看護師国家試験必修問題まとめ(4)【看護技術】
![]() |
![]() |
![]() |
看護師国家試験の必修問題の詳細については、看護師国家試験必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】をご確認下さい。
当ページでは、保健師助産師看護師国家試験出題基準の必修問題の大項目として示される「看護における基本技術」「日常生活援助技術」「患者の安全・安楽を守る看護技術」「診療に伴う看護技術」を中心に、第111回から第102回看護師国家試験までの午前・午後の最初の25問の中からピックアップし、解説とともに掲載します。
必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】、必修問題まとめ(2)【看護の倫理・対象】、必修問題まとめ(3)【人体の構造と機能・健康障害・薬物】と合わせて、10年分のほぼすべての必修問題を網羅していますので、学習や確認にご活用下さい。
![]() |
厚生の指標増刊
発売日:2022.8.26 定価:2,695円(税込) 472頁・B5判 雑誌コード:03854-08
お求めは書店、または下記ネット書店、 電子書籍をご利用下さい。 |
【ネット書店】
![]() |
![]() |
【電子書籍・教科書】
![]() |
![]() |
テーマ別必修問題
〈113問分掲載(+類問19問)〉
看護における基本技術
患者とのコミュニケーション
患者とのコミュニケーションにおいては、患者からの言語的・非言語的な情報を、否定的感情を含めて積極的に受け取ること(傾聴・観察)が重要である。
- 否定的感情の表出を受けとめる。
- 沈黙が生じた直後に会話を終える。
- 看護師が伝えたいことに重点をおく。
- 患者の表情よりも言語による表現を重視する。
- 専門用語を用いて説明する。
- 視線を合わせずに会話をする。
- 沈黙が生じたら会話を終える。
- 患者の非言語的な表現を活用する。
Open-ended question〈開かれた質問〉
Open-ended question〈開かれた質問〉は、質問者があらかじめ知っている情報を確認する質問や、暗に方向付けることを避け、相手自身の言葉で語ってもらう質問の進め方をいう。
- 「頭は痛みませんか」
- 「昨夜は眠れましたか」
- 「気分は悪くありませんか」
- 「自宅ではどのように過ごしていましたか」
看護過程
看護過程は、①アセスメント(情報収集等)、②看護診断、③計画立案、④実施、⑤評価の5段階からなり、効率的に看護目標を達成するためのプロセスである。根拠に基づいた問題解決思考は、看護過程の展開を行う上で重要となる能力である。
- 問題解決思考である。
- 医師の指示の下で計画を立てる。
- 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
- アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。
- 看護技術の習得度
- 看護教育の活用度
- 看護記録の完成度
- 看護目標の達成度
フィジカルアセスメント
フィジカルアセスメントには、問診、視診、触診、打診、聴診などがあり、触診では皮下に存在するリンパ節の腫脹の有無を体表から確認することができる。
- 腱反射
- 瞳孔反射
- 腸蠕動運動
- リンパ節の腫脹
心音の聴取
心音は胸壁の上から聴取する心臓の収縮・拡張音であり、低く長いⅠ音と高く短いⅡ音が聴取される。第5肋間左鎖骨中線上心尖部では、僧帽弁が発するⅠ音を聴取しやすい。また、第2肋間胸骨左縁では肺動脈弁、第2肋間胸骨右縁では大動脈弁が発するⅡ音が聴取しやすい。
ただし、●は聴取部位を示す。
肺動脈弁領域の聴診部位はどれか。
ただし、点線は心臓を示す。
異常呼吸音
異常呼吸音(副雑音)は、断続性のある細かい捻髪音と粗い水泡音、連続性のある低調性のいびき音と高調性の笛音、胸膜摩擦音に分類される。
- 笛のような音〈笛音〉
- いびきのような音〈類鼾音〉
- 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
- ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉
圧痛点
圧痛点は、指などで圧迫した際に強い痛みを感じる部分をいい、疾患によって特定の圧痛点があり、診断に用いられる。右下腹部にあるマックバーネー点は急性虫垂炎の圧痛点である。
