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一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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令和2年2月13日実施の第103回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第103回助産師国家試験目次

 

 

第103回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

28歳の初産婦。妊娠初期から膀胱炎を繰り返していた。妊娠28週に、排尿時の痛みと37.5℃の発熱を訴えてかかりつけの産婦人科を受診した。
腎盂腎炎と膀胱炎との鑑別で確認する所見はどれか。

 

  1. 頻尿
  2. 細菌尿
  3. 残尿感
  4. 腰背部の叩打痛

 

 


 

▶午前2

胎児期の免疫反応が出生後の発症の要因となる疾患はどれか。

 

  1. 仮性メレナ
  2. 先天緑内障
  3. 慢性肺疾患
  4. 未熟児貧血

 

 


 

▶午前3

妊婦に投与された薬物と胎児への影響との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. アミノグリコシド系抗菌薬――エナメル質形成不全
  2. アンギオテンシン受容体拮抗薬――臍帯ヘルニア
  3. チアマゾール――肺低形成症
  4. 非ステロイド抗炎症薬――動脈管収縮

 

 


 

▶午前4

A病院の助産師は、出産予定の初産婦の実母・義母を対象に「産後の母乳育児のサポート」をテーマとした「孫育て教室」を計画している。
教室に参加する実母・義母に関する情報で優先されるのはどれか。

 

  1. 家族形態
  2. 就労経験
  3. 出産回数
  4. 母乳育児経験

 

 


 

▶午前5

頭臀長〈CRL〉の計測によって分娩予定日を正確に診断できる妊娠時期はどれか。

 

  1. 6週
  2. 9週
  3. 12週
  4. 15週

 

 


 

▶午前6

産科の診療所で妊婦健康診査を受けている妊婦が妊娠中期に前置胎盤と診断された。
出血や子宮収縮がなく妊娠が経過している場合に、高次施設への紹介のタイミングとして推奨される時期はどれか。

 

  1. 妊娠33週0日未満
  2. 妊娠33週0日以降35週0日未満
  3. 妊娠35週0日以降37週0日未満
  4. 妊娠37週0日以降

 

 


 

▶午前7

新生児の低体温によって起こる生体反応で正しいのはどれか。

 

  1. ノルアドレナリン分泌低下
  2. 代謝性アルカローシス
  3. 末梢血管拡張
  4. 肺動脈収縮

 

 


 

▶午前8

月齢2か月の男児。在胎30週3日、常位胎盤早期剝離のため緊急帝王切開で出生した。出生体重1,515g。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後1点、5分後4点、10分後8点。現在、全身状態は良好だが、退院前の頭部MRI検査で多発性囊胞性病変を認めた。MRI検査所見を別に示す。
103am8 1j
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この児の予後で最も考慮する疾患はどれか。

 

  1. 難聴
  2. 水頭症
  3. 脳性麻痺
  4. 下垂体機能低下症

 

 


 

▶午前9

産婦健康診査事業で正しいのはどれか。

 

  1. エジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉による問診が必須である。
  2. 児の診察が健康診査に含まれる。
  3. 産後2か月までが対象となる。
  4. 全額公費負担となる。

 

 


 

▶午前10

院内助産において分娩時の出血時に助産師が自らの判断で行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 昇圧薬の投与
  2. 胎盤用手剝離
  3. 輸血開始の決定
  4. 腟内ガーゼ充塡

 

 


 

▶午前11

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉に定められている配偶者からの暴力に関する医療関係者の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 通報先は児童相談所である。
  2. 通報することは守秘義務に反する。
  3. 事実上婚姻関係にある被害者については通報できない。
  4. 配偶者暴力相談支援センター等の利用について被害者に情報提供する。

 

 


 

▶午前12

助産所で妊婦健康診査を受けた妊婦の所見で、嘱託医師への相談・報告が必要なのはどれか。

 

  1. 妊娠25週で骨盤位であった。
  2. 妊娠29週で胎児心拍数基線が155bpmであった。
  3. 妊娠34週で悪心・嘔吐の訴えで来所した。
  4. 妊娠37週で1時間に4回以上の子宮収縮がみられた。

 

 


 

▶午前13

産科医療補償制度再発防止委員会の報告書に基づき、常位胎盤早期剝離に関する妊婦や家族に行う保健指導はどれか。

 

  1. 禁酒
  2. 厳密な体重管理
  3. 入院による安静の確保
  4. 気になる症状がある場合の医療機関への早期連絡

 

 


 

▶午前14

新生児溶血性疾患で正しいのはどれか。

 

  1. 日齢10以降に発症する。
  2. 末梢血中の網赤血球が減少する。
  3. 間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症となる。
  4. ABO不適合溶血性疾患は母親の血液型がAB型の時に発症する。
  5. RhD不適合溶血性疾患は第2子より第1子の発症リスクが高い。

 

 


 

▶午前15

卵巣で正しいのはどれか。

 

  1. 内胚葉由来の臓器である。
  2. 子宮と卵巣堤索で連絡する。
  3. 卵胞は卵巣皮質に存在する。
  4. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉を産生する。
  5. 原始卵胞数のピークは30歳代である。

 

 


 

▶午前16

乳癌で正しいのはどれか。

 

  1. 超音波検査によって診断が確定する。
  2. 好発年齢は20〜30歳代である。
  3. 授乳期には発見が遅れやすい。
  4. 腫瘤の可動性は良好である。
  5. 圧痛を生じることが多い。

 

 


 

▶午前17

経口避妊薬の服用が禁忌となるのはどれか。

 

  1. 授乳中である。
  2. BMI25である。
  3. 子宮内膜症の既往がある。
  4. 1日5本の喫煙をしている。
  5. 子宮頸部円錐切除術後である。

 

 


 

▶午前18

流産を繰り返している夫婦の原因検索を行ったところ、均衡型転座が確認された。
この夫婦に対する次回の妊娠での流産再発率を低減させる治療法はどれか。

 

  1. 免疫グロブリン療法
  2. 夫のリンパ球免疫療法
  3. 着床前診断後の胚移植
  4. 低用量アスピリン療法
  5. プロゲステロン補充療法

 

 


 

▶午前19

Aさん(29歳、初産婦)。妊娠経過は正常。妊娠9週の経腟超音波検査で、左卵巣内に5cmの囊胞が確認された。囊胞は単房性で、内部に充実成分はなかった。妊娠13週に再度、経腟超音波検査が行われ、左卵巣内の囊胞は2cmに縮小していた。
この左卵巣囊胞の種類で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 妊娠黄体
  2. 皮様囊腫
  3. 卵巣妊娠
  4. 粘液性囊胞腺腫
  5. 子宮内膜症性囊胞

 

 


 

▶午前20

分娩経過中に、胎児心拍数陣痛図上で変動一過性徐脈の発生のリスク因子となる胎児付属物の所見はどれか。

 

  1. 副胎盤
  2. 臍帯偽結節
  3. 臍帯長40cm
  4. 臍帯辺縁付着
  5. 胎盤の石灰沈着

 

 


 

▶午前21

出生直後の新生児の所見で早急に医師への報告が必要なのはどれか。

 

  1. 産瘤
  2. サーモンパッチ
  3. 耳瘻孔
  4. 臍帯ヘルニア
  5. 処女膜ポリープ

 

 


 

▶午前22

乳幼児健康診査における神経発達の評価で視覚障害を疑う所見はどれか。

 

  1. 生後1か月、片目に眼脂を認める。
  2. 生後3か月、目が小刻みに揺れる。
  3. 生後6か月、顔に掛けられたハンカチを払いのける。
  4. 生後18か月、鉛筆でぐるぐる丸を書く。
  5. 生後24か月、赤信号を進もうとする。

 

 


 

▶午前23

Aさん(36歳、初産婦)。妊娠分娩の経過に問題はなく正常分娩で男児を出産した。現在産後1か月。産後は実母の支援を受けて育児をしており、児の体重増加も順調である。Aさんは「実は女の子が欲しかった。この子がかわいいとは思えない」と言う。
Aさんの状況のアセスメントはどれか。

 

  1. マタニティブルーズ
  2. ボンディング障害
  3. 産褥精神病
  4. ネグレクト
  5. 育児不安

 

 


 

▶午前24

Aさん(32歳、1回経産婦)。第1子は経腟分娩後にB群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症を発症した既往があった。今回、妊娠35週で行った腟周囲培養検査でB群溶血性連鎖球菌〈GBS〉は検出されなかった。
Aさんの第2子のB群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症予防のための対応で正しいのはどれか。

 

  1. 腟周囲培養検査を再度行う。
  2. 腟内の洗浄を行う。
  3. 帝王切開分娩を予定する。
  4. 陣痛発来あるいは前期破水後に抗菌薬を点滴投与する。
  5. 出生した児の皮膚消毒を行う。

 

 


 

▶午前25

第1前方後頭位で正常に分娩が経過している。現在、内診所見で先進部下降度はStation+3、矢状縫合は斜径である。
この時の分娩進行状態で正しいのはどれか。

 

  1. 児頭の最大周囲径の位置は骨盤出口部である。
  2. 産瘤が児頭の右前頭部に形成されている。
  3. 内診で恥骨結合後面は下縁のみ触れる。
  4. 内診で大泉門を母体の前方に触れる。
  5. 児頭は発露の状態である。

 

 


 

▶午前26

四つん這い分娩の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 介助者は産婦の表情を観察しやすい。
  2. 回旋異常が自然に矯正されやすい。
  3. 胎児の一過性頻脈が起こりにくい。
  4. 骨盤出口部が拡大しやすい。
  5. 産婦が腹圧をかけにくい。

 

 


 

▶午前27

在胎36週0日、出生体重2,000gで出生した男児。後頭部の頭皮欠損、小頭症、前額部の血管腫、小眼球症や鼻梁の盛り上がり、口唇口蓋裂および多指症を認めた。
児の身体的特徴から考えられる疾患はどれか。

 

  1. 13トリソミー
  2. 21トリソミー
  3. 22q11.2欠失症候群
  4. Turner〈ターナー〉症候群
  5. Klinefelter〈クラインフェルター〉症候群

 

 


 

▶午前28

出生後2か月ころまでの乳児がビタミンK欠乏性出血症を発症するリスクが高くなる要因はどれか。

 

  1. 妊娠中の抗てんかん薬の服用
  2. 高年初産の母体
  3. 正期産での分娩
  4. 人工乳栄養
  5. 女児

 

 


 

▶午前29

日齢0の新生児。在胎週数36週0日、頭位経腟分娩で出生。出生体重2,300g。外表所見より18トリソミーが疑われて入院となった。入院後の検査で単心室、重症心不全、食道閉鎖を認め、外科治療は可能だが、手術後1か月以上延命できる可能性は低いと判断された。
両親への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 外科手術を受けることを勧める。
  2. 母親への説明は父親を通して行う。
  3. 治療方針が決定するまで面会を制限する。
  4. 看取りの医療の選択肢について説明する。
  5. 入院当日は重篤な状態であることの説明は避ける。

 

 


 

▶午前30

均衡型胎児発育不全を呈する不当軽量児の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 双胎児に多い。
  2. 頭囲の発育は保たれる。
  3. 妊娠28週以降に発現する。
  4. 先天奇形の合併頻度が高い。
  5. 不当軽量児の大多数を占める。

 

 


 

▶午前31

日本で実施されている全国調査のうち、DOHaD学説が調査の基盤概念となっているのはどれか。

 

  1. 乳幼児栄養調査
  2. 国民生活基礎調査
  3. 全国家庭児童調査
  4. 乳幼児身体発育調査
  5. 子どもの健康と環境に関する全国調査〈エコチル調査〉

 

 


 

▶午前32

抗不安薬内服中の妊婦から出生した新生児に認められる薬物離脱症候群の症状で注意するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 嘔吐
  2. 発疹
  3. 頭囲拡大
  4. 無呼吸発作
  5. 頭頂部の皮膚剝離

 

 


 

▶午前33

羊膜で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血管がない。
  2. 羊水を分泌する。
  3. 胎生42日目に形成される。
  4. エストロゲンが分泌される。
  5. 子宮内膜から分化したものである。

 

 


 

▶午前34

羊水過多症に伴い母体に生じる症状はどれか。2つ選べ。

 

  1. 多尿
  2. 発熱
  3. 不眠
  4. 子宮収縮
  5. 食欲亢進

 

 


 

▶午前35

異所性妊娠で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 卵管間質部妊娠の頻度が最も高い。
  2. クラミジア感染症がリスク因子となる。
  3. 黄体形成ホルモン〈LH〉値測定が診断に有用である。
  4. 妊娠4週で子宮内に胎囊を認めない場合に診断される。
  5. 薬物療法としてメトトレキサートが用いられる。

 

 


 

▶午前36

Naegele〈ネーゲレ〉鉗子による急速遂娩で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 矢状縫合が横径の場合に適応となる。
  2. 鉗子柄を左右に動かして牽引する。
  3. 娩出完了まで会陰保護は行わない。
  4. 吸引分娩より牽引力が強い。
  5. 膀胱を空にして実施する。

 

 


 

▶午前37

播種性血管内血液凝固〈DIC〉を発生しやすい基礎疾患として産科DICスコアで加点対象となっているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 羊水塞栓症
  2. 癒着胎盤
  3. 妊娠糖尿病
  4. 常位胎盤早期剝離
  5. 仰臥位低血圧症候群

 

 


 

▶午前38

母乳ケア外来で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 集団指導を中心とする。
  2. 乳房ケア以外に心理的サポートも行う。
  3. 卒乳に関する相談は産科外来を紹介する。
  4. 対象の基準は出産後1年までの母親とする。
  5. 母乳ケア外来の評価を入院中の母乳育児ケアに活用する。

 

 


 

▶午前40

助産所の開設で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療法に規定されている。
  2. 開設者は助産師免許が必要である。
  3. 開設届は都道府県知事に提出する。
  4. 無床の助産所の開設届は不要である。
  5. 1人の助産師が同時に2か所以上の開設はできない。

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(28歳、初妊婦)。自然妊娠して病院の産婦人科で妊婦健康診査を受け、妊娠経過は順調であった。夫婦関係は良好で、夫は出産を非常に楽しみにしている。
妊娠24週の受診時に、Aさんは助産師に実兄のBさん(37歳)について話をした。Bさんは3年前から体が疲れやすく、握った指が開きにくい症状があり、神経内科を受診したところ検査の結果、遺伝性の神経筋疾患の診断を受けたという。Aさんは、Bさんの病気が今回の胎児に影響することを心配している。Bさんの病気については夫に話しておらず、今のところAさんには自覚症状はない。

 

▶午前41

この時点でのAさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 出産するまで悩まないよう励ます。
  2. 成人した後に発症する病気であると説明する。
  3. 次回の妊娠では児に遺伝する可能性が高まると説明する。
  4. Bさんの病気について夫と情報共有することを提案する。

 

 


 

▶午前42

その後、AさんはBさんから詳しい診療情報を入手して、妊娠26週の妊婦健康診査の際に助産師に渡した。Bさんの主治医が作成した家系図によると、Bさん以外にもAさんの実母および実叔父、実祖父にもBさんと同様の疾患が発症していた。AさんとBさんの家系図を示す。
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Aさんの家系における遺伝性疾患の遺伝形式で可能性が高いのはどれか。

 

  1. 母系遺伝
  2. X連鎖優性遺伝
  3. X連鎖劣性遺伝
  4. 常染色体優性遺伝
  5. 常染色体劣性遺伝

 

 


 

▶午前43

その後、妊娠30週の妊婦健康診査で胎児の解剖学的構造の異常はないが、羊水量が多いことが確認された。Aさんは産科医の勧めで、神経内科の診察と筋電図検査を受けたところ、Bさんと同じ疾患を有する可能性が高く、診断確定には遺伝子の検査が必要であると説明を受けた。Aさんは産科医と助産師に、分娩前に胎児に遺伝する可能性について調べる方法があるかどうかを質問した。
胎児の罹患の確定診断が可能な検査はどれか。

 

  1. 羊水検査
  2. 胎児MRI検査
  3. 胎児心拍数陣痛図
  4. 母体血清マーカー検査
  5. 非侵襲的出生前検査〈NIPT〉

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(30歳、2回経産婦)。第2子分娩後に腹腔鏡下子宮筋腫核出術の既往があるが、経腟分娩は可能と診断されていた。妊娠経過は順調であった。妊娠40週0日、陣痛発来にて入院となった。入院1時間後の時点で破水し、その後陣痛が増強した。さらに2時間が経過し、Aさんは額に汗を浮かべながら陣痛に耐えている。内診所見では既破水、子宮口全開大、Station+2であった。

 

▶午前44

この時点の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
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胎児心拍数陣痛図の所見で正しいのはどれか。

 

  1. 一過性頻脈
  2. サイヌソイダルパターン
  3. 早発一過性徐脈
  4. 遅発一過性徐脈
  5. 変動一過性徐脈

 

 


 

▶午前45

児娩出後30分が経過したが、胎盤剝離徴候がみられないため、医師によって胎盤用手剝離が行われて胎盤娩出となった。胎盤娩出後30分の時点で赤色の性器出血が持続しており、胎盤娩出後の出血量が300mLを超えた。Aさんは間歇的に軽度の下腹部痛を訴えているが、バイタルサインは正常である。子宮頸管や腟壁および会陰に異常所見はない。子宮底は臍高の位置に硬く触れる。
この時点での助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 下腹部を温める。
  2. 輸血の準備をする。
  3. 子宮底の輪状マッサージを行う。
  4. 胎盤実質の欠損の有無を確認する。
  5. 子宮内腔バルーン圧迫法の準備をする。

 

 


 

▶午前46

産褥3日の午後、Aさんは悪寒と発熱を自覚した。バイタルサインは体温38.8℃、血圧125/75mmHg、呼吸数25/分である。乳房は緊満しており軽度熱感があるが、痛みはない。子宮に圧痛があり、子宮底は臍高でやや軟である。経腹超音波検査では子宮内に悪露の貯留があるが、子宮体部筋層の異常はなく、腹腔内の出血は認めない。血液検査で白血球15,300/μL、Hb11.3g/dL、血小板12万/μL、CRP4.2mg/dLであった。
Aさんの発熱の原因で考えられるのはどれか。

 

  1. 乳腺炎
  2. 子宮破裂
  3. 子宮内膜炎
  4. 生理的な子宮復古
  5. 妊娠高血圧症候群

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(43歳、経産婦、専業主婦)。夫(45歳、会社員)と男児(2歳)と3人暮らし。妊娠11週3日。Aさんは「つわりがつらく、食事がしっかり摂れていません。水分は気を付けて摂っています」と言う。身長160cm、体重63kg(非妊娠時から-1kg)。血圧132/80mmHg。Hb10.6g/dL、Ht33%。尿蛋白(-)、尿ケトン体(-)。胎児は頭臀長〈CRL〉55mm、胎児心拍が確認された。

 

▶午前47

Aさんの妊娠経過の診断で正しいのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 重症妊娠悪阻
  3. 胎児発育不全
  4. 高血圧合併妊娠

 

 


 

▶午前48

妊娠30週0日。体重75kg。血圧142/90mmHg。尿蛋白+、浮腫+。時々腹部が張る感じがすると話す。推定胎児体重1,500g、胎児心拍正常。医師から1週後に受診するようにとの指示があった。Aさんは「自宅で血圧を測るとそんなに高くありません。子どもの世話もあるし、入院となると困ります」と言う。
助産師がAさんに行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「水分摂取を控えましょう」
  2. 「毎日ウォーキングをしましょう」
  3. 「自宅での血圧測定を続けましょう」
  4. 「家事や育児の合間には安静を心がけましょう」
  5. 「摂取エネルギーは、1日1,600kcal程度にしましょう」

 

 


 

▶午前49

妊娠35週0日。妊娠30週以降、血圧上昇はなく経過している。Aさんは「前回のお産は、時間がかかってつらかったのでお産が不安になってきました。バースプランはまだ立てていません。今回が最後のお産だと思うので、よい体験にしたいです」と助産師に話す。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「前回より短時間で出産できますよ」
  2. 「無痛分娩を検討してはどうでしょうか」
  3. 「分娩中の過ごし方について一緒に考えましょう」
  4. 「次回の健康診査までにバースプランを完成させてください」

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

Aさん(39歳、1回経産婦)。妊娠中の経過は順調であった。妊娠40週2日、陣痛が開始したため入院となった。午前1時30分、陣痛は2〜3分間欠、発作は40〜50秒。午前2時00分に破水。「便がしたい感じ。どうしてこんなに痛いの」と言いながら強くいきんでいる。内診所見は子宮口7cm開大、展退度90%、Station+1。

 

▶午前50

このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事摂取を勧める。
  2. 陣痛発作時に弛緩法を促す。
  3. 短息呼吸の方法を指導する。
  4. 分娩体位を整え努責を誘導する。

 

 


 

▶午前51

午前3時30分、3,560gの男児を正常分娩した。Apgar〈アプガー〉スコア1分後9点、5分後9点。午前3時35分に胎盤娩出。分娩時の会陰切開は行わず、産道裂傷は認めなかった。胎盤娩出後、子宮収縮は良好で出血も速やかに止まった。3期までの出血量は約450mLであった。午前4時30分、Aさんは「下腹部の方が徐々に痛くなり、痛みが止まりません」と訴えて顔をしかめている。脈拍116/分、血圧90/60mmHg。子宮底の硬度良好で、外出血はパットに少量である。外陰部には明らかな異常を認めないが、腟の左側の奥の方が顕著に膨隆している。
Aさんの状況で考えられるのはどれか。

 

  1. 不全子宮破裂
  2. 羊水塞栓症
  3. 頸管裂傷
  4. 弛緩出血
  5. 腟壁血腫

 

 


 

▶午前52

医師の処置を受けてAさんの状態は安定し、痛みも軽減した。分娩後4時間の時点で助産師とともに初回歩行を行ったところ、気分不快を訴えたため車椅子でベッドに戻った。Aさんのバイタルサインは脈拍94/分、血圧100/50mmHg。分娩後の総出血量1,600mLであった。出生後の児の状態は良好である。ベッドに戻ったAさんは児との面会を希望した。
この時点でのAさんと児への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母児同室を開始する。
  2. 早期母子接触を実施する。
  3. 新生児室内で児と面会する。
  4. 病室で短時間の面会を行う。
  5. 翌日までは面会を行わない。

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

Aさん(36歳、初妊婦、専業主婦)。B市在住で、夫(35歳、会社員)と2人暮らし。Aさんは双胎妊娠で、妊娠高血圧症候群を合併していたため、妊娠34週から管理入院していた。本日、妊娠37週4日。腹痛と性器出血があり、常位胎盤早期剝離と診断され、緊急帝王切開分娩となった。第1子は女児で出生時体重2,500g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後5点、5分後8点であった。第2子は男児で出生時体重2,350g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後2点、5分後2点。出生後2時間で死亡した。

 

▶午前53

第2子について必要な対応はどれか。

 

  1. 出生証明書の交付
  2. 死産証書の交付
  3. 死胎検案書の交付
  4. 異常死産児の届出

 

 


 

▶午前54

病棟師長はAさんの分娩を担当した助産師に、速やかに助産録を記載するよう伝えた。
担当助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 第1子用と第2子用の2部作成する。
  2. 分娩経過記録の記載を手術室看護師に依頼する。
  3. 妊娠高血圧症候群に関する記載は医師の診療録に委ねる。
  4. 緊急手術に関するインフォームド・コンセントの内容を記載する。

 

 


 

▶午前55

産褥4日。Aさんは第2子の葬儀のため外出し、産褥6日から母児同室となった。時々流涙することがあったが「夫とともにがんばってこの子を育てたい」と助産師に話した。産褥14日で退院となった。退院前日、面会に来た夫から助産師に対して「出産育児一時金について教えてほしい」と相談があった。Aさんは夫の扶養家族である。
夫への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「お子さん2人分が支給されます」
  2. 「居住地のB市から支給されます」
  3. 「正常分娩ではなかったので支給されません」
  4. 「Aさんは被保険者ではないので支給されません」

 

 

 

第103回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1

妊婦の摂取量が過量な場合に、有機水銀による胎児の健康障害が最も懸念される魚介はどれか。

 

  1. アジ
  2. サケ
  3. イワシ
  4. キンメダイ

 

 


 

▶午後2

骨盤内臓器で正しいのはどれか。

 

  1. 基靱帯は子宮支持組織の一つである。
  2. 子宮動脈は総腸骨動脈から分岐する。
  3. 性成熟期女性の正常な子宮は鵞卵大である。
  4. 卵巣動脈は卵巣固有靱帯(固有卵巣索)内を通る。

 

 


 

▶午後3

子宮頸がん検診で適切なのはどれか。

 

  1. NILMでは精密検査を勧める。
  2. 子宮頸部細胞診の検体採取は吸引法で行う。
  3. ベセスダシステムに基づいた分類で報告される。
  4. 日本における対象者の受検率は70%を超えている。

 

 


 

▶午後4

受精卵の着床で正しいのはどれか。

 

  1. 着床するのは胞胚期である。
  2. 子宮内膜の増殖期に着床する。
  3. 受精卵は受精後10日目に着床する。
  4. 子宮内膜に接着してから透明帯が消失する。

 

 


 

▶午後5

胚葉由来と組織との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 内胚葉――中枢神経
  2. 外胚葉――平滑筋
  3. 中胚葉――甲状腺
  4. 中胚葉――心臓

 

 


 

▶午後6

Aさん(39歳、初産婦)。妊婦健康診査で来院した。妊娠16週、単胎。身長160cm、体重56kg(非妊時体重55kg)。妊娠経過は順調である。Aさんは助産師に「今まで運動習慣はなかったのですが、マタニティビクスを始めたいと思っています。注意することはありますか」と質問した。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「1分間の脈拍が145回を超えないようにしましょう」
  2. 「妊娠28週以降に始めましょう」
  3. 「午後3時以降に行いましょう」
  4. 「毎日運動しましょう」

 

 


 

▶午後7

乳幼児のアタッチメント〈愛着〉で正しいのはどれか。

 

  1. 不特定の他者と結ばれる関係である。
  2. 他者を遠ざけるために信号行動を行う。
  3. 愛着対象を安全基地として探索活動を行う。
  4. アタッチメントの形成で人見知りは消失する。

 

 


 

▶午後8

在胎38週0日、2,800gで出生した日齢12の新生児。母乳栄養のみである。
人工乳の補足の検討が必要な児の状況はどれか。

 

  1. 頻回の溢乳
  2. 体重2,750g
  3. 授乳回数10回/日
  4. 排便回数5〜6回/日

 

 


 

▶午後9

生後4か月の女児。外傷を主訴に、母親に連れられて救急外来を受診した。2歳の兄も一緒に来院した。母親は「2歳の兄が一緒に遊ぼうと腕を引っ張っていた。また、寝返りをしてソファから落ちたようだ」と話す。女児は不機嫌でぐずっている。医師が女児を診察した結果、左上腕内側と右前額部の出血斑、左鎖骨骨折、右肋骨骨折を認めた。
女児の受傷原因で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 養育過誤
  2. 本人の転落
  3. 兄との遊びでの事故
  4. 保護者の身体的虐待

 

 


 

▶午後10

NICU入院中の早産児の足底採血を行う際、児の感じる痛みのケアのために行うのはどれか。

 

  1. 経腸栄養投与後に採血する。
  2. 23G注射針を用いて採血する。
  3. 採血前に口腔内に白湯を投与する。
  4. 採血前に児の身体をタオルでくるむ。

 

 


 

▶午後11

日本における生殖補助医療による出生児数の推移のグラフを示す。
103pm11j
Aはどれか。

 

  1. 顕微授精出生児
  2. 体外受精出生児
  3. 凍結融解胚移植出生児
  4. 提供配偶子による出生児

 

 


 

▶午後12

助産所における胎盤の取扱いで適切なのはどれか。

 

  1. 助産所の敷地内に埋める。
  2. 廃棄数を自治体へ報告する。
  3. 産婦の自宅への持ち帰りを許可する。
  4. 市町村長の許可を受けた廃棄物収集運搬業者に委託する。

 

 


 

▶午後13

Aさん(36歳、初産婦)。産後1か月。体重53kgで、非妊時から2kg減少している。母乳のみで授乳している。Aさんの平均摂取カロリー量は1,950kcal/日であった。
授乳期に推奨される1日当たりの摂取カロリー量にするために、Aさんが増量する必要があるカロリー量で正しいのはどれか。

 

  1. 100kcal
  2. 200kcal
  3. 400kcal
  4. 600kcal

 

 


 

▶午後14

Aさん(17歳、高校生)。母親とともに月経前症候群の相談で産婦人科を受診した。月経周期は30日型で規則的で、月経痛がある時は市販の痛み止めを時々服用している。医師の診察では子宮、卵巣に形態的異常はなかった。Aさんは「月経前の数日間は、いつもイライラして憂鬱な感じがある。授業に集中できず、担任の先生にしばしば注意を受けてしまい、困っている」と助産師に話した。
Aさんへの助産師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「低用量ピルによる治療の選択肢があります」
  2. 「月経開始前から痛み止めを使いましょう」
  3. 「月経前は学校を休むようにしましょう」
  4. 「月経前の症状は自然に治ります」

 

 


 

▶午後15

Aさん(32歳、経産婦)。夫と長女(2歳半)との3人暮らし。妊娠24週2日の妊婦健康診査に実母および長女と3人で来院した。待合室にいるAさんの左腕には、肘を中心に広範囲に包帯が巻かれており、助産師はドメスティック・バイオレンス〈DV〉を疑った。
助産師の最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 警察に通報する。
  2. Aさんに包帯を巻いている理由を尋ねる。
  3. Aさんと1対1で話ができる場所を確保する。
  4. Aさんの実母に包帯を巻いている理由を尋ねる。
  5. AさんにDVスクリーニングの自記式調査票の記入について説明する。

 

 


 

▶午後16改題

定期予防接種で生後2か月から接種が可能でないのはどれか。

 

  1. 肺炎球菌ワクチン
  2. ロタウイルスワクチン
  3. 四種混合〈DPT-IPV〉ワクチン
  4. 麻しん風しん混合〈MR〉ワクチン
  5. インフルエンザ菌b型〈Hib〉ワクチン

 

 


 

▶午後17

Aさん(75歳)。性器脱と診断され、ペッサリーの挿入により症状が改善していた。最近、帯下に少量の出血が混じるため産婦人科を受診した。ペッサリーと接する腟壁に浅いびらんがあり、少量出血を認める。超音波検査では子宮、付属器は正常で、子宮頸部の細胞診では異常はない。
出血の改善に有効な腟錠の成分はどれか。

 

  1. イソコナゾール
  2. エストリオール
  3. プロゲステロン
  4. メトロニダゾール
  5. クロラムフェニコール

 

 


 

▶午後18

Aさん(32歳、初妊婦)。妊娠6週に、四肢と体幹に軽度の隆起を伴う紅色の皮疹が多発しているのが確認された。妊娠前に外陰部の腫瘤を自覚していたが、自然に消失したという。産婦人科で梅毒血清反応と梅毒トレポネーマ抗体血清検査〈TPHA〉を行ったところ、いずれも陽性であった。
Aさんへの治療で正しいのはどれか。

 

  1. γ-グロブリンの投与を行う。
  2. ペニシリン系抗菌薬を投与する。
  3. 妊娠12週以降に治療を開始する。
  4. 陰圧室に隔離して治療を行う必要がある。
  5. 梅毒トレポネーマ抗体血清検査〈TPHA〉が陰性となるまで治療を継続する。

 

 


 

▶午後19

Aさん(19歳、初妊婦、飲食店勤務)。20歳の会社員Bさんと同居している。Bさんとの間での妊娠が判明して産婦人科で妊婦健康診査を受けていた。Bさんは妊娠を喜んでいて出産を楽しみにしているが、AさんはBさんの家族との関係が悪く、入籍の予定はないと言う。Aさんは産後に1年の育児休業を予定している。
出産に向けた準備を進める上で、助産師が確認する情報で最も重要なのはどれか。

 

  1. 自宅の広さ
  2. Aさんの通勤時間
  3. Aさんの家族関係
  4. 分娩費用の準備状態
  5. Aさんの母乳育児の希望

 

 


 

▶午後20

29歳の1回経産婦。妊娠40週1日。陣痛発来で入院となり、その後破水した。破水時の内診所見は子宮口4cm開大、展退度70%、Station-2で、羊水流出が持続的に認められた。胎児心拍数陣痛図の所見で軽度の変動一過性徐脈が認められ、連続モニタリングを行っていたが、破水から2時間後、突然遷延一過性徐脈が出現し、臍帯脱出が疑われた。
助産師が産婦に対して最初に行うのはどれか。

 

  1. 側臥位への体位変換
  2. 羊水流出量の確認
  3. 深呼吸の促し
  4. 血圧測定
  5. 内診

 

 


 

▶午後21

分娩進行中の子宮口全開大後の経時的な内診所見を図に示す。
この場合の児頭回旋で正しいのはどれか。
103pm21j

 

  1. 第1前方後頭位
  2. 第2前方前頭位
  3. 低在横定位
  4. 高在縦定位
  5. 不正軸進入

 

 


 

▶午後22

Aさん(34歳、初産婦)。陣痛発来して、産婦人科に入院した。Aさんは無痛分娩を希望し、硬膜外カテーテルから局所麻酔薬が投与された。その3分後に、Aさんは手のしびれと気分不快を訴えた。頸部に氷を当てたところAさんはあまり冷たくないという。
この時点で直ちに準備するもので優先度が高いのはどれか。

 

  1. 降圧薬
  2. 輸血用器材
  3. 吸入ステロイド薬
  4. 気管挿管のための器材
  5. 自動体外式除細動器〈AED〉

 

 


 

▶午後23

42歳の経産婦。既往歴、家族歴に特記すべきことはない。前置胎盤に伴う出血があり、2週間の安静入院後、妊娠37週で帝王切開術となった。手術翌日の子宮底の高さは臍下1横指で、収縮は良好である。術後の初回歩行前に左下腿に浮腫と発赤を認め、その部位に痛みを訴えている。バイタルサインは体温37.0℃、脈拍80/分、血圧120/75mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
優先的に行うのはどれか。

 

  1. 心電図検査
  2. 尿定性検査
  3. 凝固機能検査
  4. 呼吸機能検査
  5. 造影CT検査

 

