第108回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
平成31年2月17日(日)に実施された第108回看護師国家試験について、「国民衛生の動向2022/2023」で内容を解説している問題、関連の強い問題をピックアップし、その正答と解説を示します。また、合格のために最重要となる必修問題(午前・午後冒頭25問と想定)については、本誌未対応の問題も最後にすべてまとめています。
問題を解きながら不明な部分を本誌で確認し、学習効率の向上にご活用下さい。
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厚生の指標増刊
国民衛生の動向 2022/2023
発売日:2022.8.26
定価:2,695円(税込)
472頁・B5判
雑誌コード:03854-08
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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
国民衛生の動向対応問題・掲載数
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出題数 |
対応問題数 |
対応問題率 |
必修問題 |
50問 |
17問 |
34.0% |
一般問題 |
130問 |
41問 |
31.5% |
計 |
180問 |
58問 |
32.2% |
※必修問題は午前・午後の冒頭25問と想定。未対応の必修問題は末尾に掲載。状況設定問題は除く。
午前
1 疾病や障害に対する二次予防はどれか。
- 早期治療
- 予防接種
- 生活習慣の改善
- リハビリテーション
① 早期治療
【▼ポイント】
疾病の予防対策には、生活習慣の改善や予防接種により健康の増進を図って発病を予防する一次予防と、健診などで疾病を早期発見したり、治療により疾患の重症化を予防する二次予防、リハビリテーションなど疾病が進行した後の社会復帰などを図る三次予防がある。②と③は一次予防、④は三次予防である。
【▼参照】
第3編1章 生活習慣病と健康増進対策 1.生活習慣病 1〕生活習慣病の概念
2 日本における令和3年(2021年)の部位別にみた悪性新生物〈腫瘍〉の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。(改題)
- 胃
- 肝及び肝内胆管
- 気管、気管支及び肺
- 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸
③ 気管、気管支及び肺
【▼ポイント】
令和3年(2021年)の悪性新生物〈腫瘍〉による死亡数は38.1万(男22.2万人・女15.9万人)で、昭和56年以降、一貫して死因の第1位である。部位別に死亡数をみると、男では気管、気管支及び肺が、女では大腸(結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸)が最も多い。
【▼参照】
第2編2章 人口動態 3.死亡 3〕死因―悪性新生物〈腫瘍〉
4 介護保険制度における保険者はどれか。
- 市町村及び特別区
- 都道府県
- 保健所
- 国
① 市町村及び特別区
【▼ポイント】
介護保険制度の保険者(実施主体)は、国民に最も身近な行政単位である市町村(特別区含む)とされている。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 1.介護保険制度の趣旨
6 業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。
- 1
- 2
- 3
- 4
② 2
【▼ポイント】
業務に従事する看護師は、2年ごとに就業地の都道府県知事に氏名や住所などを届け出なければならない。(保健師助産師看護師法33条)
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 4.医療関係者 4〕看護職員等
10 令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。(改題)
- 15~19歳
- 30~39歳
- 40~49歳
- 70歳以上
③ 40~49歳
【▼ポイント】
令和元年(2019年)の男性の肥満者(BMI≧25.0)の割合は、40歳代(39.7%)が最も多く、次いで50歳代(39.2%)となっている。こうした40歳代以降の内臓脂肪型肥満などメタボリックシンドロームに着目して、40~74歳の被保険者・被扶養者に特定健診・特定保健指導が実施されている。
【▼参照】
第3編1章 生活習慣病と健康増進対策 1.生活習慣病 2〕生活習慣病の現状
11 平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。
- 保健所
- 市町村保健センター
- 地域包括支援センター
- 訪問看護ステーション
③ 地域包括支援センター
【▼ポイント】
介護保険法に定められる地域包括支援センターは、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村に設置される。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 6〕地域包括ケアシステム
15 感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。
- インフルエンザ
- 結核
- ノロウイルス性胃腸炎
- 流行性耳下腺炎
② 結核
【▼ポイント】
結核は結核菌によって発生するわが国の主要な感染症の一つで、感染症法上の二類感染症に分類されている。空気感染を起こし、多くは咳、痰、呼吸困難などの症状を呈する。結核菌に感染した場合、必ずしもすぐに発症するわけではなく、長期にわたり体内に潜伏したのち再び活動を開始し、発症することがある。
【▼参照】
第3編3章 感染症対策 3.主な感染症等の動向と対策 2〕結核
20 一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。
- 約10%
- 約30%
- 約50%
- 約70%
③ 約50%
【▼ポイント】
一般的な病室における湿度として、夏季は50~60%、冬季は40~50%が適切とされる。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 5.医療施設
21 黄色のバイオハザードマークが表示された感染性廃棄物の廃棄容器に入れるのはどれか。
- 病理廃棄物
- 使用済み手袋
- 使用済み注射針
- 血液が付着したガーゼ
③ 使用済み注射針
【▼ポイント】
感染性廃棄物を収納した容器にはバイオハザードマークを付けることが推奨され、性状に応じてマークの色を、①液状又は泥状のもの(血液等)は赤色、②固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等)は橙色、③鋭利なもの(注射針等)は黄色と分けることが望ましい。
【▼参照】
第9編5章 廃棄物対策の動向 4.特別管理廃棄物
24 臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。
- 瞳孔径は左右とも3mm以上
- 脳波上徐波の出現
- 微弱な自発呼吸
- 脳幹反射の消失
- 浅昏睡
④ 脳幹反射の消失
【▼ポイント】
脳死は脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、①深い昏倒、②瞳孔の散大と固定、③脳幹反射の消失、④平坦な脳波、⑤自発呼吸の停止の5項目を行い、6時間以上経過した後の同じ一連の検査(2回目)により判定され、脳死下の臓器移植が可能となる(6歳未満の小児は脳死判定を24時間空けて行う)。
