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平成27年2月22日(日)に実施された第104回看護師国家試験について、午前問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第104回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 状況設定問題

 

  

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞を発症し、2年前に慢性心不全と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。

 

▶午前91

このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. ショック状態の可能性が高い。
  2. 左心不全の症状はみられない。
  3. NYHA心機能分類のⅠ度に該当する。
  4. 浮腫は右心不全の症状によると考えられる。

 

 


 

▶午前92

Aさんの咳嗽を軽減する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 起坐位を保つ。
  2. 腹式呼吸を促す。
  3. 部屋の湿度を30%に保つ。
  4. 超音波ネブライザーを使用する。

 

 


 

▶午前93

入院治療によりAさんの症状は改善し、2日後に退院予定である。
退院後の受診についての説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「夜間の咳で受診する必要はありません」
  2. 「体温が38.0℃以下なら受診の必要はありません」
  3. 「今回のように体重が増加したときは受診してください」
  4. 「仕事から帰って足に浮腫がみられたら受診してください」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(52歳、男性)は、5年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。5年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。Aさんは、身長160cm、体重56kgであり、体温36.1℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整で、血圧166/96mmHgであった。血液検査データは、Hb9.3g/dL、アルブミン3.6g/dL、クレアチニン2.3mg/dL、HbA1c5.6%、K3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25mL/分/1.73m2であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。

 

▶午前94

腎機能の悪化によるものと考えられるデータはどれか。

 

  1. 体重
  2. 血清カリウム値
  3. ヘモグロビン値
  4. 血清アルブミン値

 

 


 

▶午前95

Aさんは、慢性腎臓病ステージ4と診断され、精査目的で入院した。「特に症状がないのに腎臓が悪いと言われて本当に驚いたよ。高血圧が関係していると医師に言われたけれど、どういうことですか」とAさんが看護師に尋ねた。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「高血圧で尿が少なくなり腎臓を悪くします」
  2. 「高血圧が続くと腎臓の濾過機能が低下します」
  3. 「高血圧では腎臓病の症状が現れにくくなります」
  4. 「腎臓の機能がさらに低下すると血圧は低くなります」

 

 


 

▶午前96

現時点でAさんに起こる危険性が高いのはどれか。

 

  1. 低リン血症
  2. 血糖値の上昇
  3. 虚血性心疾患
  4. 甲状腺機能亢進症

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。

 

▶午前97

Aさんは看護師に「頭がふわふわして歩けない。めまいもする。昨日の夜から気持ちが悪くなり、朝までに2、3回吐いた。体に力が入らない」と話した。
Aさんの脱水症について追加で情報収集すべき内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 昨日の経口摂取量
  2. 排尿の自立状況
  3. 生活活動強度
  4. 睡眠の状況

 

 


 

▶午前98

外来で点滴静脈内注射が開始され、入院した。夕方からAさんの表情に落ち着きがない様子や看護師の説明を聞かない様子がみられた。夜間から朝までぶつぶつと独り言を話していた。
Aさんの看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 夜間の病室内の照明を消す。
  2. 日中に車椅子での散歩を介助する。
  3. Aさんに点滴を抜かないように説明する。
  4. 夜間は睡眠導入薬の処方を医師に依頼する。

 

 


 

▶午前99

入院後5日。Aさんの症状は改善し、明日退院する予定である。床頭台の隅に利尿薬が残っていたため看護師が質問すると、Aさんは「看護師さんから薬をもらうとすぐ飲んでいるよ」と話した。また、自分の病室を間違えることが数回あった。
Aさんが在宅療養を継続するために、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 生活リズム
  2. 食事の摂取量
  3. 服薬管理の状況
  4. 脱水症の治療内容

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。

 

▶午前100

現在のAさんのAlzheimer〈アルツハイマー〉病の状態で最も適切なのはどれか。

 

  1. 視線を動かすことができる。
  2. 車椅子を操作することができる。
  3. 季節に合わせて服を選ぶことができる。
  4. Mini-Mental State Examination〈MMSE〉20点である。

 

 


 

▶午前101

Aさんは、誤嚥性肺炎のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はAさんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。Aさんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。
Aさんの長男の妻に対する看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「あなたがAさんの立場ならどうしますか」
  2. 「介護支援専門員の考えを聞いてみましょう」
  3. 「私の経験から胃瘻を造らないことを勧めます」
  4. 「Aさんはこのような状況になったとき、どうしたいと言っていましたか」

 

 


 

▶午前102

その後、Aさんは誤嚥性肺炎の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。
Aさんの退院先として最も適切なのはどれか。

 

  1. 軽費老人ホーム
  2. 介護老人福祉施設
  3. 回復期リハビリテーション病棟
  4. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(3歳、男児)は、斜視の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。

 

▶午前103

Aちゃんの眼の状態を図に示す。
104am103
Aちゃんの斜視はどれか。

 

  1. 右内斜視
  2. 右外斜視
  3. 左内斜視
  4. 左外斜視

 

 


 

▶午前104

手術当日の朝、Aちゃんは麻酔の前投薬としてミダゾラムとアトロピンを経口で服用した。両親が早朝から面会に来てAちゃんのそばに付き添っている。Aちゃんは少し興奮気味で、両親に「おなかがすいた。のどが渇いた」と話しかけている。30分後に手術室に入室する予定である。
手術室に入室するまでのAちゃんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 水を飲ませる。
  2. 前投薬の追加を医師に相談する。
  3. ベッド上で絵本を読み聞かせる。
  4. 両親と一緒にプレイルームで遊ばせる。

 

 


 

▶午前105

Aちゃんの手術は無事終了した。翌日、Aちゃんは眼のガーゼと眼帯が外され、抗菌薬の点眼が始まり、退院が決まった。Aちゃんは眼を触らないように両上肢に肘関節抑制帯をつけている。母親は「手術が無事に終わってほっとしました」と話した。
母親に対する退院後の留意点の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「家でも点眼を続けてください」
  2. 「家に帰ったら洗顔してもよいです」
  3. 「眼脂が続いたら受診してください」
  4. 「物が二重に見えることがあります」
  5. 「家に帰ったら肘関節の固定は必要ありません」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35〜60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。

 

▶午前106

医師は更年期障害と診断した。診察後、Aさんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「子宮が固くなったためです」
  2. 「卵管が狭くなったためです」
  3. 「卵巣の機能が低下したためです」
  4. 「視床下部の機能が低下したためです」

 

 


 

▶午前107

Aさんは「汗をかきやすくイライラする以外に、どのような変化が起こりますか」と看護師に尋ねた。
Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 手足が温かくなる。
  2. 寝つきが悪くなる。
  3. 乏尿になる。
  4. 乳房が張る。

 

 


 

▶午前108

Aさんは「私はこれからどうしたらよいでしょうか。日常生活の過ごし方を教えてください」と看護師に尋ねた。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「外出は控えてください」
  2. 「家事は今までどおり頑張りましょう」
  3. 「夫と会話をする機会を増やしましょう」
  4. 「娘さんに週に1回遊びに来てもらいましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(35歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。妊娠28週2日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。Aさんは、身長155cm、体重56kg(非妊時体重50kg)である。

 

▶午前109

Aさんの観察項目で最も注意するのはどれか。

 

  1. 破水
  2. 激しい腹痛
  3. 子宮底の上昇
  4. 痛みを伴わない性器出血

 

 


 

▶午前110

その後、Aさんの妊娠経過は順調で、妊娠37週0日の午後1時から帝王切開術が予定された。
手術前日の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 浣腸を実施する。
  2. 夕食を禁食とする。
  3. 輸血の準備を確認する。
  4. 下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。

 

 


 

▶午前111

Aさんは、妊娠37週0日に帝王切開で体重2,800gの児を出産した。術後3日、Aさんは看護師に「どうすることもできなかったのは分かっているのですが、自然なお産をしたかったです。赤ちゃんを産んだ実感がありません」と話した。
看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 精神科の受診を勧める。
  2. 妊娠期からの振り返りをする。
  3. 次の出産で経腟分娩を試みるよう勧める。
  4. 数日前に帝王切開術を受けた褥婦に話をしてもらうよう勧める。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(20歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、1人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。Aさんの両親がAさんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。Aさんは「1日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。Aさんは、統合失調症と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

 

▶午前112

Aさんは5日目ころから日中は臥床して過ごし、夜間は熟睡するようになった。食事の時間に遅れてくることが多く、看護師の声かけにほとんど反応しない。他の患者との交流もない。
この時期の看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事摂取の介助をする。
  2. 作業療法への参加を促す。
  3. 日中の休息時間を維持する。
  4. 食事時間を守るよう注意する。

 

 


 

▶午前113

入院後1か月。Aさんは体重が3kg増加した。バイタルサインに異常はない。血液検査データは空腹時血糖200mg/dL、HbA1c5.2%である。入院時の空腹時血糖は80mg/dLであった。Aさんと両親に特記すべき既往歴はない。
Aさんにみられる非定型抗精神病薬の副作用(有害事象)で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 水中毒
  2. 拘禁反応
  3. 悪性症候群
  4. 耐糖能の異常

 

 


 

▶午前114

入院後2か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。
Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 回想法
  2. 復学準備
  3. 服薬心理教育
  4. 筋力トレーニング

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(14歳、男子、中学生)は、両親と弟(7歳)との4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで2年前に誤嚥性肺炎を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。Aさんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。Aさんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。

 

▶午前115

Aさんと両親への呼吸管理の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 鼻根の皮膚トラブルにはマスクを外す。
  2. 機器が故障したときは訪問看護師に連絡する。
  3. 機器が過剰送気を示したときは回路の点検をする。
  4. 息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の設定を変更する。

 

 


 

▶午前116

退院後1週。夜間に落雷による停電が起こった。Aさんの父親から「まだ停電は続いていますが人工呼吸器は動いています。私は今から何をすればいいでしょうか」と慌てた様子で訪問看護師に電話があった。
この時点の訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「救急車で病院に行きましょう」
  2. 「主治医に連絡をとりましょう」
  3. 「用手換気に切り替えましょう」
  4. 「主電源を外部バッテリーに切り替えましょう」

 

 


 

▶午前117

退院後6か月。Aさんは特別支援学校に通学している。弟の小学校でインフルエンザが例年より早い時期から流行し始めた。弟はインフルエンザの予防接種を受けていた。Aさんの母親は「Aにインフルエンザがうつらないか心配です」と訪問看護師に話した。
母親への訪問看護師の助言として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんを隔離しましょう」
  2. 「ショートステイを利用してみましょう」
  3. 「予防接種について主治医に相談してみましょう」
  4. 「弟さんは予防接種を受けているのでAさんにはうつりませんよ」

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。

 

▶午前118

発災直後の避難所で対応する看護師の行動で最も適切なのはどれか。

 

  1. ボランティアを手配する。
  2. 災害給付金の説明をする。
  3. 心のケアに時間をかける。
  4. 重症度に応じて診療の優先順位をつける。

 

 


 

▶午前119

土石流で家を失った被災者は市民体育館から仮設住宅へ移動した。仮設住宅には1人暮らしの世帯が多い。看護師が仮設住宅の巡回訪問を行うことになった。
災害の慢性期(復興期)の看護師の巡回訪問の主な目的として適切でないのはどれか。

 

  1. 感染症を予防する。
  2. 救援物資を届ける。
  3. 室内の安全性を確認する。
  4. 生活習慣病の重症化を予防する。

 

 


 

▶午前120

看護師のAさんは、土石流の発生直後から被災地に1か月派遣された。その後、病院に戻り3か月が経過した。Aさんは勤務中に表情が乏しく考え込む様子がみられた。
Aさんへの看護管理者の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 忙しい部署に異動させる。
  2. 仕事に専念するよう伝える。
  3. すぐに忘れるものだと励ます。
  4. 体験を語ることができる場を設ける。

 

 


 

資料 厚生労働省「第101回保健師国家試験、第98回助産師国家試験、第104回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第104回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成27年2月22日(日)に実施された第104回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第104回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 必修問題

 

 

▶午前1改題

日本の将来推計人口で令和52年(2070年)の65歳以上人口が総人口に占める割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 24%
  2. 39%
  3. 54%
  4. 69%

 

 


 
▶午前2改題

日本の令和4年(2022年)における傷病別にみた通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。

 

  1. 腰痛症
  2. 高血圧症
  3. 歯の病気
  4. 眼の病気

 

 


 
▶午前3改題

国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 


 
▶午前4

医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。

 

  1. エンパワメント
  2. コンプライアンス
  3. リスクマネジメント
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶午前5

受精から着床開始までの期間はどれか。

 

  1. 1〜2日
  2. 6〜7日
  3. 13〜14日
  4. 20〜21日

 

 


 
▶午前6

思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 親からの干渉を嫌うようになる。
  2. 親と離れると不安な様子になる。
  3. 親に秘密を打ち明けるようになる。
  4. 親からの助言を素直に聞けるようになる。

 

 


 
▶午前7

加齢によって衰えやすい機能はどれか。

 

  1. 記銘力
  2. 洞察力
  3. 判断力
  4. 統合力

 

 


 
▶午前8

要介護者に対し看護、医学的管理の下において必要な医療や日常生活上の世話を行う施設はどれか。

 

  1. 授産施設
  2. 保健センター
  3. 介護老人保健施設
  4. 特別養護老人ホーム

 

 


 
▶午前9

機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 1人の看護師が毎日異なる患者を受け持つ。
  2. 内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
  3. 1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。
  4. 患者をいくつかのグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。

 

 


 
▶午前10

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶午前11

月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。

 

  1. 240日目
  2. 280日目
  3. 320日目
  4. 360日目

 

 


 
▶午前12

最も緊急性の高い不整脈はどれか。

 

  1. 心房細動
  2. 心室細動
  3. Ⅰ度房室ブロック
  4. 完全右脚ブロック

 

 


 
▶午前13

急性の頭痛を起こす可能性が最も高いのはどれか。

 

  1. 複視
  2. 外斜視
  3. 緑内障
  4. 眼瞼下垂

 

 


 
▶午前14

呼吸困難とはどれか。

 

  1. 脈拍数の増加
  2. 息苦しさの自覚
  3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下

 

 


 
▶午前15

生活習慣病の一次予防はどれか。

 

  1. 早期治療
  2. 検診の受診
  3. 適切な食生活
  4. 社会復帰を目指したリハビリテーション

 

 


 
▶午前16

副作用(有害事象)として低血糖症状を起こす可能性があるのはどれか。

 

  1. ジゴキシン
  2. インスリン
  3. フェニトイン
  4. ワルファリン

 

 


 
▶午前17

医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか。

 

  1. 処方箋
  2. 診断書
  3. 看護記録
  4. 添付文書

 

 


 
▶午前18

関節可動域〈ROM〉の単位はどれか。

 

  1. kg
  2. Cm

 

 


 
▶午前19

女性患者の床上排泄で洋式便器をあてる位置を図に示す。
適切なのはどれか。

 

104am19

 

 


 
▶午前20

シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。

 

  1. 両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
  2. 両足を前後に開き、両膝を曲げる。
  3. 両足をそろえ、両膝を伸ばす。
  4. 両足をそろえ、両膝を曲げる。

 

 


 
▶午前21

生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。

 

  1. 0.9%
  2. 5%
  3. 9%
  4. 15%

 

 


 
▶午前22

血中濃度を確認する必要性が最も高い医薬品はどれか。

 

  1. アスピリン
  2. フロセミド
  3. テオフィリン
  4. インドメタシン

 

 


 
▶午前23

静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

 

  1. 10〜30度
  2. 35〜40度
  3. 55〜60度
  4. 75〜80度

 

 


 
▶午前24

体位ドレナージの直接の目的はどれか。

 

  1. 痛みの軽減
  2. 睡眠の導入
  3. 排痰の促進
  4. 廃用症候群の予防

 

 


 
▶午前25

振動が原因となる職業性疾病はどれか。

 

  1. 中皮腫
  2. 熱中症
  3. 高山病
  4. 白ろう病

 

 


 

資料 厚生労働省「第101回保健師国家試験、第98回助産師国家試験、第104回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第104回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成28年2月14日(日)に実施された第105回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第105回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8〜10回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎の再燃のため入院することになった。身長158.2cm、体重40.2kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb7.8g/dL、アルブミン2.5g/dL、CRP5.5mg/dL。

 

▶午後91

Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. BMIによる肥満度の判定基準では普通体重に該当する。
  2. 貧血は心不全の徴候を示している。
  3. 浮腫が出現する可能性がある。
  4. 脱水に陥る可能性は低い。

 

 


 

▶午後92

入院後、Aさんは点滴静脈内注射による持続輸液とプレドニゾロン40mg/日の内服とが開始された。入院翌朝、Aさんが「たくさん汗をかいたのでさっぱりしたい」と話したため、看護師は清拭を行うと提案した。体温38.0℃、呼吸数18/分、脈拍82/分、血圧112/72mmHgであった。下痢は0時から6時までで3回あり、倦怠感が強い。
看護師が入浴ではなく清拭を提案した理由で適切なのはどれか。

 

  1. プレドニゾロンの内服
  2. 点滴静脈内注射の実施
  3. 急性増悪
  4. 貧血

 

 


 

▶午後93

入院後10日、Aさんの状態は改善し、経腸成分栄養剤300mL/日(1kcal/mL)が開始された。Aさんは「入院前も自分なりには気を付けていたつもりだったけど、また悪くならないようにするには退院後はどうしたらいいのかしら」と話した。
このときのAさんへの説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「仕事は今までどおりで大丈夫です」
  2. 「下痢が続いたら炭水化物を減らしてください」
  3. 「経腸成分栄養剤600mLで1日分の栄養が確保できます」
  4. 「悪化のきっかけになるようなことがなかったか一緒に考えてみましょう」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。

 

▶午後94

搬送時のAさんの様子を図に示す。
105pm94
Aさんの状態はどれか。

 

  1. 項部硬直
  2. 除脳硬直
  3. 除皮質硬直
  4. 間代性けいれん
  5. 強直性けいれん

 

 


 

▶午後95

Aさんは、硬膜下血腫および脳挫傷と診断され、硬膜下血腫に対して開頭血腫除去術が行われた。ICUに入室後、マンニトールの投与が開始された。
このときの体位で最も適切なのはどれか。

 

※採点対象除外により省略。

 


 

▶午後96

術後14日。Aさんの意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で、左上下肢に軽度の麻痺と左の視空間失認とがある。Aさんは座位を保持し、自力で食事を摂ることが可能となったが、左側の食べ物を残す様子がみられる。車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるが、1人でベッドから降りようとする。Aさんは右利きである。
このときの適切な看護はどれか。

 

  1. 離床センサーを設置する。
  2. 右側を意識するように促す。
  3. 食器をAさんの左側に配置する。
  4. 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。
  5. 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。

 

▶午後97

Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。
Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 機能性尿失禁
  3. 切迫性尿失禁
  4. 腹圧性尿失禁

 

 


 

▶午後98

Aさんから「尿が漏れて困ります。洗濯物が増えるので、干したり取り込んだりするのが大変です。どうしたらよいでしょうか」と相談を受けた。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. テープ付き紙おむつを紹介する。
  2. 背もたれ付きポータブルトイレを紹介する。
  3. 介護保険の訪問介護を受けた方がよいと説明する。
  4. 下着の中に入れて使う尿失禁用パッドを紹介する。

 

 


 

▶午後99

Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「痛くなれば、また入院して治療しましょう」
  2. 「入院が長引くと、もっと動けなくなりますよ」
  3. 「1人暮らしが心配なら息子さんと同居したらいかがですか」
  4. 「自宅でも痛みが強くならないような生活の工夫を考えましょう」

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症と診断された。Aさんは雨の中を1人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。

 

▶午後100

入院時にみられる所見はどれか。

 

  1. 樽状胸郭
  2. 呼気の延長
  3. 粗い断続性副雑音
  4. 高調性連続性副雑音

 

 


 

