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第107回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第107回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応

令和3年2月12日実施の第107回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2023/2024」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第107回保健師国家試験目次

 

 

第107回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師の業務従事者届について正しいのはどれか。

 

  1. 医療法で規定されている。
  2. 届出の間隔は一年ごとである。
  3. 居住地の都道府県知事に届け出る。
  4. 届出は業務に従事する保健師の義務である。

 

 


 

▶午前2

地域包括ケアシステムにおける相互援助の概念と具体的な取り組みとの組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 自助――民間サービスの購入
  2. 互助――医療保険
  3. 共助――生活保護
  4. 公助――ボランティア

 

 


 

▶午前3

市町村保健師の家庭訪問対象として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 切迫早産で主治医から自宅安静を指示された妊婦
  2. 特定健康診査で血圧150/90mmHgの未治療者
  3. 訪問看護サービスを開始した難病患者
  4. 1歳6か月児健康診査で虐待の可能性がある児

 

 


 

▶午前4

地域包括支援センターに、住民Aさんから「近所に住む人暮らしのBさん(85歳、男性)が、自宅の庭にごみを山のように置いている。一人ではごみを片付けられない様子なので、何とかしてほしい。年齢のこともあるので火の始末も気になる」と、電話相談があった。
地域包括支援センターの保健師の最初の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 消防署にBさん宅の訪問を依頼する。
  2. Aさんに自治会で話し合うよう助言する。
  3. 市のごみ収集担当部署に対応を依頼する。
  4. 地域包括支援センターの職員とBさん宅を訪問する。

 

 


 

▶午前5

職場の特定健康診査の結果、血圧が高い者の割合が多かった。血圧が高い者の食事摂取内容を確認すると、味の濃い食事や麺類を好んで食べていることが分かったため、事業所の保健師は、血圧が高かった者を対象に月2回の6か月コースで減塩教室を実施することにした。
減塩教室実施後のアウトカム評価で最も適切なのはどれか。

 

  1. 血圧値
  2. 1日の食塩摂取量
  3. 減塩教室の参加率
  4. 産業医との面談回数

 

 


 

▶午前6

昨年度の生活習慣病予防教室参加者から、自主グループとしてウォーキング愛好会を立ち上げたいと地区担当保健師に相談があった。
このグループの発展段階の開始期に支援する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 年間活動計画の立案
  2. ウォーキングコースの設定
  3. メンバー募集のチラシ作成
  4. メンバーの役割分担

 

 


 

▶午前7

A市の新生児訪問のデータを表に示す。
107am7h
このデータの統計分析に適切なのはどれか。

 

  1. F検定
  2. t検定
  3. U検定
  4. χ2〈カイ2乗〉検定

 

 


 

▶午前8

平成29年(2017年)の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律で改正されたのはどれか。

 

  1. 介護医療院の創設
  2. 地域ケア会議の推進
  3. 全国一律の予防給付の地域支援事業への移行
  4. 一定以上所得のある者のサービス費の利用者負担2割

 

 


 

▶午前9

市の健康増進計画(3か年計画)を新たに策定することになり、市に健康増進計画審議会を設置することになった。
審議会の説明として適切なのはどれか。

 

  1. 策定した計画の評価を目的とする。
  2. 審議会の決定は法的拘束力を持つ。
  3. 地域保健法に基づき設置される。
  4. 合議制の諮問機関である。

 

 


 

▶午前10

がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について、平成28年(2016年)改訂以降の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 乳がん検診の対象者は20歳以上である。
  2. 胃がん検診には胃内視鏡検査が含まれる。
  3. 肺がん検診の受診間隔は2年に1回である。
  4. 子宮頸がん検診の受診間隔は1年に1回である。

 

 


 

▶午前11

うつ病で休職中の人が活用できるのはどれか。

 

  1. リワーク支援
  2. 就労移行支援
  3. 就労継続支援
  4. 就労定着支援

 

 


 

▶午前12

健康危機の発生の未然防止に該当するのはどれか。

 

  1. 緊急相談窓口の設置
  2. 感染症サーベイランス
  3. 避難行動要支援者の把握
  4. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉のある人への支援

 

 


 

▶午前13

地域における結核の個別患者支援計画で週1、2回の服薬確認が適切と判断する患者特性はどれか。

 

  1. 結核の既往がある。
  2. 要介護4の独居高齢者である。
  3. アルコール依存症患者である。
  4. 診断時、住所不特定者であった。

 

 


 

▶午前14

保健師は市の防災担当部署と協力して避難訓練を行うこととした。
訓練の対象として優先的に声をかけるのはどれか。

 

  1. 子育てサークルのメンバー
  2. 転入して1年以内の住民
  3. 高齢者施設の入居者
  4. 被災経験のある住民

 

 


 

▶午前15

学校環境衛生について正しいのはどれか。

 

  1. 検査には下水道に係る項目がある。
  2. 学校医は環境衛生検査に従事する。
  3. 学校保健委員会は環境衛生の管理に責任を持つ。
  4. 感染症の発生の恐れがあるときは臨時検査を行う。

 

 


 

▶午前16

患者調査で正しいのはどれか。

 

  1. 5年に1回実施される。
  2. 推計患者数には調査日に受療した患者数が含まれる。
  3. 調査日に入院している患者の平均在院日数が把握される。
  4. 総患者数には医療を受けたことのない有病者数も含まれる。

 

 


 

