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一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目10「人体の構造と機能」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目10「人体の構造と機能」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.人体の基本的な構造と正常な機能

内部環境の恒常性
神経系
運動系
感覚器系
循環器系
血液、体液
免疫系
呼吸器系
消化器系
栄養と代謝系
泌尿器系
体温調節
内分泌系
性と生殖器系
妊娠・分娩・産褥の経過
遺伝

B.人間の死 死の三徴候
死亡判定
脳死

 

 

A.人体の基本的な構造と正常な機能

視覚野

視覚野は大脳皮質の後頭葉にあり、視覚に直接関係する領域である。

 

▶110回午前11

後頭葉にあるのはどれか。

 

  1. 嗅覚野
  2. 視覚野
  3. 聴覚野
  4. 体性感覚野

 

 

言語野

言語野として、ブローカ野(運動性言語中枢)は前頭葉に、ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)は側頭葉に、視覚性言語中枢は後頭葉にある。

 

▶108回午後11

運動性言語中枢はどれか。

 

  1. 中心後回
  2. 大脳基底核
  3. Broca〈ブローカ〉野
  4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野

 

 

小脳

小脳は姿勢や運動の制御など、運動調節機能をつかさどっている。そのため、小脳の機能障害である小脳失調では、姿勢保持の困難(体幹バランスの崩れ)や運動失調がみられる。

 

▶106回午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 

三叉神経

三叉神経は、顔面の感覚と咀嚼筋群をつかさどる末梢神経である。

 

▶109回午後12

三叉神経の機能はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 眼球の運動
  3. 顔面の知覚
  4. 表情筋の運動

 

 

迷走神経

迷走神経は咽頭や食道の運動など、嚥下(反射)に関わるものである。

 

▶107回午前10

嚥下に関わる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 外転神経
  3. 滑車神経
  4. 迷走神経

 

 

眼球の運動

眼球の運動には、下に目を向ける滑車神経、外側に目を向ける外転神経、瞳孔調節機能などを持つ動眼神経が関与している。

 

▶114回午前11

眼球運動を行う神経はどれか。

 

  1. 視神経
  2. 外転神経
  3. 顔面神経
  4. 三叉神経

 

 

副交感神経

自律神経のうち副交感神経が優位になることで、消化液の分泌量の増加や腸の蠕動運動亢進、瞳孔収縮、気管支収縮、心拍数低下などの作用が起こる。一方、それらの反対の作用は交感神経が優位になることで生じる。

 

▶112回午後11

副交感神経の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔散大
  2. 気管支拡張
  3. 心拍数の増加
  4. 消化液分泌の促進

 

 

神経伝達物質

  • 神経伝達物質は、シナプスを介在し、神経細胞間の情報伝達を行う化学物質である。
  • 副交感神経や運動神経に働く神経伝達物質にアセチルコリンがある。

 

▶106回午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 

心臓

  • 左心室は大動脈を通じて全身に血液を送り、大静脈を通じて右心房に至る(体循環)。右心房から右心室に送り出された血液は、肺動脈を通じて肺に送られ、肺静脈を通じて左心房に至る(肺循環)。
  • 左心室の強力な収縮を支えるため、左心室の心臓壁は右心室や左心房、右心房よりも厚くなっている。

 

▶111回午後11・106回午前11類問・103回午前24類問

左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。

 

  1. 大静脈
  2. 大動脈
  3. 肺静脈
  4. 肺動脈

 

 


 
▶110回午後11

健常な成人で心臓壁が最も厚いのはどれか。

 

  1. 右心室
  2. 右心房
  3. 左心室
  4. 左心房

 

 

心臓の弁

心臓には以下の4つの弁がある。

 

  • 僧帽弁:左心房と左心室の間
  • 三尖弁:右心房と右心室の間
  • 大動脈弁:左心室と大動脈の間
  • 肺動脈弁:右心室と肺動脈の間

 

▶114回午後11

左心房と左心室の間にある弁はどれか。

 

  1. 三尖弁
  2. 僧帽弁
  3. 大動脈弁
  4. 肺動脈弁

 

 

心臓の刺激伝導系

刺激伝導系は心臓を一定間隔で拍動させるための興奮刺激の流れをいい、右心房の洞房結節から房室結節に集まり、ヒス束、プルキンエ線維、心室固有筋へと伝わっていく。

 

▶112回午後12

心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。

 

  1. 洞房結節
  2. 房室結節
  3. His〈ヒス〉束
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 

呼吸中枢

呼吸中枢は、脳幹の橋から延髄にかけての部分にあり、呼気と吸気を調整し、呼吸リズムを形成している。

 

▶111回午後13

呼吸中枢があるのはどれか。

 

  1. 間脳
  2. 小脳
  3. 大脳
  4. 脳幹

 

 


 
▶113回午前12

脳幹に含まれる部位はどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 下垂体
  4. 松果体

 

 

食道の構造

  • 食道は咽頭から噴門(胃の入り口)に至る。その長さは、個人差もあるが約25cmで、上1/3は横紋筋(骨格筋)、下1/3が平滑筋である。
  • 食道には生理的狭窄部位があり、食道入口部、気管分岐部、食道裂孔部の三か所が細くなっている。

 

▶114回午前12

成人の食道の構造で正しいのはどれか。

 

  1. 胃の幽門につながる。
  2. 上1/3が平滑筋である。
  3. 生理的狭窄部位がある。
  4. 長さは約45cmである。

 

 

ガストリンは、主にの幽門部の粘膜で産出されるホルモンで、胃酸の分泌を促す。

 

▶110回午前12

胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. セクレチン
  3. 胃抑制ペプチド
  4. コレシストキニン

 

 

肝臓

肝臓の主な機能として、蛋白質の合成、有害物質(アンモニア等)の分解・解毒、栄養の貯蔵、胆汁の合成・分泌などがある。

 

▶111回午前12

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 膵臓
  3. 大腸

 

 

肝性脳症

肝性脳症は、重度の肝疾患によりアンモニア等の有害物質の解毒・分解機能が低下し、血液中に蓄積された有害物質が脳に達して起こる脳機能の低下をいう。

 

▶110回午前14

肝性脳症の直接的原因はどれか。

 

  1. 尿酸
  2. アンモニア
  3. グルコース
  4. ビリルビン

 

 

胆汁

肝臓で作られる胆汁は、胆嚢で濃縮・貯留され、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化することで、膵臓内のリパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを助ける。

 

▶108回午前12・114回午後12類問

胆汁の作用はどれか。

 

  1. 殺菌
  2. 脂肪の乳化
  3. 蛋白質の分解
  4. 炭水化物の分解

 

 


 
▶109回午後13

脂肪分解酵素はどれか。

 

  1. ペプシン
  2. リパーゼ
  3. マルターゼ
  4. ラクターゼ

 

 

胆道

肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道を胆道といい、肝臓の出口から総肝管を通り、胆嚢からつながる胆嚢管が合流して総胆管となり、膵管と合流して十二指腸乳頭部に開口する。

 

▶113回午後12

膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれか。

 

  1. 肝管
  2. 総肝管
  3. 総胆管
  4. 胆嚢管

 

 

大腸

大腸は、小腸から送られた内容物から水分等を吸収し、ふん便を作る働きをもつ。

 

▶109回午後11

大腸で吸収されるのはどれか。

 

  1. 脂質
  2. 水分
  3. 糖質
  4. 蛋白質

 

 

後腹膜器官

後腹膜器官は、胃や肝臓、小腸、大腸など腹部の臓器を包み込んでいる腹膜よりも背中側にある臓器をいい、腎臓や膀胱などの泌尿器はこれに当たる。

 

▶110回午後12

後腹膜器官はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 空腸
  3. 腎臓

 

 

成人の膀胱の平均容量

成人の膀胱容量は、個人差もあるが500mL程度である。

 

▶105回午後10

成人の膀胱の平均容量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,000mL
  4. 1,500mL

 

 

視床下部

視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節のはたらきを持つ。

 

▶108回午後24・104回午後11類問・112回午前12類問

体温調節中枢があるのはどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 大脳皮質
  4. 視床下部

 

 

深部体温(直腸温)

  • 深部体温は、視床下部によりコントロールされる脳や臓器などの内部温度であり、皮膚温よりも高く37℃前後を維持している。
  • 正確な深部体温を図る上で、身体の中心に近く、外部環境に影響されにくい直腸温の測定が推奨されている。

 

▶111回午前17

深部体温に最も近いのはどれか。

 

  1. 腋窩温
  2. 口腔温
  3. 鼓膜温
  4. 直腸温

 

 

不随意筋

  • 不随意筋は自分の意思で動かすことのできない筋肉で、横紋筋のうち心臓にある心筋や、平滑筋のうち心臓を除く内臓や血管にある筋肉がこれに当たる。
  • 随意筋は自分の意思で動かすことができる筋肉で、横紋筋のうち骨格筋などがこれに当たる。

 

▶105回午後11

不随意筋はどれか。

 

  1. 心筋
  2. 僧帽筋
  3. 大殿筋
  4. ヒラメ筋

 

 

肘関節

上腕の前面(力こぶの部分)にある上腕二頭筋が肘関節を屈曲させ、その裏側にある上腕三頭筋が肘関節を伸展させる。

 

▶113回午前11

肘関節を伸展させる筋肉はどれか。

 

  1. 三角筋
  2. 大胸筋
  3. 上腕三頭筋
  4. 上腕二頭筋

 

 

球関節

球関節は、片方の関節の接合部分が球状をした可動域の広い(多軸性)関節で、肩関節や股関節が該当する。

 

▶109回午前10

球関節はどれか。

 

  1. 肩関節
  2. 膝関節
  3. 下橈尺関節
  4. 手根中手関節

 

 

股関節の運動

  • 股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、肩関節と同様に可動域が広い(多軸性)球関節である。
  • 股関節の動きとして、股関節を起点に足を前に出す屈曲と後ろに下げる伸展、足を外側に開く外転と内側に閉じる内転、外側にひねる外旋と内側にひねる内旋がある。

 

▶107回午後10

股関節の運動を図に示す。
内転はどれか。

 

107pm10

 

 

体性感覚

体性感覚は、触覚・温度感覚・痛覚の表在感覚(皮膚感覚)と、体の内部の筋や腱、関節などに起こる深部感覚をさす。

 

▶102回午後13

表在感覚の受容器が存在する部位はどれか。

 

  1. 筋肉
  2. 皮膚
  3. 関節

 

 


 
▶112回午前10

体性感覚はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 触覚
  3. 聴覚
  4. 平衡覚

 

 

白血球

  • 白血球は体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除する免疫機能を持つ。
  • 白血球の約半数を占める好中球は、細菌感染や真菌感染から体を守る主要な生体防御機構で、急性炎症では好中球の浸潤がいち早く行われる。
  • 白血球のうち単球から分化するマクロファージ(大食細胞)は、炎症期(止血後の治癒を開始する段階)に創傷部の細菌などの異物を捕食し(貪食作用)、消化・殺菌する。

 

▶104回午前10・113回午前13類問

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶112回午前11

健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. リンパ球

 

 


 
▶109回午前24

細菌感染による急性炎症で最初に反応する白血球はどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. 好塩基球
  5. リンパ球

 

 


 

▶114回午後25

創傷の治癒過程でマクロファージによる貪食が行われるのはどれか。

 

  1. 出血・凝固期
  2. 炎症期
  3. 増殖期
  4. 成熟期

 

 

赤血球

赤血球内のヘモグロビンは肺で酸素を取り込み、全身に輸送する働きを担っており、酸素と結合しやすい中央がくぼんだ円盤状となっている。

 

▶112回午後13

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 球状の細胞である。
  2. 腎臓で破壊される。
  3. 寿命は約60日である。
  4. 酸素の輸送を担っている。

 

 

赤血球数の基準値

赤血球数の基準値は検査施設等により異なるが、男性450~550万/μL、女性350~500万/μL程度とされる。

 

▶111回午前15

成人女性の赤血球数の基準値はどれか。

 

  1. 150〜250万/μL
  2. 350〜450万/μL
  3. 550〜650万/μL
  4. 750〜850万/μL

 

 

受精・着床

射精された精子と排卵された卵子は、卵管膨大部で融合して受精卵となる(受精)。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮に移動(受精後4~5日)した後、子宮内膜に着床を開始受精後6〜7日)する。

 

▶104回午前5

受精から着床開始までの期間はどれか。

 

  1. 1〜2日
  2. 6〜7日
  3. 13〜14日
  4. 20〜21日

 

 

妊娠期間

最終月経の初日を0日とした順調な分娩予定日は40週0日(280日)である。妊娠期間別にみると以下の通り分類される。

 

  • 早期産:妊娠満22週0日(154日)~36週6日(258日)
  • 正期産:妊娠満37週0日(259日)~41週6日(293日)
  • 過期産:妊娠満42週0日(294日)以上

 

▶105回午前6・113回午後13類問

正期産の定義はどれか。

 

  1. 妊娠36週0日から40週6日
  2. 妊娠37週0日から41週6日
  3. 妊娠38週0日から42週6日
  4. 妊娠39週0日から43週6日

 

 


 
▶104回午前11

月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。

 

  1. 240日目
  2. 280日目
  3. 320日目
  4. 360日目

 

 

分娩の経過

分娩は第1期から第4期の経過に分かれる。

 

  • 第1期:陣痛開始から子宮口全開大まで
  • 第2期:子宮口全開大から胎児娩出まで(発露、排臨含む)
  • 第3期:胎児の娩出から胎盤の娩出まで
  • 第4期:分娩後2時間

 

▶106回午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 
▶102回午前11

分娩第2期はどれか。

 

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
  2. 排臨から発露まで
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで

 

 

オキシトシン

授乳時に児の吸啜刺激でオキシトシンの分泌が促進され、母乳の放出や産褥期の子宮復古を促す。

 

▶109回午前6

児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

 

  1. オキシトシン
  2. プロラクチン
  3. テストステロン
  4. プロゲステロン

 

 

 

B.人間の死

死の三徴候

死の三徴候は、①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失である。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p162~163

 

▶109回午前9

死の三徴候に含まれるのはどれか。

 

  1. 筋の弛緩
  2. 角膜の混濁
  3. 呼吸の停止
  4. 呼名反応の消失

 

 


 
▶107回午後11・103回午後10類問

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。

 

  1. 腹壁反射
  2. 輻輳反射
  3. 対光反射
  4. 深部腱反射

 

 

脳死判定

脳死は脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、脳死判定では以下の5項目を基準とする。

 

  • 深い昏睡
  • 瞳孔の散大と固定
  • 脳幹反射の消失
  • 平坦な脳波
  • 自発呼吸の停止

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p162~163

 

▶108回午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 


 
▶105回午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 


 

▶114回午後13

臓器の移植に関する法律において脳死の判定基準となっている検査はどれか。

 

  1. 脳波検査
  2. 筋電図検査
  3. 神経伝導検査
  4. 脳脊髄液検査

 

 


 
▶113回午前14

脳死の状態はどれか。

 

  1. 縮瞳がある。
  2. 脳波で徐波がみられる。
  3. 自発呼吸は停止している。
  4. 痛み刺激で逃避反応がある。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目9「主な看護活動の場と看護の機能」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目9「主な看護活動の場と看護の機能」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.看護活動の場と機能・役割

病院、診療所
助産所
訪問看護ステーション
介護保険施設
地域包括支援センター
市町村、保健所
学校
企業
チーム医療
退院調整

 

 

A.看護活動の場と機能・役割

病院・診療所

  • 病院は20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  • 診療所は患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

第4編1章 5.医療施設 p202~206

 

▶109回午後10・105回午後8類問・113回午前10類問

医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 9
  2. 19
  3. 29
  4. 39

 

 


 
▶102回午前10

医療法において、病院とは[ ]人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 10
  2. 20
  3. 50
  4. 100

 

 

特定機能病院・地域医療支援病院・臨床研究中核病院

  • 特定機能病院は、高度の医療の提供や研修を実施する能力を有する病院として、厚生労働大臣が個別に承認する。
  • 地域医療支援病院は、地域医療の確保を図る病院としての構造設備を有する病院として、都道府県知事が個別に承認する。
  • 臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を推進・支援するための能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。

第4編1章 5.医療施設 p202~206

 

▶110回午後9・114回午後10類問

医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。

 

  1. 診療所
  2. 特定機能病院
  3. 地域医療支援病院
  4. 臨床研究中核病院

 

 


 
▶106回午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 

病室床面積

医療法施行規則に基づき、病院の病床種別ごとに構造設備基準が定められており、一般病床の患者1人に必要な病床面積として6.4m2/床以上と定められている(既設は1人部屋で6.3m2、その他で4.3m2)。

第4編1章 5.医療施設 p202~206

 

▶113回午前20

医療法施行規則に定められている病院の一般病床における患者1人に必要な病室床面積はどれか。

 

  1. 3.4m2以上
  2. 4.4m2以上
  3. 5.4m2以上
  4. 6.4m2以上

 

 

保健医療施設の照度

保健医療施設の照度は日本産業標準調査会のJIS規格により定められており、手術室は全般1,000ルクスで手術野は10,000~100,000ルクスと高く設定されている。

第4編1章 5.医療施設 p202~206

 

▶111回午後25・104回午後21類問

最も高い照度を必要とするのはどれか。

 

  1. 病室
  2. 手術野
  3. トイレ
  4. 病棟の廊下

 

 

病室の湿度

一般的な病室における湿度として、夏季は50~60%、冬季は40~50%が適切とされる。

第4編1章 5.医療施設 p202~206

 

▶114回午前21

病室の湿度で適切なのはどれか。

 

  1. 10%
  2. 30%
  3. 50%
  4. 70%

 

 


 
▶108回午前20

一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。

 

  1. 約10%
  2. 約30%
  3. 約50%
  4. 約70%

 

 

訪問看護を行う職種

訪問看護を行うことができる職種として、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が認められている。

第4編1章 3.2〕訪問看護 p173~174

 

▶104回午後9

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 薬剤師
  3. 理学療法士
  4. 介護福祉士

 

 

訪問看護ステーション

  • 指定訪問看護ステーションには、看護職員(保健師、看護師、准看護師)を常勤換算で2.5人以上(うち1名は常勤)と、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を実情に応じた適当数置く。
  • 訪問看護ステーションの管理者は、専従かつ常勤の保健師または看護師とされる。

第4編1章 3.2〕訪問看護 p173~174

 

▶111回午後10

指定訪問看護ステーションには常勤換算で( )人以上の看護職員を配置することが定められている。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 1.0
  2. 1.5
  3. 2.0
  4. 2.5

 

 


 
▶107回午後9

訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 看護師
  3. 介護福祉士
  4. 理学療法士

 

 

介護保険法の施設サービス

  • 介護老人福祉施設は、原則要介護3以上の要介護者に対し、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行う。
  • 介護老人保健施設は、症状が安定期にある要介護者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。
  • 介護医療院は、長期にわたり療養が必要である要介護状態の者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。

第5編1章 3.3〕施設サービス p227~228

 

▶108回午後10・104回午前8類問

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 短期入所生活介護
  3. 保健センター
  4. 有料老人ホーム

 

 


 
▶106回午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 

地域包括支援センター

  • 介護保険法に定められる地域包括支援センターは、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村に設置される。
  • その業務として、①介護予防ケアマネジメント、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務、⑤認知症施策の推進、在宅医療・介護連携の推進、⑥地域ケア会議の実施、⑦生活支援コーディネーターなどの配置の実施がある。

第5編1章 7.地域包括ケアシステム p230

 

▶108回午前11・107回午前4類問

平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 市町村保健センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶103回午後7

地域包括支援センターを設置できるのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 


 

▶114回午後9

地域包括支援センターの主な業務に含まれるのはどれか。

 

  1. 特定健康診査・特定保健指導
  2. 予防接種法に基づく予防接種
  3. 介護予防ケアマネジメント
  4. 要介護認定調査

 

 

保健所

保健所は地域保健法に基づき、地域における公衆衛生の向上と増進を図るため一般的に都道府県が設置する。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶110回午前10

地域保健法に基づき設置されているのはどれか。

 

  1. 診療所
  2. 保健所
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶105回午前9

保健所の設置主体で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 社会福祉法人
  3. 独立行政法人

 

 

市町村保健センター

市町村保健センターは地域保健法に基づき、住民を対象とした健康相談・保健指導・健康診査など地域保健に関し必要な事業を行うため、市町村が設置することができる。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶112回午後10

地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 病気の治療
  2. 住民の健康診査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 専門的で広域的な健康課題への対応

 

 


 
▶103回午前8

市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 廃棄物の処理
  2. 人口動態統計調査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 地域住民の健康づくり

 

 

看護師の就業場所

令和4年(2022年)末の就業看護師数は約131万人で、就業先別では多い順に以下の通り。

 

  • 病院:67.8%
  • 診療所:13.2%
  • 介護保険施設等:7.7%
  • 訪問看護ステーション:5.4%

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶112回午前9

令和4年(2022年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

 

  1. 事業所
  2. 市町村
  3. 保健所
  4. 訪問看護ステーション

 

 

チーム医療

チーム医療は、多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供するものである。

第4編1章 4.6〕近年の医療関係者の業務の動向 p201~202

 

▶110回午後10・105回午前10類問

チーム医療で適切なのはどれか。

 

  1. 他施設との間で行うことはできない。
  2. チームメンバー間で目標を共有する。
  3. チームリーダーは看護師に固定する。
  4. 経験年数が同等の者でチームを構成する。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目8「看護の対象としての患者と家族」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目8「看護の対象としての患者と家族」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.家族の機能

家族関係
家族構成員
疾病が患者・家族に与える心理・社会的影響

B.家族形態の変化 家族の多様性
構成員の変化

 

 

A.家族の機能

家族成員

家族は、配偶関係や血縁関係、親族関係などを基礎にした2人以上の小規模な共同体を表す。

  

▶112回午後9

家族成員の最少人数はどれか。

 

  1. 4人
  2. 3人
  3. 2人
  4. 1人

 

 

主な介護者の続柄別割合

令和4年(2022年)の主な介護者は要介護者等と同居が45.9%で、そのうち配偶者が22.9%で最も多い。

第5編1章 10.介護者・要介護者等の状況 p232~233

 

▶107回午後8改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 同居の父母
  2. 別居の家族
  3. 同居の配偶者
  4. 同居の子の配偶者

 

 

レスパイトケア

介護者の負担軽減のため、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを利用したレスパイトケア(介護者の一時的な休息支援)の拡充が図られている。

第5編1章 10.介護者・要介護者等の状況 p232~233

 

▶109回午前8

レスパイトケアの目的はどれか。

 

  1. 介護者の休息
  2. 介護者同士の交流
  3. 介護者への療養指導
  4. 療養者の自己決定支援

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目7「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

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416頁・B5判

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目7「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.胎児期

形態的発達と異常

B.新生児・乳児期 発達の原則
身体の発育
運動能力の発達
栄養
親子関係
C.幼児期 身体の発育
運動能力の発達
言語の発達
社会性の発達
基本的生活習慣の確立
D.学童期

運動能力の発達、体力の特徴
社会性の発達
学習に基づく行動

E.思春期 第二次性徴
アイデンティティの確立
親からの自立
異性への関心
F.成人期 社会的責任と役割
生殖機能の成熟と衰退
基礎代謝の変化
G.老年期

身体的機能の変化
認知能力の変化
心理社会的変化

 

 

A.胎児期

胎児循環

  • 胎児の血液は、臍帯内の2本の臍動脈により胎盤に入り、1本の臍静脈を通って胎児へと運ばれる。
  • 胎盤は肺の役割を果たし、胎児へ運ばれる臍静脈内の血液には酸素が多く含まれている。

 

▶111回午前7

胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。

 

  1. 総頸動脈
  2. 肺動脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 


 
▶108回午前7・114回午前7類問

胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。

 

  1. 肺動脈
  2. 肺静脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 

胎児の肺機能の成熟

在胎26週ころに肺胞などの肺構造が完成し、在胎34週ころに肺表面活性物質(肺サーファクタント)が十分に分泌されることで、胎児の肺機能が成熟する。

 

▶106回午後6

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

 

  1. 在胎10週ころ
  2. 在胎18週ころ
  3. 在胎26週ころ
  4. 在胎34週ころ

 

 

 

B・C.新生児・乳児期・幼児期

新生児の生理的体重減少

出生後すぐの新生児は、母乳を飲む量が少ない一方で呼気や皮膚から水分が喪失(不感蒸泄)するため、生後3日ころには一時的に体重が減少する生理的体重減少が起こる。

  

▶112回午後7

正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

 

  1. 生後3〜5日
  2. 生後8〜10日
  3. 生後13〜15日
  4. 生後18〜20日

 

 

母乳中の免疫グロブリン

母乳には免疫グロブリンのうちIgAが豊富に含まれ、特に初乳に多い。なお、胎児期には胎盤を通じてIgGを母胎から受け取る。

 

▶108回午前8

母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgE
  3. IgG
  4. IgM

 

 

母乳の不足栄養

母乳中には血液凝固作用を持つビタミンKが少なく、新生児のビタミンK欠乏性出血症を予防するため、出生後にビタミンKの内服が行われている。

 

▶105回午後25・112回午前25類問

母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB
  3. ビタミンC
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 

原始反射

生後すぐの新生児からみられる原始反射として、手に刺激を与えた際に握ろうとする手掌把握反射、外部からの刺激に対して両手を広げて抱きつくようなモロー反射があり、これらは生後3~4か月で消失する。

  

▶110回午前6・107回午前6類問

出生時からみられ、生後4か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 手掌把握反射
  2. 足底把握反射
  3. パラシュート反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 


 
▶103回午前6

出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 足踏み反射
  2. パラシュート反射
  3. Moro〈モロー〉反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 

運動発達

出生後の基本的な運動発達は、頭部から下部(脚部)、中枢から末梢、粗大運動から微細運動などの傾向がある。

  

▶113回午後6

成長・発達における順序性で正しいのはどれか。

 

  1. 頭部から脚部へ
  2. 微細から粗大へ
  3. 複雑から単純へ
  4. 末梢から中心へ

 

 

乳児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す乳児の粗大運動の発達目安では、3~4か月に首のすわり、5~6か月に寝返り、7~8か月にお座り、9~10か月につかまり立ちとされる。

  

▶108回午後7

生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

 

  1. 寝返り
  2. お座り
  3. 首のすわり
  4. つかまり立ち

 

 

幼児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す幼児の粗大運動の発達目安では、けんけん〈片足跳び〉は運動バランスの発達する3歳半~4歳とされる。

  

▶112回午前7

運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。

 

  1. 階段を昇る。
  2. ひとりで立つ。
  3. ボールを蹴る。
  4. けんけん〈片足跳び〉をする。

 

 

乳児期の分離不安・人見知り

生後6〜8か月ころの乳児期には身近な家族等の顔を見分け、応答的な愛着関係がみられるようになり、親から離されることへの分離不安や、知らない相手には人見知りがはじまる。

  

▶102回午後8

乳児期の特徴はどれか。

 

  1. 分離不安
  2. 第一次反抗期
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性の確立

 

 


 
▶104回午後6

乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。

 

  1. 生後1〜2か月
  2. 生後6〜8か月
  3. 生後18〜24か月
  4. 生後36〜42か月

 

 

乳児期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、乳児期は母親に対する基本的信頼感を得るため、基本的信頼感対不信感の葛藤が生じる。

  

▶108回午後8

エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。

 

  1. 親密
  2. 同一性
  3. 自主性
  4. 基本的信頼

 

 

乳児期の呼吸の型

  • 新生児期や乳児期では、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸が中心である。
  • 7~8歳ころの学童期以降は胸式呼吸が優位となり、その間の幼児期後期ころは両者を組み合わせた胸腹式呼吸がみられる。

  

▶109回午後7

乳児期における呼吸の型はどれか。

 

  1. 肩呼吸
  2. 胸式呼吸
  3. 腹式呼吸
  4. 胸腹式呼吸

 

 

乳幼児の身体の発達

出生時の平均体重は約3kgで、3か月ごろには約2倍、1年ごろには約3倍となる。また、出生時の平均身長は約50cmで、1年ごろには約1.5倍、4年ごろには約2倍となる。

  

▶106回午前6・102回午後6類問

標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。

 

  1. 生後3か月
  2. 生後6か月
  3. 生後9か月
  4. 生後12か月

 

 

乳歯

乳歯は、生後6~8か月ころから生え始め、2~3歳ころには上下各10本、計20本生えそろう。

  

▶110回午後7

乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。

 

  1. 0〜1歳
  2. 2〜3歳
  3. 4〜5歳
  4. 6〜7歳

 

 


 
▶102回午前7

乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。

 

  1. 16本
  2. 20本
  3. 24本
  4. 28本

 

 

大泉門の閉鎖

大泉門は頭頂骨と前頭骨に囲まれたくぼみであり、成長とともに縮んで1歳6か月ころに閉鎖する。

  

▶112回午後6

大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。

 

  1. 6か月
  2. 1歳6か月
  3. 2歳6か月
  4. 3歳6か月

 

 

乳幼児の脳重量の発達

脳重量は出生時には成人の4分の1程度であるが、乳幼児期に急速に発達し、乳児期には50%、幼児後期の5〜6歳ころには成人の90%に達する。

  

▶102回午後7

標準的な発育をしている児において脳重量が成人の約90%に達する年齢はどれか。

 

  1. 5〜6歳
  2. 8〜9歳
  3. 11〜12歳
  4. 15〜16歳

 

 

 

D.学童期

永久歯

乳歯は2~3歳ころに生えそろうが、6歳ころからは永久歯が生え始めて15歳ころには生え替わり、最終的な歯の本数は28~32本となる。

  

▶114回午前8

永久歯が生え始める目安となる年齢はどれか。

 

  1. 3歳
  2. 6歳
  3. 9歳
  4. 12歳

 

 

学童期の特徴

  • エリクソンが示す発達課題では、学童期(5歳から13歳ころ)には様々な課題の達成に挑戦して他者と比べた有能感を獲得する過程で、勤勉性対劣等感の葛藤が生じる。
  • 親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとるギャングエイジは、学童期の特徴である。

  

▶112回午後8

エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。

 

  1. 親密 対 孤立
  2. 自律性 対 恥・疑惑
  3. 勤勉性 対 劣等感
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散

 

 


 
▶113回午前7

学童期中学年から高学年にみられる、親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとる特徴はどれか。

 

  1. 心理的離乳
  2. 自我の芽生え
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立

 

 

学童期の異常被患率

令和4年(2022年)の学校における主な疾病・異常の状況をみると、幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれも「裸眼視力1.0未満の者」が最も高く、次いで改善傾向にある「むし歯(う歯)」となっている。

第10編 4.学齢期の健康状況 p351~353

 

▶110回午前7改題

令和4年(2022年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。

 

  1. 高血圧
  2. 摂食障害
  3. 心電図異常
  4. 裸眼視力1.0未満の者

 

 

 

E.思春期

思春期の特徴

思春期には、依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情を持ちながらも、自我同一性の確立の過程で、親からの心理的離乳、年長者の価値観への拒絶、同世代の仲間との価値観の共有がみられる(第2反抗期)。

  

▶107回午前7

思春期にみられる感情の特徴はどれか。

 

  1. 情緒的に安定し穏やかになる。
  2. 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
  3. 親に対して強い愛情表現を示す。
  4. 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。

 

 


 
▶103回午後24

思春期に特徴的にみられるのはどれか。

 

  1. 愛着行動
  2. 分離不安
  3. 自己同一性の確立
  4. 基本的信頼関係の確立

 

 


 
▶104回午前6

思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 親からの干渉を嫌うようになる。
  2. 親と離れると不安な様子になる。
  3. 親に秘密を打ち明けるようになる。
  4. 親からの助言を素直に聞けるようになる。

 

 


 
▶108回午前9

思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。

 

  1. 教師
  2. 祖父母
  3. 友人
  4. 両親

 

 

男子の第二次性徴(精通)

思春期に起こる第二次性徴では、男子で精通(初めての射精)がみられ、中学3年生ころには半数以上が経験するとされる。

  

▶110回午後8・106回午前7類問

男子の第二次性徴による変化はどれか。

 

  1. 精通
  2. 骨盤の拡大
  3. 皮下脂肪の増加
  4. 第1大臼歯の萌出

 

 

第二次性徴の発現に関与するホルモン

思春期に下垂体から黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンが分泌されることで、男子ではアンドロゲン(テストステロン)が、女子では卵胞ホルモン(エストロゲン)がつくられ、第二次性徴が発現・成熟する。