【▼参照】
第3編4章 疾病対策 6.臓器移植・組織移植 1〕脳死体からの臓器移植の概要
33 令和2年(2020年)の日本の結核対策で増加が問題とされているのはどれか。(改題)
- 新登録結核患者数
- 菌喀痰塗抹陽性の肺結核患者数
- 外国生まれの新登録結核患者の割合
- 結核による死亡数
③ 外国生まれの新登録結核患者の割合
【▼ポイント】
新登録結核患者数(菌喀痰塗抹陽性肺結核含む)、結核による死亡数ともに減少傾向にある。なお、元の出題(平成27年の状況)では、③は外国生まれの新登録結核患者数、④は新登録結核患者における20歳代の割合となっているが、令和2年においてはいずれも減少している。
【▼参照】
第3編3章 感染症対策 3.主な感染症等の動向と対策 2〕結核
34 トータル・ヘルスプロモーション・プラン〈THP〉で実施されるのはどれか。
- がん検診
- 健康測定
- 一般健康診断
- 特定健康診査
② 健康測定
【▼ポイント】
トータル・ヘルスプロモーション・プラン〈THP〉は事業場における労働者の健康保持増進のために取り組む計画で、指針に基づき、①健康保持増進計画の作成、②推進体制、③健康測定の実施、④健康指導の実施などが示されている。
【▼参照】
第8編 労働衛生 9.その他の労働衛生対策等 3〕トータル・ヘルスプロモーション・プラン(THP)
35 健康寿命の説明で適切なのはどれか。(改題)
- 生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
- 2019年の健康寿命は2016年よりも短い。
- 2019年の健康寿命は女性より男性のほうが長い。
- 平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活ができる期間である。
① 生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
【▼ポイント】
健康寿命とは日常生活に制限のない期間であり、その推移をみると、平成25年は男71.19年・女74.21年、平成28年は男72.14年・女74.79年、令和元年は男72.68年・女75.38年と男女ともに延伸している。なお、④平均寿命と健康寿命の差は日常生活に制限のある期間ということになり、個人の生活の質の向上、社会保障負担の軽減のため、この差を短縮することも重要となる。
【▼参照】
第3編1章 生活習慣病と健康増進対策 2.健康増進対策 1〕対策のあゆみと国民健康づくり
42 20℃から24℃で保存するのはどれか。
- 全血製剤
- 血漿製剤
- 赤血球液
- 血小板製剤
④ 血小板製剤
【▼ポイント】
輸血用血液製剤の保存温度は、赤血球製剤は2~6℃、血漿製剤は-20℃以下、血小板製剤は20~24℃(保存中は凝集の予防のため振とうが必要)である。
【▼参照】
第6編4章 特殊な医薬品、毒物・劇物 1.血液製剤
44 作業と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
- VDT作業――栄養機能障害
- 有機溶剤を扱う作業――呼吸機能障害
- 電離放射線を扱う作業――造血機能障害
- 石綿〈アスベスト〉を扱う作業――排尿機能障害
③ 電離放射線を扱う作業――造血機能障害
【▼ポイント】
長時間にわたり電離放射線に被ばくした場合、造血器障害や皮膚障害を引き起こす。①情報機器(VDT)作業は視力障害や筋骨格系の症状、②有機溶剤を扱う作業は貧血や肝臓障害などの中毒症状、④石綿〈アスベスト〉を扱う作業は中皮腫や肺がんなどの健康障害を生ずる。
【▼参照】
第8編 労働衛生 5.職業性疾病の予防対策 6.化学物質による健康障害防止対策
46 がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」の業務はどれか。
- 就労の斡旋
- がん検診の実施
- がんについての情報提供
- セカンドオピニオン外来の開設
③ がんについての情報提供
【▼ポイント】
全国の各がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターの設置が義務づけられており、治療の内容や設備、がんに関する情報提供を連携して行うなど、がん患者・家族等に対する相談支援体制の充実が進められている。
【▼参照】
第3編4章 疾病対策 1.がん対策 1〕基本法成立までのあゆみ
54 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得のうち63.6%を占めるものは何か。(改題)
- 稼働所得
- 財産所得
- 公的年金・恩給
- 年金以外の社会保障給付金
③ 公的年金・恩給
【▼ポイント】
高齢者世帯の所得構成をみると、公的年金・恩給が199.0万円(63.6%)と半分以上を占め、次いで稼働所得が72.1万円(23.0%)となっている。
【▼参照】
第5編2章 社会保険と社会福祉 1.公的年金
58 Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。
Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。
- 車椅子
- 歩行器
- 電動ベッド
- 入浴用椅子
② 歩行器
【▼ポイント】
介護保険における居宅サービスの福祉用具貸与のうち、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引するもの)以外の種目については、要支援及び要介護1の者は、原則給付の対象外となる。また、福祉用具のうち貸与になじまない性質を持つ入浴(④)または排せつの用に供するもの等は販売を行い、購入費を保険給付の対象としている。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 2〕介護給付
59 乳幼児健康診査を規定しているのはどれか。
- 母子保健法
- 児童福祉法
- 次世代育成支援対策推進法
- 児童虐待の防止等に関する法律
① 母子保健法
【▼ポイント】
母子保健法では、妊産婦と乳幼児に対する健康診査が規定されている。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 1.母子保健 2〕母子保健法に基づく施策
64 日本における母の年齢階級別出生率の推移を図に示す。

図の矢印で示してある年齢階級はどれか。
- 20~24歳
- 25~29歳
- 30~34歳
- 35~39歳
③ 30~34 歳
【▼ポイント】
令和3年の母の年齢階級別出生率をみると、30~34歳が0.4820と最も高く、次いで25~29歳(0.3615)となっている。かつては25~29歳の出生率が最も高かったが、平成17年頃から30~34歳の出生率が最も高い。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 1.母子保健 2〕母子保健法に基づく施策
67 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉の症状はどれか。
- 音声チックが出現する。
- 計算を習得することが困難である。
- 課題や活動に必要なものをしばしば失くしてしまう。
- 読んでいるものの意味を理解することが困難である。
③ 課題や活動に必要なものをしばしば失くしてしまう。
【▼ポイント】
発達障害者支援法では、発達障害を広汎性発達障害〈自閉スペクトラム症(ASD)〉、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など、通常低年齢で発症する脳機能の障害と定義している。ADHDは多動性・衝動性(落ち着きがない、待てない)、不注意(注意が持続しにくい、作業ミスが多い)といった特性がある。②や④はLDが疑われる。また、①チック症はADHDと併存して発症することが多いが、ADHDの症状とはいえない。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 6〕精神障害者福祉
