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第104回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第104回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応

平成30年2月16日実施の第104回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2023/2024」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第104回保健師国家試験目次

 

 

第104回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師に関する歴史上の出来事と社会的背景の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 開拓保健婦の設置――外地からの引き揚げ
  2. 駐在保健婦制度の創設――社会恐慌や凶作による農村の荒廃
  3. 国保保健婦の市町村移管――第一次ベビーブーム
  4. 小児保健所での保健婦活動――富国強兵策

 

 


 

▶午前2

保健師について正しいのはどれか。

 

  1. 保健師の記録の保存について保健師助産師看護師法に規定されている。
  2. 管轄する保健所長の指示を受けた場合はそれに従わなければならない。
  3. 保健師免許の申請には看護師免許の写しが必要である。
  4. 保健指導を業務独占としている。

 

 


 

▶午前3

市では、発達障害がある者の家族から、特別支援学校卒業後に地域で働きたいと希望しても周囲の理解が得られないので悩んでいるとの相談が増加した。保健師は発達障害がある者を支援する地域ケアシステムが必要と考えた。
地域ケアシステムの構築を最も推進する活動はどれか。

 

  1. 家族会の設立
  2. 就労相談会の開催
  3. ボランティアの育成
  4. ネットワーク会議の開催

 

 


 

▶午前4改題

令和4年(2022年)の労働力調査について正しいのはどれか。

 

  1. 女性の労働力人口は前年に比べ減少した。
  2. 女性の雇用形態は正規の雇用が約6割である。
  3. 労働力人口の総数に占める女性の割合は約45%である。
  4. 女性雇用者数に占める割合で最も多い産業は製造業である。

 

 


 

▶午前5

Aちゃん(1歳8か月、女児)は、1歳6か月児健康診査を受診した。1人で歩けるが有意語の発語はなく、絵本の指さしはしない。個別相談で言葉の発達について経過を観察したいと保健師が伝えると、母親は「そのうち言葉は出ると思うので心配はしていません。今、妊娠7か月で、疲れたので早く帰りたいです」と言う。
Aちゃんのフォローアップをするための保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「出産後に連絡してください」
  2. 「3歳児健康診査のときに確認します」
  3. 「病院の発達相談を受診してください」
  4. 「1か月後に電話でAちゃんの様子を聞かせてください」

 

 


 

▶午前6

変化ステージ理論について正しいのはどれか。

 

  1. 対象者の行動変容の段階に合った保健指導に有用である。
  2. 糖尿病に対する行動変化の研究から見出された。
  3. 解凍、変化、再凍結の3段階がある。
  4. ステージは後戻りしない。

 

 


 

▶午前7

ヘルスリテラシーについて誤っているのはどれか。

 

  1. 健康管理を行うために活用するスキルである。
  2. ヘルスプロモーションの活動に関わる能力である。
  3. 情報提供の方法が適切か検討することが含まれる。
  4. 健康日本21(第二次)の目標にヘルスリテラシーの向上が挙げられている。

 

 


 

▶午前8

Aさん(60歳、女性)は、隣に住むBさん(48歳、男性)についての相談のため、初めて保健所に来所した。「Bさんは以前から酒好きで、仕事が休みの日には朝から酒を飲んでいることがよくあった。ここ1か月ほどは仕事にも行かず、泥酔して大声で騒ぎ、家の中で暴れているようだ」と言う。
初回相談の際のAさんへの地区担当保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. Bさんの勤務の状況を聴取する。
  2. 飲酒が身体に及ぼす影響を説明する。
  3. Aさんが今回相談に来所した目的を確認する。
  4. Bさんを医療機関に受診させるための協力を依頼する。

 

 


 

▶午前9

A市では特定健康診査の結果から、定年退職後の60歳代の男性は同年代の女性と比較して、退職後数年でHbA1cが基準値を超える者の割合が高いことが分かった。また、問診票から、日中は1人で過ごし昼食も1人で摂ることが多く、食事は全体的に外食や市販の惣菜に偏っていることが把握された。
定年退職後の男性を対象とし、地域への波及効果も目的とした糖尿病予防事業として最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事の記録をつけてもらい栄養士が評価する。
  2. 高血糖を予防する食事のパンフレットを郵送する。
  3. 特定健康診査で高血糖を予防するための個別相談を行う。
  4. 高血糖を予防する食事づくりの調理実習をグループで行う。

 

 


 

▶午前10

Aさん(24歳、専業主婦)は、夫と生後6か月の乳児(出生体重2,900g)との3人暮らし。乳児健康診査が未受診で、電話にて受診勧奨を行ったが来所しないため、地区担当保健師が家庭訪問をした。訪問時、児の体重は7,500g。定頸しており、寝返りはできるがお座りはできない。「離乳食を開始したばかりで、進め方が分からない」と言うので、保健指導を行った。乳児健康診査については「風邪気味だったので連れて行けなかった。人付き合いが苦手で育児の相談相手もいないので、戸惑うことが多い」と話した。
今後の保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 市の育児相談の利用を勧める。
  2. 定期的な家庭訪問を継続する。
  3. 地域の子育てサークルの立ち上げを促す。
  4. 児の発達について小児科医に相談することを勧める。

 

 


 

▶午前11

保健師が行う地区活動について最も適切なのはどれか。

 

  1. 主に質的なデータを用いて評価する。
  2. 地区にある社会資源の範囲で活動する。
  3. 医療機関との連携を中心にして展開する。
  4. 住民登録の有無にかかわらず地区に居住する者を対象とする。

 

 


 

▶午前12

介護保険法で規定される市町村介護保険事業計画の日常生活圏域について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村が範囲を設定する。
  2. 高齢者の人口で数を決める。
  3. 二次医療圏と同規模である。
  4. 介護保険法制定時に定められた。

 

 


 

▶午前13

健康日本21(第二次)の目標達成を目指した市計画を定めることにした。
住民の意見を幅広く取り入れる方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 計画素案の作成を市内の業者に委託する。
  2. 市民相談を担当する職員を策定委員に選任する。
  3. 計画策定の過程でパブリックコメントを求める。
  4. 前年実施した市民健康意識調査の結果を計画に盛り込む。

 

 


 

▶午前14

健やか親子21の主な指標の最終評価で正しいのはどれか。

 

  1. 10代の性感染症〈STI〉罹患率が増加した。
  2. 妊娠11週以下での妊娠の届出率が増加した。
  3. 全出生数中の極低出生体重児の割合が減少した。
  4. 育児期間中の両親の自宅での喫煙率が増加した。

 

 


 