▶午後101

入院当日、抗菌薬の点滴静脈内注射が開始された。投与開始直後からAさんが輸液ラインを指し「虫がいる」と大きな声を上げている。
このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 虫がいないことを説明する。
  2. 点滴静脈内注射を中止する。
  3. Aさんをナースステーションに移動する。
  4. 輸液ラインをAさんから見えない状態にする。

 

 


 

▶午後102

入院後7日、症状が軽快し明日退院することが決まった。消灯前にAさんが部屋にいないため探すと、小刻みにすり足で歩いているところを発見した。看護師がどうしたのか質問すると「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と、思いつめた表情で話した。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 転倒の危険を説明する。
  2. 行きたい場所へ付き添う。
  3. 子ども時代の思い出を尋ねる。
  4. 子どもはどこかへ行ってしまったと説明する。

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE12.3、HCO310.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病の疑いで入院した。

 

▶午後103

入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。
入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。

 

  1. 冷汗
  2. 浮腫
  3. 悪寒
  4. 意識障害
  5. 皮膚の弾力性の低下

 

 


 

▶午後104

Aちゃんは、インスリンの持続的な注入を開始し、3日後、血糖値が安定した。1型糖尿病と診断が確定しインスリン自己注射を始めることになった。ペン型注入器を用いて、毎食前に超速効型インスリンの皮下注射、21時に持効型溶解インスリンの皮下注射を行うという指示が出ている。
Aちゃんと両親に対するインスリン自己注射の指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. インスリンを注射する部位は前回と違う部位に行う。
  2. 超速効型インスリンは単位数を変更せずに注射する。
  3. 食欲がないときは食後に超速効型インスリンを注射する。
  4. 血糖値が100mg/dL以下のときは持効型溶解インスリンの注射を中止する。
  5. インスリンの注射をした後は針を刺した場所をよくもむ。

 

 


 

▶午後105

Aちゃん及び両親は、1型糖尿病の療養生活に必要な知識や手技を順調に獲得した。血糖値が良好にコントロールされたため、退院に向けてAちゃんと両親、主治医、担当看護師および学校の関係者との間でこれからの学校生活について話し合った。
医療者から学校の関係者に伝える内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」
  2. 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」
  3. 「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」
  4. 「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」
  5. 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

 

▶午後106

3月と4月のカレンダーを示す。
105pm106
本日、4月14日のAさんの妊娠週数および日数を最終月経から求めよ。

 

解答:妊娠①週②日

 

 


 

▶午後107

Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。
この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。

 

  1. 錯乱状態である。
  2. 他罰的な感情がある。
  3. マタニティブルーズである。
  4. アンビバレント〈両価的〉な感情がある。

 

 


 

▶午後108

Aさんの次回の受診は4週後になった。Aさんは「数日前から朝起きたときやおなかがすいたときに吐き気がします。次の受診までに私の体にどのような変化が起こるのでしょうか」と話した。
看護師のAさんに対する説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「体がかゆくなります」
  2. 「おりものが多くなります」
  3. 「仰向けで寝ていると気分が悪くなります」
  4. 「下肢にけいれんが起こりやすくなります」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。

 

▶午後109

Aさんは、診察室では多弁であった。また、ささいなことで怒り出し、自分は病気ではないと治療を受けることを拒否した。意識は清明で見当識障害はみられなかった。Aさんは双極性障害と診断され医療保護入院をすることになった。
入院時のAさんのアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 躁状態
  2. 緘黙状態
  3. 錯乱状態
  4. せん妄状態

 

 


 

▶午後110

入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 休養の必要性をAさんと再確認する。
  2. 仕事のことは考えないように伝える。
  3. Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
  4. Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。

 

 


 

▶午後111

入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。
退院指導における説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「薬の管理は家族が行ってください」
  2. 「今後も定期的な入院が必要になります」
  3. 「Aさんの言動の変化に気を付けましょう」
  4. 「服薬していれば再発することはありません」

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

 

▶午後112

入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。

 

  1. Aさんの大学の出席状況
  2. 両親がAさんと同居する可能性
  3. Aさんの子ども時代の両親の育て方
  4. Aさんの入院に対する両親の受け止め方

 

 


 

▶午後113

Aさんの入院後2週が経過した。Aさんの母親が疲れた表情で「Aはまだ誰かに殺されるのではないかと怖がっています。Aはなぜこんな病気になったのでしょうか。親としてどのようにAに接したらよいか分かりません」と担当の看護師に相談してきた。
この時点でAさんの両親に勧めるのはどれか。

 

  1. 毎日の面会
  2. 家族心理教育
  3. Aさんとの同伴での外出
  4. 共同生活援助〈グループホーム〉の見学

 

 


 

▶午後114

入院後2か月が経過し、主治医からは退院の話も出始めた。Aさんは入院をきっかけに大学を休学している。Aさんの両親が「Aは学業の遅れを心配して、退院後すぐに復学したいと言っています。Aはすぐに復学できるのでしょうか」と相談してきた。
看護師の説明として適切なのはどれか。

 

  1. 「復学の時期を大学に判断してもらいましょう」
  2. 「復学できる状態になるまで退院を延期しましょう」
  3. 「ご両親からAさんに焦らないよう説得してください」
  4. 「まずは家庭での日常生活に慣れることから始めましょう」

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性)は、妻(55歳、会社員)、長女夫婦および生後5か月の孫の5人で暮らしている。頸椎の後縦靱帯骨化症と診断され椎弓形成術を受けた。リハビリテーション病院に転院し2か月前に退院した。退院時から週1回の訪問看護を受けている。現在の症状は、下肢のしびれ、知覚鈍麻、筋力低下、上下肢の痙性麻痺および膀胱直腸障害である。移動は車椅子で、食事はリハビリテーション用のフォークを使用して座位で摂取している。排泄は家族に見守られながら尿器とポータブルトイレとを使用し、自分で行っている。

 

▶午後115

Aさんへの訪問看護における身体状態の観察で、疾患に関連して最も重要なのはどれか。

 

  1. 排尿状態
  2. 上肢の筋力
  3. 嚥下の状態
  4. 外傷の有無
  5. 下肢のしびれ

 

 


 

▶午後116

Aさんは1週前から排便がなく、センノシドを毎日就寝前に継続して内服している。訪問看護師が観察すると左腹部に便塊を触れ、腸蠕動音は微弱であった。Aさんは、2日間排便がないときはピコスルファートナトリウム水和物を適宜内服するよう医師に言われているが、以前に内服して下痢になったため内服していないと話す。
看護師のAさんへの提案で適切なのはどれか。

 

  1. 「もう少し様子をみましょう」
  2. 「下剤は2種類とも飲みましょう」
  3. 「便意を感じたらトイレに座りましょう」
  4. 「浣腸をしてもよいか医師に確認しましょう」

 

 


 

▶午後117

ある日、Aさんに軽度の歯肉出血および歯肉の腫脹がみられるようになった。疼痛はない。訪問歯科診療を受け、口腔ケアを徹底するよう促された。リハビリテーション病院に入院していたときは、自助具を利用して口腔ケアの練習をしていた。退院後は妻が口腔ケアを介助していたが、最近は仕事の帰りが遅く、Aさんは妻を待てずに寝てしまうと言う。また、Aさんは育児で疲れている長女には頼めないと話す。
看護師のAさんへの提案で最も適切なのはどれか。

 

  1. 日中の口腔ケアを徹底する。
  2. 長女に口腔ケアを依頼する。
  3. 就寝時刻を遅くするよう提案する。
  4. 妻が夜に実施できる時間帯を検討する。
  5. Aさんが自立してできる方法を検討する。

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。

 

▶午後118

昼間のAちゃんは体育館の中を走り回っている。また、指しゃぶりをしながら両親の姿を気にしているが、近づいて甘えようとはしない。
Aちゃんの反応で正しいのはどれか。

 

  1. 自我同一性の拡散
  2. 急性ストレス障害
  3. 外傷後ストレス障害〈PTSD〉
  4. 注意欠陥多動性障害〈ADHD〉

 

 


 

▶午後119

Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。
地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 両親のAちゃんへの関わりを見守る。
  2. Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。
  3. Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。
  4. 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。

 

 


 

▶午後120

避難から3週後、Aちゃん家族は仮設住宅に移動が決定し、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごすことが多く、絵本を持ってぼんやりとしていることが多い。母親からAちゃんの様子がいつもと違うと看護師に相談があった。
母親への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 引っ越しすることを説明するよう促す。
  2. スキンシップの時間を増やすように促す。
  3. すぐに専門医の外来を受診するよう促す。
  4. 子どもの反応は母親の関わりが原因だと話す。

 

 


 

資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第105回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成28年2月14日(日)に実施された第105回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第105回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 必修問題

 

 

▶午後1改題

日本の令和4年(2022年)における男性の平均寿命はどれか。

 

  1. 71.05年
  2. 76.05年
  3. 81.05年
  4. 86.05年

 

 


 
▶午後2改題

日本の令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査における男性の喫煙習慣者の割合はどれか。

 

  1. 5.6%
  2. 25.6%
  3. 45.6%
  4. 65.6%

 

 


 
▶午後3

地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。

 

  1. 酸素
  2. 水素
  3. 窒素
  4. 二酸化炭素

 

 


 
▶午後4

終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。

 

  1. アドヒアランス
  2. リビングウィル
  3. セカンドオピニオン
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶午後5

医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。

 

  1. 静脈内注射
  2. 診断書の交付
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 人工呼吸器の設定の変更

 

 


 
▶午後6

学童期の正常な脈拍数はどれか。

 

  1. 50〜70/分
  2. 80〜100/分
  3. 110〜130/分
  4. 140〜160/分

 

 


 
▶午後7

加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。

 

  1. 腎血流量
  2. 最大換気量
  3. 空腹時血糖
  4. 神経伝導速度

 

 


 
▶午後8

医療法には「診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は[ ]人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定められている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 16
  2. 17
  3. 18
  4. 19

 

 


 
▶午後9

介護支援専門員が行うのはどれか。

 

  1. 通所介護の提供
  2. 福祉用具の貸与
  3. 短期入所生活介護の提供
  4. 居宅サービス計画の立案

 

 


 
▶午後10

成人の膀胱の平均容量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,000mL
  4. 1,500mL

 

 


 
▶午後11

不随意筋はどれか。

 

  1. 心筋
  2. 僧帽筋
  3. 大殿筋
  4. ヒラメ筋

 

 


 
▶午後12

特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 出血性ショック
  3. 神経原性ショック
  4. アナフィラキシーショック

 

 


 
▶午後13

咳嗽が起こりやすいのはどれか。

 

  1. 右心不全
  2. 左心不全
  3. 心筋梗塞
  4. 肺梗塞

 

 


 
▶午後14

浮腫が生じやすいのはどれか。

 

  1. 甲状腺機能亢進症
  2. 過剰な運動
  3. 低栄養
  4. 熱中症

 

 


 
▶午後15

貧血の診断に用いられるのはどれか。

 

  1. 血糖値
  2. 尿酸値
  3. C反応性蛋白値
  4. ヘモグロビン濃度

 

 


 
▶午後16

C型慢性肝炎に使用するのはどれか。

 

  1. ドパミン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. インターフェロン

 

 


 
▶午後17

カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品はどれか。

 

  1. 納豆
  2. 牛乳
  3. わかめ
  4. グレープフルーツ

 

 


 
▶午後18

患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。

 

  1. 脱脂綿で耳栓をする。
  2. 43〜44℃の湯をかける。
  3. 指の腹を使って洗う。
  4. 強い振動を加えて洗う。

 

 


 
▶午後19

全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜25℃
  2. 30〜35℃
  3. 40〜45℃
  4. 50〜55℃

 

 


 
▶午後20

スタンダードプリコーションの対象はどれか。

 

  1. 唾液
  2. 頭髪

 

 


 
▶午後21

経鼻経管栄養法の体位で適切なのはどれか。

 

  1. Fowler〈ファウラー〉位
  2. 仰臥位
  3. 腹臥位
  4. 側臥位

 

 


 
▶午後22

成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。

 

  1. 20滴
  2. 40滴
  3. 60滴
  4. 80滴

 

 


 
▶午後23

ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 40℃程度
  2. 60℃程度
  3. 80℃程度
  4. 100℃程度

 

 


 
▶午後24

鼻腔内の吸引で正しいのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
  3. 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
  4. 吸引チューブを回転させながら吸引する。

 

 


 
▶午後25

母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB
  3. ビタミンC
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 


 

資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第105回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成28年2月14日(日)に実施された第105回看護師国家試験について、午前問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第105回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患で通院加療中である。1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉89%であった。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧〈PaO2〉60Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉68Torr、pH7.29であった。

 

▶午前91

この時点でのAさんのアセスメントで誤っているのはどれか。

 

  1. 脱水である。
  2. 意識障害がある。
  3. アシドーシスである。
  4. ショック状態である。

 

 


 

▶午前92

Aさんは肺炎による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。
このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。

 

  1. 乏尿
  2. 血圧上昇
  3. 末梢冷感
  4. 下肢の浮腫
  5. 呼吸音の減弱

 

 


 

▶午前93

Aさんは、胸部エックス線写真で右中下肺野の浸潤影が認められ、膿性の痰が吸引されている。
このときの体位ドレナージで最も効果的なのはどれか。

 

  1. 右30°側臥位
  2. 左30°側臥位
  3. 右前傾側臥位
  4. 左前傾側臥位
  5. 腹臥位

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHgと尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値でIgA腎症が疑われ入院した。

 

▶午前94

確定診断のために必要な検査はどれか。

 

  1. 腎生検
  2. 尿細胞診
  3. 腎血管造影
  4. 腹部超音波検査
  5. 腎シンチグラフィ

 

 


 

▶午前95

AさんはIgA腎症と診断され、塩分1日6gの減塩食が開始された。入院前は塩辛いものが好物で外食が多かったAさんは「味が薄くて食べた気がしない。退院後も続けられるかな」と話している。
このときの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「つらいですが慣れてきます」
  2. 「最初に甘いものを食べてください」
  3. 「各食事で均等に塩分を摂取しましょう」
  4. 「酸味や香味を利用するとよいでしょう」
  5. 「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」

 

 


 

▶午前96

Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5℃、脈拍98/分、血圧238/112mmHgであった。血液検査データは、尿素窒素100mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb7.1g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 輸血
  2. 血液透析
  3. 利尿薬の内服
  4. 胸腔ドレナージ
  5. 降圧薬の点滴静脈内注射

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(94歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

 

▶午前97

入所時の身長170cm、体重50kg。1か月間で体重が3kg減少した。血液検査データは、血清アルブミン3.2g/dL、CRP0.1mg/dL。反復唾液嚥下テストは30秒間で4回である。
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 流動食が必要である。
  2. 炎症反応が続いている。
  3. 認知症による摂食行動の問題がある。
  4. タンパク質・エネルギー低栄養状態〈PEM〉である。

 

 


 

▶午前98

介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。
このときの面談内容で適切なのはどれか。

 

  1. 自宅の改修を提案する。
  2. ベッド上安静の必要性を説明する。
  3. 急変時の救急搬送の希望を確認する。
  4. 通所リハビリテーションの利用を提案する。

 

 


 

▶午前99

入所後3日。Aさんは「家では朝起きてすぐに歯磨きをして、口の中をすっきりさせて1日が始まった。ここでは、歯磨きは食後に介助すると言われたが、私は嫌だ」と言い、不満な様子である。Aさんはベッドから車椅子への移乗に介助が必要であるが、歯ブラシとコップとを用いて自分で歯磨きができる。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 朝食前の歯磨きは効果がないと説明する。
  2. 朝食前の歯磨きの習慣を変更するように勧める。
  3. 朝食前の歯磨きの援助方法をAさんと相談する。
  4. 朝食前は職員が少ないので対応できないと謝罪する。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

A君(6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。

 

▶午前100

このときのA君に行う看護として最も適切なのはどれか。

 

  1. 起座位をとらせる。
  2. 食事の開始を検討する。
  3. 好きな玩具で遊ばせる。
  4. 痛みの程度を評価する。
  5. 解熱鎮痛薬を服薬させる。

 

 


 

▶午前101

A君は病室内のトイレで排泄をしていた。看護師はマスク、手袋およびエプロンを着用しA君の排泄介助を行っていると、下着に便が付着していることに気付いた。看護師は、すぐにA君の下着を脱がせ流水で便を洗い流した。
下着の処理の方法で正しいのはどれか。

 

  1. 病室内のゴミ箱に捨てる。
  2. 病室内でエタノールに浸す。
  3. 病室内で次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸す。
  4. 病室外の汚物処理室の感染性廃棄物用の容器に捨てる。

 

 


 

▶午前102

入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」
  2. 「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」
  3. 「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」
  4. 「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。

 

▶午前103

受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 活気
  2. 腹部膨満
  3. 腹部腫瘤
  4. チアノーゼ

 

 


 

▶午前104

Aちゃんは、定期受診の1か月後、予定どおり会陰式肛門形成術を行った。術後2日、1日に6回の排便があり、造設された肛門周囲に発赤がみられている。
排便後の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 石けんで洗浄する。
  2. 微温湯で洗浄する。
  3. お尻拭きシートで拭き取る。
  4. ポビドンヨードで消毒をする。

 

 


 

▶午前105

術後2週、全身状態や創部の状態が安定し、肛門拡張のためのブジーが開始された。退院後もブジーを継続するため母親に指導を行うことになった。
ブジーの指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「食後は避けてください」
  2. 「腹臥位で行ってください」
  3. 「できるだけ深く入れてください」
  4. 「排便があった日は行わなくてよいです」
  5. 「直腸の向きに沿ってゆっくり入れてください」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症〈STD〉を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8℃、脈拍62/分であった。

 

▶午前106

Aさんの状態に最もあてはまる性感染症〈STD〉はどれか。

 

  1. 性器ヘルペス
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 腟トリコモナス症
  4. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶午前107

Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症〈STD〉のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。
Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. パートナーには話さなくてもよいと伝える。
  2. パートナーに来院を促す電話をすると伝える。
  3. Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。
  4. 性感染症〈STD〉に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。

 

 


 

▶午前108

Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。
性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 処方された内服薬をAさんが飲み終えた後
  2. Aさんの性感染症〈STD〉の症状がなくなった後
  3. パートナーが性感染症〈STD〉の検査を受けた後
  4. Aさんとパートナーの性感染症〈STD〉の治癒が確認された後

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8℃、脈拍64/分、血圧126/70mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。

 

▶午前109

この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 胎児頻脈
  2. 前期破水
  3. 分娩第1期
  4. 妊娠高血圧症候群

 

 


 

▶午前110

午後2時30分、Aさんは3,300gの女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200mLであった。産褥3日、体温37.0℃、脈拍76/分、血圧118/60mmHgであった。血液データは、Hb11g/dL、Ht35%であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 鉄分の多い食事を勧める。
  2. 子宮底に冷罨法を行う。
  3. 乳頭のケアを行う。
  4. 授乳を中止する。

 

 


 

▶午前111

産褥4日、Aさんの体調は回復し、退院が決定した。夫に連れられて来た長男が赤ちゃんを珍しそうに見ている。Aさんは退院後に長男の退行現象が現れることを心配している。
Aさんへの説明で適切でないのはどれか。

 

  1. 「長男と2人きりになる時間をつくるようにしましょう」
  2. 「長男と一緒に赤ちゃんのおむつを交換しましょう」
  3. 「長男にしっかりするように話しましょう」
  4. 「長男をほめて安心させましょう」

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。

 

▶午前112

Aさんに認められるのはどれか。

 

  1. 病的酩酊
  2. 妻との共依存
  3. コルサコフ症候群
  4. アルコールに対する耐性

 

 


 

▶午前113

入院後2日、夜間にAさんは「壁や布団に虫がたくさんいる」と訴え、興奮して眠らなかった。
考えられるのはどれか。

 

  1. 振戦せん妄
  2. アルコール幻覚症
  3. レム睡眠行動障害
  4. 急性アルコール中毒

 

 


 