▶午前17

国際疾病分類〈ICD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 第9回改訂〈ICD-9〉が最新である。
  2. 各種疾病の治療指針が示されている。
  3. 世界保健機関〈WHO〉が改訂を行っている。
  4. 国際生活機能分類〈ICF〉の上位概念である。

 

 


 

▶午前18

国保データベース〈KDB〉システムが扱う対象はどれか。

 

  1. 健康保険組合
  2. 国民健康保険組合
  3. 全国健康保険協会
  4. 国家公務員共済組合

 

 


 

▶午前19

食品に係る事項と法令との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 食中毒の届出――食品安全基本法
  2. 栄養機能食品の表示――食育基本法
  3. 特定保健用食品の許可――健康増進法
  4. アレルゲンを含む食品であることの表示――食品衛生法

 

 


 

▶午前20

学校保健について正しいのはどれか。

 

  1. 保育所は学校教育法に規定されている。
  2. 学校保健行政は厚生労働省が所管している。
  3. 教職員の健康診断の実施主体は労働基準監督署である。
  4. 学校の設置者は感染症の予防のための臨時休業を行うことができる。

 

 


 

▶午前21

児童相談所について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村に設置義務がある。
  2. 養子縁組の相談に応じる。
  3. 母親を一時保護する機能を持つ。
  4. 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づき設置される。

 

 


 

▶午前22

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 入院勧告によって感染症指定医療機関で受ける入院治療の医療費は公費負担となる。
  2. 感染症まん延防止のために予防接種を勧奨する疾患について規定されている。
  3. 無症状病原体保有者についての届出は定められていない。
  4. A型肝炎は三類感染症である。

 

 


 

▶午前23

災害拠点病院について正しいのはどれか。

 

  1. 東日本大震災を契機として整備を開始した。
  2. 災害対策基本法に指定要件が定められている。
  3. 地域災害拠点病院は各都道府県に1か所ずつ設置されている。
  4. 被災地へ災害派遣医療チーム〈DMAT〉を派遣する体制を備える。

 

 


 

▶午前24

成人男性の部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の推移のグラフを示す。
107am24h
Aの一次予防として正しいのはどれか。

 

  1. 肥満予防
  2. 減塩の推奨
  3. 野菜の摂取
  4. 受動喫煙防止
  5. 節度ある飲酒

 

 


 

▶午前25

Aさん(48歳、男性)。妻と2人暮らし。精神科に通院中であり、保健所のアルコール依存症者の自助グループに定期的に参加している。ある日、Aさんが担当保健師を訪ねてきたが、呼気にアルコール臭がした。Aさんに確認すると、「自助グループに参加してから断酒できていたが、今朝ビールを3缶飲んでしまった」と話した。
担当保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 意志が弱いと注意する。
  2. アルコールの害を説明する。
  3. 1日の適正飲酒量を説明する。
  4. 自助グループの参加を中断するよう勧める。
  5. 飲酒をしていない日に面接したいことを伝える。

 

 


 

▶午前26

人から人への直接の伝播がない感染症はどれか。

 

  1. 痘そう
  2. ペスト
  3. 腸チフス
  4. デング熱
  5. 腸管出血性大腸菌感染症

 

 


 

▶午前27

予防接種法に基づく定期予防接種の対象疾病のうち、目的として個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するために定期的に行う必要があるのはどれか。

 

  1. 結核
  2. 麻しん
  3. 破傷風
  4. B型肝炎
  5. インフルエンザ

 

 


 

▶午前28

A化学工場で、トルエンを取り扱っている複数の社員が急に頭痛やめまいを訴えたため、臨時職場巡視を実施した。その結果、トルエンによる中毒症状が出現していたことが判明し、原因は防護具の着用が不適切なことだった。
健康障害の再発防止策で最も効果的なのはどれか。

 

  1. 救急用具の変更
  2. 職場環境測定回数の増加
  3. 社内広報を活用した情報発信
  4. 特殊健康診断実施回数の増加
  5. 有機溶剤を取り扱う社員に対する研修

 

 


 

▶午前29

A市のある一時点におけるC型肝炎を有している人の割合を示す指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 被患率
  3. 有病率
  4. 寄与危険
  5. 相対頻度

 

 


 

▶午前30改題

令和4年(2022年)の人口動態統計月報年計における性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合を示す。
107am30h
自殺はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前31改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について、傷病大分類別の医科診療医療費が最も多いのはどれか。

 

  1. 新生物〈腫瘍〉
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 内分泌、栄養及び代謝疾患
  5. 筋骨格系及び結合組織の疾患

 

 


 

▶午前32

母子健康手帳に記載されている「保護者の記録【3歳の頃】」で、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. はさみを上手に使えますか。
  2. 片足でケンケンをしてとびますか。
  3. はっきりした発音で話ができますか。
  4. 衣服の着脱をひとりでしたがりますか。
  5. 手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。

 

 


 

▶午前33改題

令和4年(2022年)の日本における出生の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生順位別構成割合は第1子が50%を上回っている。
  2. 母の年齢別にみた出生率は30~34歳が最も高い。
  3. 都道府県別合計特殊出生率は沖縄県が最も低い。
  4. 出生率は8.0(人口千対)を下回っている。
  5. 純再生産率は1を超えている。

 

 


 

▶午前34

人口10万人の市の保健師が担当地区の地域診断を行った。
情報分析の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生数を県全体の数値と比較した。
  2. 妊産婦死亡率を学校区別に比較した。
  3. 地区組織の代表者からの意見を分析した。
  4. 住民登録者のない地区をアセスメントから除外した。
  5. 子育てニーズを母親の就労の有無などの属性別に集計した。