68 精神医療審査会で審査を行うのはどれか。
- 精神保健指定医の認定
- 入院患者からの退院請求
- 退院後生活環境相談員の選任
- 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇の要否
② 入院患者からの退院請求
【▼ポイント】
精神医療審査会は、措置入院と医療保護入院の要否や、入院患者からの退院請求や処遇改善請求の審査を行う。なお、①は厚生労働大臣、③は精神科病院管理者、④は精神保健審判員(裁判官との合議)が行う。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 3〕精神科の入院制度
69 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、平成25年(2013年)に改正された内容はどれか。
- 保護者制度の廃止
- 自立支援医療の新設
- 精神保健指定医制度の導入
- 精神分裂病から統合失調症への呼称変更
① 保護者制度の廃止
【▼ポイント】
保護者制度は、障害者に医療を受けさせるなどの義務を家族等に負わせていたもので、平成25年の法改正により廃止された。②は平成18年の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)施行に伴うもの、③は昭和62年の法改正、④は平成14年の日本精神神経学会の決定による。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 1〕精神保健対策のあゆみ
70 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者全数の特徴で正しいのはどれか。(改題)
- 性別は女性が多い。
- 続柄は子が最も多い。
- 年齢は70~79歳が最も多い。
- 介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。
① 性別は女性が多い。
【▼ポイント】
①○ 性別は女性が多い。
同居の主な介護者を性別にみると、男35.0%、女65.0%で女が多い。
②× 続柄は子が最も多い。
同居のうち「配偶者」が23.8%で最も多く、次いで「子」が20.7%となっている。
③× 年齢は70~79歳が最も多い。
同居の主な介護者を年齢階級別にみると、男女とも「60~69歳」が28.5%、31.8%と最も多い。
④× 介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。
同居の主な介護者の介護時間をみると、総数では「必要なときに手をかす程度」が57.9%と最も多い。なお、要介護度別にみた場合、要介護度3~5では「ほとんど終日」が最も多くなっている。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 10〕介護者・要介護者等の状況
74 地域包括ケアシステムにおける支援のあり方で、「互助」を示すのはどれか。
- 高齢者が生活保護を受けること
- 住民が定期的に体重測定すること
- 要介護者が介護保険サービスを利用すること
- 住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すこと
④ 住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すこと
【▼ポイント】
①× 高齢者が生活保護を受けること
生活保護は税による公の負担であり、「公助」にあたる。
②× 住民が定期的に体重測定すること
自らの体重測定(健康管理)は「自助」にあたる。
③× 要介護者が介護保険サービスを利用すること
介護保険は社会保険方式(被保険者が負担と受給を行う)であり、「共助」にあたる。
④○ 住民ボランティアが要支援者の家のごみを出すこと
ボランティアによる助け合いは「互助」に当たり、費用負担が制度的に裏付けされていない自発的なものという点で「共助」と異なる。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 6〕地域包括ケアシステム
75 医療提供の理念、病院・診療所等の医療を提供する場所、その管理のあり方を定めたのはどれか。
- 医療法
- 医師法
- 健康保険法
- 保健師助産師看護師法
① 医療法
【▼ポイント】
医療法はわが国の医療提供体制の基本となる法律として、①医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、②医療の安全を確保するために必要な事項、③病院・診療所・助産所の開設と管理に関し必要な事項、④これらの施設の整備と医療提供施設相互間の機能の分担・業務の連携を推進するために必要な事項を定めている。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 1.医療法
77 日本における政府開発援助〈ODA〉の実施機関として正しいのはどれか。
- 国際協力機構〈JICA〉
- 世界保健機関〈WHO〉
- 国連児童基金〈UNICEF〉
- 国連世界食糧計画〈WFP〉
① 国際協力機構〈JICA〉
【▼ポイント】
開発途上国等への2国間協力として、わが国は国際協力機構〈JICA〉を通じた政府開発援助〈ODA〉を実施している。
【▼参照】
第1編2章 衛生行政活動の概況 11.国際協力 1〕2国間協力
81 ネグレクトを受けている児の一時保護を決定するのはどれか。
- 家庭裁判所長
- 児童相談所長
- 保健所長
- 警察署長
- 市町村長
② 児童相談所長
【▼ポイント】
児童相談所は各都道府県・指定都市に設置が義務づけられており、子どもに関する各種の相談に応じ、専門的な角度から調査・診断・判定を行う。それに基づいて子どもや保護者への必要な指導、一時保護や児童福祉施設入所といった措置を行っている。一時保護の決定に当たっては、児童相談所長または都道府県知事が行う。
【▼参照】
第5編2章 社会保険と社会福祉 4.児童家庭福祉 4〕児童虐待対策
87 日本の公的医療保険制度に含まれるのはどれか。2つ選べ。
- 年金保険
- 雇用保険
- 船員保険
- 組合管掌健康保険
- 労働者災害補償保険
③ 船員保険
④ 組合管掌健康保険
【▼ポイント】
わが国の公的医療保険制度として、被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度があり、③船員保険と④組合管掌健康保険は被用者保険に当たる。
【▼参照】
第4編2章 医療保険制度 1.医療保険制度
90 身長170cm、体重70kgの成人の体格指数(BMI)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:① ②
①2 ②4
【▼ポイント】
成人の肥満・やせを判定できる指標として体格指数(BMI)が用いられ、BMIが25以上で肥満、17.5未満でやせとされる。BMIは、体重(kg)÷(身長(m))2で求められる。本問では、70÷(1.7×1.7)=24.2214...を四捨五入し24となる。
【▼参照】
第3編1章 生活習慣病と健康増進対策 1.生活習慣病 2〕生活習慣病の現状
午後
1 日本における令和3年(2021年)の総人口に占める老年人口の割合で最も近いのはどれか。(改題)
- 19%
- 29%
- 39%
- 49%
② 29%
【▼ポイント】
令和3年(2021年)の年齢3区分別人口構成割合は、年少人口(0~14歳)が11.8%、生産年齢人口(15~64歳)が59.4%、老年人口(65歳以上)が28.9%となっている。少子高齢化により、年少人口と生産年齢人口は減少傾向、老年人口は増加傾向にある。
【▼参照】