  

▶109回午前5

第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。

 

  1. 抗利尿ホルモン〈ADH〉
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  4. 甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉

 

 


 
▶103回午後5

思春期に分泌が増加するホルモンはどれか。

 

  1. グルカゴン
  2. オキシトシン
  3. カルシトニン
  4. アンドロゲン

 

 

第二次性徴に伴う意識の変化

身長等の発育が加速する第二次性徴が生じる思春期は、自己の身体の変化(ボディイメージ)に関心が向く時期である。

  

▶113回午後7

第二次性徴が発現し始めた思春期に関心が向くのはどれか。

 

  1. 善悪の区別
  2. 仕事と家庭の両立
  3. 自己の身体の変化
  4. 経済力の確保と維持

 

 

青年期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、青年期(13歳から20歳ころ)は、自分は何者であるかという自己同一性(アイデンティティ)の確立を達成するため、同一性対同一性の混乱の葛藤が生じる。

  

▶109回午後6

エリクソン, E. H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。

 

  1. 生殖性 対 停滞
  2. 勤勉性 対 劣等感
  3. 自主性 対 罪悪感
  4. 同一性 対 同一性混乱

 

 

成人の基礎代謝量

日本人の食事摂取基準(2020年版)で推定された基礎代謝量は、男性は15~17歳(1,610kcal/日)、女性は12~14歳(1,410 kcal/日)で最も高く、青年期以降は加齢に伴って低下していく。

  

▶111回午後8・106回午後8類問・102回午前9類問

次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年期
  3. 向老期
  4. 老年期

 

 

 

F.成人期

成人期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題として、成人期(壮年期・中年期)では職業生活の開始と地位の確保、経済的な自立、配偶者の選択などの課題が挙げられる。

  

▶112回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。

 

  1. 経済的に自立する。
  2. 身体的衰退を自覚する。
  3. 正、不正の区別がつく。
  4. 読み、書き、計算ができる。

 

 

壮年期以降の特徴

加齢に伴い、男性では精巣機能の低下により男性ホルモン(テストステロン)が減少し、精子数の減少や勃起障害が起こりやすくなる。

  

▶113回午前8

壮年期の男性で減少するのはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. プロラクチン
  3. アルドステロン
  4. テストステロン

 

 

平均閉経年齢

日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされる。

  

▶111回午前9・105回午前7類問

日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

 

  1. 30歳
  2. 40歳
  3. 50歳
  4. 60歳

 

 

更年期ころの女性

閉経前後に当たる更年期の女性は、卵巣機能の低下により卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少する一方で、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン)は分泌を増やすため、ホルモンバランスが乱れ、ほてりや発汗、抑うつなどがみられる。

  

▶103回午前7

閉経前と比べ閉経後に低下するホルモンはどれか。

 

  1. 卵胞ホルモン
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 
▶107回午後7

更年期の女性で増加するのはどれか。

 

  1. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  2. テストステロン
  3. プロラクチン
  4. エストロゲン

 

 

 

G.老年期

老年期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題では、老年期は体力と健康の衰退・退職と収入の減少・配偶者の死などに適応する時期である。

  

▶110回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する老年期の発達課題はどれか。

 

  1. 子どもを育てる。
  2. 退職と収入の減少に適応する。
  3. 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。
  4. 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。

 

 

老年期の身体的変化

加齢により、以下のような多くの身体的変化がみられる。

 

〇神経系

自律性体温調節反応の低下により熱中症を引き起こしやすくなる

  

〇感覚器系

  • 視野(特に周辺視野)の狭まり、近見視力の低下、色の識別能の低下(老視)
  • 高音域が聞こえづらくなる(加齢性難聴)
  • 嗅覚機能の低下(反応下限値(閾値)の上昇)

  

〇血管系

大動脈の硬化による血管抵抗の増大(収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の低下)

  

〇呼吸器系

  • 最大換気量の大幅な低下
  • 残気量(吐ききった後に残る空気量)の増加

  

〇泌尿器系

腎機能の低下による尿濃縮力の低下

  

〇体液

総水分量が成人期(約60%)から減少(約50~55%)

  

〇生体の防御機構

外来抗原に対する抗体の産生能の低下

  

〇内分泌機能

  • インスリン分泌量の低下による空腹時血糖の上昇
  • 耐糖能(血糖値を一定に保つ働き)の低下

  

▶109回午後8

老年期にみられる身体的な変化はどれか。

 

  1. 血管抵抗の増大
  2. 消化管の運動の亢進
  3. 水晶体の弾性の増大
  4. メラトニン分泌量の増加

 

 


 
▶107回午前8

老年期の身体的な特徴はどれか。

 

  1. 総水分量が増加する。
  2. 胸腺の重量が増加する。
  3. 嗅覚の閾値が低下する。
  4. 高音域における聴力が低下する。

 

 


 
▶105回午後7

加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。

 

  1. 腎血流量
  2. 最大換気量
  3. 空腹時血糖
  4. 神経伝導速度

 

 


 
▶106回午前8

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 尿量の増加
  2. 味覚の感度の向上
  3. 体温調節能の低下
  4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進

 

 


 
▶113回午後8

老化に伴う視覚の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 視野が狭くなる。
  2. 近くが見やすくなる。
  3. 色の識別がしやすくなる。
  4. 明暗順応の時間が短縮する。

 

 


 

▶114回午後8

老年期の身体機能の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 耐糖能は向上する。
  2. 尿濃縮力は向上する。
  3. 薬物代謝は遅延する。
  4. 肺の残気量は減少する。

 

 

加齢に伴う知能の変化

  • 加齢とともに、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、処理・操作していく知能である流動性知能(記銘力等)は低下を続ける。
  • 一方、長年の経験や教育、学習から獲得する知能である結晶性知能(洞察力、判断力、統合力等)は、20歳以降も上昇し、高齢になっても維持・安定している。

  

▶104回午前7

加齢によって衰えやすい機能はどれか。

 

  1. 記銘力
  2. 洞察力
  3. 判断力
  4. 統合力

 

 

成人(高齢者)の水分量

成人の体重に占める水分量は約60%高齢者は50~55%)であり、このうち細胞内液が約40%を占め、残る細胞外液のうち、間質液(リンパ液含む)は約15%、血漿は約5%とされる。

  

▶102回午後10

健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 


 
▶105回午前13

高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 45%
  2. 55%
  3. 65%
  4. 75%

 

 


 
▶108回午後9

成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。

 

  1. 血漿
  2. 間質液
  3. 細胞内液
  4. リンパ液

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目6「人間の特性」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目6「人間の特性」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.人間と欲求

基本的欲求
社会的欲求

B.対象の特性 QOL
健康や疾病に対する意識
疾病・障害・死の受容

 

 

A.人間と欲求

マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説では人間の欲求を以下の階層にわけ、人間は低階層の欲求が満たされると高階層の欲求に移っていくとしている。

 

  • 自己実現の欲求
  • 自尊の欲求(承認)
  • 社会的欲求(所属・愛情)
  • 安全の欲求(危険回避)
  • 生理的欲求(食事、排泄、睡眠等)

  

▶102回午後5

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最も低次の欲求はどれか。

 

  1. 自己実現の欲求
  2. 所属と愛の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 安全の欲求

 

 


 
▶108回午後6

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 自己実現の欲求
  3. 承認の欲求
  4. 生理的欲求

 

 


 

▶114回午前6

マズロー,A.H.の基本的欲求の階層で生理的欲求はどれか。

 

  1. 仲間を持ちたい。
  2. 空腹を満たしたい。
  3. 自分らしくありたい。
  4. 他者から称賛されたい。

 

 


 
▶111回午前6改題・104回午後5類問

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で社会的欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 帰属の欲求
  3. 自己実現の欲求
  4. 睡眠の欲求

 

 


 
▶109回午後17

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

 

  1. 尊重されたい。
  2. 休息をとりたい。
  3. 他人と関わりたい。
  4. 自分の能力を発揮したい。

 

 


 
▶107回午後25

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 承認の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 自己実現の欲求
  5. 所属と愛の欲求

 

 

 

B.対象の特性

QOL(生活の質)

QOL(Quality of Life)は生活の質と訳され、本人の満足感が重要な尺度である。

  

▶107回午前5

QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 高度医療の受療
  2. 本人の満足感
  3. 乳児死亡率
  4. 生存期間

 

 

緩和ケア

  • 緩和ケアでは、患者とその家族に対して、終末期だけでなくがんと診断された時から、がん治療と同時に、多職種が連携して身体的症状の緩和や精神心理的な問題を含めた総合的なケアを行うことで、QOL(生活の質)の改善・向上を目指す。
  • 人生の意味や、死生観、宗教観などの観念的な問題であるスピリチュアルな苦痛(スピリチュアルペイン)も対象である。

第3編4章 1.がん対策 p150~153

 

▶110回午前16

緩和ケアの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 入院が原則である。
  2. 家族もケアの対象である。
  3. 創の治癒を目的としている。
  4. 患者の意識が混濁した時点から開始する。

 

 


 
▶112回午前6

緩和ケアの目標で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の治癒
  2. 余命の延長
  3. QOLの向上
  4. 在院日数の短縮

 

 


 
▶107回午後6

スピリチュアルな苦痛はどれか。

 

  1. 手術後の創部痛がある。
  2. 社会的役割を遂行できない。
  3. 治療の副作用に心配がある。
  4. 人生の価値を見失い苦悩する。

 

 

フィンクの危機モデル

臨床場面等で、危機的状況に対する過程を模式的に表した危機モデルを用いた対応がなされる。そのうち、フィンクは、①衝撃、②防御的退行、③承認、④適応の4段階を示し、感情的・防御的な対応から問題解決型の対応になっていく過程を表している。

  

▶111回午後6

フィンク, S. L.の危機モデルで第2段階はどれか。

 

  1. 衝撃
  2. 承認
  3. 適応
  4. 防御的退行

 

 

キューブラー・ロスの死にゆく人の心理変化

キューブラー・ロスは、死にゆく人の心理の変化を、①否認と孤立、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容の5段階で捉え、自己防衛的態度から死の受容までのモデルを示した。

  

▶106回午後12

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

 

  1. 死ぬことへの諦め
  2. 延命のための取り引き
  3. 死を認めようとしない否認
  4. 死ななければならないことへの怒り

 

 


 
▶110回午前13

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第5段階はどれか。

 

  1. 怒り
  2. 否認
  3. 死の受容
  4. 取り引き

 

 

セリエのストレス反応

セリエは、精神的緊張(ストレッサー)を受けたときに生体に起きる一定の反応(ストレス反応)を提唱した。

  

▶108回午前3

セリエ, H.が提唱した理論はどれか。

 

  1. 危機モデル
  2. ケアリング
  3. セルフケア
  4. ストレス反応

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目5「看護に関わる基本的法律」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 【必修】大項目5「看護に関わる基本的法律」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.保健師助産師看護師法

保健師・助産師・看護師の定義
保健師・助産師・看護師の業務
保健師・助産師・看護師の義務(守秘義務、業務従事者届出の義務、臨床研修等を受ける努力義務)
養成制度

B.看護師等の人材確保の促進に関する法律 目的、基本方針
ナースセンター

 

 

A.保健師助産師看護師法

看護師免許の付与

保健師助産師看護師法に基づき、看護師になろうとする者は看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶111回午後5

看護師免許を付与するのはどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 文部科学大臣

 

 

看護師免許付与における相対的欠格事由

保健師助産師看護師法に基づき、看護師免許付与における相対的欠格事由として以下を定め、いずれかに該当した場合は免許を与えないことがあり、看護師が該当した場合は厚生労働大臣が免許の取消し等の処分をすることができる。

 

  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 医事に関し犯罪または不正の行為のあった者
  • 心身の障害により看護師の業務を適正に行うことができない者
  • 麻薬、大麻またはあへんの中毒者

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶108回午後5

看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 

▶114回午後5

保健師助産師看護師法に定められている事項はどれか。

 

  1. 離職時の届出
  2. 免許付与時の欠格事由
  3. 定期健康診断の実施義務
  4. 都道府県ナースセンターの指定

 

 


 
▶110回午前5

看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。

 

  1. 20歳未満の者
  2. 海外に居住している者
  3. 罰金以上の刑に処せられた者
  4. 伝染性の疾病にかかっている者

 

 

看護師の届出

保健師助産師看護師法に基づき、業務に従事する看護師は、2年ごとに就業地の都道府県知事に氏名や住所などを届け出なければならない。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶108回午前6・106回午前5類問

業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4

 

 


 
▶113回午後5

看護師の業務従事者届の届出先はどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 都道府県ナースセンターの長

 

 

看護師の守秘義務

保健師助産師看護師法に基づき、看護師は正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶109回午後5・103回午後8類問

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

 

  1. 研究をする。
  2. 看護記録を保存する。
  3. 看護師自身の健康の保持増進を図る。
  4. 業務上知り得た人の秘密を漏らさない。

 

 


 
▶112回午後5

看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 

診療の補助

  • 看護師は傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする(保健師助産師看護師法)。
  • 診療の補助の範囲は厚生労働省通知により解釈がなされ、静脈内注射などは医師の指示の下に行うことができる。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶103回午後4

医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。

 

  1. 薬剤の処方
  2. 死亡の判定
  3. 静脈内注射
  4. 診断書の交付

 

 


 
▶105回午後5

医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。

 

  1. 静脈内注射
  2. 診断書の交付
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 人工呼吸器の設定の変更

 

 

 

B.看護師等の人材確保の促進に関する法律

看護師等の人材確保の促進に関する法律

看護師等の人材確保の促進に関する法律により、病院等の開設者等には看護師に対する処遇改善や臨床研修等の実施などの責務を定めている。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶102回午前5

新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

 

 

都道府県ナースセンター

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定される都道府県ナースセンターは、看護師等の就業状況等の調査や無料職業紹介事業、訪問看護等の研修、各種情報提供などを行う。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p196~200

 

▶110回午後5

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。

 

  1. 訪問看護業務
  2. 看護師免許証の交付
  3. 訪問入浴サービスの提供
  4. 看護師等への無料の職業紹介

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目4「看護における倫理」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目4「看護における倫理」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.基本的人権の擁護

個人の尊厳
患者の権利
自己決定権と患者の意思
インフォームド・コンセント
ノーマライゼーション
情報管理(個人情報の保護)

B.倫理原則 自律尊重
善行
公正、正義
誠実、忠誠
無危害
C.看護師等の役割 説明責任<アカウンタビリティ>
倫理的配慮
権利擁護<アドボカシー>

 

 

A.基本的人権の擁護

インフォームド・コンセント

  • 医療法には、医療提供の際に医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努める旨(インフォームド・コンセント)が規定されている。
  • 1964年のヘルシンキ宣言においてインフォームド・コンセントが提唱された。

第4編1章 1.医療法 p168~169

 

▶104回午前4

医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。

 

  1. エンパワメント
  2. コンプライアンス
  3. リスクマネジメント
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶111回午前5

患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。

 

  1. 父権主義
  2. 医師の裁量権
  3. コンプライアンス
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶102回午前4

ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。

 

  1. リビングウィル
  2. ヘルスプロモーション
  3. ノーマライゼーション
  4. インフォームド・コンセント

 

 

セカンドオピニオン

患者は医療機関等の選択の自由を権利として有し、主治医以外の医師による助言(セカンドオピニオン)を受けることができる。

第4編1章 1.医療法 p168~169

 

▶110回午後4

患者の権利について適切なのはどれか。

 

  1. 患者は入院中に無断で外泊できる。
  2. 患者は治療後に治療費の金額を決定できる。
  3. 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
  4. 患者は自分と同じ疾患の患者の連絡先を入手できる。

 

 

リビングウィル

リビングウィル(Living Will)は、終末期における医療・ケアの方法や方針などを、患者本人があらかじめ書面で意思表示することをいい、本人の意思を直接確認できない状態になった場合に書面に従って治療方針を決定する。

第4編1章 1.医療法 p168~169

 

▶105回午後4

終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。

 

  1. アドヒアランス
  2. リビングウィル
  3. セカンドオピニオン
  4. インフォームド・コンセント

 

 

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションは、障害者等が障害を持たない者と同等に生活・活動する社会を目指す理念で、障害者基本法ではこの理念の下に公共的施設のバリアフリー化などを幅広く規定している。

第5編2章 4.障害者福祉等 p242~244

 

▶103回午前5

全ての人が差別されることなく同じように生活できるという考え方を示しているのはどれか。

 

  1. ヘルスプロモーション
  2. ノーマライゼーション
  3. プライマリヘルスケア
  4. エンパワメント

 

 

 

B.倫理原則

 

倫理原則

  • 看護実践における倫理原則として、「自律尊重」「無危害」「善行」「公正と正義」「誠実と忠誠」の5原則がある。
  • 善行の原則は、患者のために最善を尽くすことをいう(患者の症状、感情に合わせた最良の医療・看護提供など)。

  

▶102回午後4

倫理原則の「善行」はどれか。

 

  1. 患者に身体的損傷を与えない。
  2. 患者に利益をもたらす医療を提供する。
  3. すべての人々に平等に医療を提供する。
  4. 患者が自己決定し選択した内容を尊重する。

 

 

倫理委員会

  • 人間を対象とする医学研究の倫理的原則を掲げたヘルシンキ宣言等を踏まえ、わが国は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を制定している。
  • 倫理指針に基づき、倫理(審査)委員会は、臨床研究が倫理的配慮、科学的妥当性、研究機関・研究者等の利益相反に関する透明性が確保されているかどうかなどを審査する。

第6編1章 10.臨床研究・治験 p259~260

 

▶105回午前5

臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。

 

  1. 教育委員会
  2. 倫理委員会
  3. 医療事故調査委員会
  4. 院内感染対策委員会

 

 

 

C.看護師等の役割

看護師の倫理綱領

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領では、看護師の基本的な看護の責任として、「健康の増進」「疾病の予防」「健康の回復」「苦痛の緩和と尊厳ある死の推奨」を挙げている。

  

▶106回午後5

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

 

  1. 疾病の回復
  2. 医師の補助
  3. 苦痛の緩和
  4. 薬剤の投与

 

 

アドボカシー(権利擁護)

アドボカシーは、権利擁護、代弁などの意で、患者や認知症高齢者など本人の意思や自己決定を尊重し、本人の保護を図ることが求められる。

第5編2章 7.権利擁護〈アドボカシー〉 p248

 

▶108回午後4

看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 多職種と情報を共有する。
  2. 患者の意見を代弁する。
  3. 患者に害を与えない。
  4. 医師に指示を聞く。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目3「看護で活用する社会保障」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目3「看護で活用する社会保障」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.医療保険制度の基本

医療保険の種類
国民医療費
高齢者医療制度
給付の内容

B.介護保険制度の基本 保険者
被保険者
給付の内容
要介護・要支援の認定
地域支援事業

 

 

A.医療保険制度の基本

国民皆保険

わが国はすべての国民が、「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかの医療保険に加入することとされている(国民皆保険制度)。

第4編2章 1.医療保険制度 p211~212

 

▶109回午後4・102回午前3類問

日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

 

 

療養の給付

医療給付内容には、診察、処置・手術、薬剤・治療材料、食事療養、入院・看護、在宅療養・看護、訪問看護がある。健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用は含まない。

第4編2章 3.医療保険各制度の概要と現状 p212~216

 

▶109回午前4

健康保険法による療養の給付の対象はどれか。

 

  1. 手術
  2. 健康診査
  3. 予防接種
  4. 人間ドック

 

 


 

▶114回午前5

医療保険の給付の対象となるのはどれか。

 

  1. 疾病の診察
  2. 人間ドック
  3. 市販薬の購入
  4. 定期予防接種

 

 

国民健康保険

国民健康保険の保険者は、都道府県・市町村・国民健康保険組合である。

第4編2章 1.医療保険制度 p211~212

 

▶104回午前3改題・114回午後4類問

国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき平成20年度に開始した。被保険者は原則75歳以上の後期高齢者である。

第4編2章 1.医療保険制度 p211~212

 

▶106回午後4

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 高齢社会対策基本法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律

 

 


 
▶111回午前4

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する( )歳以上の者、および65歳以上( )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 70
  2. 75
  3. 80
  4. 85

 

 

医療費の自己負担

医療費の一部負担金割合は、後期高齢者医療制度が原則1割(所得により2割または3割)、被用者保険や国民健康保険が原則3割(未就学児や現役並み所得のない70歳以上の者は2割)となっている。

第4編2章 1.医療保険制度 p211~212

 

▶112回午後4

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 4割

 

 

国民医療費

  • 国民医療費とは、年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである。
  • 対象は傷病の治療費に限られ、正常な妊娠や分娩などに要する費用、健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用、固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢などの費用、介護給付費は含まない。

第4編2章 6.国民医療費 p219~222

 

▶103回午前4

国民医療費に含まれる費用はどれか。

 

  1. 予防接種
  2. 正常な分娩
  3. 人間ドック
  4. 入院時の食事

 

 

令和2年(2020年)国民医療費

令和3年(2021年)の国民医療費は45兆359億円で、人口1人当たり35.9万円である。

第4編2章 6.国民医療費 p219~222

 

▶106回午前3改題

令和3年(2021年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約450億円
  2. 約4,500億円
  3. 約4兆5000億円
  4. 約45兆円

 

 


 
▶110回午後3改題

令和3年(2021年)の人口1人当たりの国民医療費で最も近いのはどれか。

 

  1. 16万円
  2. 26万円
  3. 36万円
  4. 46万円

 

 

 

B.介護保険制度の基本

介護保険の保険者

介護保険制度の保険者(実施主体)は、国民に最も身近な行政単位である市町村(特別区含む)である。

第5編1章 1.3〕保険者 p223

 

▶108回午前4

介護保険制度における保険者はどれか。

 

  1. 市町村及び特別区
  2. 都道府県
  3. 保健所

 

 

介護保険の被保険者

介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40~64歳の者である。

第5編1章 2.保険給付の手続き p224~225

 

▶106回午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 
▶109回午前3

介護保険の第2号被保険者は、( )歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 30
  2. 40
  3. 50
  4. 60

 

 

要介護認定の手続き

市町村は被保険者からの申請を受けて調査を行い、市町村に設置された介護認定審査会が要介護状態の区分(要介護1~5、要支援1・2の7段階)の審査・判定を行う。

第5編1章 2.保険給付の手続き p224~225

 

▶110回午前4・103回午後3類問

要介護認定の申請先はどれか。

 

  1. 市町村
  2. 診療所
  3. 都道府県
  4. 介護保険審査会

 

 


 
▶104回午後4

要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。

 

  1. 介護認定審査会
  2. 介護保険審査会
  3. 社会福祉協議会
  4. 社会保障審議会

 

 


 
▶112回午前5

介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。

 

  1. 4
  2. 5
  3. 6
  4. 7

 

 

介護給付・予防給付

要介護状態の者には介護給付、要支援状態の者には予防給付が支給される。

第5編1章 3.介護給付 p225~228

第5編1章 4.予防給付 p228

 

▶111回午後4・105回午前4類問

介護保険における被保険者の要支援状態に関する保険給付はどれか。

 

  1. 医療給付
  2. 介護給付
  3. 年金給付
  4. 予防給付

 

 

介護保険サービスの利用者負担

介護保険制度のサービスを利用する者は、原則費用の1割を負担して各種サービスを受ける。

第5編1章 3.介護給付 p225~228

 

▶102回午後3

介護保険制度における施設サービス費の原則的な利用者負担の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 5割

 

 

地域支援事業

  • 地域支援事業は、要支援・要介護状態になって保険給付を受ける前の介護予防を推進するために市町村が実施する事業である。
  • 介護予防・生活支援サービスのひとつとして外出や調理が困難な者に対する配食サービスがある。

第5編1章 6.地域支援事業 p228~229

 

▶113回午前4

介護保険法の地域支援事業で正しいのはどれか。

 

  1. 保険給付である。
  2. 都道府県の事業である。
  3. 介護保険施設で実施される。
  4. 配食サービスは生活支援サービスの1つである。

 

 

介護支援専門員

介護支援専門員は、要介護者等を支援する上で解決すべき課題を把握(アセスメント)し、課題を解決するための居宅・施設の介護サービス計画を作成する(利用者本人による作成も可能)。

第5編1章 8.3〕介護支援専門員〈ケアマネジャー〉 p231~232

 

▶105回午後9

介護支援専門員が行うのはどれか。

 

  1. 通所介護の提供
  2. 福祉用具の貸与
  3. 短期入所生活介護の提供
  4. 居宅サービス計画の立案

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

114回(2025年)から102回(2013年)までの13年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目2.「健康に影響する要因」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目2「健康に影響する要因」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.生活行動・習慣

食事と栄養
排泄
活動と運動、レクリエーション
休息と睡眠
清潔と衣生活
ライフスタイル
ストレス
喫煙、嗜好品

B.生活環境

水質、大気、土壌
食品衛生
住環境

C.社会環境

職業と健康障害
労働環境
ワーク・ライフ・バランス

 

 

A.生活行動・習慣

サーカディアンリズム(概日リズム)

  • 生物は地球の自転による昼夜変化に同調して、約24時間周期のサーカディアンリズム(概日リズム)に則り、体内環境を変化させる。
  • サーカディアンリズムは光の明暗による刺激により調整され、特に朝の決まった時間に起床して太陽の刺激を浴びることなどにより整えることができる。

 

▶102回午前13

サーカディアンリズムの周期はどれか。

 

  1. 約8時間
  2. 約12時間
  3. 約24時間
  4. 約48時間

 

 

食塩摂取量

健康日本21(第三次)では、20歳以上の男女の食塩摂取量を1日当たり7gに減少させることを目標の一つとして掲げている。

第3編1章 2.2〕栄養・食生活 p89~91

 

▶112回午後2改題・107回午後2類問

健康日本21(第三次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 5.0g
  2. 7.0g
  3. 9.0g
  4. 11.0g

 

 

運動習慣の効果

適切な身体活動・運動は、生活習慣病の予防やメンタルヘルス、生活の質の改善に有効である。

第3編1章 2.3〕身体活動・運動 p91~92

 

▶109回午前2

運動習慣が身体機能にもたらす効果はどれか。

 

  1. 肺活量の減少
  2. 耐糖能の低下
  3. 免疫力の向上
  4. 中性脂肪の増加

 

 


 
▶105回午前2

運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉量の減少
  2. 体脂肪率の増加
  3. 最大換気量の減少
  4. 基礎代謝量の増加

 

 

運動習慣のある者の割合

令和5年(2023年)の運動習慣のある割合は男女ともに70歳以上が最も多い(男性46.5%・女性36.5%)。

第3編1章 2.3〕身体活動・運動 p91~92

 

▶114回午前3改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査で、運動習慣のある割合が最も高いのはどれか。

 

  1. 20歳代
  2. 40歳代
  3. 60歳代
  4. 70歳以上

 

 


 
▶110回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、男性で運動習慣のある割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶107回午前25改題・103回午後25類問

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

 

  1. 30~39歳
  2. 40~49歳
  3. 50~59歳
  4. 60~69歳
  5. 70歳以上

 

 

肥満

令和5年(2023年)の男性の肥満者(BMI≧25.0)の割合は、60歳代35.0%)が最も多く、次いで50歳代(34.8%)、40歳代(34.3%)となっている。

第3編1章 1.2〕(4)肥満とやせ p83

 

▶108回午前10改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶106回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 15%
  2. 35%
  3. 55%
  4. 75%

 

 

肥満度の評価指数

肥満度を評価する指数として、主に乳幼児に用いるカウプ指数「体重(g)÷身長(cm)2×10」、学童期に用いるローレル指数「体重(g)÷身長(cm)3×104」、成人に用いるBMI「体重(kg)÷身長(m)2」がある。

第3編1章 1.2〕(4)肥満とやせ p83

 

▶106回午後21

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

  1. 体重(g)÷身長(cm)2×10
  2. 体重(g)÷身長(cm)3×104
  3. 体重(kg)÷身長(m)2
  4. (実測体重(kg)-標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100

 

 


 

▶114回午前9

学童の体格を評価するのに用いるのはどれか。

 

  1. Kaup〈カウプ〉指数
  2. Rohrer〈ローレル〉指数
  3. Tanner〈タナー〉の分類
  4. Scammon〈スキャモン〉の発育曲線

 

 

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準として必須項目である腹囲〈ウエスト周囲径〉は、男性で85cm以上、女性で90cm以上とされている。

第3編1章 1.3〕(1)特定健康診査・特定保健指導 p84

 

▶112回午前15

メタボリックシンドロームの診断基準において男性の腹囲〈ウエスト周囲径〉で正しいのはどれか。

 

  1. 80cm以上
  2. 85cm以上
  3. 90cm以上
  4. 95cm以上

 

 

喫煙率

令和5年(2023年)の喫煙率は男性が25.6%、女性が6.9%となっている。男女ともに喫煙率は低下傾向にある。

第3編1章 2.6〕喫煙 p93~95

 

▶109回午後2改題・105回午後2類問・113回午前6類問

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 16%
  3. 26%
  4. 46%

 

 

ブリンクマン指数

喫煙指数(ブリンクマン指数)は喫煙による疾患のリスクを数字で表すもので、1日の喫煙本数×喫煙年数で求められる。

第3編1章 2.6〕喫煙 p93~95

 

▶112回午前3

喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なのはどれか。

 

  1. 喫煙開始年齢
  2. 受動喫煙年数
  3. 家庭内の喫煙者数
  4. 1日の平均喫煙本数

 

 

慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の危険因子

肺気腫や慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉は、肺や気管支が炎症により障害される疾患の総称で、原因のほとんどは長期的な喫煙によるたばこ煙である。

 

▶114回午後14

慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の危険因子はどれか。

 

  1. 花粉
  2. 薬物
  3. たばこ煙
  4. アルコール

 

 

アルコールによる健康障害

アルコールは様々な健康障害との関連が指摘されており、特に発症頻度の高い臓器障害としてアルコール性肝疾患があり、過剰飲酒の継続等によりアルコール性肝硬変や肝細胞がんへ進行する。

 

▶102回午前2

飲酒に起因する健康障害はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 膠原病
  3. Ménie`re〈メニエール〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病

 

 

 

B.生活環境

微小粒子状物質(PM2.5

微小粒子状物質(PM2.5)は、浮遊粒子状物質(SPM)の中でも特に粒径が小さい有害大気汚染物質で、呼吸器や循環器への影響が懸念され、環境基本法に基づく大気汚染に係る環境基準が設定されている。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p324~328

 

▶110回午前3

大気汚染物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. カドミウム
  3. メチル水銀
  4. 微小粒子状物質(PM2.5

 

 

光化学オキシダント

光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)とが太陽光の作用により反応(光化学反応)して二次的に生成されるオゾンなどの強い酸化力を持った物質で、光化学スモッグの原因となり、粘膜への刺激や呼吸器への悪影響など人間の健康に悪影響を及ぼす。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p324~328

 

▶114回午後3

健康問題を引き起こす大気汚染物質はどれか。

 

  1. 有機水銀
  2. カドミウム
  3. ホルムアルデヒド
  4. 光化学オキシダント

 

 


 
▶106回午後3

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

 

  1. ヒ素
  2. フロン
  3. 窒素酸化物
  4. ホルムアルデヒド

 

 

サルモネラ属菌

サルモネラ属菌は、鶏や豚、牛などの動物の腸管や、河川、湖、下水道などに広く生息し、食品等を通してヒトに胃腸炎症状などの食中毒を引き起こす。

第7編2章 10.食中毒対策 p289~292

 

▶104回午後3

食中毒の原因となるのはどれか。

 

  1. セラチア
  2. カンジダ
  3. サルモネラ
  4. クラミジア

 

 

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は手指等の創から侵入し、化膿を引き起こす代表的な化膿菌であり、食品を扱う人の創を汚染源として、黄色ブドウ球菌が産出するエンテロトキシンにより食中毒が発生する。

第7編2章 10.食中毒対策 p289~292

 

▶113回午前3

食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌はどれか。

 

  1. 腸炎ビブリオ
  2. ボツリヌス菌
  3. 黄色ブドウ球菌
  4. サルモネラ属菌

 

 

シックハウス(室内空気汚染)症候群

シックハウス(室内空気汚染)症候群とは、建材や調度品から発生する化学物質などによる室内空気汚染やその健康影響をいい、ホルムアルデヒドなど13物質について室内濃度指針値を設定している。

