第105回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
平成28年2月14日(日)に実施された第105回看護師国家試験について、全問題の正答と解説を示します。
また、「国民衛生の動向2023/2024」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
厚生の指標増刊
発売日:2023.8.29 定価:2,970円(税込) 432頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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必修問題まとめ
①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
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第112回/第111回/第110回/第109回/第108回/第107回/第106回/第105回/第104回/第103回/第102回
第105回看護師国家試験目次
第105回看護師国家試験・必修問題(50問)
日本の令和4年(2022年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。
- 49%
- 59%
- 69%
- 79%
運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。
- 筋肉量の減少
- 体脂肪率の増加
- 最大換気量の減少
- 基礎代謝量の増加
日本の令和3年(2021年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。
- 振動障害
- 騒音による耳の疾患
- 負傷に起因する疾病
- じん肺症及びじん肺合併症
介護保険の給付はどれか。
- 年金給付
- 予防給付
- 求職者給付
- 教育訓練給付
臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。
- 教育委員会
- 倫理委員会
- 医療事故調査委員会
- 院内感染対策委員会
正期産の定義はどれか。
- 妊娠36週0日から40週6日
- 妊娠37週0日から41週6日
- 妊娠38週0日から42週6日
- 妊娠39週0日から43週6日
日本の女性の平均閉経年齢に最も近いのはどれか。
- 40歳
- 45歳
- 50歳
- 55歳
日本の令和3年(2021年)における家族の世帯構造で最も少ないのはどれか。
- 単独世帯
- 三世代世帯
- 夫婦のみの世帯
- 夫婦と未婚の子のみの世帯
保健所の設置主体で正しいのはどれか。
- 国
- 都道府県
- 社会福祉法人
- 独立行政法人
チーム医療で正しいのはどれか。
- 国家資格を持つ者で構成される。
- リーダーとなる職種を固定する。
- 他施設との間で行うことはできない。
- メンバー間で情報を共有して意思決定をする。
内分泌器官はどれか。
- 乳腺
- 涙腺
- 甲状腺
- 唾液腺
臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。
- 低体温
- 心停止
- 平坦脳波
- 下顎呼吸
高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。
- 45%
- 55%
- 65%
- 75%
徐脈性の不整脈で起こりやすいのはどれか。
- 失語
- 失行
- 失神
- 失明
糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。
- 総ビリルビン
- 総コレステロール
- グリコヘモグロビン
- クレアチニンクリアランス
認知症の中核症状はどれか。
- 幻聴
- 抑うつ
- 希死念慮
- 見当識障害
ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。
- 便秘
- 口内炎
- 低血圧
- 骨粗鬆症
骨盤底筋訓練が最も有効なのはどれか。
- 溢流性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 反射性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
口腔ケアで適切なのはどれか。
- 歯肉出血がある場合は実施しない。
- 含嗽ができない患者には禁忌である。
- 経口摂取の有無に関係なく実施する。
- 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。
注射針を皮膚に対して45〜90度の角度で刺入するのはどれか。
- 皮内注射
- 皮下注射
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。
- 坐薬
- 経口薬
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。
- 血糖
- カリウム
- カルシウム
- アルブミン
ベンチュリーマスクの写真を別に示す。
酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。
- 発災後3~7日
- 発災後2週~1か月
- 発災後半年~3年
- 発災後4年目以降
日本の令和3年(2021年)における男性の平均寿命はどれか。
- 71.47年
- 76.47年
- 81.47年
- 86.47年
日本の令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査における男性の喫煙習慣者の割合はどれか。
- 7.1%
- 27.1%
- 47.1%
- 67.1%
地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。
- 酸素
- 水素
- 窒素
- 二酸化炭素
終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
- アドヒアランス
- リビングウィル
- セカンドオピニオン
- インフォームド・コンセント
医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。
- 静脈内注射
- 診断書の交付
- 末梢静脈路の確保
- 人工呼吸器の設定の変更
学童期の正常な脈拍数はどれか。
- 50〜70/分
- 80〜100/分
- 110〜130/分
- 140〜160/分
加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。
- 腎血流量
- 最大換気量
- 空腹時血糖
- 神経伝導速度
医療法には「診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は[ ]人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定められている。
[ ]に入るのはどれか。
- 16
- 17
- 18
- 19
介護支援専門員が行うのはどれか。
- 通所介護の提供
- 福祉用具の貸与
- 短期入所生活介護の提供
- 居宅サービス計画の立案
成人の膀胱の平均容量はどれか。
- 100mL
- 500mL
- 1,000mL
- 1,500mL
不随意筋はどれか。
- 心筋
- 僧帽筋
- 大殿筋
- ヒラメ筋
特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。
- 心原性ショック
- 出血性ショック
- 神経原性ショック
- アナフィラキシーショック
咳嗽が起こりやすいのはどれか。
- 右心不全
- 左心不全
- 心筋梗塞
- 肺梗塞
浮腫が生じやすいのはどれか。
- 甲状腺機能亢進症
- 過剰な運動
- 低栄養
- 熱中症
貧血の診断に用いられるのはどれか。
- 血糖値
- 尿酸値
- C反応性蛋白値
- ヘモグロビン濃度
C型慢性肝炎に使用するのはどれか。
- ドパミン
- インスリン
- リドカイン
- インターフェロン
カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品はどれか。
- 納豆
- 牛乳
- わかめ
- グレープフルーツ
患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。
- 脱脂綿で耳栓をする。
- 43〜44℃の湯をかける。
- 指の腹を使って洗う。
- 強い振動を加えて洗う。
全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。
- 20〜25℃
- 30〜35℃
- 40〜45℃
- 50〜55℃
スタンダードプリコーションの対象はどれか。
- 汗
- 爪
- 唾液
- 頭髪
経鼻経管栄養法の体位で適切なのはどれか。
- Fowler〈ファウラー〉位
- 仰臥位
- 腹臥位
- 側臥位
成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。
- 20滴
- 40滴
- 60滴
- 80滴
ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。
- 40℃程度
- 60℃程度
- 80℃程度
- 100℃程度
鼻腔内の吸引で正しいのはどれか。
- 無菌操作で行う。
- 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
- 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