▶午前114

その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。
Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「仕事は辞めましょう」
  2. 「断酒会に参加しましょう」
  3. 「集団精神療法を受けましょう」
  4. 「飲酒しない日を週1日設けましょう」
  5. 「生活行動を家族に記録してもらいましょう」

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の確定診断を受けた。夫(50歳)と長女(16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。

 

▶午前115

夫に対する訪問看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「食事の介助に時間をかけましょう」
  2. 「胃瘻からの栄養量を増やしましょう」
  3. 「介助方法に問題があるかもしれません」
  4. 「嚥下食の宅配サービスを頼んでみましょう」
  5. 「飲み込みの状態に応じた食事を一緒に考えましょう」

 

 


 

▶午前116

6か月後、Aさんは呼吸障害と嚥下障害とが進行し、気管切開による人工呼吸療法を開始するために入院した。
退院に向けて病棟看護師が行う家族への気管内吸引の説明として最も適切なのはどれか。

 

  1. 夜間に定期的な吸引を行う。
  2. 就寝前に体位ドレナージを行う。
  3. 気道内圧が低下したら吸引する。
  4. 吸引時は気管カニューレのカフ圧を上げる。

 

 


 

▶午前117

Aさんは要介護5に区分が変更され、自宅で療養通所介護を利用することになった。退院後1か月、Aさんは療養通所介護の看護師に「ゆっくりお風呂に入ってみたい」と文字盤を使って話した。入浴を開始するにあたり、看護師と介護職員との間でカンファレンスを行うことになった。
検討する内容として優先順位が高いのはどれか。

 

  1. 夫の介護負担
  2. 座位の保持能力
  3. 緊急時の対応方法
  4. 入浴後の人工呼吸器の回路交換の方法
  5. 入浴時の関節可動域〈ROM〉訓練の実施

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(50歳、女性)は、子宮頸癌の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。

 

▶午前118

病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。
Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 生活保護の手続きをするよう促す。
  2. 要介護認定の申請手続きをするよう促す。
  3. 家事をしてくれる人を雇用するよう促す。
  4. 訪問リハビリテーションの利用を勧める。

 

 


 

▶午前119

看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。

 

  1. 理学療法士
  2. 管理栄養士
  3. 介護支援専門員
  4. 保健所の保健師

 

 


 

▶午前120

退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。
夫への支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 夫に頑張るよう励ます。
  2. 病院に入院するよう提案する。
  3. 麻薬の量を増やすことを提案する。
  4. Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う。

 

 


 

資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第105回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成28年2月14日(日)に実施された第105回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第105回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 必修問題

 

 

▶午前1改題

日本の令和5年(2023年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 50%
  2. 60%
  3. 70%
  4. 80%

 

 


 
▶午前2

運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉量の減少
  2. 体脂肪率の増加
  3. 最大換気量の減少
  4. 基礎代謝量の増加

 

 


 
▶午前3改題

日本の令和4年(2022年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。

 

  1. 振動障害
  2. 騒音による耳の疾患
  3. 負傷に起因する疾病
  4. じん肺症及びじん肺合併症

 

 


 
▶午前4

介護保険の給付はどれか。

 

  1. 年金給付
  2. 予防給付
  3. 求職者給付
  4. 教育訓練給付

 

 


 
▶午前5

臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。

 

  1. 教育委員会
  2. 倫理委員会
  3. 医療事故調査委員会
  4. 院内感染対策委員会

 

 


 
▶午前6

正期産の定義はどれか。

 

  1. 妊娠36週0日から40週6日
  2. 妊娠37週0日から41週6日
  3. 妊娠38週0日から42週6日
  4. 妊娠39週0日から43週6日

 

 


 
▶午前7

日本の女性の平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

 

  1. 40歳
  2. 45歳
  3. 50歳
  4. 55歳

 

 


 
▶午前8改題

日本の令和4年(2022年)における家族の世帯構造で最も少ないのはどれか。

 

  1. 単独世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 夫婦と未婚の子のみの世帯

 

 


 
▶午前9

保健所の設置主体で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 社会福祉法人
  3. 独立行政法人

 

 


 
▶午前10

チーム医療で正しいのはどれか。

 

  1. 国家資格を持つ者で構成される。
  2. リーダーとなる職種を固定する。
  3. 他施設との間で行うことはできない。
  4. メンバー間で情報を共有して意思決定をする。

 

 


 
▶午前11

内分泌器官はどれか。

 

  1. 乳腺
  2. 涙腺
  3. 甲状腺
  4. 唾液腺

 

 


 
▶午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 


 
▶午前13

高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 45%
  2. 55%
  3. 65%
  4. 75%

 

 


 
▶午前14

徐脈性の不整脈で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 失語
  2. 失行
  3. 失神
  4. 失明

 

 


 
▶午前15

糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。

 

  1. 総ビリルビン
  2. 総コレステロール
  3. グリコヘモグロビン
  4. クレアチニンクリアランス

 

 


 
▶午前16

認知症の中核症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 抑うつ
  3. 希死念慮
  4. 見当識障害

 

 


 
▶午前17

ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。

 

  1. 便秘
  2. 口内炎
  3. 低血圧
  4. 骨粗鬆症

 

 


 
▶午前18

骨盤底筋訓練が最も有効なのはどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 切迫性尿失禁
  3. 反射性尿失禁
  4. 腹圧性尿失禁

 

 


 
▶午前19

口腔ケアで適切なのはどれか。

 

  1. 歯肉出血がある場合は実施しない。
  2. 含嗽ができない患者には禁忌である。
  3. 経口摂取の有無に関係なく実施する。
  4. 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。

 

 


 
▶午前21

注射針を皮膚に対して45〜90度の角度で刺入するのはどれか。

 

  1. 皮内注射
  2. 皮下注射
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 


 
▶午前22

薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。

 

  1. 坐薬
  2. 経口薬
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 


 
▶午前23

患者が自己採血で簡単に測定できるのはどれか。

 

  1. 血糖
  2. カリウム
  3. カルシウム
  4. アルブミン

 

 


 
▶午前24

ベンチュリーマスクの写真を別に示す。
105am24
酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。

 

 

 


 
▶午前25

災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。

 

  1. 発災後3~7日
  2. 発災後2週~1か月
  3. 発災後半年~3年
  4. 発災後4年目以降

 

 


 

資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第105回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成29年2月19日(日)に実施された第106回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第106回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91・92の問いに答えよ。

Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。

 

▶午後91

Aさんの障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準のランクはどれか。

 

  1. ランクA
  2. ランクB
  3. ランクC
  4. ランクJ

 

 


 

▶午後92

Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病による自律神経障害と診断された。
Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。

 

  1. 残尿がある。
  2. 膀胱が萎縮している。
  3. 蓄尿障害が生じている。
  4. 骨盤底筋群の筋力が低下している。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。
既往歴:5年前に大腿骨骨折。
現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

 

▶午後94

入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。
このときの看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 体幹を抑制する。
  2. 家族に夜間の付き添いを依頼する。
  3. ナースステーションにベッドを移動する。
  4. 骨折で入院していることを繰り返し伝える。

 

 


 

▶午後95

入院後8日、理学療法室での訓練が始まった。Aさんはこわばった表情で訓練を受けていた。Aさんは、以前は通所リハビリテーションを利用していたが、人が多い場で落ち着かなくなることがあり、入院前には小規模多機能型居宅介護事業所を利用していたことが家族からの情報で分かった。翌日、理学療法士が「理学療法室に行きましょう」と病室に迎えに来たところ、Aさんは「行きたくない」と嫌がった。
このときのAさんに対する看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 看護師が理学療法室まで付き添う。
  2. 病棟でのリハビリテーションを提案する。
  3. Aさんに再転倒を予防する必要性を説明する。
  4. 小規模多機能型居宅介護事業所の利用を勧める。

 

 


 

▶午後96

入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。
Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 自宅ではコルセットを外してよい。
  2. 家の中での日常生活行動を積極的に行う。
  3. 5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。
  4. ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。

 

▶午後97

看護師が収集すべきAちゃんの情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食欲
  2. 家族歴
  3. 手術歴
  4. 海外渡航歴
  5. 初経の発来の有無

 

 


 

▶午後98

Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4+であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群と診断され入院した。
Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。

 

  1. ナトリウム
  2. カリウム
  3. 蛋白質
  4. 水分
  5. リン

 

 


 

▶午後99

Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用〈有害事象〉として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用〈有害事象〉は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。
Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 日光を避ける。
  2. 体重の測定は毎日行う。
  3. 1か月は学校を欠席する。
  4. 入浴ではなくシャワー浴とする。
  5. 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

 

▶午後100

Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 水分は温かい飲料にする。
  2. 栄養のバランスのよい食物を摂取する。
  3. 1回量を少なくして食べる回数を増やす。
  4. カロリーの高い食物を積極的に摂取する。

 

 


 

▶午後101

このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。
Aさんに生じやすいのはどれか。

 

  1. 便秘
  2. 腰痛
  3. 静脈瘤

 

 


 

▶午後102

Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。
このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所の選択
  2. 乳房の手入れ
  3. 側臥位での睡眠
  4. 妊婦健康診査の受診頻度

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。

 

▶午後103

Aさんの分娩時のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 正期産である。
  2. 適時破水である。
  3. 遷延分娩である。
  4. 分娩時出血量は異常である。

 

 


 

▶午後104

Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「下腹部を温めましょう」
  2. 「水分摂取を控えましょう」
  3. 「腹筋を強化する体操をしましょう」
  4. 「尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行きましょう」

 

 


 

▶午後105

産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。
Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。

 

  1. 左腋窩に冷罨法を行う。
  2. 乳房マッサージを行う。
  3. 3時間ごとの授乳を勧める。
  4. 左乳房での授乳を中止する。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用〈有害事象〉を気にするようになったという話があった。

 

▶午後106

Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「薬は飲まないといけません」
  2. 「薬には副作用があるものですよ」
  3. 「便秘は副作用ではありませんよ」
  4. 「便秘の対処方法を一緒に考えましょう」

 

 


 

▶午後107

診察では幻聴の悪化が認められたため、薬物治療の見直しが行われた。その後、定期的に両親同伴で外来通院を続けた。3か月後、幻聴は改善傾向を示し、規則正しい生活ができるようになった。外来の診察で、悪化した原因を改めて振り返ったところ、Aさんは「半年前から家族に分からないように薬をトイレに捨てていた」と話した。診察後、Aさんからそれを聞いた両親が、医師や看護師の目の前でAさんを大きな声で叱ると、Aさんの表情は険しくなった。
Aさんの両親に勧めるものとして適切なのはどれか。

 

  1. 心理教育
  2. 内観療法
  3. 自律訓練法
  4. 精神分析療法

 

 


 

▶午後108改題

さらに3か月後、家事の手伝いができるようになり、家庭内で落ち着いた日常生活を送れるようになった。Aさんは「自分のことは自分でできるようになって、将来はまた働きたい」と話すようになり、社会復帰に向けて社会資源の利用を検討することになった。
この時点でAさんに紹介する社会資源で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 就労移行支援
  2. 地域活動支援センター
  3. 居宅介護〈ホームヘルプ〉
  4. 短期入所〈ショートステイ〉
  5. 共同生活援助〈グループホーム〉

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。

 

▶午後109

訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 注入する前に排便させる。
  2. 注入中は側臥位を保つようにする。
  3. カテーテルは毎日場所を変えて固定する。
  4. 家族と同じ食事を流動食にして注入する。

 

 


 

▶午後110

訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎を予防するケアの方法を母親に指導することにした。
母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。

 

  1. 腹式呼吸を促す。
  2. 咳嗽の訓練を行う。
  3. 胸郭可動域の訓練を行う。
  4. 含嗽液を用いてうがいをさせる。

 

 


 

▶午後111

母親は「Aは来年の4月には小学校に入学する年齢だけど、入学に向けてどうすればよいのか分からない」と訪問看護師に相談した。
訪問看護師が行う援助として適切なのはどれか。

 

  1. 自宅に教員を派遣できる小学校に連絡する。
  2. Aちゃんが入学できる特別支援学校を紹介する。
  3. 父親に仕事を調整してAちゃんの送迎をするよう勧める。
  4. 教育委員会に小学校入学に関する相談をするよう勧める。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。

 

▶午後112

朝9時、日勤の看護師が訪室したとき、シリンジポンプの閉塞と輸液ポンプの気泡混入の、2つのアラームが作動した。ノルアドレナリンの入ったシリンジは残量があり、乳酸加リンゲル液のボトルが空になっていた。各ポンプおよび各輸液ラインの状況を図に示す。
106pm112
看護師がアラームを停止した後に行うこととして最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 乳酸加リンゲル液を準備する。
  2. ノルアドレナリンを準備する。
  3. 輸液ポンプ内のラインの気泡を除く。
  4. 輸液ラインの閉塞や屈曲がないか確認する。

 

 


 

▶午後113

その直後、看護師はノルアドレナリンの投与量を医師の指示書で確認した。指示書には、午前6時に2mL/時間から1mL/時間へ投与量の減量の指示が記載されていたが、午前9時の投与量は2mL/時間のままであったことに気が付いた。
このときのAさんに対し看護師がアセスメントする項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 血圧
  2. 尿量
  3. 血糖値
  4. 呼吸数

 

 


 

▶午後114

Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。
再発防止策で適切なのはどれか。

 

  1. 薬剤に関する研修会を企画する。
  2. 医療機器の操作方法を再教育する。
  3. インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
  4. 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

 

 


 

▶次の文を読み115、116の問いに答えよ。

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。
既往歴:特記すべきことはない。
身体所見:ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。
検査所見:Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

 

▶午後115

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 貧血である。
  2. 筋肉が傷害されている。
  3. 致死性不整脈が出現しやすい。
  4. 心原性ショックを起こしている。
  5. 利尿薬の使用が必要な状態である。

 

 


 

▶午後116

Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 水分を制限する。
  2. 蛋白質を制限する。
  3. 積極的に運動する。
  4. 生野菜を積極的に摂取する。

 

 


 

▶次の文を読み117、118の問いに答えよ。

Aさん(60歳、男性)は、自宅近くを散歩中に突然の胸痛が出現し、救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルサインは、呼吸数28/分、脈拍100/分、血圧80/40mmHgであった。冷汗が著明で、前胸部から左肩にかけての激痛を訴えていた。問診で狭心症の既往歴があることが分かった。入院時の検査で急性心筋梗塞と診断された。

 

▶午後117

このときの検査所見として適切なのはどれか。

 

  1. 心電図のST上昇
  2. 左肺呼吸音の減弱
  3. クレアチンキナーゼ〈CK〉の下降
  4. 胸部エックス線写真での心陰影の縮小

 

 


 

▶午後118

緊急心臓カテーテル検査で左冠動脈起始部に90%の閉塞を認め、緊急冠動脈バイパス術が行われた。術後5日、集中治療室から一般病棟に転棟した。Aさんは「手術も無事終わって命が助かった。リハビリテーションが大切と聞いたので、頑張って廊下を歩きますよ」と看護師に話した。術後のADL拡大は順調に進み、Aさんは病棟内での200mの歩行が許可されている。胸部症状の出現や心電図の変化は認めない。
Aさんへの心臓リハビリテーションについて適切なのはどれか。

 

  1. 息苦しさが出現したら中止する。
  2. 気分の良いときに階段昇降を勧める。
  3. 衣服の着脱は家族に介助してもらう。
  4. レジスタンストレーニングを中心に行う。

 

 


 

▶次の文を読み119、120の問いに答えよ。

Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。1か月前から発熱、 倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され治療目的で入院した。入院時所見は身長160cm、体重55kg。血圧142/80mmHg。血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。

 

▶午後119

入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 出血傾向
  3. 易感染状態
  4. 腎機能低下

 

 


 

▶午後120

Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「食事の制限はありません」
  2. 「倦怠感が強いときは薬の中止を検討します」
  3. 「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」
  4. 「職場復帰に備えて天気の良い日は散歩しましょう」
  5. 「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第106回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成29年2月19日(日)に実施された第106回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第106回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 必修問題

 

 

▶午後1改題

日本の令和5年(2023年)の死亡数はどれか。

 

  1. 約58万人
  2. 約98万人
  3. 約158万人
  4. 約198万人

 

 


 
▶午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 15%
  2. 35%
  3. 55%
  4. 75%

 

 


 
▶午後3

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

 

  1. ヒ素
  2. フロン
  3. 窒素酸化物
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶午後4

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 高齢社会対策基本法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律

 

 


 
▶午後5

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

 

  1. 疾病の回復
  2. 医師の補助
  3. 苦痛の緩和
  4. 薬剤の投与

 

 


 
▶午後6

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

 

  1. 在胎10週ころ
  2. 在胎18週ころ
  3. 在胎26週ころ
  4. 在胎34週ころ

 

 


 
▶午後7

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

 

  1. 診察券
  2. お薬手帳
  3. 健康保険証
  4. ネームバンド

 

 


 
▶午後8

基礎代謝量が最も多い時期はどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年期
  3. 向老期
  4. 老年期

 

 


 
▶午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 


 
▶午後10

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

 

  1. 医師で構成される。
  2. 各病棟に配置される。
  3. アウトブレイク時に結成される。
  4. 感染症に関するサーベイランスを行う。

 

 


 
▶午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 


 
▶午後12

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

 

  1. 死ぬことへの諦め
  2. 延命のための取り引き
  3. 死を認めようとしない否認
  4. 死ななければならないことへの怒り

 

 


 
▶午後13

下血がみられる疾患はどれか。

 

  1. 肝囊胞
  2. 大腸癌
  3. 卵巣癌
  4. 腎盂腎炎

 

 


 
▶午後14

無尿の定義となる1日の尿量はどれか。

 

  1. 0mL
  2. 100mL未満
  3. 400mL未満
  4. 700mL未満

 

 


 
▶午後15

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. コレラ
  3. A型肝炎
  4. インフルエンザ

 

 


 
▶午後16

水痘の症状はどれか。

 

  1. 耳下腺の腫脹
  2. 両頰部のびまん性紅斑
  3. 水疱へと進行する紅斑
  4. 解熱前後の斑状丘疹性発疹

 

 


 
▶午後17

血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。

 

  1. 5%
  2. 10%
  3. 20%
  4. 50%

 

 


 
▶午後18

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-20
  3. Ⅲ-100
  4. Ⅲ-300

 

 


 
▶午後19

グリセリン浣腸を実施する際、腸管孔の危険性が最も高い体位はどれか。

 

  1. 立位
  2. 仰臥位
  3. 腹臥位
  4. 左側臥位

 

 


 
▶午後20

体位を図に示す。
Sims〈シムス〉位はどれか。

 

106pm20

 

 


 
▶午後21

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

  1. 体重(g)÷身長(cm)2×10
  2. 体重(g)÷身長(cm)3×104
  3. 体重(kg)÷身長(m)2
  4. (実測体重(kg)-標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100

 

 


 
▶午後22

針刺し事故によって感染するのはどれか。

 

  1. RSウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. ヘルペスウイルス
  4. サイトメガロウイルス

 

 


 
▶午後23

氷枕の作り方で適切なのはどれか。

 

  1. 氷を隙間なく入れる。
  2. 濡れたタオルで覆う。
  3. 内部の空気は残しておく。
  4. 水漏れがないことを確認する。

 

 


 
▶午後24

一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。

 

  1. 2〜3cm
  2. 5〜6cm
  3. 8〜9cm
  4. 11〜12cm

 

 


 
▶午後25

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

 

  1. 脱臼
  2. 気道熱傷
  3. 足関節捻挫
  4. 過換気症候群

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第106回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成29年2月19日(日)に実施された第106回看護師国家試験について、午前問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第106回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

 

▶午前91

Aさんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 脱水がある。
  2. 閉塞性黄疸である。
  3. 膵炎を発症している。
  4. 急性腎不全を発症している。
  5. 鉄欠乏性貧血の可能性がある。

 

 


 