 


 

▶午後24

日齢3の正期産児。出生体重3,100g。混合栄養で哺乳は良好だが、哺乳後の非胆汁性嘔吐を1日4、5回認めている。排尿、排便は良好である。本日の体重は2,850gで腹部膨満を認め、医師の診察の結果、胃軸捻転の疑いと診断されている。
児の日常のケアの際の助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 上体の挙上
  2. 糖水の投与
  3. 人工乳の増量
  4. 腹部マッサージ
  5. おしゃぶりの使用

 

 


 

▶午後25

正期産児に発症した胎便吸引症候群の合併症で注意するのはどれか。

 

  1. 壊死性腸炎
  2. 動脈管開存症
  3. 気管支肺異形成
  4. 胎便関連性腸閉塞
  5. 新生児遷延性肺高血圧症

 

 


 

▶午後26

生後12時間の新生児。在胎32週1日、出生体重1,700gで出生した。保育器内で経鼻的持続気道陽圧呼吸療法〈CPAP〉(吸入酸素濃度25%)を開始し、輸液管理中である。バイタルサインは、体温(腋窩温)36.5℃、呼吸数65/分、心拍数160/分、血圧50/32mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94%であった。また、血糖値は60mg/dLであった。
現在の児の状態の評価で正しいのはどれか。

 

  1. 頻脈
  2. 多呼吸
  3. 低血圧
  4. 低体温
  5. 低酸素血症

 

 


 

▶午後27

機能性月経困難症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 周期性の痛みがある。
  2. 30歳以降の発症が多い。
  3. 子宮内膜症が関与している。
  4. 月経が始まると症状が消失する。
  5. レボノルゲストレル放出子宮内システム〈LNG-IUS〉で症状が緩和する。

 

 


 

▶午後28

胎児期における男性化の性分化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. ウォルフ管が退縮する。
  2. SRY遺伝子の発現が必要である。
  3. アンドロゲン作用が抑制されている。
  4. 抗ミューラー管ホルモンが作用する。
  5. 外性器の形成は胎生2か月で完了する。

 

 


 

▶午後29

33歳の女性。卵管因子による不妊のため1年前から治療を開始し、今回初めて体外受精―胚移植〈IVF-ET〉を受けることになった。
女性への治療方法の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「移植する胚は1個です」
  2. 「胚は卵管内に移植します」
  3. 「卵子の採取には腹腔鏡を使用します」
  4. 「成熟卵胞を刺して卵子を採取します」
  5. 「顕微鏡下で精子を卵子に注入し受精させます」

 

 


 

▶午後30

妊娠による母体の生理学的変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血清アルブミン値は上昇する。
  2. 血中尿素窒素は低下する。
  3. 凝固機能が抑制される。
  4. 心拍出量が増える。
  5. 腹式呼吸になる。

 

 


 

▶午後31

妊娠中期以降の胎児の発育・発達で、羊水の存在が重要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肺の成熟
  2. 腎機能の発達
  3. 消化管の発達
  4. 骨髄造血の増加
  5. 副腎皮質の発育

 

 


 

▶午後32

分娩進行中の子宮の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 外子宮口が後方に移動する。
  2. 子宮峡部は伸展して薄くなる。
  3. 子宮頸部は下方から開大・短縮する。
  4. 子宮洞筋部の収縮は娩出の原動力となる。
  5. 組織学的子宮口の位置に生理的収縮輪が形成される。

 

 


 

▶午後33

Aさん(28歳、初産婦)。昨日3,680gの児を吸引分娩で出産し、分娩2時間後に導尿し300mLの排尿があった。現在分娩後8時間が経過しているが自然排尿がなく、Aさんは助産師に「トイレに行きたい感じがしないです」と話した。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨盤底筋の体操を指導する。
  2. 水分摂取量を確認する。
  3. トイレで自然排尿を試みるよう促す。
  4. 導尿する。
  5. 尿意を感じるまで様子をみて良いと伝える。

 

 


 

▶午後34改題

令和4年(2022年)の日本の母子保健統計で正しいのはどれか。

 

  1. 合計特殊出生率は1.26である。
  2. 人工死産率よりも自然死産率の方が高い。
  3. 年齢別の出生率で最も高いのは25〜29歳である。
  4. 新生児死亡の原因は「周産期に特異的な呼吸障害、および心血管障害」が最多である。

 

 


 

▶午後35

児童福祉法で規定しているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子の看護休暇
  2. 乳幼児健康診査
  3. 乳児家庭全戸訪問事業
  4. 地域子育て支援拠点事業
  5. 母子健康包括支援センター

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(38歳、初産婦)。妊娠26週3日。身長160cm、体重64kg(非妊時体重60kg)。本日の75gOGTTで負荷前105mg/dL、1時間値190mg/dL、2時間値160mg/dLであり、妊娠糖尿病と診断された。

 

▶午後36

Aさんの行う血糖コントロールで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 1日1回の自己血糖測定をする。
  2. 食前の目標血糖値を100mg/dL以下とする。
  3. 食後2時間の目標血糖値を150mg/dL以下とする。
  4. 妊娠中に減量をする。
  5. 1日摂取エネルギー量を1,800kcalとする。

 

 


 

▶午後37

妊娠39週3日。Aさんは、破水後に来院し、入院した。羊水混濁なし。児は頭位、推定胎児体重3,600g。2時間後に自然に陣痛発来し、分娩は順調に経過した。入院から8時間後に児頭は娩出されたが、肩甲がひっかかり娩出されない。
この時のAさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子宮底圧迫法を行う。
  2. 児頭を下方に牽引する。
  3. 恥骨結合の上から肩甲を押す。
  4. McRoberts〈マックロバーツ〉体位をとる。
  5. 指を児の腋窩に入れ腕を解出する。

 

 


 

▶午後38

児は無事に出生した。出生体重3,800g。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後10点。生後1時間、児のバイタルサインは直腸温36.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であり、診察上明らかな異常所見は認めなかった。
この児に注意すべき合併症はどれか。

 

  1. 低血糖
  2. 低体温
  3. 頭蓋内出血
  4. 新生児一過性多呼吸
  5. 先天性甲状腺機能低下症

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(33歳、初産婦)。30歳で甲状腺機能亢進症を発症し、Basedow〈バセドウ〉病の診断により甲状腺亜全摘術を受け、レボチロキシンの内服を継続していた。Aさんは無月経を主訴に産婦人科を受診して、妊娠6週相当と診断された。また、診察で子宮体部の筋層内に複数の子宮筋腫が指摘されて子宮体部全体は新生児頭大であった。

 

▶午後39

医師の診察後にAさんは「子宮筋腫ができているなんて知りませんでした。妊娠や出産にどのような影響がありますか」と助産師に聞いた。
助産師が行うAさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「胎児の先天異常のリスクが増加します」
  2. 「出産後に子宮全摘出術が必要です」
  3. 「妊娠糖尿病になりやすくなります」
  4. 「子宮破裂を生じやすくなります」
  5. 「切迫早産が生じやすくなります」

 

 


 

▶午後40

その後の妊娠経過は順調で、血液検査では甲状腺機能は正常範囲であった。妊娠34週の妊婦健康診査の超音波検査で胎児の甲状腺の腫大が確認された。産科医師からAさんに、出産後に児の甲状腺機能亢進症が生じる可能性が告げられた。診察後にAさんは助産師に「私のバセドウ病は落ち着いているのに、どうして赤ちゃんの甲状腺機能が異常になるのでしょうか」と訴えた。
Aさんの児の甲状腺機能亢進症が生じる原因で正しいのはどれか。

 

  1. ヒト絨毛性ゴナドトロピン
  2. 甲状腺切除手術の既往
  3. レボチロキシンの内服
  4. 自己抗体の胎盤通過
  5. 胎児の甲状腺癌

 

 


 

▶午後41

妊娠38週0日に陣痛発来し、Aさんは入院となった。入院後12時間の経過で子宮口が全開し、その後4時間で分娩となった。児は3,650gの男児で、Apgar〈アプガー〉スコア1分後9点、5分後9点である。胎盤は児の娩出の5分後に自然娩出となった。その後も出血が持続しており、胎盤娩出後5分間の出血量は450mLとなった。医師による診察が行われているが原因が特定できていない。Aさんは意識清明で、バイタルサインは脈拍85/分、血圧120/75mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。
この時点でのAさんへの対応で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 飲水を促す。
  2. 酸素を投与する。
  3. 末梢静脈を血管確保する。
  4. 側臥位への体位変換を促す。
  5. 弾性ストッキングの着用を勧める。

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(36歳、初妊婦、会社員)。現在、妊娠14週3日。昨夜、少量の性器出血があったため、家族とともに外来受診した。身長165cm、体重57.0kg(非妊時体重56.5kg)。血圧126/68mmHg。Hb11.5g/dL、Ht33.2%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢浮腫(-)、下肢に静脈瘤を認めるが痛みはない。既往歴は特にない。

 

▶午後42

胎児心拍数150bpm、下腹部痛の自覚なし。診察後に絨毛膜下血腫を指摘され、医師からなるべく安静にするように言われた。Aさんは「安静の必要性について上司にどのように伝えればいいですか」と助産師に相談した。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 家族から説明してもらうように提案する。
  2. 助産師が上司に電話で説明することを伝える。
  3. 母子健康手帳を使って説明するように伝える。
  4. 母性健康管理指導事項連絡カードの利用を提案する。

 

 


 

▶午後43

妊娠32週。妊婦健康診査で特に異常はなかった。Aさんは助産師に「被用者保険に加入していますが、これから出産準備に入って仕事ができないと、収入がなくなりますよね。収入がなくなるのはとても困ります」と不安そうにしている。
産前休業取得中にAさんが支給の対象となるのはどれか。

 

  1. 出産育児一時金
  2. 出産手当金
  3. 育成医療
  4. 出産扶助

 

 


 

▶午後44

Aさんは妊娠41週5日、妊婦健康診査のために病院を受診した。超音波検査で推定胎児体重2,600g、AFI5で羊水量の減少が確認された。胎児心拍数陣痛モニタリングではリアクティブパターンであった。体温36.5℃、脈拍60/分、血圧130/78mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。医師からAさんは分娩誘発のための入院を勧められたが「分娩誘発のために入院になるなんて思いもよらなかった。入院しないでいたらどんなことが起きてくるのですか」と助産師に尋ねた。
Aさんの分娩で特に予測されるのはどれか。

 

  1. 常位胎盤早期剝離
  2. 胎児機能不全
  3. 子宮内感染
  4. 肩甲難産
  5. 弛緩出血

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)。妊娠経過は順調であった。妊娠39週5日で3,420gの女児を吸引分娩で出産した。分娩所要時間20時間50分、破水から分娩までの所要時間1時間30分。分娩時出血量450mL。正中側切開術が施行された。

 

▶午後45

分娩後5時間。体温37.4℃、脈拍88/分、血圧100/74mmHg。子宮底の高さ臍高、子宮底は硬く触れる。赤色悪露中等量、後陣痛軽度。会陰縫合部の発赤(-)、腫脹軽度、発汗がみられ、口渇を訴える。
この時点のAさんのアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 口渇は耐糖能の異常によるものである。
  2. 出血多量による頻脈がみられている。
  3. 自然に正常体温に戻る可能性が高い。
  4. 会陰縫合部の感染が疑われる。
  5. 子宮復古は良好である。

 

 


 

▶午後46

産褥3日。母児同室となり、Aさんは頻回に授乳を行っている。児の体重は3,300g。排便(移行便)3回/日、排尿5回/日。活気があり吸啜良好である。Aさんは「授乳のコツもわかってきましたが、昨晩も眠れなかったので疲れてきました」と言う。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「ミルクを足しましょう」
  2. 「このまま頑張りましょう」
  3. 「授乳の回数を減らしましょう」
  4. 「一時的に赤ちゃんを預かりましょう」

 

 


 

▶午後47

産褥4日。Aさんは、明日退院の予定となった。Aさんは「赤ちゃんの世話にもやっと慣れてきました。赤ちゃんはかわいいです。出産後に助産師さんとお産のことを話した時は、よく頑張ったねと言ってもらえました。でも出産に時間がかかり吸引分娩になるとは思いませんでしたし、傷がまだ痛いです。私はちゃんとしたお産ができなかったのではないかと思います」と言う。
Aさんへの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「よく頑張ったのだから立派なお産ですよ」
  2. 「無事にお産が終わったことを喜びましょう」
  3. 「もう一度、お産の振り返りをしてみませんか」
  4. 「新生児訪問でお産の話を聞いてもらってください」

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(34歳、初妊婦)。産婦人科に通院し、妊婦健康診査を受けていた。妊娠30週0日に規則的な子宮収縮を自覚して来院し、緊急入院となった。バイタルサインは、体温38.0℃、呼吸数24/分、脈拍100/分、血圧130/80mmHg。胎児心拍数モニタリングで胎児心拍基線170bpmであった。内診所見では、頭位、子宮口2cm開大、未破水。腟分泌物に少量血液が混じっており、悪臭を伴っていた。血液検査は、白血球数18,000/μL、CRP3.0mg/dL。尿検査では尿混濁はなく、尿蛋白(-)、尿糖(-)であった。

 

▶午後48

入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 絨毛膜羊膜炎が疑われる。
  2. 子宮頸管縫縮術が有効である。
  3. 妊娠高血圧症候群〈HDP〉である。
  4. 妊娠の延長を目指す必要がある。

 

 


 

▶午後49

Aさんは入院翌日、経腟分娩で男児を出産した。羊水混濁は認めなかった。出生直後の児は啼泣を認めるが、呼吸数60/分、心拍数140/分。鼻翼呼吸、呻吟、陥没呼吸、中心性チアノーゼを認め、マスクを用いた持続的気道陽圧呼吸療法〈CPAP〉が行われた。しかし、努力呼吸とチアノーゼに改善が認められず、気管挿管による人工呼吸が開始された。
児の状況で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 喉頭軟化症
  2. 肺動脈閉鎖症
  3. 呼吸窮迫症候群
  4. 胎便吸引症候群

 

 


 

▶午後50

児はNICUに入院となり、保育器内で人工呼吸器管理、輸液管理が行われている。分娩後6時間、Aさんは会陰切開部の創部痛のため非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用しており、車椅子で児の面会のためにNICUを訪れた。Aさんは「赤ちゃんが心配です」と話し、涙を流している。
助産師のAさんへの声かけで正しいのはどれか。

 

  1. 「赤ちゃんの状況はご主人から聞いてください」
  2. 「両手でお子さんを包み込んであげてください」
  3. 「大きな声で呼びかけてあげてください」
  4. 「鎮痛薬使用中は搾乳を控えてください」

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

Aさん(37歳、初産婦、正社員)。夫と2人暮らし。6か月前にB市に引っ越してきた。B市では、子育て世代包括支援センターに助産師の母子保健コーディネーターを配置し、妊娠初期から育児期まで継続して支援を行っている。Aさんは、妊娠30週の時に、育児準備教室を受講するために子育て世代包括支援センターを訪れた。受講後、Aさんは母子保健コーディネーターと面談し「私の母は父の看病をしているので、産後の手伝いは頼めません。出産後は夫と2人で頑張って子育てをする予定です」と話している。

 

▶午後51

母子保健コーディネーターがAさんの子育て支援ケアプランを作成するにあたり、優先して情報収集する項目はどれか。

 

  1. 育児用品の準備状況
  2. 夫の職場の子育て世帯への協力体制
  3. 保育所への入所に関する疑問の有無
  4. B市の母子保健サービスの把握状況

 

 


 

▶午後52

Aさんは、妊娠34週から産前休業を取得した。Aさんは子育て世代包括支援センターを訪問し「産前休業に入る時に、上司から他の人を雇いたいので産後休業が終わったら早めに辞めてもらいたいと言われました。それ以来、気持ちが落ち込んでいます。私は、仕事を辞めたくありません」と話している。
この時の母子保健コーディネーターのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 産婦人科医に相談するよう勧める。
  2. 婦人相談所に相談するよう勧める。
  3. 法律上仕事は辞めさせられないことを伝える。
  4. 仕事と育児を両立するための講演会への参加を勧める。

 

 


 

▶午後53

Aさんは、妊娠38週に帝王切開術で男児を出産した。産後は母子ともに順調に経過した。1か月健診の1週後、Aさんから母子保健コーディネーターに電話があり「出産後1か月は夫が育児休業を取って手伝ってくれたのですが、今は、夫は仕事が忙しくて帰りが遅く、私1人で赤ちゃんの世話と家事をすべてやらなければなりません。夜もほとんど寝ることができません」と話している。
母子保健コーディネーターの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 産婦人科の受診を勧める。
  2. 地区担当の保健師と連携する。
  3. 実母へ家事支援を依頼するよう促す。
  4. ファミリーサポートセンターの利用を勧める。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(16歳、女子)。高校1年生の1月に月経異常を主訴に母親と産婦人科を受診した。
現病歴:4か月前(9月頃)から月経がない。
月経歴:初経13歳、1年前までの月経周期27日、期間4〜5日。
既往歴:なし。
生活歴:高校入学後憧れていた新体操部に入部し、試合のメンバーに選ばれることを目標に早朝と放課後に練習を続けている。学校の欠席はない。朝夕の食事は家族と摂り、昼食は学生食堂を利用している。
家族歴:父、42歳、会社員、健康。母、40歳、会社員、健康。妹、13歳、中学1年生、健康。
身体所見:第二次性徴の発現年齢は正常。
身長160cm、体重41kg(高校入学時から10kg減少)。妊娠反応陰性。

 

▶午後54

現在のAさんの状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 過少月経
  2. 希発月経
  3. 遅発月経
  4. 続発性無月経

 

 


 

▶午後55

診察室でAさんは「部活の練習は楽しいです。先輩たちはみなスタイルがよく、太りたくないので食事の量を減らしています」と話した。
Aさんの月経異常の要因をアセスメントするために最も重要な情報はどれか。

 

  1. 現在のボディイメージ
  2. 部活動の人間関係
  3. 部活動の日数
  4. 睡眠時間

 

 


 

資料 厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

令和3年2月11日実施の第104回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第104回助産師国家試験目次

 

 

第104回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

乳癌で正しいのはどれか。

 

  1. 前癌状態として乳腺症がある。
  2. 好発部位は乳房の内下部である。
  3. 閉経後の肥満がリスク因子である。
  4. 発症年齢のピークは60歳代である。

 

 


 

▶午前2

妊娠初期の過剰な摂取によって胎児の異常が生じる危険性がある栄養素はどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB6
  4. ビタミンB12

 

 


 

▶午前3

母体保護法第14条に明記されている人工妊娠中絶の適応となるのはどれか。

 

  1. 胎児が染色体異常であると診断された。
  2. 妊婦が妊娠中に梅毒に感染した。
  3. 暴行によって妊娠した。
  4. 妊婦が14歳である。

 

 


 

▶午前4

子宮頸がん検査の検体採取の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 頸管に麻酔をする。
  2. 頸管粘液を採取する。
  3. 子宮口の扁平円柱上皮結合部を擦過する。
  4. プレパラートに塗布した検体を凍結保存する。

 

 


 

▶午前5

排卵期に血中濃度が急上昇するのはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. バソプレシン
  3. プロゲステロン
  4. 黄体形成ホルモン〈LH〉

 

 


 

▶午前6

妊娠による性器の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 初期に卵巣は腫大する。
  2. 腟内の乳酸の産生が減少する。
  3. 子宮頸部は体部より早期に軟化する。
  4. 子宮壁の厚さは妊娠末期に最大となる。

 

 


 

▶午前7

胎盤通過性で正しいのはどれか。

 

  1. グルコースは通過しない。
  2. 免疫グロブリンIgGは通過する。
  3. 水溶性が高い物質ほど通過しやすい。
  4. 分子量が大きい物質ほど通過しやすい。

 

 


 

▶午前8

骨盤峡部の前後径を表しているのはどれか。

 

  1. 恥骨結合後面中央と第2、3仙椎癒合部の中央との距離
  2. 岬角の中央から恥骨結合上縁中央までの距離
  3. 恥骨結合下縁から仙骨下端中央までの距離
  4. 左右寛骨臼内面中心間の距離

 

 


 

▶午前9

産褥4日の初産婦。産後の経過に異常はなく、母乳育児をしている。明日退院予定である。2年後に2人目の子どもが欲しいと話した。
産後の避妊法の説明として適切なのはどれか。

 

  1. コンドームは産後8週まで使用できない。
  2. ペッサリーは妊娠前と同じサイズのものでよい。
  3. 低用量経口避妊薬は産後1か月から使用できる。
  4. 子宮内避妊器具〈IUD〉は子宮の復古が確認されたら挿入できる。

 

 


 

▶午前10

A病院では希望がある場合に助産師による家庭訪問を行っている。5月、正常分娩して退院した初産婦の産褥10日に家庭訪問を行うことになった。
家庭環境について把握する項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. ベビーバスの有無
  2. 児の冬服の準備状況
  3. 温度および湿度調整の可否
  4. 独立した育児用の部屋の有無

 

 


 

▶午前11

妊婦の心理で多くみられるのはどれか。

 

  1. 妊娠初期に胎児への関心が最も高まる。
  2. 妊娠中期にアンビバレントな感情が強くなる。
  3. 出産準備教育を受けることで出産に対する不安は消失する。
  4. 妊娠による体型の変化のとらえ方と妊娠の受容は関連する。

 

 


 

▶午前12

Aさん(33歳、経産婦)。夫と長男(3歳)との3人暮らし。妊娠24週2日の妊婦健康診査で来院した。妊娠経過は順調である。診察時、助産師に「前回の出産は1人で長い時間陣痛に耐えて痛くてつらかったです。夫は仕事で出産後に病院に到着しました。今回の付き添いも夫と話したけど、難しそうです。また同じ思いをするのかと思うと、不安です」と話す。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 経産婦の平均分娩所要時間を説明する。
  2. 硬膜外麻酔分娩について情報提供する。
  3. 子どもの立会い出産を検討するよう促す。
  4. Aさんが希望するケアについて話し合う。

 

 


 

▶午前13

産褥の時期と子宮復古の正常な所見の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 産褥2日――子宮底を臍高に触知
  2. 産褥7日――外子宮口1指開大
  3. 産褥14日――赤色悪露
  4. 産褥28日――手拳大の子宮

 

 


 

▶午前14

Aさん(26歳、初産婦)。妊娠39週6日で2,850gの女児を正常分娩した。本日産褥2日、助産師が訪室すると、Aさんが児に布団をかけずに寝かせていた。児の検温をすると36.4℃で、手足にやや冷感を認めた。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 母児同室を一時中断する。
  2. 育児のパンフレットを渡す。
  3. 頻回に児の体温計測を行うよう指導する。
  4. 一緒に児の手足を触りながら冷感について説明する。

 

 


 

▶午前15

Aさん(38歳、初産婦)。母乳で育てたいと強く希望している。産褥3日、授乳時に児が泣き止まず助産師が呼ばれた。授乳状況は、児の顎が下に向いて乳房で顔がふさがり、児の首がねじれた状態で、Aさんは自分の乳房を強くつかんで押し込んでいた。
助産師の説明として、適切なのはどれか。

 

  1. 「乳房を支えて赤ちゃんに近づけましょう」
  2. 「赤ちゃんの下顎が乳房に触れないようにしましょう」
  3. 「赤ちゃんの耳、肩、おしりが一直線になるように抱っこしましょう」
  4. 「赤ちゃんを乳房に近づけるときは、下唇が乳頭の位置にくるようにしましょう」

 

 


 

▶午前16

Aさん(34歳、初産婦)。妊娠41週1日。予定日超過のため誘発分娩目的で入院した。入院後2日目に陣痛発来したが、回旋異常のため吸引分娩で出産した。分娩時出血量700mL、分娩所要時間は32時間であった。出生時体重3,560g、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点、5分後10点であった。Aさんは分娩中、陣痛時は大声をあげ、分娩台の上での体動が大きく、分娩後は「こんなはずではなかった」と表情は暗かった。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 頻回授乳の促し
  2. 分娩体験の振り返り
  3. 母児同室の早期の開始
  4. 産後ケア事業の情報提供

 

 


 

▶午前17

母乳栄養希望のあるヒトT細胞性白血病ウイルス-Ⅰ型〈HTLV-1〉キャリア妊婦に対して推奨される第一選択の授乳指導はどれか。

 

  1. 離乳の完了までの直接母乳栄養
  2. 生後90日までの直接母乳栄養
  3. 凍結母乳による栄養
  4. 完全人工栄養

 

 


 

▶午前18

生後1か月の健康診査時、母親から児のいちご状血管腫について相談を受けた。
母親への助産師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「日光には当てないでください」
  2. 「局所の感染に注意する必要があります」
  3. 「治療に関して小児科で相談してください」
  4. 「皮脂の分泌過多が原因で症状が悪化します」

 

 


 

▶午前19

戦後の母子保健施策を年代順に古いものから表に示す。
104am19j
(  )に入るのはどれか。

 

  1. 育成医療の開始
  2. 未熟児養育医療の開始
  3. B型肝炎母子感染防止事業の開始
  4. 妊産婦健康診査の公費負担制度の制定

 

 


 

▶午前20改題

令和4年(2022年)の母子保健統計で正しいのはどれか。

 

  1. 合計特殊出生率は約1.6である。
  2. 周産期死亡数は約2,500人である。
  3. 人工妊娠中絶実施率(女子人口千対)は約1.0である。
  4. 女性の労働力率を年齢階級別にみると逆U字型曲線を描く。

 

 


 

▶午前21

妊婦健康診査でHBs抗原陽性、HBe抗原陽性を指摘された初産婦に対して行う母子感染予防策で正しいのはどれか。

 

  1. 出産直前の母体に抗ウイルス薬投与を行う。
  2. 予定帝王切開で分娩を行う。
  3. 出生直後の児にB型肝炎ワクチン接種を行う。
  4. 生後2か月で抗HBsヒト免疫グロブリン投与を行う。

 

 


 

▶午前22

公的医療保険が適応されるのはどれか。

 

  1. 新生児の沐浴指導料
  2. 正常経腟分娩の分娩介助料
  3. 貧血を生じた褥婦に対する鉄剤の処方料
  4. 新生児の先天性代謝異常等マススクリーニング検査費用

 

 


 

▶午前23

法律において、「使用者は、産後(①)週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後(②)週間を経過した女性が請求した場合において、その者について、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない」と規定されている。
①と②に入る数字の組合せで正しいのはどれか。

 

  ①  ②

  1. 4――6
  2. 6――8
  3. 8――4
  4. 8――6

 

 


 

▶午前24

児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に明記されている助産師の役割はどれか。

 

  1. 児童虐待の早期発見
  2. 虐待を受けた児童の一時保護
  3. 虐待のおそれがある児童の居所への訪問
  4. 保護者に対する児童虐待防止のための教育

 

 


 

▶午前25

周産期病棟における新生児の安全管理で適切なのはどれか。

 

  1. 児の移動は抱っこで行う。
  2. 児の総数は1日1回確認する。
  3. 児の識別用ネームバンドは退院日の朝に外す。
  4. 新生児の姓名(ネームカード)が廊下から見えないようにする。

 

 


 

▶午前26

陣痛発来後に分娩進行が停滞した産婦に対し、陣痛促進を目的として実施した足浴の効果を評価するための指標で適切なのはどれか。

 

  1. 足浴実施から分娩終了までの時間
  2. Apgar〈アプガー〉スコア
  3. 回旋異常の頻度
  4. 鉗子分娩の比率
  5. 分娩時出血量

 

 


 

▶午前27

月経前症候群〈PMS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 日常生活に支障がある。
  2. 薬物治療は無効である。
  3. 更年期症状の一つである。
  4. 原因は子宮内膜症である。
  5. 月経前不快気分障害〈PMDD〉は軽症型である。

 

 


 

▶午前28

胎児超音波検査において後頸部透亮像〈nuchal translucency : NT〉の評価時期で適切なのはどれか。

 

  1. 妊娠9週
  2. 妊娠12週
  3. 妊娠18週
  4. 妊娠24週
  5. 妊娠30週

 

 


 

▶午前29改題

日本人の食事摂取基準(2020年版)で、妊娠中の女性が非妊時と同量の摂取で良いとされる栄養素はどれか。

 

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンC
  4. 葉酸

 

 


 

▶午前30

出生直後の新生児の血糖維持の機序において、最も早期に効果が発現するホルモンはどれか。

 

  1. グルカゴン
  2. カテコラミン
  3. コルチゾール
  4. 成長ホルモン
  5. 甲状腺ホルモン

 

 


 

▶午前31

Rubin〈ルービン〉の母性論の模倣にあたるのはどれか。

 

  1. 受動的な行動である。
  2. 悲嘆作業の一つである。
  3. 模写と役割演技がある。
  4. 妊娠期に限定された行動である。
  5. 自分なりの方法で子どもの世話をする。

 

 


 

▶午前32

分娩第1期の母体内の胎児の図を示す。
104am32j
図の状態はどれか。

 

  1. 正軸進入
  2. 低在横定位
  3. 高在縦定位
  4. 前在頭頂骨進入
  5. 後在頭頂骨進入

 

 


 

▶午前33

Aさん(32歳、初妊婦)。妊娠39週5日、陣痛発来後、3時間の経過で3,850gの児を分娩した。胎盤娩出直後から子宮収縮が不良で、子宮双手双合圧迫法が行われた。分娩後30分時点で出血量の総量が1,500mLを超えたが、子宮からの出血が持続している。体温37.3℃、脈拍120/分、血圧95/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%(room air)。
この時点での新鮮凍結血漿の輸血の判断に必要な血液検査値で最も重要なのはどれか。

 

  1. 血小板数
  2. 白血球数
  3. ヘモグロビン値
  4. 血清アルブミン値
  5. フィブリノゲン値

 

 


 

▶午前34

妊娠分娩経過に問題なく、経腟分娩で出生した正期産新生児の感染予防対策として正しいのはどれか。

 

  1. 出生直後に胎脂を拭い取る。
  2. 出生直後に抗菌薬の点眼を行う。
  3. 生後1時間以内に初回の沐浴を行う。
  4. 臍帯断端をポビドンヨードで消毒する。
  5. 早期母子接触時に母親に手袋を装着させる。

 

 


 

▶午前35

1か月児健康診査に来院した母親と児。完全母乳栄養で児の全身状態は良好だが、睡眠中に呼吸が2〜3秒停止することがあり、乳幼児突然死症候群〈SIDS〉を母親は心配している。児は家ではベビーベッドに仰臥位で就寝しており、寝入ると体温は37℃台後半のことが多く、また溢乳が1日10回程度認められている。
母親への指導で正しいのはどれか。

 

  1. 夜間の人工栄養を併用する。
  2. 児を温めすぎないようにする。
  3. 夜間は添い寝で児を観察する。
  4. 寝かせはじめは腹臥位にしておく。
  5. 表面が柔らかいマットレスを使用する。

 

 


 

▶午前36

妊娠初期の母体の生理的特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 糸球体濾過率〈GFR〉が増加する。
  2. インスリンの感受性が亢進する。
  3. 全身の循環血液量が最大となる。
  4. 肺の1回換気量は低下する。
  5. 体温が上昇する。

 

 


 

▶午前37

妊娠34週の胎児の発育について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 身長は約35cmである。
  2. 成長速度は1日15gである。
  3. 羊水中のレシチンが急増する。
  4. 胎動に伴い一過性頻脈がみられる。
  5. レム睡眠よりノンレム睡眠の時間が長い。

 

 


 

▶午前38

38℃以上の発熱がある妊婦でLencki〈レンキ〉の臨床的絨毛膜羊膜炎の診断基準に当てはまるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子宮の圧痛
  2. 羊水の混濁
  3. 腟分泌物の増加
  4. 母体脈拍110/分
  5. 白血球数12,000/μL

 

 


 

▶午前39

頭位分娩の分娩介助技術で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肛門が哆開してきたら肛門保護を行う。
  2. 後頭結節が外れたら直ちに児頭娩出させる。
  3. 前在肩甲娩出時は肛門方向に軽く押す。
  4. 後在肩甲娩出時は産婦に努責を促す。
  5. 躯幹は骨盤誘導線に沿って大回りで通過させる。

 

 


 

▶午前40

光線療法が適応となる新生児黄疸の原因疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. 新生児肝炎
  2. 胆道閉鎖症
  3. 先天性胆道拡張症
  4. 遺伝性球状赤血球症
  5. ABO不適合溶血性疾患

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(64歳、女性)は夫が昨年に他界し、3人の子どもと別居しており現在1人暮らしである。婦人科外来を受診し「昨年から軟らかいかたまりが腟のところに触れられる。押すと戻るがまた出てきて困っている。下着とこすれて、おりものが多い」と訴えた。診察の結果、Aさんは膀胱下垂を中心とした骨盤臓器脱と診断された。Aさんはペッサリーによる矯正を行うことになり、助産師が保健指導を実施することとなった。

 

▶午前41

助産師が「骨盤内の臓器を支える力が弱くなると、一部が腟内に垂れたり、腟口から脱出して、触れることがあります」と説明すると、Aさんから「私の場合は何が触れているのか知りたい」と質問があった。
Aさんへの回答として、適切な部位はどれか。

 

  1. 膀胱
  2. 子宮頸部
  3. 腟前壁
  4. 後腟円蓋
  5. 直腸筋膜

 

 


 

▶午前42

Aさんは「ペッサリーを使うようになってから、臓器が降りてくる感じがなくなりました。でも、尿漏れが少し気になっています。自分でできることがあれば教えてほしい」と話した。助産師はKegel〈キーゲル〉体操の実施を提案することにした。
説明として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「膀胱に尿をためて行いましょう」
  2. 「どんな姿勢で行ってもよいです」
  3. 「肩と腹に力を入れましょう」
  4. 「腟のあたりに力を入れて5秒間くらい維持しましょう」
  5. 「1回行ったら2〜3日間隔をあけましょう」

 

 


 

▶午前43

その後の半年間、Aさんは毎月受診し経過は順調であった。Aさんは「昨年から悩んでいたけど、いまはスッキリしました。治療してよかったです」と話した。今後もペッサリーの自己着脱は継続し、受診頻度は減らす方針である。
今回の受診時に助産師が確認すべきAさんの状態はどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨量
  2. 腟内pH
  3. 排尿の状態
  4. 排便の状態
  5. 腟出血の有無

