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第106回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第106回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答

平成29年2月19日(日)に実施された第106回看護師国家試験について、全問題の正答と解説を示します。

また、「国民衛生の動向2023/2024」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

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国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第106回看護師国家試験目次

 

 

第106回看護師国家試験・必修問題(50問)

 

 

▶午前1改題

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。

 

  1. 2.5
  2. 102.5
  3. 302.5
  4. 502.5

 

 


 
▶午前2改題

令和3年(2021年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈STD〉報告数で最も多いのはどれか。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 性器ヘルペス
  4. 淋菌感染症

 

 


 
▶午前3改題

令和2年(2020年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約400億円
  2. 約4,000億円
  3. 約4兆円
  4. 約40兆円

 

 


 
▶午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 
▶午前5

看護師の業務従事者届の届出の間隔として規定されているのはどれか。

 

  1. 1年
  2. 2年
  3. 5年
  4. 10年

 

 


 
▶午前6

標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。

 

  1. 生後3か月
  2. 生後6か月
  3. 生後9か月
  4. 生後12か月

 

 


 
▶午前7

第二次性徴による身体の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 精通
  2. 体重減少
  3. 内臓脂肪の増加
  4. 第1大臼歯の萌出

 

 


 
▶午前8

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 尿量の増加
  2. 味覚の感度の向上
  3. 体温調節能の低下
  4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進

 

 


 
▶午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 


 
▶午前11

大動脈に血液を送り出す部位はどれか。

 

  1. 左心室
  2. 右心室
  3. 左心房
  4. 右心房

 

 


 
▶午前12

喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 頭蓋内
  2. 気道
  3. 食道
  4. 胆道

 

 


 
▶午前13

胸痛を訴えるのはどれか。

 

  1. 髄膜炎
  2. 腎結石
  3. 急性心筋梗塞
  4. Ménière〈メニエール〉病

 

 


 
▶午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 


 
▶午前16

目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

 

  1. 睡眠薬
  2. 鎮痛薬
  3. 抗うつ薬
  4. 抗血栓薬

 

 


 
▶午前17

医薬品表示を別に示す。
gekiyaku
劇薬の表示で正しいのはどれか。

 

 

 


 
▶午前18

自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分摂取の介助を控える。
  2. 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
  3. 食事内容が見える位置に食器を配置する。
  4. 患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。

 

 


 
▶午前19

足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

 

  1. 食欲増進
  2. 睡眠の促進
  3. 筋緊張の亢進
  4. 皮膚温の低下

 

 


 
▶午前22

点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。

 

  1. 体位を変える。
  2. 注入を中止する。
  3. 刺入部位を挙上する。
  4. 周囲のマッサージを行う。

 

 


 
▶午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 


 
▶午前21

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 乾熱滅菌
  2. プラズマ滅菌
  3. 高圧蒸気滅菌
  4. 酸化エチレンガス滅菌

 

 


 
▶午前23

成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。

 

  1. -100〜-150mmHg
  2. -200〜-250mmHg
  3. -300〜-350mmHg
  4. -400〜-450mmHg

 

 


 
▶午前24

包帯法の原則として適切なのはどれか。

 

  1. 患部を強く圧迫する。
  2. 屈伸可能な関節は固定する。
  3. 中枢から末梢に向けて巻く。
  4. 使用部位によって包帯を使い分ける。

 

 


 
▶午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 
▶午後1改題

日本の令和4年(2022年)の死亡数はどれか。

 

  1. 約57万人
  2. 約97万人
  3. 約157万人
  4. 約197万人

 

 


 
▶午後2改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 


 
▶午後3

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

 

  1. ヒ素
  2. フロン
  3. 窒素酸化物
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶午後4

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 高齢社会対策基本法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律

 

 


 
▶午後5

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

 

  1. 疾病の回復
  2. 医師の補助
  3. 苦痛の緩和
  4. 薬剤の投与

 

 


 
▶午後6

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

 

  1. 在胎10週ころ
  2. 在胎18週ころ
  3. 在胎26週ころ
  4. 在胎34週ころ

 

 


 
▶午後7

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

 

  1. 診察券
  2. お薬手帳
  3. 健康保険証
  4. ネームバンド

 

 


 
▶午後8

基礎代謝量が最も多い時期はどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年期
  3. 向老期
  4. 老年期

 

 


 
▶午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 


 
▶午後10

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

 

  1. 医師で構成される。
  2. 各病棟に配置される。
  3. アウトブレイク時に結成される。
  4. 感染症に関するサーベイランスを行う。

 

 


 
▶午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 


 
▶午後12

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

 

  1. 死ぬことへの諦め
  2. 延命のための取り引き
  3. 死を認めようとしない否認
  4. 死ななければならないことへの怒り

 

 


 
▶午後13

下血がみられる疾患はどれか。

 

  1. 肝囊胞
  2. 大腸癌
  3. 卵巣癌
  4. 腎盂腎炎

 

 


 
▶午後14

無尿の定義となる1日の尿量はどれか。

 

  1. 0mL
  2. 100mL未満
  3. 400mL未満
  4. 700mL未満

 

 


 
▶午後15

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. コレラ
  3. A型肝炎
  4. インフルエンザ

 

 


 
▶午後16

水痘の症状はどれか。

 

  1. 耳下腺の腫脹
  2. 両頰部のびまん性紅斑
  3. 水疱へと進行する紅斑
  4. 解熱前後の斑状丘疹性発疹

 

 


 
▶午後17

血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。

 

  1. 5%
  2. 10%
  3. 20%
  4. 50%

 

 


 
▶午後18

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-20
  3. Ⅲ-100
  4. Ⅲ-300

 

 


 
▶午後19

グリセリン浣腸を実施する際、腸管孔の危険性が最も高い体位はどれか。

 

  1. 立位
  2. 仰臥位
  3. 腹臥位
  4. 左側臥位

 

 


 
▶午後20

体位を図に示す。
Sims〈シムス〉位はどれか。

 

106pm20

 

 


 
▶午後21

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

  1. 体重(g)÷身長(cm)2×10
  2. 体重(g)÷身長(cm)3×104
  3. 体重(kg)÷身長(m)2
  4. (実測体重(kg)-標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100

 

 


 
▶午後22

針刺し事故によって感染するのはどれか。

 

  1. RSウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. ヘルペスウイルス
  4. サイトメガロウイルス

 

 


 
▶午後23

氷枕の作り方で適切なのはどれか。

 

  1. 氷を隙間なく入れる。
  2. 濡れたタオルで覆う。
  3. 内部の空気は残しておく。
  4. 水漏れがないことを確認する。

 

 


 
▶午後24

一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。

 

  1. 2〜3cm
  2. 5〜6cm
  3. 8〜9cm
  4. 11〜12cm

 

 


 
▶午後25

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

 

  1. 脱臼
  2. 気道熱傷
  3. 足関節捻挫
  4. 過換気症候群

 

 

 

第106回看護師国家試験・一般問題(130問)

 

 

▶午前10(必修除外)

ヒューマンエラーによる医療事故を防止するための対策で最も適切なのはどれか。

 

  1. 性格検査の実施
  2. 事故発生時の罰則の規定
  3. 注意力強化のための訓練の実施
  4. 操作を誤りにくい医療機器の導入

 

 


 

▶午前15(必修除外)

せん妄の誘発因子はどれか。

 

  1. 身体拘束
  2. 心血管障害
  3. 低栄養状態
  4. 電解質バランス異常

 

 


 

▶午前26

単層円柱上皮はどれか。

 

  1. 表皮
  2. 腹膜
  3. 膀胱

 

 


 

▶午前27

角加速度を感知するのはどれか。

 

  1. 耳管
  2. 前庭
  3. 耳小骨
  4. 半規管

 

 


 

▶午前28

縦隔に含まれるのはどれか。

 

  1. 胸腺
  2. 副腎
  3. 甲状腺

 

 


 

▶午前29

膵液について正しいのはどれか。

 

  1. 弱アルカリ性である。
  2. 糖質分解酵素を含まない。
  3. セクレチンによって分泌量が減少する。
  4. Langerhans〈ランゲルハンス〉島のβ細胞から分泌される。

 

 


 