- 吸引チューブを回転させながら吸引する。
母乳栄養で不足しやすいのはどれか。
- ビタミンA
- ビタミンB
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
第105回看護師国家試験・一般問題(130問)
▶午前26
筋収縮で正しいのはどれか。
- 筋収縮はミオシンの短縮である。
- アクチンにATP分解酵素が存在する。
- α運動ニューロンは筋紡錘を興奮させる。
- 筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。
▶午前27
血管に吻合がないのはどれか。
- 皮静脈
- 冠動脈
- 膝窩動脈
- 腸絨毛の毛細血管
▶午前28
一次脱水でみられるのはどれか。
- 尿量の減少
- 血漿浸透圧の低下
- バソプレシンの分泌の抑制
- 血漿ナトリウムイオン濃度の低下
▶午前29
膵臓から分泌されるのはどれか。
- ガストリン
- カルシトニン
- アルドステロン
- ソマトスタチン
▶午前30
男性生殖器について正しいのはどれか。
- 精巣は腹腔内にある。
- 精囊は精子を貯留する。
- 前立腺は直腸の前面に位置する。
- 右精巣静脈は腎静脈に流入する。
▶午前31
腹部の検査の画像を別に示す。
生体の代謝を利用した検査はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
医療保険について正しいのはどれか。
- 医療給付には一部負担がある。
- 高額療養費の受給には年齢制限がある。
- 市町村国民健康保険は職域保険の1つである。
- 後期高齢者医療における公費負担は8割である。
日本の令和2年度(2020年度)の国民医療費について正しいのはどれか。
- 総額は約30兆円である。
- 財源の約半分は保険料である。
- 国民総生産に対する比率は5%台である。
- 人口1人当たりでは65歳以上が65歳未満の約2倍である。
学校保健について正しいのはどれか。
- 学校医は健康相談を実施する。
- 校長は学校医を置くことができる。
- 教育委員会は小学校入学1年前の児童に対して健康診断を実施する。
- 学校医は感染症に罹患した児童生徒の出席を停止させることができる。
▶午前36
高齢者が趣味の絵画を地区の展覧会に発表したいという欲求はどれか。
- 自尊の欲求
- 所属の欲求
- 安全の欲求
- 生理的欲求
▶午前37
根拠に基づいた看護〈EBN〉で最も適切なのはどれか。
- 患者の好みは参考にしない。
- 先輩看護師の行動を模倣する。
- 研究論文の有用性を検討する。
- 既存の看護業務基準を遵守する。
▶午前38
患者の状態と看護師のコミュニケーションの方法との組合せで正しいのはどれか。
- 構音障害――発音を促す
- 聴力障害――後方から声をかける
- 認知症――患者のペースに合わせて話す
- 失語――言葉の誤りを繰り返し訂正する
▶午前39
フィジカルアセスメントにおいて触診で判断するのはどれか。
- 腱反射の有無
- 瞬目反射の有無
- 腸蠕動運動の有無
- リンパ節の腫脹の有無
▶午前40
針刺し事故対策で最も適切なのはどれか。
- 針刺し部位を消毒液に浸す。
- 注射針のリキャップを習慣化する。
- 事故の当事者を対象にした研修を行う。
- 使用済みの針は専用容器に廃棄することを徹底する。
▶午前41
片麻痺のある患者の歩行介助で正しいのはどれか。
- 患者の患側に立つ。
- 靴底は摩擦が少ないものを準備する。
- 杖を使用する場合は杖を持つ側で介助する。
- 階段を昇る場合は患側下肢から昇るように指導する。
▶午前43
胃洗浄を行うときの体位で最も適切なのはどれか。
- 仰臥位
- 腹臥位
- 左側臥位
- 右側臥位
▶午前44
Aさん(59歳、男性)は、糖尿病で内服治療中、血糖コントロールの悪化を契機に膵癌と診断され手術予定である。HbA1c7.0%のため、手術の日前に入院し、食事療法、内服薬およびインスリンの皮下注射で血糖をコントロールしている。Aさんは、空腹感とインスリンを使うことの不安とで、怒りやすくなっている。
Aさんに対する説明で適切なのはどれか。
- 「手術によって糖尿病は軽快します」
- 「術後はインスリンを使用しません」
- 「少量であれば間食をしても大丈夫です」
- 「血糖のコントロールは術後の合併症を予防するために必要です」
▶午前45
冠動脈バイパス術〈CABG〉後5時間が経過したとき、心囊ドレーンからの排液が減少し、血圧低下と脈圧の狭小化とがあり、「息苦しい」と患者が訴えた。
最も考えられるのはどれか。
- 肺梗塞
- 不整脈
- 心筋虚血
- 心タンポナーデ
▶午前46
Aさん(48歳、男性)は、直腸癌のため全身麻酔下で手術中、出血量が多く輸血が行われていたところ、41℃に体温が上昇し、頻脈となり、血圧が低下した。麻酔科医は下顎から頸部の筋肉の硬直を確認した。既往歴に特記すべきことはない。
この状況の原因として考えられるのはどれか。
- アナフィラキシー
- 悪性高熱症
- 菌血症
- 貧血
▶午前47
慢性副鼻腔炎についての説明で適切なのはどれか。
- 1週間の内服で症状が軽減すれば受診の必要はない。
- 発症後1週は空気感染の危険性がある。
- 眼窩内感染を起こす危険性がある。
- 透明の鼻汁が特徴的である。
▶午前48
過活動膀胱の説明で正しいのはどれか。
- 尿意切迫感がある。
- 失禁することはない。
- 水分を制限して治療する。
- 50歳台の有病率が最も高い。
▶午前49
ハヴィガースト, R. J.による発達課題のうち、老年期の発達課題はどれか。
- 健康の衰退に適応する。
- 大人の余暇活動を充実する。
- 個人としての自立を達成する。
- 大人の社会的な責任を果たす。
エイジズムを示す発言はどれか。
- 「介護を要する高齢者を社会で支えるべきだ」
- 「後期高齢者は車の運転免許証を返納するべきだ」
- 「認知症の患者の治療方針は医療従事者が決めるべきだ」
- 「高齢者が潜在的に持つ力を発揮できるような環境を整えるべきだ」
▶午前51
高齢者の栄養管理について栄養サポートチーム〈NST〉と連携するときに、病棟看護師が行う看護活動で最も適切なのはどれか。
- 同時期に他のサポートチームが介入しないようにする。
- 栄養管理が不十分な高齢者のケアについて助言を得る。
- 家族にも栄養サポートチーム〈NST〉の一員になるよう勧める。
- 経管栄養法を行っている高齢者数を減らす方法を一緒に考える。
▶午前52
Aさん(102歳、女性)は、重度の廃用症候群のために5年前から発語が少なく体を動かすことができない。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返し、終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。
Aさんの家族への退院時の指導で最も適切なのはどれか。
- 「24時間付き添ってあげましょう」
- 「おむつの重さで尿量を測定しましょう」
- 「苦しそうになったら救急車を呼びましょう」
- 「Aさんが食べたければ食べさせてあげましょう」
▶午前53
Aちゃん(生後10か月、男児)は、先天性心疾患のため手術を受けた。Aちゃんの体重の変化を図に示す。
手術後から現在までの体重の変化に対する評価で適切なのはどれか。
- 体重増加の不良
- 過度な体重増加
- 標準的な体重増加
- キャッチアップ現象
▶午前54
小児の骨折の特徴で正しいのはどれか。
- 不全骨折しやすい。
- 圧迫骨折しやすい。
- 骨折部が変形しやすい。
- 骨癒合不全を起こしやすい。
就労している妊婦に適用される措置と根拠法令との組合せで正しいのはどれか。
- 時差出勤――母子保健法
- 産前産後の休業――児童福祉法
- 軽易業務への転換――母体保護法
- 危険有害業務の制限――労働基準法
▶午前56
低用量経口避妊薬について正しいのはどれか。
- 血栓症のリスクは増加しない。
- 1日飲み忘れたときは中止する。
- 授乳期間を通じて内服は可能である。
- 副効用に月経前症候群〈PMS〉の軽減がある。
▶午前57
常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。
- 肥満
- 妊娠糖尿病
- 帝王切開術の既往
- 妊娠高血圧症候群
地域精神保健活動における二次予防はどれか。
- 精神科病院で統合失調症患者に作業療法を行う。
- 精神疾患患者に再燃を予防するための教育を行う。
- 地域の住民を対象にストレスマネジメントの講演会を行う。
- 会社の健康診断でうつ傾向があると判定された人に面接を行う。
▶午前59
疾患と確定診断のために用いられる検査との組合せで最も適切なのはどれか。
- 脳炎――脳脊髄液検査
- パニック障害――脳波検査
- 特発性てんかん――頭部MRI
- パーソナリティ障害――頭部CT
▶午前60
生活技能訓練〈SST〉について正しいのはどれか。
- 退院支援プログラムの1つである。
- 診断を確定する目的で実施される。
- セルフヘルプグループの一種である。
- 精神分析の考え方を応用したプログラムである。
精神保健法から精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律への改正で行われたのはどれか。
- 私宅監置の廃止
- 任意入院の新設
- 通院医療公費負担制度の導入
- 精神障害者保健福祉手帳制度の創設
介護保険被保険者で介護保険による訪問看護が提供されるのはどれか。
- 脳血管疾患
- 末期の結腸癌
- 脊髄小脳変性症
- 進行性筋ジストロフィー
訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。