- 胃潰瘍
- 急性膵炎
- 尿管結石症
- 急性虫垂炎
- 子宮内膜症
脈拍の測定方法
橈骨動脈が通り、拍動が測りやすい部分(母指側)に、示指、中指、薬指の指先を添えて脈拍の回数を数える。
脈拍数の基準値
脈拍数の基準値(目安)は、新生児期で120~140/分、乳児期で110~130/分、幼児期で90~110/分、学童期で80~100/分、成人期で60~100/分とされ、加齢とともに低くなる。
- 50〜70/分
- 80〜100/分
- 110〜130/分
- 140〜160/分
- 体温36.2℃
- 呼吸数12/分
- 脈拍116/分
- 血圧128/84mmHg
徐脈性不整脈
成人の標準的な脈拍は1分間に約60~100回であるが、これが60回未満になる徐脈性不整脈では、めまいや失神、眼前暗黒感の症状が現れることがある。
- 失語
- 失行
- 失神
- 失明
赤血球数の基準値
赤血球数の基準値は検査施設等により異なるが、男性450~550万/μL、女性350~500万/μL程度とされる。
- 150〜250万/μL
- 350〜450万/μL
- 550〜650万/μL
- 750〜850万/μL
意識レベルの評価スケール
意識レベルを評価するスケールとしては、グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉とジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉が用いられる。
- Borg〈ボルグ〉スケール
- フェイススケール
- ブリストルスケール
- グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉
ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉
意識レベルを評価するジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉では、覚醒の程度に応じて、意識清明の0、刺激しなくても覚醒している状態であるⅠ桁(1・2・3)、刺激すると覚醒する状態であるⅡ桁(10・20・30)、刺激しても覚醒しない状態であるⅢ桁(100・200・300)に分類している。
- 意識清明の状態
- 刺激すると覚醒する状態
- 刺激しても覚醒しない状態
- 刺激しなくても覚醒している状態
- Ⅰ-3
- Ⅱ-20
- Ⅲ-100
- Ⅲ-300
- Ⅰ-3
- Ⅱ-10
- Ⅱ-30
- Ⅲ-100
徒手筋力テスト
徒手筋力テスト(MMT)は、検査者が手を使って患者の筋力を判定する方法で、筋収縮が全くない0から、強い抵抗を加えても完全に可動域全体を動かせる5までの、6段階で評価される。
[ ]に入るのはどれか。
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
( )に入るのはどれか。
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
日常生活援助技術
食事介助
食事介助時には誤嚥に細心の注意を払う必要があり、特に食事の際に顎を上げる(頸部後屈)と、咽頭と気管が直線的になり、食事が気管に入りやすくなるため、頸部前屈(顎を下げる)の体位で食事の援助を行うことが望ましい。このほか、ゆっくり食事をする、一口量を少なくする、水分にとろみをつけるなど。
- 水分の少ない食べ物を準備する。
- 時間をかけずに次々と食物を口に入れる。
- 患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
- 患者の下顎が上がるよう高い位置からスプーンを操作する。
- 食材は細かく刻む。
- 水分の摂取を促す。
- 粘りの強い食品を選ぶ。
- 頸部を前屈した体位をとる。
- 水分はとろみをつける。
- 頸部を伸展する。
- 一口量を多くする。
- むせたときには水を飲ませる。
胃食道逆流
胃食道逆流は胃酸が食道へ逆流することをいい、加齢等による下部食道括約筋の弛緩によって生じる。食後に起こりやすく、食後は上半身を起こした坐位や半坐位(ファウラー位)をとることが望ましい。
- 左側臥位
- 半側臥位
- 仰臥位
- 坐位
排泄の援助
差し込み便器は床上で行う排泄の援助時に用いるもので、女性患者には高まっている幅の広い側を殿部にし、肛門が中央に位置するように差し込む。