第7編3章 6.室内空気汚染対策 p298

 

▶111回午前3・107回午前3類問

シックハウス症候群に関係する物質はどれか。

 

  1. アスベスト
  2. ダイオキシン類
  3. 放射性セシウム
  4. ホルムアルデヒド

 

 

騒音についての環境基準

環境基本法に基づき、地域の類型、時間の区分ごとに騒音についての環境基準が定められており、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域では、昼間が50db以下、夜間が40db以下と設定されている。

第9編2章 3.騒音・振動・悪臭対策の動向 p331~333

 

▶106回午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 

温室効果ガス

二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスの排出により、大気中の温室効果ガスの濃度が上昇して温室効果が強まり、地球温暖化が進行している。

第9編1章 4.1〕地球温暖化対策 p321~322

 

▶105回午後3

地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。

 

  1. 酸素
  2. 水素
  3. 窒素
  4. 二酸化炭素

 

 

酸性雨

酸性雨は、二酸化硫黄〈SO2などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象である。

第9編1章 4.3〕酸性雨対策 p323

 

▶107回午後3

大気汚染物質の二酸化硫黄〈SO2〉について正しいのはどれか。

 

  1. 発がん性がある。
  2. じん肺を引き起こす。
  3. 酸性雨の原因物質である。
  4. 不完全燃焼によって発生する。

 

 

 

C.社会環境

じん肺

  • じん肺は、主に粉じん(石綿〈アスベスト〉含む)の発生する環境で仕事をしている労働者が、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。
  • 石炭の採掘、岩石坑道の掘進作業などにより、炭坑従事者はじん肺を発症しやすい。

第8編 5.1〕粉じん障害防止対策 p305~306

 

▶109回午後3

じん肺に関係する物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. アスベスト
  3. ダイオキシン類
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶102回午後2

炭坑従事者に起こりやすい職業性疾患はどれか。

 

  1. 潜函病
  2. じん肺
  3. 中皮腫
  4. 白ろう病

 

 

振動による職業性疾病

チェーンソーの使用など身体局所への振動に伴う職業性疾病として、振動障害、レイノー(蒼白発作)現象(白ろう病)など手指や前腕の末梢循環障害、末梢神経障害、運動器障害が生じる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p305~307

 

▶104回午前25

振動が原因となる職業性疾病はどれか。

 

  1. 中皮腫
  2. 熱中症
  3. 高山病
  4. 白ろう病

 

 

情報機器作業〈VDT作業〉による職業性疾病

情報機器作業〈VDT作業〉を行う労働者の職業性疾病として、視力障害、筋骨格系の症状、ストレス等による症状が挙げられる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p305~307

 

▶111回午後3

職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。

 

  1. じん肺
  2. 視力障害
  3. 振動障害
  4. 皮膚障害

 

 

業務上疾病発生割合

  • 令和4年(2022年)の業務上疾病発生割合は、負傷に起因する疾病が74.5%で最も多く、そのうち災害性腰痛が62.7%を占める。
  • なお、新型コロナウイルスり患によるものを除く。除かない場合、病原体による疾病が94.4%を占める。

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p306~308

 

▶105回午前3改題

日本の令和4年(2022年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。

 

  1. 振動障害
  2. 騒音による耳の疾患
  3. 負傷に起因する疾病
  4. じん肺症及びじん肺合併症

 

 

労働安全衛生法

労働安全衛生法では、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の労働衛生の3管理を整備しており、健康管理については健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導を規定している。

第8編 3.労働衛生管理の基本 p303~304

 

▶108回午後3・113回午後3類問

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業手当の給付
  2. 労働者に対する健康診断の実施
  3. 労働者に対する労働条件の明示
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

 

労働基準法

労働基準法では、労働時間について、休憩時間を除き1日に8時間、1週間に40時間を超えないように定めている。

第8編 9.1〕過重労働による健康障害防止対策 p311~312

 

▶103回午前3・112回午前4類問

労働基準法で原則として定められている休憩時間を除く1週間の労働時間はどれか。

 

  1. 30時間を超えない。
  2. 40時間を超えない。
  3. 50時間を超えない。
  4. 60時間を超えない。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和6年2月11日(日)に実施された第113回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第113回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 一般問題

 

 

▶午後2(必修除外)

日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されている、18~49歳女性(月経あり)の鉄摂取推奨量はどれか。

 

  1. 5.5mg/日
  2. 10.5mg/日
  3. 15.5mg/日
  4. 20.5mg/日

 

 


 

▶午後11(必修除外)

上行大動脈から分枝するのはどれか。

 

  1. 冠状動脈
  2. 腕頭動脈
  3. 左総頸動脈
  4. 左鎖骨下動脈

 

 


 

▶午後26

交感神経の興奮によって起こる眼の反応はどれか。

 

  1. 散瞳
  2. 流涙
  3. 明順応
  4. 対光反射

 

 


 

▶午後27

Ramsay Hunt〈ラムゼイ・ハント〉症候群は顔面神経麻痺症状を主症状とする。
原因となるウイルスはどれか。

 

  1. アデノウイルス
  2. インフルエンザウイルス
  3. 水痘帯状疱疹ウイルス
  4. 単純ヘルペスウイルス

 

 


 

▶午後28

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉に規定されている母性保護はどれか。

 

  1. 生理日の就業制限
  2. 産後6週間の就業禁止
  3. 妊産婦の時間外労働の禁止
  4. 妊婦健康診査の受診時間の確保

 

 


 

▶午後29

保健統計調査と調査項目の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査――受療の状況
  2. 人口動態調査――転出入
  3. 国民生活基礎調査――生活習慣
  4. 国民健康・栄養調査――健康診断の受診状況

 

 


 

▶午後30

医療機関の廃棄物とバイオハザードマークの色の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 固体状の放射性廃棄物――黒色
  2. 注射針などの鋭利な廃棄物――赤色
  3. 血液などの液状、泥状の廃棄物――黄色
  4. 血液の付着したガーゼの廃棄物――橙色

 

 


 

▶午後31

がん対策基本法で定められているのはどれか。

 

  1. 肝炎ウイルス検査の実施を推進する。
  2. 受動喫煙のない職場環境を整備する。
  3. 学校等でのがんに関する教育を推進する。
  4. がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置する。

 

 


 

▶午後32

国際生活機能分類〈ICF〉で「生活機能」の構成要素に含まれるのはどれか。

 

  1. 活動
  2. 疾病
  3. 能力障害
  4. 社会的不利

 

 


 

▶午後33

Broca〈ブローカ〉失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 閉じた質問〈closed question〉を活用する。
  2. 大きな声で質問する。
  3. 単語で話しかける。
  4. 文字盤を用いる。

 

 


 

▶午後34

指鼻試験で評価するのはどれか。

 

  1. 視野
  2. 小脳機能
  3. 表在反射
  4. 複合知覚

 

 


 

▶午後35

マイコプラズマ肺炎の感染経路はどれか。

 

  1. 空気感染
  2. 血液感染
  3. 飛沫感染
  4. 媒介物感染

 

 


 

▶午後36

痛風の患者が摂取量を減らすことが望ましい食品はどれか。

 

  1. 鶏卵
  2. チーズ
  3. 鶏レバー
  4. じゃがいも

 

 


 

▶午後37

患者、看護師、ベッド、車椅子の位置を図に示す。
ベッド上にいる右片麻痺がある患者の端座位から車椅子への移乗を援助する看護師の足と車椅子の位置で適切なのはどれか。

 

113pm37

 

 


 

▶午後38

健康な成人の皮膚で正しいのはどれか。

 

  1. 垢として剝がれ落ちるのは基底層である。
  2. 外陰部にはアポクリン汗腺が存在する。
  3. 皮膚表面は弱アルカリ性である。
  4. ケラチンは紫外線を吸収する。

 

 


 

▶午後39

創傷処置について適切なのはどれか。

 

  1. ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。
  2. 肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。
  3. 感染徴候のない創傷の消毒は不要である。
  4. テープは皮膚から垂直方向に剝がす。

 

 


 

▶午後40

午前8時から24時間蓄尿を開始することになった。
蓄尿の方法で正しいのはどれか。

 

  1. 滅菌容器に蓄尿する。
  2. 開始日の午前8時の尿は蓄尿する。
  3. 終了日の午前8時の尿は蓄尿する。
  4. 排尿のたびに中間尿を採取して蓄尿する。

 

 


 

▶午後41

介護老人保健施設について適切なのはどれか。

 

  1. 常勤医師の配置は義務ではない。
  2. 老人福祉法に基づき設置される。
  3. 要介護者に対して自宅での生活に向けた支援を行う。
  4. 従事者の配置基準は看護職員と介護職員が同数である。

 

 


 

▶午後42

術後の創傷治癒が遅延する因子となる検査値はどれか。

 

  1. アルブミン 2.2g/dL
  2. 推算糸球体濾過量〈eGFR〉 62mL/分/1.73m2
  3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 88Torr(room air)
  4. ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉 5.5%

 

 


 

▶午後43

うっ血性心不全が疑われる患者が救急外来を受診した。
その際、12誘導心電図検査、胸部エックス線検査に加えて行われる優先度が高い検査はどれか。

 

  1. 冠動脈CT検査
  2. 心臓超音波検査
  3. 心筋シンチグラム
  4. 心臓カテーテル検査

 

 


 

▶午後44

慢性腎臓病においてリンの代謝障害によって生じる症状はどれか。

 

  1. 骨痛
  2. 貧血
  3. 浮腫
  4. 不整脈

 

 


 

▶午後45

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に汚染された注射針による針刺し事故の感染率で正しいのはどれか。

 

  1. 40%
  2. 10%
  3. 2%
  4. 0.3%

 

 


 

▶午後46

急性髄膜炎患者への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 鎮痛薬は禁忌である。
  2. 頭部に温罨法を行う。
  3. 部屋の照明を暗くする。
  4. 腰椎穿刺直後は頭部を高くする。

 

 


 

▶午後47

膀胱鏡による組織検査を受ける成人男性への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「検査前は膀胱に尿をためてください」
  2. 「尿道から内視鏡を挿入します」
  3. 「膀胱に二酸化炭素を注入します」
  4. 「検査後24時間はベッドで安静にします」

 

 


 

▶午後48

家族周期における発達段階で、高齢者が配偶者を失った後の段階はどれか。

 

  1. 完結期
  2. 教育期
  3. 充実期
  4. 分離期

 

 


 

▶午後49

老人性難聴の特徴はどれか。

 

  1. 両側性に生じる。
  2. 混合性難聴である。
  3. 低音域が障害される。
  4. 外耳の障害によって起こる。

 

 


 

▶午後50

高齢という理由で高齢者を画一的に捉え、差別することを意味するのはどれか。

 

  1. エイジズム
  2. アディクション
  3. パターナリズム
  4. アンチエイジング

 

 


 

▶午後51

高齢者の不眠の要因はどれか。

 

  1. 午前中に日光浴をする。
  2. 昼食後に30分程度の午睡をする。
  3. 就寝直前に42℃以上の風呂に入る。
  4. 就寝前に100mL程度のホットミルクを飲む。

 

 


 

▶午後52

高齢者のサルコペニアの予防に関する指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 読書をする。
  2. 飲酒をやめる。
  3. 塩分を制限する。
  4. 筋肉に負荷をかける運動をする。

 

 


 

▶午後53

新生児マススクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)で正しいのはどれか。

 

  1. 対象疾患数は5である。
  2. 唾液を用いた検査である。
  3. 早期新生児期に実施される。
  4. 治療法が確立していない疾患を対象とする。

 

 


 

▶午後54

遊具を図に示す。
標準的な成長発達をしている1歳4か月の子どもの発達段階に適した遊具はどれか。

 

113pm54

 

 


 

▶午後55

ピアジェ,J.の認知発達理論における段階と病気の説明に使用するツールの組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 感覚運動期――人体模型
  2. 前操作期――印刷文書
  3. 具体的操作期――動画
  4. 形式的操作期――指人形

 

 


 

▶午後56

下腿の開放骨折のため手術を受けたA君(8歳、男児)に、術後の疼痛管理のため患者自己調節鎮痛法〈Patient Controlled Analgesia:PCA〉を用いた持続的な静脈内注射を行うことになった。A君は「痛くなるのが怖い」と話している。看護師はA君に鎮痛薬の追加について説明することにした。
A君への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「時間を決めて操作ボタンを押そうね」
  2. 「痛くなり始めたら操作ボタンを押そうね」
  3. 「痛くなったら何回でも操作ボタンを押してお薬を追加できるよ」
  4. 「痛みがどうしても我慢できなくなったら操作ボタンを押そうね」

 

 


 

▶午後57

正常に経過している妊娠26週の妊婦が、次に妊婦健康診査を受診する時期として推奨されるのはどれか。

 

  1. 4週後
  2. 3週後
  3. 2週後
  4. 1週後

 

 


 

▶午後58

親性について適切なのはどれか。

 

  1. 子を育もうとする性質である。
  2. 誰でも子を持つ時点で備えている。
  3. 性別に基づく役割分業で育児を行うことをいう。
  4. 生物学的に結びつきがあることが親性をもつ条件となる。

 

 


 

▶午後59

閉経に伴うエストロゲンの低下で生じるのはどれか。

 

  1. 骨量の増加
  2. 腟粘膜の萎縮
  3. 脳血流量の増加
  4. 血中LDLコレステロールの減少

 

 


 

▶午後60

順調に分娩が進行している妊娠40週0日の初産婦から「腟から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」とナースコールがあった。看護師が流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。
このときの産婦への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. バイタルサインを測定する。
  2. 胎児心拍数を確認する。
  3. 食事摂取を勧める。
  4. 更衣を促す。

 

 


 

▶午後61

看護師のメンタルヘルスに関する対応で一次予防はどれか。

 

  1. 入職時のストレスマネジメントに関する研修
  2. 精神的不調が生じた看護師への公認心理師による相談
  3. 精神的不調で休職している看護師への復職支援プランの作成
  4. 精神的負荷がかかっている可能性のある看護師への産業保健師による面談

 

 


 

▶午後62

人を援助する過程で自分の職務に対して継続して努力したが、満足感や達成感が得られず、うつ症状や社会機能の低下を生じるのはどれか。

 

  1. 悪性症候群
  2. 空の巣症候群
  3. 緊張病症候群
  4. 燃え尽き症候群

 

 


 

▶午後63

精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 行動援護の介護給付
  2. 所得税の障害者控除
  3. 自立支援医療(精神通院医療)
  4. グループホームで必要な日常生活上の援助

 

 


 

▶午後64

都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求をすることができるのはどれか。

 

  1. 警察官
  2. 検察官
  3. 患者本人
  4. 精神保健福祉士

 

 


 

▶午後65改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 性別は女性が多い。
  2. 続柄は子が最も多い。
  3. 年齢は50~59歳が最も多い。
  4. ストレスの原因は「自由にできる時間がない」が最も多い。

 

 


 

▶午後66

Aさん(73歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。室内の家具や手すりなどの、左右にあるものにうまくつかまりながら、バランスをとって移動している。Aさんは「腕の力も足の力も落ちてきた。両手を使って体を支えるものがないと屋外の移動は不安だが、足の筋力が落ちないように近所の散歩を始めたい」と訪問看護師に相談があった。Aさんの住居の廊下や玄関に段差はなく、住居周辺には坂や段差のない舗装された歩道がある。
福祉用具を図に示す。
訪問看護師がAさんに勧める福祉用具で適切なのはどれか。

 

113pm66

 

 


 

▶午後67

Aさん(78歳、女性、要支援1)は1人で暮らしており、認知機能や嚥下機能の低下はない。訪問看護師は、内科と整形外科から朝2種類、夕3種類の合計5種類の内服薬が処方されていることを確認し、夕方に飲む薬だけが減っていることに気付いた。
訪問看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. どの薬を何時に内服しているのかを聞く。
  2. 服薬用のゼリーを用いて内服することを勧める。
  3. 1日に5種類の薬を内服する必要があることを説明する。
  4. 介護予防訪問介護を利用して服薬の介助を依頼することを勧める。

 

 


 

▶午後68

介護保険の介護給付で利用できる居宅サービスはどれか。

 

  1. 訪問入浴介護
  2. 介護予防居宅療養管理指導
  3. 看護小規模多機能型居宅介護
  4. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 

 


 

▶午後69

Aさん(65歳、男性)はうっ血性心不全の急性増悪で入院し、治療を受けて自宅に退院した。退院後は月1回の外来通院、週1回の訪問看護で生活指導を受け、血圧、体重、労作時の自覚症状について日誌に記録することになった。初回訪問時、Aさんは訪問看護師に「庭で野菜を作るのが趣味です。野菜作りの作業をしていると夢中になって時間を忘れてしまいます」と話した。
訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「室内で安静に過ごしましょう」
  2. 「野菜を作るのはやめて他の趣味を見つけましょう」
  3. 「作業の後は30分以内に2L以上の水分を補給しましょう」
  4. 「日誌の記録をもとに自分で作業量を調整できるようにしましょう」

 

 


 

▶午後70

Aさん(55歳、虚血性心疾患)は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血)からトイレに行きたいと声をかけられた。
このときの看護師の行動で適切なのはどれか。

 

  1. ナースステーションに戻り、リーダーに相談する。
  2. Aさんに待つよう説明し、Bさんのトイレ介助を行う。
  3. Bさんに待つよう説明し、Aさんを検査室に移送する。
  4. その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。

 

 


 

▶午後71

診療情報について適切なのはどれか。

 

  1. 診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
  2. 2類感染症の罹患情報は市区町村長に届け出る。
  3. 医療者は患者が「知りたくない」と拒否した場合でも病状を説明する。
  4. 他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報提供書を作成する。

 

 


 

▶午後72

サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉について正しいのはどれか。

 

  1. 活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。
  2. 災害発生から1週間経過してから活動する。
  3. 被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。
  4. 苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。

 

 


 

▶午後73

尿量の調節に深く関わるホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. カルシトニン
  3. グルカゴン
  4. ソマトスタチン
  5. バソプレシン

 

 


 

▶午後74

止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。

 

  1. カルシウムイオン
  2. フィブリノゲン
  3. プラスミノゲン
  4. プロトロンビン
  5. セロトニン

 

 


 

▶午後75

体内で代謝された結果、胆汁酸として胆汁中に分泌されるのはどれか。

 

  1. DNA
  2. RNA
  3. グリコーゲン
  4. ヘモグロビン
  5. コレステロール

 

 


 

▶午後76

直腸の構造で正しいのはどれか。

 

  1. 陰窩には杯細胞が存在する。
  2. 粘膜の表面には絨毛がある。
  3. 縦走筋は結腸ヒモを作る。
  4. 肛門管は血管が少ない。
  5. 肛門管は内腔が広い。

 

 


 

▶午後77

外傷や風邪で発熱し、解熱するまでの体温のセットポイントと実際の体温(核心温度)の変化の例を図に示す。
113pm77
全身のふるえが起こるのはどれか。

 

 

 


 

▶午後78

胃癌の胃切除術後5年ほどで欠乏し貧血を起こさせるのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB12
  4. ビタミンC
  5. ビタミンK

 

 


 

▶午後79

もやもや病について正しいのはどれか。

 

  1. 脳動静脈の奇形である。
  2. 浅側頭動脈の狭窄が原因である。
  3. 代償性の側副血行路が形成される。
  4. ポリオウイルスの感染が関与する。
  5. Willis〈ウィリス〉動脈輪への血栓閉塞で生じる。

 

 


 

▶午後80

感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手足口病――アデノウイルス
  2. 咽頭結膜熱――ヒトパピローマウイルス〈HPV〉
  3. 突発性発疹症――コクサッキーウイルス
  4. 伝染性単核球症――Epstein-Barr〈EB〉ウイルス
  5. ヘルパンギーナ――単純ヘルペスウイルス

 

 


 

▶午後81

短期記憶と関係が深いのはどれか。

 

  1. 海馬
  2. 脊髄
  3. 松果体
  4. 視床下部

 

 


 

▶午後82

市町村による大腸がん検診の項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 問診
  2. 直腸診
  3. 血液検査
  4. 便潜血検査
  5. 腹部エックス線検査

 

 


 

▶午後83

開心術後の心タンポナーデで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 徐脈
  2. 心音減弱
  3. 心拍出量の増加
  4. 中心静脈圧の上昇
  5. 吸気時収縮期圧の10mmHg上昇

 

 


 

▶午後84

Sjögren〈シェーグレン〉症候群でリンパ球が浸潤して障害が起こるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 胸腺
  2. 涙腺
  3. 甲状腺
  4. 唾液腺
  5. 副甲状腺

 

 


 

▶午後85

成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 実施前に咽頭部の分泌物を吸引する。
  2. 吸引圧は-40kPa(300mmHg)に調整する。
  3. 気管チューブと同じ内径のカテーテルを用いる。
  4. カテーテルは気管分岐部にあたらないように挿入する。
  5. カテーテルの挿入開始から終了まで30秒で行う。

 

 


 

▶午後86

Aさん(55歳、男性、会社員)は30年の喫煙歴がある。会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
Aさんの自己効力感を高める支援はどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんの運動への取り組みを評価する。
  2. Aさんの職場の上司に配置転換を依頼する。
  3. Aさんが取り組めそうな目標を一緒に設定する。
  4. Aさんが生活習慣を改善する気持ちになるまで待つ。
  5. Aさんが脳血管疾患になる危険性が高いことを説明する。

 

 


 

▶午後87

成人の糖尿病患者に対するペン型インスリン自己注射の指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「ブドウ糖を携帯してください」
  2. 「注射部位は毎回変えてください」
  3. 「注射をした後は注射部位をよくもんでください」
  4. 「針は皮膚に対して30度の角度で刺してください」
  5. 「未使用のインスリンは冷凍庫で保管してください」

 

 


 

▶午後88

高齢者の基本的日常生活動作〈BADL〉で評価する内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 整容
  2. 意思疎通
  3. 階段昇降
  4. 金銭管理
  5. 服薬管理

 

 


 

▶午後89

インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 法令で書式が統一されている。
  2. 責任追及のためには使用されない。
  3. インシデントの発生から1か月後に提出する。
  4. 分析結果は他職種を含めて組織全体で共有する。
  5. 医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例の報告は不要である。

 

 


 

▶午後90

20滴で1mLの輸液セットを用いて500mLの輸液を3時間30分かけて実施する場合の1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②滴

 

 


 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第113回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和6年2月11日(日)に実施された第113回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第113回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前5(必修除外)

臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているのはどれか。

 

  1. オタワ憲章
  2. リスボン宣言
  3. ジュネーブ宣言
  4. ヘルシンキ宣言

 

 


 

▶午前23(必修除外)

トリアージタッグを別に示す。
113am23
待機的治療群となるトリアージタッグはどれか。

 

 

 


 

▶午前25(必修除外)

代謝性アシドーシスによって起こる呼吸はどれか。

 

  1. 奇異呼吸
  2. 口すぼめ呼吸
  3. Biot〈ビオー〉呼吸
  4. Kussmaul〈クスマウル〉呼吸
  5. Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸

 

 


 

▶午前26

神経線維には髄鞘のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄鞘の働きはどれか。

 

  1. 活動電位の発生頻度を増やす。
  2. 活動電位のピークを高くする。
  3. 活動電位の伝導速度を速くする。
  4. 活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。

 

 


 

▶午前27

舌の模式図を示す。
113am27
味蕾が少ない部位はどれか。

 

 

 


 

▶午前28改題

労働力調査における平成22年(2010年)と令和5年(2023年)の男性と女性の労働力人口の比較で正しいのはどれか。

 

  1. 男性、女性とも減少している。
  2. 男性、女性とも増加している。
  3. 男性は減少し、女性は増加している。
  4. 男性は増加し、女性は減少している。

 

 


 

▶午前29

生活保護法に基づき生活保護の実務を行うのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 福祉事務所
  3. 精神保健福祉センター
  4. 地域包括支援センター

 

 


 

▶午前30

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、診断した際に全数を届け出る疾患はどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性髄膜炎
  3. 水痘
  4. 梅毒

 

 


 

▶午前31

健やか親子21(第2次)の基盤課題A「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」の目標はどれか。

 

  1. 児童虐待による死亡数の減少
  2. 十代の人工妊娠中絶率の減少
  3. 妊娠・出産について満足している者の割合の増加
  4. マタニティマークを妊娠中に使用したことのある母親の割合の増加

 

 


 

▶午前32

健康寿命の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
  2. 令和元年(2019年)の健康寿命は女性より男性の方が長い。
  3. 令和元年(2019年)の健康寿命は平成28年(2016年)よりも短い。
  4. 平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活が過ごせる期間である。

 

 


 

▶午前33

入院中のAさんの親族と名乗る者から「急用があるためAさんと話をさせてほしい」と病棟に電話があった。
看護師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 「用件を教えてください」
  2. 「このままおつなぎします」
  3. 「Aさんにかけ直してもらいます」
  4. 「Aさんという方が入院中かどうかはお答えできません」

 

 


 

▶午前34

成人の心音の聴診部位を図に示す。
113am34
心音の聴診における、僧帽弁領域はどれか。
ただし、聴取部位は●で示す。

 

 

 


 

▶午前35

滅菌手袋を図に示す。
113am35
右手から装着する場合に、左手の母指と示指でつかんで持ち上げる位置で適切なのはどれか。

 

 

 


 

▶午前36

仰臥位の患者の良肢位で正しいのはどれか。

 

  1. 肩関節外転90度
  2. 肘関節屈曲90度
  3. 膝関節屈曲90度
  4. 足関節底屈90度

 

 


 

▶午前37

病室で読書をする際に適した照度はどれか。

 

  1. 100ルクス
  2. 300ルクス
  3. 500ルクス
  4. 1,000ルクス

 

 


 

▶午前38

成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入で適切なのはどれか。

 

  1. 挿入時は腹圧をかけるように促す。
  2. カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。
  3. 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。
  4. 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

 

 


 

▶午前39

排痰を促す目的で行うのはどれか。

 

  1. タッチング
  2. スクイージング
  3. 漸進的筋弛緩法
  4. 持続的気道陽圧〈CPAP〉療法

 

 


 

▶午前40

鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位にする。
  2. Bellocq〈ベロック〉タンポンを挿入する。
  3. Kiesselbach〈キーゼルバッハ〉部位を圧迫する。
  4. 咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する。

 

 


 

▶午前41

成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールはどれか。

 

  1. フェイススケール
  2. NRS
  3. VAS
  4. VRS

 

 


 

▶午前42

肝切除術後3日の患者のドレーンから黄褐色の排液がみられた。
考えられる原因はどれか。

 

  1. 黄疸
  2. 出血
  3. 腹水
  4. 胆汁漏

 

 


 

▶午前43

減感作療法を受ける患者への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「治療期間は1か月です」
  2. 「静脈内注射でアレルゲンを投与します」
  3. 「治療後はアレルゲンを気にせず生活できます」
  4. 「投与後30分はアナフィラキシー症状を観察します」

 

 


 

▶午前44

尋常性乾癬の患者への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 患部に日光を当てない。
  2. 搔痒感があるときは患部を温める。
  3. 機械的刺激が加わらないよう患部を覆う。
  4. 落屑が多いときは蛋白質の摂取を減らす。

 

 


 

▶午前45

喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。

 

  1. 難聴
  2. 嗅覚低下
  3. 咀嚼困難
  4. 誤嚥

 

 


 

▶午前46

自助具を図に示す。
関節リウマチによって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減する自助具で適切なのはどれか。

 

113am46

 

 


 

▶午前47

Aさん(47歳、男性、会社員)は尿管結石による疝痛発作で入院した。入院翌日、自然に排石され、疼痛は消失したものの、結石が残存している。入院前は、ほぼ毎日、飲酒を伴う外食をしていた。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「シュウ酸を多く含む食品を摂取しましょう」
  2. 「1日2L程度の水分を摂取しましょう」
  3. 「排石までは安静にしましょう」
  4. 「飲酒量に制限はありません」

 

 


 

▶午前48

マンモグラフィを受ける成人女性への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「仰臥位で行います」
  2. 「検査前は絶食です」
  3. 「造影剤を使います」
  4. 「二方向から撮影します」

 

 


 

▶午前49

Aさん(86歳、女性)は、生まれ育った地域で、近所に住む友人と交流しながら1人で暮らしていた。買い物へ行く途中に転倒し、腰椎圧迫骨折で入院治療を受けた。退院後は他県に住む長女夫婦と同居している。暮らし始めて間もなく、Aさんは「私はここで暮らして、新しい友人ができるかしら」と長女に訴えるようになり、徐々に口数が少なくなった。
このときのAさんの状況はどれか。

 

  1. 閉じこもり
  2. 廃用症候群
  3. セルフ・ネグレクト
  4. リロケーションダメージ

 

 


 

▶午前50

高齢者の歩行時につまずきが見られる場合、筋力低下が考えられる筋肉はどれか。

 

  1. 大殿筋
  2. 前脛骨筋
  3. 下腿三頭筋
  4. 大腿四頭筋

 

 


 

▶午前51

高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 医療の給付は市町村が行う。
  2. 高齢者は一律3割の医療費を自己負担する。
  3. 40歳以上の被保険者と被扶養者にがん検診を行う。
  4. 後期高齢者の医療給付の内容は国民健康保険と同じである。

 

 


 

▶午前52

高齢者のコミュニケーション障害の要因と状態の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 歯牙の欠損――言葉が出てこない。
  2. 耳垢の蓄積――音が小さく聞こえる。
  3. 想起能力の低下――相手の表情が読み取れない。
  4. 語音弁別能の低下――はっきり発音できない。

 

 


 

▶午前53

Aさん(92歳、女性)は重度の障害のため体を動かすことができないが、表情などで意思表示はできる。Aさんは食べることが好きで「最期まで口から食べたい」と言っていた。最近は誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しており、現在は入院中で終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。
家族への退院時の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「24時間付き添ってあげましょう」
  2. 「オムツの重さで尿量を測定しましょう」
  3. 「Aさんの息が苦しそうになったら救急車を呼びましょう」
  4. 「Aさんが食べたいと望めば、口から食べさせてあげましょう」

 

 


 

▶午前54

Bowlby〈ボウルビィ〉が提唱したアタッチメントの記述で正しいのはどれか。

 

  1. 人見知りは6、7か月の乳児に出現する。
  2. 安全基地は家の中での子どもの居場所のことである。
  3. 子どもと不特定の他者との間に築かれる情緒的な結びつきである。
  4. 愛着対象との分離で生じる子どもの行動の第一段階は「絶望の段階」である。

 

 


 

▶午前55

出生体重3,020gの正期産児。
新生児期に最もチアノーゼを生じやすい先天性心疾患はどれか。

 

  1. 動脈管開存症
  2. 心室中隔欠損症
  3. 心房中隔欠損症
  4. Fallot〈ファロー〉四徴症

 

 


 

▶午前56

子どもに医療処置を行う際、看護師が行うディストラクションはどれか。

 

  1. 処置後に子どものがんばりを認める。
  2. 人形を用いて子どもに処置を説明する。
  3. 子どもの対処行動のパターンを把握する。
  4. 子どもの注意を処置ではなく他のものに向ける。

 

 


 

▶午前57

乳児に対する一次救命処置〈BLS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 脈拍の確認は橈骨動脈の触知で行う。
  2. 意識レベルは足底を叩きながら反応を確認する。
  3. 救助者が2名いる場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数の比率は30:2である。
  4. 胸骨圧迫の速さ(回数)は130〜150回/分である。

 

 


 

▶午前58

児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づいて行う通告で正しいのはどれか。

 

  1. 警察に通告する。
  2. 守秘義務の遵守が優先される。
  3. 通告にあたっては児童自身の意思を尊重することが規定されている。
  4. 児童が同居している家庭における配偶者に対する暴力は通告の対象となる。

 

 


 

▶午前59

法律で定められている育児時間に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉に規定されている。
  2. 請求できるのは子が1歳6か月に達するまでである。
  3. 父親と母親の両方が取得できる。
  4. 1日に2回請求できる。

 

 


 

▶午前60

日本の人工妊娠中絶で正しいのはどれか。

 

  1. 配偶者の同意が必須である。
  2. 妊娠10週以降は死産の届出が必要である。
  3. 実施が可能なのは妊娠22週未満の場合である。
  4. 実施率は母の年齢が20~24歳よりも20歳未満の方が高い。