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(40歳、1回経産婦)。20歳から喫煙している。今回、妊娠を機に禁煙を試みたが、現在も5本/日喫煙している。妊娠36週0日、妊婦健康診査のため産婦人科病院を定期受診した。身長158cm、体重62kg(非妊時体重55kg)、血圧135/80mmHg。尿蛋白(+)、尿糖(±)。子宮底長28cm。空腹時血糖85mg/dL。胎児推定体重1,950g、AFI8。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮2回/40分、胎児心拍数基線120bpm、基線細変動正常、一過性頻脈3回/40分。子宮口1指開大、展退度30%、頸管長30mm。

 

▶午前44

現時点でのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 切迫早産
  2. 羊水過多
  3. 妊娠糖尿病
  4. 胎児発育不全
  5. 妊娠高血圧症候群〈HDP〉

 

 


 

▶午前45

妊娠37週3日、午前1時にAさんから病院に電話があり「30分位前から時々下腹部の痛みを感じています。茶色いおりものが少量でています」と言う。
助産師がAさんから聴取する情報で最も重要なのはどれか。

 

  1. 次回の受診予約
  2. 食事摂取の時間
  3. 胎動の有無
  4. 便秘の有無

 

 


 

▶午前46

その後、Aさんは自宅で経過をみることになった。同日午後2時にAさんが直接来院し、「1時間ほど前からお腹の痛みが急に強くなり、時々血が腟から流れでています」と言う。来院時体温37.0℃、脈拍100/分、血圧135/85mmHg。胎児心拍数陣痛図で3分毎の子宮収縮があり、心拍数の基線細変動が減少しており、遅発性一過性徐脈が確認された。緊急帝王切開術が施行された。術中出血量は羊水を含めて2,600mLであった。羊水に血液が混じっており、胎盤の母体面の一部に血腫の付着が認められた。
手術室から帰室した時点のAさんの観察項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 腟からの出血量
  2. 下肢の浮腫
  3. 腸蠕動音
  4. 発熱

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

在胎週数32週、出生体重1,800g、児心音低下のため緊急帝王切開で出生した男児。出生直後、啼泣なく筋緊張は低下。温めたタオルで羊水を拭き取り、口鼻腔内から白色の分泌物を吸引した。心拍は6秒間に3回であった。直ちに人工呼吸が行われ、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターと心電図モニターが装着された。生後2分が経過しても自発呼吸を認めなかったため、気管挿管による人工呼吸と胸骨圧迫が開始された。生後5分の評価で、心拍数50/分、自発呼吸はなく、全身性チアノーゼを認めた。

 

▶午前47

最初に投与すべきなのはどれか。

 

  1. ドパミン
  2. 生理食塩液
  3. 新鮮凍結血漿
  4. アドレナリン
  5. 重炭酸ナトリウム

 

 


 

▶午前48

救命された児は母との面会のあとNICUに入院となった。児は保育器に収容され、人工呼吸器が装着された。血液検査や胸腹部エックス線撮影の結果、呼吸窮迫症候群と診断され人工肺サーファクタント補充療法が行われた。
1時間後の児のバイタルサインは体温37.0℃、心拍数138/分、血圧48/28mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94%(上肢)、83%(下肢)で上下肢差を認めた。
考えられる病態はどれか。

 

  1. 壊死性腸炎
  2. 大血管転位症
  3. 胎便吸引症候群
  4. 新生児遷延性肺高血圧症

 

 


 

▶午前49

生後3週、児は保育器の中で経管栄養を行っている。呼吸補助や酸素投与は不要で、体重は出生体重に回復し、本日初回の眼底検査を受けることになった。
このときの児への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 空腹時の検査を避ける。
  2. 照明下で検査を実施する。
  3. 検査前に抗菌薬を点眼する。
  4. 開瞼器の圧迫による迷走神経反射に注意する。

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

Bさん(39歳、1回経産婦)。妊娠32週の妊婦健康診査目的でA病院の助産師外来を受診した。血圧126/68mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢浮腫(±)。子宮底28cm。推定胎児体重1,950g。胎動あり。Bさんは「上の子の出産後に会陰切開の痛みが強かったので、できれば今回は会陰切開をせずにお産したいです」と話している。

 

▶午前50

このときの助産師外来の助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 会陰切開が必要かはわからないと伝える。
  2. 会陰切開の創痛には鎮痛薬を使用できると説明する。
  3. 妊娠37週以降に会陰切開について話し合う計画を立てる。
  4. 会陰切開に対する希望をバースプランに記載するよう勧める。

 

 


 

▶午前51

Bさんは、妊娠39週で3,450gの男児を正常分娩した。産褥3日、Bさんは疲れた様子で、泣いている児をあやしている。助産師が声をかけると「上の子はこんなに泣かなかったのに、この子は何をしても泣き止まなくて、どうしていいかわかりません」と張りのない声で答え、涙を流している。助産師はマタニティブルーズを疑い、退院後のフォローアップについて検討するためにカンファレンスを行った。A病院は、母親のメンタルヘルスの支援を充実させるために、保健センターとの連携を強化している。
Bさんのマタニティブルーズの経過を評価するときの方法と評価者との組合せで、最も適切なのはどれか。

 

  1. 退院後1週以内の電話による状況確認――A病院の助産師
  2. 産後1か月健診――A病院の助産師外来の担当者
  3. 新生児訪問事業――保健センターの保健師
  4. 乳児家庭全戸訪問事業――乳児家庭全戸訪問事業の訪問員

 

 


 

▶午前52

Bさんは、産後の身体的な経過は良好で、授乳も順調で母乳栄養である。退院前日、夫から第1子(3歳)がインフルエンザと診断されたと連絡があった。Bさんは、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種している。A病院の産科病棟は、子どもの立ち入りが禁止されている。Bさんは退院を強く希望し、主治医と相談した結果、予定通り退院することになった。Bさんは「退院後にこの子(第2子)の育児で注意することを教えてください」と話している。
Bさんへの指導内容で正しいのはどれか。

 

  1. 沐浴を中止する。
  2. 手洗いを励行する。
  3. 搾乳して児に与える。
  4. 第2子の衣類は第1子と分けて洗濯する。

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(33歳、初産婦)。自然妊娠し、産婦人科病院で妊婦健康診査を受けており妊娠経過は順調であった。子宮底部前壁に4cm大の子宮筋層内筋腫が指摘されていた。妊娠38週の妊婦健康診査では児の推定体重2,860g、羊水量正常で胎盤位置は子宮底部の後壁であった。妊娠39週2日、午後10時に陣痛が開始して来院した。体温37.4℃、心拍数85/分、血圧125/75mmHg。内診所見は頭位、子宮口6cm開大、展退度80%、Station±0、未破水で入院となった。
入院時の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
104am53j

 

▶午前53

この胎児心拍数陣痛図の徐脈性変化の原因で最も適切なのはどれか。

 

  1. 臍帯圧迫
  2. 子宮筋腫
  3. 母体発熱
  4. 胎児発育不全
  5. 産道による児頭圧迫

 

 


 

▶午前54

入院翌日の午前4時に破水となり、内診所見は子宮口全開大、Station+2であった。午前5時の時点で陣痛周期3分、陣痛持続時間1分でAさんは仰臥位で陣痛時にいきみを生じている。内診所見はStation+3で、軽度産瘤形成があり、矢状縫合は斜めの向きで大泉門を10時方向に触れた。胎児心拍数陣痛図では胎児心拍に異常は認めない。
このときのAさんへの助産師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 帝王切開の準備をする。
  2. 吸引分娩の準備をする。
  3. Aさんにマスクによる酸素投与を行う。
  4. Aさんの体位を変えて経過を観察する。
  5. 強く努責を行うことをAさんに勧める。

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(30歳、1回経産婦)。第1子は骨盤位のため38週0日に予定帝王切開で出産した。今回の妊娠経過は順調で、Aさんは経腟分娩を希望している。妊娠38週3日9時、陣痛発来し入院した。入院時子宮口3cm開大、未破水。末梢静脈の血管確保をして経過観察をしていたところ分娩は順調に進行し、14時の内診では子宮口9cm開大、Station+1、破水していた。その直後、Aさんは突然激しい腹痛を訴えた。呼吸数30/分、血圧70/30mmHg、脈拍120/分。胎児心拍数陣痛図では変動一過性徐脈が出現し、その後高度徐脈となった。直ちに助産師が内診を行うと児頭を触知できなかった。異常な性器出血はみられなかった。

 

▶午前55

このときのAさんの状態で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 頸管裂傷
  2. 子宮破裂
  3. 常位胎盤早期剝離
  4. 仰臥位低血圧症候群

 

 

 

第104回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1

中高年女性の脂質異常症で適切なのはどれか。

 

  1. 総コレステロール値で診断される。
  2. 加齢に伴う耐糖能の上昇が原因である。
  3. 閉経前は生活習慣改善による非薬物療法が中心である。
  4. LDLコレステロール値の上昇が改善目標とされている。

 

 


 

▶午後2

胎児性アルコール症候群の児に生じる典型的な異常はどれか。

 

  1. 肢欠損
  2. 小頭症
  3. 眼間開離
  4. 脳室周囲白質軟化症

 

 


 

▶午後3

子宮の構造で正しいのはどれか。

 

  1. 子宮筋層は横紋筋からなる。
  2. 子宮頸部では弾性線維が乏しい。
  3. 生理的収縮輪は洞筋部に形成される。
  4. 子宮峡部は解剖学的内子宮口と組織学的内子宮口の間である。

 

 


 

▶午後4

性器ヘルペスについて正しいのはどれか。

 

  1. 再発例は初感染よりも重症化する。
  2. 妊娠中の抗ウイルス薬治療は避ける。
  3. 分娩時に外陰部に水疱がある場合は帝王切開を行う。
  4. 性器ヘルペスを合併した妊婦から出生した児は出生後にワクチンを投与する。

 

 


 

▶午後5

産婆の免状制を初めて規定したのはどれか。

 

  1. 医制
  2. 産婆規則
  3. 太政官布告
  4. 産婆名簿登録規則

 

 


 

▶午後6

臓器移植では拒絶反応の主要な要因となる分子であり、妊娠では絨毛細胞における特殊な発現様式が胎児に対する母体の免疫学的受容に深くかかわっているのはどれか。

 

  1. エストロゲン受容体
  2. プロゲステロン受容体
  3. ヒト白血球抗原〈HLA〉
  4. ヒト絨毛性ゴナドトロピン

 

 


 

▶午後7

抗RhD抗体陰性の妊婦に対して抗D免疫グロブリンを投与すべき時期はどれか。

 

  1. 陣痛発来時点
  2. 羊水穿刺の直後
  3. 正期産の産褥5日
  4. 妊娠5週での自然流産直後

 

 


 

▶午後8

在胎22週の胎児の状態はどれか。

 

  1. 音に対する明らかな反応がある。
  2. 全身に胎脂の付着を認める。
  3. 覚醒期が認められる。
  4. 呼吸様運動を認める。

 

 


 

▶午後9

出生直後の新生児の哺乳前行動で適切なのはどれか。

 

  1. 自分の手を吸啜する。
  2. 生後2時間以降に認める。
  3. 覚醒レベルのState6で認める。
  4. 分娩中の麻酔薬による影響は少ない。

 

 


 

▶午後10

助産師は、中学1年生の女子生徒30名を対象とした45分間の健康教育の依頼を受けた。養護教諭と担任教諭との事前打ち合わせで、中学1年生で月経が発来した生徒が約半数であること、月経前にイライラ感、頭痛などを訴える生徒が多いことがわかった。
今回の健康教育を行う内容で、優先度が高いのはどれか。

 

  1. 月経時の手当の仕方
  2. 月経前症候群の症状
  3. 基礎体温の測定
  4. 性感染症

 

 


 

▶午後11

産婦の状態と、産婦に勧める体位の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 前回分娩所要時間が3時間の既往――座位
  2. 第1期潜伏期に疲労が強い――側臥位
  3. 第1期活動期に強い腰痛の訴えがある――仰臥位
  4. 児娩出直後に胎盤剝離出血がみられる――四つん這い

 

 


 

▶午後12

Aさん(35歳、初産婦)。3,300gの児を正常分娩した。分娩所要時間は15時間30分で出血量は350mL。会陰裂傷はⅡ度で縫合術施行。分娩後1時間経過した時点で「縫ったところが、急にとても痛くなってきた。腟の奥も圧迫されてる感じがする」と訴えがあった。体温37.5℃、脈拍84/分、血圧122/66mmHg。出血量は35mL、子宮底は臍高で硬度は良好だった。
このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. トイレで排尿を促す。
  2. 会陰および腟部を診察する。
  3. 鎮痛薬の処方を医師に依頼する。
  4. 1時間後に出血量を確認すると説明する。

 

 


 

▶午後13

早産期の前期破水について正しいのはどれか。

 

  1. 発症後分娩まで1週間以上かかることが多い。
  2. 診断後に頸管縫縮術を行う。
  3. 抗菌薬の投与を行う。
  4. 初産婦に多い。

 

 


 

▶午後14

Aさん(31歳、初産婦)。妊娠30週3日で下腹部痛を訴え、かかりつけ医を受診し、子宮口2cm開大、切迫早産のため周産期医療センターに搬送された。搬送後、分娩が進行し経腟分娩となった。Aさんは、助産師がバースレビューを実施した際に「早く産まれたのでNICUに入院して一緒にいられない。おっぱいは張ってきたけど飲ませてあげられない」と話した。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「無事に出産できたことを受け入れましょう」
  2. 「早産になってしまった原因について考えましょう」
  3. 「直接授乳できなくても搾乳した母乳はあげられます」
  4. 「お母さんは先に退院できるので、その間に体調を整えましょう」

 

 


 

▶午後15

妊産婦のための食事バランスガイドにおいて、母乳栄養を行っている褥婦の主食の1日付加量として適切なのはどれか。

 

  1. うどん1杯分
  2. おにぎり1個分
  3. もりそば1杯分
  4. ロールパン1個分

 

 


 

▶午後16

生後10か月の男児。これまで乳児健康診査や予防接種は遅滞なく受けている。7か月児健康診査では特に問題は指摘されていない。
10か月児健康診査で社会性発達を評価する項目として適切なのはどれか。

 

  1. 身ぶりをまねする。
  2. あやすと声を出して笑う。
  3. 鏡に映った自分の顔に反応する。
  4. おむつをはかせるとき両足を広げる。

 

 


 

▶午後17

家庭内で幼児が誤飲した。児の全身状態は良好で、嘔気はみられない。
受診前の初期対応として催吐が禁忌になるのはどれか。

 

  1. 灯油
  2. たばこ
  3. 向精神薬
  4. アルコール飲料

 

 


 

▶午後18改題

周産期医療体制整備における地域周産期母子医療センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設である。
  2. 令和5年(2023年)には全国で500施設が設置されている。
  3. 総合周産期母子医療センターと同数が整備される。
  4. 三次医療圏の範囲を基準に設置が検討される。

 

 


 

▶午後19

産科病棟で、正常新生児用のクリニカルパスを導入した。
期待できる効果はどれか。

 

  1. 個別性のある授乳指導ができる。
  2. 新生児の取り違えが防止できる。
  3. 児に関する情報を母親と共有できる。
  4. 先天性甲状腺機能低下症が早期発見できる。

 

 


 

▶午後20

日本において婚姻届が受理される状況はどれか。

 

  1. 夫婦別姓
  2. 証人が未成年
  3. 三親等内の傍系血族間の結婚
  4. 妊娠していない女性が離婚日の翌日に届出

 

 


 

▶午後21

さん(28歳、初産婦)。妊娠16週0日。分娩予約の目的で病院を1人で受診した。外来受診時に助産師は、Aさんの顔面の出血斑に気付き、ドメスティックバイオレンス〈DV〉を疑った。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 顔面の出血斑の原因を聞く。
  2. ソーシャルワーカーを紹介する。
  3. 配偶者暴力相談支援センターに連絡する。
  4. 次回の妊婦健康診査時にDVスクリーニングを行う。

 

 


 

▶午後22

助産所について正しいのはどれか。

 

  1. 開設した場合は所在地の市区町村長に届け出る。
  2. 分娩を扱わない助産所でも産後ケアを行える。
  3. 開設者は助産師でなければならない。
  4. 入所者数の上限は12名である。

 

 


 

▶午後23

大規模災害が発生した。病院は停電・断水となった。建物の倒壊はない。入院中の褥婦に退院先の状況を確認したところ、全員から、停電・断水中だが居住可能な場所に退院する、との返答があった。
明日退院予定で混合栄養を行う褥婦に説明する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 児は退院まで新生児室で預かる。
  2. 哺乳瓶の代わりに紙コップも使用できる。
  3. 母乳分泌量に関わらず母乳栄養は中止する。
  4. 調乳にはミネラルウォーター(硬水)を使用する。

 

 


 

▶午後24

出生前に行われる遺伝学的検査について正しいのはどれか。

 

  1. 検査後に遺伝カウンセリングを開始する。
  2. マススクリーニングとして実施される。
  3. 確定的検査と非確定的検査がある。
  4. 妊娠22週以降には実施しない。

 

 


 

▶午後25

分娩誘発・促進の方法で正しいのはどれか。

 

  1. メトロイリンテルの挿入後、子宮収縮薬を併用する時は30分あける。
  2. プロスタグランジンFは気管支喘息の合併妊婦には使用できない。
  3. 吸湿性頸管拡張材は子宮収縮薬投与中であっても使用できる。
  4. プロスタグランジンE2錠は30分後に1錠追加できる。
  5. オキシトシンの開始時投与量は5〜15mIU/分である。

 

 


 

▶午後26

切迫早産で入院中の妊婦。持続点滴静脈内注射で硫酸マグネシウムの投与が行われている。
高マグネシウム血症のリスクが高まる状態はどれか。

 

  1. 肥満
  2. 不眠
  3. 便秘
  4. 尿量減少
  5. 羊水過少

 

 


 

▶午後27

正常な妊娠経過の経産婦に認められる所見と妊娠週数の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. Piskacek〈ピスカチェック〉徴候――妊娠16週ころ
  2. 胎動初覚――妊娠18週ころ
  3. 前駆陣痛――妊娠24週ころ
  4. 組織学的内子宮口開大――妊娠28週ころ
  5. 産徴――妊娠34週ころ

 

 


 

▶午後28

40歳の初産婦。妊娠経過は順調であったが、妊娠38週の妊婦健康診査で血圧が140/95mmHgとなり、分娩誘発が行われて順調に経腟分娩した。産褥1日目に突然「胃のあたりが痛い」と訴え、苦悶様表情を浮かべている。意識は清明で血圧170/110mmHg、脈拍100/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。
直ちに行うべき検査はどれか。

 

  1. 上部消化管内視鏡検査
  2. 胸部エックス線撮影
  3. 肝機能の血液検査
  4. 血液ガス分析
  5. 脳波検査

 

 


 

▶午後29

日齢5の正期産新生児。哺乳は良好だが、胸部聴診で収縮期心雑音を聴取した。聴取した心雑音の最強点を図に示す。バイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数80/分、心拍数150/分(整)、血圧65/40mmHg、下肢の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%(room air)であった。
104pm29j
心雑音の原因として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 機能性心雑音
  2. 重症肺動脈狭窄症
  3. 心室中隔欠損症
  4. 総肺静脈還流異常症
  5. 動脈管開存症

 

 


 

▶午後30

Aさん(31歳、既婚)。妊娠歴なし。会社の子宮頸がん検診で細胞診異常の指摘を受けた。その後、挙児希望があり、婦人科外来を受診した。子宮頸部組織検査で軽度異形成(CIN1)、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性であった。
助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「出産後には自然治癒します」
  2. 「定期的に産婦人科に通院しましょう」
  3. 「妊娠のためには人工授精が必要です」
  4. 「頸部病変の悪化がなければ妊娠することができます」
  5. 「すぐに子宮頸癌のワクチンの接種を受けてください」

 

 


 

▶午後31

妊娠末期の妊婦へのLeopold〈レオポルド〉触診法で骨盤位と疑われるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 第1段で凹凸のない硬い球形の塊に触れる。
  2. 第2段で母体側方に均等な板状の抵抗が触れる。
  3. 第3段で球形の塊が触れる。
  4. 第3段で最も大きな部分に触れる。
  5. 第4段は第2段で触れた部分に続く凹凸のある部分に触れる。

 

 


 

▶午後32

胎児のwell-beingの評価で異常と判断される所見はどれか。2つ選べ。

 

  1. 羊水ポケット4cm
  2. 30分間で胎動1回
  3. 胎児心拍数基線140bpm
  4. 拡張期の臍帯動脈血流の逆流
  5. 15bpm以上かつ15秒以上の一過性頻脈が30分間に3回

 

 


 

▶午後33

重症妊娠悪阻の妊婦の注意すべき主な合併症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 悪性高熱症
  2. 高蛋白血症
  3. 静脈血栓塞栓症
  4. 高ナトリウム血症
  5. Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症

 

 


 

▶午後34

サイトメガロウイルス感染症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 母体感染では不顕性感染が多い。
  2. 胎内感染により児に難聴が生じる。
  3. 母子感染予防のために帝王切開が有効である。
  4. 生殖年齢女性の抗体保有率が近年上昇している。
  5. 妊娠中の初感染時に胎児感染に至る可能性は1%以下である。

 

 


 

▶午後35

産後うつ病の特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 希死念慮を抱く。
  2. 児との愛着形成に影響する。
  3. 産後早期に幻覚が出現する。
  4. 産後2週ころまでに消失する。
  5. 症状の本質は予期せぬ気分の変化である。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(36歳、会社員)。妊娠歴なし。夫(40歳、会社員)と2年前に結婚した。結婚後なかなか妊娠しないため、不妊専門クリニックを初回受診した。Aさんの月経周期は30日型で規則的、持続期間6〜7日である。半年ほど前から月経時の下腹部痛が強くなっているのを自覚している。次の月経は1週後の予定であるという。夫婦ともに既往歴と家族歴に特記すべきことはない。

 

▶午後36

初回受診時に行う検査で適切なのはどれか。

 

  1. Huhner〈フーナー〉試験
  2. 経腟超音波検査
  3. 抗精子抗体検査
  4. 卵管通色素検査
  5. Aさんの染色体検査

 

 


 

▶午後37

初回受診後に、まず不妊原因についてのAさんのスクリーニング検査が開始された。その結果、血清クラミジア抗体検査が陽性であった。クラミジアの治療を行ったことはないという。子宮頸管分泌物の核酸増幅法検査では陰性である。抗菌薬の内服治療後に実施した子宮卵管造影検査の結果、左右卵管の通過性には問題がなかった。
クリニックの助産師のAさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「クラミジアの検査結果は夫に話す必要はありません」
  2. 「クラミジア感染が不妊の原因です」
  3. 「妊娠しても流産しやすい状態です」
  4. 「治療しても抗体は陽性のままです」

 

 


 

▶午後38

その後、夫の精液検査が行われて、重度の乏精子症であることが確認された。夫婦で夫の検査結果の説明を受けた後、2人ともできるだけ早く効果が期待できる治療に臨みたいと希望している。
今後の不妊治療で優先されるのはどれか。

 

  1. 漢方療法
  2. タイミング法
  3. 顕微授精〈ICSI〉-胚移植
  4. 提供精子を用いた人工授精

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(36歳、初産婦)。祖父と母親が2型糖尿病の治療を受けている。自然妊娠して妊娠初期に、妊娠中の明らかな糖尿病〈overt diabetes in pregnancy〉の診断を受けた。妊娠中は、自己血糖測定の値に応じてインスリン自己注射を行い、食事は6回の分割食で血糖コントロールは良好であった。3,400gの児を正常分娩にて出産し母児同室中である。

 

▶午後39

産褥2日。血糖値は朝食前85mg/dLで予定通りの量のインスリンを自己注射してから朝食を摂取した。朝食後2時間、助産師が訪室するとAさんは授乳中であったが、気分不快を訴えて冷汗が認められた。授乳を一時中断して、自己血糖測定器で血糖値を測定したところ70mg/dLであった。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 授乳を再開して様子を見る。
  2. 追加のインスリン投与の準備をする。
  3. 仰臥位で両下肢を挙上した体位とする。
  4. ブドウ糖含有の飴をなめるように促す。

 

 


 

▶午後40

産褥6日。インスリン量の調整が行われて、Aさんの血糖値も適切なコントロールとなった。母乳分泌は良好で、授乳は母乳のみで行い、児の体重は3,450gである。1日の摂取エネルギーは1,800kcalで3分食とし、食事直前にインスリンの自己注射を継続することとなった。
退院指導の内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「母乳分泌量が増えたら、食事カロリー量を再度検討しましょう」
  2. 「授乳は30分程度で切り上げて血糖値の変動を抑えましょう」
  3. 「母乳育児をすると、糖尿病が悪化しやすくなります」
  4. 「授乳前には軽い間食を摂るといいですよ」

 

 


 

▶午後41

出産後6か月、糖尿病の定期検査のため来院した。血糖コントロールは良好である。Aさんは「退院後は自分の糖尿病の治療と初めての育児で毎日が大変でした。でも、最近は自分なりの育児ができるようになり、自信がついてきました。近い将来、もう1人子どもが欲しいです」と言う。
Aさんへの説明として適切なのはどれか。

 

  1. 「次回の妊娠に向けて、引き続き血糖をコントロールしていきましょう」
  2. 「糖尿病が治ってから妊娠をするようにしましょう」
  3. 「月経が再開したらインスリンは終了できます」
  4. 「お子さんは糖尿病になる心配はないでしょう」

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(21歳、初産婦、未婚)。高校卒業後、友人を頼りに上京したが、定職がなく不定期のアルバイトで収入を得て生活をしている。元来、月経周期が不規則であり、最近は長期間無月経であったが気にせず過ごしていた。3日ほど前から下腹部に時々痛みを感じ、腫れた感じがするため、産婦人科医院を受診した。
診察前の尿検査で妊娠反応陽性、超音波検査で子宮内に胎児が確認され、児頭大横径55mm。子宮底長20cm、腹囲66cm。最終月経の開始日は6か月前である。現在交際中のパートナーはなく、3か月前までは複数の男性との交際歴があり胎児の父親は不明であるという。

 

▶午後42

妊娠週数の正確な推定のために最も有用な情報はどれか。

 

  1. 腹囲
  2. 子宮底長
  3. 児頭大横径
  4. 最終月経の開始日
  5. 尿中ヒト絨毛性ゴナドトロピン値

 

 


 

▶午後43

Aさんは、初診時には妊娠に困惑した様子で「お金もないし、相手も分からないので育てる自信がない。両親にも伝えていない」と話した。助産師はAさんにまず両親に連絡を取ることを勧めた。2回目の受診時、Aさんは「お父さんもお母さんも怒っていたけど、生まれたら実家で一緒に育てようと言ってくれた。産みたいと思う」と明るい表情で話した。Aさんは助産師と相談の上、現在の産婦人科医院で分娩してから、児とともに退院後すぐに実家に帰って生活することを予定した。
助産師がAさんのサポートのために分娩前から連絡をとる関係機関で適切なのはどれか。

 

  1. 保育所
  2. 警察署
  3. 児童相談所
  4. ハローワーク
  5. 市町村保健センター

 

 


 

▶午後44

その後、Aさんは定期的に妊婦健康診査を受診し、経過は順調であった。妊娠31週頃より左鼠径部に限局して痛みが強い水疱を伴う複数の皮疹が出現した。妊娠32週に血清抗体検査が行われ、検査結果では単純ヘルペス抗体検査はIgGとIgMいずれも陰性、水痘・帯状疱疹ウイルス抗体IgG陽性、IgM陰性であった。妊娠34週に受診の際には皮疹は痂皮化していた。
この時点で助産師のAさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「母乳での育児はできません」
  2. 「痛みが残ることはありません」
  3. 「胎児への感染の心配はありません」
  4. 「分娩後はワクチンを接種しましょう」
  5. 「原因ウイルスの初回の感染で生じた症状です」

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)。妊娠36週0日、胎児機能不全のため緊急帝王切開を受け、男児を出産した。児は出生時、自発呼吸・体動を認めず、生後30秒で心拍数が30/分のためバッグ・マスク換気を開始し、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターを装着した。その後のモニター値と児の状態を以下に示す。
104pm45j

 

▶午後45

バッグ・マスク換気の中止を検討すべきなのはいつか。

 

  1. 生後1分
  2. 生後1分30秒
  3. 生後2分
  4. 生後2分30秒
  5. 生後3分

 

 


 

▶午後46

児は蘇生終了後、NICUへ入院し、保育器に収容され、経鼻胃管が挿入され、輸液が開始された。生後、低血糖は認めず、胃内容物は透明であった。生後12時間、呼吸数55/分、心拍数180/分、血圧62/45mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。覚醒した状態が続いており、少しの刺激で啼泣し、不穏である。
児に認められる神経症状で最も可能性が高いのはどれか。

 

  1. 筋緊張低下
  2. 吸啜反射の減弱
  3. 伸展反射の減弱
  4. Moro〈モロー〉反射の減弱

 

 


 

▶午後47

生後24時間、児の全身状態は改善傾向である。初回授乳前に経鼻胃管より血性の内容物が吸引された。吸引物はApt〈アプト〉試験で新生児血液と診断された。
児への初期処置として最も適切なのはどれか。

 

  1. 経管栄養の開始
  2. 新鮮凍結血漿の投与
  3. 上部消化管内視鏡検査
  4. ビタミンK2製剤の静脈内注射

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦)。既往歴や生活歴に特記すべき事なく、妊娠経過中、母子ともに異常の指摘はなかった。妊娠39週1日、頭位経腟分娩で男児を出生した。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点、初期蘇生は行わずルーチンケアのみ行って終了したが蘇生の際の診察で左の口唇裂を認めた。出生体重2,950g。生後10分の児のバイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数50/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)であった。

 

▶午後48

Aさんは以前より早期母子接触を希望していた。
早期母子接触前の児への対応として適切なのはどれか。

 

  1. 経鼻胃管の挿入
  2. 酸素投与の開始
  3. 閉鎖式保育器への収容
  4. 胸部エックス線写真の撮影
  5. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターの継続

 

 


 

▶午後49

生後4か月0日、約1か月前に手術を受け、児は元気に自宅で生活している。Aさんは児の発育発達の経過観察を目的に児を連れて外来を受診した。来院時の身体計測値は身長60.0cm、体重5,400g、頭囲42.5cmであった。あやすと声を出して笑い、人見知りをする様子はない。定頸はしているが寝返りはまだである。また、おもちゃを目の前に出しても手を伸ばすことができない。
現時点での児の評価で適切なのはどれか。

 

  1. 運動発達遅滞
  2. 精神発達遅滞
  3. 体重増加不良
  4. 発育発達順調

 

 


 

▶午後50

今回の外来受診の最後にAさんから「子どもの手術の都合もあって、まだ予防接種を何も受けることができていません」と相談があったため、1週後に初回予防接種の実施を検討した。周囲では感染症流行の情報はない。
初回予防接種として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 水痘ワクチン
  2. 肺炎球菌ワクチン
  3. おたふくかぜワクチン
  4. 四種混合〈DPT-IPV〉ワクチン
  5. 麻しん風しん混合〈MR〉ワクチン

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

Aさん(22歳、初産婦、外国籍)。妊娠10週。夫(30歳、外国籍、会社員)と2人暮らし。1年前に夫の仕事のため来日した。母子健康手帳の受け取りのため、夫婦でB市の保健センターに来所した。

 

▶午後51

Aさんへの支援にあたっての情報収集で最も優先されるのはどれか。

 

  1. Aさんの母国の母子保健サービス
  2. Aさん夫婦の日本語能力
  3. 在留資格の有無
  4. 夫の仕事の状況

 

 


 

▶午後52

保健センターの助産師は、子育て世代包括支援センター業務ガイドラインの考え方を参考に、Aさんの支援プランを検討することとなった。Aさんは、母国ではなく日本で出産する予定である。
支援プランの検討で適切なのはどれか。

 

  1. 出産予定の病院の助産師と連携して作成する。
  2. 日本の産育習俗に基づき計画する。
  3. Aさんの意見は最後に確認する。
  4. 初回の評価は出産後に行う。

 

 


 

▶午後53

Aさんは妊娠34週に、産後の生活や育児の相談のため、夫と共に保健センターに来所した。助産師に、異国での初めての育児に不安があると話した。育児は夫婦2人で行うこと、産後のサポートが不足していることがわかった。
Aさんに説明する母子保健サービスで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 新生児・褥婦訪問指導
  2. 乳幼児健康診査
  3. 一時預かり事業
  4. 産後ケア事業
  5. 入院助産

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(39歳、初産婦)。身長154cm、体重60kg(非妊時50kg)。体外受精で妊娠し、妊娠経過は順調であった。妊娠40週3日、規則的な子宮収縮がありパートナーと一緒に午前11時に来院した。入院時の所見は、体温37.0℃、脈拍84/分、血圧110/74mmHg。頭位、第2胎向、児の推定体重2,760gであった。内診所見は子宮口開大2cm、展退度60%、Station-1であった。Aさんの入院後の陣痛間欠時間と陣痛持続時間は表のとおりである。
104pm54j

 

▶午後54

分娩開始と考えられる時刻はどれか。

 

  1. 午前11時
  2. 午後1時
  3. 午後3時
  4. 午後5時
  5. 午後7時

 

 


 

▶午後55

陣痛発来から11時間経過した。体温37.3℃、脈拍88/分、血圧118/76mmHg。陣痛間欠時間3分、陣痛持続時間50秒。胎児心拍数基線140bpm、胎児心拍数基線細変動中等度、胎動時に心拍が20bpm増加し30秒後基線に戻る波形があり、徐脈はない。内診所見は子宮口開大5cm、展退度80%、Station±0、恥骨後面1/2触知可、小泉門は11時方向に触れる。Aさんは「入院してから随分時間が経ちますが、まだお産にならないですか。赤ちゃんは大丈夫ですか」と不安気な表情で話す。
このときの助産診断で正しいのはどれか。

 

  1. 遷延分娩である。
  2. 第一胎向である。
  3. Reassuring fetal statusである。
  4. 児頭の最大周囲径は骨盤濶部である。