- 事務所を設置する必要はない。
- 訪問看護の利用回数の調整は市町村が行う。
- 利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。
- 利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。
医療安全と関連する方法の組合せで誤っているのはどれか。
- 院内感染対策――プライマリナーシング
- 事故防止対策――インシデントレポート
- 医療の質の保証――クリニカルパス
- 手術時の安全対策――タイムアウト
▶午前65
診療情報を第三者に開示する際、個人情報の保護として正しいのはどれか。
- 死亡した患者の情報は対象にならない。
- 個人情報の利用目的を特定する必要はない。
- 特定機能病院では本人の同意なく開示できる。
- 法令に基づく保健所への届出に関して本人の同意は不要である。
国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
- 国連難民高等弁務官事務所〈UNHCR〉――有償資金協力
- 国連教育科学文化機関〈UNESCO〉――児童の健康改善
- 世界保健機関〈WHO〉――感染症対策
- 国際労働機関〈ILO〉――平和維持活動
▶午前68
頭部CTを別に示す。
出血部位について正しいのはどれか。
- 皮下組織
- 硬膜外腔
- くも膜下腔
- 脳実質内
- 脳室内
▶午前69
動脈硬化を直視して評価できる血管はどれか。
- 冠動脈
- 眼底動脈
- 大腿動脈
- 腹部大動脈
- 中大脳動脈
接触性皮膚炎の原因となるアレルギー反応で正しいのはどれか。
- Ⅰ型
- Ⅱ型
- Ⅲ型
- Ⅳ型
- Ⅴ型
▶午前71
膀胱留置カテーテルの写真を別に示す。
成人女性に膀胱留置カテーテルが挿入されている場合、体内に留置されている長さで最も適切なのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
▶午前72
Aさん(60歳、男性)は、胃癌の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。
確認すべきAさんの検査データはどれか。
- PT-INR
- 赤血球数
- 白血球数
- 出血時間
- ヘモグロビン値
▶午前73
膀胱癌のため尿路ストーマを造設する予定の患者への説明で適切なのはどれか。
- 「尿道の一部を体外に出して排泄口を造ります」
- 「尿意を感じたらトイレで尿を捨てます」
- 「ストーマの装具は毎日貼り替えます」
- 「ストーマに装具を付けて入浴します」
- 「水分の摂りすぎに注意が必要です」
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で正しいのはどれか。
- 光熱費は自己負担である。
- 12人を1つのユニットとしている。
- 看護師の配置が義務付けられている。
- 介護保険制度の施設サービスである。
- 臨死期は提携している病院に入院する。
Aちゃん(3歳、女児)は、病室で朝食を食べていた。そこに、医師が訪室して採血を行いたいと話したところ、Aちゃんは何も答えず下を向いて泣き始めた。その様子を見ていた看護師は、Aちゃんは朝食を中断して採血されるのは嫌だと思っているようなので、朝食後に採血して欲しいと医師に話した。
この看護師の対応の根拠となる概念はどれか。
- アセント
- コンセント
- アドボカシー
- ノーマライゼーション
- ノンコンプライアンス
▶午前76
3か月の乳児の親に対する問診で適切でないのはどれか。
- 「寝返りをしますか」
- 「あやすとよく笑いますか」
- 「物を見て上下左右に目で追いますか」
- 「アーアー、ウーウーなど声を出しますか」
- 「腹ばいにすると腕で体を支えて頭を持ち上げますか」
▶午前77
萎縮性腟炎に伴う状態について正しいのはどれか。
- 性交痛
- 白色の帯下
- 腟壁の肥厚化
- 腟の自浄作用の亢進
- エストロゲン分泌の増加
▶午前78
うつ病で入院している患者が「自分は重大な過ちで皆に迷惑をかけてしまいました。死んでおわびします」という妄想を訴えた。
この患者にみられるのはどれか。
- 罪業妄想
- 心気妄想
- 追跡妄想
- 被毒妄想
- 貧困妄想
▶午前79
訪問看護師が人工肛門を造設して退院した在宅療養者を訪問すると「便が漏れるため外出ができない」と相談を受けた。観察すると、ストーマパウチの面板が皮膚に密着していない。
看護師の対応で適切なのはどれか。
- 無菌操作で交換する。
- 頻回に交換するよう説明する。
- 面板を温めて皮膚に貼付する。
- 面板を人工肛門より小さめに切る。
- 腹壁の皮膚を寄せて面板を貼付する。
トリアージタグを装着する部位の優先順位で適切なのはどれか。
- 頸部→右手→左手→右足→左足
- 頸部→左手→左足→右手→右足
- 右手→右足→左手→左足→頸部
- 右手→左手→右足→左足→頸部
- 左手→右手→左足→右足→頸部
▶午前81
立ち直り反射に関与するのはどれか。2つ選べ。
- 視細胞
- コルチ器
- 圧受容器
- 化学受容器
- 頸筋の筋紡錘
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉の感染経路で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 感染者の嘔吐物との接触
- 感染者の咳による曝露
- 感染者の糞便との接触
- 感染者からの輸血
- 感染者との性行為
▶午前83
慢性腎不全によって起こるのはどれか。2つ選べ。
- 低血圧
- 低リン血症
- 低カリウム血症
- 低カルシウム血症
- 代謝性アシドーシス
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に定められているのはどれか。2つ選べ。
- 離婚調停の支援
- 成年後見制度の利用
- 保健所による自立支援
- 婦人相談員による相談
- 裁判所による接近禁止命令
▶午前85
パルスオキシメータによる経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定に適した部位はどれか。2つ選べ。
- 背部
- 上腕
- 指先
- 耳たぶ
- 大部
▶午前86
Aさん(60歳、男性)は、転倒して第5頸椎レベルの脊髄を損傷した。肩を上げることはできるが、上肢はわずかに指先を動かせる程度である。呼吸数22/分、脈拍86/分、血圧100/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%であった。Aさんは「息がしづらい」と言っている。
Aさんの状態で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 低酸素血症がある。
- 胸郭運動がみられる。
- 無気肺を起こしやすい。
- 腹式呼吸を行っている。
- 閉塞性換気障害を起こしている。
▶午前87
Aさん(35歳、女性、会社員)は、動悸、手指の震え及び体重減少があり、受診したところ、頻脈と眼球突出とを指摘され抗甲状腺薬の内服を開始した。Aさんは看護師に「仕事のストレスは寝る前にビールを飲むことで解消するようにしているが、ちょっとしたことでイライラして眠れない」と話した。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「仕事を休みましょう」
- 「禁酒する必要があります」
- 「積極的に運動しましょう」
- 「発熱したときは受診してください」
- 「病気が原因でイライラしやすくなります」
▶午前88
Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌と診断された。
進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。
- ヒトパピローマウイルス検査
- 小腸内視鏡検査
- 腎盂尿管造影
- 脊髄造影
- CT
▶午前89
児の免疫に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 胎児期は胎盤を通じて母体からIgGを受け取る。
- 出生後は母乳からIgMを受け取る。
- 生後3か月ころに免疫グロブリンが最も少なくなる。
- 1歳ころから抗体の産生が盛んになる。
- 3歳ころにIgAが成人と同じレベルに達する。
▶午前90
500mLの輸液を50滴/分の速度で成人用輸液セットを用いて順調に滴下し、現在80分が経過した。
このときの輸液の残量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②③mL
▶午後26
耳の感覚器と刺激との組合せで正しいのはどれか。
- 蝸牛管――頭部の回転
- 球形囊――頭部の傾き
- 半規管――鼓膜の振動
- 卵形囊――骨の振動
▶午後27
血液型で正しいのはどれか。
- 日本人の15%はRh(-)である。
- A型のヒトの血漿には抗B抗体がある。
- B型のヒトの赤血球膜表面にはA抗原がある。
- Coombs〈クームス〉試験でABO式の血液型の判定を行う。
▶午後28
胃酸の分泌を抑制するのはどれか。
- アセチルコリン
- ガストリン
- セクレチン
- ヒスタミン
▶午後29
腎臓について正しいのはどれか。
- 腹腔内にある。
- 左右の腎臓は同じ高さにある。
- 腎静脈は下大静脈に合流する。
- 腎動脈は腹腔動脈から分かれる。
▶午後30
アポトーシスで正しいのはどれか。
- 群発的に発現する。
- 壊死のことである。
- 炎症反応が関与する。
- プログラムされた細胞死である。
▶午後31
感染性因子とその構成成分の組合せで正しいのはどれか。
- 細菌――核膜
- 真菌――細胞壁