 

 


 

▶午前61

自然流産を連続(  )回以上繰り返した状態を習慣流産という。
(  )に当てはまるのはどれか。

 

  1. 2
  2. 3
  3. 4
  4. 5

 

 


 

▶午前62

正常新生児の卵円孔の機能的閉鎖に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇によって閉鎖する。
  2. 肺血流の増加によって起こる。
  3. 出生から数週後に閉鎖する。
  4. 動脈管の閉鎖が要因となる。

 

 


 

▶午前63

自殺対策基本法について正しいのはどれか。

 

  1. 自殺対策強化月間を設けることを定めている。
  2. 国の責務としてゲートキーパーの養成を定めている。
  3. 民間団体による地域自殺対策推進センターの設置を定めている。
  4. 事業主が職場のハラスメントの防止に必要な措置を講じることを義務付けている。

 

 


 

▶午前64

患者とその家族や医療者が患者にとって望ましい治療を探り、お互いが納得する治療を選択できるようにしていくのはどれか。

 

  1. 心理教育
  2. 共同意思決定
  3. ストレングス
  4. アドヒアランス

 

 


 

▶午前65

Aさん(30歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。会社の会議ではいつも寝てしまい、居眠り運転で交通事故を起こしたこともある。笑ったときに脱力してしまうことや、入眠時に誰もいないのに人影が見えたり、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。
最も考えられる疾患はどれか。

 

  1. ナルコレプシー
  2. レム睡眠行動障害
  3. 睡眠時無呼吸症候群
  4. レストレスレッグス症候群〈むずむず脚症候群〉

 

 


 

▶午前66

Aさん(43歳、男性)は統合失調症で通院していたが、服薬中断によって幻覚妄想状態が続いていた。ある日、Aさんの父親に対する被害妄想が強くなり、父親へ殴りかかろうとしたところを母親に制止された。その後、Aさんは母親に促されて精神科病院を受診し「薬は飲みたくないけど、父親が嫌がらせをするので、すぐに入院して家から離れたい」と訴えた。母親も入院治療を強く希望している。
Aさんの入院形態はどれか。

 

  1. 応急入院
  2. 措置入院
  3. 任意入院
  4. 医療保護入院

 

 


 

▶午前67

Aさん(55歳、男性)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で、経口摂取と胃瘻による経管栄養を併用し、在宅療養することになった。
Aさんと家族介護者への指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 水分は経口による摂取とする。
  2. 経口摂取中は頸部前屈位とする。
  3. 経管栄養剤以外の注入を禁止する。
  4. 注入時間に合わせて生活パターンを変更する。

 

 


 

▶午前68改題

令和4年(2022年)の介護サービス施設・事業所調査において、介護保険制度による訪問看護の利用者の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 要介護5の利用者が最も多い。
  2. 傷病別では悪性新生物が最も多い。
  3. 医療保険制度による利用者よりも多い。
  4. 要支援1、2の利用者は全体の利用者の4割を占める。

 

 


 

▶午前69

Aさん(82歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。認知症と診断され、週1回の訪問看護を利用することになった。訪問看護師は、Aさんが調理できなくなったので、配食サービスを導入したと介護支援専門員から情報を得た。初回訪問時に、Aさんは季節外れの服を着ており、今日の日付を答えられなかった。トイレで排泄できている。
訪問看護師が収集した情報のうち、手段的日常生活動作〈IADL〉はどれか。

 

  1. 調理ができない。
  2. 季節外れの服を着ている。
  3. トイレで排泄できている。
  4. 今日の日付を答えられない。

 

 


 

▶午前70

Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。
訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 高齢者の介護方法について説明する。
  2. 訪問看護の時間中に長男に外出を促す。
  3. Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。
  4. 親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。

 

 


 

▶午前71

看護師等の人材確保の促進に関する法律で規定されているのはどれか。

 

  1. 人員配置基準に基づき看護師を配置する。
  2. 看護師等の資質の向上のための研修等を行う。
  3. 新入職員を雇い入れるときに健康診断を行う。
  4. 年5回の年次有給休暇を取得させることが義務付けられている。

 

 


 

▶午前72

A君(4歳、男児)は地震による災害のため体育館に両親と避難し、2週後に仮設住宅に移動した。その後1か月経過したころから、A君はわざと机や椅子をガタガタ揺らしながら「地震だ、逃げろ」などと騒いで遊んでいた。母親は仮設住宅に巡回に来ていた看護師に「Aの遊びにどのように対応したらよいでしょうか」と相談した。
看護師の母親への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「すぐに児童精神科の医師の診察を受けましょう」
  2. 「危険な遊びにエスカレートしないよう、やめさせましょう」
  3. 「避難できたから安心だね、と声をかけながら見守りましょう」
  4. 「A君に家の手伝いをしてもらい何か役割を担ってもらいましょう」

 

 


 

▶午前73

発災直後、自家用車に泊まり生活を始めた避難者に発生しやすいのはどれか。

 

  1. 生活不活発病
  2. 静脈血栓塞栓症
  3. 圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉
  4. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉

 

 


 

▶午前74

Aちゃん(3歳)は、両親(外国籍)と3人で暮らしている。来日して1か月が経った。2日前に急性胃腸炎で個室に入院した。症状が改善し、経口での食事を再開することになった。看護師が訪室すると、香辛料の香りが部屋に充満しており、唐辛子の入った肉などのたくさんの料理が並べられていた。母親は看護師に気付くと「Aは日本食には慣れておらず、食べられないので家で作ってきました」と話した。
このときの母親への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 普段のAちゃんの食事の内容を尋ねる。
  2. 栄養指導を受けるまで食事の持ち込みはできないと説明する。
  3. たくさん食べさせてAちゃんの体力を回復させるよう伝える。
  4. 病院食を完食するまで、持ち込み食は食べさせないよう伝える。

 

 


 

▶午前75

声帯の運動や緊張度を調節する神経を分枝するのはどれか。

 

  1. 三叉神経
  2. 顔面神経
  3. 舌咽神経
  4. 迷走神経
  5. 舌下神経

 

 


 

▶午前76

乳房について正しいのはどれか。

 

  1. 月経前に乳房が張りやすいのはエストロゲンの影響である。
  2. 乳腺周囲の平滑筋はオキシトシンによって弛緩する。
  3. 乳腺はアポクリン汗腺が変化したものである。
  4. 乳房は褐色脂肪組織である。
  5. 乳管は乳汁を産生する。

 

 


 

▶午前77

小脳の機能はどれか。

 

  1. 睡眠と覚醒
  2. 姿勢反射の中枢
  3. 振動感覚の中継
  4. 随意運動の制御
  5. 下行性の疼痛抑制

 

 


 

▶午前78

出生後の成長で、最も早く成人の大きさに達するのはどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 心臓
  3. 脊柱

 

 


 

▶午前79

大動脈解離で真腔と偽腔(解離腔)が形成される。
偽腔が形成される大動脈壁の部位はどれか。

 

  1. 外膜
  2. 外膜と中膜の間
  3. 中膜
  4. 中膜と内膜の間
  5. 内膜

 

 


 

▶午前80

甲状腺クリーゼについて正しいのはどれか。

 

  1. 低体温となる。
  2. 致死率は2%以下である。
  3. 誘因として感染症が多い。
  4. 初期症状として徐脈を認める。
  5. 甲状腺ホルモンの欠乏症である。

 

 


 

▶午前81

転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いのはどれか。

 

  1. 胃癌
  2. 乳癌
  3. 肺癌
  4. 大腸癌
  5. 子宮頸癌

 

 


 

▶午前82

労働者災害補償保険法に規定されている保険者はどれか。

 

  1. 事業主
  2. 市町村
  3. 都道府県
  4. 健康保険組合

 

 


 

▶午前83

肺結核について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核の10%程度である。
  2. 感染経路は接触感染である。
  3. 肺アスペルギルス症と同じ原因菌である。
  4. 二次性の発症は過去の感染の再活性化による。
  5. DOTS〈Directly Observed Treatment, Short-course〉が推奨される。

 

 


 

▶午前84

敗血症性ショックについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血圧は上昇する。
  2. 血中の乳酸濃度は低下する。
  3. エンドトキシンが原因である。
  4. 最重症の臨床像は多臓器不全である。
  5. コールドショックからウォームショックに移行する。

 

 


 

▶午前85

てんかんについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. けいれんと同義である。
  2. 症候性てんかんは脳内病変を伴う。
  3. 単純部分発作では意識障害を認める。
  4. 特発性の全般てんかんは高齢者に多い。
  5. 脳の神経細胞の発作性電気的興奮によって起こる。

 

 


 

▶午前86

エックス線を用いて行う検査はどれか。2つ選べ。

 

  1. 脳波検査
  2. 筋電図検査
  3. 頭部CT検査
  4. サーモグラフィ
  5. 上部消化管造影検査

 

 


 

▶午前87

全身麻酔下で胃全摘出術を受ける患者に対する無気肺の予防法はどれか。2つ選べ。

 

  1. 腹帯の装着
  2. 抗菌薬の使用
  3. ハフィング法
  4. 弾性ストッキングの装着
  5. インセンティブ・スパイロメトリーの使用

 

 


 

▶午前88

肝硬変による肝性脳症で生じるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 浮腫
  2. 異常行動
  3. くも状血管腫
  4. 羽ばたき振戦
  5. メドゥーサの頭

 

 


 

▶午前89

高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 原因を特定しやすい。
  2. 症候が定型的である。
  3. 若年者と比較して個人差は少ない。
  4. 薬物による有害事象が出現しやすい。
  5. 原疾患とは関連のない老年症候群が発生しやすい。

 

 


 

▶午前90

薬剤投与に関する重大な医療事故が発生した。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者の状況を確認して安全を確保する。
  2. 事故発生状況の詳細を看護記録に残す。
  3. 薬剤投与に使用した物品は直ちに処分する。
  4. 患者の容態が落ち着いてから上司に報告する。
  5. 患者および家族に事故状況を説明するのは、原因が判明した後にする。

 

 

 

 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第113回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第112回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後26

心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
このときの心臓で正しいのはどれか。

 

  1. 僧房弁は開いている。
  2. 大動脈弁は開いている。
  3. 左心室の容積は最小である。
  4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。

 

 


 

▶午後27

リンパの流れで正しいのはどれか。

 

  1. 成人の胸管を流れる量は1日約10Lである。
  2. 右上半身のリンパは胸管に流入する。
  3. 中枢から末梢への一方向に流れる。
  4. 筋運動を行うと流量は増加する。

 

 


 

▶午後28

肥大型心筋症について正しいのはどれか。

 

  1. ウイルス感染が主な病因である。
  2. 拡張障害が問題となる。
  3. 左室内腔は拡大する。
  4. 弁膜に肥厚を認める。

 

 


 

▶午後29

歯周病について正しいのはどれか。

 

  1. 原因はウイルス感染が多い。
  2. 発症の直接因子として飲酒がある。
  3. 真性ポケットが形成される歯周炎を含む。
  4. 破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎である。

 

 


 

▶午後30

帯状疱疹について正しいのはどれか。

 

  1. 運動神経麻痺は生じない。
  2. 感染の既往として水痘がある。
  3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。
  4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

 

 


 

▶午後31改題

令和4年度(2022年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
  2. 労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
  3. 人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
  4. 雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が17.13%である。

 

 


 

▶午後32

生活保護法の扶助の種類とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――医療にかかる費用
  2. 教育扶助――高等学校以上の教育にかかる費用
  3. 住宅扶助――住宅の購入にかかる費用
  4. 出産扶助――新生児の育児用品にかかる費用

 

 


 

▶午後33

健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。
  2. 推計患者数には助産所を利用した者を含む。
  3. 受療率は人口10万人に対する推計患者数である。
  4. 平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。

 

 


 

▶午後34

介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に実施できる医行為はどれか。

 

  1. 摘便
  2. 喀痰吸引
  3. 血糖測定
  4. インスリン注射

 

 


 

▶午後36

針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 採血時に手袋を着用する。
  2. 採血部位をアルコールで消毒する。
  3. 抜針した採血針はキャップをして破棄する。
  4. 針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する。

 

 


 

▶午後37

安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. Sims〈シムス〉位――腰背部
  2. 側臥位――胸腹部
  3. 半座位――前胸部
  4. 腹臥位――膝窩部

 

 


 

▶午後38

便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 灰白色便――Crohn〈クローン〉病
  2. 鮮紅色便――鉄剤の内服
  3. タール便――上部消化管出血
  4. 米のとぎ汁様便――急性膵炎

 

 


 

▶午後39

患者の足底と杖をつく位置を図に示す。
112pm39
両上肢の動きに制限がなく、右下肢に軽度の筋力低下がある患者の三点歩行で、歩き始めの杖の位置が適切なのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後40

創傷治癒の成熟期の状態はどれか。

 

  1. マクロファージが創内を清浄化する。
  2. 基底細胞が創面を覆う。
  3. 肉芽組織を形成する。
  4. 瘢痕を形成する。

 

 


 

▶午後41

成人への与薬方法で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射は大殿筋に行う。
  2. 坐薬は肛門から1cm挿入する。
  3. バッカル錠は、かんでから飲み込む。
  4. 点眼薬は下眼瞼結膜の中央に滴下する。

 

 


 

▶午後42

成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。

 

  1. 胸部が濡れている場合は電極パッドを貼る前に拭き取る。
  2. 電極パッドは左前胸部に並べて貼る。
  3. 心電図の解析中にも胸骨圧迫を継続する。
  4. 心拍が再開されたら電極パッドを直ちにはがす。

 

 


 

▶午後43

経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定値に影響を及ぼすのはどれか。

 

  1. 頻脈
  2. 高血圧
  3. 高体温
  4. 末梢循環不全

 

 


 

▶午後44

仰臥位で手術を受けた患者が術後に上肢の薬指と小指のしびれを訴えた。
しびれの原因として考えられるのはどれか。

 

  1. 頸部の伸展
  2. 前腕の回内
  3. 肩関節の内旋
  4. 肘関節の伸展

 

 


 

▶午後45

Aさん(58歳)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で在宅療養をしている。嚥下機能の低下が進行したため入院し、胃瘻の造設が検討されているが、経口摂取の継続を希望している。
看護師が連携する職種で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 言語聴覚士
  2. 作業療法士
  3. 理学療法士
  4. 介護支援専門員

 

 


 

▶午後46

臨死期にある患者の家族から「のどがゴロゴロと鳴っていて苦しんでいます。この苦痛をとってあげたい」と相談された。看護師が、呼吸音を聴取すると咽頭に雑音を認めた。
患者の苦痛を緩和するための対応で適切なのはどれか。

 

  1. 顔を横に向ける。
  2. 気管支拡張薬を用いる。
  3. 口腔内をガーゼで拭く。
  4. 雑音が消失するまで吸引する。

 

 


 

▶午後47

成人の気管支喘息に対する副腎皮質ステロイド薬の吸入で正しいのはどれか。

 

  1. 糖尿病の患者への投与は禁忌である。
  2. 副作用〈有害事象〉に不整脈がある。
  3. 重積発作の際に使用する。
  4. 吸入後は含嗽を促す。

 

 


 

▶午後48

Aさん(43歳、男性)は胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため血液検査を行い、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療を行うことになった。
血液検査の項目でAさんに生じた合併症を判断できるのはどれか。

 

  1. アミラーゼ〈AMY〉
  2. アルブミン〈Alb〉
  3. カリウム〈K〉
  4. クレアチンキナーゼ〈CK〉

 

 


 

▶午後49

パッチテストで皮膚反応を観察するタイミングはどれか。

 

  1. 12時間後
  2. 24時間後
  3. 36時間後
  4. 48時間後

 

 


 

▶午後50

シクロホスファミドを投与している患者で注意が必要なのはどれか。

 

  1. 緑内障
  2. 間質性肺炎
  3. 歯肉の肥厚
  4. 出血性膀胱炎

 

 


 

▶午後51

ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」
  2. 「HPVワクチンを接種した人が対象です」
  3. 「陽性であれば子宮頸癌と診断されます」
  4. 「HPV抗原検査も同時に行います」

 

 


 

▶午後52改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。

 

  1. 75歳以上の通院率は約9割である。
  2. 65歳以上の半数以上が有訴者である。
  3. 65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
  4. 65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。

 

 


 

▶午後53

平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 単身世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 単身の子どもと同居世帯

 

 


 

▶午後54

Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「介護は楽しいですよ」
  2. 「介護にはすぐに慣れますよ」
  3. 「家族で介護できるよう頑張りましょう」
  4. 「介護についてどのような思いがありますか」

 

 


 

▶午後55

子どもの発達で正しいのはどれか。

 

  1. 発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
  2. 原始反射は生後6〜12か月にみられる。
  3. 基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
  4. 新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。

 

 


 

▶午後56

乳歯について正しいのはどれか。

 

  1. 永久歯より石灰化度が高い。
  2. 生後8か月に生えそろう。
  3. 胎児期に石灰化が始まる。
  4. 本数は永久歯と同じである。

 

 


 

▶午後57

子どもの平行遊びで正しいのはどれか。

 

  1. 3歳ころまでの主要な遊びである。
  2. 他の子どもが遊ぶ様子を見て楽しむ。
  3. リーダーの存在や役割の分担がある。
  4. 他の子どもとおもちゃの貸し借りを行う。

 

 


 

▶午後58

母体保護法に規定されているのはどれか。

 

  1. 産後の休業
  2. 妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限
  3. 妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止
  4. 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶

 

 


 

▶午後59

閉経について正しいのはどれか。

 

  1. 閉経すると腟の自浄作用が低下する。
  2. 閉経後はエストロゲン分泌が増加する。
  3. 日本人の閉経の平均年齢は55歳である。
  4. 10か月の連続した無月経の確認で診断される。

 

 


 

▶午後60

妊娠に伴う母体の生理的変化とその時期の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 体温が低下する。――妊娠5週ころ
  2. 乳房が緊満する。――妊娠15週ころ
  3. つわりが軽減する。――妊娠11週ころ
  4. 循環血液量が最大になる。――妊娠32週ころ

 

 


 

▶午後61

産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。

 

  1. 児が乳頭を吸啜することによってオキシトシンが分泌される。
  2. 子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。
  3. 分娩後は一時的に尿量が減少する。
  4. プロゲステロンが増加する。

 

 


 

▶午後62

大規模災害が発生し、被災した住民は自治体が設置した避難所に集まり避難生活を始めた。発災3日、自治体から派遣された看護師は避難所の片隅で涙ぐんでいるAさんへの関わりを始めた。Aさんは「悲しい気持ちが止まりません」と話している。
このときのAさんへの看護師の発言で適切なのはどれか。

 

  1. 「災害以外のことを何か考えましょう」
  2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」
  3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」
  4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

 

 


 

▶午後63

精神病床に入院し、身体的拘束が必要となる攻撃性の高い精神疾患患者のケアで正しいのはどれか。

 

  1. 心的外傷〈トラウマ〉体験を想定して支援を行う。
  2. 患者が暴力行為に及んだ場合は積極的に反省を促す。
  3. 患者の攻撃性が収まるまで疾患や治療の教育を行うことは避ける。
  4. 患者の身体的拘束が解除されてから病棟のスケジュールの説明を行う。

 

 


 

▶午後64

一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 自立生活援助
  3. ピアサポート
  4. 就労継続支援A型

 

 


 

▶午後65

Aさん(70歳、男性)は神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入し在宅療養を開始することになった。
Aさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。

 

  1. 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
  2. カテーテルは大腿の内側に固定する。
  3. 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
  4. カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。

 

 


 

▶午後66

Aさん(88歳、女性、要介護1)は長女(58歳、会社員)と2人暮らしで、胃瘻を造設し訪問看護を利用している。看護師の訪問時、Aさんは頭痛、嘔気を訴え、ベッドに横になっていた。バイタルサインは、体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整、血圧102/76mmHg、口唇が乾燥している。室温は30℃である。長女に連絡し、かかりつけ医に往診を依頼することにした。
医師が到着するまでの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 頭を高くする。
  2. 腋窩を冷やす。
  3. 水を飲ませる。
  4. 中枢から末梢に下肢をマッサージする。

 

 


 

▶午後67

指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。

 

  1. 看護職員以外は配置できない。
  2. 緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。
  3. 訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
  4. 従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。

 

 


 

▶午後68

Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。
このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 救急車を要請するよう提案する。
  2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。
  3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。
  4. 一度に倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

 

 


 

▶午後69

A病院の組織図を示す。
112pm69
医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。

 

 

 


 

▶午後70

医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。

 

  1. 医療安全支援センターを設置する。
  2. 医療安全管理者養成研修を実施する。
  3. 医療の安全を確保するための指針を策定する。
  4. 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。

 

 


 

▶午後71

災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。

 

  1. 地域災害拠点病院は市町村が指定する。
  2. 災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
  3. トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
  4. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。

 

 


 

▶午後72

Aさん(58歳、男性)は外国籍の妻(40歳)と10年前に結婚し、2人で暮らしている。虚血性心疾患と診断され、外来看護師による生活指導を妻と一緒に受けることになった。初回の面談で、A さんは「10年間で体重が10kg増えました。妻の母国の習慣で味が濃いおかずや揚げ物とご飯を1日に何度も食べています。最近、2人とも運動をしなくなりました」と話した。
このときの外来看護師のAさんと妻への最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣の改善についてAさんと妻に考えを聞く。
  2. 食事は1日3回までにするよう指導する。
  3. 毎日1時間のウォーキングを提案する。
  4. 料理教室に通うことを勧める。

 

 


 

▶午後73

上肢の運動を図に示す。
112pm73
肩関節の屈曲の可動域測定で正しいのはどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

 

 


 

▶午後74

細菌が体内に初めて侵入したときに最初に産生される免疫グロブリンはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgG
  5. IgM

 

 


 

▶午後75

膀胱の蓄尿と排尿反射で正しいのはどれか。

 

  1. 排尿中枢はホルモンによって制御される。
  2. 排尿反射は交感神経を介して起こる。
  3. 蓄尿時に内尿道括約筋は収縮する。
  4. 排尿時に外尿道括約筋は収縮する。
  5. 蓄尿時に排尿筋は収縮する。

 

 


 

▶午後76

全身性エリテマトーデス〈SLE〉でプレドニゾロンを長期間服用している成人女性の患者で、血中濃度が顕著に低下しているのはどれか。

 

  1. インスリン
  2. 甲状腺ホルモン
  3. エストラジオール
  4. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 

▶午後77

心電図検査の胸部誘導で電極を第4肋間胸骨右縁に装着するのはどれか。

 

  1. V1
  2. V2
  3. V4
  4. aVR

 

 


 

▶午後78

プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。

 

  1. 下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。
  2. 男性ホルモンによって腎排泄が増加する。
  3. 激しい運動で産生が減少する。
  4. 利尿薬によって排泄される。
  5. 肝臓で分解される。

 

 


 

▶午後79

血液透析について正しいのはどれか。

 

  1. 合併症は腹膜炎が多い。
  2. 食事はカルシウムを制限する。
  3. 導入初期には不均衡症候群が起こる。
  4. 導入の原因疾患はIgA腎症が最も多い。
  5. 透析に用いる半透膜はタンパク質が通過する。

 

 


 

▶午後80

成人に経鼻経管栄養の胃管を挿入する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 挿入時、患者の体位は仰臥位にする。
  3. 胃管が咽頭に達するまで頸部を前屈してもらう。
  4. 胃管が咽頭に達したら嚥下を促す。
  5. 水を注入して胃管の先端が胃内に到達したことを確認する。

 

 


 

▶午後81

介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

 

  1. 簡易浴槽
  2. 特殊寝台
  3. 体位変換器
  4. 移動用リフト
  5. 取り付け工事を伴わないスロープ

 

 


 

▶午後82

標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になるのはどれか。

 

  1. 生後6か月
  2. 生後12か月
  3. 2歳
  4. 4歳
  5. 6歳

 

 


 

▶午後83

女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. オキシトシン
  3. 成長ホルモン
  4. 甲状腺ホルモン
  5. テストステロン

 

 


 

▶午後84

Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。
Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 排泄
  2. 個人衛生
  3. 安全を保つ能力
  4. 活動と休息のバランス
  5. 孤独と付き合いのバランス

 

 


 

▶午後85

薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉の実施が必要な薬物はどれか。2つ選べ。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. ジギタリス
  4. 炭酸リチウム
  5. ニトログリセリン

 

 


 

▶午後86

高齢者の睡眠で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単相性の睡眠になる。
  2. 浅い眠りが少なくなる。
  3. 総睡眠時間が延長する。
  4. 中途覚醒の回数が増加する。
  5. 入眠するまでに時間がかかる。

 

 


 

▶午後87

高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血小板数
  2. 尿素窒素
  3. 白血球数
  4. 食後血糖値
  5. AST〈GOT〉

 

 


 

▶午後88

精神保健における三次予防はどれか。2つ選べ。

 

  1. うつ病患者のリワーク支援を行う。
  2. 災害時の精神的支援を行うボランティアを育成する。
  3. 自殺企図をして未遂だった人の希死念慮を確認する。
  4. 精神障害者の長期入院による自発性の低下を予防する。
  5. 統合失調症のアンチ・スティグマ・キャンペーンを行う。

 

 


 

▶午後89

Aちゃん(小学4年生、女児)は父親(40歳、会社員)、母親(40歳、会社員)、弟(小学2年生)と4人で暮らしている。交通事故で頸髄損傷となり、訪問看護を利用して在宅療養を開始した。Aちゃんはこれまで通っていた小学校に継続して通学することを希望している。
Aちゃんの家族への看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 特別支援学校に転校するよう勧める。
  2. 弟の退行現象に注意するよう説明する。
  3. Aちゃんが利用できる社会資源を紹介する。
  4. Aちゃんのケアは主に母親が行うよう助言する。
  5. 事故については家族の間で話題にしないよう指導する。

 

 


 

▶午後90

500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。
使用可能な時間は何分か。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② ③ 分

 

 


 

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注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

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▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

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416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前26

骨格筋の細胞膜には(  )に対する受容体がある。自己抗体がこの受容体の働きを阻害すると骨格筋は収縮できなくなる。
(  )に入る神経伝達物質として正しいのはどれか。

 

  1. アセチルコリン
  2. アドレナリン
  3. ドパミン
  4. ノルアドレナリン

 

 


 

▶午前27

健常な女子(15歳)が野外のコンサートで興奮し、頻呼吸を起こして倒れた。
このときの女子の体内の状態で正しいのはどれか。

 

  1. アルカローシスである。
  2. ヘマトクリットは基準値よりも高い。
  3. 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉は100%を超えている。
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉は基準値よりも高い。

 

 


 

▶午前28

薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。

 

  1. 最高血中濃度
  2. 生物学的半減期
  3. 濃度曲線下面積
  4. 最高血中濃度到達時間

 

 


 

▶午前29

多発性骨髄腫で腫瘍化しているのはどれか。

 

  1. B細胞
  2. T細胞
  3. 形質細胞
  4. 造血幹細胞

 

 


 

▶午前30

くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。

 

  1. 外傷
  2. 脳腫瘍
  3. 脳動脈瘤
  4. 脳動静脈奇形

 

 


 

▶午前31

社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療保険――健康保険法
  2. 介護保険――高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉
  3. 雇用保険――社会福祉法
  4. 年金保険――生活困窮者自立支援法

 

 


 

▶午前32

老人福祉法と介護保険法のいずれにも位置付けられている施設はどれか。

 

  1. 介護医療院
  2. 介護老人保健施設
  3. 老人福祉センター
  4. 老人デイサービスセンター

 

 


 

▶午前33改題

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。

 

  1. 令和4年(2022年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。
  2. 日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。
  3. 早期に発見して治療を開始すれば完治する。
  4. 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。

 

 


 

▶午前34

医療計画について正しいのはどれか。

 

  1. 基準病床数を定める。
  2. 5年ごとに見直しを行う。
  3. 特定機能病院の基準を定める。
  4. 一次、二次および三次医療圏を設定する。

 

 


 

▶午前35

ノロウイルス感染症に罹患した患者の嘔吐物が床に飛び散っている。
この処理に使用する消毒薬で適切なのはどれか。

 

  1. 70%エタノール
  2. ポビドンヨード
  3. 塩化ベンザルコニウム
  4. 次亜塩素酸ナトリウム

 

 


 

▶午前36

臨死期の身体的変化はどれか。

 

  1. 尿量が増加する。
  2. 全身の筋肉が硬直する。
  3. 不規則な呼吸が出現する。
  4. 頸動脈が触れなくなった後、橈骨動脈が触れなくなる。

 

 


 

▶午前37

成人女性に対するベッド上での排泄援助とその目的の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 窓を開ける。――寒冷刺激による排尿促進
  2. 上半身を挙上する。――腹圧のかけやすさによる排泄促進
  3. 外陰部にトイレットペーパーを当てる。――尿臭の防止
  4. 便器の底にトイレットペーパーを敷く。――寝具の汚染防止

 

 


 

▶午前38

成人のノンレム睡眠の特徴はどれか。

 

  1. 体温が上昇する。
  2. 急速な眼球運動がある。
  3. 加齢に伴い時間が長くなる。
  4. 睡眠周期の前半にみられる。

 

 


 

▶午前39

穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 胸腔穿刺――胸骨柄
  2. 骨髄穿刺――第3・4腰椎間
  3. 腹腔穿刺――腹直筋外側の側腹部
  4. 腰椎穿刺――上前腸骨棘

 

 


 

▶午前40

毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。

 

  1. 薬剤師法
  2. 毒物及び劇物取締法
  3. 麻薬及び向精神薬取締法
  4. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

 

 


 

▶午前41

輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 血小板成分製剤――2~6℃
  2. 赤血球成分製剤――2~6℃
  3. 血漿成分製剤――20〜24℃
  4. 全血製剤――20〜24℃

 

 


 

▶午前42

真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。

 

  1. 採血針を皮膚に刺した直後
  2. 真空採血管内への血液の流入が始まったとき
  3. 真空採血管内への血液の流入が終わったとき
  4. ホルダーから真空採血管を抜去した後

 

 


 

▶午前43

MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。

 

  1. 耳栓
  2. 携帯電話
  3. 使い捨てカイロ
  4. キャッシュカード

 

 


 

▶午前44

ムーア, F. D.が提唱した外科的侵襲を受けた患者の生体反応で正しいのはどれか。

 

  1. 傷害期では尿量が増加する。
  2. 転換期では循環血液量が増加する。
  3. 筋力回復期では蛋白の分解が進む。
  4. 脂肪蓄積期では活動性が低下する。

 

 


 

▶午前45

関節拘縮の予防を目的とした関節可動域〈ROM〉訓練で正しいのはどれか。

 

  1. 関節を速く動かす。
  2. 運動麻痺がある場合は患側から行う。
  3. 他動運動は痛みが生じないように行う。
  4. 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。

 

 


 

▶午前46

放射線治療で人体の吸収線量を表す単位はどれか。

 

  1. Bq
  2. eV
  3. Gy
  4. Sv

 

 


 

▶午前47

Aさん(62歳、男性)は呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され、呼吸機能検査を受けた。
換気障害の分類を図に示す。
112am47
Aさんの換気障害の分類で当てはまるのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前48

右肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状はどれか。

 

  1. 散瞳
  2. 構音障害
  3. 閉眼困難
  4. 上肢の疼痛

 

 


 

▶午前49

胃切除術後のダンピング症候群を予防するための食事指導で適切なのはどれか。

 

  1. 15分以内に食べる。
  2. 糖質の多い食事を摂る。
  3. 1回の摂取量を少なくする。
  4. 1日の食事回数を少なくする。

 

 


 

▶午前50

重度の肝硬変で基準値よりも低い値を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 血清アルブミン〈Alb〉
  2. 血清ビリルビン〈Bil〉
  3. 血中アンモニア〈NH3
  4. プロトロンビン時間〈PT〉

 

 


 

▶午前51

成人のばね指で正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 原因は腱の炎症である。
  3. 好発部位は示指である。
  4. 積極的にストレッチを行う。

 

 


 

▶午前52

広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「術後2週から性交は可能です」
  2. 「定期的に排尿を試みてください」
  3. 「調理のときは手袋をしてください」
  4. 「退院当日から浴槽の湯に浸かることができます」

 

 


 

▶午前53

老化に伴う血液・造血器系の変化で適切なのはどれか。

 

  1. エリスロポエチンが増加する。
  2. 黄色骨髄が減少する。
  3. 顆粒球数が増加する。
  4. 赤血球数が減少する。

 