▶午前15改題

計画と目標の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 健康日本21(第二次)――若年性認知症施策の強化
  2. 健やか親子21(第2次)――若い世代を中心とした食育の推進
  3. 第3期がん対策推進基本計画――受動喫煙対策の徹底
  4. 第五次薬物乱用防止五か年戦略――不適切な飲酒の誘因の防止

 

 


 

▶午前16

Aさん(28歳、男性)。8年前に統合失調症を発症し長期入院をしていたが、6か月前に退院し、自宅で母親と2人で暮らしている。母親から「退院時から通っていたデイケアに2週間ほど行っていません。食事は私と一緒に食べていて、服薬もできていますが、それ以外はあまり部屋から出てきません。デイケアの職員には少し様子をみるようにと言われましたが、心配で仕方がありません。こういうときはどうすれば良いでしょうか」と地区担当保健師に電話があった。保健師が家庭訪問したところ、Aさんは「デイケアにはそのうち行きます」と言って部屋に戻った。
このときに保健師が母親へ助言する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「すぐに主治医に相談してください」
  2. 「別のデイケア施設の見学に行きませんか」
  3. 「なるべく外に出かけることをAさんに勧めてください」
  4. 「家族会に参加して他の家族のお話を聞いてみてはいかがですか」

 

 


 

▶午前17

高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 施設に入所する高齢者への予防接種の実施は都道府県知事の責務である。
  2. 平成28年(2016年)4月から定期の予防接種が開始された。
  3. 予防接種法による健康被害の救済措置の対象となる。
  4. 予防接種法においてA類疾病に指定されている。

 

 


 

▶午前18

介護保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 利用者は居宅介護サービス計画を作成するための費用の1割を負担する。
  2. 介護保険認定の申請手続きの代行は被保険者の家族以外はできない。
  3. 利用者の日常生活能力の自己申告に基づき要介護認定が行われる。
  4. 利用者の選択によってサービスを決定することが基本である。

 

 


 

▶午前19改題

石綿による疾病に関する労災保険給付の支給決定件数で正しいのはどれか。

 

  1. 平成18年度(2006年度)がピークである。
  2. 平成22年度(2010年度)から令和3年度(2021年度)まで連続して増加している。
  3. 令和3年度(2021年度)では中皮腫より肺がんの方が多い。
  4. 令和3年度(2021年度)の肺がんに対する支給は1,000件を超えている。

 

 


 

▶午前21

災害時の健康危機管理における保健所の役割はどれか。

 

  1. 避難所の指定
  2. 傷病者の広域搬送
  3. 災害対策本部の設置
  4. 健康被害の拡大防止

 

 


 

▶午前22

在宅で人工呼吸器管理を要する難病患者の災害時の個別支援計画で適切なのはどれか。

 

  1. 自宅待機を想定に入れる。
  2. 避難先は災害拠点病院とする。
  3. 発災直後の安否確認は主治医が行う。
  4. 発災後の移動は災害派遣医療チーム〈DMAT〉が担当する。

 

 


 

▶午前23

A市では、今年から特定健康診査と特定保健指導を同じ事業者に委託し、市は市民への広報、受診勧奨、未受診者の支援を行うこととした。
委託した事業者の保健指導の質を評価する指標はどれか。

 

  1. 特定健康診査の受診率の変化
  2. 特定保健指導の対象者の割合
  3. 特定保健指導の未受診者の割合
  4. 特定保健指導前後のBMIの変化

 

 


 

▶午前24

職場における新人保健師の人材育成で最も適切なのはどれか。

 

  1. 職場外での研修を中心に行う。
  2. 新人保健師自身が自らの到達目標を設定する。
  3. 新人保健師が所属する部署で完結した指導体制とする。
  4. 新人保健師が活動事例を学会で発表することを最終目標とする。

 

 


 

▶午前25

A市の20歳から24歳までの年齢層における死因の内訳を表に示す。
104am25
表に示した内容を図で表現する場合に適しているのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 折れ線グラフ
  4. ヒストグラム

 

 


 

▶午前26

地域保健法に規定されている内容はどれか。

 

  1. 市町村保健センターの所長は原則として医師である。
  2. 市町村に対する必要な財政的援助は都道府県の責務である。
  3. 保健所には所管区域内の市町村職員の研修の実施が義務付けられている。
  4. 保健所が行う事業に母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項がある。

 

 


 

▶午前27

介護保険法に基づく地域支援事業について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は保健所である。
  2. 包括的支援事業が含まれる。
  3. 家族介護を支援する事業はない。
  4. 地域支援事業に係る費用は介護報酬から支払われる。

 

 


 

▶午前28

がん患者の在宅療養支援における医療保険および介護保険の活用について正しいのはどれか。

 

  1. 同日に医療保険と介護保険の利用はできない。
  2. 居宅療養管理指導は医療保険による診療報酬の対象である。
  3. 訪問看護の利用にあたっては医療保険と介護保険のいずれかを利用者が選択できる。
  4. 40歳から65歳未満のがん患者は介護保険法で定める特定疾病の状態のときに介護保険が利用できる。

 

 


 

▶午前29

学校教育法に基づく特別支援教育について適切なのはどれか。

 

  1. 訪問教育の対象は中学生までである。
  2. 支援体制を確立するために校内委員会を設置する。
  3. 重度の肢体不自由児に対し通級による指導を行う。
  4. 特別支援学校の教員は研修を受けずに経鼻経管栄養を実施できる。
  5. 転校の手続きを取らなくても長期入院中であれば院内学級に通うことができる。

 

 


 

▶午前30

A地区では、豪雨による土砂災害から2か月が経つ。家屋が倒壊した被災者の仮設住宅への入居が始まり、新たなコミュニティの構築への支援が必要となった。A地区の仮設住宅入居者は単身高齢者が多く、かかりつけ医への受診以外に外出する機会がほとんどない。また、慣れない地域での不安を訴える声が聞かれた。
仮設住宅入居者の孤立を防止し、新たなコミュニティづくりを促進するためのA地区への支援として、最も適切なのはどれか。

 

  1. 茶話会の開催
  2. 在宅医療の拡充
  3. 電話相談の拡充
  4. 通所介護事業所の開設
  5. 訪問リハビリテーションの実施

 

 


 

▶午前31

分母として人口データが得られない場合に、疾病の罹患や死亡などの全発生数を分母に用いて、ある疾病や年齢区分での発生が占める割合を示す指標はどれか。

 

  1. 相対危険
  2. 相対頻度
  3. 累積罹患率
  4. 人口寄与危険
  5. 人口寄与危険割合

 

 


 

▶午前32改題

日本の死因別死亡率の年次推移を図に示す。
104am32h
説明として正しいのはどれか。

 