- プリオン――核酸
- ウイルス――細胞膜
日本の世帯構造の平成4年(1992年)から30年間の変化で正しいのはどれか。
- 単独世帯数は増加している。
- 平均世帯人数は増加している。
- ひとり親と未婚の子のみの世帯数は3倍になっている。
- 65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は2倍になっている。
食品衛生法に定められていないのはどれか。
- 残留農薬の規制
- 食品添加物の規制
- 食品安全委員会の設置
- ポジティブリスト制度の導入
がん対策基本法で定められているのはどれか。
- 受動喫煙のない職場を実現する。
- がんによる死亡者の減少を目標とする。
- 都道府県がん対策推進計画を策定する。
- がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。
▶午後35
患者と看護師との協働について適切なのはどれか。
- 患者が目標達成できるよう支援する。
- 治療に関する情報は看護師が占有する。
- 看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
- ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。
Aさん(56歳、男性)は、脳梗塞の後遺症のためにリハビリテーションをしている。食事中に箸がうまく使えずイライラしている。
この状況で看護師が最も連携すべき専門職はどれか。
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- 理学療法士
- 作業療法士
▶午後37
Aさん(80歳、女性)は、肺炎で入院して持続点滴中である。消灯時、訪室すると「体がだるくて眠れない」と訴えている。
Aさんへの入眠に向けた援助で最も適切なのはどれか。
- テレビをつける。
- 足浴を実施する。
- そのまま様子をみる。
- 睡眠薬を処方してもらう。
▶午後38
ベッド上での排便の介助時に使用した手袋を手から取り外すタイミングで適切なのはどれか。
- 肛門周囲の便を拭き取った後
- 排便後の患者の寝衣を整えた後
- ベッド周囲のカーテンを開けた後
- 使用した物品を汚物処理室で片づけた後
▶午後39
臥床患者の安楽な体位への援助として適切なのはどれか。
- 同一体位を5時間程度保持する。
- 仰臥位では膝の下に枕を入れる。
- 側臥位では両腕を胸の前で組む。
- 腹臥位では下腿を挙上する。
▶午後40
嚥下障害のある患者の食事の開始に適しているのはどれか。
- 白湯
- 味噌汁
- ゼリー
- 煮魚
▶午後41改題
病棟での医薬品の管理で正しいのはどれか。
- 生ワクチンは常温で保存する。
- 溶解した薬剤は冷凍保存する。
- 向精神薬は施錠できる場所に保管する。
- アンプルに残った麻薬注射液は廃棄する。
▶午後42
不安の強い入院患者に対し問題中心の対処を促す方法で適切なのはどれか。
- 読書をして気分転換を促す。
- 原因に気付くように支援する。
- 平常な気持ちを保つように助言する。
- 家族に不満を聞いてもらうことを勧める。
▶午後43
セルフケア行動を継続するための支援で適切なのはどれか。
- 看護師が患者の目標を設定する。
- 目標は達成が容易でない水準にする。
- 行動の習慣化が重要であることを伝える。
- これまでの経験は忘れて新たな方法で取り組むよう促す。
▶午後44
Aさん(43歳、男性)は、胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療が行われている。
翌日実施した血液検査の項目でAさんに生じている合併症を判断できるのはどれか。
- アミラーゼ
- アルブミン
- クレアチニン
- クレアチンキナーゼ
▶午後45
維持血液透析中の看護で適切なのはどれか。
- シャント肢を抑制する。
- 室温を18℃に設定する。
- 筋肉のけいれんの出現に注意する。
- 患者が吐き気を感じたら座位にする。
▶午後46
Aさん(37歳、女性)は、月経異常で病院を受診し、糖尿病および高血圧症と診断された。また、満月様顔貌や中心性肥満の身体所見がみられたため検査が行われ、ホルモン分泌異常と診断された。
原因となるホルモンを分泌している臓器はどれか。
- 副甲状腺
- 甲状腺
- 副腎
- 卵巣
日本の令和3年(2021年)の国民生活基礎調査において高齢者世帯の所得で、1世帯当たり平均所得金額の構成割合が最も高いのはどれか。
- 稼働所得
- 財産所得
- 公的年金・恩給
- 仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得
認知症の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか。
- 散歩を勧める。
- 決められた服を着るよう勧める。
- 重度の場合は精神科病棟に入院を勧める。
- 食べこぼしのあるときに箸を使用しないよう勧める。
▶午後49
Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。
Aさんの症状で正しいのはどれか。
- 錯語
- 感情失禁
- 喚語困難
- 運動性失語
▶午後50
便秘の原因となる加齢に伴う身体的変化で誤っているのはどれか。
- 大腸粘膜の萎縮
- 骨盤底筋群の筋力低下
- 直腸内圧の閾値の低下
- 大腸の内括約筋の緊張の低下
▶午後51
Aさん(75歳、女性)は、終末期のがんの夫を自宅で介護している。Aさんと夫は自宅での看取りを希望している。
Aさんへのケアで最も適切なのはどれか。
- 臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。
- 自宅で看取る意思が揺らぐことがないように支援する。
- 配偶者を亡くした家族の会への参加を生前から勧める。
- 夫が元気だったころの思い出を話題にしないように勧める。
▶午後52
乳児が1日に必要とする体重1kg当たりの水分量はどれか。
- 80mL
- 100mL
- 150mL
- 180mL
日本の令和4年(2022年)における周産期死亡率(出産千対)について正しいのはどれか。
- 1.3
- 3.3
- 5.3
- 7.3
▶午後54
性的対象とその性的指向の分類との組合せで正しいのはどれか。
- 同性――トランスセクシュアル
- 異性――ヘテロセクシュアル
- 両性――ホモセクシュアル
- なし――バイセクシュアル
▶午後55
更年期障害の女性にみられる特徴的な症状はどれか。
- 異常発汗
- 低血圧
- 妄想
- 便秘
産後うつ病について正しいのはどれか。
- 一過性に涙もろくなる。
- スクリーニング調査票がある。
- 日本における発症頻度は約40%である。
- 産後10日ころまでに発症することが多い。
こころのバリアフリー宣言の目的で正しいのはどれか。
- 身体障害者の人格の尊重
- 高齢者の社会的な孤立の予防
- 精神疾患に対する正しい理解の促進
- 精神科に入院している患者の行動制限の最小化
▶午後58
向精神薬と副作用〈有害事象〉の組合せで正しいのはどれか。
- 抗精神病薬――多毛
- 抗認知症薬――依存性
- 抗てんかん薬――急性ジストニア
- 抗うつ薬――セロトニン症候群
Aさん(40歳、男性)は、5年前に勤めていた会社が倒産し再就職ができず、うつ病になった。その後、治療を受けて回復してきたため、一般企業への再就職を希望している。
Aさんが就労を目指して利用できる社会資源はどれか。
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 自立訓練〈生活訓練〉
精神保健指定医を指定するのはどれか。
- 保健所長
- 都道府県知事
- 厚生労働大臣
- 精神保健福祉センター長
日本の平成24年(2012年)の高齢者の健康に関する意識調査において最期を迎える場に関する希望で最も多いのはどれか。
- 自宅
- 医療施設
- 福祉施設
- 高齢者向けのケア付き住宅
レスパイトケアの主な目的について適切なのはどれか。
- 高度な治療を集中的に行う。
- 家族へ介護方法の指導を行う。
- 居宅サービス料金を補助する。
- 介護を行う家族のリフレッシュを図る。
訪問看護サービスの提供の仕組みで正しいのはどれか。
- 主治医の意見書が必要である。
- 計画外の緊急訪問の費用は徴収できない。
- サービスの導入の決定は訪問看護師が行う。
- 主治医の特別指示書による訪問看護は医療保険サービスとして提供する。
▶午後64
看護基準の目的で最も適切なのはどれか。
- 看護の質の保証
- 個別的な看護の促進
- 看護業務の負担の軽減
- 高度な看護技術の提供
▶午後65
新生児標識について正しいのはどれか。
- 沐浴時には児の標識を外す。
- 標識は1個装着すればよい。
- 装着する時期は母児同室を開始する直前である。
- 母親に児を引き渡すときは母子の標識を照合する。
▶午後66
山村部で地震による家屋倒壊と死者が出た災害が発生し、3週が経過した。避難所では、自宅の半壊や全壊の被害にあった高齢者を中心に10世帯が過ごしている。
高齢者の心のケアとして最も適切なのはどれか。
- 認知行動療法を行う。
- 自分が助かったことを喜ぶよう説明する。
- 地震発生時の状況について詳しく聞き取る。
- 長年親しんだものの喪失について話せる場をつくる。
2国間の国際保健医療協力を行うのはどれか。
- 国際協力機構〈JICA〉
- 国際看護師協会〈ICN〉
- 国連開発計画〈UNDP〉
- 国連食糧農業機関〈FAO〉
▶午後68
体温に影響しないのはどれか。
- 運動
- 食事
- ふるえ
- 不感蒸泄
- 精神性発汗
▶午後69
貪食能を有する細胞はどれか。
- 好酸球
- Bリンパ球