 

 


 

資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

令和4年2月10日実施の第105回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第105回助産師国家試験目次

 

 

第105回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

平成27年(2015年)9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標3「健康と幸福度」における2030年までの達成基準で正しいのはどれか。

 

  1. 新生児および5歳未満児の予防可能な死を根絶する。
  2. 世界の乳児の死亡率を出生1,000人当たり50人未満に削減する。
  3. 世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり100人未満に削減する。
  4. 性と生殖に関する保健サービスを全対象者の7割が利用できるようにする。

 

 


 

▶午前2

放射線被ばくの時期と児への影響との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠3週――中枢神経障害
  2. 妊娠8週――胎児奇形
  3. 妊娠15週――流産
  4. 妊娠35週――精神発達遅滞

 

 


 

▶午前3

家族計画について正しいのはどれか。

 

  1. 子宮内避妊具は助産師が挿入できる。
  2. 受胎調節のひとつに人工妊娠中絶がある。
  3. 避妊薬の品質は母体保護法に規定されている。
  4. 受胎調節実地指導員は母体保護法に規定されている。

 

 


 

▶午前4

妊娠中の梅毒スクリーニング検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠中期に行う。
  2. 子宮頸管から検体を採取する。
  3. 陽性判明後14日以内に保健センターに届け出る。
  4. 非特異的検査と抗原特異的検査を組み合わせて行う。

 

 


 

▶午前5

Aさん(28歳、1回経産婦)は現在、妊娠18週である。第1子は分娩後に先天性心疾患と診断され緊急手術を受けた。Aさんは「今回も上の子と同じ病気が起こるのでないか」と心配し、出生前診断を希望している。第1子は心臓以外に異常の指摘はない。
Aさんの心配の解消に最も寄与する出生前診断の方法はどれか。

 

  1. 絨毛検査
  2. 羊水検査
  3. 胎児超音波検査
  4. 母体血清マーカー検査

 

 


 

▶午前6

着床について正しいのはどれか。

 

  1. 受精後1週で完了する。
  2. 桑実胚の状態で着床する。
  3. 子宮内膜が着床に適しているのは分泌期である。
  4. 着床後は脱落膜からプロゲステロンが分泌される。

 

 


 

▶午前7

胎児の呼吸器系の発生で正しいのはどれか。

 

  1. 肺水の組成は羊水とは異なる。
  2. 肺胞は在胎30週ころに完成する。
  3. 在胎10週には呼吸細気管支の分枝が完成する。
  4. 肺サーファクタントの分泌は在胎30週ころがピークである。

 

 


 

▶午前8

卵膜の構造と機能について正しいのはどれか。

 

  1. 羊水の一部を産生・吸収する。
  2. 胎児側の表面はざらざらしている。
  3. 被包脱落膜と基底脱落膜は癒合して卵膜を形成する。
  4. 母体側から順に、絨毛膜、脱落膜、羊膜の3層からなる。

 

 


 

▶午前9

Aさん(32歳、初産婦)は既往歴・家族歴ともに特記すべきことはなく、妊娠経過に異常はない。妊娠37週に妊婦健康診査のため助産師外来を受診した。
Aさんの状態について現時点で医師への報告が必要な情報はどれか。

 

  1. 子宮底28cm
  2. 粘液性の血性分泌物を少量排出
  3. 断続的な10〜15分の弱い子宮収縮
  4. ノンストレステスト〈NST〉で胎児の一過性頻脈が20分間に2回

 

 


 

▶午前10

Aさん(16歳、初産婦)は妊娠16週である。近隣の診療所からの紹介で、妊婦健康診査と分娩の予約のため病院の産科外来を1人で受診した。
このときの情報収集で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 就学の状況
  2. 家族との関係
  3. バースプラン
  4. 胎動自覚の有無

 

 


 

▶午前11

Aさん(30歳、1回経産婦)は28歳のときに子宮鏡下手術によって子宮粘膜下筋腫を切除した。妊娠39週6日で自然破水、破水後1日経過したが陣痛発来せず、子宮収縮薬の点滴静脈注射による分娩誘発を開始した。開始後6時間、Aさんは突然激しい腹痛を訴え、その後、陣痛が減弱した。顔面蒼白となり呼吸が速くなった。胎児心拍数陣痛図では変動一過性徐脈が出現した後、高度徐脈となった。内診所見は、子宮口全開大、Station+2で、異常な腟からの出血はみられなかった。
このときのAさんの状態で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 子宮内反
  2. 子宮破裂
  3. 腟壁裂傷
  4. 常位胎盤早期剝離

 

 


 

▶午前12

Aさん(32歳、1回経産婦)は本日午前11時に3,100gの児を正常分娩した。分娩所要時間は7時間30分で出血量は150mL。分娩後時間経過した時点で「上の子のお産は丸1日かかりました。やはり2回目は早いですね」と話した。体温37.0℃、脈拍84/分、血圧122/66mmHg。出血量は25mL、子宮底は臍高で硬度は良好だった。尿意はまだない。
この時のAさんへの助産ケアで適切なのはどれか。

 

  1. 睡眠を促す。
  2. 導尿を行う。
  3. 腹帯を強く締める。
  4. 食事や水分摂取を促す。

 

 


 

▶午前13

産褥20日の褥婦。「子どもが右側の乳頭ばかりを吸うので、左側の乳汁分泌が悪くなった」と話す。
関係するメカニズムはどれか。

 

  1. エンドクリンコントロール
  2. オートクリンコントロール
  3. 腺房細胞の分泌細胞への分化
  4. エストロゲンによる乳管系の増殖

 

 


 

▶午前14

在胎38週3日、正常分娩で出生した女児。Apgar〈アプガー〉スコア9点、体重3,000g。出生後20時間、直腸温は36.8℃、呼吸数40/分、心拍数145/分。
このときの児の胎外生活への適応状態として異常所見はどれか。

 

  1. 胎便の排出がない。
  2. 体重が90g減少した。
  3. レンガ色の排尿があった。
  4. 体幹にチアノーゼが見られる。

 

 


 

▶午前15

新生児における酸素消費量と環境温度の関係を図に示す。
105am15j
中性温度環境はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前16

新生児低血糖のため輸液療法中の児。
全身状態の観察をする際、低血糖症状の増悪を疑う所見はどれか。

 

  1. 振戦
  2. 発熱
  3. 発疹
  4. 筋緊張亢進

 

 


 

▶午前17改題

日本の令和4年(2022年)の早期新生児死亡で正しいのはどれか。

 

  1. 周産期死亡の8割を占める。
  2. 新生児死亡数の3割を占める。
  3. 死亡原因の第1位は敗血症である。
  4. 死亡率は出生1,000に対して0.6である。

 

 


 

▶午前18

児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉で規定されているのはどれか。

 

  1. 児童相談所への看護師の配置
  2. 特定妊婦に対する養育支援訪問
  3. 心身の危険がある児童の一時保護
  4. 保護者に対する施設入所等の措置となった児童との面会の制限

 

 


 

▶午前19

助産業務と規定する法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 臍帯切断――保健師助産師看護師法
  2. 臨時応急の手当――母子保健法
  3. 妊産婦の訪問指導――母体保護法
  4. 助産所に関する広告――地域保健法

 

 


 

▶午前20

出生届について正しいのはどれか。

 

  1. 母子保健法に規定されている。
  2. 出生の年月日時分及び場所を記入する欄がある。
  3. 子の両親以外の代理人が届け出ることはできない。
  4. 出生の日から7日以内に届け出るよう規定されている。

 

 


 

▶午前21

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉に規定されている制度で正しいのはどれか。

 

  1. 専業主婦の配偶者は育児休業を申請できない。
  2. 育児休業は出産日から起算して1年まで取得できる。
  3. 子の看護休暇は就学前の子を養育する労働者が取得できる。
  4. パパ・ママ育休プラスは夫婦がそれぞれ1年2か月育児休業を取得できる。

 

 


 

▶午前22

感染予防のための標準予防策〈スタンダードプリコーション〉として適切なのはどれか。

 

  1. 悪露交換時は手袋を着用する。
  2. 産褥期の乳房ケアは素手で実施する。
  3. 新生児のケアではN95マスクを装着する。
  4. 分娩介助時は使い捨てエプロンを着用する。

 

 


 

▶午前23

震度6強の大規模地震が発生し、被災地で多くの家屋が損壊した。公共交通機関の運行は停止し、主要道路の損傷によって複数地域で通行不能が生じている。一時避難所が開設されて家屋が損壊した住民の受け入れが行われた。避難者の中には妊婦が複数含まれていたが、身体的不調の訴えはない。
被災した妊婦のための初期対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母体搬送が可能な周産期医療施設の情報を収集する。
  2. かかりつけの産婦人科に早急に受診するよう妊婦に勧める。
  3. 妊婦には避難所内でなるべく安静にするよう妊婦に伝える。
  4. 母子健康手帳を持参していない妊婦は特定妊婦として扱う。

 

 


 

▶午前24

妊娠による母体の泌尿器系の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠後期の尿の流出障害が左側に起こりやすい。
  2. 尿素窒素の値が非妊時より高値を示す。
  3. 糸球体濾過率〈GFR〉が低下する。
  4. 尿細管での再吸収能が低下する。
  5. 尿管の緊張が増す。

 

 


 

▶午前25

日本人の正常新生児において、生理的黄疸が最も顕著になる時期として適切なのはどれか。

 

  1. 生後6時間
  2. 生後24時間
  3. 日齢4
  4. 日齢14
  5. 日齢28

 

 


 

▶午前26

更年期障害に対する治療としてホルモン補充療法が禁忌となるのはどれか。

 

  1. 深部静脈血栓症の既往
  2. 子宮頸部異形成
  3. 高脂血症
  4. 骨粗鬆症
  5. 喘息

 

 


 

▶午前27

妊娠中のヒトパルボウイルスB19感染による児への影響で正しいのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 結膜炎
  3. 心奇形
  4. 水頭症
  5. 内耳性難聴

 

 


 

▶午前28

37歳の初産婦。妊娠40週3日に陣痛発来で入院した。子宮口5cm開大ころから努責感が抑制できず、陣痛発作時にいきんでいたところ、子宮口8cm開大から急激に全開大となり分娩に至った。会陰右側切開術を施行。児の娩出直後から腟口から鮮紅色の出血が持続的にある。胎盤娩出後の子宮底は臍下3横指で硬く触れる。子宮底を圧迫して凝血塊の排出は認められない。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 会陰切開部に裂傷がないか確認する。
  2. 子宮底輪状マッサージをする。
  3. 頸管把持鉗子を準備する。
  4. 子宮収縮薬を準備する。
  5. 導尿する。

 

 


 

▶午前29

Aさん(27歳、初産婦)は身長160cm、非妊時体重58kgである。妊娠39週5日で、3,560gの男児を正常分娩した。分娩時出血量は300mL、産後2日の採血でHb11.0g/dLであった。授乳は1日8〜10回行っている。
Aさんに推奨される1日の栄養付加量で正しいのはどれか。

 

  1. 葉酸10μg
  2. 鉄分10mg
  3. タンパク質5g
  4. カルシウム300mg
  5. エネルギー350kcal

 

 


 

▶午前30

Aさん(28歳、初産婦)はFallot〈ファロー〉四徴症があり、幼少時に心臓の修復手術を受けた既往がある。学生時代にはスポーツの部活動は避けていたが、軽い運動や日常生活において特に問題を生じることなく生活していた。正常血圧で服薬はしていない。自然妊娠して産婦人科医院を受診し、妊娠6週の診断となった。
助産師がAさんに話す内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「妊娠中は積極的に運動しましょう」
  2. 「赤ちゃんに心臓の病気が生じる心配はありません」
  3. 「妊娠後半に心臓への負担が大きくなります」
  4. 「お産は帝王切開で行われます」
  5. 「母乳育児はできません」

 

 


 

▶午前31

在胎38週2日、2,640gで出生した男児。第5指中節骨異形成、房室中隔欠損、十二指腸閉鎖を認めた。
最も考えられるのはどれか。

 

  1. 13トリソミー
  2. 18トリソミー
  3. 21トリソミー
  4. Potter〈ポッター〉症候群
  5. Turner〈ターナー〉症候群

 

 


 

▶午前32

生後18時間の男児。在胎41週0日、出生体重4,250gで出生した。全身状態は良好で、哺乳を開始しており、哺乳力も問題ない。診察時、Moro〈モロー〉反射が左右非対称で左の反射が欠如していた。上肢の触診で特定の場所を痛がる様子はなく、局所性の発赤・腫脹も認めない。
次に確認する児の所見で最も重要なのはどれか。

 

  1. 手掌把握反射
  2. スカーフ徴候
  3. 引き起こし反射
  4. Landau〈ランドー〉反射
  5. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 


 

▶午前33

百日咳で正しいのはどれか。

 

  1. 飛沫感染する。
  2. 抗菌薬投与は無効である。
  3. 特徴的な症状に犬吠様咳嗽がある。
  4. インフルエンザ菌b型の感染症である。
  5. 新生児期の感染例は重症化するリスクがない。

 

 


 

▶午前34

卵管性不妊の原因となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 淋菌
  2. カンジダ菌
  3. トリコモナス原虫
  4. サイトメガロウィルス
  5. クラミジアトラコマティス

 

 


 

▶午前35

骨盤隔膜を形成している筋はどれか。2つ選べ。

 

  1. 大殿筋
  2. 尾骨筋
  3. 梨状筋
  4. 肛門挙筋
  5. 外肛門括約筋

 

 


 

▶午前36

妊娠前のBMIが18.5未満であった妊婦に出現しやすいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 貧血
  2. 切迫早産
  3. 妊娠糖尿病
  4. 羊水過多症
  5. 妊娠高血圧症候群

 

 


 

▶午前38

日本で行われている新生児の先天性代謝異常等マススクリーニング検査の対象はどれか。2つ選べ。

 

  1. ケトン性低血糖
  2. 先天性副腎過形成
  3. アセトン血性嘔吐症
  4. フェニルケトン尿症
  5. Wilson〈ウイルソン〉病

 

 


 

▶午前39

世界保健機関〈WHO〉と国際連合児童基金〈UNICEF〉によって、適切な人工乳が準備できる状況下では母乳を与えないことが推奨されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 化学療法中の乳癌
  2. HIV感染
  3. B型肝炎
  4. C型肝炎
  5. 結核

 

 


 

▶午前40

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠40週6日、自然陣痛発来後に入院した。分娩は順調に進行し児頭が娩出されたが、第4回旋の後に助産師が前在肩甲の娩出を試みたところ娩出が困難な状況となった。
このときの助産師の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 児頭を腟内に押し戻す。
  2. 恥骨直上の腹壁を圧迫する。
  3. 児頭の下方への牽引を強める。
  4. 努責を強めるようAさんに言う。
  5. Aさんの両側股関節を強く屈曲する。

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

A病院は、出産前準備教育の集団指導として「お産の教室」を対面で行っていたが、オンライン形式で実施して欲しいという要望が多くなり、今年から導入することにした。「お産の教室」の企画書を表に示す。
105am41j

 

▶午前41

パートナーの準備性を把握するために最も優先される情報はどれか。

 

  1. 健康状態
  2. 就労状況
  3. 出産立ち会いの動機
  4. 育児休業の取得予定の有無

 

 


 

▶午前42

オンラインによる「お産の教室」は3名の助産師で運営し、パンフレットは参加者に事前に送付されている。教室には10組のカップルが自宅から参加し、助産師と参加者が顔をみながら双方向でコミュニケーションが取れている。助産師はプログラムに沿ってパンフレットを読みながら産痛緩和法について説明を行い、その後、圧迫法の演習を行うことにした。
演習を行うにあたり圧迫法をイメージしてもらうために最も有効なのはどれか。

 

  1. 助産師のデモンストレーションを見てもらう。
  2. パンフレットをカップルに再確認してもらう。
  3. 1組のカップルに実演してもらう。
  4. 圧迫法に関する質問を受ける。

 

 


 

▶午前43

「お産の教室」後、参加した妊婦から、「教室に参加してから、パートナーと出産や育児のことを話す機会が多くなりました」という感想が多く寄せられた。教室を運営した助産師は、オンラインで実施した産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために、出産後に情報収集することにした。
産痛緩和法(圧迫法)の評価をするために情報収集する項目で適切なのはどれか。

 

  1. 分娩様式
  2. 分娩所要時間
  3. 出産立ち会いの有無
  4. パートナーによる産痛緩和の実施状況

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(38歳、初産婦)は妊娠40週3日。胎児心拍数陣痛図で変動一過性徐脈を認め、吸引分娩で3,800gの男児を出生した。出生直後の児は、啼泣がなく、筋緊張は低下し、羊水混濁は認めなかった。直ちに蘇生を行った。バッグ・マスク換気による人工呼吸を継続していたところ、上腹部の腹部膨満を認めたため、胃管を挿入することとした。

 

▶午前44

胃管挿入の手技として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 鼻から挿入する。
  2. 胃管を自然開放する。
  3. 4Frの胃管を選択する。
  4. 胃内容物の吸引を避ける。
  5. 鼻の付け根から外耳孔までの長さと外耳孔から剣状突起と臍の中間までの長さを足した長さを挿入する。

 

 


 

▶午前45

児は生後5分で自発呼吸が出現したが、呻吟、多呼吸、中心性チアノーゼを認めた。保育器内酸素30%を使用し、NICUに入院した。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後2点、5分後7点であった。生後1時間の児のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数80/分、心拍数150/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。血液ガス分析(room air)は、pH7.30、PCO242.0mmHg、HCO320mEq/Lである。
児の胸部エックス線を別に示す。
105am45j
考えられる病態はどれか。

 

  1. 気胸
  2. 呼吸窮迫症候群
  3. 新生児一過性多呼吸
  4. 新生児遷延性肺高血圧症

 

 


 

▶午前46

日齢2。血清ビリルビン値16.5mg/dLとなり光線療法が開始された。
Aさんへの児についての説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「沐浴を控えます」
  2. 「便の排泄を促します」
  3. 「水分摂取を制限します」
  4. 「母乳の摂取を制限します」
  5. 「オムツで性腺を保護します」

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(40歳、初産婦)は産婦人科病院で妊婦健康診査を受けていた。妊娠32週までの妊娠経過に異常はなかった。妊娠36週以降に血圧の上昇傾向があり、妊娠37週から尿蛋白が確認されたため、妊娠38週2日に入院して分娩誘発の予定となった。
妊娠34週から妊娠38週の妊婦健康診査のデータを表に示す。
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▶午前47

分娩誘発に関するAさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「病棟内を歩いて陣痛を開始しやすくします」
  2. 「陣痛開始前に人工破膜を行います」
  3. 「子宮口を開くための処置を行います」
  4. 「子宮収縮薬の点滴は最大量で投与を開始します」
  5. 「陣痛が強くなってから分娩監視装置を装着します」

 

 


 

▶午前48

Aさんは予定通り入院した。入院翌日の妊娠38週3日の朝からオキシトシンの点滴静脈内注射が開始され、午前10時に陣痛が発来した。Aさんはやや苦しそうな表情で陣痛に耐えており、助産師は呼吸法の指導を行っていた。午後2時30分、体温37.2℃、脈拍85/分、血圧165/95mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。突然胎児心拍数の低下が確認された。内診を行ったところ、子宮口5cm、展退度70%、Station±0、既に破水しており、臍帯脱出はない。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。
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胎児心拍数低下の発生後直ちに実施することで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんに努責を促す。
  2. Aさんに酸素投与を行う。
  3. 内診で児頭を押し上げる。
  4. Aさんの両下肢を挙上する。
  5. オキシトシンの点滴静脈内注射を中止する。

 

 


 

▶午前49

胎児心拍数の低下への対応を行ったが改善することはなく、助産師はAさんの状態を確認するために声をかけた。そのとき、Aさんは突然両手を小刻みに震わせており意識レベルが低下していることに助産師は気が付いた。助産師の連絡で産婦人科医が駆け付けた。
このときに行われることで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 吸引分娩の実施
  2. 抗痙攣薬の投与
  3. 硬膜外麻酔の準備
  4. 硫酸マグネシウムの投与
  5. プロスタグランジンF2αの点滴

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

Aちゃん(生後4か月0日、女児)は、4か月児健康診査の受診のために母、兄(3歳)とともに来院した。問診では、Aちゃんの出生時に異常の指摘はなく、これまで完全母乳栄養で、ワクチン接種や健康診査以外で医療機関を受診したことはないことがわかった。また母親はAちゃんが嫌がるので、オムツ替えが難しいと話した。来院時の身体計測値は身長63cm、体重7,000g、頭囲47cmであった。

 

▶午前50

Aちゃんの診察時に確認すべきなのはどれか。

 

  1. お座りの可否
  2. 乳歯萌出の有無
  3. ハンカチテスト
  4. 股関節開排制限の有無

 

 


 

▶午前51

Aちゃんの診察では特に異常所見は認められなかった。その後、母親から助産師へ「上の子が一緒の生活で、Aの生活リズムをどのように整えていけばいいか分からない」という相談があった。
助産師の母親への助言として適切なのはどれか。

 

  1. 夜間に人工乳を併用する。
  2. 夜間は3時間おきに授乳する。
  3. 夜間は寝室内を明るくしておく。
  4. 兄の就寝時に一緒に就寝させる。
  5. 決まった時間に離乳食を食べさせる。

 

 


 

▶午前52

健康診査の最後に事故予防の指導をしようとしたところ、母親から「上の子の時にも聞いたので大丈夫です」という発言があり、急いで帰宅したい様子が見られた。
限られた指導時間で、兄との関連から最も注意を促すべき事故はどれか。

 

  1. 火傷
  2. 窒息
  3. 溺水
  4. 転倒

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

Aさん(39歳、アルバイト)は、3年前からパートナーと同居しはじめたが入籍はしていない。2年半前に流産し、その後、避妊をせずに性交を行っているが、妊娠しない状況が続いている。Aさんは、そのうち子どもができるだろうと考えていたが、40歳の誕生日が近づき年齢を意識するようになってから、焦りのような不安な気持ちになった。Aさんは、市の不妊専門相談センターを訪問し、助産師に「流産した後、妊娠しません。子どもが欲しいと思っているのですが、私の年齢で自然な妊娠は無理なのかと心配です」と話した。

 

▶午前53

このときの助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 不妊治療の費用について説明する。
  2. 妊娠の年齢と流産率の関係について説明する。
  3. 不妊症には様々な原因があることを説明する。
  4. 高年齢なので不妊治療が必要であると説明する。

 

 


 

▶午前54

Aさんは、40歳の誕生日に不妊治療の開始を決断した。2人で生殖補助医療の指定医療機関のクリニックを受診したところ、パートナーが乏精子症と診断された。パートナーは気持ちが落ち込み、すぐに治療を開始することができなかった。半年後、精子を精巣から採取する治療を経て、顕微授精で妊娠が成立した。Aさんは、「特定不妊治療費助成を利用したいのですが、私は申請できるのでしょうか」と助産師に話した。Aさんの住む居住地の特定不妊治療費助成制度は、国の要件に準拠して実施されている。
特定不妊治療費助成制度の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「顕微授精と男性不妊治療のいずれも助成対象なので申請できます」
  2. 「申請前にカウンセリングを受けることが必要です」
  3. 「40歳未満でないと申請することができません」
  4. 「出産後に申請しなければなりません」

 

 


 

▶午前55

Aさんは妊娠中期に妊娠糖尿病と診断されたが、食事療法で血糖コントロールはできている。妊娠36週の妊婦健康診査時、Aさんが「実は、妊娠が分かったころに、彼(パートナー)は仕事を解雇されてしまい、ふさぎ込んで実家に帰ってしまいました。今、私は1人で生活しています。これから生活していけるのか心配です。妊娠しなければよかった」と話す。担当した助産師は、保健センターと連携した方が良いと判断し、Aさんに保健センターに情報提供することについて同意を求めたが拒否された。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. パートナーと児の養育について話し合うよう勧める。
  2. 次回の妊婦健康診査まで経過をみる。
  3. 出産扶助が利用できることを伝える。
  4. 地区担当保健師に情報提供する。

 

 

 

第105回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1

保健師助産師看護師法の平成14年(2002年)の改正内容はどれか。

 

  1. 助産師に名称変更された。
  2. 助産師の名称独占が明確化された。
  3. 行政処分に免許の取り消しが追加された。
  4. 看護師国家試験合格が助産師免許取得の要件となった。

 

 


 

▶午後2

日常的な喫煙がリスク因子となるのはどれか。

 

  1. 子癇
  2. 早産
  3. 妊娠貧血
  4. 子宮復古不全

 

 


 

▶午後3

性器ヘルペスを合併した妊婦で初感染の場合、正しいのはどれか。

 

  1. 出生した新生児は結膜炎を発症する。
  2. 単純ヘルペスウィルスⅡ型(HSV-2)が多い。
  3. 発症後1か月以内の分娩では帝王切開術を選択する。
  4. 母子感染の感染経路は産道感染よりも経胎盤感染が多い。

 

 


 

▶午後4

世界保健機関〈WHO〉の定める精子濃度の基準値は(  )万/mL以上である。
(  )に入るのはどれか。

 

  1. 1.5
  2. 15
  3. 150
  4. 1,500

 

 


 

▶午後6

妊娠中期以降における羊水の機能で正しいのはどれか。

 

  1. 臍帯下垂の予防
  2. プロラクチンの産生
  3. 胎児の運動空間の確保
  4. 胎盤でのガス交換の補助

 

 


 

▶午後7

乳汁分泌を抑制するための薬剤の使用が禁忌となるのはどれか。

 

  1. Basedow〈バセドウ〉病
  2. 妊娠高血圧症候群
  3. 産後うつ病
  4. 妊娠糖尿病

 

 


 

▶午後8

更年期女性の尿失禁で正しいのはどれか。

 

  1. 腹圧性尿失禁には膀胱訓練の指導を行う。
  2. 低用量の副腎皮質ステロイドが有効である。
  3. 腹圧性尿失禁には抗コリン薬が有効である。
  4. 切迫性尿失禁よりも腹圧性尿失禁の方が多い。

 

 


 

▶午後9

分娩期における子宮頸管の状態で正しいのはどれか。

 

  1. 軟産道を構成する組織の中で腟入口の次に抵抗が大きい。
  2. 分娩進行中に後唇側の開大は遅れることが多い。
  3. 初産婦は外子宮口が早く開大する。
  4. 内子宮口側が広がり展退が進む。

 

 


 

▶午後10

正常分娩において、胎盤が剝離していると判断できるのはどれか。

 

  1. 恥骨結合上の下腹部を圧迫して臍帯が腟内に引き込まれるのを確認した時点
  2. 腟口近くで臍帯を挟んだコッヘルが手前に大きく下がってきた時点
  3. 腟から暗赤色の血液の流出が確認されて5分が経過した時点
  4. 子宮底部が臍高で軟らかく触知できた時点

 

 


 

▶午後11

Aさん(22歳、初産婦)は妊娠41週2日で陣痛発来し、分娩所要時間18時間で体重3,950gの女児を出産した。会陰裂傷第2度、分娩時出血量は350mL。分娩後2時間で、子宮底の高さは臍下2横指で硬く触れた。Aさんが尿意を訴えたためトイレ歩行を試みると、恥骨部に強い痛みを訴えて歩行できず、車椅子で帰室した。
帰室後のAさんへの助産師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「初めての歩行のときに生じる一時的な痛みです」
  2. 「骨盤ベルトの装着をしましょう」
  3. 「産後の子宮収縮に伴う痛みです」
  4. 「母乳栄養は中止しましょう」

 

 


 

▶午後12

Aさん(19歳、初産婦)は妊娠22週のときに初めて産婦人科病院を受診した。妊娠初期にパートナー(17歳、高校生)から支援できないと告げられ、その後連絡をとっていない。実父とは死別しており、実母とは良好な関係が築けず疎遠だという。Aさんは妊婦健康診査の予約日に来院しないこともあり、助産師は関係機関と連携し支援していた。妊娠38週に正常分娩し、母子ともに経過は良好で、産褥4日に助産師から退院指導を行うことになった。
このときの助産師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 実母に支援を依頼するようAさんに促す。
  2. 支援を依頼するためパートナーに連絡する。
  3. 市町村の保健師に退院指導への同席を依頼する。
  4. 育児サロンを主催している住民に退院時の迎えを依頼する。

 

 


 

▶午後13

在胎39週、出生体重3,100gの正常新生児へのビタミンK2シロップの用量で正しいのはどれか。

 

  1. 0.2mg
  2. 2mg
  3. 20mg
  4. 200mg

 

 


 

▶午後14

日齢1の新生児の清潔ケアで沐浴と比較したドライテクニック法の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 低体温になりやすい。
  2. 臍帯脱落の時期が遅れる。
  3. 胎脂を残すことができる。
  4. 更衣は2日に1回に減らせる。

 

 


 

▶午後15

生後24時間の新生児の嘔吐で生理的なのはどれか。

 

  1. 胆汁性嘔吐
  2. 噴水状嘔吐
  3. 泡沫状嘔吐
  4. 羊水様の嘔吐

 

 


 

▶午後16

在胎38週0日、2,860gで出生した男児。母乳栄養のみである。日齢3の体重は2,520gであった。
児の状態で介入が必要な所見はどれか。

 

  1. 哺乳間隔6時間
  2. 排尿回数8回/日
  3. 排便回数6回/日
  4. 総ビリルビン値10mg/dL

 

 


 

▶午後17

経過が良好である産褥早期の褥婦に対し、母子の愛着形成を促進するために助産師が行う支援として最も適切なのはどれか。

 

  1. 出産体験の振り返り
  2. うつ病スクリーニングの実施
  3. 祖父母との良好な関係構築の支援
  4. ファミリー・サポート・センター事業の紹介

 

 


 

▶午後18

日本の母子健康手帳の改正した年とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 昭和23年(1948年)――妊産婦手帳制度が始まった。
  2. 昭和33年(1958年)――母子健康手帳と改称された。
  3. 昭和40年(1965年)――妊婦1人につき1冊から子ども1人につき1冊に変更された。
  4. 平成24年(2012年)――便色カードが追加された。

 

 


 

▶午後19

高校1年生を対象に健康教育を行うこととした。
健やか親子21(第2次)の指標を踏まえた内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食育
  2. う歯の予防
  3. 肥満の予防
  4. 性感染症の防止

 

 


 

▶午後20

Aさん(28歳)は無月経を主訴に産婦人科医院を受診し、妊娠の診断を受けた。助産師が次回の妊婦健康診査までに母子健康手帳の交付を受けるよう説明したところ、Aさんから公費の助成が受けられる妊婦健康診査について質問があった。
助産師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「血液検査を毎回行います」
  2. 「保健指導の費用は自己負担です」
  3. 「血液検査の項目にはHIV抗体検査が含まれています」
  4. 「妊娠初期は2週に1回の妊婦健康診査が助成の対象になります」

 

 


 

▶午後21

死産に関わる届出について正しいのはどれか。

 

  1. 死産届は24時間以内に提出しなければならない。
  2. 死産届は死産のあった場所の都道府県知事に提出する。
  3. 死産の分娩に立ち会った場合は死胎検案書を作成する。
  4. 死産児を検案して異常を認めた場合は、所轄警察署に届け出る。

 

 


 

▶午後22改題

令和3年度(2021年度)の雇用均等基本調査において、女性の育児休業取得率に最も近いのはどれか。

 

  1. 60%
  2. 70%
  3. 85%
  4. 95%

 

 


 

▶午後23

胎児期の性器形成で正しいのはどれか。

 

  1. 男女ともにSRY遺伝子を持つ。
  2. 尿生殖溝の癒合にはアンドロゲンが関わる。
  3. Müller〈ミュラー〉管が精巣上体に分化する。
  4. 卵管、子宮および腟は妊娠22週ころに形成される。
  5. Wolff〈ウォルフ〉管の癒合部分が子宮の一部になる。

 

 


 

▶午後24

新生児の皮膚の成熟度を評価するためにDubowiz法を用いた。
項目と所見の組合せでより成熟度が高いのはどれか。

 

  1. 色――暗赤色
  2. 構造――羊皮紙様
  3. 足底部――しわがない
  4. うぶ毛――背中全体に多数
  5. 透明度――腹壁に血管が見える

 

 


 

▶午後25改題

1か月児健康診査時の予防接種に関する保健指導で正しいのはどれか。

 

  1. 「四種混合ワクチンは生後1か月から接種が可能です」
  2. 「インフルエンザ菌b型〈Hib〉ワクチンは定期接種です」
  3. 「生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種はできません」
  4. 「初回肺炎球菌ワクチン接種後の発熱は経過観察可能です」
  5. 「不活化ワクチン接種後27日間は他のワクチンは接種できません」

 

 


 

▶午後26

妊娠38週の初産婦の妊婦健康診査で、助産師外来の担当助産師が内診を行った。内診指を腟の後壁に沿って挿入したが子宮口になかなか届かず、奥まで入れてようやく子宮口に届いた。子宮口は鼻翼のように硬く1.5cm開大しており、展退度は40%であった。児頭の先進部は坐骨棘より1cm上方に触れた。羊水の流出は認めなかった。
このときのBishop〈ビショップ〉スコアはどれか。

 

  1. 0点
  2. 2点
  3. 4点
  4. 7点
  5. 9点

 

 


 

▶午後27

Aさん(35歳、1回経産婦)は陣痛発来後3時間の経過で4,200gの男児を経腟分娩した。会陰切開の必要はなく会陰裂傷もなかった。分娩後1時間のバイタルサインは脈拍70/分、整、血圧120/80mmHgであった。分娩後2時間の時点で脈拍100/分、整、血圧80/60mmHgで「少し前から肛門の奥あたりがとても痛くなってきた」と訴えた。子宮底部は臍下4横指、子宮収縮は良好であった。Aさんは苦悶様表情を浮かべ、額に冷汗が認められた。出血量は正常範囲内であった。
助産師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 子宮底の輪状マッサージを実施する。
  2. 子宮収縮薬投与の準備をする。
  3. 末梢静脈路確保の準備をする。
  4. トイレ歩行を促す。
  5. 左側臥位にする。

 

 


 