  1. 縦軸の死亡率は年齢を調整した値である。
  2. 死因Aが上昇傾向にある主な理由は野菜摂取量の減少である。
  3. 死因Bの平成7年の急激な低下は国際生活機能分類〈ICF〉改訂の影響である。
  4. 死因Cが低下傾向にある主な理由は血圧の管理である。
  5. 死因Dが低下傾向にある主な理由は食生活の見直しである。

 

 


 

▶午前33改題

健康日本21(第二次)における健康寿命について正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査の結果を計算に用いる。
  2. 年齢別死亡率は計算に不要である。
  3. 日常生活に制限のない者の平均年齢である。
  4. 健康寿命の増加分を上回る平均寿命の増加を目標とする。
  5. 令和元年(2019年)の健康寿命と平均寿命の差は男性より女性が大きい。

 

 


 

▶午前34

日本における再興感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 麻疹
  2. デング熱
  3. エボラ出血熱
  4. ウエストナイル熱
  5. 重症急性呼吸器症候群〈SARS〉

 

 


 

▶午前35

Aさん(20歳、男性)。1人暮らし。下肢に障害があり車椅子を利用しており、障害支援区分3である。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、Aさんが利用できる障害福祉サービスはどれか。2つ選べ。

 

  1. 行動援護
  2. 同行援護
  3. 居宅介護
  4. 生活介護
  5. 療養介護

 

 


 

▶午前36

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉における1類感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. コレラ
  2. 痘そう
  3. ペスト
  4. マラリア
  5. 急性灰白髄炎

 

 


 

▶午前37

疾病の罹患群や非罹患群のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査方法が対象者よりも測定者にとって受け入れやすい。
  2. 確定診断の手法が確立していない疾病も対象となる。
  3. 治療法が確立していない疾病も対象となる。
  4. 疾病予防対策の効率の向上が期待される。
  5. 測定者による結果の変動が少ない。

 

 


 

▶午前38

ある集団の特定健康診査で得られたBMIと血圧との関連を表すのに適した指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 散布度
  2. 四分位数
  3. 相関係数
  4. 変動係数
  5. 回帰係数

 

 


 

▶午前39

生活保護制度について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 扶助の種類は7種類である。
  2. 保護施設に更生施設がある。
  3. 日本国憲法第14条の理念に基づいている。
  4. 保護は世帯を単位とすることを原則とする。
  5. 介護扶助によって介護保険料が現金給付される。

 

 


 

▶午前40

40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では40.0、非喫煙群では24.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(26歳、女性)。会社員の夫と長女のBちゃん(1歳8か月)との3人暮らし。Bちゃんは1歳児健康診査を受診しており、異常はなかった。1歳6か月児健康診査が未受診だったため、地区担当の保健師が電話で次回の1歳6か月児健康診査の日程を連絡した。Aさんが電話に出たが、対応の声は小さく「Bは元気です。心配なことはありません」と言い、保健師の受診の勧めに応じなかった。保健師は「健康診査の会場でお渡しする予防接種の書類がありますので、受診できないようならお持ちしますね」と伝えて電話を切り、家庭訪問を行うこととした。

 

▶午前41

家庭訪問時、夫は会社に出勤しており不在であった。Bちゃんは一人歩きが可能で、意味のある言葉を発している。Aさんはマスクをしており、左眼の下から顎にかけて紫色に変色した内出血がある。玄関から見える室内は、ふすまが破れているなど荒んだ様子がみられる。
保健師が追加で確認するBちゃんの状態で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 偏食
  2. う蝕
  3. 身体の外傷
  4. オムツかぶれ

 

 


 

▶午前42

家庭訪問の間、Bちゃんは機嫌よく過ごしている。保健師が予防接種の書類の説明を行っている間、Aさんは顔を伏せたままであった。ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして、保健師は「家庭訪問をした方にお聞きしている質問がありますのでお尋ねしますね」とAさんに説明してから質問を行った。
ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして保健師が行う質問で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「今一番困っていることは何ですか」
  2. 「何もできないと落ち込むことがありますか」
  3. 「嫌なことがあってもすぐに忘れることができますか」
  4. 「パートナーといるときに怖いと感じることがありますか」

 

 


 

▶午前43改題

Aさんは「実は昨夜、夫に殴られました。半年くらい前から夫に殴られることが時々あります。今まで誰にも言えませんでした」と言う。Aさんには腹部にも大きなあざがあった。
このときの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんの夫との面接を行う。
  2. Aさんの医療機関への受診を勧める。
  3. AさんとBちゃんの婦人保護施設への避難を勧める。
  4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について説明する。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(65歳、女性)。夫、長女および長女の子どもとの4人暮らし。長女の夫は単身赴任中である。Aさんは2か月前から軽い咳があったが、1週前から咳が激しくなり、倦怠感が出現したため自宅近くのかかりつけ医を受診した。胸部エックス線写真で異常陰影が認められ、病院を紹介された。喀痰塗抹検査陽性および結核菌PCR陽性のため肺結核と診断され、入院した。診断した医師から保健所に発生届が提出された。既往歴に特記すべきことはない。

 

▶午前44

Aさんの治療や検査について正しいのはどれか。

 

  1. 抗結核薬3剤で治療する。
  2. 薬剤感受性検査を実施する。
  3. 喀痰培養検査は不要である。
  4. インターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉を実施する。

 

 


 

▶午前45

保健師が病院を訪問し、Aさんに確認した接触者の情報を表に示す。
104am45h
接触者健康診断におけるハイリスク接触者はどれか。

 

  1. 長女
  2. 長女の夫
  3. 長女の子ども
  4. 友人

 

 


 

▶午前46

入院から4週後、Aさんは服薬を自己管理できており、薬剤による副作用〈有害事象〉もみられていない。喀痰塗抹検査が連続して3回陰性となったため退院することとなった。病院を訪問した保健師にAさんから「服薬を続ける以外に、自宅に帰ってから結核をうつさないために私や家族が何かすることはありますか」と相談があった。
退院後の結核の二次感染予防について、Aさんに行う説明で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんと接する者はN95マスクをしてもらう。
  2. 長女の子どもとは服薬終了まで接触しない。
  3. 長女の夫にBCGの接種を勧める。
  4. 二次感染の予防対策は必要ない。
  5. Aさんが触れた物は消毒する。

 

 


 