 

 


 

▶午前35

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針で定める内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症の予防
  2. 就労の支援
  3. 医療費の適正化
  4. 対象疾患の拡充
  5. 療養生活の環境整備

 

 


 

▶午前36改題

放射線被ばくによる影響で正しいのはどれか。3つ選べ。

 

  1. 肝硬変の原因となる。
  2. クラッシュ症候群を起こす。
  3. 晩発症状として不妊が起こる。
  4. 早期症状に白血球の減少が起こる。
  5. 胎児期の被ばくでは精神発達遅滞のリスクが高まる。

 

 


 

▶午前37

衛生管理者について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国家資格である。
  2. 労働安全衛生法に規定されている。
  3. 安全に関する技術的事項を管理する。
  4. 作業者の健康障害を防止するための作業指揮を行う。
  5. 常時100人以上の労働者を使用する事業場は専任とする。

 

 


 

▶午前38

保健師が行う事例管理はどれか。2つ選べ。

 

  1. 継続的な支援が終了した家庭訪問記録を定められた期間保存する。
  2. 精神疾患を有する妊婦の支援方法について精神科医に相談する。
  3. 退院後の支援体制構築のため入院中にケア会議を開催する。
  4. 介護支援専門員への情報提供について本人の同意を得る。
  5. 運動習慣啓発のためのシンポジウムを開催する。

 

 


 

▶午前39

市町村保健師が実施する保健サービスで保健師が知り得た秘密を漏らしてはならないことについて規定している法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 母子保健法
  2. 地域保健法
  3. 地方公務員法
  4. 保健師助産師看護師法
  5. 次世代育成支援対策推進法

 

 


 

▶午前40

人口10万人のA市におけるある年度の死亡数は1,000人であった。悪性新生物の罹患数は300人であり、その死亡数は200人であった。
死亡に占める悪性新生物の相対頻度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(32歳、女性、会社員)。夫と長男のBちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。Bちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、Bはキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。

 

▶午前41

Aさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 公園で遊ばせることを勧める。
  2. 保育所を休ませるよう勧める。
  3. 家での様子をみるために家庭訪問をする。
  4. ファミリーサポートセンター事業を紹介する。

 

 


 

▶午前42

1か月後。Bちゃんは、3歳児健康診査のために市保健センターに来所した。健康診査の医師は、Bちゃんは発達に問題がある可能性があると話した。Aさんは「Bは発達障害なのでしょうか。どうしたらいいのでしょうか」と保健師に話した。
Aさんへの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 児童館の利用を促す。
  2. 保健師による継続訪問をする。
  3. 心理相談を受けることを勧める。
  4. 地域の育児サークルを紹介する。

 

 


 

▶午前43

Bちゃんは、その後自閉症スペクトラム障害であると診断を受けた。保健師は、Aさんの承諾を得てBちゃんが通っている保育所にBちゃんの3歳児健康診査の結果を情報提供した。その際に、保育所の所長からBちゃんへの関わり方について相談があった。
保健師から所長への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 保育室の出入口を施錠する。
  2. 毎日新しい遊びを取り入れる。
  3. Bちゃんに一人で食事をさせる。
  4. Bちゃんへの説明は絵も活用する。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。

 

▶午前44

発災当日の朝、B地区を管轄する保健センターに出勤できた保健師は16名中3名だった。
発災当日、出勤した保健師の行動で適切なのはどれか。

 

  1. 福祉避難所の開設
  2. 市災害対策本部の立ち上げ
  3. 管内医療機関の位置図の作成
  4. 医療機器を使用する難病患者の安否確認

 

 


 

▶午前45

発災後2日、B保健センターの保健師が避難所の一つである市民センターを初めて訪問した。避難所の管理者より、避難所の建物に入らず市民センターの駐車場に車中泊をしている世帯が多数あり、炊き出しやトイレ以外は終日車の中で過ごし、あまり外に出てこないようだとの声が聞かれた。そのため、保健師は車中泊の避難者も巡回することにした。
巡回時の確認事項で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食事内容
  2. 水分摂取量
  3. 車内換気の頻度
  4. 他者との交流の頻度

 

 


 

▶午前46

発災後2か月、仮設住宅の入居が始まっている。B保健センターには、県外の保健師による派遣チームが入り、協働で災害支援活動を行っている。派遣チームの保健師は、B保健センターの職員から「被災した住民の話を聞いていると自分も気持ちが落ち込む」「仮設住宅に入居できない住民の苦情を聞くのがつらい」「住民のために活動したいが、自分は無力だと感じる」等の声を多く聞いた。
派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 健康診断の実施
  2. 人事異動の提案
  3. 精神科の受診勧奨
  4. 職員同士で語り合う場の用意

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性)は1人暮らし。10年前に振戦を主症状としてParkinson〈パーキンソン〉病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。

 

▶午前47

現在のAさんが対象となるのはどれか。

 

  1. 後期高齢者医療制度
  2. 特定疾病療養費制度
  3. 身体障害者手帳の交付
  4. 重度障害者等包括支援サービス

 

 


 

▶午前48

Aさんは運動障害に加えて非運動症状が出現するようになり、治療薬の副作用も出たことから薬剤調整のために入院した。入院中に自ら外出する必要があり、転倒の危険性から付き添いの援助を希望した。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yah〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅢ、生活機能障害度2度と診断している。
Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスはどれか。

 

  1. 移動支援
  2. 行動援護
  3. 生活介護
  4. 同行援護

 

 


 