▶午後28

出生後に新生児への特異的ガンマグロブリン及びワクチンの投与による母子感染予防が実施される感染症の原因となる病原体はどれか。

 

  1. クラミジア
  2. B型肝炎ウイルス
  3. C型肝炎ウイルス
  4. サイトメガロウイルス
  5. ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉

 

 


 

▶午後29

排卵誘発薬の使用による卵巣過剰刺激症候群のリスク因子となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 若年
  2. 肥満
  3. 流産の既往
  4. 薬剤アレルギーの既往
  5. 多囊胞性卵巣症候群の合併

 

 


 

▶午後30

妊娠に伴う変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 心拍出量が増加する。
  2. 機能的残気量が減少する。
  3. 血中中性脂肪濃度が減少する。
  4. 末梢血中白血球数が減少する。
  5. 血清アルブミン濃度が増加する。

 

 


 

▶午後31

新生児の体温調節で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 低出生体重児は褐色脂肪組織が多い。
  2. 発汗機能が未熟で低体温になりやすい。
  3. 熱産生は主に筋収縮による震えによって行う。
  4. 代謝性アシドーシスの原因として低体温がある。
  5. 体表面積が体積に比べて大きく熱喪失が大きい。

 

 


 

▶午後32

双胎妊娠について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 二卵性双胎の頻度は遺伝素因が関係する。
  2. 二卵性双胎の約75%が二絨毛膜性である。
  3. 双胎は単胎に比べて妊娠高血圧症候群になりやすい。
  4. 一絨毛膜双胎は二絨毛膜双胎に比べて周産期死亡率が低い。
  5. 二絨毛膜双胎は一絨毛膜双胎に比べて双胎間輸血症候群を生じやすい。

 

 


 

▶午後33

助産所において、分娩期に緊急に医療機関への母体搬送の適応となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 前期破水後12時間経過しても陣痛が発来しない。
  2. 分娩第1期の母体の体温が38.5℃である。
  3. 分娩第2期において、2時間以上分娩が進行せず児の娩出が期待できない。
  4. 会陰裂傷第1度である。
  5. 分娩後2時間までの出血量が400mLである。

 

 


 

▶午後34

生後15分の新生児。在胎39週0日、Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後8点であった。新生児蘇生法〈NCPR〉としてルーチンケアを行った後、インファントラジアントウォーマー下で観察を継続していたところ、生後12分ころから呻吟と陥没呼吸が出現したため、改めて気道開通の処置を行ったが呼吸状態は増悪傾向である。バイタルサインは体温(腋窩温)36.8℃、呼吸数50/分、心拍数170/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。
初期対応の選択として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 気管挿管
  2. 胸骨圧迫
  3. 酸素投与
  4. バッグ・マスク換気
  5. 持続的気道陽圧〈CPAP〉

 

 


 

▶午後35

助産師が行えるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 助産師の介助なしに生まれた児の出生証明書の交付
  2. 電車内で出産を介助した児の出生証明書の交付
  3. 出生直後に死亡した児の死亡診断書の交付
  4. 母性健康管理指導事項連絡カードの記載
  5. 子宮収縮薬の処方箋の交付

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(45歳、女性)は1年ほど前から月経周期が不整となり、半年くらい前から不眠や頭痛があり婦人科を受診した。Aさんは「眠れないのは更年期のせいではないかと夫に言われ受診しました。もうそんな年齢だと思うと、一層心がふさぎ込んでしまいます」と話した。医師は更年期障害の可能性を話し、診断のための検査を行うとAさんに伝えた。

 

▶午後36

助産師はAさんの支援に向けて初回の面接を行うことにした。
このときに助産師が収集する情報で最も優先するのはどれか。

 

  1. 性生活の状況
  2. 治療に対する夫の考え
  3. Aさんが自覚している症状
  4. 加齢による容姿の変化への不安

 

 


 

▶午後37

Aさんは更年期障害と診断され、漢方薬による治療を開始することになった。また、診断の過程で行った検査で、骨量は正常であったが大腿骨頸部の骨密度の低下がみられたため、保健指導を行うことになった。Aさんは、「まだよく眠れないこともあります。最近は、運動らしい運動はしていないです」と話した。
このときのAさんに対する指導内容で正しいのはどれか。

 

  1. 「蛋白質の摂取は制限しましょう」
  2. 「昼間でも眠れるときに眠るようにしましょう」
  3. 「運動は短期間に集中して行うようにしましょう」
  4. 「カルシウムを1日800mg摂るようにしましょう」
  5. 「リンを多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう」

 

 


 

▶午後38

Aさんは、3か月の通院を経て症状の改善を自覚していた。ある日の婦人科外来受診日に、「月経は不規則ですが、少し元気もでてきた気がして、夫とは日常的に性生活を行うようになっています。以前はピルを使用したりもしていましたが、もう更年期だし、避妊はどうすればよいでしょうか」と話した。
このときのAさんに助産師が行う説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「オギノ式避妊法を活用しましょう」
  2. 「性交渉は避けるのが望ましいです」
  3. 「ピル使用の可否について医師に相談してみましょう」
  4. 「射精の直前にコンドームを装着するようにしましょう」

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦)は無痛分娩を希望している。妊娠39週4日、陣痛発来にて入院した。分娩監視装置が装着され、陣痛間欠6~8分、陣痛発作30秒、児心音は正常であった。Aさんは「痛みが増してきたので麻酔をして欲しい」と話した。助産師がAさんに自動血圧計を装着し、医師が側臥位のAさんに硬膜外麻酔用カテーテル挿入後に麻酔薬を注入した。

 

▶午後39

麻酔開始30分後に、胎児の一過性徐脈が認められた。Aさんに痛みの訴えはなく、下肢の感覚鈍麻はあるが動きは良好である。
このときのAさんへの初期対応で適切なのはどれか。

 

  1. 内診をする。
  2. 仰臥位にする。
  3. 血圧を確認する。
  4. 上肢の動きを確認する。

 

 


 

▶午後40

その後、胎児の徐脈は消失して、硬膜外麻酔開始から4時間が経過した。硬膜外カテーテルから持続的に局所麻酔薬の投与が行われている。Aさんの陣痛が弱く、分娩進行が停滞していると判断され、子宮収縮薬の点滴が開始された。Aさんは「お腹の下のほうが少し痛くなってきた」と助産師に伝えた。Aさんのバイタルサインに異常はなく、胎児の心拍も正常である。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんの痛みの程度を痛みスケールで評価する。
  2. 子宮収縮薬の効果なので様子をみるよう伝える。
  3. 子宮収縮薬の中止を医師に相談する。
  4. Aさんの体位を四つん這いにする。

 

 


 

▶午後41

子宮口が全開大してから2時間30分が経過した。陣痛間欠2分、陣痛発作60秒。Aさんは、「お腹の張る感じはわかるが、いきみたい感じはわからない」と話す。児の心拍は正常であり、下降度はStation+3である。
このときの助産師の最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 硬膜外麻酔の中止を医師に相談する。
  2. 吸引分娩の準備をする。
  3. 努責の方法を指導する。
  4. 飲水を促す。

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(29歳、経産婦)は妊娠38週0日。不規則な子宮収縮を主訴に午後2時に来院した。妊娠経過は良好であった。児の推定体重は3,400g。胎児心拍数陣痛図では陣痛間欠8分、発作40秒。胎児心拍数基線140bpm、基線細変動は正常で、一過性頻脈があり、一過性徐脈は出現していない。血性分泌物はない。陣痛開始しており入院となった。胎児心音は、母体の右側、臍棘線上中央で聴取できた。内診所見は、子宮口5cm開大、展退度50%、Station-1。矢状縫合は横径に一致し、小泉門は9時方向、同じ高さで大泉門が3時方向に触知できた。

 

▶午後42

胎児の胎位胎向で正しいのはどれか。

 

  1. 第1後頭位
  2. 第1前頭位
  3. 第2後頭位
  4. 第2前頭位

 

 


 

▶午後43

陣痛開始から6時間が経過した。陣痛間欠7分、発作30秒。胎児心拍数基線140bpm、基線細変動20bpmである。陣痛発作時に苦悶様の表情がみられたため内診を実施したところ、子宮口6cm開大、展退度60%、Station-1。矢状縫合は右斜径に一致し、小泉門が先進し、11時方向に触れた。発作時に胎胞が触れるが緊満感は乏しい。腟から血性分泌物が少量確認できた。
この所見から考えられる状態はどれか。

 

  1. 回旋異常
  2. 早期破水
  3. 微弱陣痛
  4. 胎児機能不全

 

 


 

▶午後44

陣痛開始から10時間が経過した。陣痛間欠6分、発作40秒。内診所見は、子宮口8cm開大、展退度80%、Station+1。胎児心拍数陣痛図では胎児心拍数基線140bpm、基線細変動6〜25bpm。最下点100bpm、回復まで20秒の変動一過性徐脈が2回みられた。Aさんは「昨夜からあまり眠れていない」と話し、疲れた様子である。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 経過観察する。
  2. 院内の階段昇降を促す。
  3. 帝王切開術の準備をする。
  4. 子宮収縮薬の使用を医師に相談する。

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)は人工授精で妊娠した。妊娠初期に頭殿長により予定日が決定された。妊娠経過は良好。妊娠40週6日、妊婦健康診査のため産婦人科医院を定期受診した。身長160cm、体重65kg(非妊時体重55kg)、血圧120/75mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。腹囲90cm、子宮底長34cm。Hb11.0g/dL、ヘマトクリット35%、白血球10,000/μL。胎児推定体重2,800g、AFI15。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮3回/40分、胎児心拍数基線130bpm、基線細変動正常、一過性頻脈4回/40分、モニタリング中に最下点120bpm、持続10秒の心拍変動が1回あった。胎児心拍モニタリング中に胎動を10回自覚するのに要した時間は15分であった。

 

▶午後45

現時点の妊娠経過のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 正常
  2. 胎動減少
  3. 羊水過多
  4. 胎児機能不全
  5. 白血球の異常増多

 

 


 

▶午後46

Aさんは助産師に「予定日を1週間過ぎましたが大丈夫でしょうか。心配になってきました」と相談してきた。
助産師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「最終月経から算定した妊娠週数に変更します」
  2. 「さらに赤ちゃんが育つので安産になります」
  3. 「週2回妊婦健康診査に来てください」
  4. 「できるだけ安静にしてください」

 

 


 

▶午後47

妊娠41週5日。妊婦健康診査で母児の状態に異常はない。医師に分娩誘発を勧められたAさんは助産師に「自然に陣痛がくるのを待つことはよくないのでしょうか」という。
助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「妊娠42週以降になると赤ちゃんの状態が悪くなるリスクがあります」
  2. 「分娩誘発を待ってもらえないか医師に相談しましょう」
  3. 「今後、Aさんの血圧が上がってくる心配があります」
  4. 「早く産んでしまったほうが楽になりますよ」

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(42歳、初産婦)は妊娠27週0日に自宅で突然、破水し、産婦人科病棟に入院した。入院の翌日、胎児心拍数陣痛図で高度遅発一過性徐脈を認め、緊急帝王切開術による出産となった。なお、経過中、羊水混濁は認められなかった。児の出生体重は1,051g。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後3点、5分後7点。手術室で気管挿管を伴う新生児蘇生術を受けて全身状態は落ち着き、NICUに収容されて人工呼吸器管理を開始した。生後1時間のバイタルサインは体温(直腸温)35.8℃、呼吸数50/分、心拍数140/分、血圧40/28mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%であった。また、出生後排尿排便は認められていない。

 

▶午後48

生後1時間での児の評価として当てはまるのはどれか。

 

  1. 頻脈
  2. 乏尿
  3. 多呼吸
  4. 低体温
  5. イレウス

 

 


 

▶午後49

生後12時間が経過した。保育器内で人工呼吸器管理を行っていたところ、突如、呼吸運動の停止に伴い経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉低下と徐脈を認める発作が出現した。皮膚刺激で速やかに改善するものの、同様の発作が1時間に5、6回の頻度で認められた。その際のバイタルサインは、体温(腋窩温)36.8℃、呼吸数70/分、心拍数160/分、血圧45/30mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。
鑑別すべき疾患はどれか。

 

  1. 敗血症
  2. 壊死性腸炎
  3. 未熟児網膜症
  4. 胎便吸引症候群

 

 


 

▶午後50

日齢14。保育器内で経鼻ハイフローセラピー(吸入酸素濃度21%)を行い、輸液と経管栄養を併用されている。現在の児の姿勢を図に示す。児は少し落ち着かない様子で体動が見られる。
105pm50j
児のポジショニングを整える際に行うべき対応はどれか。

 

  1. 頭枕を取り除く。
  2. 顔面を中間位に向ける。
  3. 上肢を上方に伸展させる。
  4. 体幹を伸展させる。
  5. 股関節を屈曲させる。

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

Aさん(33歳、3回経産婦)はこれまで病院で出産しており、妊娠や分娩経過は順調であった。Aさんは、妊娠18週2日に自宅分娩を扱う開業助産師を初めて受診した。「今回は可能であれば自宅で出産し、家族みんなで経験を分かち合いたいと思います」と話し、自宅での出産を希望した。今回の妊娠経過も順調である。Aさんは夫(40歳、自営業)と子どもとの5人暮らしである。

 

▶午後51

Aさんと会った際の助産師の最初の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 嘱託医療機関での妊婦健康診査の実施時期について説明する。
  2. 自宅分娩に対する家族の同意の有無を確認する。
  3. 自宅分娩の予約の手続きを行う。
  4. 自宅分娩の費用を説明する。

 

 


 

▶午後52

Aさんの自宅は都市郊外にあるアパートの2階で、間取りは居室3部屋と台所である。夫は自宅で仕事を行っており、育児には協力的である。
自宅分娩のために助産師が確認すべき内容で適切なのはどれか。

 

  1. 分娩時のAさんの子どもの預け先の確保
  2. Aさんの自宅で助産師が待機する部屋の確保
  3. 分娩時に支援を依頼する近隣の助産師の確保
  4. 分娩時にAさんの自宅に往診する産科医の確保
  5. 助産師のAさんの自宅までの移動時間が2時間以内であること

 

 


 

▶午後53

Aさんの妊娠経過は順調であった。妊娠39週6日、午前10時に陣痛が発来したと助産師に連絡があり、助産師はすぐに訪問した。到着時の内診所見は、子宮口6cm開大、展退度80%、Station±0。陣痛発作時に軽い努責感がある。胎児心拍数陣痛図で、陣痛間欠3分、陣痛発作45秒、胎児心拍数基線120bpm、基線細変動正常、直近の陣痛時に160bpmまでの一過性頻脈が1回みられた。
この時点での助産師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. Aさんに努責を促す。
  2. 嘱託医師に報告する。
  3. そのまま経過観察する。
  4. 末梢静脈の血管確保を行う。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(29歳、初産婦)は妊娠28週1日に間欠的な下腹部の鈍痛と赤茶色の帯下の出現を自覚した。かかりつけの産婦人科病院を緊急受診したところ、頸管長の短縮が確認されて切迫早産の診断で入院となった。子宮収縮抑制薬の点滴静脈内注射が開始された。

 

▶午後54

妊娠28週3日、朝方からAさんは体温38.2℃の発熱を生じて、子宮収縮が次第に強まり子宮収縮抑制薬を増量しても収縮が治まらなかった。胎児の胎位は骨盤位で、胎児心拍数陣痛図では胎児心拍数基線は175bpmで基線細変動が減少していた。血液検査の結果は白血球数21,000/μL、CRP6mg/dLであった。
Aさんに対するアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 白血球の増加は子宮収縮薬の副作用である。
  2. 子宮内に感染を生じている可能性が高い。
  3. 胎児のwell-beingに問題はない。
  4. 骨盤位が切迫早産の原因である。

 

 


 

▶午後55

その日の夜間に、Aさんは帝王切開術による分娩となった。術後3日、術後経過は順調で、Aさんは乳房の軽度緊満感を自覚している。Aさんの児の状態も安定している。助産師はAさんに母乳栄養に関する指導を行うことにした。
Aさんへの説明内容で適切なのはどれか。

 

  1. 搾乳した母乳は常温で保存する。
  2. 本日から直接授乳が可能である。
  3. 乳頭刺激は1日1回の頻度にする。
  4. 母乳は壊死性腸炎の予防に有効である。

 

 


 

資料 厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験、第111回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

令和5年2月9日実施の第106回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第106回助産師国家試験目次

 

 

第106回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

閉経期に血中濃度が低下するホルモンはどれか。

 

  1. プロゲステロン
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  4. ゴナドトロピン放出ホルモン〈GnRH〉

 

 


 

▶午前2

Aさん(30歳、初産婦)は妊婦健康診査の終了後、「コーヒーを1日5杯以上飲んでいると先生に話したら、カフェインの摂取を控えるように言われました。カフェインを含まない飲み物を教えてもらえますか」と助産師に尋ねた。
このとき助産師がAさんに勧めるのはどれか。

 

  1. 紅茶
  2. 抹茶
  3. 麦茶
  4. ほうじ茶

 

 


 

▶午前3

骨産道について正しいのはどれか。

 

  1. 類人猿型は正常な骨盤入口部の形状である。
  2. 骨盤腔の区分で最も広いのは骨盤濶部である。
  3. 解剖学的真結合線は岬角の中央と恥骨結合後面との最短距離である。
  4. 仙骨の形状のエックス線撮影での評価はMartius〈マルチウス〉法で行う。

 

 


 

▶午前4

レボノルゲストレル放出子宮内システム〈LNG-IUS〉について正しいのはどれか。

 

  1. 避妊効果は銅付加型子宮内避妊器具〈IUD〉より低い。
  2. 副作用(有害事象)に過多月経がある。
  3. 性感染症を防ぐ効果がある。
  4. 子宮内膜を萎縮させる。

 

 


 

▶午前5

妊娠期の梅毒の感染で正しいのはどれか。

 

  1. 梅毒トレポネーマは胎盤を介して胎児に感染する。
  2. 治療の第一選択はテトラサイクリン系抗菌薬である。
  3. 梅毒陽性の妊婦への治療開始は妊娠後期が効果的である。
  4. 妊娠前に感染の既往がある場合、妊娠初期のスクリーニング検査は不要である。

 

 


 

▶午前6

出生前診断について適切なのはどれか。

 

  1. 出生前診断の結果を理由とした人工妊娠中絶については母体保護法に規定されている。
  2. 胎児に侵襲のある検査は対象にならない。
  3. 健康な児を出産するために行われる。
  4. 胎児の異常や疾患を調べる。

 

 


 

▶午前7

卵子の発生で正しいのはどれか。

 

  1. 卵子の染色体は23本である。
  2. プロラクチンによって第一減数分裂が再開する。
  3. 卵母細胞の形成期間は胎児期から思春期である。
  4. 1個の卵母細胞から形成される卵子は2個である。

 

 


 

▶午前8

正常妊娠に伴う肺機能の変化で非妊時に比べ妊娠後期に減少するのはどれか。

 

  1. 肺活量
  2. 1回換気量
  3. 最大吸気量
  4. 機能的残気量

 

 


 

▶午前9

単純拡散によって胎盤を通過するのはどれか。

 

  1. IgG
  2. 酸素
  3. アミノ酸
  4. グルコース

 

 


 

▶午前10

正常新生児の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 嗅覚はない。
  2. 痛覚はない。
  3. 視力は0.2程度である。
  4. 甘味の濃淡の識別ができる。

 

 


 

▶午前11

乳児期の発達で適切なのはどれか。

 

  1. 2か月ころに定頸が完了する。
  2. 4か月ころに人に話しかけるような声を出す。
  3. 6か月ころに追視を開始する。
  4. 10か月ころに手に持ったものを口に持っていくようになる。

 

 


 

▶午前12

A病院では無痛分娩を希望する妊娠中期の妊婦を対象に母親学級を開催することになった。テーマは「無痛分娩の正しい理解と自分らしいお産に向けて」とした。講義、演習、質疑応答で構成し、演習内容の1つはバースプランの作成に決まっている。
その他の演習内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妊婦体操
  2. 産痛緩和法
  3. いきみの呼吸
  4. ベッド上排泄

 

 


 

▶午前13

Bowlby〈ボウルビィ〉が提唱したアタッチメント〈愛着〉の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 出生直後に確立する。
  2. 周産期に限定した概念である。
  3. 子どもが養育者に対して抱く情緒的なきずなである。
  4. 女性が母親として心理的に適応していく過程である。

 

 


 

▶午前14

妊婦に対するアスピリンとヘパリンの併用療法が適応となる疾患はどれか。

 

  1. 糖尿病
  2. 関節リウマチ
  3. 甲状腺機能亢進症
  4. 抗リン脂質抗体症候群

 

 


 

▶午前15

Aさん(25歳、初産婦)は妊娠13週で妊婦健康診査を受診し、子宮頸管のクラミジア検査を受け、結果は陽性だった。
Aさんへの助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「治療は抗菌薬の点滴になります」
  2. 「治療効果は採血検査で分かります」
  3. 「治療効果の判定を1週間後に行います」
  4. 「治療効果の判定まで性交時にコンドームをつけてください」

 

 


 

▶午前16

Aさん(38歳、初産婦)は妊娠40週3日、1時に陣痛発来し3時に入院した。入院8時間後、陣痛間欠4~5分、陣痛発作50秒、子宮口5cm開大、展退度80%、Station±0。朝食は食べられなかった。Aさんは、全身に力が入っている様子で「昨日も眠れていないし、これ以上長引くのは耐えられない」と訴えた。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 陣痛間欠時にリラックスを促す。
  2. 高年初産では時間がかかることを伝える。
  3. 陣痛促進薬を使用する適応であると話す。
  4. 初産婦の分娩所要時間には達していないことを説明する。

 

 


 

▶午前17

分娩第1期にある正常経過で未破水の産婦への助産ケアで適切なのはどれか。

 

  1. シャワー浴は控える。
  2. 3時間おきに導尿を行う。
  3. パッドの交換は1時間おきに行う。
  4. エネルギー源となる食べ物を勧める。

 

 


 

▶午前18

Aさん(34歳、初産婦)は妊娠40週1日で正常分娩した。分娩所要時間は25時間30分で出血量は400ml。胎盤娩出時、牽引にわずかな抵抗があった。胎盤の計測で、卵膜が子宮内に残存している可能性があると判明した。
このときのAさんへの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「腟から血の塊や膜のようなものが出たら教えてください」
  2. 「お産に時間がかかったことが原因として考えられます」
  3. 「子宮内に異物があると後陣痛が弱まります」
  4. 「授乳は控えてください」

 

 


 

▶午前19

正期産で双胎児を出産した産褥1日の褥婦は母乳育児を希望している。第1子の吸啜は問題がないが、第2子の吸啜がやや弱い。
この褥婦への助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 授乳は時刻を決めて行う。
  2. 2人同時授乳の方法を指導する。
  3. 最初は混合栄養で授乳することを勧める。
  4. それぞれの児に決まった乳房で授乳する。

 

 


 

▶午前20

Basedow〈バセドウ〉病合併妊娠について正しいのはどれか。

 

  1. 血中甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉が高値である。
  2. 妊娠初期のチアマゾールの服用は胎児の先天異常と関連がある。
  3. 妊娠後期に増悪し出産後に軽快することが多い。
  4. 授乳によって新生児に甲状腺機能亢進症が起こる。

 

 


 

▶午前21

栄養成分と新生児に対する効果の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. オリゴ糖――感染防御
  2. リパーゼ――壊血病予防
  3. ビタミンC――くる病予防
  4. ラクターゼ――脂肪の消化吸収の補助

 

 


 

▶午前22

妊婦の状態とそれに関連して生じやすい新生児への影響の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 血小板減少――light-for-dates児
  2. 不規則抗体陽性――多血症
  3. 抗てんかん薬の定期内服――出血性疾患
  4. サイトメガロウイルス感染症への罹患――巨大児

 

 


 

▶午前23

助産師が1歳6か月児の養育者に子どもの社会性の発達を促す支援として伝える内容で適切なのはどれか。

 

  1. 児がお菓子を買うよう泣いて要求したら購入する。
  2. 児が排泄前に意思表示ができないときは児を注意する。
  3. おもちゃで遊んでいるときは、そばにいてやり取りを楽しむ。
  4. 子どもが同一のものを取り合う場合は子ども同士で解決するまで見守る。

 

 


 

▶午前24

地域母子保健の助産師活動で正しいのはどれか。

 

  1. 有床助産所を開設する。
  2. ハイリスクアプローチを原則とする。
  3. 社会資源は自治体内にあるもので対応する。
  4. 母子の健康課題は地域特性と関連づけてアセスメントする。

 

 


 

▶午前25改題

母子保健統計の年次推移グラフを示す。
106am25j
Aに当てはまるのはどれか。

 

  1. 自然死産率
  2. 人工死産率
  3. 乳児死亡率
  4. 新生児死亡率

 

 


 

▶午前26

A病院の産科病棟では、個人の活動目標に対して年度末に病棟師長が面接を行っている。
入職2年目の助産師Bとの面接で適切なのはどれか。

 

  1. 病棟師長は看護部の事業計画に沿って次の課題をBに指示する。
  2. Bが設定した目標に対しての実践内容を述べてもらう。
  3. 達成できなかった助産技術を中心に評価する。
  4. Bの次年度の個人目標は病棟師長が決定する。

 

 


 

▶午前27

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律で、戸籍上の性別の取扱いについて変更の審判ができる条件に含まれるのはどれか。

 

  1. 16歳以上であること。
  2. 婚姻状態にある場合は配偶者の同意があること。
  3. 心理専門職によるカウンセリングを受けていること。
  4. 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態であること。

 

 


 

▶午前28

外陰の構造を図に示す。
106am28j
会陰はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前29

妊娠38週、分娩が進行している。胎児心拍数陣痛図を別に示す。
106am29j
胎児心拍数波形のレベル分類はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

 

 


 

▶午前30

日齢2の新生児。授乳後に排気とともに非胆汁性の嘔吐がみられた。バイタルサインは、体温37.4℃、呼吸数50/分、心拍数150/分。オムツ交換をするとタール便を排泄しており、Apt〈アプト〉試験を行うとすぐに暗褐色に変化した。
この所見から考えられる状態はどれか。

 

  1. 壊死性腸炎
  2. 仮性メレナ
  3. 小腸閉鎖症
  4. 乳糖不耐症
  5. 新生児ビタミンK欠乏性出血症

 

 


 

▶午前31

在胎30週2日、緊急帝王切開で出生した男児。新生児蘇生時に気管挿管と胃管挿入を行い、人工呼吸を継続しつつNICUに入院した。入院時の胸部エックス線写真を別に示す。
106am31j
また胃液のマイクロバブルテストの結果はvery weakであった。
この疾患について正しいのはどれか。

 

  1. 男児より女児に多い。
  2. 気管洗浄が治療に有効である。
  3. 肺のコンプライアンスが上昇する。
  4. 母親の糖尿病罹患が発症のリスク因子である。
  5. 出生前の母体への抗菌薬投与が発症予防に有効である。

 

 


 

▶午前32

胎児発育不全〈FGR〉の妊婦が正期産で正常分娩になった場合の妊娠および分娩の管理で、保険診療の対象はどれか。

 

  1. 分娩料
  2. 室料差額
  3. 正常新生児管理料
  4. 妊婦健康診査の費用
  5. ノンストレステスト〈NST〉

 

 


 

▶午前33

助産師の異常死産児の届出義務を規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 戸籍法
  3. 母子保健法
  4. 母体保護法
  5. 保健師助産師看護師法

 

 


 

▶午前34

日本人の食事摂取基準(2020年版)で妊娠後期の妊婦に付加量が設定されている栄養素はどれか。2つ選べ。

 

  1. カルシウム
  2. ナイアシン
  3. ビタミンA
  4. ビタミンC
  5. ビタミンK

 

 


 

▶午前35

臍帯について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 内胚葉由来である。
  2. 羊水分泌に関与する。
  3. 胎盤付着部位は側方が最も多い。
  4. 臍動脈と臍静脈は長さに差がない。
  5. 表面がWharton〈ワルトン〉膠様質で覆われている。

 

 


 

▶午前36

正期産の分娩進行中に間欠的胎児心拍数聴取で異常がない場合でも、児の娩出まで胎児心拍数陣痛図による連続的モニタリングを行うことが必要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 破水後
  2. 身長150cm以下
  3. 妊娠高血圧症候群
  4. 胎児推定体重2,000g未満
  5. B群溶血性レンサ球菌〈GBS〉陽性

 

 


 

▶午前37

Aさん(38歳、初産婦)は3,000gの児を正常分娩した。分娩所要時間は22時間で出血量は250mL。会陰裂傷はⅠ度で縫合せず、産道損傷はない。産褥1日の外陰部診察で会陰部は発赤や腫脹はなく、軽度の疼痛があった。肛門部に母指頭大で浮腫状の腫瘤が認められ、出血はなく、触れると疼痛を訴える。
Aさんへの助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 内診をする。
  2. 速やかに腫瘤を整復する。
  3. 飲食を控えるよう説明する。
  4. 腹圧をかけないよう伝える。
  5. 腫瘤に処方された抗炎症作用の軟膏を塗布する。

 

 


 

▶午前38

Aさん(37歳、1回経産婦)は妊娠高血圧腎症の診断を受け、妊娠29週6日に帝王切開で896gの女児を出産した。
Aさんが将来発症する危険性が高い疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. 肝硬変
  2. 卵巣癌
  3. 甲状腺疾患
  4. 心血管疾患
  5. 慢性腎臓病

 

 


 

▶午前39

Aさん(32歳、初産婦)は産褥5日、児は母乳のみで順調に体重が増加している。退院指導を行ったとき、Aさんは「実は、妹の子どもが1か月で乳幼児突然死症候群だったんです。予防のことも含めて教えてください」と話した。
乳幼児突然死症候群〈SIDS〉に関する助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「予防のため睡眠時は固めのマットレスを使用しましょう」
  2. 「日本での発症頻度は約15,000人に1人です」
  3. 「うつぶせ寝が発症のリスク因子です」
  4. 「この病気は遺伝性疾患です」
  5. 「夜間は人工乳にしましょう」

 

 


 

▶午前40

分娩を取り扱う有床助産所を産婦人科診療所に併設して開設することになった。助産所の構造は耐震、耐火構造の地下1階から地上3階建てにした。
関連法規に基づいた助産所の開業計画で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 地階に入所室を設ける。
  2. 避難階段を2つ設ける。
  3. ベッド数は15床にする。
  4. 管理者は産婦人科診療所の産科医にする。
  5. 所在地の都道府県知事に開設を届け出る。

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

Aさん(25歳、未婚)は初経が11歳で、半年前からの無月経を主訴に婦人科医院を受診した。妊娠の可能性はない。ホルモン検査は、プロゲスチン投与で消退出血なし、エストロゲンとプロゲスチンを投与した後に消退出血あり、卵胞刺激ホルモン〈FSH〉正常値、黄体化ホルモン〈LH〉低値、ゴナドトロピン放出ホルモン〈GnRH〉負荷試験に反応ありという結果であった。

 

▶午前41

Aさんの無月経の原因で考えられるのはどれか。

 

  1. 処女膜閉鎖
  2. 子宮性無月経
  3. 下垂体性無月経
  4. 視床下部性無月経
  5. 早発卵巣機能不全

 

 


 

▶午前42

その後Aさんの月経周期は順調になり、婦人科を受診せずに数年が経過した。しかし月経痛が徐々に強くなり市販の鎮痛薬も効かなくなってきたため、29歳のときに婦人科医院を受診した。機能性月経困難症と診断され、医師から低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬〈低用量ピル〉の内服を勧められた。Aさんは助産師に「生理痛がつらいので低用量ピルを飲んでみたいのですが、副作用や注意点を教えてもらえますか」と相談した。
Aさんへの助産師の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

※選択肢の表現が不十分であるため採点除外。

 


 

▶午前43

Aさんは、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬〈低用量ピル〉の内服開始前に乳がんの検査を受け、右乳癌と診断された。医師からは手術と放射線療法、術後10年間のホルモン療法が必要と説明を受けた。
Aさんから妊孕性温存について相談を受けた助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「妊孕性温存には公的保険が適用されます」
  2. 「胚凍結保存は卵子凍結保存より妊娠率が高いです」
  3. 「医師に相談して治療開始を遅らせてもらいましょう」
  4. 「化学療法を受けないので妊孕性温存の必要はありません」

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

Aさん(37歳、初産婦)は身長155cm、非妊時体重48kgで妊娠経過は順調であった。13時に陣痛発来し、15時に夫に付き添われて入院した。
入院時、内診所見は子宮口3cm開大、展退度60%、Station-3、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は中央、矢状縫合は横径に一致し、小泉門は3時の方向に触れ、未破水である。陣痛間欠5~6分、陣痛発作30秒。胎児心拍数基線は145bpmであった。

 

▶午前44

入院時の助産診断で正しいのはどれか。

 

  1. 第2頭位である。
  2. 児頭最大径は骨盤峡部である。
  3. Bishop〈ビショップ〉スコアは9点である。
  4. Friedman〈フリードマン〉曲線の潜伏期である。

 

 


 

▶午前45

入院後10時間、陣痛開始から12時間経過し、陣痛間欠は4分、陣痛発作は40~50秒となった。胎児心拍数陣痛図は正常。内診所見は、子宮口6cm開大、展退度70%、Station+1、小泉門が先進し1時の方向に触れた。Aさんは陣痛間欠時、うとうとする様子が見られた。
このときのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 正常経過
  2. 微弱陣痛
  3. 低在横定位
  4. 分娩第1期遷延

 

 


 

▶午前46

陣痛開始から14時間経過し、陣痛間欠は2分、陣痛発作は50秒になった。子宮収縮に伴い、最下点90~100bpmの一過性徐脈が出現し始めた。このときの内診所見は、子宮口全開大、Station+3、陰裂や肛門の哆開はない。小泉門が先進し矢状縫合は縦径に一致している。Aさんは「おしりが押される感じです」と言いながら、陣痛発作時は深呼吸で乗りきっている。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 急速遂娩を開始する。
  2. 短息呼吸に切り替える。
  3. 陣痛発作時は深呼吸を続けてもらう。
  4. Valsalva〈バルサルバ〉法で努責を誘導する。