▶午前30

ホルモンと分泌部位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. サイロキシン――副甲状腺
  2. テストステロン――前立腺
  3. バソプレシン――副腎皮質
  4. プロラクチン――下垂体前葉

 

 


 

▶午前31

腹部CTを別に示す。
106am31
矢印で示す部位について正しいのはどれか。

 

  1. 肥満細胞で構成される。
  2. 厚さはBMIの算出に用いられる。
  3. 厚い場合は洋梨型の体型の肥満が特徴的である。
  4. 厚い場合はメタボリックシンドロームと診断される。

 

 


 

▶午前32

放射線療法について正しいのはどれか。

 

  1. Gyは吸収線量を表す。
  2. 主に非電離放射線を用いる。
  3. 電子線は生体の深部まで到達する。
  4. 多門照射によって正常組織への線量が増加する。

 

 


 

▶午前33

Alzheimer〈アルツハイマー〉病で正しいのはどれか。

 

  1. 基礎疾患として高血圧症が多い。
  2. 初期には記銘力障害はみられない。
  3. アミロイドβタンパクが蓄積する。
  4. MRI所見では前頭葉の萎縮が特徴的である。

 

 


 

▶午前34

ペースメーカー装着患者における右心室ペーシング波形の心電図を別に示す。
106am34
心電図の記録速度は通常の25mm/秒であり、矢印で示した小さなノッチがペースメーカーからの電気刺激が入るタイミングを示している。
心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。

 

  1. 30/分以上、50/分未満
  2. 50/分以上、70/分未満
  3. 70/分以上、90/分未満
  4. 90/分以上、99/分以下

 

 


 
▶午前35

労働者災害補償保険法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業時の教育訓練給付金
  2. 災害発生時の超過勤務手当
  3. 有害業務従事者の健康診断
  4. 業務上の事故による介護補償給付

 

 


 
▶午前36

高齢者における肺炎の三次予防はどれか。

 

  1. 口腔内の衛生管理
  2. 肺炎球菌ワクチンの接種
  3. 呼吸リハビリテーション
  4. 健康診断での胸部エックス線撮影

 

 


 

▶午前37

患者と看護師の関係において、ラポールを意味するのはどれか。

 

  1. 侵されたくない個人の空間
  2. 人間対人間の関係の確立
  3. 意図的な身体への接触
  4. 自己開示

 

 


 

▶午前38

看護における情報について正しいのはどれか。

 

  1. 尺度で測定された患者の心理状態は主観的情報である。
  2. 入院費用に関する患者の不安は客観的情報である。
  3. 観察した食事摂取量は客観的情報である。
  4. 既往歴は主観的情報である。

 

 


 

▶午前39

Barré〈バレー〉徴候の査定の開始時と判定時の写真を別に示す。
106am39
左上肢のBarré〈バレー〉徴候陽性を示すのはどれか。

 

 

 


 

▶午前40

入院中の妻を亡くした直後の夫へのグリーフケアで最も適切なのはどれか。

 

  1. 妻の話を夫とすることは避ける。
  2. 夫の悲嘆が軽減してからケアを開始する。
  3. 夫が希望する場合は死後の処置を一緒に行う。
  4. 妻を亡くした夫のためのサポートグループへの参加を促す。

 

 


 

▶午前41

ヨード制限食が提供されるのはどれか。

 

  1. 甲状腺シンチグラフィ
  2. 慢性腎不全の治療
  3. 肝臓の庇護
  4. 貧血の治療

 

 


 

▶午前42

体位が身体に与える影響について正しいのはどれか。

 

  1. 座位から仰臥位になると楽に呼吸ができる。
  2. 立位と比較して座位の方が収縮期血圧は低い。
  3. 仰臥位から急に立位になると脈拍が速くなる。
  4. 立位からTrendelenburg〈トレンデレンブルグ〉位になると収縮期血圧が下降する。

 

 


 

▶午前43

洗髪を行うときに、患者のエネルギー消費が最も少ない体位はどれか。

 

  1. 仰臥位
  2. 端座位
  3. 起座位
  4. Fowler〈ファウラー〉位

 

 


 

▶午前44

前腕部からの動脈性の外出血に対する用手間接圧迫法で血流を遮断するのはどれか。

 

  1. 鎖骨下動脈
  2. 腋窩動脈
  3. 上腕動脈
  4. 橈骨動脈

 

 


 
▶午前45

看護師が医療事故を起こした場合の法的責任について正しいのはどれか。

 

  1. 罰金以上の刑に処せられた者は行政処分の対象となる。
  2. 事故の程度にかかわらず業務停止の処分を受ける。
  3. 民事責任として業務上過失致死傷罪に問われる。
  4. 刑法に基づき所属施設が使用者責任を問われる。

 

 


 
▶午前46

疾患と原因となる生活習慣の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 低血圧症――飲酒
  2. 心筋梗塞――長時間労働
  3. 悪性中皮腫――喫煙
  4. 1型糖尿病――過食

 

 


 
▶午前47

自動体外式除細動器〈AED〉による電気的除細動の適応となるのはどれか。

 

  1. 心静止
  2. 心房細動
  3. 心室細動
  4. 房室ブロック

 

 


 

▶午前48

術中の仰臥位の保持によって発生することがある腕神経叢麻痺の原因はどれか。

 

  1. 上腕の持続的圧迫
  2. 前腕の回外の持続
  3. 肘関節の持続的圧迫
  4. 上肢の90度以上の外転

 

 


 

▶午前49

点滴静脈内注射によって抗癌薬を投与している患者の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 悪心は薬で緩和する。
  2. 留置針は原則として手背に挿入する。
  3. 血管痛がある場合は直ちに留置針を差し替える。
  4. 2回目以降の投与では過敏症の症状の確認は必要ない。

 

 


 

▶午前50

Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。
このときの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 面会は制限しない。
  2. 水分制限を厳しくする。
  3. Aさんに仰臥位を維持してもらう。
  4. 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。

 

 


 
▶午前51

Aさん(42歳、女性)は、3日前から微熱と強い全身倦怠感を自覚したため病院を受診したところ、肝機能障害が認められ、急性肝炎の診断で入院した。1か月前に生の牡蠣を摂取している。Aさんはこれまで肝臓に異常を指摘されたことはなく、家族で肝臓疾患を罹患した者はいない。
Aさんが罹患した肝炎について正しいのはどれか。

 

  1. 細菌感染である。
  2. 劇症化する危険性がある。
  3. 慢性肝炎に移行しやすい。
  4. インターフェロン療法を行う。

 

 


 

▶午前52

ホルモン負荷試験について正しいのはどれか。

 

  1. ホルモン分泌異常を生じている部位の推定に用いる。
  2. 分泌異常が疑われるホルモンを投与する。
  3. 前日の夕食から禁食にする。
  4. 入院が必要である。

 

 


 

▶午前53

乳癌の自己検診法の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 月経前に行う。
  2. 年に1回実施する。
  3. 指先を立てて乳房に触る。
  4. 乳房の皮膚のくぼみの有無を観察する。

 

 


 

▶午前54

高齢者の看護において目標志向型思考を重視する理由で最も適切なのはどれか。

 

  1. 疾患の治癒促進
  2. 老化現象の進行の抑制
  3. 病態の関連図の作成の効率化
  4. 生活全体を豊かにするケアの実践

 

 


 

▶午前55

高齢者の活動と休息のリズムの調整について最も適切なのはどれか。

 

  1. 午前中に日光を浴びる機会をつくる。
  2. 昼食後に入浴する。
  3. 昼寝をしない。
  4. 就寝前に水分を多く摂る。

 

 


 

▶午前56

加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 咳嗽反射が低下する。
  2. 口腔内の残渣物が減る。
  3. 唾液の粘稠度が低下する。
  4. 食道入口部の開大が円滑になる。

 

 


 

▶午前57

Aさん(85歳、女性)は、両側の感音難聴で「音は聞こえるけれど、話の内容が聞き取れないので困っています」と話した。
Aさんに対する看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 大きな声で話す。
  2. 話の内容をより詳しく説明する。
  3. Aさんが文字盤を使えるようにする。
  4. 看護師の口の動きが見えるように話す。

 

 


 
▶午前58

Lewy〈レビー〉小体型認知症の初期にみられる症状はどれか。

 