次の文を読み47、48の問いに答えよ。

Aちゃん(日齢20、男児)は、両親と3人暮らし。出産の状態および早期新生児期の経過を記した母子健康手帳の一部を以下に示す。保健師は新生児訪問のため、6月30日に自宅を訪問した。訪問時のAちゃんは、身長49.5cm、体重3,150g。授乳後で機嫌よく活発に四肢を動かしていたが、その後は眠ってしまった。栄養は母乳のみで1日の授乳回数は8、9回程度、授乳間隔は約3時間であった。授乳前のオムツ交換のたびに排尿あり。排便は3〜5回/日。黄疸はない。顔面の湿疹および前頭部に脂漏性の湿疹あり。音への反応あり。父親の仕事の都合で、Aちゃんの1か月児健康診査は7月15日に予約している。
104am47h

 

▶午前47

新生児訪問時のAちゃんのアセスメントを行うために、追加で確認すべき情報で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 聴覚検査の結果
  2. 1回の授乳時間
  3. 股関節の開排の制限の有無
  4. 入浴時の石けんの使用の有無

 

 


 

▶午前48

保健師は、Aちゃんの新生児訪問時の状況を母子健康手帳に記載し、予防接種を受けるかかりつけの小児科クリニックを決めておくと良いことなどを説明した。保健師がAちゃんの母親に心配なことはないか聞くと「Aと視線が合わないことや、大きな音がしたときに驚いたように両手を広げることがあり、心配だ」と話した。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 1か月児健康診査の受診日を早めるよう勧める。
  2. Aちゃんの近くで大きな音を立てて反応を確認する。
  3. 新生児にみられる正常なことであり心配ないと説明する。
  4. 予防接種は病気の有無を確認してから受けるよう説明する。

 

 


 

次の文を読み49、50の問いに答えよ。

人口5万人、高齢化率34%のA市。主な産業は農業と農産加工業である。平成25年度から第2期特定健康診査等実施計画に基づき、60歳未満の特定健康診査受診率の向上および生活習慣病の予防対策に取り組んできた。今後は重症化予防に力を入れて取り組む予定である。特定健康診査実施後の結果を表に示す。
104am49h

 

▶午前49

この結果から読み取れるのはどれか。

 

  1. 特定健康診査受診率は今後横ばいとなる。
  2. 特定保健指導によって医療費が削減された。
  3. 特定保健指導によって健康状態が改善している。
  4. 60歳未満の者の特定健康診査受診率は今後増加する。
  5. 特定健康診査受診者のうち、メタボリックシンドローム該当者の割合は60歳未満より60歳以上で高い。

 

 


 

▶午前50

A市保健師は、A市郊外の農村地区にあるB地区を対象に、糖尿病の重症化予防に取り組むことにした。B地区は人口約3,000人、高齢化率44%であり、内科無床診療所が1か所あるが、市立総合病院までは車で30分かかる。糖尿病と診断されたことがある者の全戸訪問に取り組んだところ「B地区から市中心地区にある市立総合病院に受診すると、通院と待ち時間で半日以上必要なため、特に農繁期に治療を中断してしまう」と言う者が多かった。そこで保健師は、B地区の糖尿病患者が継続的に糖尿病の治療が受けられるよう検討することが必要であると考えた。
治療継続のための対策として最も適切なのはどれか。

 

  1. B地区での糖尿病患者会の発足
  2. 糖尿病の治療中断者への特定健康診査の受診勧奨
  3. B地区住民専用の市立総合病院への送迎バスの運行
  4. B地区診療所における月1回の糖尿病専門外来の開設

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

Aさん(45歳、男性)。両親と3人暮らし。統合失調症で治療中。就労移行支援としてB事業所に週5日通所している。就労中に独語がみられるが、作業に支障はない。B事業所の生活指導員から市の保健師に「Aさんの父親が筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で入院している。70歳になるAさんの母親は事業所の家族会でも積極的に発言するなどしっかりしている。しかし、Aさんは、自分が父親を1人で介護しなくてはならないと思い込み悩んでいるので、支援して欲しい」と連絡があり、Aさんの希望でB事業所において地区担当の保健師が初回の面接を行った。

 

▶午前51

Aさんに対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保健所保健師への相談を提案する。
  2. 父親の介護は母親に任せるよう提案する。
  3. 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の症状について説明する。
  4. 父親の介護について母親を交えて話し合うことを提案する。

 

 


 

▶午前52

その後Aさんの父親の病状が安定したため、関係者によるAさんの父親の退院に向けた検討会を実施した。検討会には、Aさんの希望で地区担当の保健師も出席した。父親は介護認定審査中であり、父親の主治医は在宅療養をするためには訪問介護の利用が必要であるとの意見であった。それに対しAさんは「知らない人が家に来るのが不安だ。自分の病気のことを理解してもらえるだろうか」と話した。
このときのAさんに対する保健師の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの主治医に相談しましょう」
  2. 「訪問介護員はいつでも交代できますよ」
  3. 「Aさんがご自身の病気について説明するときに私も同席しますよ」
  4. 「お父さんのサービス利用はAさんが不在の時間帯に行いましょう」

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

A市は、平成18年に5つの市町村が合併してできた人口約6万人、高齢化率32%の市である。主要産業は漁業と農業である。市街地が分散しており、学校や福祉施設も多い。一部の町内会は活発に活動している。A市総合計画では、健康増進および居宅での介護体制の推進を掲げており、介護保険施設の入所定員は増やさない方針である。

 

▶午前53

A市の保健師は、健康相談のときに50歳代の住民から「自分の祖父母は70歳代から施設に入所していた。自分の親が80歳になり、できる限り自宅で暮らしたいと言っているが、将来自宅で親を看取ることについては想像がつかない」という話を聞いた。
市民全体の看取りの現状を把握するために収集する情報で優先されるのはどれか。

 

  1. 要介護認定者数
  2. 死亡場所別の死亡者数
  3. 長期入院中の高齢者数
  4. 介護保険施設の平均入所年数
  5. 介護保険の居宅サービスの利用者数

 

 


 

▶午前54

A市住民からは、「自宅で長く暮らしたい」という意見が多く聞かれた。一方で、従来とは労働形態や家族形態が変化し、高齢者のみの世帯も増えており、「1人では不安だ」との意見も聞かれる。
A市における共生社会の実現を目指して、保健師が取り組む事業で最も適切なのはどれか。

 

  1. 認知症予防教室
  2. 介護技術を学習する教室
  3. 住民相互の高齢者見守り活動の推進
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉の見学会

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

従業員300人の文具会社。部署は開発部門、販売部門、広報部門に分かれている。この会社の定期健康診断の問診時の主訴で多かったのは、腰痛および眼の疲れであった。社内の健康管理室の保健師が、これらの主訴を配属別に分類したところ、腰痛は販売部門の配送センターの社員に特に多いことが分かった。配送センターには、注文に応じて商品の仕分け作業をする社員50人が働いている。健康管理室の保健師は、配送センターにおける腰痛への対策を行う必要があると考えた。