- 線維芽細胞
- 血管内皮細胞
- マクロファージ
流行性角結膜炎の原因はどれか。
- 淋菌
- 緑膿菌
- クラミジア
- アデノウイルス
- ヘルペスウイルス
▶午後71
ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。
- ビタミンA――壊血病
- ビタミンB1――代謝性アシドーシス
- ビタミンC――脚気
- ビタミンD――悪性貧血
- ビタミンE――出血傾向
日本人の食事摂取基準(2020年版)で、身体活動レベルⅠ、75歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。
- 1,400kcal
- 1,800kcal
- 1,950kcal
- 2,150kcal
- 2,450kcal
▶午後73
触診法による血圧測定で適切なのはどれか。
- 血圧計は患者の心臓の高さに置く。
- マンシェットの幅は上腕全体を覆うサイズを選ぶ。
- 150mmHgまで加圧して減圧を開始する。
- 加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。
- 減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値を拡張期血圧とする。
▶午後74
待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。
- 全身麻酔下で行う。
- 前日に下剤を内服する。
- 治療後48時間の安静が必要である。
- 治療翌日の朝から常食を開始する。
- 治療後に胸部痛が出現する可能性がある。
▶午後75
老人性白内障の症状で正しいのはどれか。
- 涙が流れ出る状態が続く。
- 小さい虫が飛んでいるように見える。
- 明るい場所ではまぶしくてよく見えない。
- 遠見視力は良好であるが近見視力は低下する。
- 暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかる。
臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。
- 1歳
- 6歳
- 15歳
- 20歳
- 年齢制限なし
乳児の髄膜炎などを抑制するため、平成25年(2013年)に定期接種に導入されたのはどれか。
- 日本脳炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
- インフルエンザワクチン
- 麻しん風しん混合ワクチン
- Hibワクチン
▶午後78
生後1、2か月のDown〈ダウン〉症候群の乳児にみられる特徴はどれか。
- 活気があり機嫌が良い。
- 体重増加は良好である。
- 筋緊張が強く抱っこしにくい。
- 舌が小さく吸啜が困難である。
- 哺乳の途中で眠ってしまうことが多い。
▶午後79
在胎40週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。
この男児の1分後のApgar〈アプガー〉スコアはどれか。
- 1点
- 3点
- 5点
- 7点
- 9点
▶午後80
関節リウマチで療養している人への日常生活指導で適切なのはどれか。
- 床に座って靴下を履く。
- 2階にある部屋を寝室にする。
- 水道の蛇口をレバー式にする。
- ボタンで着脱する衣服を選択する。
- 寝具はやわらかいマットレスにする。
食事摂取基準に耐容上限量が示されているビタミンはどれか。2つ選べ。
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンC
- ビタミンD
▶午後82
水腎症の原因で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 前立腺癌
- 陰囊水腫
- ループス腎炎
- 神経因性膀胱
- 腎アミロイドーシス
児童相談所の業務はどれか。2つ選べ。
- 児童の一時保護
- 自立支援給付の決定
- 不登校に関する相談
- 身体障害者手帳の交付
- 放課後児童健全育成事業の実施
▶午後84
前腕の内側中央部に創部がある患者で、創部のガーゼがずれないよう固定をする必要がある。
伸縮性のある巻軸包帯を使う場合に適切なのはどれか。2つ選べ。
- 創の部位から巻き始める。
- 包帯を伸ばした状態で巻く。
- 前腕部の巻き方は螺旋帯とする。
- 手関節から肘関節まで巻く。
- 巻き終わりは環行帯とする。
▶午後85
壮年期の特徴はどれか。2つ選べ。
- 骨密度の増加
- 味覚の感度の向上
- 総合的判断力の向上
- 早朝覚醒による睡眠障害
- 水晶体の弾力性の低下による視機能の低下
▶午後86
Aさん(63歳、男性)は、胃癌にて胃亜全摘出術後3か月目に誤嚥性肺炎で緊急入院した。食物の通過や排便は問題なかったが、食事摂取量が少なく、術前より体重が10kg減少した。総義歯が外れやすく歯科を受診予定であった。
Aさんの肺炎の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 消化管内容物の逆流
- 義歯の不適合
- 消化吸収障害
- 吻合部狭窄
- 腸閉塞
▶午後87
眼底検査が必要なのはどれか。2つ選べ。
- 中耳炎
- 糖尿病
- 麦粒腫
- 高血圧症
- 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉
▶午後88
加齢に伴う心血管系の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 心拍数の増加
- 左室壁の肥厚
- 収縮期血圧の上昇
- 圧受容機能の亢進
- 刺激伝導系の細胞数の増加
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 介護予防サービスである。
- 24時間を通じて行われる。
- 地域密着型サービスである。
- 重症心身障害児を対象とする。
- 施設サービス計画の作成を行う。
▶午後90
車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 床を畳に変える。
- 玄関を引き戸にする。
- 廊下と部屋との段差をなくす。
- トイレに和式便器を設置する。
- 廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。
第105回看護師国家試験・状況設定問題(60問)
▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患で通院加療中である。1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉89%であった。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧〈PaO2〉60Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉68Torr、pH7.29であった。
▶午前91
この時点でのAさんのアセスメントで誤っているのはどれか。
- 脱水である。
- 意識障害がある。
- アシドーシスである。
- ショック状態である。
▶午前92
Aさんは肺炎による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。
このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。
- 乏尿
- 血圧上昇
- 末梢冷感
- 下肢の浮腫
- 呼吸音の減弱
▶午前93
Aさんは、胸部エックス線写真で右中下肺野の浸潤影が認められ、膿性の痰が吸引されている。
このときの体位ドレナージで最も効果的なのはどれか。
- 右30°側臥位
- 左30°側臥位
- 右前傾側臥位
- 左前傾側臥位
- 腹臥位
▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症が疑われ入院した。
▶午前94
確定診断のために必要な検査はどれか。
- 腎生検
- 尿細胞診
- 腎血管造影
- 腹部超音波検査
- 腎シンチグラフィ
▶午前95
AさんはIgA腎症と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。
このときの対応で最も適切なのはどれか。
- 「つらいですが慣れてきます」
- 「最初に甘いものを食べてください」
- 「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」
- 「酸味や香味を利用するとよいでしょう」
- 「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」
▶午前96
Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5℃、脈拍98/分、血圧238/112mmHgであった。血液検査データは、尿素窒素100mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb7.1g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。
- 輸血
- 血液透析
- 利尿薬の内服
- 胸腔ドレナージ
- 降圧薬の点滴静脈内注射
▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(94歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。
▶午前97