  1. 幻視
  2. 失語
  3. 脱抑制
  4. 人格変化

 

 


 
▶午前59改題

介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 介護老人福祉施設
  3. 介護療養型医療施設
  4. 介護医療院

 

 


 
▶午前60

出産や育児に関する社会資源と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 入院助産――児童福祉法
  2. 出産扶助――母体保護法
  3. 出産手当金――母子保健法
  4. 養育医療――児童手当法

 

 


 

▶午前61

Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経と診断された。
今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。

 

  1. 血糖値
  2. 骨吸収
  3. 体脂肪率
  4. エストロゲン

 

 


 
▶午前62

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉で正しいのはどれか。

 

  1. 婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。
  2. 暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。
  3. 暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。
  4. 母子健康センターは被害者の保護をする。

 

 


 
▶午前63

妊婦の感染症と児への影響の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 風疹――白内障
  2. 性器ヘルペス――聴力障害
  3. トキソプラズマ症――先天性心疾患
  4. 性器クラミジア感染症――小頭症

 

 


 

▶午前64

Aさん(68歳、女性)は、胃癌のため入院した。入院初日に「夫も癌になって、亡くなる前に痛みで苦しんでいました。私も痛みが怖いんです」と言った。看護師は、Aさんが夫のように苦しむことへの恐怖や不安があることが分かり、Aさんとともに対処法について考えた。
この時点での患者―看護師関係の段階はどれか。

 

  1. 方向付け
  2. 同一化
  3. 開拓利用
  4. 問題解決

 

 


 

▶午前65

訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。

 

  1. 訪問看護報告書は外来看護師に提出する。
  2. 利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。
  3. 利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。
  4. 訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。

 

 


 

▶午前66

Aさん(42歳、女性)は、交通事故による脊髄損傷で入院し、リハビリテーションを受けた。Aさんの排泄の状況は、間欠的導尿による排尿と、坐薬による3日に1回の排便である。同居する夫と実母が導尿の指導を受け、退院することになった。初回の訪問看護は退院後3日目とし、その後は訪問看護を週2回受けることになった。
入院していた医療機関から提供された患者情報のうち、初回訪問のケア計画を立案するのに最も優先度の高い情報はどれか。

 

  1. 食事の摂取量
  2. 1日の導尿回数
  3. 最終排便の日時
  4. リハビリテーションの内容

 

 


 

▶午前67

A君(6歳、男児)は、父母と姉との4人で暮らしている。3歳児健康診査で運動機能の発達の遅延を指摘され、5歳のときにDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーの確定診断を受けた。現在は、床からの立ち上がり動作に介助が必要である。見守りが必要ではあるが、室内の歩行は自立している。在宅支援サービスは利用していない。A君の外来受診時に母親から「最近、Aの世話をしていると、8歳の姉が私にしがみついて離れないので困ります」と看護師に相談があった。
このときの看護師の対応で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 姉の小学校の養護教諭に家庭訪問を依頼する。
  2. 姉にA君の歩行の見守りをさせるよう勧める。
  3. 短期入所を利用して父母と姉とで旅行するよう勧める。
  4. 居宅介護を利用して母が姉と関わる時間を確保することを提案する。

 

 


 

▶午前68

在宅で訪問看護師が行う要介護者の入浴に関する援助で適切なのはどれか。

 

  1. 入浴前後に水分摂取を促す。
  2. 浴室の換気は入浴直前に行う。
  3. 浴槽に入っている間に更衣の準備をする。
  4. 入浴前の身体状態の観察を家族に依頼する。

 

 


 

▶午前69

Aさん(65歳、女性)は、夫と実父との3人暮らしである。脊柱管狭窄症の術後、地域包括ケア病棟に入院中である。退院後は自宅に戻り室内で車椅子を利用する予定である。Aさんの障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-1である。
看護師による家族への指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 家族の生活習慣を中心に屋内環境を整備する。
  2. 夜間の車椅子によるトイレへの移動は制限する。
  3. 退院後の生活の課題に応じて福祉用具を選定する。
  4. ベッドから車椅子への移動介助にリフトの導入を勧める。

 

 


 
▶午前70

特定行為に係る看護師の研修制度に関して正しいのはどれか。

 

  1. 特定行為は診療の補助行為である。
  2. 研修は都道府県知事が指定する研修機関で実施する。
  3. 研修を受けるには10年以上の実務経験が必要である。
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律に定められている。

 

 


 

▶午前71

ある組織では、リーダーの支援の下でグループ討議を経て方針を決定している。
このリーダーシップスタイルはどれか。

 

  1. 委任的リーダーシップ
  2. 参加的リーダーシップ
  3. 教示的リーダーシップ
  4. カリスマ的リーダーシップ

 

 


 

▶午前72

Aさん(32歳、女性)は小児専門の病院に勤務していたが、国際保健医療協力プログラムで中央アフリカ地域の州事務所に母子保健担当の看護師として派遣された。この地域は長く紛争が続き、母子の健康状態が不良と聞いた。
Aさんが現地で最初に行う業務はどれか。

 

  1. 経口補水液の配布
  2. 乳幼児の栄養状態の把握
  3. 女性の識字率向上の支援
  4. 病院における母子看護業務の把握

 

 


 

▶午前73

最も順応しにくいのはどれか。

 

  1. 視覚
  2. 嗅覚
  3. 味覚
  4. 触覚
  5. 痛覚

 

 


 

▶午前74

起立性低血圧について正しいのはどれか。

 

  1. 脱水との関連はない。
  2. 高齢者には起こりにくい。
  3. 塩分の過剰摂取によって起こる。
  4. 脳血流の一時的な増加によって生じる。
  5. 自律神経障害を起こす疾患で生じやすい。

 

 


 
▶午前75改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。

 

  1. 23.7歳
  2. 25.7歳
  3. 27.7歳
  4. 29.7歳
  5. 31.7歳

 

 


 
▶午前76

人獣共通感染症で蚊が媒介するのはどれか。

 

  1. Q熱
  2. 黄熱
  3. 狂犬病
  4. オウム病
  5. 重症熱性血小板減少症候群〈SFTS〉

 

 


 
▶午前77

医療職や介護職の業務で法律に規定されているのはどれか。

 

  1. 介護福祉士は訪問看護ができる。
  2. 薬剤師は薬を処方することができる。
  3. 臨床検査技師は肘静脈から採血ができる。
  4. 看護師は病院の管理者となることができる。
  5. 診療放射線技師はエックス線写真に基づく診断ができる。

 

 


 

▶午前78

思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。

 

  1. 自我同一性の獲得
  2. 心理的離乳
  3. 愛着形成
  4. 探索行動
  5. 母子分離

 

 


 

▶午前79

排泄が自立していない男児の一般尿を採尿バッグを用いて採取する方法で正しいのはどれか。

 

  1. 採尿バッグに空気が入らないようにする。
  2. 採尿口の下縁を陰茎の根元の位置に貼付する。
  3. 採尿バッグを貼付している間は座位とする。
  4. 採取できるまで1時間ごとに貼り替える。
  5. 採取後は貼付部位をアルコール綿で清拭する。

 

 


 

▶午前80

Aちゃん(6歳、女児)は、左上腕骨顆上骨折と診断され、牽引治療のために入院した。医師からAちゃんと家族に対し、牽引と安静臥床の必要性を説明した後、弾性包帯を用いて左上肢の介達牽引を開始した。
Aちゃんに対する看護で適切なのはどれか。

 

  1. 食事を全介助する。
  2. 左手指の熱感を観察する。
  3. 抑制ジャケットを装着する。
  4. 1日1回は弾性包帯を巻き直す。
  5. 痛みに応じて牽引の重錘の重さを変更する。

 

 


 
▶午前81

精神科病院の閉鎖病棟に入院中の患者宛てに厚みのある封筒が届いた。差出人は記載されていなかった。
当日の看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 患者に渡さず破棄する。
  2. 患者による開封に立ち会う。
  3. 開封せず患者の家族に転送する。
  4. 看護師が開封して内容を確認してから患者に渡す。
  5. 退院まで開封せずにナースステーションで保管する。

 

 


 