 

▶午前55

保健師が実施することで最も優先されるのはどれか。

 

  1. 職場巡視を行う。
  2. 腰痛を訴える者に保健指導を行う。
  3. 腰痛体操を休憩時間に行うことを計画する。
  4. 配送センターの社員に運動機能の測定を行う。

 

 

 

第104回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

公衆衛生看護の基本理念について正しいのはどれか。

 

  1. プライマリヘルスケアはバンコク憲章で定義された。
  2. 生存権の保障は日本国憲法第11条に規定されている。
  3. ノーマライゼーションは障害者福祉の基本理念となっている。
  4. ヘルスプロモーションは日本では健康フロンティア戦略で初めて取り入れられた。

 

 


 

▶午後2

グループの発展過程を準備期、開始期、作業期、終結期に分類したとき、準備期における支援者の役割として最も適切なのはどれか。

 

  1. グループの目的の共有を促す。
  2. グループの相互作用を促進させる。
  3. メンバー間の信頼関係の確立を図る。
  4. グループに参加する対象を理解する。

 

 


 

▶午後3

市民と行政とのパートナーシップを基盤とした保健施策の推進について最も効果的なのはどれか。

 

  1. 保健福祉計画の策定を市民の代表と行う。
  2. 行政情報を複数の方法で市民に公開する。
  3. 市民の意見を受け付ける専門の部署を設ける。
  4. 市民の代表から地域の課題を聞き取る機会を設ける。

 

 


 

▶午後4

仕事が忙しく少し体調が優れないので、休日に十分な睡眠をとり静養した。
この行動は健康段階別保健行動のどれか。

 

  1. 健康増進行動
  2. 予防的保健行動
  3. 病気回避行動
  4. 病気対処行動

 

 


 

▶午後5

Aさん(80歳、男性)。民生委員から「最近、Aさんが老人クラブに参加しなくなったので心配している」と地区担当保健師に相談があった。民生委員から、Aさんは妻が亡くなって1人暮らしとなり食事や生活が不規則になっていることや、一人娘は結婚して遠方に住んでいることを聞いた。
地区担当保健師の今後の支援として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 家庭訪問でAさんの状況を確認する。
  2. Aさんの娘に見守りを行うよう連絡する。
  3. 老人クラブのメンバーにAさんの参加の勧誘を依頼する。
  4. 地域包括支援センターの介護予防事業をAさんに紹介する。

 

 


 

▶午後6

保健師の家庭訪問の対象で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 要介護2の独居高齢者
  2. 特定健康診査の未受診者
  3. A群β溶血性レンサ球菌感染症の罹患が疑われる幼児
  4. 治療中断していると病院から連絡があった統合失調症患者

 

 


 

▶午後7

A町では、がん検診の受診率向上対策に取り組んだ結果、受診率が向上した。しかし、毎年、がん検診の精密検査の対象者の中に精密検査を受診していない者がいる。
精密検査の未受診者への受診勧奨として最も効果が高いのはどれか。

 

  1. 町の広報誌に精密検査の日時を掲載する。
  2. 保健師が精密検査の未受診者に家庭訪問を行う。
  3. コミュニティ放送で精密検査の受診を呼びかける。
  4. がん検診における集団指導で精密検査の必要性を伝える。

 

 


 

▶午後8

人口8,000人のA町では妊婦とそのパートナーを対象として、妊娠、出産および子育ての知識の習得を目的に両親学級を実施していたが、1回当たりの参加者が年々減少している。そこで、次年度は家族同士の交流を促進するプログラムを導入することにした。
A町の保健師が次年度の両親学級の具体的な内容を検討するにあたり分析する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級の講師からの意見
  2. A町の合計特殊出生率の推移
  3. 近隣市町村の両親学級の実施状況
  4. 妊娠届出時の面接での聞き取り内容

 

 


 

▶午後9

母子保健活動の見直しのために地域診断を行うことになった。
地区担当保健師が最初に行うことで最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区内の子どもがいる世帯にアンケート調査を実施する。
  2. 乳幼児健康診査の問診票から相談内容の集計を行う。
  3. 子育て広場に来ている母親に聞き取り調査を行う。
  4. 地区にある保育所の保育士と連絡会議を行う。

 

 


 

▶午後10

市の各地域で認知症サポーター養成講座を実施した。
地域におけるコミュニティ・エンパワメントが最も引き起こされた状態はどれか。

 

  1. 講座を受講した住民の数が増えた。
  2. 認知症サポーター同士の交流が深まった。
  3. 家庭内で認知症の話をすることが増えた。
  4. 認知症を有する住民を見守るボランティアグループができた。

 

 


 

▶午後11

地域ケアシステムを構築するための会議の開催について最も適切なのはどれか。

 

  1. 参加メンバーを固定する。
  2. 問題が生じたときに開催する。
  3. 住民の代表をメンバーに加える。
  4. あらかじめ議論の方向性を決めておく。

 

 


 

▶午後12

Aちゃん(3歳4か月、男児)。両親と祖母との4人暮らし。市の3歳児健康診査に母親と来所した。階段の昇り降りはできるが、泣いていて言語の理解や精神発達の観察ができなかった。母親は「家では簡単な単語は出ている。仕事が忙しいので、平日はほとんど同居する夫の母にみてもらっている。夫の母は外出を好まず、家でテレビを観て過ごすことが多い」と話した。市では、地区乳幼児相談、3歳児健康診査事後教室および4歳児子育て教室を実施している。
このときの保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区乳幼児相談への参加を促す。
  2. 3歳児健康診査事後教室への参加を促す。
  3. 日中の家庭訪問を早期に行うことを伝える。
  4. 4歳児子育て教室で経過を確認することを伝える。

 

 


 

▶午後13

精神保健医療福祉施策について正しいのはどれか。

 

  1. 精神通院医療は障害者基本法に規定されている。
  2. 市町村には基幹相談支援センターの設置義務がある。
  3. 精神障害者の在宅福祉サービスの実施主体は都道府県である。
  4. 精神疾患は医療計画で重点的に対策を推進する疾病に位置付けられている。

 

 


 

▶午後14

健康増進法に基づく健康増進事業による肝炎ウイルス検診について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は都道府県である。
  2. 対象は満40歳以上の者である。
  3. 60歳から無料で検診が受けられる。
  4. 特定健康診査の検査項目に定められている。

 

 


 

▶午後15

口腔の疾患とその予防法の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. う蝕――フッ化物を塗布する
  2. 歯周病――塩分摂取を制限する
  3. 口内炎――ビタミンKを摂取する
  4. 顎関節症――硬い食品を強く嚙む