適切なのはどれか。
導尿
導尿は、導尿カテーテルを尿道に挿入し、膀胱内の尿を排出させることである。男性の導尿では尿道が屈曲しているため、陰茎を腹膜に対し約90度引き上げて開始し、約18~20cmを挿入する。女性の導尿では約4~7cmを挿入する。
- 30〜40度
- 80〜90度
- 120〜130度
- 160〜170度
- 6〜8cm
- 12〜14cm
- 18〜20cm
- 24〜26cm
- 1〜3cm
- 5〜7cm
- 9〜11cm
- 18〜20cm
グリセリン浣腸
グリセリン浣腸は腸管の蠕動を促し、排泄を促進させる。直腸穿孔のおそれがあるため立位による浣腸は危険であり、左側臥位による5~6cm程度のチューブ挿入を実施する。また、浣腸液は腸管の蠕動を促進するため、直腸温(深部体温)よりもやや高い約40℃とされる。
- バリウム
- ヒマシ油
- グリセリン
- エタノール
- 立位
- 仰臥位
- 腹臥位
- 左側臥位
- 2cm
- 5cm
- 12cm
- 15cm
- 32~33℃
- 36~37℃
- 40~41℃
- 44~45℃
- 腸管の蠕動を促進する。
- 腸管内の炎症を和らげる。
- 腸壁の水分吸収を促進する。
- 腸管内のガスの吸収を促進する。
ファウラー位(半坐位)
ファウラー位(半坐位)は上半身を45度程度上げる体位で、肺の圧迫を軽減するため呼吸が楽になるほか、経鼻経管栄養法による栄養剤の逆流や、食事中・食後の胃食道逆流を防ぐ際にも適している。

Fowler〈ファウラー〉位はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
シムス位
Sims〈シムス〉位は、特に妊娠中の安楽体位として用いられる。

Sims〈シムス〉位はどれか。
患者の水平移動時の移送
ストレッチャー等で水平の移動をする際には、患者の足側の方向に進む。先行する看護者は進行方向の安全や進路を確認するため前を向き、後行する看護者は患者の状態を観察しながら移送する。

適切なのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
片麻痺
片麻痺とは、脳梗塞などにより左右どちらかの半身に麻痺の症状がみられるものをいう。なお、左右の下肢または左右の上肢の麻痺は対麻痺、左右の上肢および下肢の麻痺は四肢麻痺である。

片麻痺はどれか。
脱健着患
片麻痺等のある者や片腕の持続点滴患者の衣類の着脱(介助)時には脱健着患が原則で、脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。
- 左腕から脱がせ、左腕から着せる。
- 左腕から脱がせ、右腕から着せる。
- 右腕から脱がせ、左腕から着せる。
- 右腕から脱がせ、右腕から着せる。
- 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
- 左袖から脱ぎ、左袖から着る。
- 右袖から脱ぎ、左袖から着る。
- 右袖から脱ぎ、右袖から着る。
片麻痺のある患者の車椅子への移乗介助
左片麻痺のある患者の車椅子への移乗時は、麻痺のない右側に車椅子を約15~30度の角度で近づけ、車椅子の外側の肘掛け部分に右手を置いて立ち上がり、右足を軸に体を回転して腰を下ろす(右片麻痺では麻痺のない左側に角度を付けて車椅子を近づける)。

左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。
ボディメカニクス
動作の安定には、両足を開くなどして体重を支える床面積(支持基底面)を広げること、腰を下げるなど支持基底面に重心を近づける(重心を低くする)ことで向上する。
- 重心位置を低くする。
- 足を閉じた姿勢にする。
- 底が滑らかな素材の靴を履く。
- 重心線を支持基底面の中心より遠くする。
- 両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
- 両足を前後に開き、両膝を曲げる。
- 両足をそろえ、両膝を伸ばす。
- 両足をそろえ、両膝を曲げる。
入浴の効果
温浴効果により、手足の末梢血管が拡張し、血行が促進(循環血液量の増加)される(温熱作用)。また、筋肉の緊張が緩み、リラックス効果、腰痛・肩こりの緩和、睡眠促進などの効果が認められる。
- 筋緊張が増す。
- 末梢血管が拡張する。
- 慢性疼痛が増強する。
- 循環血液量が減少する。