第2編1章 人口静態 1.全国人口の動向 1〕全国の総人口
2 令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。(改題)
- 糖尿病
- 腰痛症
- 高血圧症
- 眼の病気
③ 高血圧症
【▼ポイント】
令和元年(2019年)の傷病で通院している者(通院者)は、人口千人当たり404.0(男388.1・女418.8)であり、傷病別にみると、男女ともに高血圧症が最も高い(男129.7・女122.7)。
【▼参照】
第2編4章 健康状態と受療状況 1.健康状態 2〕通院者の状況
3 労働安全衛生法に規定されているのはどれか。
- 失業手当の給付
- 労働者に対する健康診断の実施
- 労働者に対する労働条件の明示
- 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保
② 労働者に対する健康診断の実施
【▼ポイント】
労働安全衛生法では、作業環境管理、作業管理、健康管理の労働衛生の3管理を整備しており、健康管理については健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導を規定している。①は雇用保険法、③は労働基準法、④は男女雇用機会均等法に規定されている。
【▼参照】
第8編 労働衛生 1.労働衛生行政のあゆみ 3.労働衛生管理の基本
4 看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。
- 多職種と情報を共有する。
- 患者の意見を代弁する。
- 患者に害を与えない。
- 医師に指示を聞く。
② 患者の意見を代弁する。
【▼ポイント】
アドボカシーは、権利擁護、代弁などの意で、患者や認知症高齢者など本人の意思や自己決定を尊重し、本人の保護を図ることが求められる。
【▼参照】
第5編2章 社会保険と社会福祉 7.権利擁護(アドボカシー)
5 看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。
- 刑法
- 医療法
- 保健師助産師看護師法
- 看護師等の人材確保の促進に関する法律
③ 保健師助産師看護師法
【▼ポイント】
保健師助産師看護師法に基づき、看護師免許付与における相対的欠格事由として、①罰金以上の刑に処せられた者、②医事に関し犯罪または不正の行為のあった者、③心身の障害により看護師の業務を適正に行うことができない者、④麻薬、大麻またはあへんの中毒者を規定し、いずれかに該当した場合は免許を与えないことがある。また、看護師がこれらに該当した場合、厚生労働大臣は、①戒告、②三年以内の医業の停止、③免許の取消しの処分をすることができる。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 4.医療関係者 4〕看護職員等
10 要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。
- 介護老人保健施設
- 短期入所生活介護
- 保健センター
- 有料老人ホーム
① 介護老人保健施設
【▼ポイント】
介護保険制度の施設サービスとして、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が規定されている。介護老人保健施設では、症状が安定期にある要介護者に対し、居宅での生活が営めるよう支援するため、看護、医学的管理の下における必要な医療や日常生活上の世話を行う。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 2〕介護給付
13 最も緊急性の高い不整脈はどれか。
- 心房細動
- 心室細動
- 心房性期外収縮
- Ⅰ度房室ブロック
② 心室細動
【▼ポイント】
致死性不整脈である心室細動は緊急性が高い。電気ショックによりこれを取り除く自動体外式除細動器(AED)が、一次救命処置において重要である。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 3.各医療対策の動向 3〕救急、休日夜間医療
22 赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。
- 死亡群
- 保留群
- 最優先治療群
- 待機的治療群
③ 最優先治療群
【▼ポイント】
トリアージ(災害時等の治療優先度の決定)の際にはトリアージタグ(識別票)を利用し、傷病者の緊急度に応じて、優先順に赤(Ⅰ:最優先治療群・重症群)、黄(Ⅱ:非緊急治療群・中等症群)、緑(Ⅲ:軽処置群・軽症群)、黒(0:不処置群・死亡群)と分類する。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 3.各医療対策の動向 3〕救急、休日夜間医療
29 介護保険の第1号被保険者で正しいのはどれか。
- 介護保険料は全国同額である。
- 介護保険被保険者証が交付される。
- 40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
- 介護保険給付の利用者負担は一律3割である。
② 介護保険被保険者証が交付される。
【▼ポイント】
①× 介護保険料は全国同額である。
市町村ごとに介護サービス量などに応じた定額保険料が設定される。
③× 40歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40~64歳の者である。
④× 介護保険給付の利用者負担は一律3割である。
利用者は費用の1割(所得により2割または3割)を負担して介護サービスを受ける。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 1〕保険給付の手続き
30 発達障害者支援法で発達障害と定義されているのはどれか。
- 学習障害
- 記憶障害
- 適応障害
- 摂食障害
① 学習障害
【▼ポイント】
発達障害者支援法では、発達障害を広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、通常低年齢で発症する脳機能の障害と定義している。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 6〕精神障害者福祉
31 自殺対策基本法で都道府県に義務付けられているのはどれか。
- 自殺総合対策推進センターの設置
- 自殺総合対策大綱の策定
- ゲートキーパーの養成
- 自殺対策計画の策定
④ 自殺対策計画の策定
【▼ポイント】
自殺対策基本法に基づき、政府には自殺総合対策大綱の策定を、都道府県や市町村には自殺対策計画の策定を義務づけている。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 6.自殺対策
33 風疹の疑いがある入院患者の隔離予防策で適切なのはどれか。
- 標準予防策
- 標準予防策と接触感染予防策
- 標準予防策と飛沫感染予防策
- 標準予防策と空気感染予防策
③ 標準予防策と飛沫感染予防策
【▼ポイント】
手指衛生などの標準予防策に加えて、感染経路予防策として風疹の主な感染経路である飛沫感染予防策を講じる必要がある。
【▼参照】
第3編3章 感染症対策 3.主な感染症等の動向と対策 5〕風しん・麻しん
48 判断能力が不十分な認知症高齢者の権利擁護を目的とするのはどれか。
- 公的年金制度
- 生活保護制度
- 後期高齢者医療制度
- 日常生活自立支援事業
④ 日常生活自立支援事業
【▼ポイント】
認知症や精神障害等により判断能力が不十分な人の権利擁護(アドボカシー)として、社会福祉協議会が福祉サービスの利用に関する援助などを行う日常生活自立支援事業や、財産の管理などに関する事務を成年後見人等が代理で行う成年後見制度がある。
【▼参照】
第5編2章 社会保険と社会福祉 7.権利擁護(アドボカシー) 2〕日常生活自立支援事業