入所時の身長170cm、体重50kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2g/dL、CRP0.1mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
- 流動食が必要である。
- 炎症反応が続いている。
- 認知症による摂食行動の問題がある。
- タンパク質・エネルギー低栄養状態〈PEM〉である。
▶午前98
介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。
このときの面談内容で適切なのはどれか。
- 自宅の改修を提案する。
- ベッド上安静の必要性を説明する。
- 急変時の救急搬送の希望を確認する。
- 通所リハビリテーションの利用を提案する。
▶午前99
入所後3日。Aさんは「家では朝起きてすぐに歯磨きをして、口の中をすっきりさせて1日が始まった。ここでは、歯磨きは食後に介助すると言われたが、私は嫌だ」と言い、不満な様子である。Aさんはベッドから車椅子への移乗に介助が必要であるが、歯ブラシとコップとを用いて自分で歯磨きができる。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 朝食前の歯磨きは効果がないと説明する。
- 朝食前の歯磨きの習慣を変更するように勧める。
- 朝食前の歯磨きの援助方法をAさんと相談する。
- 朝食前は職員が少ないので対応できないと謝罪する。
▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
A君(6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。
▶午前100
このときのA君に行う看護として最も適切なのはどれか。
- 起座位をとらせる。
- 食事の開始を検討する。
- 好きな玩具で遊ばせる。
- 痛みの程度を評価する。
- 解熱鎮痛薬を服薬させる。
▶午前101
A君は病室内のトイレで排泄をしていた。看護師はマスク、手袋およびエプロンを着用しA君の排泄介助を行っていると、下着に便が付着していることに気付いた。看護師は、すぐにA君の下着を脱がせ流水で便を洗い流した。
下着の処理の方法で正しいのはどれか。
- 病室内のゴミ箱に捨てる。
- 病室内でエタノールに浸す。
- 病室内で次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸す。
- 病室外の汚物処理室の感染性廃棄物用の容器に捨てる。
▶午前102
入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」
- 「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」
- 「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」
- 「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」
▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。
▶午前103
受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。
- 活気
- 腹部膨満
- 腹部腫瘤
- チアノーゼ
▶午前104
Aちゃんは、定期受診の1か月後、予定どおり会陰式肛門形成術を行った。術後2日、1日に6回の排便があり、造設された肛門周囲に発赤がみられている。
排便後の対応で最も適切なのはどれか。
- 石けんで洗浄する。
- 微温湯で洗浄する。
- お尻拭きシートで拭き取る。
- ポビドンヨードで消毒をする。
▶午前105
術後2週、全身状態や創部の状態が安定し、肛門拡張のためのブジーが開始された。退院後もブジーを継続するため母親に指導を行うことになった。
ブジーの指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 「食後は避けてください」
- 「腹臥位で行ってください」
- 「できるだけ深く入れてください」
- 「排便があった日は行わなくてよいです」
- 「直腸の向きに沿ってゆっくり入れてください」
▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症〈STD〉を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8℃、脈拍62/分であった。
▶午前106
Aさんの状態に最もあてはまる性感染症〈STD〉はどれか。
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
- 腟トリコモナス症
- 性器クラミジア感染症
▶午前107
Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症〈STD〉のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。
Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- パートナーには話さなくてもよいと伝える。
- パートナーに来院を促す電話をすると伝える。
- Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。
- 性感染症〈STD〉に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。
▶午前108
Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。
性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。
- 処方された内服薬をAさんが飲み終えた後
- Aさんの性感染症〈STD〉の症状がなくなった後
- パートナーが性感染症〈STD〉の検査を受けた後
- Aさんとパートナーの性感染症〈STD〉の治癒が確認された後
▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8℃、脈拍64/分、血圧126/70mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
▶午前109
この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
- 胎児頻脈
- 前期破水
- 分娩第1期
- 妊娠高血圧症候群
▶午前110
午後2時30分、Aさんは3,300gの女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200mLであった。産褥3日、体温37.0℃、脈拍76/分、血圧118/60mmHgであった。血液データは、Hb11g/dL、Ht35%であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 鉄分の多い食事を勧める。
- 子宮底に冷罨法を行う。
- 乳頭のケアを行う。
- 授乳を中止する。
▶午前111
産褥4日、Aさんの体調は回復し、退院が決定した。夫に連れられて来た長男が赤ちゃんを珍しそうに見ている。Aさんは退院後に長男の退行現象が現れることを心配している。
Aさんへの説明で適切でないのはどれか。
- 「長男と2人きりになる時間をつくるようにしましょう」
- 「長男と一緒に赤ちゃんのおむつを交換しましょう」
- 「長男にしっかりするように話しましょう」
- 「長男をほめて安心させましょう」
▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。
▶午前112
Aさんに認められるのはどれか。
- 病的酩酊
- 妻との共依存
- コルサコフ症候群
- アルコールに対する耐性
▶午前113
入院後2日、夜間にAさんは「壁や布団に虫がたくさんいる」と訴え、興奮して眠らなかった。
考えられるのはどれか。
- 振戦せん妄
- アルコール幻覚症
- レム睡眠行動障害
- 急性アルコール中毒
▶午前114
その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。
Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「仕事は辞めましょう」
- 「断酒会に参加しましょう」
- 「集団精神療法を受けましょう」
- 「飲酒しない日を週1日設けましょう」
- 「生活行動を家族に記録してもらいましょう」
▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の確定診断を受けた。夫(50歳)と長女(16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。
▶午前115
夫に対する訪問看護師の対応として最も適切なのはどれか。
- 「食事の介助に時間をかけましょう」
- 「胃瘻からの栄養量を増やしましょう」
- 「介助方法に問題があるかもしれません」
- 「嚥下食の宅配サービスを頼んでみましょう」
- 「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」
▶午前116
6か月後、Aさんは呼吸障害と嚥下障害とが進行し、気管切開による人工呼吸療法を開始するために入院した。
退院に向けて病棟看護師が行う家族への気管内吸引の説明として最も適切なのはどれか。
- 夜間に定期的な吸引を行う。
- 就寝前に体位ドレナージを行う。
- 気道内圧が低下したら吸引する。