▶午前92

腹部造影CTにて膵頭部癌が疑われ、内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉が行われ、膵液細胞診と膵管擦過細胞診とが行われた。また、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ〈ENBD〉が行われ、ドレナージチューブが留置された。処置後18時間、チューブからの排液は良好で、腹痛はなく、Aさんはチューブが固定されている鼻翼の違和感を訴えている。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍76/分、血圧128/80mmHgであった。血液検査データは、総ビリルビン11.2mg/dL、直接ビリルビン8.2mg/dL、アミラーゼ96IU/L、白血球9,800/μL、CRP3.5mg/dLであった。
このときのAさんへの看護で正しいのはどれか。

 

  1. 禁食が続くことを伝える。
  2. ベッド上安静が必要であることを伝える。
  3. 鼻翼にドレナージチューブが接触していないか確認する。
  4. ドレナージチューブを持続吸引器に接続する準備をする。

 

 


 

▶午前93

細胞診の結果、クラスⅤで膵頭部癌と診断された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。術後、中心静脈栄養法〈IVH〉を行ったがインスリンの投与は必要ないと判断された。経過は良好であり、食事が開始された。
このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 便秘が起こりやすい。
  2. 脂質の制限は不要である。
  3. カロリー制限が必要となる。
  4. ダンピング症状が起こりやすい。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(25歳、男性)は、オートバイの単独事故による交通外傷で救急病院に入院した。外傷部位は左上下肢で、左脛骨骨折に対しては長下肢ギプス固定をした。左前腕部は不全切断で、再接着術が行われた。

 

▶午前94

入院後3日、左足趾のしびれと足背の疼痛を訴えた。
看護師の観察で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 膝窩動脈を触知する。
  2. 足背の皮膚色を観察する。
  3. 足趾の屈伸運動が可能か確認する。
  4. Volkmann〈フォルクマン〉拘縮の有無を確認する。
  5. ギプスを数cmカットして浮腫の有無を確認する。

 

 


 

▶午前95

入院後6日、左前腕部の接着部から末梢側が壊死し、前腕切断術が行われた。術後4日、Aさんは幻肢痛を訴えた。
看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 切断端に弾力包帯を巻く。
  2. 切断端のマッサージを行う。
  3. 肘関節を屈曲したままにする。
  4. 鎮痛薬では幻肢痛を軽減できないことを説明する。

 

 


 

▶午前96

下肢は長下肢ギプスから膝蓋腱支持ギプスに変更され、左上肢は義肢が装着されて自宅へ退院することになった。
Aさんに対する退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 外出を控えるように指導する。
  2. 左前腕部に意識を集中しないように説明する。
  3. 義肢を装着して動作訓練を計画的に進めるよう指導する。
  4. 受傷前と同じ日常生活動作〈ADL〉ができることを目標に指導する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。Aさんは介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎が疑われてトイレ付きの個室に移動した。

 

▶午前97

感染症の拡大を予防する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 使い捨ての食器に変える。
  2. 汚物の付着した衣類は焼却処分する。
  3. 排泄介助を行う看護師はガウンを装着する。
  4. Aさんの手指を速乾性擦式の手指消毒薬で消毒する。
  5. Aさんが触れた歩行器を80%エタノールで清拭する。

 

 


 

▶午前98

Aさんは下痢と嘔吐の症状が続き、発症当日の夜から、集中力の低下と頻脈とがみられた。口渇はない。翌朝は症状が軽減したものの、午後になり見当識障害も現れた。
Aさんに起きている状態として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 脱水
  2. 硬膜下血腫
  3. 認知症の中核症状
  4. 隔離による拘禁症状

 

 


 

▶午前99

発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージⅠの褥瘡が出現した。嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。
この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 壊死組織の除去
  2. エアマットレスの使用
  3. 撥水性の高いクリームの塗布
  4. 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。

 

▶午前100

看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「尿量を計測してください」
  2. 「手術まで外来の受診はありません」
  3. 「予防接種の時期は主治医と相談してください」
  4. 「オムツを交換するたびに尿道口を消毒してください」

 

 


 

▶午前101

A君は1歳3か月になり、尿道形成術を行うために入院した。手術当日、点滴静脈内注射による持続点滴と尿道カテーテルが挿入された状態で帰室した。創部の陰茎全体はガーゼとフィルムドレッシング材で保護されていた。手術翌日、ガーゼに茶褐色の血液が付着していた。創部が排便で汚染されており、ガーゼを外すと創部に軽度腫脹がみられているが膿の付着はない。尿道カテーテルの周囲から尿が漏れていた。A君は「ママ」と言い不機嫌に泣いている。体温37.0℃、呼吸数28/分、脈拍120/分、血圧100/58mmHgであった。
この時点のA君の状態として最も可能性が高いのはどれか。

 

  1. 創部痛はない。
  2. 出血が続いている。
  3. 創部の感染を起こしている。
  4. 尿道カテーテルが閉塞している。

 

 


 

▶午前102

A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。
指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「水分は控えましょう」
  2. 「入浴は避けましょう」
  3. 「1日1回導尿をしましょう」
  4. 「腹ばいの姿勢は避けましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。

 

▶午前103

定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHgであった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。
母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 感染予防
  2. 筋緊張の緩和
  3. 排便コントロール
  4. 呼吸機能の悪化予防
  5. 睡眠パターンのコントロール

 

 


 

▶午前104

A君の食事について看護師が母親に尋ねると「食べこぼしが多く、食べながらうとうとしてしまい時間がかかるし、十分な量も食べられていません」と話した。
A君の食事に関する母親への指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「経腸栄養剤の開始について医師と相談しましょう」
  2. 「ホームヘルパーの依頼を検討しましょう」
  3. 「食事時間を20分以内にしましょう」
  4. 「ペースト食にしてみましょう」

 

 


 

▶午前105

現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。
母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。

 

  1. 乳児院
  2. 病児保育
  3. 情緒障害児短期入所施設
  4. レスパイトを目的とする入院
  5. ファミリーサポートセンター

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。

 

▶午前106

児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 呼吸数
  3. 心拍数
  4. 排尿回数
  5. 排便回数

 

 


 

▶午前107

生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。
児の看護で適切なのはどれか。

 

  1. 手足を伸ばして寝かせる。
  2. 異常な反射があったと医師に報告する。
  3. 腹部の紅斑が散在している部位を消毒する。
  4. 腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。

 

 


 

▶午前108

生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。
児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「体温は低下します」
  2. 「便の回数は減ります」
  3. 「おむつは外して行います」
  4. 「直接授乳は続けましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(38歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。

 

▶午前109

入院後1週が経過した。Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 話題を変える。
  2. 気分転換を促す。
  3. すぐに良くなると励ます。
  4. 自殺しないことをAさんに約束してもらう。

 

 


 

▶午前110

入院後4週が経過した。昨日は、午前中ホールに1回出てきたが、すぐに病室に戻ってしまった。今朝、看護師がホールに出てきたAさんに「おはようございます」と声を掛けたところ、「おはよう」と答えただけで病室に戻ってしまった。夕方には他の患者とも会話をしたり、一緒にテレビを見たりするようになった。看護師が気分について尋ねると「まだ死にたい気持ちが残っている」と話した。
このときのAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 過活動である。
  2. 気分には日内変動がある。
  3. 自分に注目して欲しいと思っている。
  4. 行動の回復と感情の回復に差が生じている。
  5. 看護師に声を掛けられたことに怒りを感じている。

 

 


 

▶午前111

入院後3か月が経過した。Aさんは気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。
Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 転職を勧める。
  2. 上司との面会を設定する。
  3. 再発のサインを一緒に見つける。
  4. 自信が持てるようになるまで待つ。
  5. 作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。

 

▶午前112

入院から1週間の期間に観察すべき項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 浮腫の程度
  2. 過食の有無
  3. 活動量の低下
  4. 嚥下障害の有無
  5. 振戦せん妄の有無

 

 


 

▶午前113

入院後2週が経過した。Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。ベッド上でストレッチを2時間行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。
看護師の関わりとして適切なのはどれか。

 

  1. 体重測定の回数を増やす。
  2. 鏡でAさんの全身を映して見せる。
  3. 痩せたいという気持ちについて話し合う。
  4. Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。

 

 


 

▶午前114

入院後3か月が経過した。Aさんは体重が43kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。退院の話題が出ると、Aさんと母親は口論することが多くなった。父親は出張が多く、面会に来たのは一度のみであった。
退院に向けてAさんと家族に勧めることとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 栄養指導
  2. 作業療法
  3. 家族療法
  4. 単身生活の開始

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。

 

▶午前115

救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 心電図波形
  3. 意識レベル
  4. 尿失禁の有無

 

 


 

▶午前116

頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。
このときのAさんの状態はどれか。

 

  1. 低酸素脳症
  2. 脳圧亢進症状
  3. 髄膜刺激症状
  4. 正常圧水頭症

 

 


 

▶午前117

入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。
妻に対する対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「いつもどおり話をしてあげてください」
  2. 「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」
  3. 「リハビリテーションで話せるようになりますよ」
  4. 「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」

 

 


 

▶次の文を読み118、119の問いに答えよ。

Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。

 

▶午前118

Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。
看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「先に公園で待っていてはどうですか」
  2. 「ホームヘルパーの利用をお勧めします」
  3. 「Aさんに買い物はやめるよう話しませんか」
  4. 「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」

 

 


 

▶午前119

ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。
長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 筋力低下の有無
  2. 感染徴候の有無
  3. 認知機能のレベル
  4. 全身の皮膚の状態

 

 


 

▶次の文を読み120の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)は、妻と長男との3人暮らしである。左被殻出血で入院し、歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行い自宅に退院した。退院時の検査所見は、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール140mg/dL、トリグリセリド150mg/dLであった。退院後、週1回の訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、血圧は降圧薬の内服で130/80mmHgであった。右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語があり、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動していた。Aさん宅は、酒屋を自営しており、1階は店舗、トイレおよび浴室、2階に居室がある。各階の移動は手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは構造上できない。Aさんは「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話した。

 

▶午前120

訪問看護計画に取り入れる内容で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 言語訓練
  2. 食事指導
  3. 内服薬の管理
  4. 排便コントロール
  5. 階段を昇降する練習

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第106回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成29年2月19日(日)に実施された第106回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第106回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 必修問題

 

 

▶午前1改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。

 

  1. 6.5
  2. 76.5
  3. 276.5
  4. 476.5

 

 


 
▶午前2改題

令和4年(2022年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈STD〉報告数で最も多いのはどれか。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 性器ヘルペス
  4. 淋菌感染症

 

 


 
▶午前3改題

令和3年(2021年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約450億円
  2. 約4,500億円
  3. 約4兆5000億円
  4. 約45兆円

 

 


 
▶午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 
▶午前5

看護師の業務従事者届の届出の間隔として規定されているのはどれか。

 

  1. 1年
  2. 2年
  3. 5年
  4. 10年

 

 


 
▶午前6

標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。

 

  1. 生後3か月
  2. 生後6か月
  3. 生後9か月
  4. 生後12か月

 

 


 
▶午前7

第二次性徴による身体の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 精通
  2. 体重減少
  3. 内臓脂肪の増加
  4. 第1大臼歯の萌出

 

 


 
▶午前8

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 尿量の増加
  2. 味覚の感度の向上
  3. 体温調節能の低下
  4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進

 

 


 
▶午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 


 
▶午前11

大動脈に血液を送り出す部位はどれか。

 

  1. 左心室
  2. 右心室
  3. 左心房
  4. 右心房

 

 


 
▶午前12

喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 頭蓋内
  2. 気道
  3. 食道
  4. 胆道

 

 


 
▶午前13

胸痛を訴えるのはどれか。

 

  1. 髄膜炎
  2. 腎結石
  3. 急性心筋梗塞
  4. Ménière〈メニエール〉病

 

 


 
▶午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 


 
▶午前16

目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

 

  1. 睡眠薬
  2. 鎮痛薬
  3. 抗うつ薬
  4. 抗血栓薬

 

 


 
▶午前17

医薬品表示を別に示す。
gekiyaku
劇薬の表示で正しいのはどれか。

 

 

 


 
▶午前18

自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分摂取の介助を控える。
  2. 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
  3. 食事内容が見える位置に食器を配置する。
  4. 患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。

 

 


 
▶午前19

足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

 

  1. 食欲増進
  2. 睡眠の促進
  3. 筋緊張の亢進
  4. 皮膚温の低下

 

 


 
▶午前22

点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。

 

  1. 体位を変える。
  2. 注入を中止する。
  3. 刺入部位を挙上する。
  4. 周囲のマッサージを行う。

 

 


 
▶午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 


 
▶午前21

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 乾熱滅菌
  2. プラズマ滅菌
  3. 高圧蒸気滅菌
  4. 酸化エチレンガス滅菌

 

 


 
▶午前23

成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。

 

  1. -100〜-150mmHg
  2. -200〜-250mmHg
  3. -300〜-350mmHg
  4. -400〜-450mmHg

 

 


 
▶午前24

包帯法の原則として適切なのはどれか。

 

  1. 患部を強く圧迫する。
  2. 屈伸可能な関節は固定する。
  3. 中枢から末梢に向けて巻く。
  4. 使用部位によって包帯を使い分ける。

 

 


 
▶午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第106回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成30年2月18日(日)に実施された第107回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第107回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

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雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され入院した。
既往歴:42歳で糖尿病と診断された。59歳と61歳で肺炎に罹患した。
生活歴:3年前から禁煙している(20〜59歳は20本/日)。
身体所見:BMI17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。
検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部エックス線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。

 

▶午後91

入院時のAさんの身体状況のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 水様性の気道分泌物が貯留している。
  2. 呼吸性アシドーシスである。
  3. 栄養状態は良好である。
  4. Ⅰ型呼吸不全である。

 

 


 

▶午後92

Aさんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。
107pm92
Aさんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後93

入院後18日。Aさんは2日後に自宅へ退院することとなった。Aさんは「病院に来る前は、息苦しくて死ぬかと思った。あのような思いはもうしたくない。家に帰ってまた息苦しくならないか不安だ」と言う。
Aさんが症状を自己管理できるように指導する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 習慣的に腹式呼吸をする。
  2. 入浴時は肩まで湯に浸かる。
  3. 動作時は前傾姿勢を保持する。
  4. 息苦しくなったら仰臥位を保持する。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。

 

▶午後94

ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。

 

  1. Kussmaul〈クスマウル〉呼吸
  2. 膝蓋腱反射の低下
  3. 企図振戦
  4. 瞳孔散大

 

 


 

▶午後95

Aさんは脳血管造影で右中大脳動脈に動脈瘤が確認され、脳血管内治療(コイル塞栓術)が実施された。その後、Aさんは意識清明で問題なく経過していたが、手術後6日から刺激に対する反応が鈍くなり、閉眼していることが多くなった。意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10。左上肢はBarré〈バレー〉徴候陽性を示した。
Aさんに生じていることとして最も考えられるのはどれか。

 

  1. けいれん発作
  2. 脳血管攣縮
  3. せん妄
  4. 再出血
  5. 水頭症

 

 


 

▶午後96

手術後14日、頭部CTで右大脳半球に小範囲の脳梗塞が認められた。Aさんは、左上肢の挙上はできるが維持が困難であり、左膝の屈曲はできるが左下肢の挙上は困難である。意識は清明であるが、Aさんは左片麻痺があるため動こうとしない。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。

 

  1. 日常生活動作〈ADL〉の自立度をアセスメントする。
  2. 歩行訓練のときは杖の使用を勧める。
  3. 左上肢の筋力増強運動を指導する。
  4. 車椅子への移乗は全介助で行う。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。

 

▶午後97

Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。

 

  1. ランクⅡa
  2. ランクⅡb
  3. ランクⅢa
  4. ランクⅢb
  5. ランクM

 

 


 

▶午後98

その後、Aさんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。Aさんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、Aさんがエレベーター前に1人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。
このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
  2. 「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。
  3. 「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。
  4. 「入所中なので家には帰れません」と説明する。

 

 


 

▶午後99

普段は入浴を楽しみにしていたAさんが、1週前に浴室で誤って冷たい水をかぶってしまい、それ以来「お風呂に入ると寒いから嫌だ」と言って、入浴を拒否するようになった。この日も「お風呂は寒い」と言って入浴を拒否している。看護師が浴室と脱衣室の室温を確認すると26℃〜28℃にあたためられていた。また、施設内の温度は一定に設定されており、浴室から部屋まで移動する間も寒さを感じることはなかった。
Aさんへの対応として適切なのはどれか。

 

  1. 入浴の必要性を説明する。
  2. 特殊浴槽での入浴を勧める。
  3. 一緒に湯の温度を確認する。
  4. 今日は入浴しなくてよいと伝える。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。

 

▶午後100

B教諭が病院に電話連絡したところ、熱中症の疑いがあるため、A君をタクシーで病院に連れて行くこととなった。このときのA君の意識は清明で、体温は38.7℃であった。
病院到着までに、看護師がB教諭に指示する処置として適切なのはどれか。

 

  1. A君の体を冷やす。
  2. A君に水を飲ませる。
  3. A君の上体を高くする。
  4. 中枢から末梢に向けてA君の手足をマッサージする。

 

 


 

▶午後101

B教諭に付き添われて、A君は病院に到着した。来院時、A君のバイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数26/分、脈拍128/分、血圧90/48mmHgであった。口唇粘膜は乾燥し、皮膚をつまむとゆっくり戻る状態であった。血液検査データは、赤血球580万/μL、白血球12,500/μL、Hb16.8g/dL、Na152mEq/L、K4.0mEq/L、Cl109mEq/L、クレアチニン0.9mg/dLであった。尿比重1.035。受診時の身長165cm、体重57kg(発症前60kg)。
A君の状態に対するアセスメントとして適切なのはどれか。

 

  1. 貧血である。
  2. 低カリウム血症である。
  3. 高ナトリウム血症である。
  4. 循環血液量が増加している。
  5. ツルゴール反応は正常である。

 

 


 

▶午後102

A君は熱中症と診断された。点滴静脈内注射の後、A君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いのB教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。
熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 袖口の狭い服の着用を促す。
  2. 口渇がなくても水分摂取を促す。
  3. 湿度が高いときに部活動をする。
  4. 休憩は90分に1回を目安にする。

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
身体所見:体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。
検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80〜120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30〜45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50〜99/1視野。

 

▶午後103

A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。

 

  1. 川崎病
  2. 血友病A
  3. 急性リンパ性白血病
  4. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉
  5. Henoch-Schönlein〈ヘノッホ・シェーンライン〉紫斑病〈IgA血管炎〉

 

 


 

▶午後104

その後6か月間、A君は外来で経過観察となった。関節症状および紫斑は自然に消失したが、尿の異常と低蛋白血症は変わらず、その他の所見も変化がなかった。
A君の尿の異常の確定診断をするために最も重要な検査はどれか。

 

  1. 腎生検
  2. 咽頭培養
  3. 腹部MRI
  4. クレアチニンクリアランスの測定

 

 


 

▶午後105

検査の結果、A君は2年間のステロイド治療が必要と判断された。1か月後に外来受診の予定である。
看護師からA君に対して行う生活指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「水分を積極的に摂取してください」
  2. 「紫斑が出現したら記録してください」
  3. 「蛋白質を制限した食事を摂取してください」
  4. 「日光をなるべく浴びないようにしてください」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

 

▶午後106

このときにAさんから収集する情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 排尿回数
  2. 咳嗽の有無
  3. 鎮咳薬の使用状況
  4. 生活上のストレス要因

 

 


 

▶午後107

Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。
Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 服薬心理教育を実施する。
  2. ハローワークを紹介する。
  3. 生活技能訓練〈SST〉を勧める。
  4. 薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。

 

 


 

▶午後108

さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。
担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「親戚で頼りになる方はいませんか」
  2. 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
  3. 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
  4. 「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

 

▶午後109

入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。
Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。

 

  1. 手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。
  2. 病棟は清潔であることをAさんに説明する。
  3. 主治医にAさんの隔離について相談する。
  4. Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。

 

 


 

▶午後110

Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない。Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。
母親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 父親と交代で毎日面会に来るよう勧める。
  2. Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する。
  3. Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える。
  4. Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。