▶午前82

潰瘍性大腸炎の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 遺伝性である。
  2. 直腸に好発する。
  3. 縦走潰瘍が特徴である。
  4. 大腸癌の危険因子である。
  5. 大量の水様性下痢が特徴である。

 

 


 
▶午前83

児童相談所について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国が設置する。
  2. 児童福祉司が配置されている。
  3. 母親を一時保護する機能を持つ。
  4. 知的障害に関する相談を受ける。
  5. 児童の保健について正しい衛生知識の普及を図る。

 

 


 
▶午前84

国際生活機能分類〈ICF〉の構成要素はどれか。2つ選べ。

 

  1. 参加
  2. 休息
  3. 社会的不利
  4. 生活関連動作
  5. 心身機能・構造

 

 


 

▶午前85

Aさん(48歳、男性)は、右眼の視野に見えにくい部位があることに気付き眼科を受診した。暗い部屋で見えにくいことはない。頭痛や悪心はない。
Aさんの疾患を診断するのに必要な検査はどれか。2つ選べ。

 

  1. 脳波検査
  2. 色覚検査
  3. 眼圧測定
  4. 眼底検査
  5. 眼球運動検査

 

 


 
▶午前86

麻疹に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 合併症として脳炎がある。
  2. 感染力は発疹期が最も強い。
  3. 効果的な抗ウイルス薬がある。
  4. 2回のワクチン定期接種が行われている。
  5. エンテロウイルスの感染によって発症する。

 

 


 

▶午前87

Aさん(30歳、女性)。月経周期は28日型で規則的である。5日間月経があり、現在、月経終了後14日が経過した。
この時期のAさんの状態で推定されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 排卵後である。
  2. 乳房緊満感がある。
  3. 子宮内膜は増殖期である。
  4. 基礎体温は低温相である。
  5. 子宮頸管の粘液量が増加する。

 

 


 

▶午前88

入院集団精神療法において、看護師が担うリーダーの役割で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者間の発言量を均等にする。
  2. 沈黙も意味があると受け止める。
  3. メンバーの座る位置を固定する。
  4. 患者の非言語的サインに注目する。
  5. 話題が変わった場合はすぐに戻す。

 

 


 
▶午前89

精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。
  2. 障害者基本法の対象は身体障害と精神障害の2障害と規定されている。
  3. 発達障害者支援法における発達障害の定義には統合失調症が含まれる。
  4. 精神通院医療の公費負担は精神保健福祉法による自立支援医療で規定されている。
  5. 犯罪被害者等基本法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。

 

 


 
▶午前90

災害拠点病院について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 広域災害医療に対応する。
  2. 災害発生時に指定される。
  3. 医療救護班の派遣機能を持つ。
  4. 免震構造であることが指定要件である。
  5. 救急救命士の配置が義務付けられている。

 

 


 

▶午後26

刺激伝導系でないのはどれか。

 

  1. 腱索
  2. 洞房結節
  3. 房室結節
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 


 

▶午後27

アルドステロンで正しいのはどれか。

 

  1. 近位尿細管に作用する。
  2. 副腎髄質から分泌される。
  3. ナトリウムの再吸収を促進する。
  4. アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。

 

 


 

▶午後28

慢性閉塞性肺疾患について正しいのはどれか。

 

  1. 残気量は減少する。
  2. %肺活量の低下が著明である。
  3. 肺コンプライアンスは上昇する。
  4. 可逆性の気流閉塞が特徴である。

 

 


 

▶午後29

腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか。

 

  1. 高齢の女性に多発する。
  2. 診断にはMRIが有用である。
  3. 好発部位は第1・2腰椎間である。
  4. 急性期では手術による治療を行う。

 

 


 
▶午後30

配偶者暴力相談支援センターの機能はどれか。

 

  1. 一時保護
  2. 就労の仲介
  3. 外傷の治療
  4. 生活資金の給付

 

 


 
▶午後31改題

施行日が最も新しい法律はどれか。

 

  1. 高齢社会対策基本法
  2. 高齢者の医療の確保に関する法律
  3. 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
  4. 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉

 

 


 
▶午後32

保健師助産師看護師法に定められているのはどれか。

 

  1. 免許取得後の臨床研修が義務付けられている。
  2. 心身の障害は免許付与の相対的欠格事由である。
  3. 看護師籍の登録事項に変更があった場合は2か月以内に申請する。
  4. 都道府県知事は都道府県ナースセンターを指定することができる。

 

 


 

▶午後34

車椅子による移送で適切なのはどれか。

 

  1. エレベーターの中で方向転換する。
  2. 急な下り坂では前向きに車椅子を進める。
  3. ティッピングレバーを踏み、段差を乗り越える。
  4. 移乗する前にフットレスト〈足のせ台〉を下げる。

 

 


 
▶午後35

病室環境に適した照度はどれか。

 

  1. 100〜200ルクス
  2. 300〜400ルクス
  3. 500〜600ルクス
  4. 700〜800ルクス

 

 


 

▶午後36

検査の目的と採尿方法の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 細菌の特定――中間尿
  2. 腎機能の評価――杯分尿
  3. 肝機能の評価――24時間尿
  4. 尿道の病変の推定――早朝尿

 

 


 
▶午後37

職業病や労働災害の防止、より健康的な労働環境の確保および労働者の健康の向上を目的としている法律はどれか。

 

  1. 労働組合法
  2. 労働基準法
  3. 労働安全衛生法
  4. 労働関係調整法

 

 


 

▶午後38

合併症のない全身状態が良好な患者に対して、全身麻酔のための気管挿管を行い用手換気をしたところ、左胸郭の挙上が不良であった。
原因として考えられるのはどれか。

 

  1. 無気肺
  2. 食道挿管
  3. 片肺挿管
  4. 換気量不足

 

 


 

▶午後39

脳出血の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「食材にこんにゃくを入れると良いですよ」
  2. 「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」
  3. 「口の左側に食べ物を入れるようにしましょう」
  4. 「飲み込むときに咳が出なければ誤嚥の心配はありません」

 

 


 

▶午後40

自助具を図に示す。
関節リウマチによって肩関節に痛みがある患者の関節保護のための自助具として最も適切なのはどれか。

 

106pm40

 

 


 

▶午後41

Aさん(59歳、女性)は、半年前に下咽頭癌で放射線治療を受けた。口腔内が乾燥し、水を飲まないと話すことも不自由なことがある。
Aさんに起こりやすいのはどれか。

 

  1. う歯
  2. 顎骨壊死
  3. 嗅覚障害
  4. 甲状腺機能亢進症

 

 


 

▶午後42

1型糖尿病と診断された人への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。
  2. 食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。
  3. 低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。
  4. 運動は朝食前が効果的である。

 

 


 

▶午後43

アレルギー性鼻炎について正しいのはどれか。

 

  1. 食後に症状が増悪する。
  2. Ⅳ型アレルギーである。
  3. スクラッチテストで原因を検索する。
  4. アレルゲンの除去は症状の抑制に有効である。

 

 


 

▶午後44

他動運動による関節可動域〈ROM〉訓練を行うときの注意点で適切なのはどれか。

 

  1. 有酸素運動を取り入れる。
  2. 等尺性運動を取り入れる。
  3. 近位の関節を支持して行う。
  4. 痛みがある場合は速く動かす。

 

 


 
▶午後45

Aさん(80歳、女性)は、要介護となったため長男家族(長男50歳、長男の妻45歳、18歳と16歳の孫)と同居することとなった。在宅介護はこの家族にとって初めての経験である。
Aさんの家族が新たな生活に適応していくための対処方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 活用できる在宅サービスをできる限り多く利用する。
  2. 家族が持つニーズよりもAさんのニーズを優先する。
  3. 介護の負担が特定の家族に集中しないように家族で話し合う。
  4. 10代の子どもを持つ家族の発達課題への取り組みを一時保留にする。

 

 


 
▶午後46改題

令和4年(2022年)の就業構造基本調査における65歳以上75歳未満の高齢者の就業について正しいのはどれか。

 

  1. 女性では就業している者の割合は40%以上である。
  2. 就業していない者よりも就業している者の割合が多い。
  3. 就業していない者のうち40%以上が就業を希望している。
  4. 就業している者のうち非正規職員・従業員の割合は成人期より多い。