51 介護保険制度における地域密着型サービスはどれか。
- 介護老人保健施設
- 介護老人福祉施設
- 通所リハビリテーション
- 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉
④ 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉
【▼ポイント】
認知症対応型共同生活介護(グループホーム〉は、介護保険制度の地域密着型サービスであり、比較的安定した状態にある認知症の要介護者(要支援者)が、共同生活(1ユニット5~9人)を営む住居で日常生活上の世話や機能訓練を受けるものである。①介護老人保健施設と②介護老人福祉施設は施設サービス、③通所リハビリテーションは居宅サービスである。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 2〕介護給付
52 令和2年(2020年)の人口動態調査で、5~9歳の死因における不慮の事故の原因で最も多いのはどれか。(改題)
- 窒息
- 交通事故
- 転倒・転落
- 溺死および溺水
② 交通事故
【▼ポイント】
令和2年(2020年)の不慮の事故の原因は、0歳と1~4歳では窒息、5~9歳では交通事故、10~14歳では溺死及び溺水が最も多い。
【▼参照】
第2編2章 人口動態 3.死亡 7〕外因死
53 小児慢性特定疾病対策における医療費助成で正しいのはどれか。
- 対象は5疾患群である。
- 対象年齢は20歳未満である。
- 医療費の自己負担分の一部を助成する。
- 難病の患者に対する医療等に関する法律に定められている。
③ 医療費の自己負担分の一部を助成する。
【▼ポイント】
児童福祉法の規定により、小児慢性特定疾病(令和3年11月1日現在、16疾患群788疾病)にかかっている18歳未満(引き続き治療が必要であると認められる場合は20歳未満)の児童等を対象に、医療費の自己負担分の一部を助成している。(公費医療)
【▼参照】
第3編4章 疾病対策 2.難病対策 7〕小児慢性特定疾病対策
59 新生児聴覚スクリーニング検査で正しいのはどれか。
- 空腹時に行う。
- 泣いていない時に行う。
- タンデムマス法で行う。
- 生後24時間以内に行う。
② 泣いていない時に行う。
【▼ポイント】
①× 空腹時に行う。
②○ 泣いていない時に行う。
検査時に泣いたり動いたりすると正確な判定が行えない可能性がある。
③× タンデムマス法で行う。
自動調整脳幹反応検査装置(AABR)などの装置を使用する。なお、タンデムマス法は新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)に用いる。
④× 生後24時間以内に行う。
おおむね生後3日以内に実施する「初回検査」と、初回検査においてリファー(要再検)であった児を対象として、おおむね生後1週間以内に実施する「確認検査」がある。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 1.母子保健 4〕その他の母子保健医療施策
61 知的障害〈精神遅滞〉の原因となる疾患はどれか。
- 統合失調症
- フェニルケトン尿症
- Alzheimer〈アルツハイマー〉病
- Creutzfeldt-Jakob〈クロイツフェルト・ヤコブ〉病
② フェニルケトン尿症
【▼ポイント】
知的障害〈精神遅滞〉は、発達期(おおむね18歳まで)にあらわれる知的機能・適応機能両面の欠陥を含む障害とされる。その原因の一つとして、先天性アミノ酸代謝異常であるフェニルケトン尿症があり、通常新生児マススクリーニング検査で診断され、早期発見・早期治療により知的障害の発生を予防することが可能である。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 1.母子保健 4〕その他の母子保健医療施策
63 現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。
- 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
- 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
- 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
- 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国の中では最も多い。
④ 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国の中では最も多い。
【▼ポイント】
①× 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
都道府県・指定都市に設置される。
②× 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
精神病床に入院している患者では、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が最も多く、半分以上を占めている(令和2年)。
③× 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
障害者総合支援法の自立支援医療(精神通院医療)として医療費の公費負担が行われている。
④○ 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構〈OECD〉加盟国の中では最も多い。
令和2年の精神病床数は32.5万床、精神病床の平均在院日数は277.0日で、以前と比べて減少・短縮しているものの、ともに国際的にみても非常に高い水準にある
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 3〕精神科の入院制度 5〕地域精神保健福祉 6〕精神障害者福祉
64 Aさん(60歳、女性)は、統合失調症で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。
退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。
- 薬剤師
- 精神保健福祉士
- ピアサポーター
- 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)
② 精神保健福祉士
【▼ポイント】
精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰に向けた自助努力を支援するため、精神障害者が日常生活を営んでいく上での様々な相談や助言、指導を行う。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 4.精神保健 6〕精神障害者福祉
65 訪問看護制度で正しいのはどれか。
- 管理栄養士による訪問は保険請求できる。
- 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
- 医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
- 訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。
② 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
【▼ポイント】
①× 管理栄養士による訪問は保険請求できる。
訪問看護を行うことができる職種は、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士とされる。