- 吸引時は気管カニューレのカフ圧を上げる。
▶午前117
Aさんは要介護5に区分が変更され、自宅で療養通所介護を利用することになった。退院後1か月、Aさんは療養通所介護の看護師に「ゆっくりお風呂に入ってみたい」と文字盤を使って話した。入浴を開始するにあたり、看護師と介護職員との間でカンファレンスを行うことになった。
検討する内容として優先順位が高いのはどれか。
- 夫の介護負担
- 座位の保持能力
- 緊急時の対応方法
- 入浴後の人工呼吸器の回路交換の方法
- 入浴時の関節可動域〈ROM〉訓練の実施
▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aさん(50歳、女性)は、子宮頸癌の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。
▶午前118
病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。
Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。
- 生活保護の手続きをするよう促す。
- 要介護認定の申請手続きをするよう促す。
- 家事をしてくれる人を雇用するよう促す。
- 訪問リハビリテーションの利用を勧める。
▶午前119
看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。
- 理学療法士
- 管理栄養士
- 介護支援専門員
- 保健所の保健師
▶午前120
退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。
夫への支援で最も適切なのはどれか。
- 夫に頑張るよう励ます。
- 病院に入院するよう提案する。
- 麻薬の量を増やすことを提案する。
- Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。
▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8〜10回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎の再燃のため入院することになった。身長158.2cm、体重40.2kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb7.8g/dL、アルブミン2.5g/dL、CRP5.5mg/dL。
▶午後91
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
- BMIによる肥満度の判定基準では普通体重に該当する。
- 貧血は心不全の徴候を示している。
- 浮腫が出現する可能性がある。
- 脱水に陥る可能性は低い。
▶午後92
入院後、Aさんは点滴静脈内注射による持続輸液とプレドニゾロン40mg/日の内服とが開始された。入院翌朝、Aさんが「たくさん汗をかいたのでさっぱりしたい」と話したため、看護師は清拭を行うと提案した。体温38.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧112/72mmHgであった。下痢は0時から6時までで3回あり、倦怠感が強い。
看護師が入浴ではなく清拭を提案した理由で適切なのはどれか。
- プレドニゾロンの内服
- 点滴静脈内注射の実施
- 急性増悪
- 貧血
▶午後93
入院後10日、Aさんの状態は改善し、経腸成分栄養剤300mL/日(1kcal/mL)が開始された。Aさんは「入院前も自分なりには気を付けていたつもりだったけど、また悪くならないようにするには退院後はどうしたらいいのかしら」と話した。
このときのAさんへの説明で最も適切なのはどれか。
- 「仕事は今までどおりで大丈夫です」
- 「下痢が続いたら炭水化物を減らしてください」
- 「経腸成分栄養剤600mLで1日分の栄養が確保できます」
- 「悪化のきっかけになるようなことがなかったか一緒に考えてみましょう」
▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。
▶午後94
搬送時のAさんの様子を図に示す。
Aさんの状態はどれか。
- 項部硬直
- 除脳硬直
- 除皮質硬直
- 間代性けいれん
- 強直性けいれん
▶午後95
Aさんは、硬膜下血腫および脳挫傷と診断され、硬膜下血腫に対して開頭血腫除去術が行われた。ICUに入室後、マンニトールの投与が開始された。
このときの体位で最も適切なのはどれか。
※採点対象除外により省略。
▶午後96
術後14日。Aさんの意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で、左上下肢に軽度の麻痺と左の視空間失認とがある。Aさんは座位を保持し、自力で食事を摂ることが可能となったが、左側の食べ物を残す様子がみられる。車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるが、1人でベッドから降りようとする。Aさんは右利きである。
このときの適切な看護はどれか。
- 離床センサーを設置する。
- 右側を意識するように促す。
- 食器をAさんの左側に配置する。
- 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。
- 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。
▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。
▶午後97
Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。
Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか。
- 溢流性尿失禁
- 機能性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
▶午後98
Aさんから「尿が漏れて困ります。洗濯物が増えるので、干したり取り込んだりするのが大変です。どうしたらよいでしょうか」と相談を受けた。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- テープ付き紙おむつを紹介する。
- 背もたれ付きポータブルトイレを紹介する。
- 介護保険の訪問介護を受けた方がよいと説明する。
- 下着の中に入れて使う尿失禁用パッドを紹介する。
▶午後99
Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 「痛くなれば、また入院して治療しましょう」
- 「入院が長引くと、もっと動けなくなりますよ」
- 「1人暮らしが心配なら息子さんと同居したらいかがですか」
- 「自宅でも痛みが強くならないような生活の工夫を考えましょう」
▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症と診断された。Aさんは雨の中を1人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。
▶午後100
入院時にみられる所見はどれか。
- 樽状胸郭
- 呼気の延長
- 粗い断続性副雑音
- 高調性連続性副雑音
▶午後101
入院当日、抗菌薬の点滴静脈内注射が開始された。投与開始直後からAさんが輸液ラインを指し「虫がいる」と大きな声を上げている。
このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 虫がいないことを説明する。
- 点滴静脈内注射を中止する。
- Aさんをナースステーションに移動する。
- 輸液ラインをAさんから見えない状態にする。
▶午後102
入院後7日、症状が軽快し明日退院することが決まった。消灯前にAさんが部屋にいないため探すと、小刻みにすり足で歩いているところを発見した。看護師がどうしたのか質問すると「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と、思いつめた表情で話した。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 転倒の危険を説明する。
- 行きたい場所へ付き添う。
- 子ども時代の思い出を尋ねる。
- 子どもはどこかへ行ってしまったと説明する。
▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE-12.3、HCO3-10.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病の疑いで入院した。
▶午後103
入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。
入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。
- 冷汗
- 浮腫
- 悪寒
- 意識障害
- 皮膚の弾力性の低下
▶午後104
Aちゃんは、インスリンの持続的な注入を開始し、3日後、血糖値が安定した。1型糖尿病と診断が確定しインスリン自己注射を始めることになった。ペン型注入器を用いて、毎食前に超速効型インスリンの皮下注射、21時に持効型溶解インスリンの皮下注射を行うという指示が出ている。
Aちゃんと両親に対するインスリン自己注射の指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
- インスリンを注射する部位は前回と違う部位に行う。
- 超速効型インスリンは単位数を変更せずに注射する。