 


 

▶午前54

高齢者の身体拘束に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 身体拘束の実施は担当看護師が決定する。
  2. ミトン型の手袋の使用は身体拘束ではない。
  3. 本人が身体拘束に同意していれば家族への説明は不要である。
  4. 切迫性、非代替性および一時性の全てを満たしている場合に検討される。

 

 


 

▶午前55

65歳以上の高齢者が要介護認定の有無に関わらず利用できるのはどれか。

 

  1. 介護予防教室
  2. 介護老人保健施設
  3. 夜間対応型訪問介護
  4. 通所介護〈デイサービス〉

 

 


 

▶午前56

入院中の高齢者への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 入院当日から複数の看護師が関わる。
  2. 1回の訪室で多くの情報を聴取する。
  3. 1日のスケジュールは口頭で説明する。
  4. 退院後の生活を予測して情報収集する。

 

 


 

▶午前57

1歳6か月の身体発育曲線(体重)を示す。
異常が疑われるのはどれか。

 

112am57 1

112am57 2

 

 


 

▶午前58

幼児期の心理社会的特徴はどれか。

 

  1. 自己中心性
  2. 心理的離乳
  3. ギャングエイジ
  4. ボディイメージの変容

 

 


 

▶午前59

正常な幼児期の基本的生活習慣で、2歳0か月ころまでに習得するのはどれか。

 

  1. 鼻をかむ。
  2. スプーンを使う。
  3. 夜間のおむつがとれる。
  4. 洋服のボタンをとめる。

 

 


 

▶午前60

母子保健法に規定されているのはどれか。

 

  1. 母子健康包括支援センター
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 助産施設
  4. 特定妊婦

 

 


 

▶午前61

排卵のある正常な月経周期で正しいのはどれか。

 

  1. 黄体は形成後1週間で萎縮する。
  2. エストロゲンの作用で子宮内膜が分泌期になる。
  3. 発育した卵胞の顆粒膜細胞からプロゲステロンが分泌される。
  4. エストロゲンのポジティブフィードバックによって黄体形成ホルモンの分泌が増加する。

 

 


 

▶午前62

不妊症について正しいのはどれか。

 

  1. 約6割は原因不明である。
  2. 検査に基礎体温測定がある。
  3. 治療の1つに不妊手術がある。
  4. 女性の年齢は治療効果に影響しない。

 

 


 

▶午前63

正常な分娩経過はどれか。

 

  1. 骨盤入口部に児頭が進入する際、児の頤部が胸壁に近づく。
  2. 骨盤出口部に達した時点で、児頭の矢状縫合は母体の骨盤の横径に一致する。
  3. 児頭娩出後、胎児は肩の長軸が骨盤出口部の横径に一致するよう回旋する。
  4. 児頭が発露したころに胎盤が剝離する。

 

 


 

▶午前64

新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 呼吸数が減少する。
  2. 過期産児に発症しやすい。
  3. 生後24時間ころから発症する。
  4. 肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。

 

 


 

▶午前65

小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うのはどれか。

 

  1. Down〈ダウン〉症候群
  2. Tourette〈トゥレット〉障害
  3. 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉
  4. Lennox-Gastaut〈レノックス・ガストー〉症候群

 

 


 

▶午前66

患者の権利や力を尊重し、自己制御している感覚を持たせ、患者が社会生活に必要な技能や能力を獲得する支援を意味するのはどれか。

 

  1. リカバリ
  2. ストレングス
  3. レジリエンス
  4. エンパワメント

 

 


 

▶午前67

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 障害基礎年金
  2. 一定割合の雇用義務
  3. 精神障害者保健福祉手帳
  4. 自立支援医療〈精神通院医療〉

 

 


 

▶午前68

Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。

 

  1. 成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明する。
  2. 地域の民生委員にAさんの経済状況を知らせる。
  3. Aさんの訪問記録を電子メールに添付して援助者間で共有する。
  4. 新たなサービスの利用を検討する他の利用者にAさんのケアプランを見せる。

 

 


 

▶午前69

Aさん(80歳、女性)は1人暮らしで、在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。訪問看護師はAさんに停電時を想定した避難行動の指導を行うことにした。
Aさんの停電時の避難行動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 電気のブレーカーを落とす。
  2. 玄関の扉を開けて出口を確保する。
  3. 訪問看護ステーションに連絡をする。
  4. 酸素濃縮器から酸素ボンベに切り替える。

 

 


 

▶午前70

介護保険制度における都道府県が指定・監督を行う居宅サービスはどれか。

 

  1. 福祉用具貸与
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  4. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 


 

▶午前71

Aさん(70歳、男性、要介護1)は脳梗塞の後遺症で左不全麻痺がある。家屋内は杖を使用して移動が可能である。Aさんから「入浴が不安なので安全な方法を教えてほしい」と訪問看護師に相談があった。
Aさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 手すりは左手で持つ。
  2. 左足から浴槽に入る。
  3. 浴室内を杖で移動する。
  4. 浴槽から出るときは入浴台〈バスボード〉を使う。

 

 


 

▶午前72

看護マネジメントのプロセスの「統制」はどれか。

 

  1. 看護職員の仕事への動機付けを行う。
  2. 病棟の目標をもとに看護活動の年間計画を立案する。
  3. 褥瘡ケアの改善に取り組むための担当チームを構成する。
  4. 病棟の1年間の業務評価に基づき看護活動の計画を修正する。

 

 


 

▶午前73

職員数が300人の病院の看護師の働き方に関するマネジメントで、労働安全衛生法に基づいて規定されているのはどれか。

 

  1. 1年以内ごとに1回、定期に心理的な負担の程度を把握するための検査を行う。
  2. 8時間を超える夜勤の時は1時間以上の休憩時間を確保する。
  3. 生理日に就業が著しく困難な場合は休暇の請求ができる。
  4. 妊娠中は請求すれば時間外労働が免除される。

 

 


 

▶午前74

国際協力として5歳未満児死亡率の高い地域に1年間派遣されることになった看護師が、派遣される地域の住民に対して行う活動でプライマリヘルスケアの原則に基づいた活動はどれか。

 

  1. 高度な治療を目的とした活動
  2. 医学的研究の遂行を優先した活動
  3. 派遣先で入手できる資源を利用した活動
  4. 派遣される専門家チームを中心とする活動

 

 


 

▶午前75

音を感知するラセン器〈Corti〈コルチ〉器〉があるのはどれか。

 

  1. 蝸牛管
  2. 半規管
  3. 鼓室
  4. 鼓膜
  5. 前庭

 

 


 

▶午前76

正常な糸球体で濾過される物質はどれか。

 

  1. フィブリノゲン
  2. ミオグロビン
  3. アルブミン
  4. 血小板
  5. 赤血球

 

 


 

▶午前77

冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。

 

  1. 対流による体熱の放散
  2. 放射による体熱の放散
  3. 熱伝導による体熱の放散
  4. 代謝による熱エネルギー産生の低下
  5. 骨格筋における熱エネルギー産生の低下

 

 


 

▶午前78

インスリンを過剰に投与したときに現れる症候で正しいのはどれか。

 

  1. 発熱
  2. 浮腫
  3. 口渇感
  4. 顔面紅潮
  5. 手足のふるえ

 

 


 

▶午前79

僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。

 

  1. 弁口面積が拡大する。
  2. 左心房内圧が上昇する。
  3. 狭心痛を合併することが多い。
  4. 弁尖の先天的な3尖化が原因となる。
  5. 胸骨右縁第2肋間で心雑音を聴取する。

 

 


 

▶午前80

検査の画像を別に示す。
112am80 1
112am80 2
狭心症の手術に最も重要な検査はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前81

変形性膝関節症について正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 第一選択は手術療法である。
  3. 変形性関節症の中で2番目に多い。
  4. 二次性のものが一次性のものより多い。
  5. 経時的に進行して10年で半数が悪化する。

 

 


 

▶午前82

学校保健安全法で出席停止となる学校感染症のうち、第二種に分類されているのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性赤痢
  3. ジフテリア
  4. 腸チフス
  5. 流行性角結膜炎

 

 


 

▶午前83

成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。

 

  1. 脈拍 70/分
  2. 体温 34.4℃
  3. 呼吸数 14/分
  4. 血圧 130/80mmHg
  5. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉15点

 

 


 

▶午前84

老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。

 

  1. 排尿回数の減少
  2. 膀胱容量の増加
  3. 夜間尿量の減少
  4. 残尿量の増加
  5. 尿比重の上昇

 

 


 

▶午前85

定期予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
  2. ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
  3. ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
  4. 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
  5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。

 

 


 

▶午前86

緑内障について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 眼球が突出する。
  2. 視神経が萎縮する。
  3. 硝子体が混濁する。
  4. 眼底に出血がみられる。
  5. 眼圧の上昇が原因となる。

 

 


 

▶午前87

高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨量の減少
  2. 筋肉量の減少
  3. 細胞内液量の減少
  4. 渇中枢の感受性の亢進
  5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

 

 


 

▶午前88

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 応急入院は72時間以内に限られている。
  2. 緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
  3. 措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
  4. 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
  5. 医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。

 

 


 

▶午前89

クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 在宅療養には適用できない。
  2. 医療者と患者が治療計画を共有できる。
  3. バリアンス発生の判断は退院日に行う。
  4. 多職種間のコミュニケーションが不要になる。
  5. 一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。

 

 


 

▶午前90

看護のアウトカムを評価するために収集する情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 褥瘡発生率
  2. 患者の満足度
  3. 研修会の開催回数
  4. 新人看護師の離職率
  5. 退院指導の実施回数

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第112回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和4年2月13日(日)に実施された第111回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第111回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後7(必修除外)

ハヴィガースト,R.J.の発達課題で善悪の区別を学習するのはどれか。

 

  1. 乳幼児期
  2. 児童期
  3. 青年期
  4. 中年期

 

 


 

▶午後26

生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアは肝臓で( )に変換される。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 尿酸
  2. 尿素
  3. 亜硝酸
  4. 一酸化窒素

 

 


 
▶午後27

若年者よりも高齢者が熱中症を起こしやすい理由はどれか。

 

  1. 熱産生量の増加
  2. 熱放散量の増加
  3. 自律性体温調節反応の低下
  4. 視床下部の体温調節中枢のセットポイントの低下

 

 


 

▶午後28

ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果の表を示す。
111pm28
血液型判定の結果がO型となるのはどれか。

 

 

 


 

▶午後29

上位運動ニューロン徴候および下位運動ニューロン徴候の有無について表に示す。
111pm29
筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉において正しいのはどれか。

 

  1. a
  2. b
  3. c
  4. d

 

 


 
▶午後30

診療報酬制度について正しいのはどれか。

 

  1. 診療報酬の点数は3年に1回改定される。
  2. 診療報酬は都道府県が医療機関に支払う。
  3. 医療機関への支払いは出来高払いのみである。
  4. 厚生労働大臣の指定を受けた医療機関で利用できる。

 

 


 
▶午後31

次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。

 

  1. 未成年者喫煙禁止法
  2. 麻薬及び向精神薬取締法
  3. アルコール健康障害対策基本法
  4. ギャンブル等依存症対策基本法

 

 


 
▶午後32改題

21世紀における第三次国民健康づくり運動〈健康日本21(第三次)〉では、( )つの基本的方向に沿った目標が設定された。
( )に入る数値はどれか。

 

  1. 3
  2. 4
  3. 5
  4. 6

 

 


 
▶午後33

医療法に基づく記述で正しいのはどれか。

 

  1. 病床の区分は療養病床と一般病床の2種類である。
  2. 地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要である。
  3. 無床診療所の開設には厚生労働大臣への届出が必要である。
  4. 有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。

 

 


 

▶午後34

クリティカル・シンキングで適切なのはどれか。

 

  1. 物事を否定的にみる。
  2. 根拠に基づいて考える。
  3. 主観的な情報を重視する。
  4. 直感的に状況を判断する。

 

 


 

▶午後35

構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 手話で説明する。
  2. 筆談を提案する。
  3. 耳元で話しかける。
  4. 不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。

 

 


 

▶午後36

看護過程において評価する項目はどれか。

 

  1. 看護技術の習得度
  2. 看護教育の活用度
  3. 看護記録の完成度
  4. 看護目標の達成度

 

 


 
▶午後37

医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手術用持針器――第4級アンモニウム塩
  2. ステンレス製便器――熱水消毒
  3. 軟性内視鏡――高圧蒸気滅菌
  4. ベッド柵――グルタラール

 

 


 

▶午後38

点眼薬の投与について正しいのはどれか。

 

  1. 点眼時は上眼瞼を上げる。
  2. 点眼容器の先端は眼瞼結膜に当てる。
  3. 点眼後は眼球を圧迫する。
  4. 眼から溢れた薬液は拭き取る。

 

 


 

▶午後39

52歳の女性が上腹部痛と吐血を主訴に受診し輸血を行うこととなった。
輸血時の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 赤血球製剤を30〜37℃で融解する。
  2. 血液型検査とクロスマッチ検査用の採血を同時に行う。
  3. クロスマッチ検査の結果を医師と看護師で確認する。
  4. 輸血開始から15分後にアレルギー反応の初回観察を行う。

 

 


 

▶午後40

四肢の動脈性外出血に対する止血法で適切なのはどれか。

 

  1. 出血部位を心臓より高く保つ。
  2. 止血帯は幅1cm未満を用いる。
  3. 止血帯は連続して4時間使用する。
  4. 出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する。

 

 


 

▶午後41

成人の後腸骨稜からの骨髄穿刺で正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位で行う。
  2. 穿刺時は深呼吸を促す。
  3. 骨髄液吸引時に痛みが生じる。
  4. 終了後、当日の入浴は可能である。

 

 


 
▶午後42

Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌の終末期である。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。

 

  1. 「腹痛がずっと続いています」
  2. 「吐き気が続くと思うと不安です」
  3. 「今後の生活にかかるお金が心配です」
  4. 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」

 

 


 

▶午後43

Aさん(63歳、男性)は3年前から肺気腫で定期受診を続けていた。最近、歩行時の息切れが強くなってきたことを自覚し、心配になったため受診した。受診時、呼吸数は34/分で、口唇のチアノーゼがみられた。
Aさんについて正しいのはどれか。

 

  1. 1回換気量が増加している。
  2. 呼気よりも吸気を促すと効果的である。
  3. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は上昇している。
  4. 病状が進行すると動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が上昇する。

 

 


 

▶午後44

中心静脈栄養法を受けている患者の看護について適切なのはどれか。

 

  1. カテーテルの刺入部は見えないように覆う。
  2. カテーテル刺入部を定期的に消毒する。
  3. カテーテルの固定位置を毎日確認する。
  4. 予防的に抗菌薬の投与を行う。

 

 


 

▶午後45

高尿酸血症で正しいのはどれか。

 

  1. 痛風結節は疼痛を伴う。
  2. 痛風発作は飲酒で誘発される。
  3. 痛風による関節炎の急性期に尿酸降下薬を投与する。
  4. 血清尿酸値9.0mg/dL以下を目標にコントロールする。

 

 


 
▶午後46

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症で正しいのはどれか。

 

  1. 空気感染する。
  2. 無症候期がある。
  3. DNAウイルスによる。
  4. 血液中のBリンパ球に感染する。

 

 


 

▶午後47

鼓室形成術を受けた患者の退院指導の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 水泳は可能である。
  2. 耳垢はこまめに除去する。
  3. 鼻を強くかむことを禁じる。
  4. エレベーターの使用を勧める。

 

 


 

▶午後48

下腿の介達牽引を受けている患者が足背のしびれを訴えている。
看護師が確認すべき項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 下肢の肢位
  2. 牽引の方向
  3. 重錘の重さ
  4. 弾性包帯のずれ

 

 


 

▶午後49

前立腺癌について正しいのはどれか。

 

  1. 肺転移の頻度は低い。
  2. 血清PSA値が高値となる。
  3. 患者の多くは60歳未満である。
  4. テストステロン補充療法が行われる。

 

 


 

▶午後50

乳癌の患者に対する抗エストロゲン薬の副作用はどれか。

 

  1. 低血糖
  2. ほてり
  3. 肺線維症
  4. 末梢神経障害

 

 


 

▶午後51

高齢者が術後に呼吸器合併症を発症しやすい理由はどれか。

 

  1. 1秒率の減少
  2. 残気量の減少
  3. 嚥下反射の亢進
  4. 気道の線毛運動の亢進

 

 


 

▶午後52

加齢に伴う高齢者の循環器系の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 運動時の心拍出量が増大する。
  2. 拡張期血圧が上昇する。
  3. 心室壁が厚くなる。
  4. 脈圧が狭小化する。

 

 


 

▶午後53

結晶性知能はどれか。

 

  1. よく利用するスーパーマーケットから自宅までの近道を考える。
  2. パソコン教室で操作方法を覚える。
  3. 携帯電話に電話番号を登録する。
  4. 外国語の単語を暗記する。

 

 


 
▶午後54改題

令和4年度(2022年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 夫による虐待が最も多い。
  2. 被虐待者の9割が女性である。
  3. 心理的虐待が全体の6割を占めている。
  4. 被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。

 

 


 
▶午後55

退職した高齢者に就労機会を提供するのはどれか。

 

  1. シルバー人材センター
  2. 老人福祉センター
  3. 老人クラブ
  4. 自治会

 

 


 

▶午後56

高齢者に経口薬の薬効が強く現れる理由はどれか。

 

  1. 骨密度の低下
  2. 胃酸分泌の減少
  3. 消化管運動の低下
  4. 血清アルブミンの減少

 

 


 

▶午後57

新生児や乳児が胎児期に母体から受け取った抗体は次のどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgG
  4. IgM

 

 


 

▶午後58

第二次性徴で正しいのはどれか。

 

  1. 女児は乳房の発育から始まる。
  2. 発現は男児が女児よりも早い。
  3. 初経の開始後に、第二次発育急進が起こる。
  4. 精通は11歳の男児のほとんどに認められる。

 

 


 
▶午後59

学童期の肥満で正しいのはどれか。

 

  1. Kaup〈カウプ〉指数で評価する。
  2. 症候性の肥満がほとんどを占める。
  3. 食事では蛋白質の摂取制限を行う。
  4. 成人期の生活習慣病のリスク因子である。

 

 


 

▶午後60

生後11か月の男児。ある日の朝、自宅でボタン型電池を飲み込んだ疑いがあり、その日の午前中に外来を受診した。胸部エックス線撮影によって、ボタン型電池が食道下部にあることが確認された。
行われる処置で適切なのはどれか。

 

  1. 背部の叩打
  2. 緩下薬の使用
  3. 催吐薬の使用
  4. 緊急摘出術の実施

 

 


 

▶午後61

正常な成長・発達をしている子どもの情緒の分化で、生後6か月ころからみられるのはどれか。

 

  1. 恐れ
  2. 嫉妬
  3. 喜び
  4. 恥ずかしさ

 

 


 

▶午後62

性周期とホルモンについて正しいのはどれか。

 

  1. 増殖期は基礎体温が上昇する。
  2. プロラクチンによって排卵が起こる。
  3. プロゲステロンは子宮内膜の増殖を促進する。
  4. 排卵直前に黄体形成ホルモン〈LH〉値が高くなる。

 

 


 
▶午後63

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 配偶者暴力相談支援センターは被害者の保護命令を出すことができる。
  2. 配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。
  3. 配偶者からの暴力を発見したときは、保健所へ通報する。
  4. 加害者の矯正が法の目的に含まれる。

 

 


 

▶午後64

Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。
手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 浣腸を行う。
  2. 夕食が禁食となっているか確認する。
  3. 輸血の準備ができているか確認する。
  4. 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

 

 


 

▶午後65

新生児の呼吸の生理的特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 成人に比べて肺のガス交換面積が大きい。
  2. 周期性呼吸がみられる。
  3. 胸式呼吸が主である。
  4. 口呼吸が主である。

 

 


 
▶午後66

長期に大量飲酒をした後で、急に断酒した際にみられるのはどれか。

 

  1. 病的酩酊
  2. 振戦せん妄
  3. アルコール性認知症
  4. Korsakoff〈コルサコフ〉症候群

 

 


 

▶午後67

母親がAさん(27歳、統合失調症)に対して「親に甘えてはいけない」と言いながら、過度にAさんの世話をすることで、Aさんが混乱していた。
この親子関係を示すのはどれか。

 

  1. 共依存
  2. 同一視
  3. ネグレクト
  4. 二重拘束〈ダブルバインド〉

 

 


 
▶午後68

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉において、精神科病院で隔離中の患者に対し、治療上で必要な場合に制限できるのはどれか。

 

  1. 家族との面会
  2. 患者からの信書の発信
  3. 患者からの退院の請求
  4. 人権擁護に関する行政機関の職員との電話

 

 


 

▶午後69

感染徴候のない在宅療養者に対する床上での排便の援助において、訪問看護師が行う感染対策で適切なのはどれか。

 

  1. 援助時には使い捨てのエプロンを着用する。
  2. 使用済みのオムツは感染性廃棄物として処分する。
  3. 使用済みの寝衣は次亜塩素酸ナトリウム液に浸す。
  4. 陰部洗浄で使用したボトルの洗浄に中性洗剤は用いない。

 

 


 

▶午後70

Aさん(85歳、女性)は1人暮らし。うっ血性心不全で臥床して過ごすことが多い。訪問看護師が訪問すると、Aさんは体温37.6℃、口唇の乾燥はなく、体熱感はあるが手足が冷えると言って羽毛布団を肩まで掛けている。室温30℃、湿度65%、外気温は32℃、冷房設備はあるが使っていない。
このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 羽毛布団を取り除く。
  2. 冷房設備で室温を調整する。
  3. 頓用の解熱薬を服用してもらう。
  4. 直ちに経口補水液を飲むよう促す。

 

 


 

▶午後71

Aさん(68歳、男性)は妻(68歳)と2人暮らし。膀胱癌で尿路ストーマを造設している。Aさんはストーマ装具の交換に慣れてきたため、妻と日帰りで近くの温泉地を旅行する計画を立てており、外来看護師に助言を求めた。
外来看護師がAさんに助言する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 装具の交換に必要な物品一式を2回分持参する。
  2. 旅行中の水分摂取は1日1,000mL以内に控える。
  3. 他の入浴客がいなければ装具を外して入浴できる。
  4. オストメイト対応のトイレがなければ旅行先を変更する。

 

 


 

▶午後72

Aさん(76歳、女性)は1人暮らし。脳血管疾患で右半身麻痺があり、障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-2である。週に2回の訪問看護を利用している。食事の準備と介助および食後の口腔ケアのため訪問介護を利用することになった。訪問介護の担当者は、Aさんのケアについて訪問看護師に助言を求めた。
訪問看護師が訪問介護の担当者に助言する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 健側に頸部を回旋させ食事の介助をする。
  2. 野菜は繊維に対し垂直に切って調理する。
  3. 歯肉出血がみられたら口腔ケアは中止する。
  4. 食事中はAさんの好きなテレビ番組を見せる。

 

 


 
▶午後73

機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 勤務帯ごとに各看護師が担当する患者を決めて受け持つ。
  2. 内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
  3. 1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。
  4. 患者を複数のグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。

 

 


 
▶午後74

看護におけるクリニカルラダーについて正しいのはどれか。

 

  1. 病院に導入が義務付けられている。
  2. ワーク・ライフ・バランスを目指すものである。
  3. 臨床実践に必要な能力が段階的に表現されている。
  4. 全国の病院で共通のクリニカルラダーが使用されている。

 

 


 
▶午後75

災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 国が指定する。
  2. 災害発生時に指定される。
  3. 広域搬送の体制を備えている。
  4. 地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される。

 

 


 
▶午後76改題

令和4年(2022年)時点での世界の三大感染症に入るのはどれか。

 

  1. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  2. マラリア
  3. 天然痘
  4. 麻疹

 

 


 

▶午後77

肩峰があるのはどれか。

 

  1. 鎖骨
  2. 胸骨柄
  3. 肩甲棘
  4. 上腕骨
  5. 烏口突起

 

 


 

▶午後78

股関節を屈曲させるのはどれか。

 

  1. 大腿二頭筋
  2. 大殿筋
  3. 中殿筋
  4. 小殿筋
  5. 腸腰筋

 

 


 

▶午後79

採血時に操作を誤ったため溶血し、採血管内の血漿が暗赤色になってしまった。
この血漿の電解質濃度を測定したときに、本来の値よりも高くなるのはどれか。

 

  1. 塩化物イオン
  2. 重炭酸イオン
  3. カリウムイオン
  4. カルシウムイオン
  5. ナトリウムイオン

 

 


 

▶午後80

糸球体濾過量の推定に用いられる生体内物質はどれか。

 

  1. 尿素
  2. イヌリン
  3. ビリルビン
  4. クレアチニン
  5. パラアミノ馬尿酸

 

 


 

▶午後81

疾病の内因となるのはどれか。

 

  1. 免疫複合体
  2. 栄養素
  3. 温度
  4. 細菌
  5. 薬物

 

 


 

▶午後82

舌癌について正しいのはどれか。

 

  1. 癌全体に対する発症頻度は約10%である。
  2. 発症年齢は20歳代が多い。
  3. 好発部位は舌尖である。
  4. 浸潤は起こさない。
  5. 扁平上皮癌が多い。

 

 


 

▶午後83

Alzheimer〈アルツハイマー〉病で正しいのはどれか。

 

  1. 基礎疾患として高血圧症が多い。
  2. アミロイドβタンパクが蓄積する。
  3. 初期には記銘力障害はみられない。
  4. MRI所見では前頭葉の萎縮が特徴的である。
  5. 脳血流シンチグラフィ所見では頭頂葉の血流増加がある。

 

 


 

▶午後84

食物の嚥下において喉頭蓋が喉頭口を閉鎖する時期はどれか。

 

  1. 先行期
  2. 準備期
  3. 口腔期
  4. 咽頭期
  5. 食道期

 

 


 
▶午後85

放射性同位元素を用いるのはどれか。

 

  1. 脳血管造影
  2. 膀胱鏡検査
  3. 頭部CT検査
  4. 腹部超音波検査
  5. 骨シンチグラフィ

 

 


 
▶午後86

地域包括支援センターの目的を定める法律はどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康増進法
  3. 社会福祉法
  4. 地域保健法
  5. 老人福祉法

 

 


 

▶午後87

動脈硬化症の粥腫形成に関与するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Langerhans〈ランゲルハンス〉細胞
  2. メサンギウム細胞
  3. 血管内皮細胞
  4. 肥満細胞
  5. 泡沫細胞

 

 


 
▶午後88

予防接種に生ワクチンが使用される疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. ジフテリア
  2. 日本脳炎
  3. 破傷風
  4. 結核
  5. 麻疹

 

 


 

▶午後89

修正型電気けいれん療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 磁気を用いる。
  2. 局所麻酔下で行う。
  3. 筋弛緩薬を用いる。
  4. 発生頻度の高い有害事象は骨折である。
  5. 薬物治療抵抗性のうつ病は適応になる。

 

 


 
▶午後90

出生体重3,100gの新生児。日齢3の体重は3,000gである。
このときの体重減少率を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答 [①].[②]%

 

 


 

資料 厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験、第111回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第111回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和4年2月13日(日)に実施された第111回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第111回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前1改題(必修除外)

労働力調査による労働力人口の令和5年(2023年)平均に最も近いのはどれか。

 

  1. 4,900万人
  2. 5,900万人
  3. 6,900万人
  4. 7,900万人

 

 


 
 

▶午前26

正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。

 

  1. 心拍数の増加
  2. 大動脈圧の上昇
  3. 静脈還流量の増加
  4. 心筋収縮力の上昇

 

 


 

▶午前27

ワクチン接種後の抗体産生について正しいのはどれか。

 

  1. ワクチン内の抗原を提示するのは好中球である。
  2. 抗原に対して最初に産生される抗体はIgAである。
  3. 抗原に対して血中濃度が最も高くなる抗体はIgMである。
  4. 同じワクチンを2回接種すると抗原に対する抗体の産生量が増加する。

 

 


 

▶午前28

B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞はどれか。

 

  1. マクロファージ
  2. 形質細胞
  3. 肥満細胞
  4. T細胞

 

 


 

▶午前29

皮膚筋炎の皮膚症状はどれか。

 

  1. 環状紅斑
  2. 蝶形紅斑
  3. ディスコイド疹
  4. ヘリオトロープ疹

 

 


 
▶午前30

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉における介護休業の取得で正しいのはどれか。

 

  1. 介護休業は分割して取得することはできない。
  2. 介護の対象者1人につき半年を限度に取得できる。
  3. 要介護状態にある配偶者を介護するために取得できる。
  4. 介護老人福祉施設に入所している家族の面会のために取得できる。

 

 


 
▶午前31

社会福祉法に基づき社会福祉協議会が推進するのはどれか。

 

  1. がん対策
  2. 男女共同参画
  3. 就労の支援活動
  4. ボランティア活動

 

 


 
▶午前32改題

日本の令和4年(2022年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 女性の死因の第2位は老衰である。
  2. 男性の死因の第2位は肺炎である。
  3. 女性の平均寿命は89年を超えている。
  4. 男性の平均寿命は83年を超えている。

 

 


 
▶午前33

労働衛生の「3管理」とは、作業環境管理と作業管理と( )である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 健康管理
  2. 総括管理
  3. 労務管理
  4. 出退勤管理

 

 


 
▶午前34改題

健康を人々の権利として明記したのはどれか。

 

  1. 世界保健機関〈WHO〉の健康に関する定義
  2. ジュネーブ宣言
  3. ヘルシンキ宣言
  4. リスボン宣言

 

 


 
▶午前35

地域連携クリニカルパスの目的はどれか。

 

  1. 医療機関から在宅までの医療の継続的な提供
  2. 地域包括支援センターと地域住民との連携
  3. 地域医療を担う医療専門職の資質向上
  4. 患者が活用できる社会資源の紹介

 

 


 
▶午前36

集団指導が望ましいのはどれか。

 

  1. 胃全摘出術後の患者への退院指導
  2. Ⅰ型糖尿病の学童を対象とした療養指導
  3. 子宮頸癌の術後の神経因性膀胱の患者への間欠的自己導尿の指導
  4. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者への生活指導

 

 


 

▶午前37

上肢のフィジカルアセスメントの立位での実施場面の写真を別に示す。
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手のひらを上にして、肩の高さで水平に前方に両腕を伸ばしてもらった。その後、閉眼してもらうと、左腕が回内しながら下がっていった。
アセスメントの結果で正しいのはどれか。

 

  1. 位置覚の異常
  2. 錐体路の障害
  3. 小脳機能の異常
  4. 関節可動域の障害

 

 


 

▶午前38

臥床患者の体位変換とボディメカニクスの原則との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位から側臥位――トルクの原理
  2. 仰臥位から長座位――摩擦力
  3. ベッドの片側への水平移動――力のモーメント
  4. ベッドの頭部への水平移動――てこの第1種の原理

 

 


 

▶午前39

Aさん(24歳、男性)は急性虫垂炎の術後1日で、ベッド上で仰臥位になり右前腕から点滴静脈内注射が行われている。Aさんは左利きである。
病室外のトイレまでAさんが移動するための適切な療養環境はどれか。

 

  1. 履物はAさんの左手側に置く。
  2. ベッド柵はAさんの右手側に設置する。
  3. 輸液スタンドはAさんの左手側に置く。
  4. ベッドは端座位時にAさんの足底が床につく高さにする。

 

 


 

▶午前40

全介助が必要な臥床患者の口腔ケアで適切なのはどれか。

 

  1. スポンジブラシは水を含ませた後、絞って使用する。
  2. 頸部を後屈した体位で実施する。
  3. 終了後は口腔内を乾燥させる。
  4. 舌苔は強くこすって除去する。

 

 


 

▶午前41

術後1日の手術創の正常な治癒過程として正しいのはどれか。

 

  1. 創部の浮腫が起こる。
  2. 肉芽組織が形成される。
  3. コラーゲンが成熟し瘢痕組織となる。
  4. 血管内皮細胞が新しい血管を形成する。

 

 


 
▶午前42改題

令和2年(2020年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

 

  1. 喘息
  2. 糖尿病
  3. 脳血管疾患
  4. 高血圧性疾患

 

 


 

▶午前43

解離性大動脈瘤の破裂直後に出血性ショックとなった患者の症状として正しいのはどれか。

 