▶午前49

退院後、Aさんは自宅で療養することになった。今後もParkinson〈パーキンソン〉病の症状の進行が予想される。
Aさんに対して、身体機能の維持のための日常生活上の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 食事介助を受ける。
  2. 移動時は電動車椅子を利用する。
  3. 訪問入浴介護サービスを利用する。
  4. ストレッチ等で体を動かす習慣を作る。

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。
Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。

 

▶午前50

警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でAさん宅を訪問すると、Aさんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。
Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。

 

  1. 「ストーカーは存在しないので安心してください」
  2. 「眠れないことについて医師に相談しましょう」
  3. 「解雇された理由を振り返りましょう」
  4. 「一緒にハローワークへ行きましょう」
  5. 「お姉さんと一緒に暮らしましょう」

 

 


 

▶午前51

その後、Aさんは統合失調症と診断され入院した。徐々に症状も落ち着き、2か月後には退院が決まったが「外出するとストーカーに追われないか心配です」と話した。退院に向け、病院の相談員から保健師に相談があった。保健師は退院後の生活について、Aさんを含めたケア会議を開催することとした。
Aさんにケア会議の出席者として提案する者で適切なのはどれか。

 

  1. 隣人
  2. 警察官
  3. 公共職業安定所の相談員
  4. 訪問看護ステーションの看護師
  5. 地域生活定着支援センターの職員

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

A市B地区。県庁所在地のベッドタウンであり市外に通勤・通学する者が多く居住している地区である。B地区の1990年から2018年までの人口と高齢者人口に関するグラフを示す。
107am52

 

▶午前52改題

B地区の高齢者について正しいのはどれか。

 

  1. 1990年の老年人口割合は2018年より高い。
  2. 2000年には前期高齢者人口が人口の30%を超えた。
  3. 2015年の高齢者人口における後期高齢者の占める割合はおよそ20%である。
  4. 2018年の高齢化率は全国の高齢化率(28.1%)よりも高い。

 

 


 

▶午前53

A市のB地区を担当する保健師は、地区住民の自治会加入率が減少しており、自治会が主催している高齢者サロンの参加者が減っていることが気になっていた。そこで地域包括支援センターと協働し、サロンの活性化とともにB地区全体の地区組織活動の促進につなげていくことができないか検討していくことにした。
保健師が最初に取り組むこととして最も適切なのはどれか。

 

  1. サロンのチラシを住民に配布する。
  2. サロンと地域の子ども会との交流会を企画する。
  3. サロン及び自治会の担当者と話し合う場を設定する。
  4. 自治会と一緒に住民向けの介護予防の講演会を開催する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口2万人のA市。高齢化率が34.7%で、高齢者福祉計画では「高齢者が安心・安全に暮らせるまちづくり」を目標に掲げている。A市の高齢者対策を担当するのは高齢福祉課、市直営の地域包括支援センターと社会福祉協議会であり、実務担当者が参加する地域ケア会議は毎月開催している。A市では、認知症高齢者の増加と徘徊などの問題が増えている。

 

▶午前54

A市の課題に対する地域包括支援センターの取り組みで、優先するのはどれか。

 

  1. 地域ケア会議に参加する関係者を増やす。
  2. 認知症高齢者の見守り体制を強化する。
  3. 高齢者の健康増進対策を推進する。
  4. 介護予防事業を拡大する。

 

 


 

▶午前55

A市は、今年度から、住民が携帯電話から登録できる「安心・安全ネット」を導入した。このシステムでは災害情報、行方不明者の情報、不審者・空き巣の発生など多様な情報を発信できる。システム始動から半年、「安心・安全ネット」の登録者は住民の約2割で、毎日メールが配信され、認知症高齢者を探している内容が多かった。
行方不明になった認知症高齢者を保護するためにA市が取り組む事業で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 認知症予防教室を開催する。
  2. 認知症の家族会を立ち上げる。
  3. 広報誌に「安心・安全ネット」の登録方法を掲載する。
  4. 認知症高齢者を発見したときの連絡先をポスターで掲示する。
  5. 高齢者にMini-Mental State Examination〈MMSE〉の質問紙を郵送する。

 

 

 

第107回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1改題

A市の世帯構造別にみた世帯の割合を図に示す。
107pm1h.png
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査に基づく全国の割合と比較して、A市が高いのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単独世帯
  2. 夫婦のみの世帯
  3. 夫婦と未婚の子のみの世帯
  4. ひとり親と未婚の子のみの世帯
  5. 三世代世帯

 

 


 

▶午後2

感染症を含む国際的な公衆衛生上の緊急事態を構成する恐れのある事象が発生した場合、世界保健機関〈WHO〉に報告することを参加国に義務づけているのはどれか。

 

  1. パリ協定
  2. バンコク憲章
  3. 国際保健規則
  4. ニュルンベルク綱領

 

 


 

▶午後3

結核に対する特異的予防はどれか。

 

  1. 栄養改善
  2. 再発予防
  3. BCG接種
  4. 重症化予防

 

 


 

▶午後4

キャッスル〈Kasl, S.V.〉とコブ〈Cobb, S.〉による保健行動の3分類に基づく、病気対処行動はどれか。

 

  1. 禁煙する。
  2. がん検診を受ける。
  3. 家族に体調不良を相談する。
  4. スイミングスクールに通う。

 

 


 

▶午後5

Aさん(68歳、女性)。市の健康課の窓口に来庁した。Aさんは「隣人が毎日、自宅にやってきて同じ話を繰り返しています。同居する娘さんからは認知症の薬を飲んでいると聞いています。隣人のことが気になり眠れないことがあります」と話した。
Aさんへの保健師の最初の声かけで正しいのはどれか。