- 鎮静作用
- 浮力作用
- 抗酸化作用
- 静水圧作用
全身清拭
清拭時の温度は40℃程度が適しているが、準備時間やタオルで湯を絞る際に温度が下がるため、洗面器に準備する湯の温度は50〜55℃とされる。
- 20〜25℃
- 30〜35℃
- 40〜45℃
- 50〜55℃
口腔ケア
義歯の下の歯茎や粘膜の衛生を保つため、口腔ケア時や就寝時には義歯を外すことが望ましい。口腔ケアは、歯肉出血がある場合でも、含嗽ができない場合でも、経口摂取をしていない場合でも実施する(できる)。
- 歯肉出血がある場合は実施しない。
- 含嗽ができない患者には禁忌である。
- 経口摂取の有無に関係なく実施する。
- 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。
- 就寝時に外す。
- 熱湯で洗浄する。
- 保管時は乾燥させる。
- 総義歯は奥歯を起点に外す。
洗髪の介助
洗髪の介助では、40℃前後のお湯で、頭をあまり揺らさず、地肌を傷つけないように指の腹で揉むように洗う。なお、耳栓をする場合、脱脂綿は吸水力があるため不適当である。
- 30℃の湯をかける。
- 脱脂綿で耳栓をする。
- 指の腹を使って洗う。
- 強い振動を加えて洗う。
足浴
足浴は全身浴と比べて心臓への負担が少なく、血行や睡眠の促進効果が認められる。湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。
- 食欲増進
- 睡眠の促進
- 筋緊張の亢進
- 皮膚温の低下
- 26〜28℃
- 32〜34℃
- 38〜40℃
- 44〜46℃
陰部洗浄
陰部洗浄に用いる湯は、湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。
- 30〜31℃
- 34〜35℃
- 38〜39℃
- 42〜43℃
爪の切り方
爪の割れや剥がれを防止し、接触する人や物を傷つけることのないように、爪の長さは指の先端と同じにし、角に丸みを出す。深爪は爪の内側の皮膚等に感染や炎症を引き起こすおそれがあるため避ける。

爪のケアとして適切な切り方はどれか。
患者の安全・安楽を守る看護技術
転倒・転落の防止
ベッドからの移乗・移動時の転倒・転落事故や、転落時の重大事故を避けるため、転倒・転落の危険性がある患者の場合は端座位時に足底が床につく高さが望ましい。
- 夜間はおむつを使用する。
- 履物はスリッパを使用する。
- 離床センサーの使用は控える。
- 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。
転倒・転落リスクを高める薬
降圧薬による血圧の低下により、起立性低血圧などめまいやふらつき、意識障害が起こり、転倒・転落を起こすリスクが高まる。
- 降圧薬
- 抗凝固薬
- 気管支拡張薬
- 副腎皮質ステロイド薬
転倒による骨折部位
大腿骨頸部は、大腿骨の骨頭を支える部分であり、骨盤と関節を作っている。加齢や運動低下に伴う骨密度の減少した高齢者の転倒により、骨折が多くみられる(大腿骨頸部骨折)部位である。

大腿骨頸部はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- 頭蓋骨
- 肩甲骨
- 肋骨
- 尾骨
- 大腿骨
与薬時の誤認防止
患者の誤認を防止するため、名前(フルネーム)の聞き取りや、入院時から付ける患者識別バンド(ネームバンド)により、本人の確認・照合を行う。
- 診察券
- お薬手帳
- 健康保険証
- ネームバンド
滅菌物の取り扱い
●鉗子の先端を高くすると消毒液が持ち手部分に垂れるなど清潔ではないため、水平より低く保つ。
●滅菌パックで個包装された鑷子(ピンセット)を取り出す際は先端を下向きに、外部環境に触れないように閉じた状態で取り出す。
●滅菌バックは、開封面を上向きに、ハサミを用いずに外側にめくるように手で開く。
●滅菌包みは、清潔な内側には触れず、外側の端を手でつまんで開く。
- 鉗子の先端は水平より高く保つ。
- 鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
- 滅菌パックはハサミを用いて開封する。
- 滅菌包みは布の内側の端を手でつまんで開く。
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)