  1. 黄疸
  2. 浮腫
  3. 顔面紅潮
  4. 呼吸不全

 

 


 

▶午前44

Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。
Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。

 

  1. 海藻
  2. 牛乳
  3. 納豆
  4. グレープフルーツ

 

 


 

▶午前45

慢性膵炎患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。

 

  1. 蛋白質
  2. カリウム
  3. 食物繊維
  4. アルコール

 

 


 

▶午前46

血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。

 

  1. グルカゴン
  2. メラトニン
  3. コルチゾール
  4. バゾプレシン

 

 


 

▶午前47

脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。

 

  1. 前日に頭部の剃毛を行う。
  2. 検査中は患者に話しかけない。
  3. 穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。
  4. 検査30分前まで食事摂取が可能である。

 

 


 

▶午前48

Aさん(32歳、男性)は慢性副鼻腔炎と診断され経過観察をしていたが、症状が改善せず手術を受けることになった。
Aさんへの術後の生活についての説明で適切なのはどれか。

 

  1. 咽頭にたまった分泌物は飲み込んでも良い。
  2. 物が二重に見えるときは看護師に伝える。
  3. 手術当日から入浴が可能である。
  4. 臥床時は頭部を低く保つ。

 

 


 

▶午前49

幻肢痛について正しいのはどれか。

 

  1. 術前から発症する。
  2. 抗うつ薬は禁忌である。
  3. 細菌感染が原因である。
  4. 切断し喪失した部位に生じる。

 

 


 

▶午前50

乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「検査当日は起床時から飲食をしないでください」
  2. 「乳房を器具で挟んで検査します」
  3. 「月経中は検査ができません」
  4. 「仰向けで検査を行います」

 

 


 

▶午前51

Aさん(54歳、女性)は甲状腺機能亢進症と診断され、放射性ヨウ素内用療法を受けることとなった。
看護師の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「治療前1週間は海藻類を摂取しないでください」
  2. 「治療中は体を固定します」
  3. 「治療後の副作用に脱毛があります」
  4. 「治療後1週間は生野菜を摂取しないでください」

 

 


 

▶午前52

老年期の発達課題を引退の危機、身体的健康の危機および死の危機の3つの段階で示したのはどれか。

 

  1. エリクソン
  2. レビンソン
  3. ペック
  4. ユング

 

 


 
▶午前53

介護保険制度における施設サービスはどれか。

 

  1. 介護医療院サービス
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. サービス付き高齢者向け住宅
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉

 

 


 

▶午前54

30歳を100%とした生理機能と比較して、老年期において機能の残存率の平均値が最も低下するのは次のうちどれか。

 

  1. 基礎代謝率
  2. 最大換気量
  3. 細胞内水分量
  4. 神経伝導速度

 

 


 

▶午前55

高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 症状の出現は定型である。
  2. 治療の効果が現れやすい。
  3. 疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。
  4. 薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。

 

 


 

▶午前56

Aさん(83歳)は寝たきり状態で、便意を訴えるが3日間排便がみられない。認知機能に問題はない。昨晩下剤を内服したところ、今朝、紙オムツに水様便が少量付着しており、残便感を訴えている。
このときのAさんの状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 嵌入便
  2. 器質性便秘
  3. 切迫性便失禁
  4. 非急性感染性下痢

 

 


 
▶午前57

発育と発達に遅れのない生後6か月の男児。BCG接種の翌日に接種部位が赤く腫れ次第に増悪して膿がみられたため、母親は接種後4日目に医療機関に電話で相談し、看護師が対応した。児に発熱はなく、哺乳や機嫌は良好である。
このときの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「通常の反応です」
  2. 「速やかに来院してください」
  3. 「1週間後にまた電話をください」
  4. 「患部をアルコール消毒してください」

 

 


 

▶午前58

新生児の出血性疾患で正しいのはどれか。

 

  1. 生後48時間以内には発症しない。
  2. 母乳栄養児は発症のリスクが高い。
  3. 予防としてカルシウムを内服する。
  4. 早期に現われる所見に蕁麻疹がある。

 

 


 

▶午前59

入院中の小児のストレス因子と発達段階の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 見慣れない環境――新生児期
  2. プライバシーの侵害――幼児期
  3. 病気の予後への不安――学童期
  4. 母子分離――思春期

 

 


 

▶午前60

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫の治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。
1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。
看護師のA君への対応として適切なのはどれか。

 

  1. 両親に判断してもらおうと話す。
  2. 今の状態では出席は難しいと話す。
  3. 出席できるように準備しようと話す。
  4. 出席を決める前に体力をつけようと話す。

 

 


 

▶午前61

ジェンダーの定義について正しいのはどれか。

 

  1. 生物学的な性
  2. 社会的文化的な性
  3. 自己認識している性
  4. 性的指向の対象となる性

 

 


 
▶午前62改題

日本の周産期の死亡に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 新生児死亡は生後1週未満の死亡をいう。
  2. 死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう。
  3. 妊産婦死亡は妊娠中又は妊娠終了後満28日未満の女性の死亡をいう。
  4. 令和5年(2023年)の人口動態統計では自然死産数が人工死産数よりも多い。

 

 


 

▶午前63

避妊法について適切なのはどれか。

 

  1. 経口避妊薬は排卵を抑制する。
  2. コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
  3. 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
  4. 子宮内避妊器具(IUD)は性交のたびに挿入が必要である。

 

 


 
▶午前64

マタニティブルーズについて正しいのはどれか。

 

  1. 意欲低下が主症状である。
  2. 症状は2週間以上持続する。
  3. 好発時期は産後1か月ころである。
  4. 産後のホルモンの変動が要因となる。

 

 


 
▶午前65

精神保健における一次予防はどれか。

 

  1. 職場でうつ病患者を早期発見する。
  2. 自殺企図者に精神科医療機関への受療を促す。
  3. 統合失調症患者の社会参加のための支援を行う。
  4. ストレスとその対処法に関する知識の啓発活動を行う。

 

 


 

▶午前66

認知行動療法で患者に期待できる効果はどれか。

 

  1. 物事の捉え方のゆがみが修正される。
  2. 自ら催眠状態に導くことができるようになる。
  3. 過去の自分の態度についての自己洞察が深まる。
  4. 自分の状態をあるがままに受け入れることができるようになる。

 

 


 
▶午前67

Aさん(22歳、統合失調症)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。
看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。

 

  1. 行動援護
  2. 就労移行支援
  3. 自立生活援助
  4. 地域定着支援

 

 


 
▶午前68

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」
  2. 「Aさんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」
  3. 「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」
  4. 「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」

 

 


 

▶午前69

Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患で在宅酸素療法(HOT)を受けている。
受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。
外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。

 

  1. 入浴はシャワー浴にしている。
  2. 椅子に座って更衣を行っている。
  3. 洗髪時に鼻カニューレを外している。
  4. 浴室の扉を開けたまま入浴している。

 

 


 

▶午前70

気管切開下で人工呼吸器を装着している利用者に対して、訪問看護事業所が災害に備えて行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 人工呼吸器の予備の回路を預かる。
  2. 災害時の個別支援マニュアルを作成する。
  3. 医療機関から非常用の人工呼吸器を借りる。
  4. 事業所内に利用者が避難できる場所を確保する。

 

 


 

▶午前71

チューブ型の胃瘻の管理について、介護する家族に看護師が指導する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 「栄養剤の注入後に白湯を注入してください」
  2. 「胃瘻のチューブはご家族で交換してください」
  3. 「胃瘻のチューブは同じ位置に固定してください」
  4. 「下痢のときは栄養剤の注入速度を速めてください」

 

 


 

▶午前72

病棟で患者の口腔ケア改善に取り組むために担当チームを作った。
これは看護管理のプロセスのどれか。

 

  1. 計画
  2. 指揮
  3. 統制
  4. 組織化

 

 


 
▶午前73

多発性骨転移がある終末期の大腸癌患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。
転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。

 

  1. 疼痛コントロールの状況
  2. 自宅の居住環境
  3. 大腸癌の術式
  4. 夫の面会頻度

 

 


 
▶午前74

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている、離職した看護師の復職の支援に関連する制度はどれか。

 

  1. 看護師等免許保持者の届出
  2. 特定行為に係る研修
  3. 教育訓練給付金
  4. 業務従事者届

 

 


 
▶午前75

災害発生時に行うSTART法によるトリアージで最初に判定を行う項目はどれか。

 

  1. 意識
  2. 呼吸
  3. 循環
  4. 歩行

 

 


 
▶午前76

日本の政府開発援助〈ODA〉の実施機関はどれか。

 

  1. 世界保健機関〈WHO〉
  2. 国際協力機構〈JICA〉
  3. 国連開発計画〈UNDP〉
  4. 赤十字国際委員会〈ICRC〉

 

 


 

▶午前77

脳の外側面を左右から見た模式図を示す。
111am77
右利きの健常成人のBroca〈ブローカ〉の運動性言語中枢はどれか。

 

 

 


 

▶午前78

眼の遠近調節を行う筋はどれか。

 

  1. 下斜筋
  2. 下直筋
  3. 毛様体筋
  4. 上眼瞼挙筋
  5. 瞳孔括約筋

 

 


 

▶午前79

咀嚼運動にかかわる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 滑車神経
  3. 三叉神経
  4. 動眼神経
  5. 内耳神経

 

 


 

▶午前80

射出される精子が通るのはどれか。

 

  1. 精囊
  2. 尿管
  3. 尿道
  4. 膀胱
  5. 前立腺

 

 


 

▶午前81

心電図を別に示す。心電図の記録速度は25mm/秒である。
111am81
心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。

 

  1. 30/分以上、50/分未満
  2. 50/分以上、70/分未満
  3. 70/分以上、90/分未満
  4. 90/分以上、100/分未満
  5. 100/分以上、110/分未満

 

 


 

▶午前82

急性大動脈解離において緊急手術を行うかどうかの観点で用いる分類はどれか。

 

  1. NYHA分類
  2. スタンフォード分類
  3. Killip〈キリップ〉分類
  4. DeBakey〈ドベーキー〉分類
  5. Forrester〈フォレスター〉分類

 

 


 
▶午前83

タイムアウトによって予防できるのはどれか。

 

  1. 患者の誤認
  2. 抗癌薬の曝露
  3. 個人情報の漏洩
  4. ベッドからの転落
  5. 血液を媒介とする感染

 

 


 

▶午前84

安静臥床による廃用症候群で生じるのはどれか。

 

  1. 1回換気量の増加
  2. 循環血液量の増加
  3. 基礎代謝の上昇
  4. 骨吸収の亢進
  5. 食欲の増進

 

 


 

▶午前85

Aさんは職場の上司に不満をぶつけたいと考えているが、それができないので、不満をぶつけやすい対象である後輩を叱責している。
Aさんの防衛機制で正しいのはどれか。

 

  1. 解離
  2. 昇華
  3. 合理化
  4. 置き換え
  5. 反動形成

 

 


 

▶午前86

ヘモグロビンA1c(HbA1c)について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 測定値の上限は10%である。
  2. 赤血球の寿命によって測定値は変動する。
  3. 過去1、2週間の血糖値管理の指標である。
  4. グリコアルブミンより短期間の血糖値管理の指標である。
  5. ヘモグロビンにブドウ糖が結合した糖化蛋白質のことである。

 

 


 

▶午前87

急性胆管炎の代表的な3症状を示すCharcot〈シャルコー〉3徴に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 黄疸
  2. 嘔吐
  3. 下痢
  4. 発熱
  5. 意識障害

 

 


 

▶午前88

高齢者の総合機能評価CGA簡易版〈CGA7〉で評価するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. BMI
  2. 意欲
  3. 職業歴
  4. 新機器の利用
  5. 日常生活動作〈ADL〉

 

 


 
▶午前89

自閉症スペクトラム障害にみられるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 運動性チックが出現する。
  2. 計算の習得が困難である。
  3. 不注意による間違いが多い。
  4. 習慣へのかたくななこだわりがある。
  5. 非言語的コミュニケーションの障害がある。

 

 


 

▶午前90

100mg/5mLと表記された注射薬を75mg与薬するのに必要な薬液量を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:①.②mL

 

 


 

資料 厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験、第111回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第111回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和3年2月14日(日)に実施された第110回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」と合わせてご活用ください。

 

▼第110回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(64歳、女性、主婦)は、50歳で高血圧症と診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。外来受診時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍40/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。

 

▶午後91

Aさんは完全房室ブロックが疑われた。
Aさんに行われる検査で優先されるのはどれか。

 

  1. 心臓超音波検査
  2. 12誘導心電図検査
  3. 心臓カテーテル検査
  4. 運動負荷心電図検査

 

 


 

▶午後92

検査の結果、Aさんは完全房室ブロックと診断された。
今後、Aさんに起こりやすいのはどれか。

 

  1. 脳虚血
  2. 肺塞栓症
  3. 不安定狭心症
  4. 心タンポナーデ

 

 


 

▶午後93

その後、Aさんにはペースメーカー植込み術が行われ、看護師は退院後の電磁干渉について説明を行った。Aさんからは「生活の中でどのようなことに注意をすれば良いですか」と質問があった。
Aさんが最も注意する必要がある状況はどれか。

 

  1. 新幹線への乗車
  2. パーソナルコンピュータの使用
  3. 電動アシスト付き自転車での移動
  4. 電子商品監視装置〈Electronic Article Surveillance:EAS〉の通過

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。

 

▶午後94

Aさんへの経腟超音波検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 検査が終了するまで絶飲食にする。
  2. 検査前に排尿するよう促す。
  3. 検査は側臥位で行う。
  4. 検査後1時間は安静にする。

 

 


 

▶午後95

Aさんは、経腟超音波検査で異常所見が認められ、その後の精密検査で子宮体癌と診断されて準広汎子宮全摘出術と両側付属器(卵巣、卵管)切除術を受けた。術後の経過はよく、排尿障害もなく順調に回復していた。術後12日目のバイタルサイン測定時に「身体のほてりがあり、急に汗が出るようになったりして、夜もよく眠れません。そのためかイライラします」と看護師に訴えた。
Aさんに出現している症状の原因はどれか。

 

  1. エストロゲンの減少
  2. プロラクチンの減少
  3. アンドロゲンの増加
  4. オキシトシンの増加
  5. プロゲステロンの増加

 

 


 

▶午後96

Aさんはその後、順調に経過し退院した。退院後、初回の外来受診時に看護師がAさんに心配なことを尋ねると「退院のときも性生活の説明を聞きましたが、子宮がなくなって自分の身体がどう変化しているかわからないし、やっぱり性生活のことが気がかりです。夫も私の身体を気遣ってくれて、今日も一緒に病院に来てくれました」と語った。
Aさんへの性生活の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 術後1年までは性行為を控える。
  2. 夫と別々に説明することを提案する。
  3. 性行為再開後は避妊を続けてもらう。
  4. 腟の乾燥に対して潤滑ゼリーを用いるとよい。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症の内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折と診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。

 

▶午後97

手術前オリエンテーションの際の看護師の説明内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「手術はすぐに終わります」
  2. 「手術後はすぐに水を飲めます」
  3. 「手術後は両足とも動かしてはいけません」
  4. 「手術後は背中にクッションを当てます」

 

 


 

▶午後98

手術後14日。Aさんは、回復期リハビリテーション病棟のトイレ付きの個室に移動した。Aさんは歩行訓練を行っているが、立ち上がるときにバランスを崩しやすく「夜トイレに行こうとしてベッドから立ち上がるときに、ふらふらする。また転んでしまうのが怖い」と言っている。
このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. ポータブルトイレを置く。
  2. ベッドに移動介助バーを付ける。
  3. ベッドの頭部側を45度挙上する。
  4. 夜間はヒッププロテクターを装着する。

 

 


 

▶午後99

Aさんの退院日が決定した。看護師は、Aさんの退院前の指導を行うことになった。Aさんから「医師から骨がもろくなっていると言われました。これ以上悪くならないように何をすればよいでしょうか」と質問があった。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「体操は控えましょう」
  2. 「炭酸飲料を飲みましょう」
  3. 「果物を積極的に摂りましょう」
  4. 「日光を浴びるようにしましょう」

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。
現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症が疑われ入院した。
身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。
検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。

 

▶午後100

Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 脱水症は軽度である。
  2. 非胆汁性嘔吐である。
  3. 炎症反応の上昇がある。
  4. 出生後の体重増加は良好である。

 

 


 

▶午後101

検査の結果、Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症と診断された。Aちゃんは直ちに絶飲食となり、経鼻胃管が留置され、持続点滴静脈内注射が開始された。担当医師と家族とが治療方針を話し合った結果、全身状態が安定したあとに手術をする方針になった。
Aちゃんの術前看護で正しいのはどれか。

 

  1. 浣腸を1日2回行う。
  2. 尿量の測定は不要である。
  3. 経鼻胃管は自然開放とする。
  4. Aちゃんを抱っこすることは禁忌である。

 

 


 

▶午後102

入院後3日。Aちゃんは全身状態が安定し、全身麻酔下で腹腔鏡を用いた粘膜外幽門筋切開術(Ramstedt〈ラムステッド〉手術)を受けた。
術後の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 授乳前後の排気
  2. 人工乳への変更
  3. 予防接種の計画立案
  4. 腸管の縫合不全の観察

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(5か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎と診断され、去痰薬が処方された。

 

▶午後103

診察後、家庭でのケアについてAちゃんの母親に指導することになった。
看護師の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「1回に飲むミルクの量を多くしてください」
  2. 「哺乳前に鼻水を器具で吸引してあげてください」
  3. 「去痰薬は、ミルクを飲んだ後に飲ませてください」
  4. 「授乳後は仰向けで寝かせてください」

 

 


 

▶午後104

Aちゃんは、発熱が続き、哺乳量が減ってきたため2日後に再度来院した。来院時、体温39.4℃、呼吸数60/分、脈拍154/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)、口唇色と顔色はやや不良であった。胸部エックス線撮影で肺炎像は認められない。Aちゃんは、経口摂取不良と呼吸困難のため、母親が付き添って入院することとなった。酸素吸入と点滴静脈内注射が開始された。
入院前のAちゃんについて母親から収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 去痰薬の内服状況
  2. 最終排尿の時間
  3. 皮膚搔痒の有無
  4. 排便の状況

 

 


 

▶午後105

入院後7日、Aちゃんは症状が軽快し、哺乳量も増加して翌日の金曜日に退院が決定した。母親は「Aはだいぶ元気になりました。でもBが泣いたり、かんしゃくをおこしたりすることが増えているようです。どうしたらいいでしょう」と看護師に相談した。入院中、土曜日、日曜日は父親がB君の世話をしており、平日は祖父母が世話をしているとのことであった。退院時、父親は休暇をとりAちゃんと母親を迎えに来る予定である。
母親への看護師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 「B君のかかりつけ医に相談しましょう」
  2. 「B君の保育所への入所を検討しましょう」
  3. 「B君に関わる時間をたっぷりとりましょう」
  4. 「お兄ちゃんだから頑張りなさいと伝えましょう」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。

 

▶午後106

Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 坐位になるよう勧める。
  2. シャワー浴を勧める。
  3. 食事摂取を促す。
  4. 呼吸法を促す。

 

 


 

▶午後107

Aさんは16時15分、3,300gの男児を経腟分娩で出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76mmHg。意識は清明。Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。
このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 子宮底の輪状マッサージを行う。
  2. 膀胱留置カテーテルを挿入する。
  3. 水分摂取を促す。
  4. 全身清拭を行う。

 

 


 

▶午後108

Aさんの分娩経過は以下のとおりであった。

2時00分 陣痛周期10分
4時00分 入院
15時00分 分娩室入室
15時30分 子宮口全開大
16時00分 自然破水
16時15分 児娩出
16時30分 胎盤娩出

Aさんの分娩所要時間はどれか。

 

  1. 12時間30分
  2. 14時間15分
  3. 14時間30分
  4. 16時間30分

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。

 

▶午後109

入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 二度と使用しないと約束させる。
  2. 回復が期待できる病気であることを伝える。
  3. 使用をやめられなかったことに対する反省を促す。
  4. 自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。

 

 


 

▶午後110

入院2週後、Aさんは病棟生活のルールを守ることができず、それを注意した看護師に対して攻撃的になることがあった。別の看護師がAさんに理由を尋ねると「指図するような話し方をされると、暴力的だった父親を思い出し、冷静でいられなくなる」と話した。
このときAさんに起こっているのはどれか。

 

  1. 転移
  2. 逆転移
  3. 躁的防衛
  4. 反動形成

 

 


 

▶午後111

入院後1か月、Aさんは「正直に言うと、今も覚せい剤を使いたいという気持ちがある。もし誘いがあったら、使いたい気持ちを抑えきれないだろう」と悩みを打ち明けた。
Aさんの状態のアセスメントとして適切なのはどれか。

 

  1. 否認
  2. 共依存
  3. 身体依存
  4. 精神依存
  5. 離脱症状

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害と診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。

 

▶午後112

入院時、AさんのBMIは29.5。この数日は食事をとっていなかった。入院後も興奮状態がおさまらず、壁に頭を打ちつけはじめたため、医師から抗精神病薬の点滴静脈内注射と身体的拘束の指示がでた。
身体的拘束中のAさんの看護で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 水分摂取は最小限にする。
  2. 肺血栓塞栓症を予防する。
  3. 頻回に様子を見に来ることを伝える。
  4. 身体的拘束の原因となった行為を一緒に振り返る。
  5. 興奮状態が落ち着いたら看護師の判断で身体的拘束を解除する。

 

 


 

▶午後113

入院後1週、身体的拘束は解除された。Aさんは常に動き回り、他の患者への過干渉が続いている。食事中に立ち上がりホールから出ていこうとするため、看護師が止めると強い口調で言い返してくる。Aさんは「ゲーム関連の仕事を探したい。早く退院させろ」と1日に何度も看護師に訴えるが、主治医は退院を許可していない。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 休息できる場所へ誘導する。
  2. 過干渉となる理由を確認する。
  3. 退院後は家族と暮らすように提案する。
  4. 仕事に必要なスキルについて話し合う。

 

 


 

▶午後114改題

入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。
Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。

 

  1. 警察
  2. 保護観察所
  3. 地域活動支援センター

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(37歳、男性)は妻(40歳、会社員)と2人暮らし。筋強直性ジストロフィーで週5回の訪問介護を利用していた。1か月前に傾眠傾向が著明となり入院して精査した結果、睡眠時無呼吸に対して夜間のみフェイスマスクを用いた非侵襲的陽圧換気療法が導入された。Aさんは四肢遠位筋に筋萎縮と筋力低下があるが、室内の移動は電動車椅子を操作して自力で行え、食事も準備すれば妻と同じものを摂取できる。退院後、週1回午後に訪問看護が導入されることになった。

 

▶午後115

訪問看護と訪問介護の担当者、Aさんと妻を含めた退院前カンファレンスが開催された。妻から「夜間に停電になったらどうすればよいですか」と発言があった。
このときの妻への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 電動式でない車椅子を購入するよう勧める。
  2. 訪問看護事業所が発電機を貸し出すと伝える。
  3. バッグバルブマスクでの用手換気の指導を行う。
  4. 停電時にハザードマップを確認するよう提案する。

 

 


 

▶午後116

退院前カンファレンスで、訪問介護の担当者から、これまでと同様に退院後も昼食の準備と後始末、口腔ケア、入浴介助を行う予定と発言があった。訪問看護師は訪問介護の担当者に、Aさんの状態の変化に気付いたら連絡がほしいと協力を求めた。
訪問介護の担当者に説明するAさんの状態の変化で、特に注意が必要なのはどれか。

 

  1. 傾眠傾向
  2. 眼の充血
  3. 口腔内の乾燥
  4. 食事摂取量の低下

 

 


 

▶午後117

退院後1週、訪問看護師はAさんの鼻根部の皮膚に発赤があることに気付いた。
訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「鼻マスクに変更しましょう」
  2. 「発赤部位は洗わないようにしましょう」
  3. 「人工呼吸器の装着時間は短くしましょう」
  4. 「フェイスマスクのベルトは指が2本入る程度に固定しましょう」

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞を発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。
身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。
バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。

 

▶午後118

Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 口渇感
  2. 呼吸音
  3. 尿比重
  4. 腹部膨満感

 

 


 

▶午後119

Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。
日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 時計をAさんから見える場所に置く。
  2. 主治医にAさんの退院について相談する。
  3. 日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
  4. 点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
  5. 日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。

 

 


 

▶午後120

入院から1週が経過し、Aさんのバイタルサインなどは正常となり、食事も摂取できるようになった。Aさんの妻は「先生からそろそろ退院できるといわれましたが、夫はほとんどベッド上で過ごしており、トイレまで歩けそうにありません。これで退院できるか不安です」と看護師に話した。現在のAさんの日常生活動作〈ADL〉は、起立時にふらつきがみられ、歩行は不安定である。ポータブルトイレを使用して排泄している。
現在のAさんの状況から、退院に向けて看護師が連携する者で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 薬剤師
  2. 民生委員
  3. 管理栄養士
  4. 理学療法士
  5. 介護支援専門員

 

 


 

 資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第110回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和3年2月14日(日)に実施された第110回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第110回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後26

生後から20歳になるまでの器官の発育発達を示した曲線(Scammon〈スカモン〉の発育発達曲線)を図に示す。
110pm26
胸腺の成長を示すのはどれか。

 

 

 


 

▶午後27

腸閉塞について正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。
  2. 経口による水分摂取は少量にする。
  3. イレウス管を小腸に留置する。
  4. 抗菌薬の投与は禁忌である。

 

 


 

▶午後28

膀胱癌について正しいのはどれか。

 

  1. 女性に多い。
  2. 尿路上皮癌より腺癌が多い。
  3. 経尿道的生検によって治療法を決定する。
  4. 表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。

 

 


 
▶午後29

日本の人口静態統計のもとになる調査はどれか。

 

  1. 患者調査
  2. 国勢調査
  3. 国民生活基礎調査
  4. 国民健康・栄養調査

 

 


 
▶午後30

感染症と感染経路の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 結核――接触感染
  2. 麻疹――空気感染
  3. マラリア――飛沫感染
  4. インフルエンザ――経口感染

 

 


 

▶午後31

診療記録で正しいのはどれか。

 

  1. 看護記録が含まれる。
  2. 開示は保健所長が行う。
  3. 1年間の保存義務がある。
  4. 閲覧は患者本人に限られる。

 

 


 
▶午後32

雇用保険法について正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業給付がある。
  2. 雇用保険は任意加入である。
  3. 雇用保険の保険者は市町村である。
  4. 雇用保険料は全額を労働者が負担する。

 

 


 

▶午後33

小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法はどれか。

 

  1. 動画を視聴する。
  2. 友人と話し合う。
  3. 手洗い場で体験する。
  4. 養護教諭の話を聞く。

 

 


 

▶午後34

呼吸音の変化と原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 呼気延長――胸水
  2. 呼吸音の減弱――過換気症候群
  3. 呼吸音の増強――無気肺
  4. 肺野での気管支呼吸音の聴取――肺炎

 

 


 

▶午後35

ヒューマンエラーを起こす人間の特性で認知的特性はどれか。

 

  1. 同僚への依存
  2. 睡眠不足による疲労
  3. 同じ作業の連続による注意力低下
  4. パワーハラスメントによる心理的圧迫

 

 


 

▶午後36

エアマットレスの使用目的で適切なのはどれか。

 

  1. 体圧分散
  2. 体温管理
  3. 関節拘縮の予防
  4. 末梢循環の促進

 

 


 

▶午後37

車椅子による移送で正しいのはどれか。

 

  1. 坂を上るときは、背もたれ側から進む。
  2. 段差を上るときは、小車輪を浮かせる。
  3. 方向転換をするときは、小車輪を支点にする。
  4. 乗り降りをするときは、フットレストを下げる。

 

 


 

▶午後38

成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。

 

  1. ゴム囊中央が上腕の正中線に沿うように合わせる。
  2. マンシェットの幅は13〜17cmのものを使用する。
  3. 加圧後1秒ごとに10mmHg下がる速さで減圧する。
  4. 動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに40mmHg加圧する。

 

 


 

▶午後39

経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。

 

  1. テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。
  2. 非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。
  3. 抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。
  4. キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。

 

 


 
▶午後40

夜勤帯に看護師が病棟のトイレ内で倒れている患者を発見した。呼びかけても反応がない。
この看護師が最初に実施すべきなのはどれか。

 

  1. 脈拍を確認する。
  2. 胸骨圧迫を開始する。
  3. トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。
  4. 自動体外式除細動器〈AED〉を取りに行く。

 

 


 

▶午後41

心原性ショックで現れる症状・徴候はどれか。

 

  1. 顔面の紅潮
  2. 胸部不快感
  3. 血圧の上昇
  4. 尿量の増加

 

 


 

▶午後42

脳梗塞による右片麻痺がある成人患者に用いる日常生活動作〈ADL〉の評価として適切なのはどれか。

 

  1. NYHA分類
  2. Borg〈ボルグ〉スケール
  3. Barthel〈バーセル〉インデックス
  4. 主観的包括的アセスメント〈subjective global assessment〉

 

 


 

▶午後43

現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。
この内容を示すのはどれか。

 

  1. グリーフケア
  2. 代理意思決定の支援
  3. アドバンス・ケア・プランニング
  4. アドバンスディレクティブ〈事前指示〉の支援

 

 


 

▶午後44

Aさん(34歳、女性)は、気管支喘息で定期的に通院をしている。朝から喘息発作があり呼吸困難が生じたため、救急外来を受診した。
経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%、動脈血液ガス分析(room air)で動脈血酸素分圧〈PaO2〉90Torr、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉55Torr、pH7.30、HCO3-25 mEq/Lであった。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 呼吸性アシドーシス
  2. 呼吸性アルカローシス
  3. 代謝性アシドーシス
  4. 代謝性アルカローシス

 

 


 
▶午後45

脂質異常症の成人患者に対する食事指導の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 不飽和脂肪酸の摂りすぎに注意する。
  2. コレステロール摂取量は1日600mg未満とする。
  3. 高トリグリセリド血症では、アルコールを制限する。
  4. 高LDLコレステロール血症では、トランス脂肪酸の摂取を促す。

 

 


 

▶午後46

成人患者の甲状腺全摘出術後における合併症とその症状との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 乳び漏――嘔気
  2. 術後出血――ドレーン排液の白濁
  3. 反回神経麻痺――口唇のしびれ
  4. 低カルシウム血症――テタニー

 

 


 

▶午後47

Aさんは右側の人工股関節全置換術〈後方アプローチ〉を受けた。
Aさんへの脱臼予防の生活指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「靴はしゃがんで履いてください」
  2. 「右側に身体をねじらないでください」
  3. 「椅子に座るときは足を組んでください」
  4. 「浴室の椅子は膝の高さより低いものを使ってください」

 

 


 
▶午後48

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 老人福祉法
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律
  4. 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉

 

 


 

▶午後49

認知症高齢者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 説得するように話す。
  2. 作話があっても話を聞く。
  3. 一度に多くの情報を伝える。
  4. 同じ内容を繰り返している場合は会話を終了する。

 

 


 
▶午後50改題

令和3年(2021年)の高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査で、高齢者が過去1年間に参加した社会活動のうち割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 教育・文化
  2. 子育て支援
  3. 生産・就業
  4. 健康・スポーツ

 

 


 

▶午後51

Aさん(73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱と診断された。
Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 腹筋を鍛える。
  2. 膀胱訓練を行う。
  3. 水分摂取を控える。
  4. 尿意を感じたらすぐトイレに行く。

 

 


 

▶午後52

高齢者のうつ病の症状はどれか。

 

  1. 意識障害
  2. 知能低下
  3. 歩行障害
  4. 強い不安感

 

 


 
▶午後53改題

令和5年度(2023年度)の人口動態統計における、小児の年齢階級別死因のうち第1位が悪性新生物〈腫瘍〉である年齢階級はどれか。

 

  1. 0歳
  2. 1~4歳
  3. 5~9歳
  4. 10~14歳

 

 


 
▶午後54

健康な小児の成長・発達で正しいのはどれか。

 

  1. 情緒は快から不快が分化する。
  2. 発達とともにレム睡眠の割合は増える。
  3. 体重は出生後1年で出生時の約4倍になる。
  4. 身長は出生後1年で出生時の約1.5倍になる。

 

 


 

▶午後55

生後10か月の健康な乳児にみられる神経反射はどれか。

 