 

 


 

▶午後111

入院1か月後、手洗い行為は軽減してきた。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、担当看護師や主治医とは治療についての話ができるようになってきた。Aさんは「薬を飲む以外にできることはありますか」と聞いてきた。
このときのAさんに最も有効と考えられるのはどれか。

 

  1. 催眠療法
  2. 作業療法
  3. 認知行動療法
  4. 就労移行支援

 

 


 

▶次の文を読み112・113の問いに答えよ。

Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢ、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。

 

▶午後112

外来看護師が日誌に記録する内容をAさんに指導することになった。
日誌に記録する内容で最も重要なのはどれか。

 

  1. 食事の量
  2. 便の性状
  3. 振戦の有無
  4. 排尿の回数

 

 


 

▶午後113

Aさんと夫は、2週後に日誌を持って受診した。レボドパ〈L-dopa〉の処方が1日4回に増量されることになり、病状管理と療養指導のためAさんは週1回の訪問看護を利用することになった。薬剤が増量されてから1週が経過し、足がすくむことが少なくなった。Aさんから「足がすくむようになってから浴槽に入るのをやめていたけれど、入浴しても大丈夫でしょうか」と訪問看護師に相談があった。
Aさんに指導する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「レボドパが効いている時間に入浴しましょう」
  2. 「通所介護の入浴を利用しましょう」
  3. 「訪問入浴介護を利用しましょう」
  4. 「シャワー浴にしましょう」

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。

 

▶午後115

妻から聴取したAさんに関する以下の情報のうち、治療方針を決定するために最も重要な情報はどれか。

 

  1. 5年前から禁煙していた。
  2. 最近、眠りが浅いと言っていた。
  3. 今朝5時にトイレから戻って来た。
  4. 健康診査を2年間受診していなかった。

 

 


 

▶午後116

Aさんは、左中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、組織プラスミノーゲンアクチベータ〈t-PA〉による血栓溶解療法が行われた。入院から2日後、右片麻痺は残存しているものの、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-3と改善がみられた。多職種カンファレンスで経口栄養を検討したが、言語聴覚士による評価では、Aさんは誤嚥のリスクが高いと判断され、経鼻胃管による経管栄養を行うこととなった。
Aさんに行う経管栄養法について適切なのはどれか。

 

  1. 白湯から開始する。
  2. 開始前に胃残渣を確認する。
  3. 経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。
  4. 1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。

 

 


 

▶午後117

入院3日の20時、Aさんは覚醒し、点滴を触ったり、経鼻胃管を抜こうとしたりしており、落ち着かない様子である。
担当看護師が最初に行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 身体拘束を行う。
  2. 早めに消灯をする。
  3. バイタルサインを測定する。
  4. 向精神薬の使用を検討する。

 

 


 

▶次の文を読み118、119の問いに答えよ。

Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。

 

▶午後118

Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 授乳を促す。
  2. 入浴を勧める。
  3. 骨盤底筋体操を指導する。
  4. 鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。

 

 


 

▶午後119

産褥5日。Aさんの退院のため、夫とB君が迎えに来た。AさんはB君の自宅での様子を夫から聞いた。B君は「ご飯を食べさせてほしい」と訴えたり、「赤ちゃんを家に連れて来ないで」と泣いたりしていたという。そのことを知ったAさんはB君を抱きしめ、B君の話をゆっくり聞いていた。Aさんは退院後のB君への対応について心配になり、看護師に相談した。
Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「B君に好きな物を食べさせましょう」
  2. 「B君の世話は夫にしてもらいましょう」
  3. 「B君と一緒に赤ちゃんの世話をしましょう」
  4. 「B君に兄としてしっかりするように話しましょう」

 

 


 

▶次の文を読み120の問いに答えよ。

Aさん(82歳、男性)。長男夫婦との3人暮らし。4年前に認知症と診断された。Barthel〈バーセル〉インデックスは100点、Mini Mental State Examination〈MMSE〉は18点。環境の変化で落ち着きがなくなることがある。日頃は温泉旅行やカラオケを楽しんでいる。右外果にできた創傷から右下腿の腫脹と疼痛が出現したため病院を受診したところ、蜂窩織炎と診断されて入院した。入院翌日、右下腿の腫脹と疼痛は続いている。担当看護師は、認知症の行動・心理症状〈BPSD〉を最小限にするための看護を計画することとした。

 

▶午後120

担当看護師が計画するAさんへの看護で適切でないのはどれか。

 

  1. 右下腿を足浴する。
  2. 右下腿を挙上する。
  3. 温泉旅行の話をする。
  4. Aさんが好きな歌を歌う機会をつくる。

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第107回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成30年2月18日(日)に実施された第107回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第107回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 必修問題

 

 

▶午後1

世界保健機関〈WHO〉が定義する健康について正しいのはどれか。

 

  1. 単に病気や虚弱のない状態である。
  2. 国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
  3. 肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
  4. 経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。

 

 


 
▶午後2改題

健康日本21(第三次)で令和14年度(2032年度)の目標として示されている1日当たりの食塩摂取量はどれか。

 

  1. 4g
  2. 7g
  3. 10g
  4. 13g

 

 


 
▶午後3

大気汚染物質の二酸化硫黄〈SO2〉について正しいのはどれか。

 

  1. 発がん性がある。
  2. じん肺を引き起こす。
  3. 酸性雨の原因物質である。
  4. 不完全燃焼によって発生する。

 

 


 
▶午後6

スピリチュアルな苦痛はどれか。

 

  1. 手術後の創部痛がある。
  2. 社会的役割を遂行できない。
  3. 治療の副作用に心配がある。
  4. 人生の価値を見失い苦悩する。

 

 


 
▶午後7

更年期の女性で増加するのはどれか。

 

  1. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  2. テストステロン
  3. プロラクチン
  4. エストロゲン

 

 


 
▶午後8改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 同居の父母
  2. 別居の家族
  3. 同居の配偶者
  4. 同居の子の配偶者

 

 


 
▶午後9

訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 看護師
  3. 介護福祉士
  4. 理学療法士

 

 


 
▶午後10

股関節の運動を図に示す。
内転はどれか。

 

107pm10

 

 


 
▶午後11

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。

 

  1. 腹壁反射
  2. 輻輳反射
  3. 対光反射
  4. 深部腱反射

 

 


 
▶午後13

典型的なうつ病の症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 感情失禁
  3. 理由のない爽快感
  4. 興味と喜びの喪失

 

 


 
▶午後14

母体から胎児への感染はどれか。

 

  1. 水平感染
  2. 垂直感染
  3. 接触感染
  4. 飛沫感染

 

 


 
▶午後15

出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。

 

  1. アドレナリン
  2. テオフィリン
  3. ワルファリン
  4. バンコマイシン

 

 


 
▶午後16

インドメタシン内服薬の禁忌はどれか。

 

  1. 痛風
  2. 膀胱炎
  3. 消化性潰瘍
  4. 関節リウマチ

 

 


 
▶午後17

Fowler〈ファウラー〉位で食事を摂るときの姿勢で誤嚥を予防するのはどれか。

 

  1. 頸部側屈位
  2. 頸部前屈位
  3. 頸部後屈位
  4. 頸部回旋位

 

 


 
▶午後18

男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 30〜40度
  2. 80〜90度
  3. 120〜130度
  4. 160〜170度

 

 


 
▶午後19

標準予防策〈スタンダードプリコーション〉において、創傷や感染のない患者への援助で使い捨て手袋が必要なのはどれか。

 

  1. 手浴
  2. 洗髪
  3. 口腔ケア
  4. 寝衣交換

 

 


 
▶午後20

モルヒネの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 出血
  2. 便秘
  3. 高血圧
  4. 粘膜障害

 

 


 
▶午後21

ジギタリスの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 難聴
  2. 悪心
  3. 易感染
  4. 低血糖

 

 


 
▶午後23

呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。

 

  1. 下肢を挙上する。
  2. 胸骨圧迫を行う。
  3. 回復体位をとる。
  4. 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。

 

 


 
▶午後25

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 承認の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 自己実現の欲求
  5. 所属と愛の欲求

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第107回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成30年2月18日(日)に実施された第107回看護師国家試験について、午前問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第107回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午前 状況設定問題

 

  

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。

 

▶午前91

Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果を別に示す。
107am91
このときの心電図の所見で適切なのはどれか。

 

  1. 発作時はST低下がある。
  2. 発作時はP波が低下している。
  3. 安静時は異常Q波がある。
  4. 安静時は冠性T波がある。
  5. 安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。

 

 


 

▶午前92

検査の結果、Aさんは労作性狭心症と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。手術中から抗凝固療法を実施している。
手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 乏尿の有無
  2. 皮膚の黄染
  3. 出血の有無
  4. 両足背動脈の触知
  5. 穿刺部位の感染徴候

 

 


 

▶午前93

Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「水分摂取を控えましょう」
  2. 「肉類を多く食べましょう」
  3. 「睡眠時間を確保しましょう」
  4. 「自動車の運転はやめましょう」
  5. 「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性)。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。

 

▶午前94

このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 貧血のため脈拍が速い。
  2. 疼痛のため血圧が高い。
  3. 創部感染のため体温が高い。
  4. 心不全のため呼吸数が多い。

 

 


 

▶午前95

手術後5日からAさんの食事が開始された。Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。
現状で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 術後せん妄
  2. 乳糖不耐症
  3. 偽膜性大腸炎
  4. ダンピング症候群

 

 


 

▶午前96

手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。
Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。

 

  1. 1回の食事量を増やす。
  2. 海草を積極的に摂取する。
  3. 食後の冷汗が出現した際には身体を温める。
  4. 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折と診断され、入院した。

 

▶午前97

Aさんの骨折に対して保存療法が行われることとなった。骨折の固定法を図に示す。
Aさんの骨折部の固定として適切なのはどれか。

 

107am97

 

 


 

▶午前98

入院後2日。Aさんは日中、ベッドで横になってテレビを観ていることが多い。Aさんが尿意を訴えたため、看護師が付き添ってトイレに行くことになった。
移動の方法として適切なのはどれか。

 

  1. 右腕を使って起き上がる。
  2. しばらく座位をとってから立ち上がる。
  3. 骨折部の痛みがあるときも歩いてトイレに行く。
  4. ベッドの高さは腰掛けたときにつま先が床に着くよう調整しておく。

 

 


 

▶午前99

Aさんは入院後7日で退院し、介護老人保健施設に入所した。現在はリハビリテーションを行っている。
退所後の再転倒を予防するためのAさんへの指導で適切なのはどれか。

 

  1. 家の中で過ごす。
  2. 歩幅を小さくして歩く。
  3. 足関節の底背屈運動をする。
  4. 就寝前に睡眠薬を内服する。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギーと診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。

 

▶午前100

受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 心拍数
  3. 腸蠕動音
  4. 蕁麻疹の範囲

 

 


 

▶午前101

Aちゃんは、食物アレルギーによるアナフィラキシーと診断された。アドレナリンの筋肉内注射の後、点滴静脈内注射による補液と酸素吸入が開始された。バイタルサインは問題なく、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%であったが、経過観察のため入院となった。Aちゃんは「お母さんに会いたい。おうちに帰りたい」と泣き始めた。母親は、保育所から連絡を受けて病院に到着し、医師から現在の病状について説明を受けた。母親は「Aは大丈夫ですか」と看護師に不安を訴えていた。
母親への看護師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 入院中の生活の留意点を説明する。
  2. 父親が到着するまで待合室で待機してもらう。
  3. 来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。
  4. Aちゃんが食物アレルギーと診断されたときの母親の思いを聴く。

 

 


 

▶午前102

翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。
このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「保育所はしばらくお休みしましょう」
  2. 「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」
  3. 「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
  4. 「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。
身体所見:身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。
検査所見:Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。

 

▶午前103

この児のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 新生児仮死
  2. 成熟児
  3. 高体温
  4. 水頭症

 

 


 

▶午前104

出生後2時間。児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5℃、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。心雑音はなし。鼻翼呼吸および呻吟がみられた。四肢末端にチアノーゼあり。
この児の状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 胎便吸引症候群〈MAS〉
  2. 呼吸窮迫症候群〈RDS〉
  3. 心室中隔欠損症〈VSD〉
  4. 新生児一過性多呼吸〈TTN〉

 

 


 

▶午前105

日齢7。児の体重は2,930g(前日より30g増加)。バイタルサインは、腋窩温37.0℃、呼吸数50/分、心拍数140/分。大泉門は平坦。排尿7回/日、排便10回/日の普通便である。経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dL。児の母親は母乳育児を希望している。母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。
母親への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「乳房を温めましょう」
  2. 「哺乳量を測りましょう」
  3. 「搾乳も追加であげましょう」
  4. 「このまま直接授乳を続けて良いですよ」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性)は、23歳で統合失調症を発症し、精神科病院へ5回入院したことがある。1年前に、被害妄想が原因で隣人に暴力を振るい措置入院となった。入院後2か月で自傷他害の恐れは消失し、医療保護入院へ切り替えられたが、幻覚や妄想があり家族へ1日に何回も電話をかけていた。その後は家族へ電話をかける回数が減り、病棟での生活も安定してきた。幻聴は続いているが、自分の身の回りのことは自分で行えるようになった。作業療法も継続して参加できていることから、退院を検討することになった。

 

▶午前106

Aさんの退院について、両親は「退院は反対。入院前のように隣人とトラブルになるのではないかと不安です。私達も高齢になってきたので負担が大きいです」と話した。
このときの両親への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 退院後に活用できる社会資源について情報提供する。
  2. Aさんの主治医に入院の継続を依頼するよう勧める。
  3. Aさんの現在の病状を隣人に説明するよう勧める。
  4. 退院の承諾は家族の義務であることを伝える。

 

 


 

▶午前107

その後もAさんの両親は、高齢であることを理由に自宅への退院には同意しなかった。
Aさんの退院を計画的に進めるために行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 精神医療審査会の開催
  2. 入院診療計画書の修正
  3. 行動制限最小化委員会の開催
  4. 医療保護入院者退院支援委員会の開催

 

 


 

▶午前108

Aさんの退院については、アパートでの単身生活か、共同生活援助〈グループホーム〉での生活を目指すことになった。
Aさんの精神科リハビリテーションを進めるにあたり、病棟看護師が連携する職種で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 退院後生活環境相談員
  2. 理学療法士
  3. 介護福祉士
  4. 栄養士

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。

 

▶午前109

このとき、外来看護師がAさんに行う指導で適切なのはどれか。

 

  1. 糖質を含まない水分を摂取する。
  2. 労作後は食事摂取量を増やす。
  3. 決まった食事時間を設定する。
  4. 空腹感に応じて食事を摂る。

 

 


 

▶午前110

1か月後、Aさんと一緒に外来を訪れた長女は「今までインスリンの治療は母に任せてきましたが、母は眼が見えにくく、インスリンの量が多い日があったようです。母が自己注射を続けられるように、私も手伝えればと思います」と外来看護師に話した。外来受診時、Aさんに末梢神経障害の症状は認められず、手指の動きに問題はなかった。
Aさんがインスリン自己注射を行う上で、外来看護師が行う長女への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
  2. 「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」
  3. 「注射の針はつけたままにしましょう」
  4. 「注射の部位は上腕を選びましょう」

 

 


 

▶午前111

6か月後の外来受診時に、同席していた長女が「甘い物ばかり食べる母を叱ってしまいます」と外来看護師に話した。Aさんは黙って話を聞いていた。前回の受診から低血糖症状はなく、体重は3kg増加した。Aさんは日中テレビを観て過ごしていることが多い。
外来看護師が別室で長女に提案する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「糖尿病食の作り方を覚えましょう」
  2. 「厳しいことを言わないようにしましょう」
  3. 「甘い物をAさんから見えない場所に置きましょう」
  4. 「甘い物を食べてしまうAさんの気持ちを聞いてみましょう」

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。

 

▶午前112

医師の診察までに救急外来の看護師が行う対応として適切なのはどれか。

 

  1. Aさんの在留資格を確認する。
  2. Aさんの母国の大使館に連絡する。
  3. Aさんの理解度に応じた日本語で症状を聴取する。
  4. 妻が来院するまでAさんに待合室で待ってもらう。

 

 


 

▶午前113

Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。
このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。

 

  1. 検査の手順を説明する。
  2. 学校は退学にならないことを説明する。
  3. 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。
  4. 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。

 

 


 

▶午前114

入院後2日、冠動脈造影〈CAG〉が実施された。冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎と診断された。胸痛に対して消炎鎮痛薬が5日分処方された。処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。
看護師の対応で優先されるのはどれか。

 

  1. Aさんの痛みの程度を確認する。
  2. 医師に鎮痛薬の増量を相談する。
  3. Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。
  4. Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。

 

 


 

▶次の文を読み115、116の問いに答えよ。

Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。

 

▶午前115

初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。
この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。

 

  1. 先行期
  2. 準備期
  3. 咽頭期
  4. 食道期

 

 


 

▶午前116

Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。体重は1か月間で2kg減少していた。他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。
このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 脱水
  2. 筋肉量の減少
  3. 胃酸の分泌増加
  4. 関節可動域〈ROM〉の制限

 

 


 

▶次の文を読み117、118の問いに答えよ。

Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。

 

▶午前117

Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。
107am117
胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。

 

  1. 陣痛間欠4分
  2. 陣痛発作10秒
  3. 母体脈拍数50/分
  4. 胎児心拍数基線150〜160bpm

 

 


 

▶午前118

このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。
このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。

 

  1. 「陣痛に合わせていきんでみましょう」
  2. 「眠いときは眠るようにしましょう」
  3. 「階段の昇り降りをしましょう」
  4. 「お風呂に入ってみましょう」

 

 


 

▶次の文を読み119、120の問いに答えよ。

Aさん(17歳、高校生)。身長158cm、体重48kg。Aさんは最近、月経時に下腹部痛が繰り返し出現し、寝込むことが多くなった。心配した母親と一緒に、Aさんは産婦人科クリニックを受診し、医師から機能性月経困難症と診断された。既往歴に特記すべきことはない。

 

▶午前119

Aさんの下腹部痛についての説明で適切なのはどれか。

 

  1. プロスタグランディンの過剰産生によって起こる。
  2. 無排卵性の月経によって起こる。
  3. 卵巣内のうっ血によって起こる。
  4. 経血の流出によって起こる。

 

 


 

▶午前120

Aさんは「次の月経からは、痛みがあれば、処方された鎮痛薬を飲むようにします。部活動で毎日ジョギングをしていますが、その他に日常生活で気を付けることを教えてください」と看護師に聞いてきた。
このときの看護師の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 運動量を増やす。
  2. 下腹部を温める。
  3. 葉酸を含む食品は控える。
  4. 腰部のマッサージは控える。

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第107回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成30年2月18日(日)に実施された第107回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第107回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 必修問題

 

 

▶午前1

平均寿命で正しいのはどれか。

 

  1. 0歳の平均余命である。
  2. 20歳の平均余命である。
  3. 60歳の平均余命である。
  4. 死亡者の平均年齢である。

 

 


 
▶午前3

シックハウス症候群に関係する物質はどれか。

 

  1. アスベスト
  2. ダイオキシン類
  3. 放射性セシウム
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶午前4

介護保険法に基づき設置されるのはどれか。

 

  1. 老人福祉センター
  2. 精神保健福祉センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 都道府県福祉人材センター

 

 


 
▶午前5

QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 高度医療の受療
  2. 本人の満足感
  3. 乳児死亡率
  4. 生存期間

 

 


 
▶午前6

原始反射はどれか。

 

  1. 手掌把握反射
  2. 視性立ち直り反射
  3. パラシュート反射
  4. Landau〈ランドー〉反射

 

 


 
▶午前7

思春期にみられる感情の特徴はどれか。

 

  1. 情緒的に安定し穏やかになる。
  2. 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
  3. 親に対して強い愛情表現を示す。
  4. 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。

 

 


 
▶午前8

老年期の身体的な特徴はどれか。

 