 

 


 

▶午後47

高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔はない。
Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。

 

  1. 直腸の便塊の有無を確認する。
  2. 止痢薬の処方を医師に依頼する。
  3. 1日の水分摂取量を800mL程度とする。
  4. 食物繊維の少ない食事への変更を提案する。

 

 


 

▶午後48

老年期のうつ病に特徴的な症状はどれか。

 

  1. 幻覚
  2. 感情鈍麻
  3. 心気症状
  4. 着衣失行

 

 


 

▶午後49

高齢者に術後の呼吸器合併症が発症しやすい理由で正しいのはどれか。

 

  1. 残気量の減少
  2. 肺活量の低下
  3. 嚥下反射の閾値の低下
  4. 気道の線毛運動の亢進

 

 


 
▶午後50

学童期の肥満について正しいのはどれか。

 

  1. 肥満傾向児は肥満度30%以上と定義される。
  2. 肥満傾向児は高学年より低学年が多い。
  3. 肥満傾向児は男子より女子が多い。
  4. 成人期の肥満に移行しやすい。

 

 


 

▶午後51

外性器異常が疑われた新生児の親への対応として適切なのはどれか。

 

  1. 出生直後に性別を伝える。
  2. 内性器には異常がないことを伝える。
  3. 出生直後に母児の早期接触を行わない。
  4. 出生届は性別保留で提出できることを説明する。

 

 


 

▶午後52

受胎のメカニズムで正しいのはどれか。

 

  1. 排卵は黄体形成ホルモン〈LH〉の分泌が減少して起こる。
  2. 卵子の受精能力は排卵後72時間持続する。
  3. 受精は卵管膨大部で起こることが多い。
  4. 受精後2日で受精卵は着床を完了する。

 

 


 

▶午後53

成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。

 

  1. 経口避妊薬は女性が主導で使用できる。
  2. コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
  3. 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
  4. 子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。

 

 


 

▶午後55

Aさん(65歳、男性)は、胃癌を疑われ検査入院した。入院時、認知機能に問題はなかった。不眠を訴え、入院翌日からベンゾジアゼピン系の睡眠薬の内服が開始された。その日の夜、Aさんは突然ナースステーションに来て、意味不明な内容を叫んでいた。翌朝、Aさんは穏やかに話し意思疎通も取れたが「昨夜のことは覚えていない」と言う。
Aさんの昨夜の行動のアセスメントで最も適切なのはどれか。

 

  1. 観念奔逸
  2. 感情失禁
  3. 妄想気分
  4. 夜間せん妄

 

 


 
▶午後56

2人以上の精神保健指定医による診察結果の一致が要件となる入院形態はどれか。

 

  1. 応急入院
  2. 措置入院
  3. 医療保護入院
  4. 緊急措置入院

 

 


 

▶午後57

Aさん(65歳、男性)は、肺気腫で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザにかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。
訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 喀痰の性状
  2. 胸痛の有無
  3. 関節痛の有無
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2

 

 


 
▶午後58

地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県を単位として構築することが想定されている。
  2. 75歳以上の人口が急増する地域に重点が置かれている。
  3. 本人・家族の在宅生活の選択と心構えが前提条件とされている。
  4. 地域特性にかかわらず同じサービスが受けられることを目指している。

 

 


 
▶午後59

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

 

  1. 育成医療
  2. 居宅療養管理指導
  3. 共同生活援助〈グループホーム〉
  4. 介護予防通所リハビリテーション

 

 


 

▶午後60

Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の多発性硬化症で在宅療養をしている。脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、膀胱直腸障害および尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己導尿を行い、排便は訪問看護師が浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。
Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。

 

  1. 入浴はシャワー浴とする。
  2. 介助型の車椅子を利用する。
  3. ベッドの高さは最低の位置で固定する。
  4. セルフカテーテルはトイレに保管する。

 

 


 
▶午後61

医療の標準化を目的に活用されているのはどれか。

 

  1. コーピング
  2. クリニカルパス
  3. エンパワメント
  4. コンサルテーション

 

 


 

▶午後62

Aさん(27歳、男性)は、地震によって倒壊した建物に下腿を挟まれていたが、2日後に救出された。既往歴に特記すべきことはない。
注意すべき状態はどれか。

 

  1. 尿崩症
  2. 高カリウム血症
  3. 低ミオグロビン血症
  4. 代謝性アルカローシス

 

 


 
▶午後63

災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。

 

  1. 傷病者を病名によって分類する。
  2. 危険区域と安全区域を分けることである。
  3. 医療資源の効率的な配分のために行われる。
  4. 救命が困難な患者に対する治療を優先する。

 

 


 
▶午後64

国際保健に関する機関について正しいのはどれか。

 

  1. 国際協力機構〈JICA〉は国境なき医師団の派遣を行う。
  2. 国連開発計画〈UNDP〉は労働者の健康保護の勧告を行う。
  3. 世界保健機関〈WHO〉は国際疾病分類〈ICD〉を定めている。
  4. 赤十字国際委員会〈ICRC〉は国際連合〈UN〉の機関の1つである。

 

 


 

▶午後65

女性の骨盤腔内器官について腹側から背側への配列で正しいのはどれか。

 

  1. 尿道――肛門管――腟
  2. 腟――尿道――肛門管
  3. 肛門管――腟――尿道
  4. 尿道――腟――肛門管
  5. 腟――肛門管――尿道

 

 


 
▶午後66

公的年金制度について正しいのはどれか。

 

  1. 学生は申請によって納付が免除される。
  2. 生活保護を受けると支給が停止される。
  3. 保険料が主要財源である。
  4. 任意加入である。
  5. 積立方式である。

 

 


 
▶午後67

健康に影響を及ぼす生活環境とそれを規定している法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 上水道水質――汚濁防止法
  2. 飲食店――食品衛生法
  3. 家庭ごみ――悪臭防止法
  4. 学校環境――教育基本法
  5. 住宅用の建築材料――環境基本法

 

 


 
▶午後68

チェーンソーの使用によって生じるのはどれか。

 

  1. じん肺
  2. 視力低下
  3. 心筋梗塞
  4. 肘関節の拘縮
  5. Raynaud〈レイノー〉現象

 

 


 

▶午後69

Aさん(61歳、男性)は、水分が飲み込めないため入院した。高度の狭窄を伴う進行食道癌と診断され、中心静脈栄養が開始された。入院後1週、Aさんは口渇と全身倦怠感を訴えた。意識は清明であり、バイタルサインは脈拍108/分、血圧98/70mmHgであった。尿量は1,600mL/日で、血液検査データは、アルブミン3.5g/dL、AST〈GOT〉45IU/L、ALT〈GPT〉40IU/L、クレアチニン1.1mg/dL、血糖190mg/dL、Hb11.0g/dLであった。
Aさんの口渇と全身倦怠感の要因として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 低栄養
  3. 高血糖
  4. 腎機能障害
  5. 肝機能障害

 

 


 

▶午後70

病的な老化を示すのはどれか。

 

  1. 肝臓の萎縮
  2. 動脈の粥状硬化
  3. 毛様体筋の機能低下
  4. 心筋の弾性線維の減少
  5. 膀胱の平滑筋の線維化

 

 


 

▶午後71

生後1か月の男児。Hirschsprung〈ヒルシュスプルング〉病と診断され、生後6日、回腸部にストーマ造設術を行った。術後の経過は良好であり、退院に向けてストーマケアに関する指導を行うことになった。
母親に対する指導として適切なのはどれか。

 

  1. 「面板をはがした部位はタオルで拭いてください」
  2. 「ストーマ装具の交換は授乳直後に行ってください」
  3. 「ストーマから水様の便が出る時は受診してください」
  4. 「ストーマ装具の交換は滅菌手袋を装着して行ってください」
  5. 「ストーマ装具は便を捨てる部分が体の外側に向くように貼ってください」

 

 


 

▶午後73

ホメオスタシスに関与するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 味蕾
  2. 筋紡錘
  3. 痛覚受容器
  4. 浸透圧受容器
  5. 中枢化学受容体

 

 


 

▶午後74

眼球内での光の通路に関与するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 強膜
  2. 脈絡膜
  3. 毛様体
  4. 硝子体
  5. 水晶体