  1. 吸啜反射
  2. Moro〈モロー〉反射
  3. Landau〈ランドー〉反射
  4. 探索〈ルーティング〉反射

 

 


 

▶午後56

フォローアップミルクで正しいのはどれか。

 

  1. 母乳の代替品である。
  2. 鉄分が添加されている。
  3. 離乳食を食べる直前に与える。
  4. 離乳食開始の時期から与え始める。

 

 


 

▶午後57

受精と着床についての説明で正しいのはどれか。

 

  1. 卵子が受精能をもつ期間は排卵後48時間である。
  2. 卵管采で受精が起こる。
  3. 受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。
  4. 受精卵は桑実胚の段階で着床する。

 

 


 
▶午後58

母体保護法で規定されているのはどれか。

 

  1. 育児時間
  2. 生理休暇
  3. 受胎調節の実地指導
  4. 育児中の深夜業の制限

 

 


 

▶午後59

クラウス, M. H.とケネル, J. H.が提唱した絆(ボンディング)について適切なのはどれか。

 

  1. 生まれながらのものである。
  2. 母子間の同調性を意味する。
  3. 母子相互作用によって促進される。
  4. 親との間に子どもが築くものである。

 

 


 
▶午後60

早産期の定義はどれか。

 

  1. 妊娠21週0日から36週6日
  2. 妊娠22週0日から36週6日
  3. 妊娠22週0日から37週6日
  4. 妊娠23週0日から37週6日

 

 


 
▶午後61

妊婦健康診査を受診する時間を確保するために妊婦が事業主に請求できることを規定している法律はどれか。

 

  1. 母子保健法
  2. 労働基準法
  3. 育児介護休業法
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉

 

 


 
▶午後62

アルコールを多飲する人によくみられ、意識障害、眼球運動障害および歩行障害を特徴とするのはどれか。

 

  1. 肝性脳症
  2. ペラグラ
  3. Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症
  4. Creutzfeldt-Jakob〈クロイツフェルト・ヤコブ〉病

 

 


 
▶午後63

精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。

 

  1. 知的障害も交付対象である。
  2. 取得すると住民税の控除対象となる。
  3. 交付によって生活保護費の支給が開始される。
  4. 疾病によって障害が永続する人が対象である。

 

 


 

▶午後64

攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 患者の正面に立つ。
  2. アイコンタクトは避ける。
  3. 身振り手振りは少なくする。
  4. ボディタッチを積極的に用いる。

 

 


 

▶午後65

Aさん(79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。
Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「外に出て気分転換しませんか」
  2. 「昼間は布団をたたみましょう」
  3. 「介護保険でベッドの貸与を受けましょう」
  4. 「必要なものを身近に置いているのですね」

 

 


 

▶午後66

Aさん(69歳、女性)は、主治医、訪問看護師とともに、母(91歳)を自宅で看取った。死亡確認の直後、Aさんは涙ぐみながら「母のためにもっとできることがあったのではないかと申し訳なく思います」と話した。
このときに訪問看護師が行うAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 遺族の会を紹介する。
  2. 母への思いを傾聴する。
  3. 遺品を整理することを勧める。
  4. 新たなことに取りかかるよう促す。

 

 


 

▶午後67

Aさん(82歳、女性)は、脳梗塞の既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。
共有する内容で適切なのはどれか。

 

  1. ポータブルトイレでの排泄に変更する。
  2. 水分を多めに摂取するよう促す。
  3. 頻繁に寝衣を交換する。
  4. 入浴介助を中止する。

 

 


 
▶午後68

介護保険制度における地域密着型サービスはどれか。

 

  1. 重度訪問介護
  2. 地域活動支援事業
  3. 小規模多機能型居宅介護
  4. 特定施設入居者生活介護

 

 


 
▶午後69

成年後見制度で正しいのはどれか。

 

  1. 任意後見人は裁判所が決定する。
  2. 認知症の診断と同時に成年後見制度が適用される。
  3. 日常生活自立支援事業の一部として位置付けられる。
  4. 成年後見人は財産管理などの手続きを本人の代理で行う。

 

 


 
▶午後70

仙骨部に皮下組織に達する褥瘡がある患者が入院となった。患者は車椅子の利用を主治医に許可されている。
この患者に対する多職種で行う褥瘡ケアにおいて、受け持ち看護師が担う役割で適切なのはどれか。

 

  1. 薬剤師に外用薬の処方を依頼する。
  2. 事務職員に汚染ガーゼの廃棄を依頼する。
  3. 介護職員にドレッシング材の選択を依頼する。
  4. 理学療法士と車椅子乗車時の除圧方法を検討する。

 

 


 
▶午後71

災害時のトリアージで正しいのはどれか。

 

  1. トリアージタッグは衣服に装着する。
  2. 治療優先度の高さはトリアージ区分のⅠ、Ⅱ、Ⅲの順である。
  3. トリアージの判定は患者の到着時および到着後30分の2回行う。
  4. 最優先に治療を必要とする者には、黄色のトリアージタッグを装着する。

 

 


 
▶午後72

国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 国際労働機関〈ILO〉――難民の帰還支援
  2. 世界保健機関〈WHO〉――保健分野における研究の促進
  3. 国連人口基金〈UNFPA〉――平和維持活動
  4. 国連世界食糧計画〈WFP〉――二国間の国際保健医療協力

 

 


 

▶午後73

血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 腎臓
  3. 膵臓
  4. 脾臓

 

 


 

▶午後74

胸膜腔に存在するのはどれか。

 

  1. 滑液
  2. 空気
  3. 血液
  4. 漿液
  5. 粘液

 

 


 

▶午後75

正常な性周期である健常女性の10週間の基礎体温を図に示す。
110pm75
直近の排卵日はどれか。

 

 

 


 

▶午後76

閉塞性動脈硬化症〈ASO〉について正しいのはどれか。

 

  1. 橈骨動脈に好発する。
  2. 粥状硬化が原因である。
  3. 末梢血流量が増加する。
  4. 歩行によって痛みが改善する。
  5. 中小動脈の非化膿性炎症で生じる。

 

 


 
▶午後77

関節リウマチで起こる主な炎症はどれか。

 

  1. 滑膜炎
  2. 血管炎
  3. 骨髄炎
  4. 骨軟骨炎
  5. 関節周囲炎

 

 


 
▶午後78

母子保健法に基づく届出はどれか。

 

  1. 婚姻届
  2. 死産届
  3. 死亡届
  4. 出生届
  5. 妊娠届

 

 


 
▶午後79

Aさん(44歳、男性、会社員)は、20年以上の喫煙歴があり、BMI26である。会社の健康診断で脂質異常症と高血圧症を指摘された。
Aさんが発症する危険性が高い疾患はどれか。

 

  1. 1型糖尿病
  2. 潰瘍性大腸炎
  3. 肺血栓塞栓症
  4. 労作性狭心症
  5. 閉塞性血栓血管炎〈TAO〉

 

 


 

▶午後80

Aさん(48歳、男性、会社員)は、大量の飲酒の後、急激な上腹部痛と背部痛を訴え、救急外来を受診し、急性膵炎と診断された。
Aさんの救急外来受診時の血液検査結果で予測されるのはどれか。

 

  1. 血小板数の増加
  2. 血清LDH値の低下
  3. 血清γ-GTP値の低下
  4. 血清アミラーゼ値の上昇
  5. 血清カルシウム値の上昇

 

 


 
▶午後81

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に規定された入院形態で、精神保健指定医2名以上により、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると診察の結果が一致した場合に適用されるのはどれか。

 

  1. 応急入院
  2. 措置入院
  3. 任意入院
  4. 医療保護入院
  5. 緊急措置入院

 

 


 

▶午後82

副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。

 

  1. 動眼神経
  2. 三叉神経
  3. 内耳神経
  4. 迷走神経
  5. 舌下神経

 

 


 

▶午後83

血圧を上昇させるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. セロトニン
  2. ヒスタミン
  3. バソプレシン
  4. ブラジキニン
  5. 心房性ナトリウムペプチド

 

 


 

▶午後84

蠕動運動がみられるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 腎動脈
  2. 腎盂
  3. 尿管
  4. 膀胱
  5. 尿道

 

 


 

▶午後85

炎症の4徴候に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 壊疽
  2. 腫脹
  3. 膿瘍
  4. 発赤
  5. 浮腫

 

 


 

▶午後86

肝硬変におけるChild-Pugh〈チャイルド-ピュー〉分類の判定項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. プロトロンビン時間
  2. 血清アルブミン値
  3. 血中アンモニア値
  4. 血小板数
  5. 尿酸値

 

 


 
▶午後87

老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村
  2. 都道府県
  3. 福祉事務所
  4. 後期高齢者医療広域連合

 

 


 

▶午後88

Aさん(53歳、男性、会社員)は、数日前から耳鳴、めまい、耳閉感が出現し、突発性難聴と診断され入院となった。副腎皮質ステロイド薬の投与で症状が改善したため退院することになった。入院前の生活習慣は、外食2回/週、飲酒(ビール700mL)/日、睡眠6時間/日、入浴1回/日、喫煙20本/日、散歩2回/週。
退院後の生活で、Aさんが控えるべき事項はどれか。2つ選べ。

 

  1. 飲酒
  2. 外食
  3. 喫煙
  4. 散歩
  5. 入浴

 

 


 

▶午後89

神経性無食欲症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 過食と嘔吐を繰り返す。
  2. 腸管で吸収不全がある。
  3. 男性では性欲が亢進する。
  4. ボディイメージの歪みがある。
  5. 第二次性徴の発現前に発症すると初経は遅れる。

 

 


 

▶午後90

6%の次亜塩素酸ナトリウム液を用いて0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を1,000mL作るために必要な6%次亜塩素酸ナトリウム液の量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②mL

 

 


 

 資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第110回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和3年2月14日(日)に実施された第110回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第110回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 一般問題

 

 

▶午前26

複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。

 

  1. 咬筋
  2. 上腕二頭筋
  3. 腹直筋
  4. 大腿四頭筋

 

 


 
▶午前27

ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。

 

  1. A型肝炎ウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. C型肝炎ウイルス
  4. E型肝炎ウイルス

 

 


 

▶午前28

成人の敗血症について正しいのはどれか。

 

  1. 徐脈となる。
  2. 高血圧となる。
  3. 血管透過性が低下する。
  4. 全身炎症性反応を認める。

 

 


 
▶午前29

医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないことを定めているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 個人情報の保護に関する法律

 

 


 
▶午前30

食中毒予防の原則である「中心温度75℃以上1分以上の加熱」が有効なのはどれか。

 

  1. フグ毒
  2. 毒キノコ
  3. 黄色ブドウ球菌
  4. サルモネラ属菌

 

 


 

▶午前31

ソーシャルサポートのうち、情緒的サポートはどれか。

 

  1. 傾聴する。
  2. 情報提供する。
  3. 外出に付き添う。
  4. 経済的支援をする。

 

 


 

▶午前32

看護過程における情報収集で適切なのはどれか。

 

  1. 既往歴は情報に含めない。
  2. 看護計画立案後も情報収集を継続する。
  3. 看護問題を特定してから情報収集を開始する。
  4. 不安の内容はclosed question〈閉じた質問〉で情報収集する。

 

 


 

▶午前33

漸進的筋弛緩法の目的はどれか。

 

  1. 気道の確保
  2. 緊張の緩和
  3. 麻痺の改善
  4. 全身麻酔の導入

 

 


 

▶午前34

尿失禁の種類と対応の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁――排尿間隔の記録
  2. 機能性尿失禁――骨盤底筋訓練
  3. 切迫性尿失禁――下腹部への軽い刺激
  4. 反射性尿失禁――間欠的自己導尿

 

 


 

▶午前35

成人の睡眠中に分泌が増加するホルモンはどれか。

 

  1. アドレナリン
  2. オキシトシン
  3. 成長ホルモン
  4. 甲状腺ホルモン

 

 


 

▶午前36

患者の状態と寝衣の特徴との組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 発熱がある患者――防水性のもの
  2. 開腹術直後の患者――上着とズボンに分かれたもの
  3. 意識障害のある患者――前開きのもの
  4. 下肢に浮腫のある患者――足首にゴムが入っているもの

 

 


 

▶午前37

成人の前腕に静脈留置針を穿刺するときの刺入角度で適切なのはどれか。

 

  1. 10〜20度
  2. 30〜40度
  3. 50〜60度
  4. 70〜80度

 

 


 

▶午前38

生体検査はどれか。

 

  1. 喀痰検査
  2. 脳波検査
  3. 便潜血検査
  4. 血液培養検査

 

 


 
▶午前39

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、重症急性呼吸器症候群〈SARS〉の分類はどれか。

 

  1. 一類感染症
  2. 二類感染症
  3. 三類感染症
  4. 四類感染症

 

 


 

▶午前40

Aさん(63歳、男性)は、右肺癌で化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。
この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。

 

  1. 非オピオイド鎮痛薬
  2. 弱オピオイド鎮痛薬
  3. 強オピオイド鎮痛薬
  4. 鎮痛補助薬

 

 


 

▶午前41

Aさん(24歳、男性)は、突然出現した胸痛と呼吸困難があり、外来を受診した。意識は清明。身長180cm、体重51kg、胸郭は扁平である。20歳から40本/日の喫煙をしている。バイタルサインは、体温36.2℃、呼吸数20/分(浅い)、脈拍84/分、血圧122/64mmHgである。 胸部エックス線写真を別に示す。
110am40
Aさんの所見から考えられるのはどれか。

 

  1. 抗菌薬の投与が必要である。
  2. 胸腔ドレナージは禁忌である。
  3. 右肺野の呼吸音は減弱している。
  4. 胸腔内は腫瘍で占められている。

 

 


 

▶午前42

Aさん(50歳、男性)は肝硬変と診断され、腹水貯留と黄疸がみられる。
Aさんに指導する食事内容で適切なのはどれか。

 

  1. 塩分の少ない食事
  2. 脂肪分の多い食事
  3. 蛋白質の多い食事
  4. 食物繊維の少ない食事

 

 


 

▶午前43

Cushing〈クッシング〉症候群の成人女性患者にみられるのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 月経異常
  3. 体重減少
  4. 肝機能低下

 

 


 

▶午前44

Aさん(64歳、男性)は、肺炎のため抗菌薬の投与目的で入院となった。治療開始後3日に全身の皮膚、眼瞼結膜および口腔粘膜に紅斑と水疱が出現した。バイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数24/分、脈拍80/分、血圧124/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)であった。
Aさんに出現している症状から考えられる病態はどれか。

 

  1. 後天性表皮水疱症
  2. Sjögren〈シェーグレン〉症侯群
  3. 全身性エリテマトーデス
  4. Stevens-Johnson〈スティーブンス・ジョンソン〉症候群

 

 


 

▶午前45

膝関節鏡検査の説明として適切なのはどれか。

 

  1. 「外来の処置室で行います」
  2. 「関節内に空気を入れます」
  3. 「検査後1日は入浴できません」
  4. 「検査後に下肢の麻痺が起こることはありません」

 

 


 

▶午前46

高齢者の自立度を手段的日常生活動作〈IADL〉尺度を用いて評価した。
この尺度にある項目はどれか。

 

  1. コミュニケーション
  2. 自分の服薬管理
  3. トイレ動作
  4. 階段昇降

 

 


 

▶午前47

加齢の影響を受けにくく、高齢になっても維持されやすい認知機能はどれか。

 

  1. 感覚記憶
  2. 短期記憶
  3. 結晶性知能
  4. 流動性知能

 

 


 

▶午前48

Aさん(80歳、男性)は、1人暮らし。高血圧症で内服治療をしているが健康状態や認知機能に問題はなく、日常生活動作〈ADL〉は自立している。毎朝30分の散歩と買い物を日課とし、週1回は老人クラブでゲートボールをしている。Aさんは受診の際に看護師に「最近、昼食後に居眠りをしてしまう。今は大丈夫だが、このままだと夜眠れなくなるのではないか」と話した。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 昼食後にも散歩を促す。
  2. 主治医に相談するよう勧める。
  3. 老人クラブの参加回数を増やすよう勧める。
  4. 30分程度の昼寝は夜の睡眠に影響はないと伝える。

 

 


 

▶午前49

加齢に伴う血管壁の硬化による血圧への影響はどれか。

 

  1. 収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下する。
  2. 収縮期血圧は低下し、拡張期血圧は上昇する。
  3. 収縮期血圧も拡張期血圧も上昇する。
  4. 収縮期血圧も拡張期血圧も低下する。

 

 


 

▶午前50

加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。

 

  1. 経口摂取量の低下
  2. 味覚の閾値の低下
  3. 腸管での水分吸収の低下
  4. 直腸内圧感受性の閾値の低下

 

 


 

▶午前51

高齢者がMRI検査を受ける前に、看護師が確認する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「夜はよく眠れますか」
  2. 「義歯を装着していますか」
  3. 「呼吸が苦しいことはありますか」
  4. 「水を飲むときにむせることはありますか」

 

 


 
▶午前52

養育医療が定められている法律はどれか。

 

  1. 児童福祉法
  2. 母子保健法
  3. 発達障害者支援法
  4. 児童虐待の防止等に関する法律

 

 


 

▶午前53

乳幼児身体発育調査による、身体発育曲線のパーセンタイル値で正しいのはどれか。

 

  1. 3パーセンタイル未満の児は、要精密検査となる。
  2. 50パーセンタイルは同年齢同性の児の平均値を示す。
  3. 10パーセンタイルは同年齢同性の児の平均より10%小さいことを示す。
  4. 75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満の児は、要経過観察となる。

 

 


 

▶午前54

Aちゃん(11歳、女児)は、5日前から両側の眼瞼浮腫と急な体重増加があり、尿量が少ないため来院した。高度の蛋白尿もみられたため入院し、ネフローゼ症候群と診断されステロイド治療の方針となった。
現時点でのAちゃんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 水分摂取を促す。
  2. 病院内を散歩して良いと伝える。
  3. 糖分の摂取制限があることを伝える。
  4. 一時的に満月様顔貌になることを説明する。

 

 


 

▶午前55

子どもの遊びで正しいのはどれか。

 

  1. 身体機能の発達を促す。
  2. 1歳でごっこ遊びが多くみられる。
  3. 感覚遊びは8歳ころからみられるようになる。
  4. テレビの長時間視聴は乳児の言語発達を促す。

 

 


 
▶午前56改題

日本の人口動態統計における妊産婦死亡について正しいのはどれか。

 

  1. 出生10万対で示す。
  2. 出産後1年までの女性の死亡をいう。
  3. 令和4年(2022年)の妊産婦死亡率は、10.1である。
  4. 間接産科的死亡に比べて、直接産科的死亡による死因が多い。

 

 


 

▶午前57

更年期女性のホルモン補充療法によってリスクが低くなるのはどれか。

 

  1. 乳癌
  2. 骨粗鬆症
  3. 子宮体癌
  4. 静脈血栓症

 

 


 

▶午前58

妊娠の初期と後期のどちらの時期にも起こるマイナートラブルはどれか。

 

  1. 下肢静脈瘤
  2. 搔痒感
  3. つわり
  4. 頻尿

 

 


 

▶午前59

早期新生児の生理的黄疸で正しいのはどれか。

 

  1. 生後24時間以内に出現し始める。
  2. 皮膚の黄染は、腹部から始まる。
  3. 生後4、5日でピークとなる。
  4. 便が灰白色になる。

 

 


 
▶午前60

都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。

 

  1. ゲートキーパー
  2. ピアサポーター
  3. 精神保健福祉相談員
  4. 退院後生活環境相談員

 

 


 
▶午前61

Aさん(57歳、女性)は1人暮らし。統合失調症で精神科病院への入退院を繰り返しており、今回は入院してから1年が経過している。日常生活動作〈ADL〉はほぼ自立し、服薬の自己管理ができるようになってきた。
Aさんが退院に向けて利用するサービスとして適切なのはどれか。

 

  1. 療養介護
  2. 施設入所支援
  3. 地域移行支援
  4. 自立訓練としての機能訓練

 

 


 

▶午前62

選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉で正しいのはどれか。

 

  1. パニック障害に対して有効である。
  2. 抗コリン作用は三環系抗うつ薬よりも強い。
  3. うつ症状が改善したら使用はすぐに中止する。
  4. 抗うつ効果の評価は使用開始後3日以内に行う。

 

 


 
▶午前63

精神保健指定医について正しいのはどれか。

 

  1. 医療法で規定されている。
  2. 都道府県知事が指定する。
  3. 障害年金の支給判定を行う。
  4. 精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う。

 

 


 

▶午前64

筋力低下のある在宅療養者の家屋環境において転倒するリスクが最も高いのはどれか。

 

  1. 深い浴槽
  2. 段差がない床
  3. 整理整頓された部屋
  4. 足元灯を設置した廊下

 

 


 

▶午前65

Aさん(75歳、男性)は妻(66歳)と2人暮らし。3か月前に認知症の診断を受けた。妻から訪問看護師に「夫は通所介護のときは穏やかに過ごしていると聞いているが、家では興奮することが多く、どう対応すればよいかわからない」と相談があった。
このときの妻に対する訪問看護師の最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 主治医に相談するよう勧める。
  2. Aさんと散歩に出かけることを勧める。
  3. 通所介護の頻度を増やすことを提案する。
  4. Aさんが興奮する状況を妻と一緒に振り返る。

 

 


 

▶午前66

Aさん(83歳、女性)は、1人暮らし。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行われた。
誤嚥性肺炎の再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容で優先されるのはどれか。

 

  1. 嚥下機能検査の判定結果
  2. 栄養状態を示す検査データ
  3. 入院中の日常生活動作〈ADL〉
  4. 誤嚥性肺炎の治療に用いられた薬剤

 

 


 
▶午前67

介護保険制度におけるケアマネジメントで適切なのはどれか。

 

  1. 家族の介護能力はアセスメントに含めない。
  2. 介護支援専門員が要介護状態区分を判定する。
  3. 利用者が介護サービス計画を作成することはできない。
  4. モニタリングの結果に基づき介護サービス計画の修正を行う。

 

 


 

▶午前68

夜勤帯に、A看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラームが鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。
A看護師が最も優先すべきなのはどれか。

 

  1. 点滴静脈内注射の準備
  2. 発汗した患者の寝衣交換
  3. 飲水を希望する患者への対応
  4. 人工呼吸器を装着している患者の観察

 

 


 
▶午前69

病院における医療安全文化の醸成につながる行動はどれか。

 

  1. 食事介助は30分以内で行うルールを決める。
  2. 他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。
  3. 薬剤を間違えても影響がない場合は患者に説明しない。
  4. 水薬の内服時にこぼれた量が少ない場合はそのままとする。

 

 


 
▶午前70

プリセプターシップの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 仕事と生活の調和を図ること
  2. 主体的に自らのキャリアを計画し組み立てること
  3. チームリーダーのもとに看護ケアを提供すること
  4. 経験のある看護師が新人看護師を1対1で指導・助言すること

 

 


 
▶午前71

大規模災害発生後2か月が経過し、応急仮設住宅で生活を始めた被災地の住民に出現する可能性が高い健康問題はどれか。

 

  1. 慢性疾患の悪化
  2. 消化器感染症の発症
  3. 深部静脈血栓症の発症
  4. 急性ストレス障害の発症

 

 


 
▶午前72

国際連合〈UN〉で採択された2016年から2030年までの開発に関する世界的な取り組みはどれか。

 

  1. 持続可能な開発目標〈SDGs〉
  2. ミレニアム開発目標〈MDGs〉
  3. プライマリヘルスケア
  4. 政府開発援助〈ODA〉

 

 


 

▶午前73

Aさん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症で内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。Aさんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「出張中は、減塩の必要はありません」
  2. 「出張先では有酸素運動は控えましょう」
  3. 「現地に到着してから健康診断を受診しましょう」
  4. 「持参する高血圧症の薬について、かかりつけ医に相談しましょう」

 

 


 

▶午前74

血液中のビリルビンの由来はどれか。

 

  1. 核酸
  2. メラニン
  3. アルブミン
  4. グリコゲン
  5. ヘモグロビン

 

 


 
▶午前75

抗原によって感作されたTリンパ球による細胞性免疫が主体となるのはどれか。

 

  1. 花粉症
  2. 蕁麻疹
  3. ツベルクリン反応
  4. アナフィラキシーショック
  5. インフルエンザの予防接種

 

 


 

▶午前76

後天性の大動脈弁狭窄症について正しいのはどれか。

 

  1. 二尖弁が多い。
  2. 弁尖の石灰化による。
  3. 左室壁は徐々に薄くなる。
  4. 拡張期に心雑音を聴取する。
  5. 心筋の酸素需要は減少する。

 

 


 

▶午前77

褐色細胞腫でみられるのはどれか。

 

  1. 高血糖
  2. 中心性肥満
  3. 満月様顔貌
  4. 血清カリウム濃度の低下
  5. 副腎皮質ホルモンの産生の亢進

 

 


 

▶午前78

Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群で正しいのはどれか。

 

  1. 若年者に多い。
  2. 遺伝性疾患である。
  3. 骨格筋に病因がある。
  4. 症状に日内変動がある。
  5. 抗ガングリオシド抗体が出現する。

 

 


 
▶午前79

生活保護法で実施される扶助は、生活扶助、介護扶助、住宅扶助、出産扶助を含めて( )種類である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 5
  2. 6
  3. 7
  4. 8
  5. 9

 

 


 

▶午前80

カウンセリングの基本的態度で適切なのはどれか。

 

  1. 査定
  2. 指示
  3. 受容
  4. 同化
  5. 評価

 

 


 

▶午前81

成人の人体図を別に示す。
110am80
意識清明で不整脈のある成人の脈拍測定時に一般的に使われる部位はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前82

感染徴候のない創部の治癒を促進する要因はどれか。

 

  1. 圧迫
  2. 痂皮
  3. 湿潤
  4. 消毒
  5. 浮腫

 

 


 

▶午前83

小児期における消化器の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 新生児期は胃内容物が食道に逆流しやすい。
  2. 乳児期のリパーゼの活性は成人と同程度である。
  3. ラクターゼの活性は1歳以降急速に高まる。
  4. アミラーゼの活性は12〜13歳で成人と同程度になる。
  5. 出生直後の腸内細菌叢は母親の腸内細菌叢の構成と同一である。

 

 


 

▶午前84

感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 嗅覚
  2. 聴覚
  3. 味覚
  4. 振動感覚
  5. 平衡感覚

 

 


 

▶午前85

血液のpH調節に関わっているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 心臓
  2. 腎臓
  3. 膵臓

 

 


 

▶午前86改題

悪性貧血で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 匙状爪が多くみられる。
  2. 異食症が出現する。
  3. 小球性の貧血である。
  4. 胃癌の発症率が高い。
  5. 自己免疫機序で発症する。

 

 


 
▶午前87

労働者災害補償保険法に規定されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 通勤災害時の療養給付
  2. 失業時の教育訓練給付金
  3. 災害発生時の超過勤務手当
  4. 有害業務従事者の健康診断
  5. 業務上の事故による介護補償給付

 

 


 

▶午前88

尿管結石症の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 尿路変更術
  2. 血管拡張薬の投与
  3. カルシウム製剤の投与
  4. 体外衝撃波砕石術〈ESWL〉
  5. 非ステロイド系抗炎症薬の投与

 

 


 
▶午前89

Aさん(38歳、女性)は、大腸癌の終末期である。癌性腹膜炎による症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。
退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 薬剤師
  2. 言語聴覚士
  3. 臨床検査技師
  4. 介護支援専門員
  5. ソーシャルワーカー

 

 


 
▶午前90

身体的フレイルの評価基準はどれか。2つ選べ。

 

  1. 視力低下
  2. 体重減少
  3. 聴力低下
  4. 歩行速度の低下
  5. 腸蠕動運動の低下

 

 


 

 資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第110回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和2年2月16日(日)に実施された第109回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第109回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後18(必修除外)

過呼吸で正しいのはどれか。

 

  1. 吸気時に下顎が動く。
  2. 1回換気量が増加する。
  3. 呼吸数が24/分以上になる。
  4. 呼吸リズムが不規則になる。

 

 


 

▶午後26

成人の骨格で線維軟骨結合があるのはどれか。

 

  1. 頭蓋冠
  2. 脊柱
  3. 寛骨
  4. 仙骨

 

 


 

▶午後27

咀嚼筋はどれか。

 

  1. 頰筋
  2. 咬筋
  3. 口輪筋
  4. 胸鎖乳突筋

 

 


 

▶午後28

体温のセットポイントが突然高く設定されたときに起こるのはどれか。

 

  1. 立毛
  2. 発汗
  3. 代謝抑制
  4. 皮膚血管拡張

 

 


 

▶午後29

二次性高血圧症の原因となるホルモンはどれか。

 

  1. アルドステロン
  2. ソマトスタチン
  3. グルカゴン
  4. メラトニン

 

 


 

▶午後30

成人の急性扁桃炎の原因となる菌はどれか。

 

  1. 百日咳菌〈Bordetella pertussis〉
  2. 黄色ブドウ球菌〈Staphylococcus aureus〉
  3. インフルエンザ菌〈Haemophilus influenzae〉
  4. ヘリコバクター・ピロリ〈Helicobacter pylori〉

 

 


 

▶午後31

急性骨髄性白血病の検査所見で正しいのはどれか。

 

  1. 赤血球数が増加する。
  2. 血小板数が増加する。
  3. 白血球分画に白血病裂孔を認める。
  4. ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が3%未満である。

 

 


 

▶午後32

Ménière〈メニエール〉病で正しいのはどれか。

 

  1. 伝音性難聴を伴う。
  2. めまいは回転性である。
  3. 発作期に外科治療を行う。
  4. 蝸牛の機能は保たれている。

 

 


 

▶午後33

成人の急性腎盂腎炎で正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 両腎性が多い。
  3. 初尿を用いて細菌培養を行う。
  4. 原因菌はGram〈グラム〉陰性桿菌が多い。

 

 


 
▶午後34

国民健康保険で正しいのはどれか。

 

  1. 被用者保険である。
  2. 保険者は国である。
  3. 高額療養費制度がある。
  4. 保険料は加入者の年齢で算出する。

 

 


 
▶午後35

高齢者の虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉で、措置された高齢者が入所する社会福祉施設はどれか。

 

  1. 有料老人ホーム
  2. 特別養護老人ホーム
  3. 高齢者生活福祉センター
  4. サービス付き高齢者向け住宅

 

 


 
▶午後36

母子保健統計の算出方法で出生数を分母としているのはどれか。

 

  1. 妊娠満22週以後の死産率
  2. 周産期死亡率
  3. 乳児死亡率
  4. 死産率

 

 


 
▶午後37

健康増進法に基づき実施されるのはどれか。

 

  1. 受療行動調査
  2. 特定保健指導
  3. アレルギー疾患対策
  4. 受動喫煙の防止対策

 

 


 
▶午後38

判断能力のある成人患者へのインフォームド・コンセントにおける看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 患者の疑問には専門用語を用いて回答する。
  2. 今後の治療に関しては医療者に任せるように話す。
  3. 治療方針への同意は撤回できないことを説明する。
  4. 納得ができるまで医師からの説明が受けられることを伝える。

 

 


 

▶午後39

看護過程における情報の分析はどれか。

 

  1. 脱水状態である。
  2. 尿比重は1.030である。
  3. 痛みは1〜10の尺度で8である。
  4. 左腓骨骨折によるシーネ固定をしている。

 

 


 

▶午後40

第2〜第4腰髄の障害を確認する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 輻輳反射
  2. 膝蓋腱反射
  3. Barré〈バレー〉徴候
  4. Trendelenburg〈トレンデレンブルグ〉徴候

 

 


 

▶午後41

成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのはどれか。

 

  1. 自己効力感
  2. パターナリズム
  3. プレパレーション
  4. ノンコンプライアンス

 

 


 

▶午後42

成人女性に膀胱留置カテーテルを挿入する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。
  2. カテーテルは外尿道口から15cm挿入する。
  3. 固定用バルーンを膨らませた後、尿の流出を確認する。
  4. 固定用バルーンにはクロルヘキシジングルコン酸塩液を注入する。

 

 


 

▶午後43

中心静脈栄養法〈TPN〉で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。

 

  1. 高血圧
  2. 高血糖
  3. 末梢静脈炎
  4. 正中神経麻痺

 

 


 