オートクレーブを用いた滅菌を高圧蒸気滅菌といい、乾熱滅菌等に比べて低温・短時間での滅菌ができる。ただし、高温・高圧に耐えない器具(軟性内視鏡等)には用いない。
- 乾熱滅菌
- プラズマ滅菌
- 高圧蒸気滅菌
- 酸化エチレンガス滅菌
診療に伴う看護技術
経腸栄養法
経腸栄養法は、口からの食事が十分でない者に対して消化管機能を活用するもので、投与のルートやチューブの留置箇所により経鼻経管栄養法や胃瘻などがある。不適切な経腸栄養剤の浸透圧、投与量・速度、または栄養剤の細菌感染等により、下痢症状が生じることがある。
- 咳嗽
- 脱毛
- 下痢
- 血尿
経鼻経管栄養法
経鼻胃管による栄養注入などを実施する際、先端が胃内にない場合、誤嚥等の事故につながるおそれがある。注入前に胃内容物を吸引し、胃液等を確認することで、胃内に胃管の先端が留置されていることを確認する必要がある。また、注入時に栄養剤の逆流を防ぐため、上半身を45度程度上げる半坐位(ファウラー位)が適している。
- 腹部を打診する。
- 肺音の聴取を行う。
- 胃管に水を注入する。
- 胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。
- 砕石位
- 半坐位
- 腹臥位
- Sims〈シムス〉位
鼻孔から噴門の長さ
鼻孔から噴門(胃の入り口)は、個人差もあるが45〜55cmとされる。経鼻経管栄養法では、チューブの先端を留置する長さを決める際に目安となる。
- 5〜15cm
- 25〜35cm
- 45〜55cm
- 65〜75cm
点滴静脈内注射
持続点滴静脈内注射は、主に肘や手首から離れた前腕内側の末梢静脈が選択される。
- 足背
- 鼠径
- 前腕内側
- 肘関節付近
点滴静脈内注射時の血管外漏出
点滴静脈内注射の際に、刺入部位の腫脹や疼痛、発赤などが生じた場合、血管外漏出の初期症状である。周辺組織の炎症や壊死につながり、重症化するおそれもあるため、直ちに注入を中止する必要がある。
- 疼痛
- 水疱
- 潰瘍
- 皮膚壊死
- 体位を変える。
- 注入を中止する。
- 刺入部位を挙上する。
- 周囲のマッサージを行う。
輸液ポンプ
点滴静脈内注射で使用する輸液ポンプは、輸液や薬剤を一定の速度・正確な量で投与するための医療機器で、輸液ポンプに設定する項目は輸液の流量と予定量である。
- 感染の防止
- 薬液の温度管理
- 薬物の効果判定
- 薬液の注入速度の調整
- 薬剤名
- 終了時間
- 投与月日
- 1時間あたりの流量
成人用輸液セット1mL当たり滴下数
成人用輸液セット1mL当たりの滴下数は20滴である。
- 20滴
- 40滴
- 60滴
- 80滴
1分間の輸液セット滴下数の計算
1分あたりの輸液セット滴下数は、(総輸液量×1mLあたりの滴下数)÷時間(分)で計算する。
一般用輸液セット(20滴≒1ml)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。
- 19滴
- 25滴
- 50滴
- 75滴
血中濃度の上昇が最も速い与薬方法
静脈内注射は、直接薬剤を血管内に投与し、全身に循環されるため、薬剤の血中濃度の上昇は最も速い。
- 坐薬
- 経口薬
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
等張液
5%ブドウ糖液や生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)は、血漿と浸透圧がほぼ等しい等張液である。
- 5%
- 10%
- 20%
- 50%
- 0.9%
- 5%
- 9%
- 15%
高張液の希釈
15%塩化カリウムの原液投与は、高カリウム血症による不整脈や心停止を起こす危険があり、必ず5%ブドウ糖液や0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水)などの等張液で希釈して用いる。
- 5%ブドウ糖
- 15%塩化カリウム
- 0.9%塩化ナトリウム
- 7%炭酸水素ナトリウム
中心静脈からの投与
高カロリー輸液は、輸液剤の浸透圧が高く(高張液)、静脈炎等を引き起こすおそれがあるため、中心静脈から投与される(中心静脈栄養法〈TPN〉)。等張液である生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)や5%ブドウ糖液は末梢静脈から投与できる。
- 脂肪乳剤
- 生理食塩液
- 5%ブドウ糖液
- 高カロリー輸液