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

Aさん(38歳、1回経産婦)は妊娠経過中、特に異常の指摘はなかった。妊娠37週2日、妊婦健康診査時の胎児心拍数陣痛図で胎児の遷延性徐脈を認めたため緊急帝王切開術でBちゃん(女児)を出産した。帝王切開の手術中、羊水混濁は認めなかった。
Bちゃんは出生時、自発呼吸がなく筋緊張も低下していた。すぐに蘇生の初期処置を行ったが自発呼吸は出現せず、聴診で心拍数40/分のため出生後1分からバッグマスク換気にて人工呼吸を開始した。その後、有効な換気ができていることを確認しつつバッグマスク換気を継続したが児の心拍数上昇が認められず、胸骨圧迫を行うことにした。

 

▶午前47

胸骨圧迫の手技で正しいのはどれか。

 

  1. 一本指法
  2. 両母指法
  3. 片手法
  4. 両手法

 

 


 

▶午前48

Bちゃんは新生児蘇生によって心拍数は上昇したが、自発呼吸が弱いため気管挿管後にNICUへ入院した。生後2時間、Bちゃんに対して低体温療法の適応を検討することにした。
適応の検討に必要な情報はどれか。

 

  1. 体温
  2. 頭囲
  3. 吸啜反射
  4. Apgar〈アプガー〉スコアの5分値

 

 


 

▶午前49

Bちゃんには低体温療法の適応があると判断され、治療の準備を始めた。生後3時間、低体温療法の準備中に急な心拍数の上昇と眼球運動の停止、両肘を律動的に屈曲させる動きが認められた。一連の症状は約30秒間持続し、その間、他動的に上肢の動きを制限しても律動的な筋収縮は続いていた。
Bちゃんの症状の原因で可能性が高いのはどれか。

 

  1. 逃避反射
  2. 落陽現象
  3. 新生児発作
  4. ストレス行動
  5. 迷走神経反射

 

 


 

次の文を読み50~52の問いに答えよ。

Aさん(35歳、経産婦、会社員)は3,000gの男児を正常分娩で出産した。会社員の夫とBちゃん(2歳2か月、長女)の4人暮らし。助産師は保健センターから新生児訪問事業の委託を受けて、生後21日に訪問した。

 

▶午前50

新生児への授乳状況について助産師が確認すると、Aさんは「この子は1回の授乳に40分から1時間かかっています。長女のときは母乳でしたが、今回は無理でしょうか」と話した。現在まで人工乳の補足は行っていない。児の体重増加は30g/日である。
Aさんの母乳栄養の状況で優先して観察する項目はどれか。

 

  1. 授乳時の姿勢
  2. 乳房のタイプ
  3. 水分摂取量
  4. 食事内容

 

 


 

▶午前51

助産師が産後の生活について話を聞くと、Aさんは「出産してからBがまとわりついてきます。赤ちゃん返りだと分かっているのですが言うことを聞かないときもあって困ってしまいます」と話した。助産師はAさんの話を傾聴して思いを受け止め、育児を頑張っていることをねぎらった。
その後のAさんへの助言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Bちゃんにどうしてほしいか聞いてみましょう」
  2. 「Bちゃんと一緒に赤ちゃんのお世話をしましょう」
  3. 「赤ちゃんが寝ているときにBちゃんと遊びましょう」
  4. 「Bちゃんが言うことを聞かないときは分かりやすい言葉で注意しましょう」

 

 


 

▶午前52

Aさんは「夫の仕事が忙しくなって帰宅が遅く、予想よりBの世話に手がかかります。夕方は赤ちゃんの世話と夕食の支度で精一杯です。どうしたらいいですか」と尋ねた。
助産師の提案で適切なのはどれか。

 

  1. 子育て講演会への参加を勧める。
  2. 養育支援訪問事業の利用を勧める。
  3. ファミリーサポートセンターの利用を勧める。
  4. 2歳児を対象とした自治体の育児教室を紹介する。
  5. 夜間養護等事業〈トワイライトステイ事業〉の利用を勧める。

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(38歳、初産婦)は他院で体外受精治療にて妊娠が成立し、本日X年11月5日に受診した。治療経過は、最終月経X年9月12日から体外受精治療のために排卵誘発薬の投与を開始しX年10月1日に採卵。体外受精で3個の胚を得て、10月6日に新鮮胚を1個移植した。

 

▶午前53

本日(11月5日)の妊娠週数で正しいのはどれか。

 

  1. まだ決定できない
  2. 4週2日
  3. 6週2日
  4. 7週0日
  5. 7週5日

 

 


 

▶午前54

Aさんの妊娠経過は順調である。超音波検査写真を別に示す。
106am54j
この時期の児の発育を評価するための測定項目で正しいのはどれか。

 

  1. 頭殿長
  2. 児頭大横径
  3. 胎児の腹囲
  4. 胎児推定体重
  5. 胎児大腿骨長

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(40歳、1回経産婦)は妊娠35週4日、2時間ほど持続する下腹部痛が治まらないため、救急外来を受診した。来院時、Aさんは子宮全体に痛みを訴えており苦悶様の表情で、子宮は硬い。血性の帯下がみられている。Aさんの意識は清明で、バイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数16/分、脈拍72/分、整、血圧158/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(room air)である。胎児心拍数陣痛図を別に示す。
106am55j

 

▶午前55

診断のために最初に行われる検査はどれか。

 

  1. 尿検査
  2. 血液検査
  3. 超音波検査
  4. 胸部エックス線検査

 

 

 

第106回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの考え方で適切なのはどれか。

 

  1. 居住する地域の宗教的価値観によって決められる。
  2. 思春期から成熟期までが対象となる。
  3. 身体的生殖機能に重点が置かれる。
  4. 人間としての権利である。

 

 


 

▶午後2

骨粗鬆症について正しいのはどれか。

 

  1. 閉経後に起こるのは原発性骨粗鬆症である。
  2. 原発性骨粗鬆症より続発性骨粗鬆症の者が多い。
  3. 食事療法ではカルシウムに加えカリウムを摂取する。
  4. プロゲステロンの低下によって骨粗鬆症になりやすい。

 

 


 

▶午後3

子宮内膜症について正しいのはどれか。

 

  1. 卵巣癌のリスク因子である。
  2. エストロゲン貼付薬を治療に用いる。
  3. 自覚症状を認めることはまれである。
  4. プロゲステロンに依存する疾患である。

 

 


 

▶午後4

細菌性腟症について正しいのはどれか。

 

  1. 原因菌はカンジダである。
  2. 腟内pHが0以下に低下する。
  3. 腟内の乳酸桿菌量の減少を認める。
  4. 帯下の肉眼的所見で確定診断できる。

 

 


 

▶午後5

男性不妊について正しいのはどれか。

 

  1. 造精機能障害は男性不妊の約40%である。
  2. 造精機能障害ではテストステロンが上昇する。
  3. Huhner〈フーナー〉試験は精子の受精能をみる。
  4. 思春期以降の流行性耳下腺炎の罹患は男性不妊の原因となる。

 

 


 

▶午後6

妊娠期にみられる女性生殖器の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 外陰部の色素沈着は増加しない。
  2. 子宮頸管は妊娠後すぐに粘液で塞がれる。
  3. 妊娠黄体は分娩までプロゲステロンを分泌する。
  4. 妊娠末期からBraxton-Hicks〈ブラクストン・ヒックス〉収縮が子宮に出現する。

 

 


 

▶午後7

羊水について正しいのはどれか。

 

  1. 抗菌作用を有する。
  2. pHは4~5である。
  3. 妊娠40週ころに最大量となる。
  4. 妊娠中期以降は胎盤が主な産生源である。

 

 


 

▶午後8

Dubowitz法における新生児の神経学的所見で点数が低いのはどれか。

 

106pm8j

 

 


 

▶午後9

Aさん(38歳、女性)は3年前から不妊治療を受けている。「医師から新たな治療方法を勧められました。不妊治療をこのまま続けるか迷っています」と話す。助産師はAさんへの意思決定支援を行うことにした。
意思決定の共有モデル〈shared model〉に沿った助産師の対応はどれか。

 

  1. 「医師から説明があった治療を受けることをお勧めします」
  2. 「治療方法の説明冊子があるので持ち帰ってご覧ください」
  3. 「治療継続のリスクや利点について一緒に考えましょう」
  4. 「ご家族に相談してはいかがですか」

 

 


 

▶午後10

30歳の初産婦、既往歴なし。妊娠経過を以下に示す。
106pm10j
妊娠30週6日の状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 妊娠高血圧
  2. 高血圧合併妊娠
  3. 妊娠高血圧腎症
  4. 加重型妊娠高血圧腎症

 

 


 

▶午後11

Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週0日、身長160cm、体重66kg(非妊時体重55kg)である。児は頭位で回旋異常はない。児の推定体重は2,800g。
分娩の進行状況と呼吸法の誘導の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 子宮口全開大、肛門圧迫感はない。――陣痛発作時に努責を促す。
  2. 児頭が排臨し抑えきれない努責感がある。――努責しないよう促す。
  3. 児の後頭結節が恥骨弓下を滑脱する。――陣痛間欠時に努責を促す。
  4. 児頭が発露し第3回旋する。――短息呼吸を促す。

 

 


 

▶午後12

第2前方後頭位での正常分娩における児頭の娩出機転で正しいのはどれか。

 

  1. 児頭の先進部がHodge〈ホッジ〉骨盤平行平面区分で第3平行平面にある場合、矢状縫合は骨盤横径に一致する。
  2. 児頭の最大周囲径が骨盤入口部にある場合、小泉門は2時方向にある。
  3. 児頭の最大周囲径が骨盤峡部にある場合、大泉門は7時方向にある。
  4. 骨重積は左頭頂骨が右頭頂骨の上に重なる。

 

 


 

▶午後13

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週2日、5時に陣痛発来し11時に入院した。17時の内診所見は子宮口6cm開大、Station-1。19時に訪室するとベッドに横になり、陣痛間欠3分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口7cm開大、Station±0、未破水、バイタルサインは、体温36.7℃、脈拍76/分、整、血圧122/64mmHgであった。胎児心拍数陣痛図はreassuring fetal statusであった。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 水分摂取を控えるよう説明する。
  2. 病棟の廊下の歩行を勧める。
  3. 医師に連絡する。
  4. 人工破膜を行う。

 

 


 

▶午後14

産後1か月の健康診査で褥婦が「お産した後から、咳やくしゃみをすると少し尿が漏れます」と話した。子宮収縮は良好で、内診時に子宮頸部の下垂を認めた。バイタルサインは、体温36.4℃、脈拍76/分、整、血圧126/70mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)であった。
このときのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 切迫性尿失禁である。
  2. 安静が必要な状態である。
  3. 骨盤底筋群の弛緩がある。
  4. 下部尿路系の炎症を起こしている。

 

 


 

▶午後15

産褥14日の褥婦は、急な熱感、疲労感および腰部右側に強い痛みが出現し、受診した。体温38.7℃、乳房緊満(+)、乳汁分泌は良好。腹壁から子宮は触れず、子宮体部の圧痛はない。腰背部の叩打痛がある。淡黄色の悪露が極少量ある。
このとき考えられるのはどれか。

 

  1. 産褥熱
  2. 胆石症
  3. 乳腺炎
  4. 腎孟腎炎

 

 


 

▶午後16

新生児期にみられる原始反射はどれか。

 

  1. 視性立ち直り反射
  2. パラシュート反射
  3. 非対称性緊張性頸反射
  4. Landau〈ランドー〉反射

 

 


 

▶午後17

日齢1の新生児。頭位経腟分娩での出生時、肩甲の娩出に時間がかかりMcRoberts〈マックロバーツ〉法が実施された。出生体重4,150g。安静時の視診では頭頸部や四肢、肢位に異常を認めなかった。把握反射はあり左右差は認めなかったが、Moro〈モロー〉反射が左右非対称だった。児に着衣しようとしたところ突然激しく啼泣したが、啼泣時の口角は左右対称でゆがみはない。
児の状態で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 鎖骨骨折
  2. 顔面神経麻痺
  3. 帽状腱膜下出血
  4. Erb〈エルブ〉麻痺

 

 


 

▶午後18

Aちゃん(生後6か月、男児)は両親と3人暮らしである。Aちゃんが通所している保育所でロタウイルス感染症が流行している。母親がAちゃんを連れて6か月児健康診査のために病院を受診した際、「Aはワクチンを接種していますが、ロタウイルスに感染したらどうなるのか心配です。感染を予防するにはどうしたらよいでしょうか」と話した。
助産師の母親への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「感染予防には抗菌薬内服が有効です」
  2. 「哺乳瓶をアルコールで消毒しましょう」
  3. 「通所時、Aちゃんはマスクをしましょう」
  4. 「ワクチンを接種していれば重症化しにくいです」

 

 


 

▶午後19

日本人の初産婦から在胎41週0日で出生した出生体重3,950g、身長51.0cmの男児の分類で正しいのはどれか。

 

  1. 巨大児
  2. 過期産児
  3. heavy-for-dates児
  4. large-for-dates児

 

 


 

▶午後20

母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されている制度はどれか。

 

  1. 生活扶助
  2. 生活資金の貸付
  3. 特別児童扶養手当
  4. 児童養護施設の利用

 

 


 

▶午後21

Aさん(28歳)は排卵時期が一定せず不妊治療を受けている。月経開始後16日、産婦人科医院を受診した際に経腟超音波検査で右卵巣に20mmの卵胞が確認された。
Aさんの排卵を誘導できるホルモンはどれか。

 

  1. プロラクチン
  2. プロゲステロン
  3. エストラジオール〈E2〉
  4. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  5. ヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉

 

 


 

▶午後22

中胚葉から分化する器官・臓器はどれか。

 

  1. 気管上皮
  2. 肝臓
  3. 子宮
  4. 乳腺
  5. 膀胱

 

 


 

▶午後23

早期母子接触を中止すべき児の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の基準はどれか。

 

  1. 88%未満
  2. 90%未満
  3. 92%未満
  4. 94%未満
  5. 96%未満

 

 


 

▶午後24

Aちゃん(生後9か月、男児)は助産所で出生し、これまでに異常を指摘されたことはない。出生体重3,000g。完全母乳栄養で育ち、離乳食は生後6か月から始まり、現在は1日2回食で歯ぐきで潰して食べている。Aちゃんの母親は「上の子の同じ時期に比べて食べる量が少ない。大丈夫でしょうか」と助産所に相談に来た。来所時、身長70cm、体重9,000g、母乳の授乳回数は1日5回であった。Aちゃんは子ども用の椅子に座って離乳食を食べている。
助産師の母親への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「授乳回数を減らしましょう」
  2. 「もう少し柔らかく調理しましょう」
  3. 「好きな食品を重点的にあげましょう」
  4. 「時間を決めずに離乳食をあげましょう」
  5. 「このまま1日3回食へ進めていきましょう」

 

 


 

▶午後25

助産業務ガイドライン2019に基づき、正常分娩急変時に経産婦を助産所から搬送すべき状況はどれか。

 

  1. 羊水が淡黄色である。
  2. 母体の体温が37.8℃である。
  3. 単発の遅発一過性徐脈がある。
  4. 破水後24時間経過したが陣痛が発来しない。
  5. 子宮口全開大から1時間経過したが分娩が進行しない。

 

 


 

▶午後26

特別養子縁組制度について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 親権は実親が持つ。
  2. 平成28年から日本で導入されている。
  3. 養親子の戸籍に養子関係の記載をする。
  4. 保護を必要とする子どものための制度である。
  5. 特別養子縁組の成立には家庭裁判所の調査に基づく審判が必要である。

 

 


 

▶午後27

Biophysical Profile Score〈BPS〉の評価項目で正常と判定できるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 3cmの羊水ポケットが確認できる。
  2. 四肢の動きが30分間に3回確認できる。
  3. 体幹と四肢が30分間、伸展位で屈曲しない。
  4. 10秒続く呼吸様運動が30分間に1回確認できる。
  5. ノンストレステスト〈NST〉で一過性頻脈が40分間に1回確認できる。

 

 


 

▶午後28

硬膜外麻酔を用いた無痛分娩で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血圧の高い産婦には禁忌である。
  2. 分娩第2期の所要時間が延長する。
  3. 出生児のApgar〈アプガー〉スコアが低くなる。
  4. 麻酔薬の投与開始後30分間は頻回に血圧を測定する。
  5. 下肢が動かない時は血管内に誤って注入した可能性がある。

 

 


 

▶午後29

第1前方後頭位の仰臥位分娩介助で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 排臨になった時点で肛門保護を会陰保護に切り替える。
  2. 小泉門が恥骨弓下を滑脱するまで児頭を屈位に保つ。
  3. 児頭娩出後は児の顔が母体の左大腿側に向くように誘導する。
  4. 前在肩甲娩出時は児の側頭部を会陰側に押し下げる。
  5. 後在肩甲娩出後に児の体幹を両手で把持し骨盤軸に沿って娩出させる。

 

 


 

▶午後30

経腟分娩後に正常に経過している産褥6週の褥婦の状態で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 外子宮口は閉鎖している。
  2. 血液凝固能は亢進している。
  3. 子宮の重さは約300gである。
  4. 循環血液量は非妊時より多い。
  5. 腎血流量は非妊時の状態に回復している。

 

 


 

▶午後31

先天性難聴および新生児聴覚スクリーニングで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査は自然睡眠中に行うのが望ましい。
  2. 初回検査は3か月児健康診査時に実施する。
  3. 先天性難聴児の出生頻度は約10,000人に1人である。
  4. 支援が必要な児に対する療育は1歳になったら開始する。
  5. 妊娠初期の母体の風疹感染は児の先天性難聴のリスク因子となる。

 

 


 

▶午後32

母子保健法に基づく産後ケア事業で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 実施主体は都道府県である。
  2. 出産後1年以内は利用できる。
  3. 利用できるのは初産婦に限られる。
  4. 自宅への訪問サービスを申請できる。
  5. 申請時に医師の診断書が必要である。

 

 


 

▶午後33

分娩を伴う入院でハイリスク分娩管理加算の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分娩前のBMIが30
  2. 妊娠33週の早産
  3. 糖尿病で治療中
  4. 39歳の初産婦
  5. 双胎妊娠

 

 


 

▶午後34

双生児を出産した会社員が利用できる制度で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 産後休業は14週間である。
  2. 1児ごとに出産育児一時金が支給される。
  3. 子が就学するまで短時間勤務を申請できる。
  4. 子の看護休暇は1年間に10日まで取得できる。
  5. 産後2年まで医師の指示による受診に必要な時間を申請できる。

 

 


 

▶午後35

周産期医療体制で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 周産期医療体制整備計画は都道府県が策定する。
  2. 母体の救急搬送は妊産婦が居住している都道府県内に限られる。
  3. 地域周産期母子医療センターの認定には産科と小児科が必要である。
  4. 総合周産期母子医療センターは常時母子の搬送を受け入れる機能がある。
  5. 総合周産期母子医療センターのNICUの看護師配置は常時6床に1名である。

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

A女子高校から助産師に1年生(15、16歳)全員への健康教育と個別の健康相談の依頼があった。健康教育の目的は「自分の身体を知ること」である。A女子高校の1年生の入学時の身体測定値は全国平均と同等であった。

 

▶午後36

今回の健康教育における対象者の身体的特徴として考えられるのはどれか。

 

  1. 身長の発育速度は同年の男子を上回っている。
  2. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉は上昇を続けている。
  3. 無排卵性の月経周期の頻度が性成熟期に比べて高い。
  4. 黄体形成ホルモン〈LH〉は初経発来前と比べ低値である。

 

 


 

▶午後37

A女子高校の養護教諭から助産師に、1年生は特に月経前に頭痛、腹痛、イライラや不安感を訴えて保健室に来る生徒が多いという情報提供があった。
助産師が行う健康教育の内容で優先するのはどれか。

 

  1. 無月経の種類
  2. 月経発来の機序
  3. 月経困難症への対応
  4. 月経前症候群の説明

 

 


 

▶午後38

健康教育の終了後に1人の生徒から、「私はまだ月経が来ていません。どうしたらいいでしょうか」と相談があった。学校生活の様子を聞くと、「高校に入ってから部活で陸上競技を始めて、週に3、4日練習しています。特に、身体の調子は悪くありません」と話した。生徒の身長は150cm、体重44kgで乳房の発育は他の生徒と変わりなく見える。
このときの助産師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「運動を控えましょう」
  2. 「食事量を増やしましょう」
  3. 「もう少し様子を見ましょう」
  4. 「婦人科の診察を受けましょう」

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

Aさん(39歳、初産婦)は身長158cm、体重58kg、特記すべき合併症はない。妊娠41週3日、予定日超過のため、オキシトシンの点滴静脈内注射による分娩誘発が9時から開始された。

 

▶午後39

15時の内診所見は、児頭が先進し、子宮口7cm開大、展退度80%、Station-1、陣痛発作時に胎胞が緊満して触れた。子宮収縮は10分間で6回ある。胎児心拍数陣痛図で、胎児心拍数基線150bpm、基線細変動10bpm、最下点が70bpmで回復まで3分30秒の一過性徐脈がみられた。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 努責を促す。
  2. 経過観察をする。
  3. 人工破膜をする。
  4. 吸引分娩の準備をする。
  5. オキシトシンを中止する。

 

 


 

▶午後40

Aさんの分娩は順調に進行し、18時に子宮口が全開大し、21時に3,720gの女児を吸引分娩で出産した。胎盤は自然娩出されたが、分娩後30分の時点で子宮腔内からの出血が持続している。Aさんの意識は清明で、バイタルサインは、体温37.4℃、呼吸数25/分、脈拍102/分、整、血圧98/61mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)である。
この時点で推測される出血量はどれか。

 

  1. 100mL以上、500mL未満
  2. 500mL以上、1,000mL未満
  3. 1,000mL以上、2,000mL未満
  4. 2,000mL以上、3,000mL未満

 

 


 

▶午後41

22時、Aさんの子宮は軟らかく、子宮腔内からの暗赤色の出血が続いている。会陰裂傷縫合部からも血液がしみ出すようになった。検査所見は、赤血球267万/μL、Hb6.8g/dL、Ht23%、白血球6,400/μL、血小板7万/μL、フィブリノゲン92mg/dL。Aさんは呼びかけには開眼し、皮膚は湿っている。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、脈拍120/分、整、血圧79/58mmHg。酸素マスクで酸素が投与され、オキシトシンを加えた乳酸加リンゲル液の点滴静脈内注射が行われている。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 輸血
  2. 子宮摘出
  3. 乳頭刺激
  4. 裂傷縫合部の再縫合
  5. 子宮腔内バルーンタンポナーデ

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

Aさん(31歳、1回経産婦)は既往歴に特記すべきことはない。妊娠経過は順調であった。妊娠38週6日に陣痛発来し、2時に入院した。分娩第2期遷延のためオキシトシンを用いて陣痛を促進し、23時に2,980gの男児を出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後、5分後ともに9点であった。分娩所要時間22時間、分娩時出血量450mL、会陰裂傷Ⅱ度、分娩後2時間の母児の経過は良好であった。

 

▶午後42

分娩後3時間に訪室すると「縫合部がだんだん痛くなってきました。夜中で眠りたいのに痛みで眠れそうもありません」と訴えた。会陰部の観察をしたところ、創部に軽度の腫脹がみられたが離開や血腫はなかった。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 医師の診察を要請する。
  2. 会陰部の温罨法を行う。
  3. 仰臥位を保つよう勧める。
  4. 非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉の内服を提案する。

 

 


 

▶午後43

Aさんの乳房はⅢ型で、短乳頭である。第1子は混合栄養であったため、今回は母乳栄養を希望している。産褥3日、乳房は全体的に温かく乳房緊満軽度あり、乳腺の開口数3~4本、乳輪部の圧迫で乳汁がにじむ。左乳頭に水疱がある。たて抱きで授乳しており、児頭の支えが不安定になっている。Aさんは「おっぱいが張って痛いし、赤ちゃんもうまく吸ってくれません」と話す。体温37.2℃、脈拍78/分。子宮収縮は良好である。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 直接授乳を中止する。
  2. 乳房全体を冷罨法する。
  3. 脇抱きでの授乳を勧める。
  4. 乳房緊満がなくなるまで搾乳をする。

 

 


 

▶午後44

退院2週、Aさんから「昨夜から左のおっぱいが痛いです。朝食後、急に寒気がして熱を測ったら38.6℃ありました」と病院に電話があり、母乳外来を受診するよう勧めた。30分後、Aさんは夫に付き添われて来院した。
このときの観察項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 乳房の外傷
  2. 副乳の有無
  3. 乳頭亀裂の有無
  4. 乳房の硬結の有無
  5. 乳房の大きさの左右差

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

Aちゃん(生後2時間、男児)の母親(経産婦)は妊娠前から10本/日の喫煙をし、妊娠判明後も禁煙できなかったが、それ以外に妊娠、分娩経過で異常はなかった。Aちゃんは在胎40週3日、自然分娩で出生した。出生体重2,520g、身長49.0cm、頭囲30cm。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後9点。出生後の全身状態は問題なく、生後15分から早期母子接触を開始している。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数50/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)。出生後まだ初回排尿、排便はみられていない。

 

▶午後45

現時点で注意すべきAちゃんの病態はどれか。

 

  1. 黄疸
  2. 低血糖
  3. 敗血症
  4. 急性腎不全
  5. 新生児一過性多呼吸

 

 


 

▶午後46

主治医はAちゃんの精密検査のために血液検査をすることにした。
採血の補助をする助産師がAちゃんのストレス緩和のために行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 腹臥位にする。
  2. 目隠しをする。
  3. 頭部を固定する。
  4. おしゃぶりを含ませる。

 

 


 

▶午後47

Aちゃんは日齢6に母親とともに退院した。日齢30、1か月児健康診査の受診のためAちゃんは母親と来院した。体重増加は良好で診察は問題なく終了したが、母親はAちゃんと視線が合わず、Aちゃんの目が見えているのかどうかを心配している。
健康診査に立ち会った助産師から母親の心配への声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「あやすとAちゃんが笑うようであれば大丈夫ですよ」
  2. 「Aちゃんは目をしっかりと開くことができていますね」
  3. 「お母さんをAちゃんが目で追わないのであれば心配です」
  4. 「音がした方向をAちゃんが向くことがあれば大丈夫ですよ」
  5. 「お母さんの顔をAちゃんがじっと見ることがあれば大丈夫ですよ」

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

A病院の産科病棟は5階に位置している。平均分娩数は40件/月で、母児同室としている。

 

▶午後48

近年の災害多発を踏まえ、病棟の災害対策マニュアルを改訂することにした。
このマニュアルに記載する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 新生児用に流量膨張式バッグを常備する。
  2. 新生児用のコットは四隅にストッパーをかける。
  3. 平時に使用する分娩セットを災害時にも使用する。
  4. スタッフ用のヘルメットは夜勤者の人数分をスタッフステーションに置く。

 

 


 

▶午後49

マニュアル改訂後1か月、11時に震度6強の地震が発生した。病院内では火災の発生や建物の損壊がないことを確認したが、病棟から避難することになった。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母児異室の新生児は職員が避難させる。
  2. 母児同室の新生児は母親と一緒に避難する。
  3. 母親が退院後の新生児はコットに寝かせて避難する。
  4. 正常に経過している褥婦はパートナーに迎えに来てもらう。

 

 


 

▶午後50

発災3日、Bさん(28歳、初産、産後40日)から産科へ相談があった。児は出生体重3,200gで、発災前日の体重は4,500g、授乳回数は1日に10回で母乳のみであった。昨日は排便5回/日、排尿回数は不明だが、量は減っていない。発災後の授乳回数は変わらず、1回20mLの人工乳を夕方と夜に補足している。自宅には被害がなく、ライフラインは復旧している。Bさんは「地震後、母乳が出にくくなった気がして心配です。授乳以外にも余震のたびに目が覚めてしまいます。大丈夫でしょうか」と話した。
助産師のBさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「ミルクを湯ざましに変更しましょう」
  2. 「医師に睡眠導入薬について相談してみましょう」
  3. 「今までどおり吸わせていけば母乳で充分ですよ」
  4. 「安全な福祉避難所への移動を検討してみましょう」

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

Aさん(28歳、1回経産婦)は既往歴、家族歴ともに特記すべきことはない。妊娠11週0日に妊婦健康診査のため産婦人科を受診した。身長155cm、体重40.3kg(非妊時体重40kg)で2週前から300g増加している。血圧100/68mmHg、下肢の浮腫(-)、尿蛋白(-)、尿糖(-)、尿ケトン体(-)、胎児心拍動を確認している。Aさんは助産師に「何か食べていないと気持ち悪くなります。そうめんとオレンジばかり食べています。水分は無糖の炭酸飲料で摂っています」と話す。

 

▶午後51

このときのAさんのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 嗜好の変化は生理的である。
  2. 制吐薬の点滴静脈内注射が必要である。
  3. 栄養バランスの偏りは胎児の発育に影響する。
  4. この時期の体重増加は母体の心臓に過度な負荷をかける。

 

 


 

▶午後52

妊娠22週6日、Aさんは妊婦健康診査に来院した。体重41.3kg、血圧106/73mmHg、下肢の浮腫(-)、尿蛋白(-)、尿糖(-)、腹囲75cm、子宮底長17cm、推定胎児体重500g。下腹部痛や性器出血はない。Aさんは助産師に「空腹時の気持ち悪さはなくなりました。妊娠前の食生活に戻っています。もともと1日2食でした」と話す。
今後、Aさんと胎児に考えられる健康のリスクはどれか。

 

  1. 胎児貧血
  2. 羊水過多
  3. 妊娠糖尿病
  4. 妊娠高血圧症候群
  5. 胎児発育不全〈FGR〉

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(28歳、1回経産婦)は無月経に気付き受診し、妊娠8週と診断された。視診で会陰部や腟内に乳頭状の疣贅を認めた。腟鏡診では子宮頸部に病変は認めない。Aさんは「3か月ほど前から外陰部が痒くなりました」と話している。

 

▶午後53

Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「流産になるリスクが高まります」
  2. 「いぼを外科的に除去する治療を行います」
  3. 「赤ちゃんが鵞口瘡になる可能性があります」
  4. 「いぼはヘルペスウイルスの感染が原因です」

 

 


 

▶午後54

その後、Aさんの疣贅は消失し、妊娠経過に異常はなかった。妊娠35週で児の推定体重は2,360gであった。妊娠36週3日、1時から陣痛発来し2時に入院した。子宮口6cm開大、展退度80%、Station-1で児頭が先進している。胎児心拍数陣痛図はreassuring fetal statusであった。助産師は問診と診療録から、第1子がB群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症であったこと、妊娠35週時のB群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症検査は実施していないことを確認した。
このときのAさんに適用されるのはどれか。

 

  1. 帝王切開分娩
  2. 尿の細菌培養検査
  3. 陣痛促進薬の点滴静脈内注射
  4. ペニシリン系抗菌薬の点滴静脈内注射

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠12週0日で妊娠の診断を受けた。身長155cm、体重70kg(非妊時体重68kg)、血圧120/80mmHg、血液検査データは随時血糖85mg/dL、HbA1c5.5%であった。その後、妊婦健康診査を受診せず、妊娠33週0日で来院した。来院時、体重82kg、血圧130/80mmHg、尿蛋白(-)、尿糖2+、子宮底長35cm、推定胎児体重2,600g、AFIは23cmであった。

 

▶午後55

このときのAさんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 塩分制限が必要である。
  2. 羊水検査が必要である。
  3. 耐糖能検査が必要である。
  4. 腟分泌物の細菌培養検査が必要である。

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

令和6年2月8日実施の第107回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第107回助産師国家試験目次

 

 

第107回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

明治32年(1899年)に制定された産婆規則で規定されたのはどれか。

 

  1. 産婆組合の設置
  2. 6か月以上の産婆の学術修業
  3. 満40歳以上の女子の資格要件
  4. 母子の異常を認めたときの医師への診療要請

 

 


 

▶午前2

正常な卵巣機能をもつのはどれか。

 

  1. アンドロゲン不応症
  2. Turner〈ターナー〉症候群
  3. Rokitansky〈ロキタンスキー〉症候群
  4. Klinefelter〈クラインフェルター〉症候群

 

 


 

▶午前3

低用量経口避妊薬について正しいのはどれか。

 

  1. 大腸癌のリスクを増加させる。
  2. 休薬期間を除いて1日1回毎日内服する。
  3. コンドームによる避妊法に比べ避妊効果が低い。
  4. 静脈血栓塞栓症の発生頻度は、妊娠期より低用量経口避妊薬の内服中の方が高い。

 

 


 

▶午前4

基礎体温表を以下に示す。
107am4j
黄体機能を推定できるのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前5

妊娠初期にhCG〈ヒト絨毛性ゴナドトロピン〉が産生を維持するホルモンはどれか。

 

  1. hPL〈ヒト胎盤性ラクトゲン〉
  2. コルチゾール
  3. プロラクチン
  4. プロゲステロン

 

 


 

▶午前6

新生児の呼吸障害の症状とその原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 呻吟呼吸――中枢の未熟性
  2. 多呼吸――高い気道抵抗
  3. 陥没呼吸――胸郭の脆弱性
  4. 無呼吸発作――小さなガス交換面積

 

 


 

▶午前7

乳児期の泌尿器系の発達で正しいのはどれか。

 

  1. 排尿は反射的に行われる。
  2. 新生児の尿濃縮力は成人と同程度である。
  3. 乳児期前半での尿回数は1日5回程度である。
  4. 体表面積当たりの腎血流量は生後3か月で成人レベルに達する。

 

 


 

▶午前8

Aさん(78歳、女性)は骨盤臓器脱と診断され、ペッサリーの挿入によって症状が改善していた。最近、赤色帯下が下着に付着するため婦人科を受診した。ペッサリーと接する腟壁に浅いびらんがあり、少量の出血を認める。超音波検査では子宮、付属器は正常で、子宮頸部の細胞診では異常はない。
出血の改善に有効な腟錠の成分はどれか。

 

  1. イソコナゾール硝酸塩
  2. クロラムフェニコール
  3. エストリオール
  4. プロゲステロン

 

 


 