▶午後44

成人に自動体外式除細動器〈AED〉を使用する際の電極パッドの貼付で正しいのはどれか。

 

  1. 小児用電極パッドが代用できる。
  2. 右前胸部に縦に並べて貼付する。
  3. 貼付部の発汗は貼付前に拭き取る。
  4. 経皮吸収型テープ剤の上に貼付する。

 

 


 

▶午後45

Braden〈ブレーデン〉スケールの評価項目で正しいのはどれか。

 

  1. 湿潤
  2. 循環
  3. 体圧
  4. 年齢

 

 


 
▶午後46

医療施設において、患者の入院から退院までの看護を1人の看護師が継続して責任をもつことを重視した看護体制はどれか。

 

  1. 機能別看護方式
  2. 患者受け持ち方式
  3. チームナーシングシステム
  4. プライマリナーシングシステム

 

 


 
▶午後47改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査における成人の生活習慣の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 朝食の欠食率は40歳代が最も多い。
  2. 運動習慣のある人の割合は30歳代が最も多い。
  3. 1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。
  4. 習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて増加している。

 

 


 

▶午後48

慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助はどれか。

 

  1. 行動の習慣化を促す。
  2. 医療者が患者の目標を設定する。
  3. 結果を優先して評価することを促す。
  4. うまくいかない行動に目を向けるよう促す。

 

 


 

▶午後49

気管支鏡検査を受ける成人患者への援助で正しいのはどれか。

 

  1. 検査の予約の際に抗凝固薬の内服の有無を確認する。
  2. 検査の1時間前から飲食しないように指導する。
  3. 検査中の咳は我慢しなくてよいと指導する。
  4. 検査後は肺気腫の症状に注意する。

 

 


 
▶午後50

ラテックス製手袋を着用した直後に口唇・手足のしびれと喉頭の違和感を自覚した。
原因となる病態はどれか。

 

  1. Ⅰ型アレルギー
  2. Ⅱ型アレルギー
  3. Ⅲ型アレルギー
  4. Ⅳ型アレルギー

 

 


 

▶午後51

Aさん(59歳、女性)は裂孔原性網膜剝離と診断され、硝子体手術の際に硝子体腔中にガス注入を受けた。
手術直後、病室での体位で適切なのはどれか。

 

  1. 坐位
  2. 腹臥位
  3. 仰臥位
  4. 側臥位

 

 


 

▶午後52

散瞳薬を用いて眼底検査を受ける成人患者への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 検査中は室内を明るくする。
  2. 散瞳薬の点眼は検査直前に行う。
  3. 検査前に緑内障の有無を確認する。
  4. 検査後1時間で自動車の運転が可能になると説明する。

 

 


 

▶午後53

関節リウマチで長期にわたりメトトレキサートを服用している患者の副作用〈有害事象〉で適切なのはどれか。

 

  1. 便秘
  2. 不整脈
  3. 聴力障害
  4. 間質性肺炎

 

 


 
▶午後54改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合のうち、「同居の家族」が占める割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 26%
  3. 46%
  4. 66%

 

 


 

▶午後55

老化によって減少または低下するのはどれか。

 

  1. 重心の動揺
  2. 糸球体の数
  3. 嗅覚の閾値
  4. 前立腺の重量

 

 


 
▶午後56

高齢者に対するエイジズムの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 年齢にとらわれないこと
  2. 加齢に伴う心身機能の変化
  3. 高齢という理由で不当な扱いをすること
  4. 老化に関連した遺伝子によって引き起こされる現象

 

 


 

▶午後57

Aさん(90歳、女性)は、認知症で要介護3。デイサービスの送迎の際に、同居している娘から「食事は家族と同じものを食べていたのですが、昨日から下痢が続いています。発熱はなく、元気はあります」と看護師に話があった。デイサービスでは午前中に不消化便が1回あり、おむつ交換の際に、肛門周囲の発赤がみられた。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 腹部マッサージを行う。
  2. 経口補水液の摂取を促す。
  3. 食物繊維を多く含む食事にする。
  4. 石けんを使って肛門周囲を洗う。

 

 


 

▶午後58

乳児の安静時におけるバイタルサインで基準値から逸脱しているのはどれか。

 

  1. 体温37.0℃
  2. 呼吸数35/分
  3. 心拍数60/分
  4. 血圧88/60mmHg

 

 


 
▶午後59改題

令和3年度(2021年度)の福祉行政報告例における児童虐待で正しいのはどれか。

 

  1. 主たる虐待者は実父が最も多い。
  2. 性的虐待件数は身体的虐待件数より多い。
  3. 児童虐待相談件数は5年間横ばいである。
  4. 心理的虐待件数は5年前に比べて増加している。

 

 


 

▶午後60

Aちゃん(5歳、女児)は、インフルエンザ脳症の終末期である。Aちゃんに意識はなく、付き添っている母親は「私がもっと早く病院に連れて来ればこんなことにならなかったのに」と病室で泣いている。
Aちゃんの母親への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母親に受診が遅くなった状況を聞く。
  2. 母親がAちゃんに対してできるケアを提案する。
  3. 病気で亡くなった子どもの親の会を母親に紹介する。
  4. 母親が泣いている間はAちゃんの病室に居ることができないと母親に説明する。

 

 


 
▶午後61改題

令和5年(2023年)の人口動態統計における日本の出生で正しいのはどれか。

 

  1. 出生数は過去10年で最低である。
  2. 出生数は80万人を上回っている。
  3. 合計特殊出生率は1.10を下回っている。
  4. 第1子出生時の母の平均年齢は30歳未満である。

 

 


 

▶午後62

エストロゲン低下によって更年期の女性に起こるのはどれか。

 

  1. 骨量の低下
  2. 内臓脂肪の減少
  3. 脳血流量の増加
  4. HDLコレステロールの上昇

 

 


 

▶午後63

順調に分娩が進行している産婦から「腟から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」と看護師に訴えがあった。流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。
その時の産婦への対応で優先されるのはどれか。

 

  1. 更衣を促す。
  2. 体温を測定する。
  3. 食事摂取を勧める。
  4. 胎児心拍数を確認する。

 

 


 

▶午後64

新生児の反応の図を示す。
Moro〈モロー〉反射はどれか。

 

119pm64

 

 


 

▶午後65

飲酒したい欲求を抑圧した人が、酩酊状態の人の行動を必要以上に非難する防衛機制はどれか。

 

  1. 昇華
  2. 転換
  3. 合理化
  4. 反動形成

 

 


 

▶午後66

アギュララ, D. C.が提唱した危機〈クライシス〉を回避する要因で正しいのはどれか。

 

  1. 情緒的サポート
  2. 適切な対処機制
  3. 問題志向のコーピング
  4. ソーシャルインクルージョン

 

 


 
▶午後67

精神障害の三次予防の内容で適切なのはどれか。

 

  1. うつ病患者の復職支援
  2. 住民同士のつながりの強化
  3. 精神保健に関する問題の早期発見
  4. ストレス関連障害の発症予防に関する知識の提供

 

 


 

▶午後68

成人期早期に、見捨てられることに対する激しい不安、物質乱用や過食などの衝動性、反復する自傷行為、慢性的な空虚感、不適切で激しい怒りがみられ、社会的、職業的に不適応を生じるのはどれか。

 

  1. 回避性人格〈パーソナリティ〉障害
  2. 境界性人格〈パーソナリティ〉障害
  3. 妄想性人格〈パーソナリティ〉障害
  4. 反社会性人格〈パーソナリティ〉障害

 

 


 
▶午後69

医療保護入院で正しいのはどれか。

 

  1. 入院の期間は72時間に限られる。
  2. 患者の家族等の同意で入院させることができる。
  3. 2人以上の精神保健指定医による診察の結果で入院となる。
  4. 精神障害のために他人に害を及ぼすおそれが明らかな者が対象である。

 

 


 

▶午後70

Aさん(55歳、男性)は、妻と2人暮らし。建築士として主にデスクワークの仕事を行っていた。脊髄損傷のため下半身の不完全麻痺となり、リハビリテーション専門の病院へ転院した。電動車椅子を用いて室内の動作は自立できるようになった。退院調整部門の看護師との面接でAさんから「元の職場に戻りたい」と話があった。
Aさんの自己決定を支援する看護師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「元の職場の仕事を在宅勤務に変更しましょう」
  2. 「デスクワークなので職場復帰は可能と思います」
  3. 「職場復帰にあたりAさんが課題と思うことを整理しましょう」
  4. 「元の職場にこだわらずAさんの障害にあった職場を探しましょう」

 

 


 
▶午後71

訪問看護事業所で正しいのはどれか。

 

  1. 24時間対応が義務付けられている。
  2. 自宅以外への訪問看護は認められない。
  3. 特定非営利活動法人〈NPO〉は事業所を開設できる。
  4. 従事する看護師は臨床経験3年以上と定められている。

 

 


 

▶午後72

Aさん(78歳、男性)は、妻(75歳)と2人暮らし。脳梗塞の既往がある。妻から「最近、夫は食事をむせずに食べることができるが、口の中に食べ物が残っていることが多い。夫の食事について助言が欲しい」と訪問看護師に相談があった。
妻への訪問看護師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「食事にとろみをつけましょう」
  2. 「自助具を使って食事をしましょう」
  3. 「口に入れる1回量を少なくしましょう」
  4. 「食事前に舌の動きを促す運動をしましょう」

 

 


 

▶午後73

皮下埋込みポートを用いた在宅中心静脈栄養法〈HPN〉で適切なのはどれか。

 

  1. 抜針して入浴することができる。
  2. 24時間持続する注入には適さない。
  3. 同居の家族がいることが必須条件である。
  4. 外出時に輸液ポンプを使うことはできない。

 

 


 

▶午後74

与薬の事故防止に取り組んでいる病院の医療安全管理者が行う対策で適切なのはどれか。

 

  1. 与薬の業務プロセスを見直す。
  2. 医師に口頭での与薬指示を依頼する。
  3. 病棟ごとに与薬マニュアルを作成する。
  4. インシデントを起こした職員の研修会を企画する。

 

 


 

▶午後75

Aさん(55歳、女性)は、1人暮らし。Aさんには視覚障害があり、光と輪郭がぼんやりわかる程度である。食事の準備や室内の移動は自立している。震度6の地震が発生した。Aさんは、避難所に指定されたバリアフリーの公民館に近所のBさんと避難した。公民館には複数の部屋がある。避難所の開設初日に医療救護班として看護師が派遣された。
避難所生活を開始するAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. BさんをAさんの介助者とする。
  2. Aさんの肩に触れてから声をかける。
  3. Aさんにはトイレに近い部屋を割りあてる。
  4. 移動するときはAさんの手を引っ張って誘導する。

 

 


 

▶午後76

朝9時に大規模地震が発生した。病棟の患者と職員の安全は確認できた。病棟内の壁や天井に破損はなかったが、病院は、停電によって自家発電装置が作動した。
病棟の看護師長が行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 災害対策本部を設置する。
  2. 災害時マニュアルを整備する。
  3. 隣接する病棟に支援を要請する。
  4. スタッフに避難経路の安全確認を指示する。

 

 


 
▶午後77

Aさん(28歳、男性)。海外出張で訪れたアフリカ地域から帰国後1週に39℃の発熱と解熱を繰り返すため外来を受診した。腹部症状は特にない。
予測される感染症はどれか。

 

  1. マラリア
  2. コレラ
  3. 赤痢
  4. 破傷風

 

 


 
▶午後78

看護師の特定行為で正しいのはどれか。

 

  1. 診療の補助である。
  2. 医師法に基づいている。
  3. 手順書は看護師が作成する。
  4. 特定行為を指示する者に歯科医師は含まれない。

 

 


 

▶午後79

( )の組織を還流した血液は心臓に戻る前に肝臓を通過する。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 食道
  2. 小腸
  3. 腎臓
  4. 下肢

 

 


 

▶午後80

「安静時呼吸」、「深呼吸」、「徐々に深くなっていく呼吸」に伴う肺容量の変化を図に示す。
109pm80
肺活量を示すのはどれか。

 

 

 


 

▶午後81

健常な成人において、血液中のグルコース濃度が低下した時に、グルカゴンの働きでグリコゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するのはどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 骨格筋
  3. 脂肪組織
  4. 心臓
  5. 膵臓

 

 


 

▶午後82

関節運動はないが筋収縮が認められる場合、徒手筋力テストの結果は( )/5と表記する。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

 

 


 

▶午後83

加齢黄斑変性の症状はどれか。

 

  1. 羞明
  2. 霧視
  3. 飛蚊症
  4. 眼圧の亢進
  5. 中心視野の欠損

 

 


 

▶午後84

高齢者が共同生活をする施設で、感染の拡大予防のために個室への転室などの対応を必要とするのはどれか。

 

  1. 白癬
  2. 帯状疱疹
  3. 蜂窩織炎
  4. 角化型疥癬
  5. 皮膚カンジダ症

 

 


 

▶午後85

3歳児の排泄行動の発達に該当するのはどれか。

 

  1. 夜尿をしなくなる。
  2. 尿意を自覚し始める。
  3. 排便後の後始末ができる。
  4. トイレに行くまで排尿を我慢できる。
  5. 遊びに夢中になっても排尿の失敗がなくなる。

 

 


 

▶午後86

全身性エリテマトーデス〈SLE〉で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 遺伝素因の関与が大きい。
  2. 発症には男性ホルモンが関与する。
  3. 中枢神経症状は生命予後に影響する。
  4. Ⅰ型アレルギーによる免疫異常である。
  5. 適切に治療しても5年生存率は50%である。

 

 


 

▶午後87

大量の輸液が必要と考えられる救急患者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 前額部の切創で出血している。
  2. オートバイ事故で両大腿が変形している。
  3. プールの飛び込み事故で四肢が動かない。
  4. デスクワーク中に胸が苦しいと言って倒れている。
  5. 火事で顔面、胸腹部、背部および両上肢にⅡ度の熱傷を負っている。

 

 


 

▶午後88

胃食道逆流症で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 青年期に多い。
  2. 高脂肪食の摂取を勧める。
  3. 食後は左側臥位で休息する。
  4. 下部食道括約筋の弛緩が関与する。
  5. H2受容体拮抗薬によって自覚症状が緩和する。

 

 


 
▶午後89

健やか親子21(第2次)の基盤課題Bのうち、学童期・思春期の課題の指標となっているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 十代の喫煙率
  2. 十代の自殺死亡率
  3. 十代の定期予防接種の接種率
  4. 児童・生徒における不登校の割合
  5. 児童・生徒におけるむし歯(う歯)の割合

 

 


 

▶午後90

1,500mLの輸液を朝9時からその日の17時にかけて点滴静脈内注射で実施する。
20滴で1mLの輸液セットを用いた場合の1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②滴/分

 

 


 

資料 厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第109回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和2年2月16日(日)に実施された第109回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第109回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2025/2026

 

発売日:2025.8.26

定価:3,740円(税込)

416頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前11(必修除外)

健康な成人の1回換気量はどれか。

 

  1. 約150mL
  2. 約350mL
  3. 約500mL
  4. 約1,000mL

 

 


 

 ▶午前26

固有心筋の特徴はどれか。

 

  1. 平滑筋である。
  2. 骨格筋よりも不応期が短い。
  3. 活動電位にプラトー相がみられる。
  4. 筋層は右心室の方が左心室より厚い。

 

 


 

 ▶午前27

小細胞癌で正しいのはどれか。

 

  1. 患者数は非小細胞癌より多い。
  2. 肺末梢側に発生しやすい。
  3. 悪性度の低い癌である。
  4. 治療は化学療法を行う。

 

 


 

 ▶午前28

脳梗塞を最も早期に検出できる画像検査はどれか。

 

  1. シンチグラフィ
  2. 磁気共鳴画像〈MRI〉
  3. 磁気共鳴血管画像〈MRA〉
  4. コンピュータ断層撮影〈CT〉

 

 


 
▶午前29

公費医療と法の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 未熟児の養育医療――医療法
  2. 結核児童の療養給付――児童福祉法
  3. 麻薬中毒者の措置入院――精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
  4. 定期予防接種による健康被害の救済措置――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

 

 


 
▶午前30

廃棄する物とその区分との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 滅菌パックの袋――産業廃棄物
  2. エックス線フィルム――一般廃棄物
  3. 血液の付着したメスの刃――感染性産業廃棄物
  4. pH12.5以上のアルカリ性の廃液――感染性一般廃棄物

 

 


 

 ▶午前31

患者と看護師の間の専門的な援助関係で適切なのはどれか。

 

  1. 自然発生的に成立する。
  2. 援助方法は看護師に一任される。
  3. 患者のニーズに焦点がおかれる。
  4. 日常的な会話を中心に展開する。

 

 


 

 ▶午前32

細菌の芽胞を死滅させるのはどれか。

 

  1. 紫外線
  2. ポビドンヨード
  3. 70%アルコール
  4. 酸化エチレンガス

 

 


 

 ▶午前33

クロストリジウム・ディフィシレ(ディフィシル)による下痢を発症している患者の陰部洗浄をベッド上で行う際の個人防護具を着用した看護師の写真を別に示す。
109am33
適切なのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 
▶午前34

インシデントレポートで適切なのはどれか。

 

  1. 責任追及のためには使用されない。
  2. インシデントの発生から1か月後に提出する。
  3. 主な記述内容はインシデントの再発防止策である。
  4. 実施前に発見されたインシデントの報告は不要である。

 

 


 

 ▶午前35

成人の睡眠で正しいのはどれか。

 

  1. レム睡眠中は骨格筋が弛緩する。
  2. 入眠前の喫煙は睡眠導入時間を短くする。
  3. ノンレム睡眠中はエネルギー代謝が亢進する。
  4. 睡眠周期は90分のレム睡眠と数分のノンレム睡眠を繰り返す。

 

 


 

 ▶午前36

片麻痺のある成人の臥床患者の患側の良肢位で適切なのはどれか。

 

  1. 肩関節は内転10度
  2. 肘関節は屈曲10度
  3. 股関節は外転10度
  4. 足関節は背屈10度

 

 


 

 ▶午前37

クリップ式のプローブを用いて手指で経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉を測定する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 同じ指で24時間連続で測定する。
  2. マニキュアをしたままで測定する。
  3. 装着部位に冷感がある場合は温める。
  4. 指を挟んだプローブはテープで固定する。

 

 


 

 ▶午前38

熱型を図に示す。
109am38
熱型の種類と図の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 間欠熱――A
  2. 稽留熱――B
  3. 弛張熱――C
  4. 波状熱――D

 

 


 

 ▶午前39

薬の内服方法における頓用で正しいのはどれか。

 

  1. 週に1回服用する。
  2. 食事の前に服用する。
  3. 指定された時間に服用する。
  4. 症状が現れたときに服用する。

 

 


 

 ▶午前40

壮年期の身体的特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 運動耐久力の向上
  2. 明暗順応の低下
  3. 持久力の向上
  4. 臓器の萎縮

 

 


 

 ▶午前41

急性期患者の生体反応で正しいのはどれか。

 

  1. 異化が亢進する。
  2. 症状の変化は緩やかである。
  3. サイトカイン分泌が低下する。
  4. 副腎皮質ホルモンの分泌が低下する。

 

 


 

 ▶午前42

砕石位による手術で起こりやすい合併症はどれか。

 

  1. 猿手
  2. 尖足
  3. 下垂手
  4. 腸骨部の褥瘡

 

 


 

 ▶午前43

ペースメーカー植込みの有無を事前に確認すべき検査はどれか。

 

  1. 超音波検査
  2. エックス線撮影
  3. 骨シンチグラフィ
  4. 磁気共鳴画像〈MRI〉

 

 


 

 ▶午前44

肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。

 

  1. 脂肪肝
  2. 急性A型肝炎
  3. 肝細胞癌〈HCC〉
  4. アメーバ性肝膿瘍

 

 


 
▶午前45

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に感染している患者で、後天性免疫不全症候群〈AIDS〉の状態にあると判断できる疾患はどれか。

 

  1. 季節性インフルエンザ
  2. ニューモシスチス肺炎
  3. ノロウイルス性腸炎
  4. 単純性膀胱炎

 

 


 
▶午前46

細菌性髄膜炎の症状はどれか。

 

  1. 羞明
  2. 羽ばたき振戦
  3. Raynaud〈レイノー〉現象
  4. Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候

 

 


 

 ▶午前47

貧血を伴う患者の爪の写真を別に示す。
109am47
欠乏している栄養素はどれか。

 

  1. ビタミンB12
  2. ビタミンC
  3. 葉酸

 

 


 

 ▶午前48

手術後に無排卵になるのはどれか。

 

  1. 脳下垂体全摘出術
  2. 単純子宮摘出術
  3. 低位前方切除術
  4. 片側卵巣切除術

 

 


 

 ▶午前49

被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価はどれか。

 

  1. 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
  2. Mini-Mental State Examination〈MMSE〉
  3. 高齢者の総合機能評価CGA簡易版〈CGA〉
  4. 改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉

 

 


 

 ▶午前50

老化による免疫機能の変化はどれか。

 

  1. 胸腺の肥大
  2. T細胞の増加
  3. 獲得免疫の反応の低下
  4. 炎症性サイトカインの産生の減少

 

 


 

 ▶午前51

高齢者の性について正しいのはどれか。

 

  1. 女性の性交痛は起こりにくくなる。
  2. 男性は性ホルモンの分泌量が保たれる。
  3. 高齢になると異性に対する羞恥心は減退する。
  4. セクシュアリティの尊重はQOLの維持に影響する。

 

 


 

 ▶午前52

老化による身体機能の変化と薬物動態への影響との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 血中蛋白の低下――薬効の減少
  2. 腎血流量の低下――薬効の減少
  3. 肝血流量の低下――薬効の増大
  4. 消化機能の低下――薬効の増大

 

 


 

 ▶午前53改題

軽度認知障害で正しいのはどれか。

 

  1. 一過性の障害である。
  2. 認知症である。
  3. 物忘れを自覚している。
  4. 日常生活動作〈ADL〉が障害される。

 

 


 
▶午前54

認知症が疑われる人や認知症の人およびその家族を訪問し、複数の専門職でアセスメントや自立生活の支援を行うのはどれか。

 

  1. 成年後見人
  2. 介護認定審査会
  3. 認知症対応型通所介護
  4. 認知症初期集中支援チーム

 

 


 

 ▶午前55

日本で用いているDENVERⅡ(デンバー発達判定法)で6か月児の90%ができるのはどれか。

 

  1. 寝返りをする。
  2. 積み木をもちかえる。
  3. 喃語様のおしゃべりをする。
  4. 自分で食べ物を口へもっていく。

 

 


 
▶午前56

幼児を対象とする定期予防接種はどれか。

 

  1. DTワクチン(二種混合)
  2. ロタウイルスワクチン
  3. BCGワクチン
  4. 水痘ワクチン

 

 


 

 ▶午前57

大泉門の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 2歳まで増大する。
  2. 陥没している場合は髄膜炎を疑う。
  3. 閉鎖が早すぎる場合は小頭症を疑う。
  4. 頭頂骨と後頭骨に囲まれた部分である。

 

 


 
▶午前58

幼児の心肺蘇生における胸骨圧迫の方法で正しいのはどれか。

 

  1. 胸骨中央下部を圧迫する。
  2. 実施者の示指と中指とで行う。
  3. 1分間に60回を目安に行う。
  4. 1回の人工呼吸につき3回行う。

 

 


 

 ▶午前59

配偶子の形成で正しいのはどれか。

 

  1. 卵子の形成では減数分裂が起こる。
  2. 精子の形成では極体の放出が起こる。
  3. 成熟卵子はXまたはY染色体をもつ。
  4. 精子は23本の常染色体と1本の性染色体をもつ。

 

 


 

▶午前60

女子の思春期の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 9歳で初経が発来する。
  2. 月経開始後に身長の発育が加速する。
  3. 陰毛が発生した後に乳房の発育が始まる。
  4. 性腺刺激ホルモン放出ホルモン〈GnRH〉によって月経が開始する。

 

 


 

▶午前61

妊娠37週の妊婦の胎児心拍数陣痛図の所見で正常なのはどれか。

 

  1. 胎児心拍数基線が110〜160bpmである。
  2. 胎児心拍数基線細変動を認めない。
  3. 一過性頻脈を認めない。
  4. 一過性徐脈を認める。

 

 


 

▶午前62

子宮復古状態を観察する手順で正しいのはどれか。

 

  1. 観察は排尿前に行う。
  2. 褥婦にはFowler〈ファウラー〉位をとってもらう。
  3. 褥婦の膝を伸展させて子宮底の高さを測定する。
  4. 子宮底長は恥骨結合下縁から測定する。

 

 


 
▶午前63

正常に経過している妊娠36週の妊婦が、次に妊婦健康診査を受診する時期として推奨されるのはどれか。

 

  1. 4週後
  2. 3週後
  3. 2週後
  4. 1週後

 

 


 
▶午前64

災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉で正しいのはどれか。

 

  1. 厚生労働省が組織する。
  2. 被災地域の精神科医療機関と連携する。
  3. 発災1か月後に最初のチームを派遣する。
  4. 派遣チームの食事は被災自治体が用意する。

 

 


 
▶午前65

平成16年(2004年)に示された精神保健医療福祉の改革ビジョンの内容で正しいのはどれか。

 

  1. 地域生活支援の強化
  2. 任意入院制度の新設
  3. 医療保護入院の明確化
  4. 精神障害者の定義の見直し

 

 


 

▶午前66

Aさん(25歳、男性)は、統合失調症と診断された。抗精神病薬の内服を開始した2日後、Aさんはそわそわして落ち着かず「足がムズムズする」と歩き回るようになった。
Aさんにみられている状態はどれか。

 

  1. アカシジア
  2. ジストニア
  3. ジスキネジア
  4. ミオクローヌス

 

 


 
▶午前67

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に定められている隔離について正しいのはどれか。

 

  1. 隔離の理由は解除する時に患者に説明する。
  2. 開始した日時とその理由を診療録に記載する。
  3. 隔離室には同時に2人の患者まで入室可能である。
  4. 行動制限最小化委員会で開始の必要性を判断する。

 

 


 

▶午前68

Aさん(82歳、女性)は、要支援2である。
Aさんの屋内での転倒予防と自立の促進のため、自宅で介護する家族への指導で適切なのはどれか。

 

  1. 車椅子での移動とする。
  2. 移動時にスリッパを使用する。
  3. 手すりがない場所での歩行を避ける。
  4. 移動の前に立ちくらみの有無を確認する。

 

 


 
▶午前69

Aさん(68歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため在宅療養中で、気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護5の認定を受けている。
Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。

 

  1. 医療保険から給付される。
  2. 特別訪問看護指示書を受けて実施される。
  3. 複数の訪問看護事業所の利用はできない。
  4. 理学療法士による訪問は給付が認められない。

 

 


 

▶午前70

Aさん(85歳、女性)は、要支援1で介護予防通所リハビリテーションを月2回利用している。Aさんから「最近排便が3〜4日に1回しかなくて、お腹が張って困っている」と通所施設の看護師に相談があった。
看護師が行うAさんへの便秘に対する助言で適切なのはどれか。

 

  1. 毎日、朝食後に便座に座る。
  2. 就寝前に水を500mL飲む。
  3. 1日1万歩を目標に歩く。
  4. 蛋白質を多めに摂る。

 

 


 

▶午前71

Aさん(88歳、男性)は、長女(60歳、無職)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC2。仙骨部の褥瘡の治療のため、膀胱留置カテーテルを挿入することになった。
膀胱留置カテーテルを挿入中のAさんを介護する長女に対して、訪問看護師が指導する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「褥瘡が治癒するまでおしりは洗浄しないでください」
  2. 「体位変換ごとに蓄尿バッグを空にしてください」
  3. 「カテーテルは太ももに固定してください」
  4. 「尿に浮遊物がないか確認してください」

 

 


 
▶午前72改題

令和3年(2021年)の介護サービス施設・事業所調査における要介護度別利用者数の構成割合で、要介護5の利用者が最も多いのはどれか。

 

  1. 訪問介護
  2. 訪問看護ステーション
  3. 居宅介護支援
  4. 訪問入浴介護

 

 


 
▶午前73

医療法における医療計画で正しいのはどれか。

 

  1. 国が策定する。
  2. 在宅医療が含まれる。
  3. 3年ごとに見直される。
  4. 病床の整備は含まれない。

 

 


 
▶午前74

災害対策基本法に定められている内容で正しいのはどれか。

 

  1. 物資の備蓄
  2. 避難所の設置
  3. 災害障害見舞金の支給
  4. 救護班による医療の提供

 

 


 
▶午前75改題

2021年の経済協力開発機構〈OECD〉の報告書(2019年数値)の日本に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 喫煙率が最も低い。
  2. 高齢化率が最も高い。
  3. 人口千人当たりの病床数が最も少ない。
  4. 国内総生産〈GDP〉に対する医療費の割合が最も高い。

 

 


 

▶午前76

眼球に入る光の量を調節するのはどれか。

 

  1. 角膜
  2. 虹彩
  3. 瞳孔
  4. 水晶体
  5. 毛様体

 

 


 

▶午前77

最終代謝産物に尿酸が含まれるのはどれか。

 

  1. 核酸
  2. リン脂質
  3. 中性脂肪
  4. グルコース
  5. コレステロール

 

 


 

▶午前78

排尿時に収縮するのはどれか。

 

  1. 尿管
  2. 尿道
  3. 膀胱平滑筋
  4. 内尿道括約筋
  5. 外尿道括約筋

 

 


 

▶午前79

重症筋無力症で正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 心肥大を生じる。
  3. 朝に症状が強くなる。
  4. 自己免疫疾患である。
  5. 70歳以上に好発する。

 

 


 

▶午前80

成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。

 

  1. 実施前に咽頭部の分泌物を吸引する。
  2. 吸引圧は-40kPa(300mmHg)に調整する。
  3. 気管チューブと同じ内径のカテーテルを用いる。
  4. カテーテルの挿入開始から終了まで30秒で行う。
  5. カテーテルは気管分岐部より深い位置まで挿入する。

 

 


 

▶午前81

交感神経の作用はどれか。2つ選べ。

 

  1. 散瞳
  2. 精神性発汗
  3. 腸蠕動の促進
  4. 排尿筋の収縮
  5. グリコーゲン合成の促進

 

 


 

▶午前82

気管で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 軟骨は筒状である。
  2. 胸骨角の高さで分岐する。
  3. 交感神経の働きで収縮する。
  4. 吸息相の気管内圧は陰圧である。
  5. 頸部では食道の背側に位置する。

 

 


 

▶午前83

食道癌で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 女性に多い。
  2. 日本では腺癌が多い。
  3. 放射線感受性は低い。
  4. 飲酒は危険因子である。
  5. 胸部中部食道に好発する。

 

 


 

▶午前84

急性膵炎で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 成因はアルコール性より胆石性が多い。
  2. 重症度判定には造影CTが重要である。
  3. 血中アミラーゼ値が低下する。
  4. 鎮痛薬の投与は禁忌である。
  5. 初発症状は上腹部痛である。

 

 


 

▶午前85改題

もやもや病で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 指定難病ではない。
  2. 遺伝的要因は関与しない。
  3. 病変はくも膜下腔にある。
  4. 進行性の脳血管閉塞症である。
  5. ウイルス感染によって誘発される。

 

 


 
▶午前86

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で推進するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子育て世代包括支援センター
  2. 地域包括ケアシステム
  3. 子どもの医療費の助成
  4. 地域生活支援事業
  5. 地域医療構想

 

 


 
▶午前87

アルコール依存症の一次予防はどれか。2つ選べ。

 

  1. 年齢確認による入手経路の制限
  2. スクリーニングテストの実施
  3. 精神科デイケアへの参加
  4. 小学生への健康教育
  5. 患者会への参加

 

 


 
▶午前88

医療法で規定されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健所
  2. 特定機能病院
  3. 地方衛生研究所
  4. 市町村保健センター
  5. 医療安全支援センター

 

 


 

▶午前89

終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ。

 

  1. 末梢神経障害
  2. リンパ浮腫
  3. がん疼痛
  4. 食欲不振
  5. 体重減少

 

 


 
▶午前90

世界保健機関〈WHO〉の主要な活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 児童労働の撲滅
  2. 保健事業の技術的協力
  3. 人類の飢餓からの解放
  4. 感染症の撲滅事業の促進
  5. 労働者の労働条件の改善

 

 


 

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注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第109回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向