 

 


 

▶午後16改題

業務上疾病で正しいのはどれか。

 

  1. 職業性疾病と同義である。
  2. 産業医によって認定される。
  3. 使用者は必要な療養の費用を負担しなければならない。
  4. 令和3年(2021年)はじん肺症およびじん肺合併症が最も多い。

 

 


 

▶午後17

保健師が行う公衆衛生看護管理の事例管理はどれか。

 

  1. 子育ての支援者を育成する予算を確保する。
  2. 担当地域の地域診断を実施する。
  3. 対象者の支援計画を立案する。
  4. 地域の支援者を育成する。

 

 


 

▶午後18

A市の地域包括支援センターの保健師が、担当する要支援1のBさん(70歳、男性)を訪問した。Bさんは68歳の妻と2人暮らしだが、孫のCさん(17歳、高校2年生)が数日前から滞在していた。Cさんは妊娠30週であった。Cさんは他県で両親と3人で暮らしているが、A市の総合病院で出産予定のため、しばらくの間Bさん宅に滞在することが分かった。
現時点で保健師が連絡を取る先で最も適切なのはどれか。

 

  1. A市の地区担当保健師
  2. A市の総合病院の産婦人科
  3. Cさんの高校の養護教諭
  4. Cさんの住所地の地区担当保健師

 

 


 

▶午後19

耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行ったところ、A地区では空腹時血糖で評価し、B地区では随時血糖で評価していたことが明らかになった。
疫学調査法におけるこのような問題点はどれか。

 

  1. 交絡
  2. 偶然誤差
  3. 選択の偏り〈バイアス〉
  4. 情報の偏り〈バイアス〉

 

 


 

▶午後20

地方自治体において、予算が会計年度の開始前に成立しないときに、必要な経費を支出できるよう組まれるのはどれか。

 

  1. 一般会計
  2. 暫定予算
  3. 特別会計
  4. 補正予算

 

 


 

▶午後21

健康上の問題がある児童生徒に対して、養護教諭を中心に行う個別の保健指導を規定しているのはどれか。

 

  1. 文部科学省設置法
  2. 学校保健安全法
  3. 学校教育法
  4. 教育基本法

 

 


 

▶午後22

管内の病院から、保健所に「複数の入院患者が多剤耐性菌に感染している」との報告があった。感染症担当の保健師は、患者の発生状況および病院が実施した対応について確認した後、立ち入り検査を行うこととなった。
立ち入り検査の根拠となる法律はどれか。

 

  1. 医療法
  2. 地域保健法
  3. 食品衛生法
  4. 労働安全衛生法

 

 


 

▶午後23

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉による介護保険法の見直し事項はどれか。

 

  1. 地域ケア会議の推進
  2. 地域密着型サービスの創設
  3. 介護予防訪問看護の地域支援事業への移行
  4. 市町村単位での医療機能の分化および連携の推進

 

 


 

▶午後24改題

令和3年(2021年)6月末における精神疾患を有する者の入院者数が最も多い入院形態はどれか。

 

  1. 措置入院
  2. 任意入院
  3. 医療保護入院
  4. 緊急措置入院

 

 


 

▶午後25

ソーシャル・キャピタルの醸成に最も効果的な地域保健活動はどれか。

 

  1. 認知症の専門医による講演会を開催する。
  2. 地域に出向き生活習慣病予防の健康教育を行う。
  3. 育児不安が強い母親を対象に相談会を開催する。
  4. 民生委員児童委員協議会と協働して乳児家庭全戸訪問事業を行う。
  5. 自立支援医療(育成医療)の申請があった児に対して家庭訪問を行う。

 

 


 

▶午後26

日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図を示す。
104pm26h
【A】から【C】に入る語句の組合せで正しいのはどれか。

 

【A】――【B】――【C】

  1. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――訪問DOTS ――連絡確認DOTS
  2. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――地域DOTS――コホート検討会
  3. 喀痰塗抹陽性の結核患者――訪問DOTS――連絡確認DOTS
  4. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――外来DOTS――連絡確認DOTS
  5. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――地域DOTS――コホート検討会

 

 


 

▶午後27

法律に基づく全国の疾病登録があるのはどれか。

 

  1. がん
  2. 糖尿病
  3. 脳卒中
  4. 慢性腎臓病
  5. マイコプラズマ感染症

 

 


 

▶午後28改題

平成22年(2010年)から令和3年(2021年)における日本の社会情勢の変化で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 完全失業率の増加
  2. 老年化指数の低下
  3. 平均世帯人員の減少
  4. 社会保障給付費の減少
  5. 65歳以上の雇用者数の増加

 

 


 

▶午後29

母子健康手帳の交付を受けるために保健センターに来所した女性から、公費の助成が受けられる妊婦健康診査について質問があった。
保健師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「血液検査を毎回行います」
  2. 「保健指導の費用は自己負担です」
  3. 「公費の助成が受けられる医療機関が決まっています」
  4. 「血液検査の項目にはHIV抗体検査が含まれています」
  5. 「妊娠初期は2週に1回の健康診査が助成の対象になります」

 

 


 

▶午後30

歯科保健施策について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 歯科疾患実態調査は3年ごとに実施されている。
  2. 健康増進法によって歯周疾患検診が義務化された。
  3. 平成23年(2011年)に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行された。
  4. 第一次国民健康づくり対策の課題の1つとして歯の健康が取り上げられた。
  5. 食育の推進の一助として噛ミング30〈カミングサンマル〉運動が行われている。

 

 


 

▶午後31

災害対策基本法に基づき都道府県が行う災害対策はどれか。2つ選べ。

 

  1. 防災のための調査研究
  2. 指定緊急避難場所の指定
  3. 都道府県地域防災計画の作成
  4. 避難行動要支援者名簿の作成
  5. 住民の自発的な防災活動の促進

 

 


 

▶午後32

直接法による年齢調整死亡率を算出する際に必要な情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 基準集団の死亡率
  2. 観察集団の死亡実数
  3. 観察集団の年齢別人口
  4. 基準集団の年齢別人口
  5. 観察集団の年齢別死亡率

 

 


 

▶午後33

測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散
  2. 中央値
  3. 算術平均
  4. 標準偏差
  5. 最頻値〈モード〉

 

 


 

▶午後34

保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査から死因別死亡率が得られる。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査は2年に1度実施される。
  5. 国民健康・栄養調査の調査項目に腹囲がある。

 

 


 