気胸
気胸は、原因の一つとして外傷により胸膜が損傷し、胸腔内に空気が漏れ出て肺が縮むことをいう。中心静脈カテーテルを用いて高カロリー輸液などを投与する際、中心静脈のそばにある肺を誤って穿刺すると、気胸が生じるおそれがある。
- 肺炎
- 気胸
- 嗄声
- 無気肺
採血検査の注射部位
成人の採血においては前腕の静脈が多く用いられ、橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈などが選択される。
- 外頸静脈
- 大腿静脈
- 大伏在静脈
- 肘正中皮静脈
静脈血採血の手順
静脈血採血を行う際は、駆血帯を採血部位の5~10cm上部(中枢側)に巻き、21~23Gの太さの注射針で、血管の走行に合わせ10~30度の角度で刺入する。採血後はアルコール消毒綿を軽く当ててまっすぐ抜針し、刺入部位を5分程度圧迫止血する。
- 14G
- 18G
- 22G
- 26G
- 10〜30度
- 35〜40度
- 55〜60度
- 75〜80度

正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
- 採血部位から2、3cm中枢側に駆血帯を巻く。
- 血管の走行に合わせ60度の角度で刺入する。
- 採血後は刺入部位を圧迫しながら抜針する。
- 刺入部位は5分以上圧迫し、止血する。
筋肉内注射の角度
筋肉内注射は、皮下組織の奥にある筋肉内に直接注射するため、確実に届くように45~90度の角度で刺入する。
- 皮下注射
- 皮内注射
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
皮下注射の手順
皮下注射では、23~25Gの注射針を使用し、皮下脂肪が5mm以上の部位の皮膚をつまみ上げ、10~30度の角度で刺入する。
- 注射部位を伸展する。
- 注射針は18〜20Gを使用する。
- 針の刺入角度は45〜90度にする。
- 皮下脂肪が5mm以上の部位を選択する。
酸素ボンベ等の取り扱い
酸素は燃焼を助ける性質が強いガスであり、酸素ボンベ等の保管場所は火気厳禁である。また、酸素吸入時等には、周囲2メートル以内に火気を置いてはならない。
- 横に倒して保管する。
- 保管場所は火気厳禁とする。
- バルブを開放して保管する。
- 日当たりの良い場所で保管する。
- 携帯電話
- ライター
- 電動歯ブラシ
- 磁気ネックレス

酸素の流量を調節するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
ベンチュリーマスク
ベンチュリーマスクは酸素療法で用いる酸素投与器具で、色別されたダイリューターで24~50%の酸素濃度を調節し、酸素流量を設定することで、患者の1回換気量に左右されず安定した投与ができる。

酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- 鼻カニューレ
- フェイスマスク
- ベンチュリーマスク
- リザーバー付酸素マスク
- 最適な酸素流量は18L/分である。
- 酸素流量に関係なく加湿器が必要である。
- 24〜50%の安定した吸入酸素濃度が得られる。
- マスクに空気を溜めることのできるバッグがある。
鼻腔内吸引
鼻腔内吸引は、吸引カテーテルを用いて鼻腔内の喀痰を体外に吸い出すものである。カテーテルは、鼻孔粘膜を傷つけないように陰圧(吸引圧)をかけずに深部まで挿入し、陰圧をかけて回転させながら引き抜きつつ吸引する。1回の吸引時間は10~15秒を目安し、できるだけ短時間とする(低酸素血症の防止)。
- 無菌操作で行う。
- 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
- 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
- 吸引チューブを回転させながら吸引する。
- 10〜15秒
- 20〜25秒
- 30〜35秒
- 40〜45秒
気管内吸引
気管内吸引では、挿入開始から終了までの時間は15秒以内にすることが推奨され、30秒以上実施した場合、動脈血酸素飽和度〈SaO2〉が低下し、低酸素血症をきたすことがある。また、気管の粘膜を傷つけないために吸引圧は-100〜-150mmHgに調整する。
- 嘔吐
- 感染
- 低酸素血症
- 気道粘膜の損傷
- 血圧
- 体温
- 血糖