 

  1. 「認知症サポーター養成講座を受けてください」
  2. 「ご家族以外の方からの相談は受けられません」
  3. 「地域包括支援センターで相談してください」
  4. 「睡眠の状況を教えていただけますか」

 

 


 

▶午後6

市では母子保健推進員が未就学児を対象とした遊びの会を実施している。参加している数名の母親から「自主グループとして活動したいがどうすればよいのか」と相談があった。
母親への保健師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「最初に会則を決定してください」
  2. 「自主グループ参加希望者の名簿を提出してください」
  3. 「自主グループの代表者は母子保健推進員にしてください」
  4. 「自主グループ参加希望者でグループの目標を話し合ってください」

 

 


 

▶午後7

生活習慣病予防の栄養教室の運営方法で適切なのはどれか。

 

  1. グループワークを用いて運営する。
  2. 参加者がお互い競争するよう促す。
  3. 参加者に連絡先の交換をするように促す。
  4. 発言の多い参加者をリーダーに指名する。

 

 


 

▶午後8

A地区の人口静態をアセスメントする方法で、適切なのはどれか。

 

  1. 統計資料の二次活用
  2. 社会調査
  3. 地区踏査
  4. 分析疫学

 

 


 

▶午後9

地域保健活動におけるソーシャルキャピタルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 集団全体の広いリスクを対象とした支援対策である。
  2. 住民が主体的に活動できるよう支援することである。
  3. 地域の人々の社会的な結びつきに関する資本である。
  4. 個人の認識に働きかけて行動変容を促すモデルである。

 

 


 

▶午後10

A市の介護保険計画は、現在3年計画のうち2年目に入ったところである。
今年度担当になった保健師が最初に行う活動として適切なのはどれか。

 

  1. A市の高齢者にニーズ調査を行う。
  2. 前年度の活動の評価結果を確認する。
  3. 実施する事業のマニュアルを作成する。
  4. 介護保険計画のパブリックコメントを募集する。

 

 


 

▶午後11

難病相談・支援センターの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 設置主体は市町村である。
  2. 難病医療提供体制の整備を図る。
  3. 難病患者の交流活動を支援する。
  4. 難病医療費助成制度の申請窓口である。

 

 


 

▶午後12

Aさん(21歳、女性)の腸管出血性大腸菌感染症の発生届が病院から保健所に提出された。Aさんは食品調理に従事しており、保健所は就業制限を行った。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき、保健所による就業制限で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんは自宅からの外出が制限される。
  2. Aさんは食品に触れない業務には従事できる。
  3. 症状消失後、直ちにAさんは調理業務に復帰できる。
  4. 就業制限は、Aさんの勤務先の事業主に対して発せられる。

 

 


 

▶午後13

Aさん(22歳、女性)。会社員の夫と長女の3人家族。長女の3歳児健康診査のために来所した。受付の職員がAさんの顔と腕にうっすらと出血斑があり、うつむいて、髪の毛で出血斑を隠しているのに気付いた。長女が話しかけてもAさんに笑顔は見られなかった。連絡を受けた問診担当の保健師はドメスティックバイオレンス〈DV〉を疑った。長女は、身体計測では問題となる所見はなかった。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 警察に通報する。
  2. 民生委員にAさん家族の様子を尋ねる。
  3. 長女の心理発達状況を個別相談で確認する。
  4. DVスクリーニングの自記式調査票を郵送する。

 

 


 

▶午後14

事業継続計画〈Business Continuity Plan:BCP〉について適切なのはどれか。

 

  1. 労働者災害補償保険の記載が必須である。
  2. 災害対策基本法に策定義務が明記されている。
  3. 策定した計画は5年ごとに改定しなければならない。
  4. 緊急事態発生時に、社会機能をできる限り維持するための業務続行の計画である。

 

 


 

▶午後15改題

常時1,000人以上の労働者を使用する事業場で、労働安全衛生法に基づき、事業場における安全衛生管理体制の責任者として安全衛生にかかわる業務を管理・指揮する者はどれか。

 

  1. 作業主任者
  2. 産業歯科医
  3. 安全衛生推進者
  4. 総括安全衛生管理者

 

 


 

▶午後16

公衆衛生看護管理で人材管理に当てはまるのはどれか。

 

  1. 報道機関への対応は事業担当者が行う。
  2. 地域住民に必要なサービスの開発を行う。
  3. 保健師のキャリアに応じた研修を計画的に実施する。
  4. 地域診断に基づいた地区活動計画を立案する。

 

 


 

▶午後17

「地域における保健師の保健活動に関する指針」に基づく保健師の保健活動の基本的な方向性の10項目に該当するのはどれか。

 

  1. 業務分担制の推進
  2. 予算の適切な執行管理
  3. 顕在化している課題への介入重視
  4. 部署横断的な保健活動の連携・協働

 

 


 

▶午後18

A市の保健師が現在担当している子育て支援事業の次年度予算を作成することになった。
この保健師が行う予算管理として適切なのはどれか。

 

  1. 予算要求には市の基本計画との整合性を重視する。
  2. 1月1日から12月31日までの予算を作成する。
  3. 予算の執行権は予算案を作成した保健師にある。
  4. 補正予算で作成する。

 

 


 

▶午後19

同じ集団における同一のスクリーニング検査で、基準値を変えて敏感度を上げた場合に上昇するのはどれか。

 