  1. 総水分量が増加する。
  2. 胸腺の重量が増加する。
  3. 嗅覚の閾値が低下する。
  4. 高音域における聴力が低下する。

 

 


 
▶午前10

嚥下に関わる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 外転神経
  3. 滑車神経
  4. 迷走神経

 

 


 
▶午前12

頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

 

  1. 血尿
  2. 低体温
  3. 体重増加
  4. アルカローシス

 

 


 
▶午前13

関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

 

  1. 脊髄障害
  2. 物理的圧迫
  3. 脳血管障害
  4. 糖尿病の合併症

 

 


 
▶午前14

良性腫瘍と比較して悪性腫瘍でみられる特徴はどれか。

 

  1. 被膜がある。
  2. 遠隔転移する。
  3. 周囲組織に浸潤しない。
  4. 増殖速度が緩やかである。

 

 


 
▶午前15

肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

 

  1. CRP
  2. 尿素窒素
  3. アミラーゼ
  4. ALT〈GPT〉

 

 


 
▶午前16

排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。

 

  1. バリウム
  2. ヒマシ油
  3. グリセリン
  4. エタノール

 

 


 
▶午前17

他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. フェンタニル

 

 


 
▶午前18

面接時の質問方法でopen-ended question〈開かれた質問〉はどれか。

 

  1. 「頭痛はありますか」
  2. 「昨晩は眠れましたか」
  3. 「朝食は何を食べましたか」
  4. 「退院後はどのように過ごしたいですか」

 

 


 
▶午前19

異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。

 

  1. 笛のような音〈笛音〉
  2. いびきのような音〈類鼾音〉
  3. 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
  4. ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉

 

 


 
▶午前20

患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。
左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

 

107am20

 

 


 
▶午前21

経腸栄養剤の副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 脱毛
  3. 下痢
  4. 血尿

 

 


 
▶午前22

静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

 

  1. 5%ブドウ糖
  2. 15%塩化カリウム
  3. 0.9%塩化ナトリウム
  4. 7%炭酸水素ナトリウム

 

 


 
▶午前23

充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

 

  1. 横に倒して保管する。
  2. 保管場所は火気厳禁とする。
  3. バルブを開放して保管する。
  4. 日当たりの良い場所で保管する。

 

 


 
▶午前24

褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

 

  1. ブリストルスケール
  2. Borg〈ボルグ〉スケール
  3. Braden〈ブレーデン〉スケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール

 

 


 
▶午前25改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

 

  1. 30~39歳
  2. 40~49歳
  3. 50~59歳
  4. 60~69歳
  5. 70歳以上

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第107回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成31年2月17日(日)に実施された第108回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第108回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(52歳、男性)は、5年前にC型肝炎、肝硬変と診断され、1回の入院歴がある。退院後、医療機関への受診を中断し3年が経過している。毎日、ウイスキーを約300mL飲んでいる。夕食の2時間後に約1,100mLの吐血があり、緊急入院となった。
身体所見:体温35.4℃、呼吸数26/分、脈拍122/分、血圧86/42mmHg、顔面は蒼白、冷汗を認める。意識は清明だが不安げな表情をしている。
検査所見:赤血球278万/μL、Hb8.4g/dL、総ビリルビン4.1mg/dL、アンモニア188μg/dL、K3.9mEq/L、血糖102mg/dL。

 

▶午後91

入院時のAさんの状態として考えられるのはどれか。

 

  1. 急性アルコール中毒
  2. 食道静脈瘤破裂
  3. 迷走神経反射
  4. 低血糖発作

 

 


 

▶午後92

入院から4日が経過し、Aさんは医師から「C型肝炎、肝硬変の患者は肝細胞癌を発症することがある」と説明を受けた。Aさんはスクリーニングの目的で、肝臓から骨盤内臓器までの範囲で腹部超音波検査を受けることになった。
検査前日に看護師が行う説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「検査直前に排尿を済ませてください」
  2. 「おならは検査が終わるまで我慢してください」
  3. 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」
  4. 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」

 

 


 

▶午後93

検査の結果、C型肝炎に対し抗ウイルス療法が開始され、退院後は定期的に外来通院することになった。
退院に向けたAさんへの食事指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 禁酒する。
  2. 食物繊維を控える。
  3. 高蛋白食を摂取する。
  4. カリウム制限をする。
  5. 熱い食べものを避ける。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。5年前から高血圧症、脂質異常症を指摘され、降圧薬を内服していた。自宅で左半身に脱力感が出現し、救急車で搬送された。救急外来でCT及びMRI検査を行った結果、右中大脳動脈領域に脳梗塞の所見が認められた。入院時は、グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉E3V4M5、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍66/分(不整)、血圧160/85mmHg、HbA1c5.8%、心電図では、RR間隔は不定で心拍数100/分であった。入院後、血栓溶解療法を受け、2日後からリハビリテーションが開始された。1週後には回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。

 

▶午後94

Aさんの脳梗塞の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 糖尿病
  2. 胃潰瘍
  3. 高血圧症
  4. 心房細動
  5. 心房粗動

 

 


 

▶午後95

入院から3週が経過し、リハビリテーションによって日常生活動作〈ADL〉は改善しているが、夜間は眠れず、食欲も低下している。Aさんは「なかなか良くならない。何もできなくなってしまった」と話している。
現在のAさんへの声かけで、最も適切なのはどれか。

 

  1. 「時間が経てば良くなりますよ」
  2. 「リハビリをがんばりましょう」
  3. 「同じ病気の患者さんをご紹介しますね」
  4. 「なかなか良くならないと感じているのですね」

 

 


 

▶午後96

転棟から6週が経過し、退院に向けて多職種チームでカンファレンスを開催することになった。Aさんは、外来でのリハビリテーションを継続しながら元の職場への復帰を希望している。
Aさんの退院前のカンファレンスで適切なのはどれか。

 

  1. チームリーダーの職種は医師である。
  2. カンファレンスにAさんの妻の参加は不要である。
  3. Aさんのリハビリテーションの目標は医師が決定する。
  4. Aさんのリハビリテーションの内容はチームで評価する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(82歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉型認知症で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉に入所している。息子は仕事が忙しいため、2か月に1回面会に来所する。Aさんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。Aさんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。
身体所見:体温37.0℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8kg。
検査所見:Ht40%、白血球9,800/μL、尿素窒素25mg/dL。Na150mEq/L、尿比重1.030。

 

▶午後97

外来の看護師が介護職員から追加で収集するAさんの情報で、最も優先するのはどれか。

 

  1. 過去1週間の体温の変動
  2. 昨日の睡眠状態
  3. 全身の皮膚状態
  4. 入所時の体重

 

 


 

▶午後98

Aさんは入院し、点滴静脈内注射が開始された。Aさんの顔色は良くなり眠っているため、介護職員は施設に戻った。看護師がAさんの様子を確認するため病室へ行くと、目が覚めたAさんは「誰かいないの」と大声を出し、興奮した様子で点滴静脈内注射のラインを外そうとしていた。
看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 睡眠薬を与薬する。
  2. 入院中であることを伝える。
  3. 興奮が落ち着くまで身体拘束を行う。
  4. 息子に退院まで付き添うよう連絡する。
  5. 点滴静脈内注射のラインを見えないようにする。

 

 


 

▶午後99

入院後3日。Aさんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。Aさんは自ら水分を摂ることはなかったが、看護師がお茶を勧めると、少量ずつ摂取している。体重47kg。Aさんの尿の性状は淡黄色で尿臭はなく、血液検査データは改善して基準値となったため、点滴静脈内注射が中止となり、退院が決まった。
Aさんが外来受診時と同じ状態を起こさないために、看護師が介護職員に伝える予防策で適切なのはどれか。

 

  1. 室温は30℃に保つ。
  2. 8g/日の食塩を摂取する。
  3. カフェインを含む水分を摂取する。
  4. 熱の放散を抑制する衣類を選択する。
  5. 食事を含めて1,300mL/日の水分を摂取する。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く、年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。

 

▶午後100

Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%であった。
Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。

 

  1. 小発作
  2. 中発作
  3. 大発作
  4. 呼吸不全

 

 


 

▶午後101

救急外来で気管支拡張薬の吸入が行われたが、吸入後も呼吸数32/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94%であったため入院することになった。入院後、鼻カニューレによる酸素投与と点滴静脈内注射が開始され、1日3回のステロイド薬の静脈内注射と1日4回の気管支拡張薬の吸入が開始された。翌日、酸素投与は中止された。バイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数22/分、心拍数94/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%。聴診で喘鳴が聴取された。Aちゃんは「楽になった」と話し、笑顔が見られるようになった。
この時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。

 

  1. 排痰を促す。
  2. 胸式呼吸を促す。
  3. 水分摂取を控える。
  4. ベッド上安静とする。

 

 


 

▶午後102

気管支喘息による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。
看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」
  2. 「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」
  3. 「咳が出なくなったら薬はやめましょう」
  4. 「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。

 

▶午後103

浣腸後に想定される反応便はどれか。

 

  1. 兎糞便
  2. タール便
  3. 灰白色便
  4. 米のとぎ汁様便
  5. イチゴゼリー様便

 

 


 

▶午後104

Aちゃんへの腹部超音波検査の結果、腸重積症の診断が確定し、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われることになった。
看護師が一連の処置の準備をするにあたり、最も重要な物品はどれか。

 

  1. 潤滑ゼリー
  2. 替えのおむつ
  3. ガーグルベースン
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉モニター

 

 


 

▶午後105

Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。
保護者への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「月1回の受診をしてください」
  2. 「3日間は入浴を控えてください」
  3. 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」
  4. 「同じような症状が出たら受診してください」

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(28歳、初産婦)は、夫(30歳)と2人暮らし。妊娠25週4日に妊娠糖尿病〈GDM〉と診断され、インスリンの自己注射を行っている。胎位が骨盤位であったため妊娠38週2日に予定帝王切開術を受け、3,050gの男児を出産した。麻酔は脊髄くも膜下麻酔で、術中の経過に異常はなく、出血量は480mLであった。弾性ストッキングを着用している。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後10点。児のバイタルサインは直腸温37.3℃、呼吸数45/分、心拍数154/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%であった。

 

▶午後106

児への対応で最も優先するのはどれか。

 

  1. 沐浴
  2. 血糖値の測定
  3. 経皮的黄疸計での測定
  4. ビタミンK2シロップの与薬

 

 


 

▶午後107

手術後1日。Aさんのバイタルサインは、体温37.3℃、脈拍68/分、血圧124/66mmHgであった。排ガスはあるが、排便はない。Aさんは膀胱留置カテーテルの抜去後、看護師に付き添われ歩いて室内のトイレに行った。排尿後、すぐにベッドに横になった。Aさんは「起き上がってから頭が痛くなりました。めまいやふらつきはありませんでした」と看護師に話す。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられた。後陣痛はない。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 手術前から着用している弾性ストッキングを脱がせる。
  2. 腹部の冷罨法を行う。
  3. 床上排泄を促す。
  4. 水分摂取を促す。

 

 


 

▶午後108

手術後7日。Aさんの術後の経過は良好である。Aさんの母乳分泌は良好で、母乳で育てていくことを希望している。Aさんは「2年後にもう1人、子どもが欲しいと思っています。避妊をどうしたらいいでしょうか」と話す。
Aさんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「子宮内避妊器具〈IUD〉は使用できません」
  2. 「低用量ピルは産後1か月から使用できます」
  3. 「母乳を与えている間は避妊の必要はありません」
  4. 「コンドームは性生活を再開するときから使用できます」

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。

 

▶午後109

Aさんは、入院後10日から日中に臥床するようになった。夜間は熟睡している。食事の時間に食堂に遅れてくることが多い。看護師と会話をするようになったが、他の入院患者への被害妄想がある。
この時期の看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事介助をする。
  2. 一緒に院内を散歩する。
  3. 他の入院患者との交流を促す。
  4. 日中に臥床しているときは声かけを控える。

 

 


 

▶午後110

入院後1か月。Aさんは洗面所でボーッとしていることが多くなり、頭痛や倦怠感を訴えることが多くなった。
身体所見:身長170cm、6時の体重60kg、17時の体重63kg、体温36.4℃、呼吸数18/分、脈拍76/分、血圧124/70mmHg。
検査所見:クレアチンキナーゼ〈CK〉190IU/L〈U/L〉、空腹時血糖102mg/dL、HbA1c5.0%、Na128mEq/L、K3.5mEq/L、総コレステロール180mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL。
Aさんの状況で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 水中毒
  2. 悪性症候群
  3. セロトニン症候群
  4. メタボリック症候群

 

 


 

▶午後111

入院後2か月。Aさんは症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか。体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」と話した。
Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 服薬心理教育
  2. 食事への援助
  3. 筋力トレーニングの指導
  4. アサーティブトレーニングの指導

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(40歳、男性、会社員)は、うつ病と診断されていた。最近、仕事がうまくいかず、大きなミスを起こし、会社に損失を与えたことから自分を責め不眠となり、体重が減少した。ある朝、リビングの床で寝ているAさんを妻が発見し、大きな声で呼びかけたところ、Aさんは1度目を開けたが、すぐ目を閉じてしまった。ごみ箱に、からになった薬の袋が大量に捨ててあり、机には遺書があった。救急搬送後、意識が清明となり、身体的問題がないため精神科病院に入院となった。

 

▶午後112

入院時の看護師のAさんに対する関わりで適切なのはどれか。

 

  1. いま死にたい気持ちがあるか尋ねる。
  2. 命を大切にしたほうがよいと伝える。
  3. 死ぬ気があれば何でもできると話をする。
  4. 家族が悲しむから死んではいけないと伝える。

 

 


 

▶午後113

入院後1か月、Aさんのうつ症状は改善を認めたが、同室患者とトラブルが続き、不眠や多弁傾向となった。また焦燥感が強く落ち着いて食事ができなくなった。そのため双極性障害と診断され、主治医から炭酸リチウムの内服の指示が出た。Aさんは炭酸リチウムを服用して1週後、手の震え、嘔気が出現した。
Aさんの手の震え、嘔気の原因を判断するための検査で最も適切なのはどれか。

 

  1. 尿検査
  2. 髄液検査
  3. 頭部MRI検査
  4. 薬物血中濃度検査

 

 


 

▶午後114

入院後3か月、Aさんは退院予定となり、元の職場に戻るための準備をすることになった。Aさんは「すぐに仕事に戻るのではなく、規則正しく生活することなどから、段階的に取り組むほうがいいのではないか」と訴えていた。
Aさんの職場復帰を含めた退院後の生活を支援するために適切なのはどれか。

 

  1. 自立訓練
  2. 就労移行支援
  3. 就労継続支援
  4. 精神科デイケア

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)は、妻(68歳)と2人暮らし。3年前に筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断され、在宅で療養生活を続けていた。その後、Aさんは症状が悪化し、入院して気管切開下の人工呼吸療法、胃瘻による経管栄養法を受けることになった。妻は、退院後に必要なケアの技術指導、人工呼吸器や胃瘻の管理方法、緊急・災害時の対応について病棟看護師から指導を受けた。退院前カンファレンスにおいて、訪問看護のほかに必要な在宅サービスについて検討することになった。妻は慢性腎不全のため、週に3回の血液透析を受けており、1回に約6時間の外出が必要である。

 

▶午後115

Aさんが利用する在宅サービスで最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  2. 通所リハビリテーション
  3. 短期入所生活介護
  4. 療養通所介護

 

 


 

▶午後116

退院から1週後に妻から訪問看護ステーションに連絡があり「人工呼吸器のアラームが鳴り続けていて、どうしたらいいのかわかりません。低圧アラームが点灯しています。気管カニューレも抜けていないし、呼吸もいつも通りにしているように見えます」と尋ねた。
この時の訪問看護師の妻への回答で正しいのはどれか。

 

  1. 「気管内の吸引を行ってください」
  2. 「回路にゆるみがないか確認してください」
  3. 「電源プラグが抜けていないか確認してください」
  4. 「ウォータートラップに水が溜まっていないか確認してください」

 

 


 

▶午後117

退院から2週後、妻から「昨日、私が透析を受けている病院で災害が発生した場合の診療について説明がありました。在宅での生活にも少し慣れてきたし、夫のことも気になるので、あらためて災害に備えておきたいのですが、何から始めればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師が妻に指導する内容で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 予備の電源の選び方
  2. 福祉避難所への移動手段
  3. 災害用持ち出し物品の準備
  4. 足踏み式吸引器の使用方法

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。

 

▶午後118

Aさんの状態で考えられるのはどれか。

 

  1. 出血性ショック
  2. イレウス
  3. 低血糖
  4. 脱水

 

 


 

▶午後119

Aさんは緊急入院となり、医師から「少なくとも2週間程度の入院が必要です」と説明を受けた。立ち会っていた看護師長にAさんは「最近、父の物忘れがひどくて、1人でどこかに行ってしまったこともあるので、家に帰せません。何とかなりませんか」と訴えた。父親は要介護認定を受けているが、現在は介護保険サービスを利用せず、Aさんが介護をしながら生活していた。
Aさんの父親に対する看護師長の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 自院への入院を調整する。
  2. 地域包括支援センターに相談する。
  3. 精神保健福祉センターに相談する。
  4. 特別養護老人ホームに入所相談する。

 

 


 

▶午後120

Aさんは、医師から「検査の結果、スキルス胃癌でした。膵臓や広範囲な腹膜への転移があって手術ができない状態でした。おそらく余命半年だと思います」と告知され、1週後に退院となった。退院後3か月、Aさんは外来看護師に「ずいぶん腰痛と腹痛がひどく、腹水が溜まって動くのも大変になってきました。最期は人工呼吸器の装着など延命をしたくないのですが、それを意識がなくなったあとにも医師に伝える方法はありますか」と尋ねた。そこで、看護師はAさんにリビングウィルの説明をすることにした。
Aさんに対して看護師が行うリビングウィルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「法律で定められた文書です」
  2. 「父親のグリーフケアに必要な書類です」
  3. 「Aさんの自由意思で作成することができます」
  4. 「一度作成すると内容を変更することはできません」

 

 


 

資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第108回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成31年2月17日(日)に実施された第108回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第108回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 必修問題

 

 

▶午後1改題

日本における令和5年(2023年)の総人口に占める老年人口の割合で最も近いのはどれか。

 

  1. 19%
  2. 29%
  3. 39%
  4. 49%

 

 


 
▶午後2改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。

 

  1. 糖尿病
  2. 腰痛症
  3. 高血圧症
  4. 眼の病気

 

 


 
▶午後3

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業手当の給付
  2. 労働者に対する健康診断の実施
  3. 労働者に対する労働条件の明示
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

 


 
▶午後4

看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 多職種と情報を共有する。
  2. 患者の意見を代弁する。
  3. 患者に害を与えない。
  4. 医師に指示を聞く。

 

 


 
▶午後5

看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶午後6

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 自己実現の欲求
  3. 承認の欲求
  4. 生理的欲求

 

 


 
▶午後7

生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

 

  1. 寝返り
  2. お座り
  3. 首のすわり
  4. つかまり立ち

 

 


 
▶午後8

エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。

 

  1. 親密
  2. 同一性
  3. 自主性
  4. 基本的信頼

 

 


 
▶午後9

成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。

 

  1. 血漿
  2. 間質液
  3. 細胞内液
  4. リンパ液

 

 


 
▶午後10

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 短期入所生活介護
  3. 保健センター
  4. 有料老人ホーム

 

 


 
▶午後11

運動性言語中枢はどれか。

 

  1. 中心後回
  2. 大脳基底核
  3. Broca〈ブローカ〉野
  4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野

 

 


 
▶午後12

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉のⅢ(3桁)で表現される意識レベルはどれか。

 

  1. 意識清明の状態
  2. 刺激すると覚醒する状態
  3. 刺激しても覚醒しない状態
  4. 刺激しなくても覚醒している状態

 

 


 
▶午後13

最も緊急性の高い不整脈はどれか。

 

  1. 心房細動
  2. 心室細動
  3. 心房性期外収縮
  4. Ⅰ度房室ブロック

 