②○ 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
訪問看護は、要介護者等には介護保険から給付されるが、厚生労働大臣が定める疾病等の利用者、主治医による特別訪問看護指示書の交付を受けた者、認知症以外の精神障害を有する者には医療保険から給付される。
③× 医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
訪問看護サービスは、内容にかかわらず医師の訪問看護指示書の下に行われる。
④× 訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。
訪問看護ステーションでは、保健師、看護師または准看護師(看護職員)を常勤換算で2.5以上となる員数(うち1名は常勤)と、理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を実情に応じた適当数置く。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 3.各医療対策の動向 2〕訪問看護
67 Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。
外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。
- 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
- 「副作用が出てから対応を考えましょう」
- 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
- 「有給休暇を使って治療を受けましょう」
③ 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
【▼ポイント】
がんなど反復・継続して治療が必要となる疾病を抱える労働者が、事業場において適切な就業上の措置や治療に対する配慮が行われるよう、厚生労働省は「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」により、事業場における具体的な取り組みの進め方を取りまとめている。治療と仕事の両立には職場の理解・支援体制が不可欠であり、労働者自身が疾病を十分理解した上で、事業者や健康管理部門(人事労務担当)、産業保健スタッフに相談することが適切である。
【▼参照】
第8編 労働衛生 9.その他の労働衛生対策等 7〕治療と仕事の両立支援
68 家族からネグレクトを受けている高齢者について、地域包括支援センターに通報があった。
この通報を受けた地域包括支援センターが行う業務はどれか。
- 権利擁護
- 総合相談支援
- 介護予防ケアマネジメント
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援
① 権利擁護
【▼ポイント】
介護保険法に基づき市町村に設置される地域包括支援センターの地域支援事業(包括的支援事業)として、虐待の防止や早期発見などの権利擁護業務がある。
【▼参照】
第5編1章 介護保険 2.介護保険制度の概要 5〕地域支援事業
71 医療法における病院の医療安全管理体制で正しいのはどれか。
- 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回行わなければならない。
- 医療安全管理のための指針を整備しなければならない。
- 特定機能病院の医療安全管理者は兼任でよい。
- 医薬品安全管理責任者の配置は義務ではない。
② 医療安全管理のための指針を整備しなければならない。
【▼ポイント】
病院等の管理者は医療に係る安全管理のため、医療安全管理者や医療対話推進者を配置し、指針の整備、医療安全委員会の設置、職員研修(年2回程度)の実施などの体制を確保する。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 3.各医療対策の動向 8〕医療安全管理体制
72 看護師等の人材確保の促進に関する法律における離職等の届出で適切なのはどれか。
- 届出は義務である。
- 届出先は保健所である。
- 離職を予定する場合に事前に届け出なければならない。
- 免許取得後すぐに就職しない場合は届け出るよう努める。
④ 免許取得後すぐに就職しない場合は届け出るよう努める。
【▼ポイント】
看護師等の人材確保の促進に関する法律において、看護師等は、①病院等を離職した場合、②該当の業に従事しなくなった場合、③免許を受けた後すぐに従事する見込みがない場合、都道府県ナースセンターに届け出るよう努めなければならないとし、この届出制度を活用し、無料職業紹介等により潜在看護師等の復職支援の強化を図っている。
【▼参照】
第4編1章 医療提供体制 4.医療関係者 4〕看護職員等
73 国際社会が抱えるヘルスケアを含む課題に対して、すべての国に適用される普遍的(ユニバーサル)な目標で、2015年の国連サミットで採択されたのはどれか。
- ヘルスフォーオール21(HFA21)
- ミレニアム開発目標(MDGs)
- 持続可能な開発目標(SDGs)
- 国連開発目標(IDGs)
③ 持続可能な開発目標(SDGs)
【▼ポイント】
持続可能な開発目標〈SDGs〉は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、2015年の国連サミットで採択された。なお、②ミレニアム開発目標〈MDGs〉はその前身として2001年に策定されたものである。
【▼参照】
第1編2章 衛生行政活動の概況 11.国際協力
81 Alzheimer〈アルツハイマー〉型認知症の患者にみられる実行機能障害はどれか。
- シャツを前後反対に着る。
- 調理の手順がわからなくなる。
- 物音がすると食事を中断する。
- 鏡に映った自分の姿に話しかける。
- 歯ブラシで髪の毛をとかそうとする。
② 調理の手順がわからなくなる。
【▼ポイント】
アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程で起きる認知症である。中核症状の一つとされる実行機能障害では、計画や段取りを立てて、それを実行できないことを特徴とする。
【▼参照】
第3編2章 保健対策 2.老人保健 2〕認知症施策のあゆみ
83 糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。
- 脂質
- 塩分
- 蛋白質
- 炭水化物
- ビタミン
② 塩分
③ 蛋白質
【▼ポイント】
糖尿病性腎症は、令和2年の新規透析導入原因の第1位であり、健康日本21(第二次)では糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数の減少を目標に掲げて対策を推進している。糖尿病性腎症の食事療法としては、高血圧につながる食塩(塩分)、排泄時に腎臓に負担をかける蛋白質の過剰摂取を制限する。
【▼参照】
第3編4章 3.腎疾患対策
86 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく五類感染症はどれか。2つ選べ。
- 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
- 腸管出血性大腸菌感染症
- つつが虫病
- 日本脳炎
- 梅毒
① 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
⑤ 梅毒
【▼ポイント】
感染症法では、対象とする感染症の感染力や罹患した場合の症状の重篤性などに基づいて1~5類感染症などに分類している。②腸管出血性大腸菌感染症は3類感染症、③つつがむし病と④日本脳炎は4類感染症である。
【▼参照】
第3編3章 感染症対策 1.感染症対策 1〕感染症法による対策
対応外必修問題