 

 


 

▶午後75

排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 直腸平滑筋は弛緩する。
  2. 呼息位で呼吸が止まる。
  3. 外肛門括約筋は収縮する。
  4. 内肛門括約筋は弛緩する。
  5. 腹腔内圧は安静時より低下する。

 

 


 

▶午後76

急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。

 

  1. 好中球浸潤
  2. CRPの上昇
  3. リンパ球浸潤
  4. 形質細胞の浸潤
  5. 血管透過性の亢進

 

 


 

▶午後77

狭心症の治療に用いる薬はどれか。2つ選べ。

 

  1. アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
  2. スルホニル尿素薬
  3. ジギタリス製剤
  4. 抗血小板薬
  5. 硝酸薬

 

 


 

▶午後78

出血傾向を把握するために重要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血糖値
  2. 血清鉄
  3. 血小板数
  4. アルカリフォスファターゼ値
  5. 活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉

 

 


 

▶午後79

胃食道逆流症について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 食道の扁平上皮化生を起こす。
  2. 上部食道括約筋の弛緩によって生じる。
  3. 食道炎の程度と症状の強さが一致する。
  4. プロトンポンプ阻害薬が第一選択の治療法である。
  5. Barrett〈バレット〉上皮は腺癌の発生リスクが高い。

 

 


 

▶午後80

患者の自立支援で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 不足している知識を補う。
  2. 発病前の生活習慣を尊重する。
  3. 支援目標を看護師があらかじめ定める。
  4. できないことに焦点を当てて行動を修正する。
  5. 支援者である看護師が上位の関係が望ましい。

 

 


 

▶午後81

腹圧性尿失禁のケアとして適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 下腹部を保温する。
  2. 骨盤底筋群訓練を促す。
  3. 定期的な水分摂取を促す。
  4. 恥骨上部の圧迫を指導する。
  5. 尿意を感じたら早めにトイレへ行くことを促す。

 

 


 

▶午後82

手段的日常生活動作〈IADL〉はどれか。2つ選べ。

 

  1. 食事
  2. 洗濯
  3. 入浴
  4. 更衣
  5. 買い物

 

 


 

▶午後83

開放性損傷はどれか。2つ選べ。

 

  1. 切創
  2. 打撲傷
  3. 擦過創
  4. 皮下出血
  5. 内臓損傷

 

 


 
▶午後84

児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 児童がよい環境の中で育てられることを定めている。
  2. 児童の権利に関する条約を受けて制定された。
  3. 児童が人として尊ばれることを定めている。
  4. 保護者の責務を定めている。
  5. 違反すると罰則規定がある。

 

 


 

▶午後85

急性中耳炎で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 片側ずつ鼻をかむ。
  2. 耳垢は毎日除去する。
  3. 入浴時は耳栓を使用する。
  4. 大声を出させないようにする。
  5. 発熱時は耳漏の有無を確認する。

 

 


 

▶午後86

Aさん(50歳、女性)は、急に体が熱くなったり汗をかいたりし、夜は眠れなくなり疲れやすさを感じるようになった。月経はこの1年間で2回あった。
Aさんのホルモンで上昇しているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. エストロゲン
  2. プロラクチン
  3. プロゲステロン
  4. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  5. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉

 

 


 

▶午後87

医療現場における暴力について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 精神科に特有のものである。
  2. 病室環境は誘因にならない。
  3. 目撃者は被害者に含まれない。
  4. 暴力予防プログラムに合わせて対処する。
  5. 発生を防止するためには組織的な体制の整備が重要である。

 

 


 
▶午後88

精神医療におけるピアサポーターの活動について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 訪問活動は禁止されている。
  2. 活動には専門家の同行が条件となる。
  3. ピアサポーター自身の回復が促進される。
  4. 精神保健医療福祉サービスの利用を終了していることが条件となる。
  5. 自分の精神障害の経験を活かして同様の体験をしている人を支援する。

 

 


 

▶午後89

6%A消毒液を用いて、医療器材の消毒用の0.02%A消毒液を1,500mL作るために必要な6%A消毒液の量を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:①.②mL

 

 


 

▶午後90

体重9.6kgの患児に、小児用輸液セットを用いて体重1kg当たり1日100mLの輸液を行う。このときの1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②滴/分

 

 

 

第106回看護師国家試験・状況設定問題(60問)

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

 

▶午前91

Aさんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 脱水がある。
  2. 閉塞性黄疸である。
  3. 膵炎を発症している。
  4. 急性腎不全を発症している。
  5. 鉄欠乏性貧血の可能性がある。

 

 


 

▶午前92

腹部造影CTにて膵頭部癌が疑われ、内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉が行われ、膵液細胞診と膵管擦過細胞診とが行われた。また、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ〈ENBD〉が行われ、ドレナージチューブが留置された。処置後18時間、チューブからの排液は良好で、腹痛はなく、Aさんはチューブが固定されている鼻翼の違和感を訴えている。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍76/分、血圧128/80mmHgであった。血液検査データは、総ビリルビン11.2mg/dL、直接ビリルビン8.2mg/dL、アミラーゼ96IU/L、白血球9,800/μL、CRP3.5mg/dLであった。
このときのAさんへの看護で正しいのはどれか。

 

  1. 禁食が続くことを伝える。
  2. ベッド上安静が必要であることを伝える。
  3. 鼻翼にドレナージチューブが接触していないか確認する。
  4. ドレナージチューブを持続吸引器に接続する準備をする。

 

 


 

▶午前93

細胞診の結果、クラスⅤで膵頭部癌と診断された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。術後、中心静脈栄養法〈IVH〉を行ったがインスリンの投与は必要ないと判断された。経過は良好であり、食事が開始された。
このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 便秘が起こりやすい。
  2. 脂質の制限は不要である。
  3. カロリー制限が必要となる。
  4. ダンピング症状が起こりやすい。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(25歳、男性)は、オートバイの単独事故による交通外傷で救急病院に入院した。外傷部位は左上下肢で、左脛骨骨折に対しては長下肢ギプス固定をした。左前腕部は不全切断で、再接着術が行われた。

 

▶午前94

入院後3日、左足趾のしびれと足背の疼痛を訴えた。
看護師の観察で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 膝窩動脈を触知する。
  2. 足背の皮膚色を観察する。
  3. 足趾の屈伸運動が可能か確認する。
  4. Volkmann〈フォルクマン〉拘縮の有無を確認する。
  5. ギプスを数cmカットして浮腫の有無を確認する。

 

 


 

▶午前95

入院後6日、左前腕部の接着部から末梢側が壊死し、前腕切断術が行われた。術後4日、Aさんは幻肢痛を訴えた。
看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 切断端に弾力包帯を巻く。
  2. 切断端のマッサージを行う。
  3. 肘関節を屈曲したままにする。
  4. 鎮痛薬では幻肢痛を軽減できないことを説明する。

 

 


 

▶午前96

下肢は長下肢ギプスから膝蓋腱支持ギプスに変更され、左上肢は義肢が装着されて自宅へ退院することになった。
Aさんに対する退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 外出を控えるように指導する。
  2. 左前腕部に意識を集中しないように説明する。
  3. 義肢を装着して動作訓練を計画的に進めるよう指導する。
  4. 受傷前と同じ日常生活動作〈ADL〉ができることを目標に指導する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。Aさんは介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎が疑われてトイレ付きの個室に移動した。

 

▶午前97

感染症の拡大を予防する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 使い捨ての食器に変える。
  2. 汚物の付着した衣類は焼却処分する。
  3. 排泄介助を行う看護師はガウンを装着する。
  4. Aさんの手指を速乾性擦式の手指消毒薬で消毒する。
  5. Aさんが触れた歩行器を80%エタノールで清拭する。

 

 


 

▶午前98

Aさんは下痢と嘔吐の症状が続き、発症当日の夜から、集中力の低下と頻脈とがみられた。口渇はない。翌朝は症状が軽減したものの、午後になり見当識障害も現れた。
Aさんに起きている状態として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 脱水
  2. 硬膜下血腫
  3. 認知症の中核症状
  4. 隔離による拘禁症状

 

 


 