- 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉
- -100〜-150mmHg
- -200〜-250mmHg
- -300〜-350mmHg
- -400〜-450mmHg
無菌操作
無菌操作は、外科処置による感染リスクを抑えるため、滅菌された防護具、滅菌器具を用いて、無菌状態を保持しながら取り扱うことをいう。原則無菌状態である下気道に挿管する気管内吸引では、細菌感染による肺炎等の予防のため無菌操作を行う。なお、上気道は常在菌や弱毒菌が存在するため、鼻腔吸引や口腔内吸引などでは無菌操作までは必要としない。
- 鼻腔吸引
- 気管内吸引
- 口腔内吸引
- 胃内容物の吸引
体位ドレナージ
体位ドレナージは、痰が貯留した肺の部位を上にした体位をとり、重力により気道分泌物の排出(排痰)を促すことをいい、実施前後に気管内吸引を行う。
- 痛みの軽減
- 睡眠の導入
- 排痰の促進
- 廃用症候群の予防
一次救命処置(BLS)の手順
一次救命処置(BLS)の手順としては、傷病者の反応がない場合、応援を呼ぶ・通報する・自動体外式除細動器〈AED〉を要請する。その上で呼吸がない場合または死戦期呼吸の場合、胸骨圧迫30回(約5cmの強さ、100~120回/分の速さ)と人工呼吸2回の組み合わせによる処置を行う。なお、正常な呼吸がある場合は、回復体位(横向きに寝た姿勢)にして気道を確保する。
( )に入るのはどれか。
- 5
- 10
- 30
- 50
- 2cm
- 5cm
- 8cm
- 11cm
- 下肢を挙上する。
- 胸骨圧迫を行う。
- 回復体位をとる。
- 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。
自動体外式除細動器〈AED〉
自動体外式除細動器〈AED〉は、緊急性の高い致死性不整脈である心室細動を電気ショックによって取り除く(除細動)装置であり、医師以外の一般人にも使用が認められている。電極パッドは心臓を挟む形で右前胸部と左側胸部の位置に貼り付けて使用する。
- 心房細動
- 心室細動
- 心房性期外収縮
- Ⅰ度房室ブロック
適切なのはどれか。
直流除細動器〈DC〉
直流除細動器は、電気ショックにより不整脈を治療する装置で、AEDとは異なり医療機関内で医師等が用いる。
- 呼吸の促進
- 血圧の降下
- 不整脈の治療
- 意識レベルの評価
- 血圧の上昇
- 呼吸の促進
- 洞調律の回復
- 意識レベルの回復
トリアージタグ
トリアージ(災害時等の治療優先度の決定)の際にはトリアージタグ(識別票)を利用し、傷病者の緊急度に応じて、優先順に赤(Ⅰ:最優先治療群・重症群)、黄(Ⅱ:非緊急治療群・中等症群)、緑(Ⅲ:軽処置群・軽症群)、黒(0:不処置群・死亡群)と分類する。
- 死亡群
- 保留群
- 最優先治療群
- 待機的治療群
- 脱臼
- 気道熱傷
- 足関節捻挫
- 過換気症候群
けいれん発作・意識障害がある患者への救命救急処置
全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。
- 気道確保
- 周囲の環境整備
- 末梢静脈路の確保
- 心電図モニターの装着
- 保温
- 輸液
- 酸素吸入
- 気道確保
圧迫止血法
失血を防ぐための圧迫止血法には、ガーゼなどで出血部位を強く押さえる直接圧迫止血法と、出血部位に近い中枢側(心臓側)の動脈を手や指で圧迫する(用手)間接圧迫止血法がある。
- 腋窩動脈
- 尺骨動脈
- 大腿動脈
- 橈骨動脈
- 鎖骨下動脈
- 腋窩動脈
- 上腕動脈
- 橈骨動脈
包帯法の原則
包帯法では、使用部位や創部の程度、用途に応じて、伸縮包帯や弾性包帯などを使い分ける。また、血流を阻害しないため患部は強く圧迫せず、静脈の環流を妨げないよう末梢から中枢に向かって巻く。
- 患部を強く圧迫する。
- 屈伸可能な関節は固定する。
- 中枢から末梢に向けて巻く。
- 使用部位によって包帯を使い分ける。
環行帯
環行帯は、包帯法の巻き始めと巻き終わりに用いる巻き方で、同じ箇所に重ねて巻くものをいう。

環行帯の巻き方で正しいのはどれか。
- A
- B
- C
- D
創傷の治癒
感染を伴わない創傷の治療において、現在は湿潤療法が基本で、消毒液ではなく水で洗浄し、乾燥しないように創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する。なお、ガーゼは乾燥を促進するため用いない。