午前3 セリエ, H.が提唱した理論はどれか。
- 危機モデル
- ケアリング
- セルフケア
- ストレス反応
④ ストレス反応
【▼ポイント】
セリエは、精神的緊張(ストレッサー)を受けたときに生体に起きる一定の反応(ストレス反応)を提唱した。
午前7 胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
- 肺動脈
- 肺静脈
- 臍動脈
- 臍静脈
④ 臍静脈
【▼ポイント】
胎児の血液は、臍帯内の2本の臍動脈により胎盤に入り、1本の臍静脈を通って胎児へと運ばれる。胎盤は肺の役割を果たし、胎盤から胎児へ運ばれる臍静脈内の血液には酸素が多く含まれている。
午前8 母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。
- IgA
- IgE
- IgG
- IgM
① IgA
【▼ポイント】
母乳には免疫グロブリンのうちIgAが豊富に含まれ、特に初乳に多い。なお、③IgGは胎児期に胎盤を通じて母胎から受け取る。
午前9 思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。
- 教師
- 祖父母
- 友人
- 両親
③ 友人
【▼ポイント】
思春期には、依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情を持ちながらも、自我同一性(アイデンティティ)の確立の過程で、親からの心理的離乳、年長者の価値観への拒絶、同世代の仲間との価値観の共有がみられる(第2反抗期)。
午前12 胆汁の作用はどれか。
- 殺菌
- 脂肪の乳化
- 蛋白質の分解
- 炭水化物の分解
② 脂肪の乳化
【▼ポイント】
肝臓で作られる胆汁は、胆嚢で濃縮・貯留され、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化することで、膵臓内のリパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを助ける。
午前13 チアノーゼで増加しているのはどれか。
- 血中酸素分圧
- 還元ヘモグロビン
- 酸化ヘモグロビン
- 血中二酸化炭素分圧
② 還元ヘモグロビン
【▼ポイント】
チアノーゼは、血中の酸素不足により皮膚や粘膜が青紫色に変色することをいい、毛細血管中の血中還元ヘモグロビンが5g/dL以上に増加した際に出現する。
午前14 鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。
- 胃
- 食道
- 直腸
- 十二指腸
③ 直腸
【▼ポイント】
下血は肛門から血液成分が排泄されることで、出血している臓器により血液の色や粘度が変わる。肛門に近い直腸等では鮮紅色で、肛門から遠い胃や食道、十二指腸から出血した下血では、血液中の鉄分が酸化した黒色便(タール便)となる。
午前16 骨髄抑制が出現するのはどれか。
- 麻薬
- 利尿薬
- 抗癌薬
- 強心薬
③ 抗癌薬
【▼ポイント】
骨髄抑制は、がん治療において抗癌薬などの薬物療法や放射線治療により、骨髄の造血機能が低下した状態をいい、白血球の減少では感染症、赤血球の減少では貧血、血小板の減少では出血などのリスクが高まる。
午前17 心音の聴取でⅠ音がⅡ音より大きく聴取されるのはどれか。
ただし、●は聴取部位を示す。

①
【▼ポイント】
心音は胸壁の上から聴取する心臓の収縮・拡張音であり、低く長いⅠ音と高く短いⅡ音が聴取される。①の第5肋間左鎖骨中線上心尖部では、僧帽弁が発するⅠ音を聴取しやすい。なお、第2肋間胸骨左縁(③)では肺動脈弁、第2肋間胸骨右縁(④)では大動脈弁が発するⅡ音が聴取しやすい。
午前18 成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
- 左側臥位
- 半側臥位
- 仰臥位
- 坐位
④ 坐位
【▼ポイント】
胃食道逆流は胃酸が食道へ逆流することをいい、加齢等による下部食道括約筋の弛緩によって生じる。食後に起こりやすく、食後は上半身を起こした坐位や半坐位(ファウラー位)をとることが望ましい。
午前19 動作を安定させるために行うのはどれか。
- 重心位置を低くする。
- 足を閉じた姿勢にする。
- 底が滑らかな素材の靴を履く。
- 重心線を支持基底面の中心より遠くする。
① 重心位置を低くする。
【▼ポイント】
支持基底面は体重等を支える床面積をいい、例えば両足を閉じた状態から広げると支持基底面は広くなる。支持基底面が広いほど(②)、また重心を支持基底面に近づけるほど(①・④)動作や物体は安定する。なお、③は床との摩擦が低下するため動作は不安定となる。
午前22 成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。
- 外頸静脈
- 大腿静脈
- 大伏在静脈
- 肘正中皮静脈
④ 肘正中皮静脈
【▼ポイント】
成人の採血においては前腕の静脈が多く用いられ、橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈などが選択される。
午前23 感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。
- 乾燥
- 消毒
- 洗浄
- ガーゼ保護
③ 洗浄
【▼ポイント】
感染を伴わない創傷の治療において、現在は湿潤療法が基本で、消毒液ではなく水で洗浄し、乾燥しないように創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する。なお、ガーゼは乾燥を促進するため用いない。
午前25 副腎皮質ステロイドの作用はどれか。
- 体重の減少
- 血糖の低下
- 血圧の低下
- 免疫の促進
- 炎症の抑制
⑤ 炎症の抑制
【▼ポイント】
副腎皮質ステロイドは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンから生成された薬で、炎症の抑制や免疫力の抑制など幅広い疾患で用いられているが、高血糖や高血圧、易感染性、骨粗鬆症、食欲増進による体重増加、満月様顔貌〈ムーンフェイス〉など副作用が多く、注意を要する。
午後6 マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。
- 安全の欲求
- 自己実現の欲求
- 承認の欲求
- 生理的欲求
④ 生理的欲求
【▼ポイント】
マズローの欲求階層説では、低階層から、①生理的(食事、排泄、睡眠等)欲求、②安全(危険回避)の欲求、③社会的(所属・愛情)欲求、④自尊(承認)の欲求、⑤自己実現の欲求の5段階となっており、人間は低階層の欲求が満たされると高階層の欲求に移っていくことをあらわす。
午後7 生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。
- 寝返り
- お座り
- 首のすわり
- つかまり立ち
③ 首のすわり
【▼ポイント】
DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す乳児の粗大運動の発達目安では、③3~4か月に首のすわり、①5~6か月に寝返り、②7~8か月にお座り、④9~10か月につかまり立ちとされる。
午後8 エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。
- 親密
- 同一性
- 自主性
- 基本的信頼
④ 基本的信頼
【▼ポイント】
エリクソンは成長段階(乳児期・幼児前期・幼児後期・学童期・青年期(思春期)・成人期・壮年期・老年期)ごとに果たすべき課題(発達課題)を示している。乳児期は、母親に対する基本的信頼感を得るため、基本的信頼感対不信感の葛藤が生じる。①は成人期、②は青年期、③は幼児後期に当たる。