  1. 特異度
  2. 偽陽性率
  3. 偽陰性率
  4. 陰性者数

 

 


 

▶午後20

国民健康・栄養調査について正しいのはどれか。

 

  1. 血圧値は調査項目である。
  2. 3日間の食事調査が行われる。
  3. 調査日の食費は調査項目である。
  4. 栄養素等摂取量が市区町村別に比較される。

 

 


 

▶午後21

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で規定されたのはどれか。

 

  1. 病床機能報告制度
  2. 医療安全支援センターの設置義務
  3. 医療計画への在宅医療の達成目標の記載
  4. 重症心身障害児(者)への日中の活動の場の確保

 

 


 

▶午後22

医療費の助成と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――社会福祉法
  2. 療育医療――障害者基本法
  3. 自立支援医療(更生医療)――障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
  4. 小児慢性特定疾病医療費助成制度――難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

 

 


 

▶午後23

慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 病状の進行に伴い肺は縮小する。
  2. 患者の多くは60歳までに診断されている。
  3. 非感染性疾患〈Non-Communicable Diseases:NCDs〉の一つである。
  4. 健康日本21(第二次)では新規患者発生数の半減が目標に設定されている。

 

 


 

▶午後24改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査の結果をグラフに示す。
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このグラフが表しているのはどれか。

 

  1. う歯を持つ者の割合
  2. 顎関節の異常がある者の割合
  3. 20歯以上の歯を有する者の割合
  4. 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合

 

 


 

▶午後25

災害救助法で定められているのはどれか。

 

  1. 自主防災組織の促進
  2. 地域防災計画の作成
  3. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  4. 広域災害救急医療情報システム〈EMIS〉の運用
  5. 災害時健康危機管理支援チーム〈DHEAT〉の派遣

 

 


 

▶午後26

A市では、避難行動要支援者名簿の見直しをすることになった。まず、医療依存度の高い難病患者の現在の状況を確認することにした。
協力を求めるのに最も適切なのはどれか。

 

  1. 消防機関
  2. 自主防災組織
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション
  5. 民生委員児童委員協議会

 

 


 

▶午後27

健康日本21(第二次)で生活習慣病のリスクを高める1日の飲酒量の定義はどれか。
ただし、日本酒換算で、日本酒1合は純エタノール20g相当とする。

 

  1. 男性1合以上、女性0.5合以上
  2. 男性2合以上、女性1合以上
  3. 男性2合以上、女性1.5合以上
  4. 男性3合以上、女性1.5合以上
  5. 男性3合以上、女性2合以上

 

 


 

▶午後28

従属人口指数はどれか。

 

  1. 老年人口÷総人口×100
  2. 老年人口÷生産年齢人口×100
  3. (年少人口+老年人口)÷総人口×100
  4. (年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100
  5. 老年人口÷(年少人口+生産年齢人口)×100

 

 


 

▶午後29

子育て世代包括支援センターで正しいのはどれか。

 

  1. 要保護児童対策地域協議会を設置する。
  2. 母子保健推進員の配置が定められている。
  3. 児童福祉法において設置が定められている。
  4. 妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援を行う。
  5. 市町村は子育て世代包括支援センターを設置しなければならない。

 

 


 

▶午後30

特定保健指導の事業評価に用いる項目で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 動機づけ支援の対象者数
  2. 特定保健指導の中断者数
  3. 特定健康診査の未受診者数
  4. 特定保健指導対象者の指導への満足度
  5. 特定健康診査結果における要医療者の割合

 

 


 

▶午後31

学校保健安全法に基づく児童生徒の定期健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学校行事に位置づく教育活動として行われる。
  2. 毎学年5月末日までの間に実施する。
  3. 座高は小学校低学年で測定する。
  4. 実施主体は教育委員会である。
  5. 結果に基づき事後措置を行う。

 

 


 

▶午後32

学校における保健教育で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 小学校の保健の授業は5年生から行う。
  2. 教育基本法に指導内容が規定されている。
  3. 保健指導は養護教諭が中心となって行う。
  4. 生涯にわたって健康に生きるための能力の育成を目標にする。
  5. 養護教諭は1年以上勤務する場合に保健の授業を担当できる。

 

 


 

▶午後33

事業者が実施する一般健康診断の定期健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 基本検査項目に検便を含める。
  2. 6か月以内ごとに1回実施する。
  3. 一般健康診断の結果は5年間保存する。
  4. 異常所見のある場合は必要に応じて就業上の措置を講ずる。
  5. 常時20人以上の労働者を使用する事業者は所管労働基準監督署長に結果を報告する。

 

 


 

▶午後34改題

令和2年(2020年)における精神疾患の患者に関する動向について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 入院患者は外来患者より少ない。
  2. 措置入院患者は、入院患者の0.6%である。
  3. 精神病床における平均在院日数は300日以上である。
  4. 平成23年(2011年)と比較して患者数は減少している。
  5. 入院患者の5割以上がAlzheimer〈アルツハイマー〉病である。

 

 


 

▶午後35

計算するときに人年法を用いるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 死亡率
  2. 有病率
  3. 被患率
  4. 有訴率
  5. 罹患率比

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(45歳、男性、営業職)。妻(44歳)と長男(高校生)の3人家族。事業所の定期健康診断の結果、BMI30、血圧値145/88mmHgで、医師から体重減少と塩分制限を指導された。Aさんは保健師の指導を受けた時「帰宅が遅いので夕食の時間は遅くなり、お腹が空いているので早食いになる。昼食は職場の食堂で食べているが定食よりもラーメン大盛りが多い。まだ若いので少しくらい血圧が高くても大丈夫。しかし、妻からは『あなたの体重が増えてきたので心配。一緒に痩せよう』と言われている」と語った。