 


 
▶午後14

浮腫の原因となるのはどれか。

 

  1. 膠質浸透圧の上昇
  2. リンパ還流の不全
  3. 毛細血管内圧の低下
  4. 毛細血管透過性の低下

 

 


 
▶午後15

狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. ジゴキシン
  3. アドレナリン
  4. ニトログリセリン

 

 


 
▶午後16

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。

 

  1. コデイン
  2. アスピリン
  3. アトロピン
  4. フェニトイン

 

 


 
▶午後17

看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。

 

  1. 問題解決思考である。
  2. 医師の指示の下で計画を立てる。
  3. 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
  4. アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。

 

 


 
▶午後18

成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。

 

  1. 2cm
  2. 5cm
  3. 12cm
  4. 15cm

 

 


 
▶午後19

右前腕に持続点滴をしている患者の寝衣交換で適切なのはどれか。

 

  1. 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
  2. 左袖から脱ぎ、左袖から着る。
  3. 右袖から脱ぎ、左袖から着る。
  4. 右袖から脱ぎ、右袖から着る。

 

 


 
▶午後20

転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。

 

  1. 夜間はおむつを使用する。
  2. 履物はスリッパを使用する。
  3. 離床センサーの使用は控える。
  4. 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。

 

 


 
▶午後21

中心静脈から投与しなければならないのはどれか。

 

  1. 脂肪乳剤
  2. 生理食塩液
  3. 5%ブドウ糖液
  4. 高カロリー輸液

 

 


 
▶午後22

赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。

 

  1. 死亡群
  2. 保留群
  3. 最優先治療群
  4. 待機的治療群

 

 


 
▶午後23

温罨法の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 平滑筋が緊張する。
  2. 局所の血管が収縮する。
  3. 還流血流量が減少する。
  4. 痛覚神経の興奮を鎮静する。

 

 


 
▶午後24

体温調節中枢があるのはどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 大脳皮質
  4. 視床下部

 

 


 
▶午後25

腎機能を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 中性脂肪
  2. ビリルビン
  3. AST〈GOT〉
  4. クレアチニン
  5. LDLコレステロール

 

 


 

資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第108回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成31年2月17日(日)に実施された第108回看護師国家試験について、午前問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第108回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(20歳、男性、大学生)は、炎天下で長時間サッカーをしていたところ転倒し、左膝と左側腹部を強打した。「左膝がカクッと折れて力が入らない。左腹部が痛い」ことを主訴に救急外来を受診した。
受診時のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数14/分、脈拍98/分、血圧102/58mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。血液検査の結果、赤血球550万/μL、Hb16.0g/dL、Ht55%、白血球8,900/μL、CRP0.3mg/dLであった。尿検査は尿潜血(-)、尿比重1.025、濃縮尿であった。胸部・腹部・下肢のエックス線写真に異常なし。胸腹部CTでは脾臓損傷を否定できなかった。このため、左半月板損傷と外傷性脾臓損傷を疑い入院となった。

 

▶午前91

Aさんの状態をアセスメントするために、救急外来受診時に優先して観察すべき項目はどれか。

 

  1. 尿の性状
  2. 腸蠕動音
  3. 脈拍数
  4. 体温

 

 


 

▶午前92

入院後3日、腹部CTの再検査で脾臓損傷は否定された。また、左膝のMRI検査では、左半月板損傷と確定診断され、自宅療養することとなった。退院準備中のAさんから「ベッドから立ち上がろうとしたら、左膝が曲がったままで伸びない。痛みはそれほどでもないです」と訴えがあった。
この時、医師への連絡と同時に看護師が実施することで適切なのはどれか。

 

  1. 作業療法士へ相談する。
  2. 下肢の関節可動域を確認する。
  3. 処方された鎮痛薬を服用させる。
  4. 下肢の徒手筋力テストを実施する。

 

 


 

▶午前93

医師による診察の結果、退院は中止になり、入院後5日に膝関節鏡を用いた手術を受けた。手術後1週の診察で退院が決まり、医師から「取り外し可能なギプスを装着し、次の受診まで松葉杖を使い左足には負荷をかけないで生活をしてください」と説明された。
看護師がAさんに行う退院指導で、正しいのはどれか。

 

  1. 「負荷をかけない」とは痛くない程度に体重をかけることである。
  2. 患側膝関節の屈曲伸展を繰り返す運動をしてよい。
  3. 患側下肢の等尺性運動を実施する。
  4. 松葉杖は腋窩に密着させる。

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。

 

▶午前94

確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。

 

  1. MRI
  2. 針生検
  3. PET-CT
  4. マンモグラフィ

 

 


 

▶午前95

Aさんは、乳房温存療法を希望したが、腫瘤が大きいため手術前に化学療法を受けることになった。術前化学療法としてEC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)を3週ごとに、4サイクル受ける予定である。
Aさんに起こりやすい障害はどれか。

 

  1. 嗅覚障害
  2. リンパ浮腫
  3. 卵巣機能不全
  4. 末梢神経障害

 

 


 

▶午前96

Aさんは、職場の上司と相談し、仕事を継続しながら化学療法を受けることになった。2サイクル目の治療のため、化学療法センターに来院した。Aさんは「1回目の治療のあと、数日間身体がだるくて食欲もなく、体重が1キロ減りました。仕事も休みました」と看護師に話した。
身体所見:体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍70/分、血圧120/74mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。
検査所見:赤血球400万/μL、Hb12.5g/dL、Ht37%、白血球2,300/μL(好中球55%、単球5%、好酸球4%、好塩基球1%、リンパ球35%)、血小板18万/μL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CRP0.3mg/dL。
2サイクル目の化学療法を受けたAさんに行ってもらうセルフモニタリングで最も重要なのはどれか。

 

  1. 脈拍数
  2. 体温
  3. 血圧
  4. 体重

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1cが8.5%のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。

 

▶午前97

Aさんに自己注射を導入できるかを判断するための情報で最も重要なのはどれか。

 

  1. 細かい文字が読める。
  2. 運動療法を行っている。
  3. 近所に支援をしてくれる人がいる。
  4. 食品交換表の使い方を理解できている。

 

 


 

▶午前98

Aさんは、医師から自己注射について説明された。Aさんは医師に質問はないと答えたが、考え込んでいたため、看護師はAさんに心配なことがあるか質問した。Aさんは「10年間、食事療法をがんばってきたのに、注射になるのですね。今後どうしたら良いかわからなくなりました」と話した。
この時の看護師の言葉かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「もう少しがんばれると良かったですね」
  2. 「治療食の配食サービスを利用しましょう」
  3. 「私たちの指導通りに行えばうまくいきます」
  4. 「これまでの食事で工夫したことを一緒に振り返りましょう」

 

 


 

▶午前99

朝食前の自己注射によって、Aさんの血糖値は安定していた。6年後、Aさんはサービス付き高齢者向け住宅に転居した。転居後の外来受診時、Aさんは外来看護師に「施設の食堂で食事をしている。食堂に行く前は化粧で忙しいが、毎日楽しい。間食はしていない」と話す。転居後2か月のHbA1c値が上昇していたため、外来看護師がAさんに質問すると「引っ越してから、注射を忘れることがあった」と話した。Aさんの自己注射の手技に問題はなく、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉は29点だった。Aさんの娘に確認すると、Aさんの自室の冷蔵庫に、未使用のインスリンが余っていることが分かった。
外来の看護師からAさんと娘への助言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 訪問看護師に注射を依頼する。
  2. 注射をしたらカレンダーに印をつける。
  3. 化粧で使う鏡に「朝食前に注射」のメモを貼る。
  4. サービス付き高齢者向け住宅の職員にインスリンの残量を数えてもらう。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。
身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%。意識レベル清明。
検査所見:Hb6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST〈GOT〉45IU/L〈U/L〉、ALT〈GPT〉60IU/L〈U/L〉、Na130mEq/L、K4.2mEq/L。

 

▶午前100

Aさんは全身の衰弱がみられるものの、Aさんの希望で病室のトイレには歩いて行くことになった。看護師は、Aさんは転倒するリスクが高いと判断した。
Aさんの転倒要因はどれか。2つ選べ。

 

  1. 貧血
  2. 腹水貯留
  3. 肝機能低下
  4. 低酸素血症
  5. 低カリウム血症

 

 


 

▶午前101

Aさんは昼間も寝ていることが多くなった。Aさんは「食事はいらないけど冷たいものはほしい」と言い、看護師が準備した氷を少量食べることがある。維持輸液を行っている。医師から家族にAさんの臨終が近いとの説明があった。家族は看護師に「食事をとらないと体力がなくなってしまう。苦痛なく最期を迎えさせてあげたいけれど、少しでも長く生きていてほしい」と言っている。
家族に対する看護師の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「食事を介助してください」
  2. 「点滴をしているので大丈夫です」
  3. 「食事に栄養補助食品を取り入れます」
  4. 「Aさんが食べたい物を持ってきてください」

 

 


 

▶午前102

1週後、Aさんは反応がなくなり、尿量の減少、血圧の低下、下顎呼吸、チアノーゼがみられるようになり、家族が病室に集まった。「最期に何かしてあげたいけれど、何ができるのかわかりません」と看護師に話した。
家族に対する看護師の対応で最も優先順位が高いのはどれか。

 

  1. Aさんに話しかけるように勧める。
  2. Aさんの全身清拭を行うように勧める。
  3. Aさんの背部にクッションを入れるように勧める。
  4. Aさんの好んでいた服に着がえさせるように勧める。

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病および脱水症と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。

 

▶午前103

Aちゃんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 四肢の抑制を行う。
  2. 気をそらすよう工夫する。
  3. 点滴静脈内注射のラインを短くする。
  4. 点滴静脈内注射の必要性を説明する。

 

 


 

▶午前104

Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP4.8mg/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。
Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。

 

  1. イレウス
  2. 心筋梗塞
  3. アレルギー反応
  4. クループ症侯群

 

 


 

▶午前105

Aちゃんの心臓超音波検査結果では、冠状動脈瘤の所見はなかった。Aちゃんは、全身状態が安定したため退院することになった。
看護師からAちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 運動の制限がある。
  2. 定期受診が必要である。
  3. 水分摂取量の制限がある。
  4. 保育所への通所は2週間禁止する。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白(±)、尿糖(-)。浮腫(±)。Hb10g/dL、Ht30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。

 

▶午前106

Aさんの妊婦健康診査時のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 妊娠性貧血
  2. 腟カンジダ症
  3. 胎児発育不全〈FGR〉
  4. 妊娠高血圧症候群〈HDP〉

 

 


 

▶午前107

妊婦健康診査後、Aさんは看護師に「毎朝30分、電車内で立ち続けているので職場までの通勤がとても疲れます」と話した。看護師はAさんに、就労する妊娠中の女性に関する制度について説明した。
Aさんがこの時点で取得できるのはどれか。

 

  1. 産前休業
  2. 時差出勤
  3. 就業の制限
  4. 所定労働時間の短縮

 

 


 

▶午前108

Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(±)。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「水分を控えましょう」
  2. 「体重を減らしましょう」
  3. 「ガードルを着用しましょう」
  4. 「弾性ストッキングを着用しましょう」
  5. 「寝るときは足を高くして横になりましょう」

 

 


 

▶次の文を読み109・111の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。

 

▶午前109

産褥2日。乳房の緊満はなく、熱感がある。初乳から移行乳へと変化している。Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。児の体重は3,060gで、体重減少率は4.4%、排尿は3回/日、排便は2回/日である。Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。
この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 直接授乳の回数
  2. 母乳の分泌状態
  3. 児の体重減少率
  4. 児の排泄状況

 

 


 

▶午前111

産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。
Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 3時間ごとに授乳させる。
  2. 児が前屈姿勢になるように支える。
  3. 児が啼泣している時に授乳させる。
  4. 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
  5. 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

 

▶午前112

受診後のAさんの状況に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. ストレスの増大
  2. うつ症状の悪化
  3. 睡眠薬の持ち越し効果
  4. SSRIの副作用〈有害事象〉

 

 


 

▶午前113

受診から1か月後、Aさんは11階の職場に向かう途中、エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。その時は、息が止まってしまうように感じた。それ以来、エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。
Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。
  2. 同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る。
  3. 抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する。
  4. ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する。

 

 


 

▶午前114

Aさんのパニック発作は消失し、不眠も改善したため、睡眠薬の処方は終了となった。Aさんは「もともと手足が冷えて寝つきが悪かったから、睡眠薬がなくなることが少し心配です。自分で工夫できることはあるでしょうか」と看護師に尋ねてきた。看護師が以前の睡眠状況を尋ねると、睡眠時間は23時から6時までの7時間であったこと、手足が冷えて眠れない時は熱いシャワーを浴びてから布団に入っていたことを話した。
Aさんの睡眠へのセルフケアに対する看護師の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「休日は昼まで寝るようにしましょう」
  2. 「布団に入る時間を21時に早めましょう」
  3. 「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」
  4. 「眠れるまで布団の中でじっとしているようにしましょう」

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

 

▶午前115

病棟看護師がAさんに行う在宅酸素療法に関する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 電磁調理器の使用を勧める。
  2. 外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
  3. 在宅酸素療法の機材が介護保険で給付される。
  4. 酸素濃縮器は日当たりのよいところに設置する。
  5. 呼吸困難時にAさんの判断で酸素流量を変更してよい。

 

 


 

▶午前116

退院後の生活での問題点の確認のため、カンファレンスを開催することになった。Aさんは、自宅での療養を強く希望しており、2L/分の酸素投与下で呼吸状態や日常生活動作〈ADL〉については入院前と同程度まで回復してきているが、まだ退院後の買い物や洗濯などは負荷が強く、支援が必要と判断された。また、Aさんは、呼吸困難の再発について不安を訴えている。
カンファレンスの検討内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 電動ベッドの導入
  2. 娘の居宅への転居
  3. 急性増悪時の対応方法
  4. 介護予防短期入所生活介護の利用

 

 


 

▶午前117

Aさんの退院後、訪問介護員は日常生活の支援のために週1回、訪問看護師は健康状態の確認と在宅酸素療法等について必要な指導を行うため月2回訪問することとなった。退院後2週。訪問看護師が訪問すると、Aさんは時々、食後に軽い呼吸困難が生じると訴えた。
この時の訪問看護師の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。
  2. 買い物を兼ねた外出の頻度を減らす。
  3. 食事の準備は訪問介護員に任せる。
  4. 食後すぐに排泄をする。

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

 

▶午前118

入院時のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 頻脈がある。
  2. 低血糖である。
  3. フレイルである。
  4. 高度な認知機能の低下がある。

 

 


 

▶午前119

入院後、Aさんに活性型ビタミンD製剤と鎮痛薬、胃薬が追加で処方された。追加された薬の説明は薬剤師から受けていたが、Aさんは病棟看護師に「薬は飲みたくない」と訴えた。
Aさんの訴えに対して病棟看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 医師に相談する。
  2. 薬を一包化する。
  3. 服薬の必要性を説明する。
  4. 服薬に対する思いを聞く。
  5. 薬剤師に説明してもらう。

 

 


 

▶午前120

Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。
外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」
  2. 「食べ物を目につく場所に置きましょう」
  3. 「近所に出かけないよう説明しましょう」
  4. 「入院した高齢者によくある症状です」

 

 


 

資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第108回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題/状況設定問題
午後 必修問題一般問題状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成31年2月17日(日)に実施された第108回看護師国家試験について、午前問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第108回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 必修問題

 

 

▶午前1

疾病や障害に対する二次予防はどれか。

 

  1. 早期治療
  2. 予防接種
  3. 生活習慣の改善
  4. リハビリテーション

 

 


 
▶午前2改題

日本における令和5年(2023年)の部位別にみた悪性新生物〈腫瘍〉の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。

 

  1. 肝及び肝内胆管
  2. 気管、気管支及び肺
  3. 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸

 

 


 
▶午前3

セリエ, H.が提唱した理論はどれか。

 

  1. 危機モデル
  2. ケアリング
  3. セルフケア
  4. ストレス反応

 

 


 
▶午前4

介護保険制度における保険者はどれか。

 

  1. 市町村及び特別区
  2. 都道府県
  3. 保健所

 

 


 
▶午前6

業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4

 

 


 
▶午前7

胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。

 

  1. 肺動脈
  2. 肺静脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 


 
▶午前8

母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgE
  3. IgG
  4. IgM

 

 


 
▶午前9

思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。

 

  1. 教師
  2. 祖父母
  3. 友人
  4. 両親

 

 


 
▶午前10改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶午前11

平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 市町村保健センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶午前12

胆汁の作用はどれか。

 

  1. 殺菌
  2. 脂肪の乳化
  3. 蛋白質の分解
  4. 炭水化物の分解

 

 


 
▶午前13

チアノーゼで増加しているのはどれか。

 

  1. 血中酸素分圧
  2. 還元ヘモグロビン
  3. 酸化ヘモグロビン
  4. 血中二酸化炭素分圧

 

 


 
▶午前14

鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 食道
  2. 直腸
  3. 十二指腸

 

 


 
▶午前15

感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 結核
  3. ノロウイルス性胃腸炎
  4. 流行性耳下腺炎

 

 


 
▶午前16

骨髄抑制が出現するのはどれか。

 

  1. 麻薬
  2. 利尿薬
  3. 抗癌薬
  4. 強心薬

 

 


 
▶午前17

心音の聴取でⅠ音がⅡ音より大きく聴取されるのはどれか。
ただし、●は聴取部位を示す。

 

108am17

 

 


 
▶午前18

成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。

 

  1. 左側臥位
  2. 半側臥位
  3. 仰臥位
  4. 坐位

 

 


 
▶午前19

動作を安定させるために行うのはどれか。

 

  1. 重心位置を低くする。
  2. 足を閉じた姿勢にする。
  3. 底が滑らかな素材の靴を履く。
  4. 重心線を支持基底面の中心より遠くする。

 

 


 
▶午前20

一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。

 

  1. 約10%
  2. 約30%
  3. 約50%
  4. 約70%

 

 


 
▶午前21

黄色のバイオハザードマークが表示された感染性廃棄物の廃棄容器に入れるのはどれか。

 

  1. 病理廃棄物
  2. 使用済み手袋
  3. 使用済み注射針
  4. 血液が付着したガーゼ

 

 


 
▶午前22

成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。

 

  1. 外頸静脈
  2. 大腿静脈
  3. 大伏在静脈
  4. 肘正中皮静脈

 

 


 
▶午前23

感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

 

  1. 乾燥
  2. 消毒
  3. 洗浄
  4. ガーゼ保護

 

 


 
▶午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 


 
▶午前25

副腎皮質ステロイドの作用はどれか。

 

  1. 体重の減少
  2. 血糖の低下
  3. 血圧の低下
  4. 免疫の促進
  5. 炎症の抑制

 

 


 

資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第108回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和2年2月16日(日)に実施された第109回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。

 

▼第109回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 状況設定問題

 

 

▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性)は、昨年結婚し、夫(50歳)と2人暮らし。最近2か月で5kgの体重減少、首の違和感と息苦しさ、心悸亢進、不眠のため内科を受診した。触診で甲状腺の腫脹、超音波検査で甲状腺内に数か所の石灰化が認められたため、甲状腺腫瘍の疑いで大学病院に紹介された。
嗜好品:飲酒はビール700ml/日を週5日
趣味:ジョギングとヨガ

 

▶午後91

Aさんの甲状腺腫瘍の確定診断に必要な検査はどれか。

 

  1. 血中サイログロブリン値検査
  2. 頸部エックス線撮影
  3. 穿刺吸引細胞診
  4. 頸部CT

 

 


 

▶午後92

検査の結果、Aさんは甲状腺乳頭癌であり、甲状腺全摘出術を受けることになった。Aさんは、手術前オリエンテーションの際「手術後にどんな症状が起こりやすいのか教えてください」と話した。
この時のAさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「手がつる感じがあります」
  2. 「目が閉じにくくなります」
  3. 「声が出なくなります」
  4. 「唾液が多くなります」