▶午後35

医療提供体制について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療法において病床の種別は3つに分類されている。
  2. 医療計画には医療従事者の確保に関する事項を記載する。
  3. 日本の医療施設の病床数は過去10年間は増加傾向にある。
  4. 特定機能病院を称するには厚生労働大臣の承認が必要である。
  5. 診療所は20人以下の患者を入院させるための施設を有すると規定されている。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性、無職)。夫(37歳、会社員)と幼稚園に通う長男(5歳)との3人暮らし。半年前から倦怠感および不眠症状のため近所の心療内科に通院しており、境界性パーソナリティ障害と診断されている。Aさんの体調が悪いときは、夫が家事や長男の世話をしているが、仕事で帰宅時間が遅いため十分に行えていない。最近はAさんと夫が口論することも増え、夫はAさんとの接触を避けるようになった。また、Aさんは人付き合いが苦手で近隣との関係が悪く、Aさんの両親や親戚との交流もない。

 

▶午後36

Aさんは受診の際、主治医に長男の世話ができないと訴えたところ、主治医から保健所への相談を勧められ、保健所に電話してきた。電話の内容から長男へのネグレクトが懸念されたため、翌日、担当保健師がAさんの自宅を訪問した。夫は仕事で不在であり、Aさん及び長男と面談した。部屋の中は比較的片付いている。長男は年齢相応の成長発達をしているが、衣服の汚れが目立つ。
この訪問において最も優先して把握しておくべきことはどれか。

 

  1. 長男の予防接種状況
  2. 家の中の他の部屋の状況
  3. 夫が長男の世話をする頻度
  4. Aさんと接しているときの長男の様子

 

 


 

▶午後37

家庭訪問後、担当保健師がAさん家族への継続支援を開始した。しばらくすると、Aさんから担当保健師に頻繁に電話がかかってくるようになり、泣きながら「今すぐ訪問に来て」と訴えることも多かった。このような状況が繰り返されるうちに、担当保健師はAさんに苦手意識をもつようになった。ある日、担当保健師の不在時にAさんの電話を受けた別の保健師に対して、Aさんが「今の担当保健師は冷たいので担当を替えてほしい。あなたに私の担当になってもらいたい」と訴えた。
このような状況への担当保健師の対応として正しいのはどれか。

 

  1. 担当保健師を軸に保健師間でのAさんへの対応を統一する。
  2. Aさんの主治医にAさんの入院について相談する。
  3. Aさんの希望に合わせて担当保健師を交替する。
  4. Aさんとの面接頻度を増やす。

 

 


 

▶午後38

Aさんへの支援のため、担当保健師は関係者を集めて会議を開催することにした。
初回の会議に招集するメンバーで優先度が低いのはどれか。

 

  1. 市の地区担当保健師 Aさんの心療内科の主治医
  2. 児童相談所の虐待担当の職員
  3. 精神保健福祉センターの職員
  4. 長男の通園している幼稚園の職員

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

A市にある定員80人の保育所。乳児保育も実施している。8月1日(金)に、腹痛と下痢症状で4人の園児が欠席した。8月5日(火)に、新たに4人の園児が同様の症状で欠席した。さらに、 8月1日(金)から欠席していた園児4人のうち2人は症状が落ち着いたが、他の2人が重篤な下痢症状によって入院したと保護者から連絡が入った。保育所長は感染症の発生を疑い、保健所の感染症担当の保健師に相談した。

 

▶午後39

相談を受けた保健所保健師が聞き取る情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 嘱託医への報告の有無
  2. 保育所でのイベントの開催状況
  3. 8月1日(金)より前の園児の欠席状況
  4. 社会福祉施設等主管部局への報告の有無

 

 


 

▶午後40

保育所長から相談があった8月5日(火)の夕方に、園児2人が入院しているA市内の病院から、園児2人の腸管出血性大腸菌感染症の発生届が提出された。
保健所の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 地域の医療機関へ情報提供を行う。
  2. 食品衛生監視員と保健師で立ち入り調査を行う。
  3. 保育所の保護者を対象とした説明会を開催する。
  4. 保育所のすべての園児および職員の検便を実施する。

 

 


 

▶午後41

8月6日(水)に、新たに2人の園児が下痢症状で欠席したと保育所から保健所に連絡があった。
このときの保健所の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 排泄習慣が確立していない園児に対する登園停止の指示
  2. 欠席していない園児の保護者との個別面接
  3. 保育所職員に対する汚物処理方法の指導
  4. 患児の担任保育士への就業制限

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

糖尿病の有無とがん発症との関連を検討するために、地域における特定健康診査の受診者の中でがんの既往がない男女1万人ずつの2万人を登録し、糖尿病の有無を調査した。この調査から5年後に新規のがん発症の有無を確認した。

 

▶午後42

この調査の研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. 生態学的研究
  4. 症例対照研究
  5. コホート研究

 

 


 

▶午後43

この集団では、がんの発症に男女差があることが分かった。そのため、男女別に結果を分析することにした。
この制御方法はどれか。

 

  1. 限定
  2. 層化
  3. 標準化
  4. 無作為化
  5. マッチング

 

 


 

▶午後44

脱落例がなかったと仮定して、男性1万人におけるベースライン時の糖尿病の有無別の5年間のがんの新規発症の有無を表に示す。
104pm44h
「糖尿病なし」に対する「糖尿病あり」のがん発症の累積罹患率比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

人口3万人のA市。市の面積の70%を山間部が占めており、主要産業は農業と畜産業などで、一次産業従事者が多い。人口の分布は市街地のB地区に集中しており、市役所、公共施設、医療施設および商業施設が集中している。高齢化率は38%、国民健康保険加入者は1万人である。平成20年度から導入された特定健康診査の受診実績は、事業開始時から現在まで20%台を推移しており県内最下位である。

 

▶午後45

A市の国民健康保険加入者の生活習慣病を改善するために見直すべき計画はどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療計画
  2. 地域福祉計画
  3. データヘルス計画
  4. 介護保険事業計画
  5. 特定健康診査等実施計画

 

 


 

▶午後46

A市の特定健康診査の受診率を5つの小学校区で比較すると、市街地のB地区が最下位である状況が続いている。A市では、従来は集団健診のみであった特定健康診査を、がん検診と組み合わせた健康診査、人間ドック、医療機関への委託による個別健康診査など様々な方式で行うことにした。また、B地区を受診勧奨の重点地区に設定し、個別訪問による受診勧奨を行うことにした。その上で、保健師はA市で実施している特定健康診査の評価をすることにした。
ストラクチャー評価に用いる指標で適切なのはどれか。

 

  1. 地区別受診率
  2. 協力医療施設の数
  3. 特定健康診査の実施回数
  4. 受診勧奨のための個別訪問件数

 