 

▶午後36

Aさんの話した内容からプリシード・プロシードモデルで確認できるのはどれか。

 

  1. 遺伝
  2. 強化要因
  3. 実現要因
  4. 前提要因

 

 


 

▶午後37

事業所の保健師はAさんに2回目の面接を行った。自分の健康をどう思っているのかを尋ねると「太っている自覚がある。スポーツジムに入会したことがあるが3日しか通わずにやめてしまった。妻も心配しているので、ラーメンは大盛りから並にした」という答えが返ってきた。
Aさんの自己効力感を高めるための支援はどれか。

 

  1. 昼食は定食にするよう指導する。
  2. 今後起こりうる病気について説明する。
  3. スポーツジムを3日でやめた理由を聞く。
  4. ラーメンを大盛りから並にしたことを支持する。

 

 


 

▶午後38

3か月後、事業所の保健師は3回目の面接を行った。Aさんは「通勤手段を自転車に替え、土日も1時間のウォーキングを行い体重が3kg減少した。体調も良い」と嬉しそうに語った。しかし、血圧値は改善しなかったため、保健師はAさんの食事内容を確認しながら、血圧値と体重、減塩食との関係を具体的に説明した。
Aさんが血圧を下げる更なる生活改善に取り組むためのコーチングの手法を用いた保健師の声かけはどれか。

 

  1. 「運動強度を上げてみましょう」
  2. 「家族と一緒に減塩食を食べましょう」
  3. 「塩分摂取量を1日7g以下にしましょう」
  4. 「面接を踏まえて何ができると思いますか」

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(80歳、男性)。1人暮らし。自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折の治療のために1か月間入院し、自宅に退院した。退院後は整形外科に定期的に通院している。要介護認定を申請し要支援1と認定されたが、介護保険サービスは利用していない。自宅は団地で4階建ての3階に居住しておりエレベーターはない。Aさんの退院から1か月後、団地の担当民生委員からAさんの状態について、地域包括支援センターの保健師に相談があった。入院前、Aさんは団地の集会所で行われている高齢者サロンによく参加していたが、退院後は来ることが少なくなったという。高齢者サロンの参加者に聞くと「Aさんが、病院には通っているがサロンに行くのは億劫だ、と言っていた」とのことであった。

 

▶午後39

保健師はAさんの状況を把握するため、民生委員と一緒に家庭訪問を行うことにした。
家庭訪問時に収集する情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 生活史
  2. 家族関係
  3. 経済状況
  4. 通院頻度
  5. 日常生活動作〈ADL〉

 

 


 

▶午後40

Aさんは「退院してから家では普通に過ごしているが、外に出ると疲れがたまる。買い物には行くが、荷物を持って階段を昇るのがつらい」と話した。
保健師がAさんに利用を提案するサービスで適切なのはどれか。

 

  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 介護予防居宅療養管理指導
  3. 通所リハビリテーション
  4. 地域密着型通所介護

 

 


 

▶午後41

保健師は団地の民生委員から「団地の高齢者は、Aさん以外にも転倒をきっかけに、階段昇降が困難になる高齢者が多い」との相談を受け、集会所で行われている高齢者サロンの場で転倒予防の取り組みを行うこととした。
この取り組みに活用できる事業で適切なのはどれか。

 

  1. 地域生活支援事業
  2. 日常生活自立支援事業
  3. 在宅医療・介護連携推進事業
  4. 地域リハビリテーション活動支援事業

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aちゃん(2歳、男児)。出生体重2,800g。先天性疾患により出生直後から呼吸管理、経管栄養が必要であったが、成長とともに状態が安定し、2週後に退院することとなった。現在、呼吸状態は問題ないが、経管栄養は今後も継続して行うため、両親は必要な手技を習得中である。発語は1、2語あり、最近自立歩行を始めたところである。
家族は両親と兄(5歳)である。両親は共働きで、母親は自宅近くでパートタイムの仕事をしており、兄は市の保育所に通っている。退院にあたり、今後の生活について母親から市の障害福祉課に相談があり、担当保健師が家庭訪問を行った。

 

▶午後42改題

Aちゃんが現在利用することが可能なサービスはどれか。

 

  1. 養育支援訪問事業
  2. 児童発達支援事業
  3. 保育所等訪問支援
  4. 児童扶養手当

 

 


 

▶午後43

母親は「兄が保育所で毎日とても楽しく過ごしているので、Aにも同じように他の子どもたちと一緒にいろいろな経験をさせたいと思っています。Aを保育所に入所させることはできるでしょうか」と話した。
この母親の思いを支援する上で基盤となる概念として適切なのはどれか。

 

  1. コミュニティオーガニゼーション
  2. ピアエデュケーション
  3. グローバリゼーション
  4. インクルージョン

 

 


 

▶午後44

保育所への入所を希望している母親に対する保健師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「経管栄養を行う看護師の配置を市で検討します」
  2. 「身体障害者手帳を取得していることが必要です」
  3. 「保護者が保育所に付き添うことが必要です」
  4. 「障害児福祉施設の通所が適しています」

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

建設業のA社は、毎年ストレスチェックを従業員に実施している。会社全体の健康リスクの評価において、多くの従業員が高ストレスに該当した。A社の保健師が部門ごとに分析したところ、設計部は他の部署より高ストレスの該当者の割合が高かった。

