
このときの看護師の対応で優先度の高いのはどれか。

 

  1. 元気づける。
  2. 休息を促す。
  3. 精神科の受診を勧める。
  4. 母親として自覚するよう話す。

 

 


 

▶午後114

産褥5日。Aさんは「少しずつ育児ができるようになってよかったですが、自宅での育児は不安です」と話している。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 児童相談所に連絡する。
  2. 保育所の利用を勧める。
  3. 新生児訪問の時期を早めるよう市町村保健師に依頼する。
  4. 子育てをしている親の会に退院直後から参加することを勧める。

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。

 

▶午後115

産褥1日午前5時、赤色悪露が少量みられた。子宮底の高さは臍上1横指で、膀胱部に軽度の膨満を触知したため、トイレでの排尿を促した。しかし、Aさんは「切開した傷が痛くて、排尿しようとしても出ません。どうしましょう」と看護師に相談してきた。
Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「水分を摂らないようにしてください」
  2. 「腹部を温めてみましょう」
  3. 「授乳をしてみましょう」
  4. 「尿を管で取りましょう」

 

 


 

▶午後116

産褥3日。Aさんは「退院後は避妊する予定です。母乳は1年以上続けたいと思います」と話している。
看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 授乳期間中の避妊は必要ない。
  2. 産後1か月から経口避妊薬を使用する。
  3. 性生活を再開するときからコンドームを使用する。
  4. 産後2週にIUD〈子宮内避妊具〉を挿入してもらうよう勧める。

 

 


 

▶午後117

産褥5日。Aさんは「出産前は、職場に復帰しようと思っていましたが、今は仕事と育児とを両立できるか心配です。いろいろな制度があるとは聞いていますが、どのようなことができるのでしょうか」と看護師に相談した。
Aさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「退院直後から、お子さんを保育所に預けることができます」
  2. 「お子さんが満2歳になるまで育児休業をとれます」
  3. 「職場でお乳を搾る時間を1日4回とれます」
  4. 「夫が育児休業をとることもできます」

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。

 

▶午後118

Aちゃんへの経管栄養法で適切なのはどれか。

 

  1. 胃管挿入の長さは、鼻尖から胸骨剣状突起までの直線距離とする。
  2. 胃管挿入後は、注射器で空気を1mL注入して気泡音を確認する。
  3. 栄養剤を注入する前には毎回、胃内容物が吸引できるか確認する。
  4. 栄養剤を注入する際の姿勢は、仰臥位とする。

 

 


 

▶午後119

退院に向けて、自宅でのケアを習得するために母親が付き添うことになった。母親は、看護師と一緒にAちゃんの沐浴を行うことを楽しみにしているが、眠っているAちゃんの頭をなでながら、「Aがこんなことになったのは私の責任だと思う。家で世話をするのは自信がないけど頑張るしかない。この先、どの様に育っていくのだろう」と話す。父親は仕事が忙しいが家事を行い、週末は必ず面会に訪れている。
家族への看護で適切なのはどれか。

 

  1. 父親への沐浴指導は母親に任せる。
  2. 面会を増やせば母親が楽になると父親に伝える。
  3. 将来のことは考えても仕方がないと母親に話す。
  4. Aちゃんのケアについて母親ができていることを認める。

 

 


 

▶午後120

母親は経管栄養と口腔内吸引とを1人で実施できるようになったが、「退院したら、昼間、Aと2人だけで過ごすのは心配です。Aの具合が悪いときにはどうしたら良いのでしょう」と話す。
Aちゃんが在宅療養に移行するために検討する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所への入所
  2. 訪問看護の依頼
  3. 家事支援のヘルパーの依頼
  4. 地域の子育てグループへの参加

 

 


 

資料 厚生労働省「第99回保健師国家試験、第96回助産師国家試験及び第102回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向