▶午前9

Aさん(26歳、1回経産婦)は、妊娠38週5日に陣痛発来で入院した。身長152cm。推定胎児体重は3,550g。Leopold〈レオポルド〉触診法に続き、Seitz〈ザイツ〉法を用いて診察を行った。児頭と恥骨が同じ高さに触れた。
このときの助産診断で適切なのはどれか。

 

  1. 児頭の最大通過面は骨盤入口部を超えている。
  2. 児頭骨盤不均衡〈CPD〉である。
  3. Seitz〈ザイツ〉法(±)である。
  4. 児頭の回旋は正常である。

 

 


 

▶午前10

前置胎盤について正しいのはどれか。

 

  1. 経腟超音波検査で診断を行う。
  2. 約半数は癒着胎盤を合併する。
  3. 妊娠後期にスクリーニング検査を行う。
  4. 診断後は子宮収縮の有無に関わらず子宮収縮抑制薬を投与する。

 

 


 

▶午前11

正常経過である妊婦のリスクとその影響の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 歯周病――低出生体重児
  2. 30分の水泳――切迫早産
  3. 過度の日焼け――児のビタミンD欠乏症
  4. カフェインの摂取――巨大児

 

 


 

▶午前12

Aさん(43歳、初産婦、未婚)は産科外来を初めて受診し、妊娠16週0日と診断された。妊婦健康診査の結果に異常はない。「会社を経営していて忙しいです。自宅では75歳の母親の介護もしています。これからどうしたらよいのでしょうか」と話している。
このときの助産師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 受診が遅れた理由を確認する。
  2. 妊婦健康診査の頻度を説明する。
  3. 在胎16週の胎児の発育を説明する。
  4. 妊娠をどのように受け止めているか確認する。

 

 


 

▶午前13

分娩介助における臍帯の処置を図に示す。
順調な分娩経過で出生し、速やかに第一啼泣を開始した正期産児の臍帯の切断で適切なのはどれか。
ただし、切断箇所を点線で示す。

 

107am13j

 

 


 

▶午前14

Aさん(28歳、初産婦)は、Bちゃん(生後4か月、女児)と一緒に子育て世代包括支援センターの助産師に相談に来た。Aさんは「まだBの歯磨きはしていません。赤ちゃんの歯とケアについて知りたいです」と話した。
このときの助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「生後6か月で乳歯は生えそろいます」
  2. 「乳歯は虫歯になることはありません」
  3. 「今日から歯ブラシを使って歯磨きを始めましょう」
  4. 「生え始めはガーゼで拭き取ることから始めましょう」

 

 


 

▶午前15

Aさん(38歳、初産婦)は40週0日、3,000gの児を正常分娩で出産した。母乳育児を希望しており、母乳栄養のみで退院した。産褥14日、母乳外来を訪れ「おっぱいが足りていない気がして、ミルクを足した方がいいのか迷っています」と心配そうに話す。本日の児の体重は3,100g、直近24時間の授乳回数は10回で、排便は6、7回ある。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「ミルクを足しましょう」
  2. 「小児科を受診しましょう」
  3. 「どうして母乳が足りていないと感じるか教えてください」
  4. 「毎回授乳の前後に赤ちゃんの体重を測って母乳量を計算しましょう」

 

 


 

▶午前16

Aさん(32歳、2回経産婦)は妊娠30週0日。妊婦健康診査を受診したところ、胎児心拍が確認できず、子宮内胎児死亡と診断された。Aさんは突然のことで驚き、戸惑っており、落ち着かない様子であった。
助産師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 分娩の方法について説明する。
  2. セルフヘルプグループを紹介する。
  3. 亡くなった子に何をしたいか尋ねる。
  4. プライバシーが保てる個室へ案内する。

 

 


 

▶午前17

日齢2の正期産児。
医師に報告すべき症状はどれか。

 

  1. 周期性呼吸を認める。
  2. 心雑音が聴取される。
  3. 新生児中毒性紅斑が出現する。
  4. 排気とともに哺乳したものを嘔吐する。

 

 


 

▶午前18

乳幼児の事故で正しいのはどれか。

 

  1. 乳児の溺水事故が多いのは近隣水域である。
  2. 頭部外傷では陥没骨折が起こりやすい。
  3. 四肢の骨折は遠位端で起こりやすい。
  4. 熱中症の発生場所は自宅内が多い。

 

 


 

▶午前19

令和3年(2021年)に施行された母子保健法の改正内容はどれか。

 

  1. 妊娠、出産、育児に関する保健指導の対象者に妊産婦の配偶者を加えた。
  2. 母子健康包括支援センターの設置が市町村の努力義務になった。
  3. 産後ケア事業の実施が市町村の努力義務になった。
  4. 妊産婦訪問指導の実施主体が市町村に委譲された。

 

 


 

▶午前20

Aさん(初産婦、未婚)は、1人暮らしをしている。出産後3か月は実家に滞在する予定である。
出生の届出書の提出で正しいのはどれか。

 

  1. 提出は出生後21日以内と規定されている。
  2. 届出者はAさんでなければならない。
  3. 居住地区の保健所に提出する。
  4. 嫡出子の有無を記入する。

 

 


 

▶午前21

母体保護法に基づく不妊手術で正しいのはどれか。

 

  1. 卵管結紮術が含まれる。
  2. 男性の手術は対象外である。
  3. 子どもがいない場合は適用の対象外である。
  4. 保健所長に実施報告をしなければならない。

 

 


 

▶午前22

助産所が、助産業務ガイドライン2019に基づき、連携する産婦人科医師と相談して協働管理すべき条件で正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠高血圧症候群の既往があるが今回の発症はない者
  2. 前回は妊娠32週の早産だったが今回の妊娠経過は順調な者
  3. 糖尿病を合併しているが胎児の推定体重は正常範囲である者
  4. 助産所で第1子を出産した後に子宮頸部円錐切除術を受けた者

 

 


 

▶午前23

妊娠に伴う肺の機能的残気量を低下させる要因はどれか。

 

  1. 横隔膜の挙上
  2. 呼吸数の増加
  3. 肺活量の低下
  4. 心臓の上方転位
  5. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉の上昇

 

 


 

▶午前24

胎児型ヘモグロビン〈HbF〉の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 出生後に組織への酸素供給量が増加する。
  2. 低体温では酸素との結合能力が低くなる。
  3. 早産児の臍帯血中ヘモグロビンの約30%を占める。
  4. 成人型ヘモグロビン〈HbA〉より酸素との結合能力が高い。
  5. 胎児型ヘモグロビン〈HbF〉を有する赤血球の寿命は約60日である。

 

 


 

▶午前25

日齢2の新生児。1時間前に母乳を飲んだ。閉眼しており眼球運動が観察できる。
このときの児の意識レベルはBrazelton〈ブラゼルトン〉の新生児行動分類のどれか。

 

  1. state1
  2. state2
  3. state3
  4. state4
  5. state5

 

 


 

▶午前26

妊娠初期の使用で催奇形性が明らかである薬剤はどれか。

 

  1. インドメタシン
  2. 低用量経口避妊薬
  3. ヒドララジン塩酸塩
  4. メトホルミン塩酸塩
  5. ワルファリンカリウム

 

 


 

▶午前27

日齢27の新生児。1か月児健康診査受診時、母親から児の右眼に眼脂がみられるという訴えがあった。医師は先天性鼻涙管閉塞症と診断し、点眼薬を処方して1週後の再診を指示して健康診査は終了した。帰り際、母親から健康診査に立ち会った助産師に児の予後に関する不安の訴えがあった。
母親への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「治療しないと失明する危険があります」
  2. 「症状が続けば眼科受診が必要になります」
  3. 「ほとんどの新生児に認められる症状です」
  4. 「点眼で症状改善後は再発の心配はありません」
  5. 「いずれ手術が必要になる可能性が高い疾患です」

 

 


 

▶午前28

在胎28週0日、体重1,200gで緊急帝王切開で出生した男児。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後3点で、気管挿管後にNICUに入院し、呼吸窮迫症候群〈RDS〉と診断された。肺サーファクタント補充療法後、人工呼吸管理を開始し、いったん呼吸状態は安定した。児は2時間後に突然徐脈になり、皮膚色が蒼白になった。
急変の原因で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 無気肺
  2. 緊張性気胸
  3. 慢性肺疾患
  4. 未熟児貧血
  5. 脳室周囲白質軟化症

 

 


 

▶午前29

就労している妊婦が「産前休業を申請した後、上司から『こんな忙しいときに産前休業を取るなんて、周りはとても迷惑する』と何度も言われています。これはハラスメントではないでしょうか」と相談した。
このような上司からの言動の防止措置を定めた法律はどれか。

 

  1. 地域保健法
  2. 母子保健法
  3. 労働基準法
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉
  5. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉

 

 


 

▶午前30

診療報酬の乳腺炎重症化予防ケア・指導料で正しいのはどれか。

 

  1. 入院している褥婦も算定できる。
  2. 医師が必要と認めた場合に算定できる。
  3. 看護師がケアを実施した場合も算定できる。
  4. 母乳育児を行っていない褥婦も算定できる。
  5. 算定対象となる褥婦であれば何回でも算定できる。

 

 


 

▶午前31

家族を中心としたケア〈Family-Centered Care:FCC〉の基本概念はどれか。
2つ選べ。

 

  1. 安心
  2. 教育
  3. 協働
  4. 参加
  5. ホリスティック

 

 


 

▶午前32

骨盤内感染症のリスク因子となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分娩
  2. 膀胱炎
  3. 経腟超音波検査
  4. 子宮腟部細胞診
  5. 子宮内避妊具〈IUD〉

 

 


 

▶午前33

妊娠による母体の生理的変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 腹式呼吸になる。
  2. 腎血流量が減少する。
  3. 心拍出量が増加する。
  4. 消化管運動が亢進する。
  5. インスリン分泌が亢進する。

 

 


 

▶午前34

更年期障害に対するホルモン補充療法を行う際に、慎重投与ないしは条件付きでの投与が可能なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 原因不明の不正性器出血のある者
  2. 子宮内膜症の既往のある者
  3. 心筋梗塞の既往のある者
  4. 脳卒中の既往のある者
  5. 片頭痛のある者

 

 


 

▶午前35

胎児発育不全〈FGR〉の母体側のリスク因子はどれか。2つ選べ。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 甲状腺機能亢進症
  3. 帝王切開の既往
  4. 妊娠前のやせ
  5. 経産婦

 

 


 

▶午前36

産科危機的出血への対応指針に示されている産科危機的出血の定義に当てはまるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出血の持続
  2. Hb値6.8g/dL
  3. 産科DICスコア7点
  4. ショックインデックス1.5
  5. 経腟分娩後24時間以内の出血量500mL

 

 


 

▶午前37

乳幼児のRSウイルス感染症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 感染した場合には抗ウイルス薬を内服する。
  2. 鼻汁や咳などの呼吸器症状がみられる。
  3. 生の魚介類を食べることで感染する。
  4. ほとんどの乳幼児が感染する。
  5. 定期予防接種がある。

 

 


 

▶午前38

出生後24時間以内の早産児に出現しやすい生理学的特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 貧血
  2. 高血圧
  3. 低血糖
  4. 高カルシウム血症
  5. 中枢性の無呼吸発作

 

 


 

▶午前39

Aちゃん(女児)は在胎32週0日に経腟分娩で出生した。弱々しく泣き、筋緊張は低下していた。出生後1分の心拍数120/分。マスクバック換気を経て有効な換気ができ、NICUに入院した。生後4時間、助産師はNICUに初めて面会に来た母親に対応した。
ディベロップメンタルケアの視点からの説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「オムツ交換は看護師が行います」
  2. 「タオルを用いてAちゃんの周囲を囲い込みます」
  3. 「Aちゃんに触れる際は医療用手袋を装着してください」
  4. 「面会時はAちゃんがよく見えるように照明を明るくします」
  5. 「Aちゃんが目を開けているときはやさしく語りかけてあげましょう」

 

 


 

▶午前40

平日の午後2時、震度6強の地震があった。
地域周産期母子医療センターの産科病棟は建屋が免震構造であったため、内部の被害はほぼなかったがエレベーターが緊急停止した。ニュースでは公共交通機関が運転を中止し、道路の渋滞が起き始めたと報道している。
看護管理者の初期対応はどれか。2つ選べ。

 

  1. 災害時小児周産期リエゾンを任命する。
  2. 出勤できない夜勤スタッフの勤務調整を行う。
  3. 母親と同室している新生児をスタッフステーションに集める。
  4. 非常用電源での分娩監視装置の動作確認をスタッフへ指示する。
  5. 被災した地域の連携病院で分娩予定だった産婦の受け入れを決定する。

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

Aさん(48歳、未産婦)は身長160cm、体重45kg、BMI17.6。初経12歳。元来、月経周期は45~60日で不規則である。35歳のときに婦人科医院を受診し多囊胞性卵巣症候群、子宮筋腫と診断されたが、その後は自己判断で通院していない。2年前に甲状腺機能亢進症と診断され、内科医院に通院し内服治療中である。半年前から不正性器出血があり、かかりつけの内科医に相談したところ、子宮体癌の疑いがあると言われた。

 

▶午前41

Aさんの子宮体癌のリスク因子はどれか。2つ選べ。

 

  1. 未産婦
  2. 子宮筋腫
  3. BMI17.6
  4. 甲状腺機能亢進症
  5. 多囊胞性卵巣症候群

 

 


 

▶午前42

Aさんは子宮体癌の精密検査のために、婦人科医院で経腟超音波断層法と子宮内膜細胞診を受けることになった。
Aさんへの検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「検査前は排尿を控えましょう」
  2. 「子宮の中に内視鏡を入れる検査です」
  3. 「検査を受けた日はシャワー浴にしましょう」
  4. 「腟分泌物を採取して顕微鏡で観察する検査です」

 

 


 

▶午前43

Aさんは子宮体癌と診断され、子宮全摘術と両側付属器切除術を受けた。定期的な経過観察のみで、術後3か月が経過している。
現時点でAさんに認められる症状で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 尿失禁
  2. ほてり
  3. 腟の搔痒感
  4. 記銘力の低下

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

Aさん(39歳、1回経産婦)、妊娠経過は順調で無痛分娩をする予定だった。妊娠37週1日、3時間前から続く腹痛と性器出血を主訴に、午前9時に産婦人科を受診した。意識は清明だが、痛みのため苦悶様の表情で、子宮は硬い。バイタルサインは、体温37.3℃、脈拍69/分、整、血圧114/72mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)。内診所見は、未破水、子宮口3cm開大、展退度50%、Station-1、児頭が触れた。胎児心拍が消失しており胎児死亡と診断された。
このときの腹部超音波断層法写真を別に示す。
107am44j

 

▶午前44

このときの対応で正しいのはどれか。

 

  1. 飲水を促す。
  2. 抗菌薬の準備をする。
  3. 分娩誘発の準備をする。
  4. 硬膜外麻酔の準備をする。

 

 


 

▶午前45

Aさんの分娩は進行し、午後1時に子宮口が全開大した。来院後から500mLの性器出血を認めている。意識は清明で、バイタルサインは、体温37.4℃、脈拍88/分、整、血圧103/74mmHg。血液検査所見は、赤血球324万/μL、Hb8.6g/dL、白血球9,700/μL、血小板6.0万/μL、フィブリノゲン92mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、AST18IU/L〈U/L〉、ALT16IU/L〈U/L〉。
このときのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. HELLP症候群である。
  2. 出血性ショックである。
  3. 弛緩出血を起こしている。
  4. 凝固能が低下した状態である。

 

 


 

▶午前46

Aさんは午後2時に死児を出産した。胎盤が娩出された直後から、子宮から多量の出血を認め、直ちに医師によって子宮双手圧迫が行われた。
止血の目的で、次に行う処置はどれか。

 

  1. 子宮摘出
  2. 子宮の冷罨法
  3. 子宮動脈塞栓術
  4. 子宮腔内バルーンタンポナーデ

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

Aさん(32歳、初産婦)は、妊娠39週0日。2時に破水感があり、3時にパートナーとともに来院し、入院した。入院時の検査でBTB試験紙は青色を示した。8時、陣痛間欠8分、陣痛発作20秒で陣痛が開始した。11時、陣痛間欠8~9分、陣痛発作20秒、羊水の流出はない。四肢末梢の冷感がある。「お腹の痛みは少しで、腰の方が痛みますが、我慢できます。少し胃のむかつきがあり、朝食は果物だけ食べました」と話す。

 

▶午前47

このときの助産師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「深呼吸をしましょう」
  2. 「足浴をしてみましょう」
  3. 「入浴をしてみましょう」
  4. 「昼食は残さず食べましょう」
  5. 「パートナーに肛門を圧迫してもらいましょう」

 

 


 

▶午前48

Aさんは、23時に子宮口が全開大し、翌日の0時30分に3,800gの男児を出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。0時33分、恥骨結合上の腹壁を圧すると臍帯が腟内に引き込まれ、臍帯を把持して子宮底を軽く叩くと振動が臍帯に伝わる。子宮収縮良好であり、会陰裂傷はⅠ度で産道損傷はない。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 子宮底をマッサージしながら臍帯を強く引っ張る。
  2. 子宮収縮薬の投与を医師に依頼する。
  3. 胎盤の娩出を行う。
  4. 経過を観察する。

 

 


 

▶午前49

胎盤娩出から1時間が経過した。Aさんのバイタルサインは、体温37.2℃、脈拍70/分、血圧110/70mmHg。子宮底の高さは臍下1横指で硬度はやや軟らかく、子宮底のマッサージを行い硬度良好となる。後陣痛はない。1時間値の出血量は60mLであった。会陰部に違和感と軽度の痛みがある。早期母子接触を行っている。児のバイタルサインは、体温37.4℃、呼吸数42/分、心拍数150/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医師に出血量を報告する。
  2. 早期母子接触を中止する。
  3. 膀胱充満の有無を確認する。
  4. 次回の子宮収縮の観察は1時間後に行う。
  5. 15分間隔でAさんのバイタルサインの測定を行う。

 

 


 

次の文を読み50~52の問いに答えよ。

Aさん(36歳、初妊婦、専業主婦)は夫(35歳、会社員)と2人暮らしである。Aさんは双胎妊娠で、妊娠高血圧症候群を合併していたため、妊娠34週から管理入院していた。面会に来た夫から助産師に対して「出産育児一時金について教えてほしい」と相談があった。

 

▶午前50

夫への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「双子の場合も1人分が支給されます」
  2. 「分娩にかかった費用によって金額が変わります」
  3. 「妊娠中に給付金の一部を受け取ることができます」
  4. 「医療保険者から病院に直接支払われる制度があります」

 

 


 

▶午前51

妊娠36週0日。腹痛と性器出血があり、常位胎盤早期剝離と診断され、緊急帝王切開術となった。第1子は女児で出生体重2,300g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後5点、5分後8点であった。第2子は男児で出生体重2,050g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後0点、5分後2点。第2子は出生後3時間で死亡した。
第2子に必要な対応はどれか。2つ選べ。

 

  1. 死産証書の交付
  2. 異常死産児の届出
  3. 死胎検案書の交付
  4. 死亡診断書の交付
  5. 出生証明書の交付

 

 


 

▶午前52

Aさんの分娩を担当した助産師は助産録を記載した。
助産録について正しいのはどれか。

 

  1. 第1子、第2子それぞれに作成する。
  2. 新生児の所見の記載義務は医師が負う。
  3. 帝王切開分娩の記載は医師の診療録を代用する。
  4. 緊急手術に関するインフォームド・コンセントの内容は記載事項に含まれる。

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(31歳、経産婦)は身長156cm、体重59kg。妊娠中、母児ともに経過は順調であった。妊娠37週3日、20時に腹部緊満感の増強で来院し、内診所見は子宮口4cm開大、展退度30%、Station-3、陣痛間欠10分であり、そのまま入院した。入院時の胎児心拍数陣痛図では、胎児心拍数基線は145bpm、基線細変動は正常で一過性頻脈がみられた。
妊娠37週4日、6時の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
107am53j

 

▶午前53

このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 努責を促す。
  2. 内診を行う。
  3. 経過観察をする。
  4. 乳頭刺激を行う。
  5. 超音波検査の準備をする。

 

 


 

▶午前54

その後、Aさんは4,100gの児を出産した。会陰裂傷はⅣ度であり会陰裂傷縫合術が行われた。
分娩後のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 緩下薬を投与する。
  2. 抗菌薬を投与する。
  3. 食事は普通食にする。
  4. 血圧を2時間ごとに測定する。
  5. トイレ歩行以外は動かないようにする。

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(30歳、経産婦)は身長162cm、体重60kg、特記すべき合併症はなく、妊娠経過に異常は認めず、胎児の発育は順調であった。妊娠38週6日、11時30分に破水感で受診し高位破水の診断で入院した。妊娠39週0日、前期破水の適応のため分娩誘発の方針となり、オキシトシン点滴静脈内注射を開始し、9時30分に陣痛発来した。11時45分に完全破水し、羊水混濁は認めなかった。15時35分に子宮口全開大しStation±0となった。その後、16時にStation+1、16時30分にStation+2、17時30分にStation+3と経過した。経過中、胎児心拍数陣痛図はreassuring fetal statusであった。その後、19時30分にStation+3であった。
このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。
107am55j

 

▶午前55

このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 経過観察をする。
  2. 吸引分娩の準備をする。
  3. ジノプロスト点滴静脈内注射の準備をする。
  4. オキシトシン点滴静脈内注射中止の準備をする。
  5. メチルエルゴメトリン静脈内注射の準備をする。

 

 

 

第107回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1改題

乳幼児の予防接種で正しいのはどれか。

 

  1. 接種の開始は生後2か月が推奨される。
  2. 定期接種、任意接種ともに就学前に完了する。
  3. 同時接種とは複数のワクチンを混合して接種することである。
  4. 注射生ワクチン接種から6日以上あけて次の注射生ワクチン接種が可能となる。

 

 


 

▶午後2

20歳代女性を対象とした妊娠前の栄養と食生活に関する情報提供で適切なのはどれか。

 

  1. 炭水化物の摂取を制限する。
  2. 野菜は200g/日の摂取を目標とする。
  3. カルシウム摂取量は約660mg/日を推奨量とする。
  4. 蛋白質は総エネルギー摂取量の30%以上を目標とする。

 

 


 

▶午後3

日本人女性の乳癌のリスク要因はどれか。

 

  1. やせ
  2. 遅い初経
  3. 授乳経験
  4. アルコール摂取

 

 


 

▶午後4

淋菌感染症について正しいのはどれか。

 

  1. 多剤耐性淋菌の発生は減少傾向である。
  2. 性器感染者の0.1%に咽頭感染を認める。
  3. 女性感染者の子宮頸管炎の帯下は水様透明である。
  4. 男性感染者の尿道炎では灼熱感のある排尿痛が出現する。

 

 


 

▶午後5

非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉で適切なのはどれか。

 

  1. 母体血清マーカー検査と比べ感度が低い。
  2. 胎児疾患の確定診断を目的に行う。
  3. 13トリソミーは対象疾患である。
  4. 羊水を採取する。

 

 


 

▶午後6

胎盤の断面を図に示す。
107pm6j
絨毛間腔を示す場所はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後7

乳児が身体の傍にあるおもちゃを認識し、手を伸ばしてつかむことができるようになる時期はどれか。

 

  1. 生後1か月ころ
  2. 生後2か月ころ
  3. 生後3か月ころ
  4. 生後6か月ころ

 

 


 

▶午後8

生後6か月の女児。これまで健康で、身体発育、精神運動発達に問題は指摘されていない。
児の食事の内容で適切なのはどれか。

 

  1. 軟飯
  2. はちみつ
  3. つぶした豆腐
  4. フォローアップミルク

 

 


 

▶午後9

Aさん(47歳、女性)は市町村の子宮がん検診の結果から精密検査を勧められ、産婦人科外来を受診した。持参した子宮頸部細胞診の結果はLSIL(軽度扁平上皮内病変)であった。
Aさんに必要な検査はどれか。

 

  1. 膀胱鏡
  2. 骨盤MRI検査
  3. コルポスコピー
  4. 子宮内膜細胞診

 

 


 

▶午後10

妊娠中期以降の超音波検査による児頭大横径〈BPD〉の計測断面を図に示す。
測定位置で正しいのはどれか。

 

107pm10j

 

 


 

▶午後11

Aさん(38歳、初産婦)は妊娠39週6日に経腟分娩に至り、胎盤が娩出された直後から強い下腹部痛と多量の出血を認めた。腹部で子宮底を触れず、腟内に超手拳大の腫瘤を触れる。
このときの診断で正しいのはどれか。

 

  1. 頸管裂傷
  2. 弛緩出血
  3. 子宮内反
  4. 癒着胎盤

 

 


 

▶午後12

Aさん(28週、初妊婦)の推定胎児体重は930g(-1.5SD)であり、超音波検査とノンストレステスト〈NST〉が実施された。胎児異常はない。Biophysical Profile Score〈BPS〉は10点であった。
Aさんへの対応で必要なのはどれか。

 

  1. 経過観察
  2. 酸素投与
  3. 葉酸投与
  4. 羊水検査

 

 


 

▶午後13

Aさん(36歳、2回経産婦)は産後1か月。身長160cm、体重53kgで、非妊時に戻っている。母乳のみで授乳している。現在のAさんの平均摂取カロリー量は2,000kcal/日である。
授乳期に推奨される1日当たりの摂取カロリー量にするために、Aさんが増量する必要があるカロリー量に近いのはどれか。

 

  1. 100kcal
  2. 200kcal
  3. 400kcal
  4. 600kcal

 

 


 

▶午後14

乳癌の診断を受けた完全母乳栄養で育児中の母親に対する授乳指導で正しいのはどれか。

 

  1. 内分泌療法中でも授乳が可能である。
  2. 授乳を継続することで乳癌の進展が抑えられる。
  3. 治療中は授乳を中止すれば体力の消耗が抑えられる。
  4. 放射線照射後でも健側の乳房からは授乳が可能である。

 

 


 

▶午後15

Aさん(35歳、1回経産婦)は、妊娠26週2日。75gOGTTで、空腹時血糖90mg/dL、1時間値190mg/dL、2時間値150mg/dLであった。Aさんに、医師から妊娠糖尿病について説明された。
Aさんへの指導で正しいのはどれか。

 

  1. 運動を控える。
  2. 食事内容を記録する。
  3. 経口糖尿病薬を内服する。
  4. 食事から摂取するエネルギーは非妊時から50kcal/日増やす。

 

 


 

▶午後16

正常新生児の出生後の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 母親のケア後にその新生児のケアをする場合は手袋を交換する必要はない。
  2. 四肢末梢にチアノーゼを認めた場合は酸素投与を行う。
  3. 母親の名前を書いた標識を2つ装着する。
  4. 点眼の前後には眼瞼を清拭する。

 

 


 

▶午後17

Aさん(32歳、初産婦)は、双胎妊娠で、妊娠38週1日に帝王切開術で出産した。両児とも男児で、第1子2,590g、第2子2,670gで、出生後の経過は良好である。
産褥6日、Aさんの乳汁分泌量は増えてきており、両児に直接授乳している。「退院後は夫と2人で育児をする予定ですが、育児に自信がありません」と助産師に話した。
Aさんへの退院支援で正しいのはどれか。

 

  1. 児は1人ずつ順番に退院する。
  2. 人工乳に変更することを勧める。
  3. 児それぞれの授乳のリズムに合わせた授乳を勧める。
  4. 入院中に夫がAさんとともに両児の育児を経験できるようにする。

 

 


 

▶午後18

在胎38週5日に経腟分娩で出生した児。羊水混濁は認めなかった。Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後8点であった。新生児蘇生中にフリーフロー酸素投与が行われても酸素化が改善せず、中心性チアノーゼと聴診で心雑音を認め、先天性心疾患を疑われ生後1時間でNICUに入院した。なお、経過中に呻吟や陥没呼吸は認めなかった。
入院直後の処置で正しいのはどれか。

 

  1. 腹臥位にする。
  2. 気管内吸引を行う。
  3. 背部をこすって呼吸刺激を行う。
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニターを右上肢と下肢に装着する。

 

 


 

▶午後19

生後6か月の乳児の就寝環境で適切なのはどれか。

 

  1. 大人と一緒に同じベッドで就寝する。
  2. 児の好きなぬいぐるみをベッド内に置く。
  3. マットレスと壁の間に隙間がないようにする。
  4. 乳汁の嘔吐があったときのためにタオルを児の口元に置く。

 

 


 

▶午後20

未熟児網膜症の発症のリスク因子となるのはどれか。

 

  1. 多血
  2. 低酸素症
  3. 低カルシウム血症
  4. ステロイド薬の投与

 

 


 

▶午後21

低所得のひとり親世帯の生活の安定と自立の促進を目的とした手当はどれか。

 

  1. 児童手当
  2. 出産手当金
  3. 児童扶養手当
  4. 特別児童扶養手当

 

 


 

▶午後22

セルフヘルプグループの活動はどれか。

 

  1. 祖父母を対象とした孫育て講演会
  2. 双子の両親が主催する多胎家族の交流会
  3. 助産師によるベビーマッサージの体験教室
  4. 出産経験者が体験を語る動画を使った出産準備教室

 

 


 

▶午後23

助産所の開設で正しいのはどれか。

 

  1. 管理者は助産師に限定されない。
  2. 無床の助産所の場合は開設届は不要である。
  3. 出張のみで助産に従事する場合でも嘱託医師を定めなければならない。
  4. 助産師が開設する場合は事前に都道府県知事に届け出なければならない。

 

 


 

▶午後24

産後ケア事業について正しいのはどれか。

 

  1. 児が単独で利用できる。
  2. 短期入所してケアが受けられる。
  3. ケアを提供する施設には医師と助産師の配置が必要である。
  4. 事業を利用できるのは出産後1年6か月までの女性と乳幼児である。

 

 


 

▶午後25

周産期医療における地域連携で正しいのはどれか。

 

  1. セミオープンシステムは病院と診療所の産後の連携システムである。
  2. 地域災害拠点病院であることが周産期母子医療センターの要件になる。
  3. 総合周産期母子医療センターは地域で分娩を扱う全ての医療施設と連携している。
  4. 母体救命が必要な妊産婦は地域周産期母子医療センターで受け入れが義務付けられている。

 

 


 

▶午後26

産褥期のホルモンの変動で正しいのはどれか。

 

  1. 授乳婦はゴナドトロピン放出ホルモン〈GnRH〉の分泌が亢進する。
  2. オキシトシンは授乳開始から30分後に血中濃度が上昇する。
  3. 授乳回数が多いほどプロラクチンの血中濃度が上昇する。
  4. 新生児との接触でプロゲステロンが上昇する。
  5. エストロゲンは乳汁産生を促進する。

 

 


 

▶午後27

褥婦に対するうっ滞性乳腺炎の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 産後5日ころに起こりやすい。
  2. 乳房の張りが少ない方から授乳する。
  3. 乳房に仏痛があれば授乳の間隔をあける。
  4. うっ滞性乳腺炎になっても、授乳は可能である。
  5. 乳汁が溜まっているようであれば、自己マッサージをしない。

 

 


 

▶午後28

母子健康手帳の交付で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生後でも交付される。
  2. 妊娠の診断書が必要である。
  3. 妊娠12週以前は交付されない。
  4. 在留資格に関係なく交付される。
  5. 妊婦の代理人に対しては交付されない。

 

 


 

▶午後29

腟分泌物の鏡検によって診断できる病原体はどれか。2つ選べ。

 

  1. 淋菌
  2. カンジダ
  3. クラミジア
  4. トリコモナス
  5. 梅毒トレポネーマ

 

 


 

▶午後30

子宮について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子宮筋層は横紋筋である。
  2. 子宮動脈は上行枝と下行枝に分かれる。
  3. 子宮動脈は外腸骨動脈から分岐している。
  4. 子宮を支持する組織として広間膜がある。
  5. 初経の発来前後で子宮体部の大きさは同じである。

 

 


 

▶午後31

妊娠中期に発症した妊娠糖尿病で母体の血糖値の管理が不十分である場合、妊娠後期に生じやすいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 胎児構造異常
  2. 前置胎盤
  3. 羊水過多
  4. 過期産
  5. 巨大児

 

 


 

▶午後32

リトドリン塩酸塩の使用時に注意する母体の副作用はどれか。2つ選べ。

 

  1. 嗜眠
  2. 高血糖
  3. 肺水腫
  4. 呼吸抑制
  5. 腱反射低下

 

 


 

▶午後33

Aさん(34歳、初産婦)は妊娠35週3日に妊婦健康診査のため来院した。外来待合室で意識を消失し、心肺停止状態となった。
このときの対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 左側臥位にする。
  2. 帝王切開の準備をする。
  3. 胸骨圧迫を80回/分で行う。
  4. 胸骨下半分で胸骨圧迫を行う。
  5. 胸骨圧迫と人工呼吸を10:2の割合で行う。

 

 


 

▶午後34

初診時の感染症スクリーニング検査で風疹抗体HI抗体価が256倍の妊婦へのその後の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. アジスロマイシンの内服治療を行う。
  2. 同居家族へのワクチン接種を勧める。
  3. 羊水検査で胎児の感染を確認する。
  4. 風疹抗体HI抗体価を再検査する。
  5. 風疹IgM抗体価を検査する。

 

 


 

▶午後35

助産師が死産児を検案して異常があると認めた場合の届出で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 48時間以内に届け出なければならないと規定されている。
  2. 妊娠4か月の死産児は対象となる。
  3. 医療法に定められている。
  4. 届出は義務である。
  5. 保健所に届け出る。

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

Aさん(35歳、初産婦)は身長160cm、体重62kg(非妊時52kg)である。妊娠経過は順調であり、無痛分娩を希望している。妊娠38週0日から、夜間に不規則な陣痛が始まり朝になると消失することを繰り返していた。妊娠38週5日、4時間前から陣痛間欠時間7分、陣痛持続時間40秒の有痛性の子宮収縮が認められ入院した。入院時の内診所見は、子宮口3cm開大、展退度70%、Station-1である。「最近は夜あまり眠れていないし、疲れて食欲もない」と話す。

 

▶午後36

このときの診断で適切なのはどれか。

 

  1. 遷延分娩である。
  2. 過強陣痛である。
  3. 分娩は開始していない。
  4. 分娩第1期の潜伏期である。
  5. 分娩第1期の活動期である。

 

 


 