▶午前99

発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージⅠの褥瘡が出現した。嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。
この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 壊死組織の除去
  2. エアマットレスの使用
  3. 撥水性の高いクリームの塗布
  4. 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。

 

▶午前100

看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「尿量を計測してください」
  2. 「手術まで外来の受診はありません」
  3. 「予防接種の時期は主治医と相談してください」
  4. 「オムツを交換するたびに尿道口を消毒してください」

 

 


 

▶午前101

A君は1歳3か月になり、尿道形成術を行うために入院した。手術当日、点滴静脈内注射による持続点滴と尿道カテーテルが挿入された状態で帰室した。創部の陰茎全体はガーゼとフィルムドレッシング材で保護されていた。手術翌日、ガーゼに茶褐色の血液が付着していた。創部が排便で汚染されており、ガーゼを外すと創部に軽度腫脹がみられているが膿の付着はない。尿道カテーテルの周囲から尿が漏れていた。A君は「ママ」と言い不機嫌に泣いている。体温37.0℃、呼吸数28/分、脈拍120/分、血圧100/58mmHgであった。
この時点のA君の状態として最も可能性が高いのはどれか。

 

  1. 創部痛はない。
  2. 出血が続いている。
  3. 創部の感染を起こしている。
  4. 尿道カテーテルが閉塞している。

 

 


 

▶午前102

A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。
指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「水分は控えましょう」
  2. 「入浴は避けましょう」
  3. 「1日1回導尿をしましょう」
  4. 「腹ばいの姿勢は避けましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。

 

▶午前103

定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHgであった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。
母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 感染予防
  2. 筋緊張の緩和
  3. 排便コントロール
  4. 呼吸機能の悪化予防
  5. 睡眠パターンのコントロール

 

 


 

▶午前104

A君の食事について看護師が母親に尋ねると「食べこぼしが多く、食べながらうとうとしてしまい時間がかかるし、十分な量も食べられていません」と話した。
A君の食事に関する母親への指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「経腸栄養剤の開始について医師と相談しましょう」
  2. 「ホームヘルパーの依頼を検討しましょう」
  3. 「食事時間を20分以内にしましょう」
  4. 「ペースト食にしてみましょう」

 

 


 

▶午前105

現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。
母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。

 

  1. 乳児院
  2. 病児保育
  3. 情緒障害児短期入所施設
  4. レスパイトを目的とする入院
  5. ファミリーサポートセンター

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。

 

▶午前106

児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 呼吸数
  3. 心拍数
  4. 排尿回数
  5. 排便回数

 

 


 

▶午前107

生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。
児の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 手足を伸ばして寝かせる。
  2. 異常な反射があったと医師に報告する。
  3. 腹部の紅斑が散在している部位を消毒する。
  4. 腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。

 

 


 

▶午前108

生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。
児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「体温は低下します」
  2. 「便の回数は減ります」
  3. 「おむつは外して行います」
  4. 「直接授乳は続けましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(38歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。

 

▶午前109

入院後1週が経過した。Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 話題を変える。
  2. 気分転換を促す。
  3. すぐに良くなると励ます。
  4. 自殺しないことをAさんに約束してもらう。

 

 


 

▶午前110

入院後4週が経過した。昨日は、午前中ホールに1回出てきたが、すぐに病室に戻ってしまった。今朝、看護師がホールに出てきたAさんに「おはようございます」と声を掛けたところ、「おはよう」と答えただけで病室に戻ってしまった。夕方には他の患者とも会話をしたり、一緒にテレビを見たりするようになった。看護師が気分について尋ねると「まだ死にたい気持ちが残っている」と話した。
このときのAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 過活動である。
  2. 気分には日内変動がある。
  3. 自分に注目して欲しいと思っている。
  4. 行動の回復と感情の回復に差が生じている。
  5. 看護師に声を掛けられたことに怒りを感じている。

 

 


 

▶午前111

入院後3か月が経過した。Aさんは気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。
Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 転職を勧める。
  2. 上司との面会を設定する。
  3. 再発のサインを一緒に見つける。
  4. 自信が持てるようになるまで待つ。
  5. 作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。

 

▶午前112

入院から1週間の期間に観察すべき項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 浮腫の程度
  2. 過食の有無
  3. 活動量の低下
  4. 嚥下障害の有無
  5. 振戦せん妄の有無

 

 


 

▶午前113

入院後2週が経過した。Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。ベッド上でストレッチを2時間行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。
看護師の関わりとして適切なのはどれか。

 

  1. 体重測定の回数を増やす。
  2. 鏡でAさんの全身を映して見せる。
  3. 痩せたいという気持ちについて話し合う。
  4. Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。

 

 


 

▶午前114

入院後3か月が経過した。Aさんは体重が43kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。退院の話題が出ると、Aさんと母親は口論することが多くなった。父親は出張が多く、面会に来たのは一度のみであった。
退院に向けてAさんと家族に勧めることとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 栄養指導
  2. 作業療法
  3. 家族療法
  4. 単身生活の開始

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。

 

▶午前115

救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 心電図波形
  3. 意識レベル
  4. 尿失禁の有無

 

 


 

▶午前116

頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。
このときのAさんの状態はどれか。

 

  1. 低酸素脳症
  2. 脳圧亢進症状
  3. 髄膜刺激症状
  4. 正常圧水頭症

 

 


 

▶午前117

入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。
妻に対する対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「いつもどおり話をしてあげてください」
  2. 「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」
  3. 「リハビリテーションで話せるようになりますよ」
  4. 「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」

 

 


 

▶次の文を読み118、119の問いに答えよ。

Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。

 

▶午前118

Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。
看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「先に公園で待っていてはどうですか」
  2. 「ホームヘルパーの利用をお勧めします」
  3. 「Aさんに買い物はやめるよう話しませんか」
  4. 「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」

 

 


 

▶午前119

ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。
長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 筋力低下の有無
  2. 感染徴候の有無
  3. 認知機能のレベル
  4. 全身の皮膚の状態

 

 


 

▶次の文を読み120の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)は、妻と長男との3人暮らしである。左被殻出血で入院し、歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行い自宅に退院した。退院時の検査所見は、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール140mg/dL、トリグリセリド150mg/dLであった。退院後、週1回の訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、血圧は降圧薬の内服で130/80mmHgであった。右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語があり、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動していた。Aさん宅は、酒屋を自営しており、1階は店舗、トイレおよび浴室、2階に居室がある。各階の移動は手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは構造上できない。Aさんは「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話した。

 

▶午前120

訪問看護計画に取り入れる内容で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 言語訓練
  2. 食事指導
  3. 内服薬の管理
  4. 排便コントロール
  5. 階段を昇降する練習

 

 


 

▶次の文を読み91・92の問いに答えよ。

Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。

 

▶午後91

Aさんの障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準のランクはどれか。

 

  1. ランクA
  2. ランクB
  3. ランクC
  4. ランクJ

 

 


 

▶午後92

Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病による自律神経障害と診断された。
Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。

 

  1. 残尿がある。
  2. 膀胱が萎縮している。
  3. 蓄尿障害が生じている。
  4. 骨盤底筋群の筋力が低下している。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。
既往歴:5年前に大腿骨骨折。
現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

 

▶午後94

入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。
このときの看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 体幹を抑制する。
  2. 家族に夜間の付き添いを依頼する。
  3. ナースステーションにベッドを移動する。
  4. 骨折で入院していることを繰り返し伝える。

 

 


 

▶午後95

入院後8日、理学療法室での訓練が始まった。Aさんはこわばった表情で訓練を受けていた。Aさんは、以前は通所リハビリテーションを利用していたが、人が多い場で落ち着かなくなることがあり、入院前には小規模多機能型居宅介護事業所を利用していたことが家族からの情報で分かった。翌日、理学療法士が「理学療法室に行きましょう」と病室に迎えに来たところ、Aさんは「行きたくない」と嫌がった。
このときのAさんに対する看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 看護師が理学療法室まで付き添う。
  2. 病棟でのリハビリテーションを提案する。
  3. Aさんに再転倒を予防する必要性を説明する。
  4. 小規模多機能型居宅介護事業所の利用を勧める。

 

 


 

▶午後96

入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。
Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 自宅ではコルセットを外してよい。
  2. 家の中での日常生活行動を積極的に行う。
  3. 5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。
  4. ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。