 

▶午後45

高ストレスの該当者への保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 医師との面接の案内を送付する。
  2. 職務上の配慮を人事部に提案する。
  3. 該当者を集めてセルフケア研修を開催する。
  4. 管理者に、該当者が記入したストレスチェック票を渡す。

 

 


 

▶午後46

設計部のストレスチェックの集団分析を行った結果、同僚からの支援が少ないことが分かった。
保健師として、設計部に関して優先的に取り組むのはどれか。

 

  1. 人事課長に結果を報告する。
  2. 産業医による職場巡視を行う。
  3. 設計部管理者から職場の状況について情報収集をする。
  4. 高ストレスの該当者から職場環境改善の要望を募る。
  5. 職場内の人間関係に関するアンケート調査を従業員に実施する。

 

 


 

▶午後47

保健師は、A社全体の集団分析結果を利用して、管理監督者が職場環境改善に積極的に関与する必要があると考えた。
高ストレスの該当者が多いことへの保健師の取り組みとして最も効果的なのはどれか。

 

  1. 健康相談日を増やす。
  2. 職場巡視の回数を増やす。
  3. 管理監督者への研修を実施する。
  4. 産業保健総合支援センターへ連絡する。
  5. 心の相談窓口の案内ポスターを掲示する。

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。

 

▶午後48

自宅でのAさんの結核初期症状で長女への初回面接で確認すべき事項はどれか。

 

  1. 体温の変化
  2. 体重減少の有無
  3. 倦怠感の訴えの有無
  4. 咳嗽の状態変化の有無

 

 


 

▶午後49

その後、喀痰塗抹菌検査は3回連続で陰性、胸部エックス線写真上も空洞はなかったが培養検査結果は陽性だった。
Aさんの感染性の評価に基づいて行う接触者健康診断の対象者で適切なのはどれか。

 

  1. 接触者全員
  2. C病院の結核病棟の患者
  3. 接触者で免疫力が低下している人
  4. B病院認知症治療病棟の全ての患者と職員

 

 


 

▶午後50

Aさんは、低感染性の結核であると診断され、接触者健康診断を実施することになった。
最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者はどれか。

 

  1. 長女
  2. B病院で同室者であった入院患者
  3. B病院認知症治療病棟に配膳車を運ぶ栄養課職員
  4. Aさんの自宅へ週1回生活援助に訪れていた訪問介護員

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

肥満の既往の有無と大腸癌との関連を検証するための疫学研究を行うこととした。A病院において大腸癌と診断された患者100人を登録した。また、同院で人間ドックを受検し大腸癌が無いことを確認できた100人を選定し登録することとした。次に、これらの対象者の肥満の既往を確認することとした。

 

▶午後51

この研究デザインはどれか。

 

  1. 介入研究
  2. 横断研究
  3. 症例対照研究
  4. 生態学的研究
  5. コホート研究

 

 


 

▶午後52

大腸癌の発症には性別や年齢の影響が知られている。そのためこれらの要因を調整する必要があると考えた。登録された大腸癌患者1人に対して性別および年齢を対応させた人間ドック受検者1人を選定することとした。
この方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 標準化
  3. 無作為化
  4. マッチング
  5. 多変量解析

 

 


 

▶午後53

大腸癌患者100人と大腸癌が無いことを確認できた人間ドック受検者100人の肥満の既往の調査結果を以下に示す。
107pm53h
肥満の既往ありの肥満の既往なしに対する大腸癌ありのオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

A君(中学1年生)は、母親と養父、最近生まれた妹と4人家族である。学校には休まず通っており、クラスでは無口だが暴力的になることがあった。ある日の朝、A君の顔に片目全体を覆うようなあざがあることに気づいて学級担任や複数の教員が声をかけたところ、A君は「自転車に乗っていてぶつけた」と答えた。昼休みに、掃除当番で保健室にきたA君に、養護教諭がそれとなく「どんなふうにけがをしたの?」と尋ねた。すると、A君は養父からよく殴られることを打ち明けて「このことは誰にも言わないでほしい」と言った。養護教諭は虐待の可能性があると考えて、A君が打ち明けてくれたことを肯定しながらA君の目の周りや心身の状態を観察しつつ、話を聴いた。

 

▶午後54

話を聴いた後のA君への養護教諭の対応で、適切なのはどれか。

 

  1. 殴られていることを母親に話すよう促す。
  2. あざの写真を記録として撮らせてもらう。
  3. 虐待にあたることを告知する。
  4. 学級担任に話すよう勧める。

 

 


 

▶午後55

養護教諭は、A君の状況を校長に伝え、その日の午後に開かれた校内委員会で共有した。これまでのA君の家庭に関する情報を集約した結果、虐待の疑いが強まり、児童相談所に通告することになった。また、養護教諭から母親に電話し、A君の目の周りのあざについて眼科医療機関の受診を勧めた。
翌日、A君は普段通りに登校し学級担任に受診報告があった。その後、養父から学校に電話があり、学級担任に「Aは家の中でケガをしただけだ。なにか家のことを話したのではないか。話した内容を教えるように」と威圧的な態度で要求してきた。
この後、養護教諭や教職員が行う学校の対応で、最も優先されるのはどれか。

 

  1. A君に眼科受診後の養父の様子を聞く。
  2. 養父の言動を児童相談所と情報共有する。
  3. 目の周りのあざの経過観察を両親に依頼する。
  4. 養父に学校に来てもらいA君の学校生活について話をする。

 

 


 

資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向