- 乾燥
- 消毒
- 洗浄
- ガーゼ保護
- 圧迫
- 痂皮
- 湿潤
- 消毒
- 浮腫
褥瘡発生の予測スケール
Braden〈ブレーデン〉スケールは褥瘡発生の予測(リスクアセスメント)に用いるもので、①知覚の認知、②湿潤、③活動性、④可動性、⑤栄養状態、⑥摩擦とずれの6項目で評価される。
- ブリストルスケール
- Borg〈ボルグ〉スケール
- Braden〈ブレーデン〉スケール
- グラスゴー・コーマ・スケール
- 湿潤
- 循環
- 体圧
- 年齢
褥瘡のステージ分類
褥瘡の重症度は深達度によって分類され、NPUAP(米国褥瘡諮問委員会)のステージ分類が代表的である。ステージⅠは消退しない発赤、ステージⅡは部分欠損(水疱形成の場合がある)、ステージⅢは全層皮膚欠損、ステージⅣは全層組織欠損とされる。
- Ⅰ
- Ⅱ
- Ⅲ
- Ⅳ
仰臥位における褥瘡の好発部位
仰臥位は仰向けに横たわる体位をいい、仰臥位で圧力が集中する後頭部、肩甲骨部、肘部、仙骨部、踵骨部は褥瘡の好発部位である。
- 踵骨部
- 内顆部
- 膝関節部
- 大転子部
- 仙骨部
- 内顆部
- 腸骨稜部
- 大転子部
温罨法
温罨法は、湯たんぽなどにより身体の一部に温熱刺激を与える方法である。効果としては、血管の拡張、血流の増加、新陳代謝の促進、平滑筋の弛緩、感覚・痛覚神経の興奮の鎮静(疼痛緩和)などが認められる。
- 平滑筋が緊張する。
- 局所の血管が収縮する。
- 還流血流量が減少する。
- 痛覚神経の興奮を鎮静する。
ゴム製湯たんぽ
温罨法で用いられるゴム製湯たんぽは、60℃程度のお湯を約3分の2程度入れて、空気を抜いて使用する。
- 40℃程度
- 60℃程度
- 80℃程度
- 100℃程度
冷罨法
冷罨法は、冷却による局所の炎症の抑制や解熱などの効果がある。冷罨法で用いられる氷枕の作成にあたっては、氷は半分程度にする、乾いたタオルで巻く、内部の空気は抜く、水漏れがないことを確認する。
- 氷を隙間なく入れる。
- 濡れたタオルで覆う。
- 内部の空気は残しておく。
- 水漏れがないことを確認する。
- 腸蠕動の促進
- 筋緊張の除去
- 機能訓練の前処置
- 局所の炎症の抑制
乾性罨法・湿性罨法
温罨法と冷罨法には、乾いた状態で器具を用いる乾性罨法、湿った状態で器具を用いる湿性罨法があり、上記湯たんぽや氷枕は乾いた状態で用いるため乾性罨法、湿布の一つである冷パップは湿性罨法である。
- 氷枕
- 冷パップ
- 湯たんぽ
- 電気あんか
テーマ別過去問題まとめ
- 国民衛生の動向でみる看護師国家試験の統計問題まとめ
- 国民衛生の動向でみる看護師国家試験の法律問題まとめ
- 国民衛生の動向でみる看護師国家試験の感染症問題まとめ
- 国民衛生の動向でみる看護師国家試験の介護保険制度問題まとめ
- 看護師国家試験必修問題まとめ(1)【国民衛生の動向対応】
- 看護師国家試験必修問題まとめ(2)【看護の倫理・対象】
- 看護師国家試験必修問題まとめ(3)【人体の構造と機能・健康障害・薬物】
- 看護師国家試験必修問題まとめ(4)【看護技術】
年次別過去問題まとめ
- 第111回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第110回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第109回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第108回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第107回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第106回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第105回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第104回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第103回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
- 第102回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答