 

▶午後97

看護師が収集すべきAちゃんの情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食欲
  2. 家族歴
  3. 手術歴
  4. 海外渡航歴
  5. 初経の発来の有無

 

 


 

▶午後98

Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4+であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群と診断され入院した。
Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。

 

  1. ナトリウム
  2. カリウム
  3. 蛋白質
  4. 水分
  5. リン

 

 


 

▶午後99

Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用〈有害事象〉として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用〈有害事象〉は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。
Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 日光を避ける。
  2. 体重の測定は毎日行う。
  3. 1か月は学校を欠席する。
  4. 入浴ではなくシャワー浴とする。
  5. 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

 

▶午後100

Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 水分は温かい飲料にする。
  2. 栄養のバランスのよい食物を摂取する。
  3. 1回量を少なくして食べる回数を増やす。
  4. カロリーの高い食物を積極的に摂取する。

 

 


 

▶午後101

このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。
Aさんに生じやすいのはどれか。

 

  1. 便秘
  2. 腰痛
  3. 静脈瘤

 

 


 

▶午後102

Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。
このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所の選択
  2. 乳房の手入れ
  3. 側臥位での睡眠
  4. 妊婦健康診査の受診頻度

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。

 

▶午後103

Aさんの分娩時のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 正期産である。
  2. 適時破水である。
  3. 遷延分娩である。
  4. 分娩時出血量は異常である。

 

 


 

▶午後104

Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「下腹部を温めましょう」
  2. 「水分摂取を控えましょう」
  3. 「腹筋を強化する体操をしましょう」
  4. 「尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行きましょう」

 

 


 

▶午後105

産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。
Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。

 

  1. 左腋窩に冷罨法を行う。
  2. 乳房マッサージを行う。
  3. 3時間ごとの授乳を勧める。
  4. 左乳房での授乳を中止する。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用〈有害事象〉を気にするようになったという話があった。

 

▶午後106

Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「薬は飲まないといけません」
  2. 「薬には副作用があるものですよ」
  3. 「便秘は副作用ではありませんよ」
  4. 「便秘の対処方法を一緒に考えましょう」

 

 


 

▶午後107

診察では幻聴の悪化が認められたため、薬物治療の見直しが行われた。その後、定期的に両親同伴で外来通院を続けた。3か月後、幻聴は改善傾向を示し、規則正しい生活ができるようになった。外来の診察で、悪化した原因を改めて振り返ったところ、Aさんは「半年前から家族に分からないように薬をトイレに捨てていた」と話した。診察後、Aさんからそれを聞いた両親が、医師や看護師の目の前でAさんを大きな声で叱ると、Aさんの表情は険しくなった。
Aさんの両親に勧めるものとして適切なのはどれか。

 

  1. 心理教育
  2. 内観療法
  3. 自律訓練法
  4. 精神分析療法

 

 


 

▶午後108改題

さらに3か月後、家事の手伝いができるようになり、家庭内で落ち着いた日常生活を送れるようになった。Aさんは「自分のことは自分でできるようになって、将来はまた働きたい」と話すようになり、社会復帰に向けて社会資源の利用を検討することになった。
この時点でAさんに紹介する社会資源で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 就労移行支援
  2. 地域活動支援センター
  3. 居宅介護〈ホームヘルプ〉
  4. 短期入所〈ショートステイ〉
  5. 共同生活援助〈グループホーム〉

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。

 

▶午後109

訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 注入する前に排便させる。
  2. 注入中は側臥位を保つようにする。
  3. カテーテルは毎日場所を変えて固定する。
  4. 家族と同じ食事を流動食にして注入する。

 

 


 

▶午後110

訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎を予防するケアの方法を母親に指導することにした。
母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。

 

  1. 腹式呼吸を促す。
  2. 咳嗽の訓練を行う。
  3. 胸郭可動域の訓練を行う。
  4. 含嗽液を用いてうがいをさせる。

 

 


 

▶午後111

母親は「Aは来年の4月には小学校に入学する年齢だけど、入学に向けてどうすればよいのか分からない」と訪問看護師に相談した。
訪問看護師が行う援助として適切なのはどれか。

 

  1. 自宅に教員を派遣できる小学校に連絡する。
  2. Aちゃんが入学できる特別支援学校を紹介する。
  3. 父親に仕事を調整してAちゃんの送迎をするよう勧める。
  4. 教育委員会に小学校入学に関する相談をするよう勧める。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。

 

▶午後112

朝9時、日勤の看護師が訪室したとき、シリンジポンプの閉塞と輸液ポンプの気泡混入の、2つのアラームが作動した。ノルアドレナリンの入ったシリンジは残量があり、乳酸加リンゲル液のボトルが空になっていた。各ポンプおよび各輸液ラインの状況を図に示す。
106pm112
看護師がアラームを停止した後に行うこととして最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 乳酸加リンゲル液を準備する。
  2. ノルアドレナリンを準備する。
  3. 輸液ポンプ内のラインの気泡を除く。
  4. 輸液ラインの閉塞や屈曲がないか確認する。

 

 


 

▶午後113

その直後、看護師はノルアドレナリンの投与量を医師の指示書で確認した。指示書には、午前6時に2mL/時間から1mL/時間へ投与量の減量の指示が記載されていたが、午前9時の投与量は2mL/時間のままであったことに気が付いた。
このときのAさんに対し看護師がアセスメントする項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 血圧
  2. 尿量
  3. 血糖値
  4. 呼吸数

 

 


 

▶午後114

Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。
再発防止策で適切なのはどれか。

 

  1. 薬剤に関する研修会を企画する。
  2. 医療機器の操作方法を再教育する。
  3. インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
  4. 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

 

 


 

▶次の文を読み115、116の問いに答えよ。

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。
既往歴:特記すべきことはない。
身体所見:ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。
検査所見:Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

 

▶午後115

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 貧血である。
  2. 筋肉が傷害されている。
  3. 致死性不整脈が出現しやすい。
  4. 心原性ショックを起こしている。
  5. 利尿薬の使用が必要な状態である。

 

 


 

▶午後116

Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 水分を制限する。
  2. 蛋白質を制限する。
  3. 積極的に運動する。
  4. 生野菜を積極的に摂取する。

 

 


 

▶次の文を読み117、118の問いに答えよ。

Aさん(60歳、男性)は、自宅近くを散歩中に突然の胸痛が出現し、救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルサインは、呼吸数28/分、脈拍100/分、血圧80/40mmHgであった。冷汗が著明で、前胸部から左肩にかけての激痛を訴えていた。問診で狭心症の既往歴があることが分かった。入院時の検査で急性心筋梗塞と診断された。

 

▶午後117

このときの検査所見として適切なのはどれか。

 

  1. 心電図のST上昇
  2. 左肺呼吸音の減弱
  3. クレアチンキナーゼ〈CK〉の下降
  4. 胸部エックス線写真での心陰影の縮小

 

 


 

▶午後118

緊急心臓カテーテル検査で左冠動脈起始部に90%の閉塞を認め、緊急冠動脈バイパス術が行われた。術後5日、集中治療室から一般病棟に転棟した。Aさんは「手術も無事終わって命が助かった。リハビリテーションが大切と聞いたので、頑張って廊下を歩きますよ」と看護師に話した。術後のADL拡大は順調に進み、Aさんは病棟内での200mの歩行が許可されている。胸部症状の出現や心電図の変化は認めない。
Aさんへの心臓リハビリテーションについて適切なのはどれか。

 

  1. 息苦しさが出現したら中止する。
  2. 気分の良いときに階段昇降を勧める。
  3. 衣服の着脱は家族に介助してもらう。
  4. レジスタンストレーニングを中心に行う。

 

 


 

▶次の文を読み119、120の問いに答えよ。

Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。1か月前から発熱、 倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され治療目的で入院した。入院時所見は身長160cm、体重55kg。血圧142/80mmHg。血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。

 

▶午後119

入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 出血傾向
  3. 易感染状態
  4. 腎機能低下

 

 


 

▶午後120

Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「食事の制限はありません」
  2. 「倦怠感が強いときは薬の中止を検討します」
  3. 「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
  4. 「職場復帰に備えて天気の良い日は散歩しましょう」
  5. 「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向