午後9 成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。
- 血漿
- 間質液
- 細胞内液
- リンパ液
③ 細胞内液
【▼ポイント】
成人の体重に占める水分量は約60%(高齢者は50~55%)であり、このうち③細胞内液は約40%を占め、残る細胞外液のうち、②間質液(④リンパ液含む)は約15%、①血漿は約5%とされる。
午後11 運動性言語中枢はどれか。
- 中心後回
- 大脳基底核
- Broca〈ブローカ〉野
- Wernicke〈ウェルニッケ〉野
③ Broca〈ブローカ〉野
【▼ポイント】
言語野(言語に関与する脳の領域)として、Broca〈ブローカ〉野(運動性言語中枢)は前頭葉に、Wernicke〈ウェルニッケ〉野(感覚性言語中枢)は側頭葉に、視覚性言語中枢は後頭葉にある。
午後12 ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉のⅢ(3桁)で表現される意識レベルはどれか。
- 意識清明の状態
- 刺激すると覚醒する状態
- 刺激しても覚醒しない状態
- 刺激しなくても覚醒している状態
③ 刺激しても覚醒しない状態
【▼ポイント】
意識レベルを評価するスケールとして、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉とグラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉が用いられる。JCSでは、覚醒の程度に応じて、意識清明の0、刺激しなくても覚醒している状態であるⅠ桁、刺激すると覚醒する状態であるⅡ桁、刺激しても覚醒しない状態であるⅢ桁に分類している。
午後14 浮腫の原因となるのはどれか。
- 膠質浸透圧の上昇
- リンパ還流の不全
- 毛細血管内圧の低下
- 毛細血管透過性の低下
② リンパ還流の不全
【▼ポイント】
浮腫(むくみ)は、細胞間の水分がたまり、排泄されない状態をいう。リンパは毛細血管から漏れ出した不要な水分や老廃物を回収し、リンパ管・リンパ節を通って静脈(心臓)に送っており、リンパの還流が不全状態になると浮腫が生じる原因となる。
午後15 狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。
- ヘパリン
- ジゴキシン
- アドレナリン
- ニトログリセリン
④ ニトログリセリン
【▼ポイント】
ニトログリセリンは、虚血性心疾患の一つである狭心症に対する速効性の薬剤で、狭心症発作時に舌の下に入れて口内の粘膜で吸収し(舌下投与)、血管が拡張することで症状を緩和する。なお、副作用の一つとして、血管拡張による血圧低下(降圧)がある。
午後16 緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。
- コデイン
- アスピリン
- アトロピン
- フェニトイン
③ アトロピン
【▼ポイント】
アトロピンは副交感神経に作用する鎮痙薬で、眼科においては瞳孔を広げる散眼薬としても用いられる。ただし眼圧を上昇させるため、眼圧の上昇が原因である緑内障患者の症状を悪化させることがあり、禁忌とされる。
午後17 看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。
- 問題解決思考である。
- 医師の指示の下で計画を立てる。
- 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
- アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。
① 問題解決思考である。
【▼ポイント】
看護過程は、アセスメント(情報収集等)、看護診断、計画立案、実施、評価の5段階からなり、効率的に看護目標を達成するためのプロセスである。根拠に基づいた問題解決思考は、看護過程の展開を行う上で重要となる能力である。
午後18 成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。
- 2cm
- 5cm
- 12cm
- 15cm
② 5cm
【▼ポイント】
グリセリン浣腸は腸管の蠕動を促進し、排泄を促進させる。直腸穿孔の危険性があるため、立位による浣腸は危険であり、左側臥位による5~6cm程度のチューブ挿入を実施する。
午後19 右前腕に持続点滴をしている患者の寝衣交換で適切なのはどれか。
- 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
- 左袖から脱ぎ、左袖から着る。
- 右袖から脱ぎ、左袖から着る。
- 右袖から脱ぎ、右袖から着る。
① 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
【▼ポイント】
片腕の持続点滴患者や片麻痺のある者の衣類の着脱(介助)時には脱健着患が原則で、脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。本問の場合は、点滴をしていない左袖(健側)から脱ぎ、点滴をしている右袖(患側)から着る。
午後20 転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。
- 夜間はおむつを使用する。
- 履物はスリッパを使用する。
- 離床センサーの使用は控える。
- 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。
④ 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。
【▼ポイント】
ベッドからの移乗・移動時の転倒・転落事故や、転落時の重大事故を避けるため、転倒・転落リスクの高い患者では端座位時に足底が床につく高さが望ましい。
午後21 中心静脈から投与しなければならないのはどれか。
- 脂肪乳剤
- 生理食塩液
- 5%ブドウ糖液
- 高カロリー輸液
④ 高カロリー輸液
【▼ポイント】
高カロリー輸液は、輸液剤の浸透圧が高い高張液で、静脈炎等を引き起こすおそれがあるため、中心静脈から投与される。①脂肪乳剤や②生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)、③5%ブドウ糖液は、血漿と浸透圧がほぼ等しい等張液のため末梢静脈から投与ができる。
午後23 温罨法の作用で正しいのはどれか。
- 平滑筋が緊張する。
- 局所の血管が収縮する。
- 還流血流量が減少する。
- 痛覚神経の興奮を鎮静する。
④ 痛覚神経の興奮を鎮静する。
【▼ポイント】
温罨法(おんあんぽう)は、湯たんぽなどにより身体の一部に温熱刺激を与える方法である。効果としては、血管の拡張、血流の増加、新陳代謝の促進、平滑筋の弛緩、感覚・痛覚神経の興奮の鎮静(疼痛緩和)などが認められる。
午後24 体温調節中枢があるのはどれか。
- 橋
- 延髄
- 小脳
- 大脳皮質
- 視床下部
⑤ 視床下部
【▼ポイント】
視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節や摂食・飲水行動の調節のはたらきなどを持つ。
午後25 腎機能を示す血液検査項目はどれか。
- 中性脂肪
- ビリルビン
- AST〈GOT〉
- クレアチニン
- LDLコレステロール
④ クレアチニン
【▼ポイント】
腎機能の働きを調べる血液検査では、血清クレアチニンや血中尿素窒素が主な項目として挙げられる。①中性脂肪や⑤LDLコレステロールは脂質異常症、②ビリルビンは黄疸、③AST〈GOT〉やALT〈GPT〉は肝機能などの状態を調べる検査項目である。
資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
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