 


 

▶午後47

特定健康診査の実施方式の拡大などに取り組んだ結果、B地区の受診率は前年よりも向上したが他地区に比べて低く、特に男性の受診率は低いままである。受診率向上を目的とした家庭訪問の際に「病院にはいつでも行ける」、「病気とは無縁だ」、「病気が発見されるのが怖い」という声が多く聞かれた。保健師はB地区の住民に広く健康管理について啓発活動を行うことが必要と考え、健康診査の結果説明会を兼ねた「健康づくりの集い」を公民館で開催することにした。
B地区の健康づくりを活性化するために、企画をともに検討する者で最も適切なのはどれか。

 

  1. B地区小学校PTAの役員
  2. 自治会役員
  3. 健康推進員
  4. 民生委員

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

A市は人口5万人の地方都市。地場産業である繊維工業などの小規模の事業所の就業者が、A市の産業別就業者の大部分を占める。郊外には大手自動車会社のB工場(従業員500人)があり、A市の住民200人が勤務している。A市では男性の健康寿命が短いことが問題視されており、男性の平均寿命は80.0歳(全国平均80.5歳)、健康寿命は67.0歳(同70.0歳)である。女性の平均寿命は87.0歳(同86.8歳)、健康寿命は74.0歳(同74.0歳)である。保健師は人口動態統計から主要死因別の標準化死亡比〈SMR〉を調べた。その結果を表に示す。
104pm48h

 

▶午後48

A市の健康寿命に影響する要因を明らかにするために、次に入手すべき情報はどれか。

 

  1. 特定健康診査受診率
  2. 疾患別の1人当たりの医療費
  3. 特定健康診査受診者の生活習慣
  4. 要介護認定者が罹患している疾患

 

 


 

▶午後49

A市では住民に対して健康意識調査を行った。男女ともに「塩辛い食べ物が好き」、「どこへ行くにも車で移動する」という意見が多く、就業者では「仕事が優先で健康のことは後回しになる」という意見が多かった。保健師がB工場の衛生管理者に問い合わせたところ、B工場の特定保健指導対象者の割合は全国平均よりも低いことが分かった。A市では、今後、医療保険医療費データを分析して成人期の生活習慣病対策を進めることにした。
分析に必要な情報を得るために連携する組織で優先されるのはどれか。

 

  1. 後期高齢者医療広域連合
  2. 全国健康保険協会
  3. 保険者協議会
  4. 健康保険組合

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(65歳、男性、無職)。妻との2人暮らし。定年退職後、年金の給付を受けて生活している。2年前から足の震えが出現したため病院を受診し、Parkinson〈パーキンソン〉病と診断された。定期的に病院を受診していたが、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢとなり、主治医から医療費助成の申請を勧められた。Aさんの妻が申請のため保健所に来所した。

 

▶午後50

難病の医療費助成制度についての妻への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「どの医療機関でも医療費助成が受けられます」
  2. 「負担上限月額は所得に応じて決まります」
  3. 「更新手続きには診断書は必要ありません」
  4. 「更新手続きは2年に1回必要です」
  5. 「医療費の自己負担は1割です」

 

 


 

▶午後51

保健所保健師は、医療費助成の手続きの際に決めた日時に家庭訪問をした。Aさんは「入浴や通院のときに不安を感じることがあるが、何とか自分のことは1人でできている」と話した。
初回訪問時に情報収集することで最も優先されるのはどれか。

 

  1. 経済状況
  2. 家族関係
  3. 住宅内の環境
  4. 近隣との付き合い

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

人口1万人のA市。5月23日に大規模な地震が発生し、家屋の倒壊などのため、住民の多くが避難所に避難した。地震発生から7日後、市の保健師は、避難所の巡回相談の際、被災者が夜間眠れずにいることが分かったが、それが主訴として現れないことから、大規模災害後の心の変化や対処方法を示したポスターを掲示した。また、他県から応援に来ている心のケアチームの精神科医に依頼し、災害後のストレス反応についての健康講座を行った。

 

▶午後52

ポスターの掲示や健康講座の開催によって、不眠や食欲不振を自覚して保健師に訴える被災者が増えた。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 栄養補助食品を配布する。
  2. 睡眠時間の記録をつけるよう促す。
  3. 心のケアチームと巡回相談の実施を調整する。
  4. 災害時の出来事について保健師に話すよう促す。

 

 


 

▶午後53

発災から2か月後、避難者は自宅や親戚宅、仮設住宅へ入居し、避難所は閉鎖された。その1か月後、保健師は仮設住宅の入居者への健康調査を実施することとした。
保健師の行う健康調査について最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区ごとに調査内容を変える。
  2. 仮設住宅の入居者の全戸訪問をする。
  3. 希望者にストレスチェックを実施する。
  4. 仮設住宅の集会所で聞き取り調査を実施する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(14歳、女子、中学2年生)は、両親と弟(2歳)との4人暮らし。中学校入学直後からクラスになじめず、無気力な様子がみられ、1年生の3学期から不登校になっている。学級担任と養護教諭は定期的に家庭訪問を行い、Aさんと母親の気持ちを聞き状況把握に努めた。Aさんは教室には入りづらいが、学校に行くことにはそれほど抵抗はないようだった。2年生の2学期になって「保健室なら行けそう」という言葉が聞かれるようになった。そこで、中学校の校内委員会でAさんの保健室登校について話し合うこととなった。

 

▶午後54

保健室登校を開始するにあたり、養護教諭が他の職員とともに確認する事項で適切でないのはどれか。

 

  1. Aさんの保健室登校に対応できる職員の支援体制が整っていること
  2. Aさんの保護者から保健室登校に対する協力が得られていること
  3. 全教職員の保健室登校に対する共通理解が得られていること
  4. 保健室登校を終了する期日が設定されていること

 

 


 

▶午後55

Aさんは不定期な保健室登校ができる段階を経て、2年生の3学期からは毎日、保健室登校ができている。スクールカウンセラーとも数回の面接を行い「欠席のきっかけは友人関係だった」などと自分自身を振り返ることもでき、情緒的に安定してきた。最近では時々、学級担任に会いに教室に行けるようになった。保健室へ来室する数人の同級生と会話する様子もみられてきたことから、養護教諭は学級担任や他の職員と相談して、この機会に、Aさんが教室に登校できるように働きかけることにした。
養護教諭が行う支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 1週間当たりの教室に行く回数を決める。
  2. 保健室をAさんの居場所として定着させる。
  3. Aさんが興味のある科目から参加するよう勧める。
  4. 同級生に毎日保健室に迎えに来てもらうように依頼する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向