- 食欲がないときは食後に超速効型インスリンを注射する。
- 血糖値が100mg/dL以下のときは持効型溶解インスリンの注射を中止する。
- インスリンの注射をした後は針を刺した場所をよくもむ。
▶午後105
Aちゃん及び両親は、1型糖尿病の療養生活に必要な知識や手技を順調に獲得した。血糖値が良好にコントロールされたため、退院に向けてAちゃんと両親、主治医、担当看護師および学校の関係者との間でこれからの学校生活について話し合った。
医療者から学校の関係者に伝える内容で最も適切なのはどれか。
- 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」
- 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」
- 「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」
- 「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」
- 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」
▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。
▶午後106
3月と4月のカレンダーを示す。
本日、4月14日のAさんの妊娠週数および日数を最終月経から求めよ。
解答:妊娠①週②日
▶午後107
Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。
この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。
- 錯乱状態である。
- 他罰的な感情がある。
- マタニティブルーズである。
- アンビバレント〈両価的〉な感情がある。
▶午後108
Aさんの次回の受診は4週後になった。Aさんは「数日前から朝起きたときやおなかがすいたときに吐き気がします。次の受診までに私の体にどのような変化が起こるのでしょうか」と話した。
看護師のAさんに対する説明で最も適切なのはどれか。
- 「体がかゆくなります」
- 「おりものが多くなります」
- 「仰向けで寝ていると気分が悪くなります」
- 「下肢にけいれんが起こりやすくなります」
▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
▶午後109
Aさんは、診察室では多弁であった。また、ささいなことで怒り出し、自分は病気ではないと治療を受けることを拒否した。意識は清明で見当識障害はみられなかった。Aさんは双極性障害と診断され医療保護入院をすることになった。
入院時のAさんのアセスメントで正しいのはどれか。
- 躁状態
- 緘黙状態
- 錯乱状態
- せん妄状態
▶午後110
入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 休養の必要性をAさんと再確認する。
- 仕事のことは考えないように伝える。
- Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
- Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
▶午後111
入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。
退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
- 「薬の管理は家族が行ってください」
- 「今後も定期的な入院が必要になります」
- 「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」
- 「服薬していれば再発することはありません」
▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。
▶午後112
入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。
- Aさんの大学の出席状況
- 両親がAさんと同居する可能性
- Aさんの子ども時代の両親の育て方
- Aさんの入院に対する両親の受け止め方
▶午後113
Aさんの入院後2週が経過した。Aさんの母親が疲れた表情で「Aはまだ誰かに殺されるのではないかと怖がっています。Aはなぜこんな病気になったのでしょうか。親としてどのようにAに接したらよいか分かりません」と担当の看護師に相談してきた。
この時点でAさんの両親に勧めるのはどれか。
- 毎日の面会
- 家族心理教育
- Aさんとの同伴での外出
- 共同生活援助〈グループホーム〉の見学
▶午後114
入院後2か月が経過し、主治医からは退院の話も出始めた。Aさんは入院をきっかけに大学を休学している。Aさんの両親が「Aは学業の遅れを心配して、退院後すぐに復学したいと言っています。Aはすぐに復学できるのでしょうか」と相談してきた。
看護師の説明として適切なのはどれか。
- 「復学の時期を大学に判断してもらいましょう」
- 「復学できる状態になるまで退院を延期しましょう」
- 「ご両親からAさんに焦らないよう説得してください」
- 「まずは家庭での日常生活に慣れることから始めましょう」
▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性)は、妻(55歳、会社員)、長女夫婦および生後5か月の孫の5人で暮らしている。頸椎の後縦靱帯骨化症と診断され椎弓形成術を受けた。リハビリテーション病院に転院し2か月前に退院した。退院時から週1回の訪問看護を受けている。現在の症状は、下肢のしびれ、知覚鈍麻、筋力低下、上下肢の痙性麻痺および膀胱直腸障害である。移動は車椅子で、食事はリハビリテーション用のフォークを使用して座位で摂取している。排泄は家族に見守られながら尿器とポータブルトイレとを使用し、自分で行っている。
▶午後115
Aさんへの訪問看護における身体状態の観察で、疾患に関連して最も重要なのはどれか。
- 排尿状態
- 上肢の筋力
- 嚥下の状態
- 外傷の有無
- 下肢のしびれ
▶午後116
Aさんは1週前から排便がなく、センノシドを毎日就寝前に継続して内服している。訪問看護師が観察すると左腹部に便塊を触れ、腸蠕動音は微弱であった。Aさんは、2日間排便がないときはピコスルファートナトリウム水和物を適宜内服するよう医師に言われているが、以前に内服して下痢になったため内服していないと話す。
看護師のAさんへの提案で適切なのはどれか。
- 「もう少し様子をみましょう」
- 「下剤は2種類とも飲みましょう」
- 「便意を感じたらトイレに座りましょう」
- 「浣腸をしてもよいか医師に確認しましょう」
▶午後117
ある日、Aさんに軽度の歯肉出血および歯肉の腫脹がみられるようになった。疼痛はない。訪問歯科診療を受け、口腔ケアを徹底するよう促された。リハビリテーション病院に入院していたときは、自助具を利用して口腔ケアの練習をしていた。退院後は妻が口腔ケアを介助していたが、最近は仕事の帰りが遅く、Aさんは妻を待てずに寝てしまうと言う。また、Aさんは育児で疲れている長女には頼めないと話す。
看護師のAさんへの提案で最も適切なのはどれか。
- 日中の口腔ケアを徹底する。
- 長女に口腔ケアを依頼する。
- 就寝時刻を遅くするよう提案する。
- 妻が夜に実施できる時間帯を検討する。
- Aさんが自立してできる方法を検討する。
▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
▶午後118
昼間のAちゃんは体育館の中を走り回っている。また、指しゃぶりをしながら両親の姿を気にしているが、近づいて甘えようとはしない。
Aちゃんの反応で正しいのはどれか。
- 自我同一性の拡散
- 急性ストレス障害
- 外傷後ストレス障害〈PTSD〉
- 注意欠陥多動性障害〈ADHD〉
▶午後119
Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。
地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 両親のAちゃんへの関わりを見守る。
- Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。
- Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。
- 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。
▶午後120
避難から3週後、Aちゃん家族は仮設住宅に移動が決定し、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごすことが多く、絵本を持ってぼんやりとしていることが多い。母親からAちゃんの様子がいつもと違うと看護師に相談があった。
母親への対応で最も適切なのはどれか。
- 引っ越しすることを説明するよう促す。
- スキンシップの時間を増やすように促す。
- すぐに専門医の外来を受診するよう促す。
- 子どもの反応は母親の関わりが原因だと話す。
資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
テーマ別
必修問題まとめ
①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
年次別
第112回/第111回/第110回/第109回/第108回/第107回/第106回/第105回/第104回/第103回/第102回