 

 


 

▶午後93

Aさんは、手術後に甲状腺ホルモン製剤、カルシウム製剤、ビタミンD製剤の内服が開始され、手術後1週で退院することになった。Aさんは「退院後の生活で気を付けることを教えてください。私は35歳ですし、夫と年が離れているため、できるだけ早く子どもが欲しいと思っています」と話している。
看護師が行うAさんへの1か月後の受診までの生活指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「運動は控えましょう」
  2. 「1年間は妊娠を控えましょう」
  3. 「海藻類の摂取に制限はありません」
  4. 「飲酒量は入院前と同じでよいです」

 

 


 

▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。

Aさん(56歳、女性、会社員)は、夕食の1時間後から腹痛・嘔吐が出現し救急外来を受診した。2か月前から自然に消失する右季肋部痛を繰り返していた。
身体所見:身長155cm、体重82kg。体温38.2℃、呼吸数16/分、脈拍110/分、血圧126/70mmHg。眼球結膜に黄染あり。右季肋部に圧痛あり。意識清明。
検査所見:白血球14,960/μL、Hb12.8g/dL。総ビリルビン8.7mg/dL、直接ビリルビン7.2mg/dL、アミラーゼ121IU/L、リパーゼ45IU/L、尿素窒素18.9mg/dL、血清クレアチニン0.98mg/dL。CRP9.2mg/dL。
腹部超音波検査所見:胆囊壁の肥厚、胆囊の腫大、総胆管の拡張、総胆管結石を認めた。

 

▶午後94

Aさんの病態で正しいのはどれか。

 

  1. 急性胃炎
  2. 急性腎不全
  3. 閉塞性黄疸
  4. 溶血性貧血

 

 


 

▶午後95

Aさんは、緊急で内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉を受ける方針となった。
検査前に看護師が行う説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「のどに麻酔をします」
  2. 「磁力を使った検査です」
  3. 「造影剤を静脈から投与します」
  4. 「検査は仰向けで行います」
  5. 「検査後の合併症に膵炎があります」

 

 


 

▶午後96

Aさんには、緊急内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉に続いて内視鏡的経鼻胆管ドレナージ〈ENBD〉が留置された。入院時に採取した血液培養からは大腸菌〈E.coli〉が検出されたが、抗菌薬治療とENBDにより解熱している。
入院後2日、Aさんは右季肋部の違和感を訴えた。バイタルサインは正常である。
この時の看護師の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. ドレナージチューブをクランプする。
  2. ドレナージチューブから空気を注入する。
  3. ドレナージチューブの固定位置を確認する。
  4. ドレナージチューブからの排液量を確認する。
  5. ドレナージチューブをアルコール綿で消毒する。

 

 


 

▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。

Aさん(72歳、男性)は、2か月前に右中大脳動脈領域の脳梗塞を発症した。本日、病院を退院し、介護老人保健施設に入所した。
既往歴:1年前に前立腺癌のため腹腔鏡下前立腺全摘除術。
身体所見:左上下肢に軽度のしびれがある。半側空間無視がある。構音障害はない。
生活機能:改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉26点、Barthel〈バーセル〉インデックス65点。

 

▶午後97

Aさんは排尿コントロールについて「脳梗塞になってから、尿意を感じるとがまんできずに大量の尿が漏れてしまう。1日に何回も漏らす」と看護師に話した。
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 過活動膀胱
  2. 腹圧性尿失禁
  3. 溢流性尿失禁
  4. 腹腔鏡下前立腺全摘除術の後遺症

 

 


 

▶午後98

入所後2日、Aさんは箸を使って食事をするが、いつも左側に置かれた食器には食べ残しがあった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. スプーンの使用を勧める。
  2. 反復唾液嚥下テストを行う。
  3. 食事の途中で食器の配置を変える。
  4. 食器の下に滑り止めマットを敷く。

 

 


 

▶午後99

入所後3日、Aさんは入浴した。Aさんは自分で脱衣し、体を洗えたが、洗い残した部分を看護師が介助した。入浴後に看護師がAさんに服を手渡すと、Aさんは戸惑った表情で服を丸めたり広げたりしている。
Aさんへの更衣援助で最も適切なのはどれか。

 

  1. 着替え始めるまで待つ。
  2. 伸縮性のある素材の服を渡す。
  3. 服を着やすい向きに持たせる。
  4. ボタンをマジックテープに変えた服を渡す。

 

 


 

▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。

Aちゃん(5歳、男児)は、2日前に39℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)罹患児が数名いる。
既往歴:特記すべきことはない。
予防接種歴:年齢相応の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。
家族歴:両親は流行性耳下腺炎罹患の既往がある。妹のBちゃん(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎罹患の既往はない。
身体所見:体温39.2℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig〈ケルニッヒ〉徴候あり。
検査所見:白血球8,760/μL。血清アミラーゼ834U/L(基準44〜132)、CRP0.1mg/dL。

 

▶午後100

Aちゃんに腰椎穿刺を行うことになった。看護師が検査の準備を始めると、Aちゃんは「何をするの?」と不安そうな表情をして尋ねてきた。
看護師の適切な返答はどれか。

 

  1. 「泣いちゃだめだよ」
  2. 「気にしないでいいよ」
  3. 「痛いことはしないよ」
  4. 「背中にお注射するよ」

 

 


 

▶午後101

検査の結果、Aちゃんはムンプス髄膜炎と診断された。父親から看護師に「先ほど主治医の先生から、面会やAの入院中の生活に制限があると聞きました。詳しく教えてください」と質問があった。
看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「親の面会は可能です」
  2. 「Bちゃんの面会は可能です」
  3. 「Aちゃんはプレイルームで遊べます」
  4. 「Aちゃんは病室内でガウンを着てもらいます」

 

 


 

▶午後102

Aちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院3日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。
父親への看護師の回答で適切なのはどれか。

 

  1. 「Aちゃんの精巣の腫れに注意してください」
  2. 「Aちゃんは退院後1週間は登園できません」
  3. 「Aちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」
  4. 「AちゃんからBちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」

 

 


 

▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。

Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。

 

▶午後103

定期外来の受診時に、手術が決まったことが医師からAちゃんに伝えられた。
Aちゃんは「なんで手術するの」と涙ぐんでいる。扁桃腺摘出術を受けるAちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「寝ているときに息を止めてしまうことがあるからだよ」
  2. 「のどにいる悪い虫をとるためだよ」
  3. 「のどにお熱があるからだよ」
  4. 「いびきが大きいからだよ」

 

 


 

▶午後104

手術後1日。Aちゃんはベッド上で、静かにぬり絵をして遊んでいたが、昼食時には黙って涙ぐみ、食事や水分も摂ろうとしない。付き添っている母親は「痛くて食べられないようです」と看護師に言った。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.6℃、血圧100/60mmHg。
看護師がAちゃんの痛みを把握するのに最も適切な方法はどれか。

 

  1. Aちゃんの表情を観察する。
  2. 母親にAちゃんの痛みの様子を聞く。
  3. Aちゃんに痛みの程度を話してもらう。
  4. Aちゃんに痛みスケールを使って示してもらう。

 

 


 

▶午後105

手術後1日。
看護師が行うAちゃんの術後出血の観察方法で適切なのはどれか。

 

  1. 口を開けて手術創を観察する。
  2. 唾液の色を観察する。
  3. 便の色を観察する。
  4. 脈拍数を測定する。

 

 


 

▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩3時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。

 

▶午後106

この時のAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 子宮収縮は良好である。
  2. 縫合部に感染徴候がみられる。
  3. 分娩の受け止めに問題がある。
  4. 産褥日数に比べて進行性変化が遅い。

 

 


 

▶午後107

産褥2日。Aさんから会陰縫合部の疼痛の増強はないが、離開の不安から排便ができないと訴えがあった。看護師は縫合部の異常がないことを確認した。Aさんは妊娠中の便秘はなかった。
看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 産褥体操をAさんに勧める。
  2. 水分を多く摂るようAさんに勧める。
  3. 医師に緩下薬の処方について相談する。
  4. 縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。

 

 


 

▶午後108

産褥4日。母子ともに出産後の経過は順調である。看護師が、Aさんへ退院に向けて育児に関する話をしていたところ「赤ちゃんの顔や胸が赤くなっているのが気になっています」と相談してきた。看護師が新生児の皮膚を観察したところ、児の顔面と胸部に中毒性紅斑が数個散在していた。
この時のAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 紅斑を乾燥させるよう説明する。
  2. 紅斑をガーゼでよく洗うよう説明する。
  3. 自然に消失するため心配はないと説明する。
  4. 抗菌薬の軟膏の処方について医師に相談すると伝える。

 

 


 

▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。

Aさん(22歳、女性、会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。

 

▶午後109

入院当日、Aさんに対する看護師の関わりで適切なのはどれか。

 

  1. 短期間の入院となることを伝える。
  2. 母親と関係修復をするように促す。
  3. リストカットをしないように説得する。
  4. Aさんの心身を心配していることを伝える。

 

 


 

▶午後110

入院翌日、母親が面会に来たが、Aさんに要求されるままお菓子を大量に持参した。Aさんは、面会室でお菓子をすべて食べた直後に、トイレにこもり、嘔吐していたところを看護師が発見した。Aさんは泣きながら「食べると止まらなくなる。太りたくない」と訴えた。主治医は、Aさんが右第2指を使って嘔吐していた痕跡を認めたこと、Aさんが「中学の時から過食と嘔吐を繰り返していた」と話したことから、神経性過食症と診断した。
入院時の身体所見:身長155cm、体重48kg。
入院時の検査所見:赤血球400万/μL、Hb12.5g/dL、白血球6,300/μL。Na135mEq/L、K2.7mEq/L、Cl98mEq/L、AST30U/L、ALT35U/L、γ-GTP32U/L。
Aさんの状態をアセスメントするために優先度が高い検査はどれか。

 

  1. 心電図
  2. 頭部CT
  3. 腹部超音波
  4. 上部消化管内視鏡

 

 


 

▶午後111

入院後3週、Aさんの精神状態は落ち着き、職場に早く戻りたいと意欲があったため、退院に向けての準備をすることになった。自傷行為は、入院前の1回のみだった。Aさんは「また過食をしないか心配だ」と看護師に訴えた。そのため主治医はAさんと話し合い認知行動療法が開始となった。
Aさんの退院に向けて、医師、看護師のチームと連携するメンバーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 栄養士
  2. 薬剤師
  3. 臨床心理士
  4. ゲートキーパー
  5. 精神保健福祉相談員

 

 


 

▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。

Aさん(43歳、男性、会社員)は、妻(38歳)と2人暮らし。1年前から、仕事上の失敗を上司から叱責されることが続いていた。半年前からAさんの飲酒量は次第に増えていき、最近では酒気を帯びたままの出勤や、飲酒を原因とした遅刻や欠勤をすることが増えていた。ある夜、Aさんは居酒屋で多量に飲酒し、その場で意識が消失したため、救急車で救命救急センターへ搬送され、入院となった。器質的検査および生理的検査では異常が認められなかったが、入院翌日に飲酒の問題について同じ病院内の精神科を受診した結果、Aさんはアルコール依存症と診断された。

 

▶午後112

入院後3日までにAさんに出現する可能性が高い症状はどれか。2つ選べ。

 

  1. 観念奔逸
  2. 緘黙
  3. 強迫症状
  4. 幻覚
  5. 振戦

 

 


 

▶午後113

入院後3日。面会に来た妻は、飲酒によって多くのトラブルを抱えているAさんへの対応に困っており、Aさんの飲酒行動に対する関わり方について、今後どのようにすればよいか看護師に相談した。
Aさんの妻に対する助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「飲酒による仕事上の失敗についてAさんと議論しましょう」
  2. 「飲酒したいというAさんの気持ちは聞かないようにしましょう」
  3. 「Aさんが飲酒したことがわかっても注意はしないようにしましょう」
  4. 「Aさんの飲酒によるトラブルを代わりに解決しないようにしましょう」

 

 


 

▶午後114

入院中にAさんは、退院後に再び飲酒してしまうのではないかという不安を看護師に訴えた。
Aさんの断酒を支援するための看護師の提案で適切なのはどれか。

 

  1. 共同生活援助〈グループホーム〉への入居
  2. セルフヘルプグループへの参加
  3. 行動援護の利用
  4. 生活訓練の利用

 

 


 

▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。

Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。

 

▶午後115

外来受診時にAさんの妻から外来看護師に「2人で協力してインスリン注射することには慣れてきました。たまには夜に夫とゆっくり和食を食べに行きたいのですが、外出時の注射で気を付けることを教えてほしい」と相談があった。
Aさんと妻への外来看護師の指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 「お店に着いたらすぐに注射を打ちましょう」
  2. 「インスリンを常温で持ち運ぶことはできません」
  3. 「注射ができる場所をお店の人に確認しましょう」
  4. 「普段よりもインスリン量を増やす必要があります」

 

 


 

▶午後116

インスリン治療開始後3年、Aさんは妻の付き添いで散歩を取り入れ運動療法にも取り組んでいたが、靴ずれが悪化し右第5趾に潰瘍ができた。そこで要介護1の認定を受けて訪問看護が週2回導入され、フットケアの指導が行われることになった。
訪問看護師が行う妻への指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 絆創膏は足趾全体を覆うように貼る。
  2. 浸出液の臭いの変化に注意する。
  3. 泡立てた石けんで足を洗う。
  4. 足浴には42℃の湯を使う。
  5. 大きいサイズの靴を履く。

 

 


 

▶午後117

訪問看護が導入されて2か月、Aさんの妻が健康診査後の精査目的で数日間入院することになった。Aさんは妻の入院中もできる限り自宅で過ごしたいと考えている。妻の入院中の対応について、サービス担当者会議が開かれた。
この時に訪問看護師が行うAさんへの提案で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 通所介護を利用する。
  2. 訪問介護を利用する。
  3. 配食サービスを利用する。
  4. 訪問看護の回数を増やす。

 

 


 

▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。

Aさん(20歳、女性、外国籍)は、6月に来日し、9月に大学に入学した。入学して1週後、Aさんは大学でめまいを起こして座り込み、同じ国から昨年留学生として来日した友人に付き添われ病院の内科外来を受診した。外来では多くの患者が受診を待っており、診察までに時間がかかっていた。Aさんは、日常会話程度の日本語が話せ「身体がだるくて立っていられません」と看護師に伝えた。

 

▶午後118

外来の看護師の対応で優先するのはどれか。

 

  1. 外国語が話せる医師を呼びに行く。
  2. 付き添ってきた友人に通訳を依頼する。
  3. Aさんに外来の処置室で横になってもらう。
  4. Aさんの母国語で書かれた問診表を取りに行く。

 

 


 

▶午後119

Aさんは、急性骨髄性白血病と診断され、血液内科病棟の2人部屋に緊急入院になった。病棟看護師が入院オリエンテーションをするため病室を訪れたところ、同室の患者から「Aさんの香水の香りが強いので、つらい」と訴えがあり、看護師もその香りが気になった。
看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 同室の患者に別室への移動を勧める。
  2. Aさんに香水を洗い流すよう説明する。
  3. Aさんに香水の使用は医師の許可が必要と説明する。
  4. Aさんに香りが本人および同室の患者の治療に及ぼす影響を説明する。

 

 


 

▶午後120

Aさんが入院したという知らせを受けて、Aさんの家族が来日し、病棟に見舞いに来た。Aさんの家族は、Aさんの身の回りの世話を泊まり込みで行うために、大量の私物を持ち込んでいる。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. Aさんと家族が納得できる解決策を話し合う。
  2. 希望通りAさんの病室に泊まることを許可する。
  3. 日本では家族の泊まり込みはできないと説明する。
  4. 近隣のホテルに泊まって、日中のみ通うよう勧める。

 

 


 

資料 厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第109回看護師国家試験

午前 必修問題一般問題状況設定問題
午後 必修問題一般問題/状況設定問題

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和2年2月16日(日)に実施された第109回看護師国家試験について、午後問題のうち必修問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第109回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 必修問題

 

 

▶午後1改題

令和4年(2022年)の日本における簡易生命表で女性の平均寿命に最も近いのはどれか。

 

  1. 77年
  2. 82年
  3. 87年
  4. 92年

 

 


 
▶午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 16%
  3. 26%
  4. 46%

 

 


 
▶午後3

じん肺に関係する物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. アスベスト
  3. ダイオキシン類
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶午後4

日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

 

 


 
▶午後5

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

 

  1. 研究をする。
  2. 看護記録を保存する。
  3. 看護師自身の健康の保持増進を図る。
  4. 業務上知り得た人の秘密を漏らさない。

 

 


 
▶午後6

エリクソン, E. H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。

 

  1. 生殖性 対 停滞
  2. 勤勉性 対 劣等感
  3. 自主性 対 罪悪感
  4. 同一性 対 同一性混乱

 

 


 
▶午後7

乳児期における呼吸の型はどれか。

 

  1. 肩呼吸
  2. 胸式呼吸
  3. 腹式呼吸
  4. 胸腹式呼吸

 

 


 
▶午後8

老年期にみられる身体的な変化はどれか。

 

  1. 血管抵抗の増大
  2. 消化管の運動の亢進
  3. 水晶体の弾性の増大
  4. メラトニン分泌量の増加

 

 


 
▶午後9改題

令和5年(2023年)の日本の人口推計で10年前より増加しているのはどれか。

 

  1. 総人口
  2. 年少人口
  3. 老年人口
  4. 生産年齢人口

 

 


 
▶午後10

医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 9
  2. 19
  3. 29
  4. 39

 

 


 
▶午後11

大腸で吸収されるのはどれか。

 

  1. 脂質
  2. 水分
  3. 糖質
  4. 蛋白質

 

 


 
▶午後12

三叉神経の機能はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 眼球の運動
  3. 顔面の知覚
  4. 表情筋の運動

 

 


 
▶午後13

脂肪分解酵素はどれか。

 

  1. ペプシン
  2. リパーゼ
  3. マルターゼ
  4. ラクターゼ

 

 


 
▶午後14

尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 糖尿病
  3. 尿路感染症
  4. ネフローゼ症候群

 

 


 
▶午後15

下痢によって生じやすい電解質異常はどれか。

 

  1. 低カリウム血症
  2. 高カルシウム血症
  3. 高ナトリウム血症
  4. 低マグネシウム血症

 

 


 
▶午後16

意識レベルを評価するスケールはどれか。

 

  1. Borg〈ボルグ〉スケール
  2. フェイススケール
  3. ブリストルスケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉

 

 


 
▶午後17

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

 

  1. 尊重されたい。
  2. 休息をとりたい。
  3. 他人と関わりたい。
  4. 自分の能力を発揮したい。

 

 


 
▶午後19

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 否定的感情の表出を受けとめる。
  2. 沈黙が生じた直後に会話を終える。
  3. 看護師が伝えたいことに重点をおく。
  4. 患者の表情よりも言語による表現を重視する。

 

 


 
▶午後20

入浴の温熱作用はどれか。

 

  1. 筋緊張が増す。
  2. 末梢血管が拡張する。
  3. 慢性疼痛が増強する。
  4. 循環血液量が減少する。

 

 


 
▶午後21

標準予防策〈スタンダードプリコーション〉で感染源として取り扱うのはどれか。

 

  1. 唾液
  2. 頭髪

 

 


 
▶午後22

赤血球製剤の保存温度で適切なのはどれか。

 

  1. -6~-2℃
  2.  2~6℃
  3. 12~16℃
  4. 22~26℃

 

 


 
▶午後23

成人で1日の尿量が100mL以下の状態を示すのはどれか。

 

  1. 希尿
  2. 頻尿
  3. 乏尿
  4. 無尿

 

 


 
▶午後24

仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。

 

  1. 踵骨部
  2. 内顆部
  3. 膝関節部
  4. 大転子部

 

 


 
▶午後25

成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。

 

  1. 14G
  2. 18G
  3. 22G
  4. 26G

 

 


 

資料 厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第109回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向