▶午後37

入院から2時間経過した。Aさんの痛みが増強したため、硬膜外麻酔による鎮痛を開始した。内診所見は、子宮口4cm開大、展退度80%、Station-1である。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 食事摂取を促す。
  2. 定期的に導尿を行う。
  3. 仰臥位で過ごすよう説明する。
  4. 15分間隔で児心音を聴取する。

 

 


 

▶午後38

Aさんは麻酔開始から痛みをほとんど感じない状態で経過していたが、8時間後に痛みが増強したため助産師は内診した。内診所見は、子宮口全開大、Station+3、矢状縫合は横径に一致しており、小泉門は3時方向に触れる。
このときのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 児頭の回旋は正常である。
  2. 第1回旋の異常がある。
  3. 第2回旋の異常がある。
  4. 第3回旋の異常がある。
  5. 第4回旋の異常がある。

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

A助産所では、妊婦健康診査で通院している妊婦のパートナーを対象に「パパクラス」を開催することになった。内容を検討するため、事前に参加希望者に「パパクラス」への受講理由を確認した。受講理由には「妻から沐浴して欲しいと言われているが、具体的な方法が分からない」、「赤ちゃんを触ったことがないので、お風呂で動かれた時にどうしたらよいか分からない」があった。
そこで、「パパクラス」は、参加者に沐浴を体験してもらうことを目的とした。助産師が沐浴のデモンストレーションを行い、参加者に体験してもらうことを計画した。

 

▶午後39

参加者に沐浴体験前に実施してもらう育児技術で最も適切なのはどれか。

 

  1. 着替え
  2. 抱っこ
  3. 体温測定
  4. オムツ交換

 

 


 

▶午後40

参加者は「パパクラス」で沐浴を体験した。その後に、助産師がファシリテーターとなり参加者同士で話し合う時間を設けた。参加者のBさんから「このクラスに参加して、子どもが生まれたら沐浴できたらいいなと思いました。でも、遅い時間まで仕事をしているので難しいかな」と発言があった。
このときの助産師のファシリテーションで適切なのはどれか。

 

  1. Bさんに詳しく勤務状況を尋ねる。
  2. 参加者に子育てが優先されると伝える。
  3. Bさんに沐浴以外の育児をするように提案する。
  4. Bさんの発言について参加者が意見交換できるように促す。

 

 


 

▶午後41

クラス終了後、参加者から「沐浴以外にもっと育児のことが知りたい」、「実際に子どもがいる生活はどのような感じになるのか知りたい」という意見が寄せられた。そこで、このクラスの参加者を対象に次のクラスを開催することにした。次のクラスでは、ピア・エデュケーションの方法を取り入れることにした。
次のクラスの講師で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保育士
  2. 小児科医
  3. 子育て中の父親
  4. 母子保健推進員

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

Aさん(37歳、2回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。妊娠40週5日、前期破水で入院した。午前8時には、第2頭位で内診所見は子宮口3cm開大、展退度50%、Station±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。

 

▶午後42

午前10時、自然に陣痛が発来し、正午での陣痛間欠は5分、陣痛発作40秒であった。内診所見は、子宮口7cm開大、展退度80%、Station+1、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は中で、発作時には1時方向に先進した大泉門がStation+2で触れる。
このときのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 正常経過
  2. 微弱陣痛
  3. 高在縦定位
  4. 前方前頭位
  5. 低在横定位

 

 


 

▶午後43

13時に子宮口が全開大した。小泉門が先進して0時方向に触知し、その上方には恥骨結合後面が1/2触れる。やや大きく産瘤が触知するが発作時にはStation+2まで児頭が触れる。陣痛発作のたびに最下点90bpm前後の変動一過性徐脈がみられているが、間欠時には回復している。助産師は吸引分娩となる可能性を考え、準備を始めた。
このときの児頭最大径が位置すると考えられる骨盤の位置はどれか。

 

  1. 入口部
  2. 濶部
  3. 峡部
  4. 出口部

 

 


 

▶午後44

分娩第2期遷延、分娩停止のため吸引分娩が施行され、4回目の吸引によって、3,880gの男児が娩出された。羊水は泥状であったが、出生直後から啼泣があり、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点(皮膚色-2点、筋緊張-1点)、5分後8点(皮膚色-1点、筋緊張-1点)、臍帯動脈血pH7.20であった。クベースに収容して経過観察していたところ、出生2時間後から頭部の腫瘤が増大してきた。暗赤色で骨縫合を超えており、指で押すと陥凹する。体温37.0℃、呼吸数70/分、心拍数170/分で鼻翼呼吸がみられる。
新生児への対応で予測されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 光線療法
  2. 腫瘤の穿刺
  3. 脳低温療法
  4. 静脈路の確保
  5. NICUへの搬送

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

Aさん(40歳、初産婦)は身長158cm、非妊時体重53kg。自宅近くのB診療所で妊婦健康診査を受けていたが、妊娠を機に仕事を辞め、妊娠13週のときに実家近くへ転居した。妊娠18週0日、今後の妊娠・分娩管理を希望してC病院を受診した。Aさんは「引っ越してバタバタしていましたが、今はゆっくり片付けをしています」と話した。
母子健康手帳の記載内容を以下に示す。
107pm45j

 

▶午後45

このときの助産師の説明で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妊婦健康診査の受診頻度
  2. 貧血を予防するための食事内容
  3. 妊娠高血圧症候群を予防する生活
  4. 引っ越しの片付け作業で留意すべき内容

 

 


 

▶午後46

妊娠28週0日、Aさんは「引っ越し後の片付けをしたりしていて、胎動は気にしていなかった」と話した。超音波検査では胎動あり、推定胎児体重は1,250gであった。
妊娠22週0日から妊娠28週0日の母子健康手帳の記載内容を以下に示す。
107pm46j
妊娠28週0日までのAさんと胎児のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 正常経過である。
  2. 妊娠糖尿病である。
  3. 胎児発育不全である。
  4. 妊娠高血圧腎症である。

 

 


 

▶午後47

妊娠32週0日、Aさんは「時々お腹が張るような感じがありますが休むと治まります。甘いものが食べたくなります」と話した。
妊娠30週0日と妊娠32週0日の母子健康手帳の記載内容を以下に示す。
107pm47j
妊娠32週0日に実施が必要な検査項目はどれか。

 

  1. 75gOGTT
  2. 子宮頸部細胞診
  3. 尿蛋白/クレアチニン比
  4. B群溶血性連鎖球菌〈GBS〉感染症

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

Aさん(21歳、大学生、未婚)は腹痛を主訴に救急外来を受診した。Aさんの意識は清明で、体温38.0℃、脈拍85/分、整、血圧118/78mmHgであった。診察の結果、Aさんは陣痛発来しており、内診所見では既に破水しており、子宮口全開大、Station+2であった。児は頭位で推定体重は3,000g。Aさんは1人暮らしで、特定のパートナーはおらず妊娠の自覚もなく、1年以上病院への受診歴はない。HIV抗体陰性、HBs抗原陰性、HCV抗体陽性、梅毒スクリーニング検査陰性、新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉PCR検査陰性、胸部エックス線写真で肺野に異常陰影は認められない。

 

▶午後48

出生後の児への母子感染予防対策で適切なのはどれか。

 

  1. ワクチンの接種
  2. 抗ウイルス薬の内服
  3. 早期母子接触の中止
  4. 特異的ヒト免疫グロブリン製剤の筋肉内注射
  5. Aさんの乳頭から出血している場合の授乳中止

 

 


 

▶午後49

Aさんは男児を出産した。出生体重3,150g、Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後9点。Dubowitz法による新生児成熟度評価で在胎週数は39週3日だった。
日齢3、Aさんから「この子はかわいいけど私が育てられるとは思えない。夜も1回1時間も寝ないですぐに泣き、授乳時も30分以上おっぱいを吸っていて、時間がかかり大変だ」という訴えが聞かれた。この日の児の体重は2,770g(前日比-70g)、活気はあり、吸啜はしっかりしている。昨日の排尿回数は3回、排便回数は2回であった。
Aさんと児への支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. おしゃぶりの使用を勧める。
  2. しばらく母子分離を勧める。
  3. 母乳栄養を中止することを勧める。
  4. 母乳を搾乳して与えることを勧める。
  5. 母乳哺乳後に人工乳を追加することを勧める。

 

 


 

▶午後50

Aさんは実家で家族の支援を受けて子育てをすることになり、母子は日齢7に退院した。退院後3日の夜、産科病棟にAさんから電話があり、児の臍が取れた後、浸出液が認められると相談があった。Aさんは、児の臍は湿潤しており、淡黄色の浸出液が少量認められるが悪臭はなく、臍周囲の発赤・腫脹も臍出血も認めず、発熱もなく元気で哺乳も良好であると話した。
助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「しばらく沐浴を中止してください」
  2. 「ポビドンヨードで臍を毎日消毒してください」
  3. 「臍が蒸れないようオムツの外に出してください」
  4. 「今すぐに家の近くの病院の救急外来を受診してください」

 

 


 

次の文を読み51~53の問いに答えよ。

Aさん(19歳、初妊婦、派遣労働者)は夫(24歳、無職)と2人暮らし。Aさんは妊娠8週3日で妊娠の届出のために市役所に来所した。昨年の世帯収入は250万円であった。Aさんは市の助産師に「夫は前の職場で人間関係がうまくいかず、うつ状態になり、今も仕事をしていません。これまでは私の収入で生活できていましたが、両親とは疎遠でこれからかかるお金のことが心配です」と話した。

 

▶午後51

このときの助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「派遣労働者の場合、出産育児一時金の支給はありません」
  2. 「分娩時に出産費用を助成する出産扶助が支給されます」
  3. 「パートナーに働くようにお願いしてみましょう」
  4. 「14回分の妊婦健康診査の費用が助成されます」

 

 


 

▶午後52

妊娠32週の妊婦健康診査で血圧140/88mmHg、尿蛋白(-)。児は骨盤位で、推定胎児体重1,520g、医師から自宅安静を指示され休暇を取っていた。妊娠33週で血圧156/92mmHg、尿蛋白(+)、推定胎児体重1,600gであり医師から入院を勧められた。産科外来の助産師が入院の説明をしていると、Aさんは「入院の必要性は分かるけれど、入院費が支払えるかどうか心配です」と話した。市の母子保健担当に相談したところ、療養援護の助成で医療費が一部支給されることになった。
Aさんが療養援護の助成を受けられる低所得以外の理由はどれか。

 

  1. 妊娠高血圧症候群
  2. 若年妊婦
  3. 初妊婦
  4. 骨盤位

 

 


 

▶午後53

Aさんは妊娠37週、2,420gの女児を正常分娩で出産した。産後の血圧は安定していたため、産後5日に退院し、児は日齢14に2,560gで退院した。産後2週の産婦健康診査でエジンバラ産後うつ病質問紙票〈EPDS〉が10点だったと病院から市に連絡があったため、産後20日に市から委託を受けた助産師が訪問した。児は体重2,740gで健康状態は良好であった。Aさんは「夫と一緒に育児をしていますがうまくできません。不安が大きいですし、睡眠不足でとても疲れています」と泣きそうな表情で話した。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 子育て中の母親との交流を勧める。
  2. 両親に支援を依頼するように勧める。
  3. ファミリーサポートセンターを紹介する。
  4. 要支援児童等と思われる者であることを市に情報提供する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(40歳、1回経産婦)は、前回の妊娠で妊娠高血圧腎症を発症し、妊娠38週3日に2,350gの男児を帝王切開で出産している。自宅で妊娠反応が陽性となったため産婦人科病院を受診し、妊娠9週0日と診断された。医師の診察の後、Aさんは助産師に「1人目は帝王切開で出産しましたが、私は経腟分娩ができるのでしょうか」と相談した。

 

▶午後54

回答のために確認すべき情報はどれか。

 

  1. 血圧値
  2. 流産手術の既往
  3. 子宮筋腫の手術の既往
  4. 帝王切開から妊娠までの期間

 

 


 

▶午後55

初回受診時の血液検査の結果は、トキソプラズマIgG抗体陰性であった。
Aさんへの指導内容で正しいのはどれか。

 

  1. 性交渉は控える。
  2. 生魚は食べない。
  3. 生野菜は食べない。
  4. ガーデニングの際は手袋をする。

 

 


 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

国民衛生の動向」は、母子保健・母子福祉や公衆衛生など厚生行政の全体像を1冊に集約し、法律や制度の概要、歴史、改正内容などを網羅しています。

 

助産師国家試験では、母子保健行政に直接関わる幅広い法律や制度の知識が毎年問われています。助産師として実際に業務を行っていく上でも理解が必要となる制度が多く、しっかりと理解して学習することが大切です。

 

このページでは、助産師国家試験に出題された母子保健法律・制度ごとに、「国民衛生の動向」の記述を基に要点を簡潔にまとめ、107回(2024年)から96回試験(2013年)までの過去12年の出題の中から対応する問題をピックアップしています。

 

「国民衛生の動向」と併用してご活用下さい。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

目次

 

 

健やか親子21(第2次)

第3編2章 1.3〕健やか親子21 p99~100

課題と目標

健やか親子21(第2次)はすべての子どもが健やかに育つ社会の実現のため、3つの基盤課題と2つの重点課題を設定し、それぞれ目標を定めている。

 

●基盤課題A「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」

目標例:妊娠中の妊婦の喫煙率・飲酒率、産後うつ割合、妊娠・出産について満足している者の割合

 

●基盤課題B「学童期・思春期から成人期に向けた保健対策」

目標例:十代の自殺死亡率、人工妊娠中絶率、性感染症罹患率

 

●基盤課題C「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」

目標例:不慮の事故による死亡率、父親の育児休業取得割合

 

●重点課題①「育てにくさを感じる親に寄り添う支援」

目標例:育てにくさを感じたときに対処できる親の割合

 

●重点課題②「妊娠期からの児童虐待防止対策」

目標例:児童虐待による死亡数

 

▶100回午後35

健やか親子21(第2次)の学童期・思春期から成人期に向けた保健対策の指標で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 飲酒率
  2. 自殺死亡率
  3. うつ病の発症率
  4. 不慮の事故による死亡率
  5. 性感染症〈STD〉の罹患率

 

 


 

▶102回午前13

健やか親子21(第2次)の基盤課題A「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」の評価指標はどれか。

 

  1. 10代の人工妊娠中絶率
  2. 不妊専門相談センターを設置する自治体数
  3. 妊娠・出産に満足している者の割合
  4. 男性の育児休業取得率

 

 


 

▶105回午後19

高校1年生を対象に健康教育を行うこととした。
健やか親子21(第2次)の指標を踏まえた内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食育
  2. う歯の予防
  3. 肥満の予防
  4. 性感染症の防止

 

 

 

母子保健法

第3編2章 1.1〕母子保健法に基づく施策 p96~99

主な規定

母子保健法では以下の事項などを規定している。

 

  • 妊産婦・乳幼児の健康診査
  • 市町村への妊娠の届出
  • 母子健康手帳の交付
  • 未熟児に対する養育医療の給付
  • 母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)の設置

 

▶100回午前33

母子保健法に定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 妊婦健康診査
  2. 養育医療の給付
  3. 食育等推進事業
  4. 新生児聴覚検査
  5. 乳児家庭全戸訪問事業

 

 

妊産婦健康診査のあゆみ

妊産婦に対する健康診査は昭和23年(1948年)に開始し、昭和44年(1969年)からは公費負担制度が開始した。

 

▶104回午前19

戦後の母子保健施策を年代順に古いものから表に示す。
104am19j
(  )に入るのはどれか。

 

  1. 育成医療の開始
  2. 未熟児養育医療の開始
  3. B型肝炎母子感染防止事業の開始
  4. 妊産婦健康診査の公費負担制度の制定

 

 

妊婦健康診査

  • 妊婦健康診査のスケジュールとして、妊娠初期から23週までは4週間に1回、妊娠24~35週までは2週間に1回、妊娠36週以後出産までは1週間に1回が推奨され、計14回程度の公費負担が行われている。
  • 毎回共通の検査項目として「健康状態の把握」「検査計測」「保健指導」が行われ、必要に応じて「血液検査」や「超音波検査」などの医学的検査が実施される。

 

▶105回午後20

Aさん(28歳)は無月経を主訴に産婦人科医院を受診し、妊娠の診断を受けた。助産師が次回の妊婦健康診査までに母子健康手帳の交付を受けるよう説明したところ、Aさんから公費の助成が受けられる妊婦健康診査について質問があった。
助産師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「血液検査を毎回行います」
  2. 「保健指導の費用は自己負担です」
  3. 「血液検査の項目にはHIV抗体検査が含まれています」
  4. 「妊娠初期は2週に1回の妊婦健康診査が助成の対象になります」

 

 

産婦健康診査

  • 産後2週間、産後1か月など出産後間もない時期の産婦を対象に、健康診査2回分の費用を助成している(1回上限5,000円)。
  • 産婦健康診査ではエジンバラ産後うつ病自己質問票(EPDS)により簡易的なスクリーニング調査が実施され、支援が必要な産婦を把握し、母子保健法に定める産後ケア事業につなげている。

 

▶103回午前9

産婦健康診査事業で正しいのはどれか。

 

  1. エジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉による問診が必須である。
  2. 児の診察が健康診査に含まれる。
  3. 産後2か月までが対象となる。
  4. 全額公費負担となる。

 

 

母子健康手帳

  • 妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出(診断書不要)をすることになっており、市町村は届け出をした者に対して母子健康手帳を交付する。
  • 母子健康手帳は妊娠11週までに交付を受けることが推奨されるが、それ以降や出生後であっても交付を受けることも可能ではある。
  • 手帳は戦前の昭和17年(1942年)に妊産婦手帳として始まり、昭和22年(1947年)に母子手帳、昭和40年(1965年)に母子健康手帳と改称し、その内容は適宜見直しが図られている。

 

▶98回午後19

母子健康手帳の交付について正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠12週以降に交付される。
  2. 双胎の場合には2冊交付される。
  3. 交付には妊娠の診断書が必要である。
  4. 交付の代理申請は認められていない。

 

 


 

▶107回午後28

母子健康手帳の交付で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生後でも交付される。
  2. 妊娠の診断書が必要である。
  3. 妊娠12週以前は交付されない。
  4. 在留資格に関係なく交付される。
  5. 妊婦の代理人に対しては交付されない。

 

 


 

▶105回午後18

日本の母子健康手帳の改正した年とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 昭和23年(1948年)――妊産婦手帳制度が始まった。
  2. 昭和33年(1958年)――母子健康手帳と改称された。
  3. 昭和40年(1965年)――妊婦1人につき1冊から子ども1人につき1冊に変更された。
  4. 平成24年(2012年)――便色カードが追加された。

 

 

産後ケア事業

  • 産後ケア事業は、産後ケアを必要とする出産後1年を経過しない母子を対象として市町村が実施するもので、病院や助産所等への短期入所(宿泊型)、通所(デイサービス型)のほか、実施担当者が居宅を訪問する(アウトリーチ型)といった実施方法がある。
  • 母子保健法改正により、令和3年(2021年)から産後ケア事業は市町村の努力義務として法定化された。

 

▶107回午後24

産後ケア事業について正しいのはどれか。

 

  1. 児が単独で利用できる。
  2. 短期入所してケアが受けられる。
  3. ケアを提供する施設には医師と助産師の配置が必要である。
  4. 事業を利用できるのは出産後1年6か月までの女性と乳幼児である。

 

 


 

▶106回午後32

母子保健法に基づく産後ケア事業で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 実施主体は都道府県である。
  2. 出産後1年以内は利用できる。
  3. 利用できるのは初産婦に限られる。
  4. 自宅への訪問サービスを申請できる。
  5. 申請時に医師の診断書が必要である。

 

 


 

▶107回午前19

令和3年(2021年)に施行された母子保健法の改正内容はどれか。

 

  1. 妊娠、出産、育児に関する保健指導の対象者に妊産婦の配偶者を加えた。
  2. 母子健康包括支援センターの設置が市町村の努力義務になった。
  3. 産後ケア事業の実施が市町村の努力義務になった。
  4. 妊産婦訪問指導の実施主体が市町村に委譲された。

 

 

養育医療

市町村は養育のための病院または診療所に入院する必要のある未熟児に対して、その保護者の申請を受けて、医療の給付を行っている。

 

▶98回午前22

養育医療について正しいのはどれか。

 

  1. 保護者が申請する。
  2. 申請先は都道府県である。
  3. 入院しない児も対象となる。
  4. 児童福祉法に基づく制度である。

 

 

母子健康包括支援センター

  • 市町村は必要に応じて母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)を設置するよう努め、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っている。
  • 平成28年(2016年)に法定化され、令和4年4月1日現在で1647市区町村に整備されている。

 

▶101回午前14

母子健康包括支援センター〈子育て世代包括支援センター〉について正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠・出産包括支援事業とは別に事業を実施する。
  2. 平成28年度(2016年度)に全市町村に設置された。
  3. 妊娠前から子育て期にわたる支援を行う。
  4. 不妊治療を行う。

 

 

 

新生児マススクリーニング

第3編2章 1.7〕(1)新生児マススクリーニング p101~102

概要

  • すべての新生児を対象として、都道府県・指定都市で血液を用いた新生児マススクリーニング検査が実施されている。
  • 対象となる疾患は、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症の6疾患のほか、2014年のダンデムマス法の導入により20を超える疾患が対象となっている。

 

▶105回午前38

日本で行われている新生児の先天性代謝異常等マススクリーニング検査の対象はどれか。2つ選べ。

 

  1. ケトン性低血糖
  2. 先天性副腎過形成
  3. アセトン血性嘔吐症
  4. フェニルケトン尿症
  5. Wilson〈ウイルソン〉病

 

 

 

新生児スクリーニング(聴覚検査)

第3編2章 1.7〕(2)新生児スクリーニング(聴覚検査) p102

概要

  • 先天性難聴児の出生頻度は約1,000人に1人である。
  • 新生児聴覚スクリーニング検査は生後すぐの新生児を対象に、自動調整脳幹反応検査装置(AABR)などの装置を使用して行う聴覚簡易検査で、おおむね生後3日以内に実施する「初回検査」と、初回検査においてリファー(要再検)であった児を対象として、おおむね生後1週間以内に実施する「確認検査」がある(遅くとも1か月まで)。
  • 必要があれば、3か月までに精密検査を実施し、6か月までに療育を開始する。

 

▶106回午後31

先天性難聴および新生児聴覚スクリーニングで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査は自然睡眠中に行うのが望ましい。
  2. 初回検査は3か月児健康診査時に実施する。
  3. 先天性難聴児の出生頻度は約10,000人に1人である。
  4. 支援が必要な児に対する療育は1歳になったら開始する。
  5. 妊娠初期の母体の風疹感染は児の先天性難聴のリスク因子となる。

 

 


 

▶101回午前33

新生児の聴覚障害について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 聴覚スクリーニングは出生後24時間以内に行う。
  2. 聴覚スクリーニングは全国で公費の助成を受けられる。
  3. 先天性聴覚障害の発生頻度は出生1,000人に5人である。
  4. 耳音響放射〈OAE〉は自動聴性脳幹反応〈AABR〉より偽陽性率が高い。
  5. 先天性聴覚障害の児の療育は生後6か月までに開始することが望ましい。

 

 

 

乳幼児突然死症候群

第3編2章 1.8〕(2)乳幼児突然死症候群〈SIDS〉対策 p102~103

概要・対策

  • 乳幼児突然死症候群〈SIDS〉は1歳未満の児に突然の死をもたらす原因不明の症候群である。
  • その発症率を低くするため、①1歳になるまでは仰向け寝で寝かせること、②できるだけ母乳で育てること、③妊婦や周囲の喫煙をやめることが啓発されている。

 

▶101回午後35

乳幼児突然死症候群〈SIDS〉の危険因子はどれか。2つ選べ。

 

  1. 母乳栄養
  2. 部屋の加湿
  3. うつ伏せ寝
  4. 養育者の喫煙
  5. 硬めの寝具の使用

 

 


 

▶106回午前39

Aさん(32歳、初産婦)は産褥5日、児は母乳のみで順調に体重が増加している。退院指導を行ったとき、Aさんは「実は、妹の子どもが1か月で乳幼児突然死症候群だったんです。予防のことも含めて教えてください」と話した。
乳幼児突然死症候群〈SIDS〉に関する助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「予防のため睡眠時は固めのマットレスを使用しましょう」
  2. 「日本での発症頻度は約15,000人に1人です」
  3. 「うつぶせ寝が発症のリスク因子です」
  4. 「この病気は遺伝性疾患です」
  5. 「夜間は人工乳にしましょう」

 

 

 

母体保護法

第3編2章 1.8〕(4)家族計画 p103

主な規定

母体保護法は、母性の生命健康を保護することを目的に以下の事項を規定している。

 

  • 不妊手術
  • 人工妊娠中絶
  • 受胎調節の実地指導

 

▶96回午後17改題

母体保護法の目的で正しいのはどれか。

 

  1. 母子の生活を支援する。
  2. 母子保健事業を推進する。
  3. 母性の生命健康を保護する。
  4. 母子家庭等および寡婦の福祉を保護する。

 

 

不妊手術

  • 不妊手術とは、生殖腺を除去することなしに生殖を不能にする手術で、「精管切除結紮法」「精管離断変位法」「卵管圧挫結紮法」「卵管角楔状切除法」「卵管切断法」「卵管切除法」「卵管焼灼法」「卵管変位法」「卵管閉塞法」が術式として定められている。
  • 医師は、妊娠または分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの、または、現に数人の子を有し、かつ、分娩ごとに母体の健康度を著しく低下するおそれのあるものに該当する場合、本人の同意および配偶者(いる場合)の同意を得て、不妊手術を行うことができる。
  • 医師は不妊手術を実施後、その結果を都道府県知事に届け出なければならない。

 

▶107回午前21

母体保護法に基づく不妊手術で正しいのはどれか。

 

  1. 卵管結紮術が含まれる。
  2. 男性の手術は対象外である。
  3. 子どもがいない場合は適用の対象外である。
  4. 保健所長に実施報告をしなければならない。

 

 


 

▶96回午前10

母体保護法に定められた不妊手術について正しいのはどれか。

 

  1. 卵巣摘出術が含まれる。
  2. 配偶者の同意は不要である。
  3. 母体保護法指定医以外は実施できない。
  4. 都道府県知事に実施報告をしなければならない。

 

 

人工妊娠中絶

人工妊娠中絶とは、胎児が母体外で生命を保続することのできない時期(通常妊娠満22週未満)に、指定医師が人工的に母体外に排出することをいい、以下の者の実施が可能であるとしている。

 

  • 妊娠の継続または分娩が妊婦の身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある者
  • 暴行もしくは脅迫によってまたは抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した者

 

▶104回午前3

母体保護法第14条に明記されている人工妊娠中絶の適応となるのはどれか。

 

  1. 胎児が染色体異常であると診断された。
  2. 妊婦が妊娠中に梅毒に感染した。
  3. 暴行によって妊娠した。
  4. 妊婦が14歳である。

 

 


 

▶97回午後17

母体保護法第14条に基づき人工妊娠中絶の適応となるのはどれか。

 

  1. 妊婦が未成年である。
  2. 妊婦が強く希望している。
  3. 妊婦が妊娠中に風疹に罹患した。
  4. 胎児が染色体異常であると診断された。
  5. 重症妊娠悪阻により妊婦の全身状態が著しく悪化している。

 

 

受胎調節の実地指導

  • 女子に対して避妊用の指定器具を使用する受胎調節の実地指導は、医師のほかに都道府県知事の指定を受けた受胎調節実地指導員(都道府県知事の認定する講習を終了した助産師、保健師、看護師)が行える。
  • ただし、子宮腔内に避妊用の器具を挿入する行為は、医師でなければ業として行ってはならない。

 

▶105回午前3

家族計画について正しいのはどれか。

 

  1. 子宮内避妊具は助産師が挿入できる。
  2. 受胎調節のひとつに人工妊娠中絶がある。
  3. 避妊薬の品質は母体保護法に規定されている。
  4. 受胎調節実地指導員は母体保護法に規定されている。

 

 

 

出生前検査

第3編2章 1.6〕出生前検査 p101

概要

出生前検査(診断)は、胎児の状況(異常・疾患)を正確に把握し将来の予測を立て、妊婦とそのパートナーの家族形成のあり方などに関わる意思決定の支援を目的とする。

 

●確定的検査

羊水検査、絨毛検査など、検査の結果に基づいて診断が確定できる。

 

●非確定的検査

母体血清マーカー検査、コンバインド検査、非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉、胎児超音波検査など、検査の結果に基づいて診断が確定できない。

 

▶106回午前6

出生前診断について適切なのはどれか。

 

  1. 出生前診断の結果を理由とした人工妊娠中絶については母体保護法に規定されている。
  2. 胎児に侵襲のある検査は対象にならない。
  3. 健康な児を出産するために行われる。
  4. 胎児の異常や疾患を調べる。

 

 


 

▶104回午後24

出生前に行われる遺伝学的検査について正しいのはどれか。

 

  1. 検査後に遺伝カウンセリングを開始する。
  2. マススクリーニングとして実施される。
  3. 確定的検査と非確定的検査がある。
  4. 妊娠22週以降には実施しない。

 

 

非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉

NIPTは、妊娠10~16週に実施される母体血を用いた非確定的検査であり、染色体異常である21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーを対象疾患とする。

 

▶107回午後5

非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉で適切なのはどれか。

 

  1. 母体血清マーカー検査と比べ感度が低い。
  2. 胎児疾患の確定診断を目的に行う。
  3. 13トリソミーは対象疾患である。
  4. 羊水を採取する。

 

 


 

▶98回午前27

母体血を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉について正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠9週未満で行う。
  2. 確定的な検査ではない。
  3. 母体血中のホルモン値に基づいて判定される。
  4. 陽性であれば直ちに人工妊娠中絶の対象となる。
  5. Turner〈ターナー〉症候群の診断を目的としている。

 

 


 

▶102回午前18

非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉で正しいのはどれか。

 

  1. 母体の年齢が高いと陽性的中率は下がる。
  2. 遺伝カウンセリングと併せて行う。
  3. 公的医療保険の適用である。
  4. 妊娠8週未満で行う。
  5. 確定的な検査である。

 

 

母体血清マーカー検査

母体血清マーカー検査は、妊娠15~18週に実施される母体血を用いた非確定的検査であり、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形を対象疾患とする。

 

▶101回午後15

母体血清マーカー検査について正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠9週から行われる。
  2. 胎児の性別の判定ができる。
  3. 13トリソミーの確定診断ができる。
  4. 胎児神経管閉鎖障害の確率が推定できる。
  5. 単胎より双胎の方が正確性の高い結果が得られる。

 

 

 

周産期医療

第4編1章 3.4〕周産期医療 p174

周産期医療提供体制

【総合周産期母子医療センター】
  • 産科、小児科(母体・胎児集中治療室(MFICU)と新生児特定集中治療室(NICU)を有する)、麻酔科など関係診療科目を有し、常時の母体と新生児搬送受入体制(県域を越えた搬送受入含む)を整備し、リスクの高い妊娠に対する医療および高度な新生児医療を実施する医療施設。
  • 周産期医療情報センターを設置し、周産期救急情報システム等を整備して周産期医療に関する情報の収集・提供や相談に応じる。
  • 原則3次医療圏に1カ所整備され、令和5年4月1日現在112施設となっている。

 

【地域周産期母子医療センター】

  • 周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設。
  • 地域の実情に応じて整備され、令和5年4月1日現在295施設となっている。

 

▶97回午後34

周産期医療情報センターについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 二次医療圏に1か所設置される。
  2. 周産期救急情報システムを設置する。
  3. 地域周産期母子医療センターに設置される。
  4. 地域の周産期医療に関する情報を収集する。
  5. 全国の周産期医療施設の病床の空床状況を把握する。

 

 


 

▶104回午後18改題

周産期医療体制整備における地域周産期母子医療センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設である。
  2. 令和5年(2023年)には全国で500施設が設置されている。
  3. 総合周産期母子医療センターと同数が整備される。
  4. 三次医療圏の範囲を基準に設置が検討される。

 

 


 

▶107回午後25

周産期医療における地域連携で正しいのはどれか。

 

  1. セミオープンシステムは病院と診療所の産後の連携システムである。
  2. 地域災害拠点病院であることが周産期母子医療センターの要件になる。
  3. 総合周産期母子医療センターは地域で分娩を扱う全ての医療施設と連携している。
  4. 母体救命が必要な妊産婦は地域周産期母子医療センターで受け入れが義務付けられている。

 

 


 

▶106回午後35

周産期医療体制で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 周産期医療体制整備計画は都道府県が策定する。
  2. 母体の救急搬送は妊産婦が居住している都道府県内に限られる。
  3. 地域周産期母子医療センターの認定には産科と小児科が必要である。
  4. 総合周産期母子医療センターは常時母子の搬送を受け入れる機能がある。
  5. 総合周産期母子医療センターのNICUの看護師配置は常時6床に1名である。

 

 

 

産科医療補償制度

第4編1章 3.10〕(3)産科医療補償制度 p179

概要

産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児とその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、同様の事例の再発防止に資する情報を提供することにより、紛争の防止・早期解決と産科医療の質の向上を図るものである。補償対象の条件として以下が挙げられる。

 

  • 申請期限は満5歳の誕生日まで(生後6か月未満で死亡した場合は対象外)。
  • 在胎週数28週以上で出生したこと。
  • 先天性や新生児期の要因によらない脳性麻痺であること。
  • 身体障害者手帳1・2級相当の脳性麻痺であること。

 

▶101回午前18

産科医療補償制度について正しいのはどれか。

 

  1. 分娩機関ごとに制度加入の手続きを行う。
  2. 分娩に関連した母親の後遺症は補償対象になる。
  3. 在胎週数35週未満の早産児は補償対象にならない。
  4. 子どもが生後3か月で死亡した場合は補償対象になる。

 

 


 

▶98回午後22

産科医療補償制度について正しいのはどれか。

 

  1. 補償を申請できるのは児の主治医である。
  2. 補償を申請できるのは5歳の誕生日までである。
  3. 補償を申請できるのは生後3か月の時点からである。
  4. 障害の原因が染色体異常であると判断された児も補償対象となる。

 

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向